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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089241
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04815 20220101AFI20240626BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240626BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240626BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20240626BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
G06F3/04815
G06T19/00 A
G06F3/0484
G06F3/0346 425
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204492
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 仁史
【テーマコード(参考)】
5B050
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050DA01
5B050EA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA09
5B087AA07
5B087AA09
5B087AB02
5B087DD03
5E555AA11
5E555AA27
5E555AA63
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA38
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB38
5E555BC17
5E555BE16
5E555BE17
5E555CA10
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CB07
5E555CB15
5E555CB21
5E555CB55
5E555CB65
5E555CB66
5E555CB82
5E555CC26
5E555CC27
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB41
5E555DB49
5E555DB53
5E555DB56
5E555DB57
5E555DC19
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】仮想的な3次元空間において、ユーザが複数の仮想オブジェクトを容易に移動させることができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御部112は、ディスプレイ28に対して、仮想空間VSを表示させる。管理部113は、仮想空間VSにおいて、ユーザU1を中心とする球面を示す基準オブジェクトBOと、基準オブジェクトBOに配置された仮想オブジェクトVOとを管理する。移動制御部115は、仮想空間VSにおいて、基準オブジェクトBOの回転に合わせて、仮想オブジェクトVOを移動させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に対して、仮想空間を表示させる表示制御部、
前記仮想空間において、ユーザを中心とする球面を示す基準オブジェクトと、前記基準オブジェクトに配置された1又は複数の仮想オブジェクトとを管理する管理部、及び
前記仮想空間において、前記基準オブジェクトの回転に合わせて、前記1又は複数の仮想オブジェクトを移動させる移動制御部
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記ユーザの第1操作に応じて、前記基準オブジェクトにおいて前記1又は複数の仮想オブジェクトが配置されていない基準点を特定する特定部を更に備え、
前記移動制御部は、前記ユーザが前記基準点を移動させる第2操作に応じて、前記基準点の移動に伴って前記基準オブジェクトを回転させることにより、前記1又は複数の仮想オブジェクトを回転させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記ユーザの第3操作に応じて、前記1又は複数の仮想オブジェクトのうち1つの仮想オブジェクトを選択する選択部を更に備え、
前記移動制御部は、前記ユーザが前記1つの仮想オブジェクトを移動させる第4操作に応じて、前記1つの仮想オブジェクトを移動させる
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記移動制御部は、前記第4操作に応じて、前記基準オブジェクト内において前記1つの仮想オブジェクトを移動させる
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記仮想空間は、前記基準オブジェクト上に配置された1又は複数のサブオブジェクトを更に含んでおり、
前記1又は複数のサブオブジェクトは、球体状であり、前記1又は複数の仮想オブジェクトを含んでおり、
前記移動制御部は、
前記ユーザの第5操作に応じて、前記1又は複数のサブオブジェクトのうち、1つのサブオブジェクトを選択し、
前記ユーザの第6操作に応じて、前記1つのサブオブジェクトを回転させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記仮想空間は、前記基準オブジェクト上に配置された1又は複数のサブオブジェクトを更に含んでおり、
前記1又は複数のサブオブジェクトは、球体状であり、前記1又は複数の仮想オブジェクトを含んでおり、
前記移動制御部は、前記サブオブジェクトに配置されている1又は複数の仮想オブジェクトのうち、前記ユーザの第7操作に応じて選択された1つの仮想オブジェクトを、前記サブオブジェクトから取り出して前記基準オブジェクト上に配置する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
外部装置から、前記基準オブジェクトを示す第1の画像情報及び前記1又は複数の仮想オブジェクトを示す第2の画像情報を取得する取得部を更に備え、
前記表示制御部は、前記第1の画像情報及び前記第2の画像情報に基づいて、前記基準オブジェクト及び前記1又は複数の仮想オブジェクトを含む前記仮想空間を表示させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
VR(Virtual Reality)技術、AR(Augmented Reality)技術、又はMR(Mixed Reality)技術を含むXR技術を用いて実現される3次元空間において、ユーザの位置を中心として、360度方向に複数の仮想オブジェクトが表示されることがある。この場合、ユーザが、ユーザの背後に位置している仮想オブジェクトを閲覧するためには、ユーザは、姿勢を変えてユーザ自身の顔を後ろに向ける必要がある。しかし、ユーザが混み合った環境にいる場合には、ユーザの姿勢及び顔の向きを変える行為が制限されることがある。このような場合、ユーザは、ユーザの背後に位置している仮想オブジェクトを手動でユーザの正面に移動する手段を用いることが考えられる。
【0003】
特許文献1は、仮想的な3次元空間において仮想オブジェクトを移動させるために、ポインティングデバイスを用いる技術を開示している。この技術において、ユーザは、複数の仮想オブジェクトの中から、移動の対象となる1つの仮想オブジェクトを選択する。選択された仮想オブジェクトは、ユーザの操作に応じて移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2008/059614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に係る技術において、ユーザは、ポインティングデバイスを用いて、個々のオブジェクトを個別に移動させる必要がある。その結果、複数のオブジェクトを移動させる場合、オブジェクトの数が増えるに従って、ユーザによるオブジェクトを移動させるための操作が煩雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、仮想的な3次元空間において、ユーザが複数の仮想オブジェクトを容易に移動させることができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な態様に係る表示制御装置は、表示装置に対して、仮想空間を表示させる表示制御部、仮想空間において、ユーザを中心とする球面を示す基準オブジェクトと、基準オブジェクトに配置された1又は複数の仮想オブジェクトとを管理する管理部、及び仮想空間において、基準オブジェクトの回転に合わせて、1又は複数の仮想オブジェクトを移動させる移動制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る表示制御装置によれば、仮想的な3次元空間において、ユーザが複数の仮想オブジェクトを容易に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る表示制御装置を含む情報処理システムの構成図である。
図2】MRグラスの外観を示す斜視図である。
図3】MRグラスを用いることによりユーザに提供される仮想空間の模式図である。
