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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095588
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】長いコヒーレンス範囲の光学的な分析
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/39 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
G01N21/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023216083
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】22383257
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】513148565
【氏名又は名称】メドルミクス,エセ.エレ.
【氏名又は名称原語表記】MEDLUMICS,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】マシュー デュペロン
(72)【発明者】
【氏名】フアン サンチョ デュラ
(72)【発明者】
【氏名】アベル ロイゲ
(72)【発明者】
【氏名】サラ マス ゴメス
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB12
2G059CC16
2G059EE02
2G059EE09
2G059FF02
2G059FF04
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG09
2G059HH01
2G059JJ17
2G059MM01
2G059MM09
2G059MM10
(57)【要約】
【課題】組織サンプルの条件の検出の精度を