図4】MRグラスの構成例を示すブロック図である。
図5】端末装置の構成例を示すブロック図である。
図6】初期座標テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
図7】サーバの構成例を示すブロック図である。
図8図5の処理装置の第1の動作を示すフローチャートである。
図9図5の処理装置の第2の動作を示すフローチャートである。
図10】第2実施形態に係る表示制御装置を含む情報処理システムの構成図である。
図11】第2実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
図12】仮想空間内の基準オブジェクト、サブオブジェクト、及び仮想オブジェクトの模式図である。
図13図12のサブオブジェクトのより詳細な模式図である。
図14】初期座標テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
図15図11の処理装置の第1の動作を示すフローチャートである。
図16図11の処理装置の第2の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1実施形態
以下、図1図9を参照することにより、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置の構成について説明する。
【0011】
1.1.第1実施形態の構成
1.1.1.全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示制御装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
【0012】
情報処理システム1は、端末装置10、MRグラス20、外部装置としてのサーバ30、及び通信網NETを備えている。図1には、3つの端末装置10-1~10-3、及び3つの端末装置10-1~10-3にそれぞれ対応する3つのMRグラス20-1~20-3が示されている。端末装置10は、3つの端末装置10-1~10-3のうちのいずれか1つを表している。MRグラス20は、3つのMRグラス20-1~20-3のうちのいずれか1つを表している。情報処理システム1は、MRグラス20を装着したユーザに対して、MR技術を用いて、仮想空間を提供するシステムである。
【0013】
情報処理システム1において、端末装置10-1とサーバ30、端末装置10-2とサーバ30、端末装置10-3とサーバ30とは、それぞれ通信網NETを介して互いに通信可能に接続されている。また、端末装置10-1とMRグラス20-1、端末装置10-2とMRグラス20-2、及び端末装置10-3とMRグラス20-3とは、それぞれ互いに通信可能に接続されている。なお、図1において、端末装置10とMRグラス20との組として、3組が例示されているが、当該組数はあくまで一例であって、情報処理システム1は、任意の数の端末装置10とMRグラス20との組を備えることが可能である。
【0014】
端末装置10は、MRグラス20に対して、仮想空間に配置される仮想オブジェクトをそれぞれ表示させる。また、仮想オブジェクトは、例えば、静止画像、動画、3D-CGモデル、HTMLファイル、テキストファイル等のデータを示す仮想オブジェクト及びアプリケーションを示す仮想オブジェクトである。
【0015】
ここで、テキストファイルとしては、例えば、メモ、ソースコード、日記、及びレシピが挙げられる。また、アプリケーションとしては、例えば、ブラウザ、SNSを用いるためのアプリケーション、及びドキュメントファイルを生成するためのアプリケーションが挙げられる。なお、端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末装置であることが好適である。
【0016】
MRグラス20は、ユーザの頭部に装着されるウェアラブルディスプレイである。MRグラス20は、端末装置10による制御に従って、ユーザの両眼に対応する各レンズにそれぞれ設けられている表示パネルに仮想オブジェクトを表示させる。
【0017】
サーバ30は、通信網NETを介して、端末装置10-1~10-3に対して各種データを提供する。
【0018】
1.1.2.MRグラスの構成
図2は、MRグラス20の外観を示す斜視図である。図2に示されるように、MRグラス20は、一般的な眼鏡と同様に左テンプル91及び右テンプル92、ブリッジ93、左フレーム94及び右フレーム95、並びに左眼用レンズ41L及び右眼用レンズ41Rを有している。ブリッジ93には、撮像装置26が設けられている。撮像装置26は外界を撮像する。また、撮像装置26は、撮像した画像を示す撮像情報を出力する。
【0019】
図示しないが、MRグラス20には、動き検出装置が設けられている。MRグラス20は、ユーザの動きを検出するセンサとして、地磁気センサ、加速度センサ、及びジャイロセンサを備えている。MRグラス20は、出力デバイス、即ち、ディスプレイとして、左眼用ディスプレイ及び右眼用ディスプレイとを備えている。
【0020】
左眼用ディスプレイは、左眼用レンズ41L、左眼用表示パネル、及び左眼用光学部材を有している。左眼用表示パネルとしては、例えば、液晶パネル、有機ELパネル等の各種の表示パネルが好適に利用される。左眼用光学部材は、導光体及びハーフミラーを含んでいる。導光体は、左眼用表示パネルから出射した光をハーフミラーに導く。ハーフミラーは、外界の光を透過させて、ユーザの左眼に外界の光を導く一方で、導光体からの光を反射することにより、ユーザの左眼に左眼用表示パネルから出射した光を導く。
【0021】
右眼用ディスプレイは、右眼用レンズ41R、右眼用表示パネル、及び右眼用光学部材を有している。右眼用表示パネルには、左眼用表示パネルと同様の表示パネルが利用される。右眼用光学部材は、左眼用光学部材と同様の導光体及びハーフミラーを含んでいる。導光体は、右眼用表示パネルから出射した光をハーフミラーに導く。ハーフミラーは、外界の光を透過させて、ユーザの右眼に外界の光を導く一方で、導光体からの光を反射することにより、ユーザの右眼に右眼用表示パネルから出射した光を導く。
【0022】
以上の構成により、ユーザは、MRグラス20を装着することにより、左眼用表示パネル及び右眼用表示パネルに表示される画像を、外界の様子と重ね合わせて観察することができる。また、MRグラス20は、視差を伴う両眼画像のうち、左眼用画像を左眼用表示パネルに表示させ、右眼用画像を右眼用表示パネルに表示させる。これにより、MRグラス20は、ユーザに対し、表示された画像があたかも奥行き及び立体感を持つかのように知覚させることが可能となる。
【0023】
図2に示されるように、左テンプル91の軸及び右テンプル92の軸を含む平面をx-y平面とし、x-y平面において、MRグラス20の前後方向と平行な軸をx軸、x-y平面において、x軸と直交する軸をy軸とする。また、x-y平面に直交する軸をzとする。
【0024】
図3は、MRグラス20を用いることによりユーザに提供される仮想空間の模式図である。図3に示されるように、仮想空間VSは、1つの基準オブジェクトBOと複数の仮想オブジェクトVOとを含んでいる。基準オブジェクトBOは、仮想空間VSにおいて、ユーザU1を中心とする半径rの球面を示している。ここで、基準オブジェクトBOは、透明なオブジェクトである。従って、ユーザU1は、基準オブジェクトBOを透かして、基準オブジェクトBOよりも外側の外界を視認できる。
【0025】
図3において、仮想オブジェクトVOは、5つの仮想オブジェクトVO1~VO5を含んでいる。仮想オブジェクトVO1~VO5は、それぞれ基準オブジェクトBO上に配置されている。仮想オブジェクトVO1~VO5は、例えば、ブラウザ、クラウドサービス、画像、動画等の各種コンテンツを示している。なお、図3における仮想オブジェクトVOの個数は、あくまで例示であって、仮想オブジェクトVOの個数は、本開示に限定されない。
【0026】
ユーザU1は、仮想空間VS上の仮想オブジェクトVO1~VO5が表示されたMRグラス20を装着した状態において公共の空間を行き来することにより、公共の空間において、プライベートな空間としての仮想空間VSを体験することが可能となる。ひいては、ユーザU1は、仮想空間VSに配置された仮想オブジェクトVO1~VO5がもたらす便益を享受しながら、公共の空間において行動することが可能となる。
【0027】
本実施形態においては、図3に示されるように、仮想オブジェクトVO1~VO5のうち、いずれの組合せの2つの仮想オブジェクトVOも、ユーザU1から見て、仮想空間VSにおいて重ならないように表示される。
【0028】
また、ユーザU1は、端末装置10を把持している。端末装置10により、MRグラス20の表示パネルに仮想オブジェクトVOを表示させる制御には、端末装置10をポインティングデバイスとして用いる制御が含まれる。従って、ユーザU1は、把持している端末装置10の姿勢を変えることにより、仮想空間VSにおける仮想オブジェクトVOの表示態様を変更することができる。端末装置10の中心軸A1と基準オブジェクトBOとの交点、又は中心軸A1と仮想オブジェクトVOとの交点は、以下、指示点P1と称される。
【0029】
図4は、MRグラス20の構成例を示すブロック図である。MRグラス20は、処理装置21、記憶装置22、視線取得装置23、GPS装置24、動き検出装置25、撮像装置26、通信装置27、及び表示装置としてのディスプレイ28を備えている。MRグラス20の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス、ユニット等の他の用語に読み替えてもよい。
【0030】
処理装置21は、MRグラス20の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成されている。なお、処理装置21の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0031】
記憶装置22は、処理装置21により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体であり、処理装置21が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶している。
【0032】
視線取得装置23は、ユーザU1の視線を取得し、取得結果に基づいてユーザU1の視線の方向を示す視線情報を処理装置21に出力する。視線取得装置23による視線の取得方法としては、どのような方法が用いられてもよい。視線取得装置23は、例えば、ユーザU1の目頭の位置と虹彩の位置とに基づいて、視線情報を取得してもよい。処理装置21へ出力された視線情報は、通信装置27を介して、端末装置10へ出力される。
【0033】
GPS装置24は、複数の衛星からの電波を受信し、受信した電波から位置情報を生成する。位置情報は、MRグラス20の位置を示す。位置情報は、例えば、MRグラス20の緯度と経度とを示す。位置情報はGPS装置24から取得される。なお、MRグラス20は、どのような方法により位置情報を取得してもよい。また、位置情報は、位置を特定できるのであれば、どのような形式であってもよい。取得された位置情報は、処理装置21へ出力される。処理装置21へ出力された位置情報は、通信装置27を介して、端末装置10へ出力される。
【0034】
動き検出装置25は、MRグラス20の動きを検出して、動きデータを処理装置21に出力する。動きデータは、X軸、Y軸、及びZ軸の各方向の加速度をそれぞれ示す加速度データ及びX軸、Y軸、及びZ軸の各軸を回転の中心とする角加速度をそれぞれ示す角加速度データを含んでいる。動き検出装置25には、加速度を検出する加速度センサ、角加速度を検出するジャイロセンサ等の慣性センサ、及びMRグラス20が向いている方角を検出する地磁気センサが含まれている。
【0035】
加速度センサは、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸の各方向の加速度をそれぞれ検出する。ジャイロセンサは、X軸、Y軸、及びZ軸の各軸を回転の中心とする角加速度をそれぞれ検出する。地磁気センサは、X軸、Y軸、及びZ軸の各方向の地磁気をそれぞれ検出し、MRグラス20が向いている方角を検出する。動き検出装置25は、ジャイロセンサからの出力情報に基づいて、MRグラス20の姿勢を示す姿勢情報を生成する。また、動き検出装置25は、MRグラス20の動きに係る動き情報を処理装置21へ出力する。処理装置21へ出力された動き情報は、通信装置27を介して、端末装置10へ出力される。
【0036】
撮像装置26は、外界を撮像することにより得られた撮像情報を出力する。撮像装置26は、例えば、レンズ、撮像素子、増幅器、及びAD変換器を備えている。レンズを介して集光された光は、撮像素子によってアナログ信号である撮像信号に変換される。増幅器は、撮像信号を増幅したうえでAD変換器に出力する。AD変換器は、アナログ信号である増幅された撮像信号を、デジタル信号である撮像情報に変換する。変換された撮像情報は、処理装置21に出力される。処理装置21へ出力された撮像情報は、通信装置27を介して、端末装置10へ出力される。
【0037】
これにより、端末装置10では、撮像装置26による撮像情報に基づいて、ユーザU1の各種のジェスチャーが認識され、認識されたジェスチャーに応じた制御が実行される。即ち、撮像装置26は、ポインティングデバイス及びタッチパネルのように、ユーザU1の指示を入力するための入力装置として機能する。
【0038】
通信装置27は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置27は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置27は、有線接続用のコネクタを備え、コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置27は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USB等に準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0039】
ディスプレイ28は、画像を表示するデバイスである。ディスプレイ28は、処理装置21による制御に基づいて各種の画像を表示する。ディスプレイ28は、左眼用ディスプレイ及び右眼用ディスプレイを含んでいる。
【0040】
処理装置21は、例えば、記憶装置22から制御プログラムPR2を読み出して実行することにより取得部211及び表示制御部212として機能する。
【0041】
取得部211は、端末装置10から制御信号、第1の画像情報、及び第2の画像情報を取得する。制御信号は、ディスプレイ28への表示を制御するための信号である。制御信号は、端末装置10が備えている後述の表示制御部112により生成される。第1の画像情報及び第2の画像情報は、ディスプレイ28に表示させる画像を示す情報である。第1の画像情報は、基準オブジェクトBOを示す情報である。第2の画像情報は、仮想オブジェクトVO1~VO5を示す情報である。第1の画像情報及び第2の画像情報は、端末装置10の記憶装置12に記憶されていてもよいし、サーバ30の後述の記憶装置32に記憶されていてもよい。
【0042】
また、取得部211は、視線取得装置23から入力される視線情報、GPS装置24から入力される位置情報、動き検出装置25から入力される動き情報、及び撮像装置26から入力される撮像情報を取得する。そのうえで、取得部211は、取得した視線情報、位置情報、動き情報、及び撮像情報を通信装置27へ出力する。
【0043】
表示制御部212は、取得部211により取得された端末装置10からの制御信号に基づいて、ディスプレイ28における表示を制御する。また、表示制御部212は、取得部211により取得された第1の画像情報及び第2の画像情報に基づいて、ディスプレイ28に仮想空間VS、即ち、基準オブジェクトBO及び仮想オブジェクトVO1~VO5を表示させる。
【0044】
1.1.3.端末装置の構成
図5は、端末装置10の構成例を示すブロック図である。端末装置10は、表示制御装置としての処理装置11、記憶装置12、通信装置13、ディスプレイ14、入力装置15、及び慣性センサ16を備えている。端末装置10が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0045】
処理装置11は、端末装置10の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置11が備えている機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0046】
記憶装置12は、処理装置11により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0047】
記憶装置12は、処理装置11が実行する制御プログラムPR1及び初期座標テーブルTBL1を含む各種のデータを記憶している。また、記憶装置12は、処理装置11のワークエリアとして機能する。
【0048】
ユーザU1は、端末装置10を操作することにより、基準オブジェクトBOを、ユーザU1を中心に回転させることができる。これにより、基準オブジェクトBOに配置された仮想オブジェクトVO1~VO5は、基準オブジェクトBOのユーザU1を中心とする回転に合わせて、仮想オブジェクトVO1~VO5を移動させる。
【0049】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USB等に準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0050】
ディスプレイ14は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ14は、処理装置11の制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ14として好適に利用される。
【0051】
入力装置15は、MRグラス20を頭部に装着したユーザU1からの操作を受け付ける。例えば、入力装置15は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置15は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ14を兼ねていてもよい。
【0052】
慣性センサ16は、慣性力を検出するセンサである。慣性センサ16は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、及びジャイロセンサのうち、1つ以上のセンサを含んでいる。処理装置11は、慣性センサ16の出力情報に基づいて、端末装置10の姿勢を検出する。
【0053】
また、処理装置11は、端末装置10の姿勢に基づいて、仮想空間VSにおいて、仮想オブジェクトVOの選択、文字の入力、及び指示の入力を受け付ける。例えば、ユーザU1が、端末装置10の中心軸A1を仮想オブジェクトVOに向けた状態において入力装置15に対して所定の操作を実行することにより、中心軸A1が向けられた仮想オブジェクトVOが選択される。所定の操作は、例えば、ダブルタップである。このとき、ユーザU1には、MRグラス20を通して、中心軸A1が仮想オブジェクトVOを指示しているように視認されるのが好適である。この場合、中心軸A1を示す画像がMRグラス20に表示される。
【0054】
また、ユーザU1が、端末装置10の中心軸A1を仮想オブジェクトVOが配置されていない仮想空間VSに向けた状態において入力装置15に対して所定の操作を実行することにより、基準オブジェクトBOが選択される。このとき、ユーザU1には、MRグラス20を通して、中心軸A1が基準オブジェクトBOを指示しているように視認されるのが好適である。この場合、中心軸A1を示す画像がMRグラス20に表示される。
【0055】
このように、端末装置10は、仮想空間VS内のオブジェクトを指示するためのポインティングデバイス及び仮想空間VSを制御するための携帯型のコントローラとして機能する。
【0056】
処理装置11は、記憶装置12から制御プログラムPR1を読み出して実行することにより、取得部111、表示制御部112、管理部113、特定部114、移動制御部115、及び選択部116として機能する。
【0057】
取得部111は、MRグラス20を頭部に装着したユーザU1の動作に応じた指示情報を取得する。ここで、ユーザU1の動作とは、例として、ユーザU1が入力装置15を用いて端末装置10へ入力することである。より詳細に述べると、ユーザU1の動作は、入力装置15の特定部位の押下であってよい。あるいは、ユーザU1の動作は、端末装置10をポインティングデバイス又は携帯型のコントローラとして用いた操作であってよい。特に、ユーザU1の動作が、入力装置15の特定部位の押下、端末装置10をポインティングデバイスとして用いた操作、又は端末装置10を携帯型のコントローラとして用いた操作である場合、指示情報は、操作情報と称される。
【0058】
取得部111は、サーバ30から仮想オブジェクトVO1~VO5を示す画像情報及び基準オブジェクトBOを示す画像情報を取得する。また、取得部111は、入力装置15から操作情報を取得する。更に、取得部111は、MRグラス20のGPS装置24から位置情報を取得する。
【0059】
また、取得部111は、通信装置13を用いることにより、サーバ30から画像情報を取得する。取得部111は、取得した画像情報を記憶装置12に格納する。取得部111は、記憶装置12に格納された画像情報を取得する。
【0060】
表示制御部112は、MRグラス20に対して、仮想空間VS、及び基準オブジェクトBO上に配置された複数の仮想オブジェクトVOを表示させる。より具体的には、表示制御部112は、MRグラス20に表示させる画像のデータを画像情報に基づいて生成し、生成したデータを、通信装置13を介してMRグラス20へ送信する。
【0061】
表示制御部112は、取得部111により取得された画像情報に基づいて、ディスプレイ14に仮想空間VSを表示させる。
【0062】
管理部113は、基準オブジェクトBOと、基準オブジェクトBO上に配置されている仮想オブジェクトVO1~VO5とを管理している。管理部113は、例として、基準オブジェクトBO上における仮想オブジェクトVO1~VO5の位置、基準オブジェクトBOとMRグラス20との位置関係、及び仮想オブジェクトVO1~VO5を識別するIDを管理している。仮想オブジェクトVO1~VO5を表示するための3Dデータは、記憶装置12に記憶されている。
【0063】
特定部114は、ユーザU1の第1操作に応じて、基準オブジェクトBOにおいて、基準点SPを特定する。基準点SPは、基準オブジェクトBOにおいて、仮想オブジェクトVO1~VO5が配置されていない領域にある点である。第1操作は、例えば、次のようにユーザU1により実行される操作である。ユーザU1は端末装置10の中心軸A1を仮想オブジェクトVO1~VO5が配置されていない領域に向けた状態において、入力装置15に対して所定の操作を実行する。所定の操作としては、例えば、ダブルタップが挙げられる。これにより、図3に示した例では、指示点P1が基準点SPとして特定される。
【0064】
移動制御部115は、仮想空間VSにおいて、基準オブジェクトBOのユーザU1を中心とする回転に合わせて、仮想オブジェクトVO1~VO5を移動させる。より具体的には、移動制御部115は、ユーザU1の第2操作に応じて、基準点SPの移動に伴って基準オブジェクトBOをユーザU1を中心として回転させることにより、仮想オブジェクトVO1~VO5を回転させる。第2操作は、第1操作の後、ユーザU1が入力装置15を用いて、特定された基準点SPを移動させたい位置までドラッグする操作である。これにより、仮想オブジェクトVO1~VO5は、互いの相対的な位置関係を維持したままユーザU1を中心として回転する。
【0065】
また、移動制御部115は、選択部116により、ユーザU1の第3操作に応じて仮想オブジェクトVO1~VO5のうち1つの仮想オブジェクトVOn(n=1~5)が選択されると、ユーザU1の第4操作に応じて、基準オブジェクトBO内において、選択された1つの仮想オブジェクトVOを移動させる。第3操作は、端末装置10の中心軸A1が仮想オブジェクトVO1~VO5のうち1つの仮想オブジェクトVOnを指示している状態において、ユーザU1が入力装置15をダブルタップする操作である。第4操作は、第3操作の後、ユーザU1が入力装置15を用いて、選択された仮想オブジェクトVOnを移動させたい位置までドラッグする操作である。
【0066】
選択部116は、取得部111によって取得された操作情報に基づいて、仮想空間VSに配置された仮想オブジェクトVO1~VO5のうち1つの仮想オブジェクトVOnを選択する。
【0067】
図6は、初期座標テーブルTBL1のデータ構造の一例を示す説明図である。以下、図6を参照することにより、管理部113における仮想オブジェクトVOの管理について、より詳細に説明する。図6の初期座標テーブルTBL1は、記憶装置12に記憶されている。初期座標テーブルTBL1には、仮想オブジェクトVO1~VO5にそれぞれ割り振られたIDと、仮想オブジェクトVO1~VO5がそれぞれ配置される位置の初期値との関係が規定されている。
【0068】
仮想オブジェクトVO1~VO5は、球面状の基準オブジェクトBO上に配置される。そこで、図6の初期座標テーブルTBL1において、仮想オブジェクトVO1~VO5が配置される位置の座標は、ユーザU1を原点とする三次元極座標(r,θ,φ)により定義されている。rは、座標の原点からの距離であり、この場合、基準オブジェクトBOの半径に相当する。θは仰角であり、この場合、図2のz軸に対する角度である。φは方位角であり、この場合、図2のx軸に対する角度である。
【0069】
処理装置11は、初期座標テーブルTBL1を参照することにより、仮想オブジェクトVO1~VO5を基準オブジェクトBO上の何れの位置に配置するかを把握できる。初期座標テーブルTBL1によれば、ID「001」の仮想オブジェクトの初期座標は(300,aaa,bbb)であることが把握される。この場合、ID「001」の仮想オブジェクトの初期位置は、半径r、即ち、ユーザU1からの距離が300、仰角θがaaa、方位角φがbbbの位置である。
【0070】
MRグラス20が起動されると、管理部113は、基準オブジェクトBO上に座標の標準位置を設定する。座標の標準位置は、三次元座標において、仰角θが90°、方位角φが0°となる位置、即ち、図2のx軸と基準オブジェクトBOとが交差する位置である。例えば、座標の標準位置は、ユーザU1がディスプレイ28を覗いたとき、ディスプレイ28の中央位置と一致するような基準オブジェクトBO上の位置に設定される。なお、座標の標準位置は、上記の例に限定されない。
【0071】
また、管理部113は、MRグラス20が起動されたときのMRグラス20の絶対的な姿勢、即ち、絶対方位を取得部111によりMRグラス20から取得し、初期方位として記憶装置12に記憶させる。
【0072】
また、管理部113は、ユーザU1による第1モードと第2モードとの間のモード切替操作を受け付ける。ユーザU1のモード切替操作は、入力装置15により行われる。
【0073】
管理部113は、ユーザU1により第1モードが選択された場合、ユーザU1の姿勢に追従して、仮想オブジェクトVO1~VO5を表示する。言い換えると、ユーザU1により仮想オブジェクトVOを移動させるための操作がない限り、標準位置に対する仮想オブジェクトVO1~VO5の相対位置は変わらない。
【0074】
管理部113は、ユーザU1により第2モードが選択された場合、記憶装置12から読み出した初期座標テーブルTBL1を、一時的な座標テーブルとして、記憶装置12に記憶させる。ユーザU1が姿勢を変更して、MRグラス20の絶対方位が初期方位から変更された場合、管理部113は、ユーザU1の姿勢の変更前後におけるMRグラス20の絶対方位の偏差に基づいて、一時的な座標テーブルを更新する。管理部113は、一時的な座標テーブルに従って、仮想オブジェクトVO1~VO5を配置する。そのため、ユーザU1が姿勢を変更した場合には、仮想オブジェクトVO1~VO5は、ユーザU1の姿勢に追従せずに、あたかも実空間に固定されているかのように、ディスプレイ28に表示される。言い換えると、仮想オブジェクトVO1~VO5の標準位置に対する位置は、ユーザU1が姿勢を変更した分だけ変化する。
【0075】
なお、基準オブジェクトBOの半径rは3mに設定されているが、この数値はあくまで例示であって、本発明はこれに限定されない。例えば、基準オブジェクトBOの半径rは、3mよりも長く設定されていてもよいし、3mよりも短く設定されていてもよい。また、半径rは、ユーザU1等の操作により、適宜変更できるようになっていてもよい。
【0076】
以下、ユーザU1により第1モードが選択された場合を前提に、処理装置11の動作を説明する。
【0077】
1.1.4.サーバの構成
図7は、サーバ30の構成例を示すブロック図である。サーバ30は、処理装置31、記憶装置32、通信装置33、ディスプレイ34、及び入力装置35を備えている。サーバ30が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0078】
処理装置31は、サーバ30の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置31は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置31の機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置31は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0079】
記憶装置32は、処理装置31により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体であり、処理装置31が実行するための制御プログラムPR3を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置32は、MRグラス20のディスプレイ28に表示させるための画像情報IFを記憶している。
【0080】
通信装置33は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置33は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0081】
ディスプレイ34は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ34は、処理装置31による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル、有機ELパネル等の各種の表示パネルがディスプレイ34として好適に利用される。
【0082】
入力装置35は、情報処理システム1の管理者による操作を受け付ける機器である。例えば、入力装置35は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置35は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ34を兼ねてもよい。とりわけ、情報処理システム1の管理者は、入力装置35を用いることにより、制御プログラムPR3を修正することが可能である。
【0083】
処理装置31は、例えば、記憶装置32から制御プログラムPR3を読み出して実行することによって、取得部311及び出力部312として機能する。
【0084】
取得部311は、通信装置33を用いることにより、端末装置10から各種の情報を取得する。当該情報には、例として、仮想オブジェクトVO1~VO5に対するユーザU1の操作内容を示す情報が含まれている。また、当該ユーザU1が、クラウドサービスを利用する場合、当該情報には、クラウドサービスにより提供されるアプリケーションへの入力情報が含まれる。
【0085】
出力部312は、MRグラス20を頭部に装着したユーザU1に対して、端末装置10が仮想空間VSを提供するうえで必要となる情報を端末装置10に出力する。当該情報には、仮想オブジェクトVO自体に係る情報及びクラウドサービスを利用するための図示しないアプリケーションに係る情報が含まれる。
【0086】
1.2.第1実施形態の動作
図8は、図5の処理装置11の第1の動作を示すフローチャートである。以下、図8を参照することにより、処理装置11の第1の動作について説明する。図8のルーチンは、例えば、処理装置11が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0087】
ステップS11において、処理装置11は、取得部111として機能することにより、操作情報を取得する。
【0088】
ステップS12において、処理装置11は、表示制御部112として機能することにより、基準オブジェクトBO上に仮想オブジェクトVO1~VO5を配置する。
【0089】
ステップS13において、処理装置11は、特定部114として機能することにより、ユーザU1によって第1操作が行われたか否かを判定する。
【0090】
ステップS13において、処理装置11が、ユーザU1によって第1操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS13における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11は、ステップS14の処理を実行する。この場合、ステップS14において、処理装置11は、特定部114として機能することにより、基準点SPを特定する。
【0091】
次いで、ステップS15において、処理装置11は、移動制御部115として機能することにより、ユーザU1によって第2操作が行われたか否かを判定する。
【0092】
ステップS15において、処理装置11が、ユーザU1によって第2操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS15における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11は、ステップS16の処理を実行する。この場合、ステップS16において、処理装置11は、移動制御部115として機能することにより、基準オブジェクトBOを回転させ、本ルーチンを一旦終了する。
【0093】
一方、ステップS13において、処理装置11が、ユーザU1によって第1操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS13における判定結果が否定的であった場合、処理装置11は、ステップS14の処理を省略してステップS15の処理を実行する。
【0094】
また、ステップS15において、処理装置11が、ユーザU1によって第2操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS15における判定結果が否定的であった場合、処理装置11は、ステップS16の処理を省略して本ルーチンを一旦終了する。
【0095】
図9は、図5の処理装置11の第2の動作を示すフローチャートである。以下、図9を参照することにより、処理装置11の第2の動作について説明する。図9のルーチンは、例えば、処理装置11が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0096】
ステップS11において、処理装置11は、取得部111として機能することにより、操作情報を取得する。
【0097】
ステップS12において、処理装置11は、表示制御部112として機能することにより、基準オブジェクトBO上に仮想オブジェクトVO1~VO5を配置する。
【0098】
ステップS21において、処理装置11は、選択部116として機能することにより、ユーザU1によって第3操作が行われたか否かを判定する。
【0099】
ステップS21において、処理装置11が、ユーザU1によって第3操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS21における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11は、ステップS22の処理を実行する。この場合、ステップS22において、処理装置11は、選択部116として機能することにより、仮想オブジェクトVO1~VO5のうち、1つの仮想オブジェクトVOnを選択する。
【0100】
次いで、ステップS23において、処理装置11は、移動制御部115として機能することにより、ユーザU1によって第4操作が行われたか否かを判定する。
【0101】
ステップS23において、処理装置11が、ユーザU1によって第4操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS23における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11は、ステップS24の処理を実行する。この場合、ステップS24において、処理装置11は、移動制御部115として機能することにより、選択された仮想オブジェクトVOnを移動させ、本ルーチンを一旦終了する。
【0102】
一方、ステップS21において、処理装置11が、ユーザU1によって第3操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS21における判定結果が否定的であった場合、処理装置11は、ステップS22の処理を省略してステップS23の処理を実行する。
【0103】
また、ステップS23において、処理装置11が、ユーザU1によって第4操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS23における判定結果が否定的であった場合、処理装置11は、ステップS24の処理を省略して本ルーチンを一旦終了する。
【0104】
1.3.第1実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第1実施形態に係る処理装置11は、表示制御部112、管理部113、及び移動制御部115を備えている。表示制御部112は、ディスプレイ28に対して、仮想空間VSを表示させる。管理部113は、仮想空間VSにおいて、ユーザU1を中心とする球面を示す基準オブジェクトBOと、基準オブジェクトBOに配置されている仮想オブジェクトVO1~VO5とを管理する。移動制御部115は、仮想空間VSにおいて、基準オブジェクトBOの回転に合わせて、仮想オブジェクトVO1~VO5を移動させる。
【0105】
これによれば、複数の仮想オブジェクトがユーザU1の背後に位置している場合であっても、基準オブジェクトBOを回転させることにより、ユーザU1の前面にまとめて移動させることができる。即ち、ユーザU1による煩雑な操作が不要となり、仮想オブジェクトを容易に移動させることができる。
【0106】
また、処理装置11は、特定部114を更に備えている。特定部114は、ユーザU1の第1操作に応じて、基準オブジェクトにおいて仮想オブジェクトVO1~VO5が配置されていない基準点SPを特定する。移動制御部115は、ユーザU1が基準点SPを移動させる第2操作に応じて、基準点SPの移動に伴って基準オブジェクトBOを回転させることにより、仮想オブジェクトVO1~VO5を回転させる。
【0107】
これによれば、ユーザU1は、例えば、ユーザU1の前面の基準オブジェクトBO上において、基準点SPを特定することができる。そして、ユーザU1は、ユーザU1前面の基準点SPを移動させて基準オブジェクトBOを回転させることにより、自身の姿勢を大きく変えることなく、ユーザU1の背後の1又は複数の仮想オブジェクトをユーザU1の前面に移動させることができる。即ち、これによれば、仮想オブジェクトを容易に移動させることができる。
【0108】
また、処理装置11は、選択部116を更に備えている。選択部116は、ユーザU1の第3操作に応じて、仮想オブジェクトVO1~VO5のうち、1つの仮想オブジェクトVOnを選択する。移動制御部115は、ユーザU1が1つの仮想オブジェクトVOnを移動させる第4操作に応じて、1つの仮想オブジェクトVOnを移動させる。
【0109】
これによれば、ユーザU1は、複数の仮想オブジェクトVO1~VO5をまとめて移動させるだけでなく、複数の仮想オブジェクトVO1~VO5の中から、任意の1つの仮想オブジェクトVOnを選択することができる。また、ユーザU1は、仮想空間VS内において、選択した仮想オブジェクトVOnだけを移動させることができる。
【0110】
また、移動制御部115は、第4操作に応じて、基準オブジェクトBO内において1つの仮想オブジェクトVOnを移動させる。
【0111】
これによれば、ユーザU1は、複数の仮想オブジェクトVO1~VO5の中から、任意の1つの仮想オブジェクトVOnを選択し、ユーザU1を中心として、選択した仮想オブジェクトVOnを回転させることができる。
【0112】
また、処理装置11は、取得部111を更に備えている。取得部111は、サーバ30から、基準オブジェクトBOを示す第1の画像情報及び仮想オブジェクトVO1~VO5を示す第2の画像情報を取得する。表示制御部112は、第1の画像情報及び第2の画像情報に基づいて、基準オブジェクトBO及び仮想オブジェクトVO1~VO5を含む仮想空間VSを表示させる。
【0113】
これによれば、処理装置11は、第2の画像情報をまとめて管理できるため、基準オブジェクトBO上において、仮想オブジェクトVO1~VO5を表示する位置を、容易にまとめて変更できる。
【0114】
2.第2実施形態
以下、図10図16を参照することにより、本発明の第2実施形態に係る表示制御装置の構成について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第1実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。また、以下の説明では、説明の簡略化のため、主として、第2実施形態が、第1実施形態に比較して相違する点について説明する。
【0115】
2.1.第2実施形態の構成
2.1.1.全体構成
図10は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。情報処理システム1Aは、第1実施形態に係る情報処理システム1と比較して、端末装置10に代えて端末装置10Aを備えている点において異なっている。
【0116】
図11は、第2実施形態に係る端末装置10Aの構成例を示すブロック図である。端末装置10Aは、第1実施形態に係る端末装置10と比較して、処理装置11に代えて処理装置11Aを備えている点及び記憶装置12に代えて記憶装置12Aを備えている点において異なっている。
【0117】
処理装置11Aは、基準オブジェクトBO上に1又は複数のサブオブジェクトを生成する点において、処理装置11と異なっている。サブオブジェクトは、1又は複数の仮想オブジェクトVOがその内部に配置されるオブジェクトである。
【0118】
また、処理装置11Aは、1又は複数のサブオブジェクトを選択する点において、処理装置11と異なっている。更に、処理装置11Aは、基準オブジェクトBO上において、1又は複数のサブオブジェクトを移動させる点において、処理装置11と異なっている。
【0119】
処理装置11Aは、記憶装置12Aから制御プログラムPR4を読み出して実行することにより、取得部111、表示制御部112A、管理部113A、特定部114、移動制御部115A、及び選択部116として機能する。なお、取得部111、特定部114、及び選択部116は、第1実施形態に係る処理装置11の機能としての取得部111、特定部114、及び選択部116と機能的に同一であるため、その説明は省略される。
【0120】
表示制御部112Aは、MRグラス20に対して、仮想空間VS、基準オブジェクトBO上に配置された複数のサブオブジェクト、及び基準オブジェクトBO又はサブオブジェクト上に配置された複数の仮想オブジェクトVOを表示させる。
【0121】
管理部113Aは、基準オブジェクトBOと、基準オブジェクトBO上に配置されているサブオブジェクトと、基準オブジェクトBO上に配置されている仮想オブジェクトとを管理する。
【0122】
移動制御部115Aは、仮想空間VSにおいて、基準オブジェクトBOのユーザU1を中心とする回転に合わせて、サブオブジェクト及び仮想オブジェクトVOを移動させる。
【0123】
記憶装置12Aは、処理装置11Aが実行する制御プログラムPR4及び初期座標テーブルTBL2を含む各種のデータを記憶している。また、記憶装置12Aは、処理装置11Aのワークエリアとして機能する。
【0124】
図12は、仮想空間内の基準オブジェクト、サブオブジェクト、及び仮想オブジェクトの模式図である。図12に示されるように、仮想空間VSは、基準オブジェクトBO、サブオブジェクトSO、及び仮想オブジェクトVOを含んでいる。基準オブジェクトBOは、仮想空間VSにおいて、ユーザU1を中心とする球面を示している。基準オブジェクトBOは、透明なオブジェクトである。サブオブジェクトSOは、球体状のオブジェクトである。サブオブジェクトSOは、サブオブジェクトSO1~SO4を含んでいる。
【0125】
仮想オブジェクトVOは、仮想オブジェクトVO1~VO5を含んでいる。仮想オブジェクトVO1は、サブオブジェクトSO1に配置されている。仮想オブジェクトVO2は、サブオブジェクトSO2に配置されている。仮想オブジェクトVO3は、サブオブジェクトSO3に配置されている。仮想オブジェクトVO4は、基準オブジェクトBOに配置されている。仮想オブジェクトVO5は、サブオブジェクトSO4に配置されている。
【0126】
ユーザU1は、頭部にMRグラス20を装着し、端末装置10Aを把持している。端末装置10Aの中心軸A2と基準オブジェクトBOとの交点、中心軸A2とサブオブジェクトSOとの交点、又は中心軸A2と仮想オブジェクトVOとの交点は、以下、指示点P2と称される。
【0127】
図13は、図12のサブオブジェクトSOのより詳細な模式図である。図12には、仮想オブジェクトVO1が示されていたが、実際には、図13に示されるように、サブオブジェクトSO1には、仮想オブジェクトVO1として6つの仮想オブジェクトVO11~VO16がサブオブジェクトSO1の周方向に配置されている。本例において、6つの仮想オブジェクトVO11~VO16は、同一のアプリケーションについてのオブジェクトである。ユーザU1は、端末装置10Aを操作して、サブオブジェクトSO1をその場において回転させることにより、仮想オブジェクトVO11~VO16のそれぞれをユーザU1の正面に移動させることができる。
【0128】
管理部113Aは、例えば、同一のアプリケーションについて、複数の異なるウィンドウがそれぞれ仮想オブジェクトVOとして基準オブジェクトBO上に表示されたとき、球体状のサブオブジェクトSOを生成する。そして、管理部113Aは、当該複数の異なるウィンドウにそれぞれ対応する仮想オブジェクトVOをサブオブジェクトSO内に配置する。
【0129】
また、管理部113Aは、互いに異なる2つのアプリケーションについての仮想オブジェクトVOであっても、以下のユーザU1の操作により、1つのサブオブジェクトSO内に配置することができる。基準オブジェクトBO上の1つの仮想オブジェクトVOがユーザU1により選択された後、基準オブジェクトBO上のもう1つの仮想オブジェクトVOの上までドラッグされた場合、2つの仮想オブジェクトVOをその内部に包含するサブオブジェクトSOが生成される。
【0130】
図14は、初期座標テーブルTBL2のデータ構造の一例を示す説明図である。以下、図14を参照することにより、管理部113AにおけるサブオブジェクトSOの管理について、より詳細に説明する。図14の初期座標テーブルTBL2は、記憶装置12Aに記憶されている。初期座標テーブルTBL2には、サブオブジェクトSO1~SO4にそれぞれ割り振られたIDと、サブオブジェクトSO1~SO4がそれぞれ配置される位置の初期値との関係が規定されている。
【0131】
サブオブジェクトSO1~SO4は、球面状の基準オブジェクトBO上に配置される。そこで、図14の初期座標テーブルTBL2において、サブオブジェクトSO1~SO4が配置される位置の座標は、ユーザU1を原点とする三次元極座標(r,θ,φ)により定義されている。
【0132】
処理装置11Aは、初期座標テーブルTBL2を参照することにより、サブオブジェクトSO1~SO4を基準オブジェクトBO上の何れの位置に配置できるかを把握できる。初期座標テーブルTBL2によれば、ID「001」のサブオブジェクトの初期座標は(300,kkk,lll)であることが把握される。この場合、ID「001」のサブオブジェクトの初期位置は、半径r、即ち、ユーザU1からの距離が300、仰角θがkkk、方位角φがlllの位置である。
【0133】
移動制御部115Aは、ユーザU1の第5操作に応じて、サブオブジェクトSO1~SO4のうち、1つのサブオブジェクトSOを選択する。例として、サブオブジェクトSO1を選択する場合を考える。この場合、第5操作は、端末装置10Aの中心軸A2をサブオブジェクトSO1の領域のうち、仮想オブジェクトVO11~VO16が配置されていない領域に向けた状態において、入力装置15に対して所定の操作を行う操作である。所定の操作としては、例えば、ダブルタップが挙げられる。
【0134】
ユーザU1による第5操作の後、移動制御部115Aは、ユーザU1の第6操作に応じて、サブオブジェクトSO1を回転させる。第6操作は、第5操作の後において、サブオブジェクトSO1を回転させたい方向、即ち、右方向又は左方向に中心軸A2の指示点P2を移動させる操作である。第5操作及び第6操作により、ユーザU1は、サブオブジェクトSO1内の複数の仮想オブジェクトVO11~VO16のうち、任意の仮想オブジェクトVOを閲覧することができる。
【0135】
移動制御部115Aは、サブオブジェクトSO1に配置されている仮想オブジェクトVO11~VO16のうち、ユーザU1の第7操作に応じて選択された仮想オブジェクトVO11を、サブオブジェクトSO1から取り出して基準オブジェクトBO上に配置する。第7操作は、以下の選択操作の後、以下のドラッグ操作を実行する操作である。選択操作は、中心軸A2の指示点P2がサブオブジェクトSO1内の仮想オブジェクトVO11上に位置している状態において、ユーザU1が入力装置15に所定の操作を行うことにより仮想オブジェクトVO11を選択する操作である。ドラッグ操作は、仮想オブジェクトVO1を基準オブジェクトBO上の移動させたい位置までドラッグする操作である。ここでは、サブオブジェクトSO1の中の仮想オブジェクトVO11を例に説明したが、選択される仮想オブジェクトVOは、これに限定されない。
【0136】
また、サブオブジェクトSO1~SO4は、第1実施形態の仮想空間VSにおける仮想オブジェクトVO1~VO5と同様に、ユーザU1による以下の第8操作に応じて、ユーザU1を中心に、まとめて移動させることができる。
【0137】
特定部114Aは、ユーザU1の第8操作に応じて、基準オブジェクトBOにおいて、基準点SPを特定する。基準点SPは、基準オブジェクトBOにおいて、サブオブジェクトSO1~SO4及び仮想オブジェクトVO1~VO5が配置されていない点である。第8操作は、例えば、次のようにユーザU1により実行される操作である。ユーザU1は端末装置10Aの中心軸A2をサブオブジェクトSO1~SO4及び仮想オブジェクトVO1~VO5が配置されていない領域に向けた状態において、入力装置15に対して所定の操作を実行する。これにより、図12に示した例では、指示点P2が基準点SPとして特定される。
【0138】
ユーザU1による第8操作の後、前述の第2操作が実行されることにより、サブオブジェクトSO1~SO4は、互いの相対的な位置関係を維持したままユーザU1を中心として回転する。
【0139】
図15は、図11の処理装置11Aの第1の動作を示すフローチャートである。以下、図15を参照することにより、処理装置11Aの第1の動作について説明する。図15のルーチンは、例えば、処理装置11Aが起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0140】
ステップS11において、処理装置11Aは、取得部111として機能することにより、操作情報を取得する。
【0141】
ステップS31において、処理装置11Aは、表示制御部112Aとして機能することにより、基準オブジェクトBO上又はサブオブジェクトSO1~SO4上に仮想オブジェクトVO1~VO5を表示する。
【0142】
ステップS32において、処理装置11Aは、移動制御部115Aとして機能することにより、ユーザU1によって第5操作が行われたか否かを判定する。
【0143】
ステップS32において、処理装置11Aが、ユーザU1によって第5操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS32における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11Aは、ステップS33の処理を実行する。この場合、ステップS33において、処理装置11Aは、移動制御部115Aとして機能することにより、サブオブジェクトSO1~SO4のうち、1つのサブオブジェクトSOを選択する。
【0144】
ステップS34において、処理装置11Aは、移動制御部115Aとして機能することにより、ユーザU1によって第6操作が行われたか否かを判定する。
【0145】
ステップS34において、処理装置11Aが、ユーザU1によって第6操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS34における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11Aは、ステップS35の処理を実行する。この場合、ステップS35において、処理装置11Aは、移動制御部115Aとして機能することにより、選択された1つのサブオブジェクトSOを回転させ、本ルーチンを一旦終了する。
【0146】
一方、ステップS32において、処理装置11Aが、ユーザU1によって第5操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS32における判定結果が否定的であった場合、処理装置11Aは、ステップS33の処理を省略してステップS34の処理を実行する。
【0147】
また、ステップS34において、処理装置11Aが、ユーザU1によって第6操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS34における判定結果が否定的であった場合、処理装置11Aは、ステップS35の処理を省略して本ルーチンを一旦終了する。
【0148】
図16は、図11の処理装置11Aの第2の動作を示すフローチャートである。以下、図16を参照することにより、処理装置11Aの第2の動作について説明する。図16のルーチンは、例えば、処理装置11Aが起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0149】
ステップS11において、処理装置11Aは、取得部111として機能することにより、操作情報を取得する。
【0150】
ステップS31において、処理装置11Aは、表示制御部112Aとして機能することにより、基準オブジェクトBO上又はサブオブジェクトSO1~SO4上に仮想オブジェクトVO1~VO5を配置する。
【0151】
ステップS41において、処理装置11Aは、移動制御部115Aとして機能することにより、ユーザU1によって第7操作が行われたか否かを判定する。
【0152】
ステップS41において、処理装置11Aが、ユーザU1によって第7操作が行われたと判定した場合、即ち、ステップS41における判定結果が肯定的であった場合、処理装置11Aは、ステップS42の処理を実行する。この場合、ステップS42において、処理装置11Aは、移動制御部115Aとして機能することにより、選択された1つのサブオブジェクトSO上の仮想オブジェクトVOを基準オブジェクトBO上に配置し、本ルーチンを一旦終了する。
【0153】
一方、ステップS41において、処理装置11Aが、ユーザU1によって第7操作が行われなかったと判定した場合、即ち、ステップS41における判定結果が否定的であった場合、処理装置11Aは、ステップS42の処理を省略して本ルーチンを一旦終了する。
【0154】
なお、上記例において、ユーザU1は、サブオブジェクトSO1内の1つの仮想オブジェクトVO1を選択し、仮想オブジェクトVO1のみを基準オブジェクトBOに移動させる。しかし、これだけでなく、ユーザU1は、サブオブジェクトSO1内の複数の仮想オブジェクトVOを同時に選択し、複数の仮想オブジェクトVOをまとめて基準オブジェクトBOに移動させてもよい。
【0155】
2.3.第2実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第2実施形態に係る処理装置11Aにおいて、第1実施形態に係る処理装置11に対して、仮想空間VSは、基準オブジェクトBO上に配置されたサブオブジェクトSOを更に含んでいる。サブオブジェクトSOは、球体状であり、1又は複数の仮想オブジェクトVOを含んでいる。移動制御部115Aは、ユーザU1の第5操作に応じて、サブオブジェクトSO1~SO4のうち、1つのサブオブジェクトSO1を選択し、ユーザU1の第6操作に応じて、1つのサブオブジェクトSO1を回転させる。
【0156】
これによれば、ユーザU1は、1つのサブオブジェクトを回転させることにより、当該サブオブジェクト上の複数の仮想オブジェクトのうち、任意の仮想オブジェクトを、ユーザU1が閲覧可能な位置に容易に移動させることができる。
【0157】
また、第2実施形態に係る処理装置11Aにおいて、第1実施形態に係る処理装置11に対して、仮想空間VSは、基準オブジェクトBO上に配置されたサブオブジェクトSOを更に含んでいる。サブオブジェクトSOは、球体状であり、1又は複数の仮想オブジェクトVOを含んでいる。移動制御部115Aは、サブオブジェクトSO1に配置されている仮想オブジェクトVO11~VO16のうち、ユーザU1の第7操作に応じて選択された仮想オブジェクトVO11を、サブオブジェクトSO1から取り出して基準オブジェクトBO上に配置する。
【0158】
これによれば、ユーザU1は1又は複数の仮想オブジェクトVOをサブオブジェクトSOから基準オブジェクトBOへ容易に移動することができる。更に、ユーザU1は、サブオブジェクトSO内の複数の仮想オブジェクトVOをまとめて移動することができる。
【0159】
3.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を組み合わせてもよい。
【0160】
3.1.変形例1
第1実施形態に係る処理装置11において、仮想オブジェクトVOは、基準オブジェクト上に配置され、第2実施形態に係る処理装置11Aにおいて、仮想オブジェクトVO及びサブオブジェクトSOは、基準オブジェクトBO上に配置されていた。しかし、基準オブジェクトBO上に配置されない仮想オブジェクトVO及びサブオブジェクトSOが存在してもよい。例えば、基準オブジェクトBO上に配置されていない仮想オブジェクトVO及びサブオブジェクトSOは、基準オブジェクトBOの回転に追従することなく、その位置が固定されればよい。
【0161】
3.2.変形例2
第1実施形態に係る処理装置11において、ユーザU1の第4操作により、基準オブジェクトBO上において、選択された仮想オブジェクトVOを移動させていた。しかし、仮想オブジェクトVOは、基準オブジェクトBO上と、基準オブジェクトBO上ではない仮想空間VS内との間で移動させてもよい。
【0162】
3.3.変形例3
また、第2実施形態に係る移動制御部115Aにおいて、ユーザU1の第7操作に応じて選択された仮想オブジェクトVO1は、サブオブジェクトSO1から取り出されて基準オブジェクトBO上に配置されていた。しかし、本発明の実施態様は、これに限定されない。例えば、移動制御部115Aは、ユーザU1の第9操作に応じて、サブオブジェクトSO1に配置されている仮想オブジェクトSO11~SO16を、すべて基準オブジェクトBO上に配置してもよい。
【0163】
第9操作は、以下の選択操作の後、以下のスワイプ操作を実行する操作である。選択操作は、中心軸A2の指示点P2が、サブオブジェクトSO1内のうち、仮想オブジェクトVO11~VO16が存在しない領域に位置している状態において、ユーザU1が入力装置15に所定の操作を行うことによりサブオブジェクトSO1を選択する操作である。スワイプ操作は、選択操作に続いて、サブオブジェクトSO1を、例えば、下方向にスワイプする操作である。スワイプ操作により、仮想オブジェクトVO11~VO16は、すべて基準オブジェクトBO上に配置される。これにより、仮想オブジェクトを含まないこととなったサブオブジェクトSO1は、仮想空間VS内から削除されてもよいし、何も含まない状態で基準オブジェクトBO上に配置されていてもよい。
【0164】
3.4.変形例4
図6及び図11には示されていないが、端末装置10及び10Aは、MRグラス20が備えているGPS装置24と同様のGPS装置を備えていてもよい。この場合、取得された位置情報は、処理装置11又は11Aへ出力される。処理装置11又は11Aへ出力された位置情報は、通信装置13を介して、MRグラス20へ出力される。従って、この場合、MRグラス20は、GPS装置24を備えていなくてもよい。
【0165】
3.5.変形例5
また、第1実施形態及び第2実施形態において、仮想空間VSに対するユーザU1の操作は、端末装置10及び10Aの姿勢を変更させる動作及び入力装置15への入力動作により行われる。しかし、仮想空間VSに対するユーザU1の操作は、MRグラス20に対するユーザU1の目視であってもよい。ユーザU1の操作が目視である場合、操作情報は、MRグラス20におけるユーザU1の視点である。この場合、操作情報は、MRグラス20から端末装置10又は10Aへ送信される。例えば、上述の第1操作は、仮想空間VS内のうち、仮想オブジェクトVO1~VO5が配置されていない部分の任意の一点をユーザU1が所定期間注視する操作であってもよい。
【0166】
3.6.変形例6
また、第1実施形態に係る情報処理システム1において、端末装置10とMRグラス20とは別体として実現されている。第2実施形態に係る情報処理システム1Aにおいても同様に、端末装置10AとMRグラス20とは別体として実現されている。しかし、本発明の実施形態における端末装置10又は10A、及びMRグラス20の実現方法は、これには限定されない。例えば、MRグラス20が、端末装置10又は10Aと同一の機能を備えることにより、端末装置10又は10Aと、MRグラス20とが単一の筐体内で実現されてもよい。
【0167】
3.7.変形例7
また、第1実施形態に係る情報処理システム1及び第2実施形態に係る情報処理システム1Aにおいて、基準オブジェクトBOは透明なオブジェクトに設定されており、ユーザU1は、基準オブジェクトBOを透かして外界を視認できるようになっている。しかし、本発明の実施形態における情報処理システム1又は1Aの実現方法は、これに限定されない。例えば、情報処理システムは、VRゴーグルを装着したユーザに対して、不透明な基準オブジェクトを提供してもよい。
【0168】
4.その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12、記憶装置12A、記憶装置22、及び記憶装置32は、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NETから送信されてもよい。
【0169】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0170】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0171】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0172】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0173】
(6)図1図29に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0174】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0175】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0176】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0177】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0178】
(10)上述した実施形態において、端末装置10、端末装置10A、及びサーバ30は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0179】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0180】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0181】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0182】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0183】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0184】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0185】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0186】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0187】
1,1A…情報処理システム、10,10A…端末装置、11,11A…処理装置、28…ディスプレイ、30…サーバ、111…取得部、112,112A…表示制御部、113,113A…管理部、114,114A…特定部、115,115A…移動制御部、116…選択部、BO…基準オブジェクト、IF…画像情報、SO,SO1~SO4…サブオブジェクト、SP…基準点、U1…ユーザ、VO,VO1~VO6,VO11~16…仮想オブジェクト、VS…仮想空間
図1
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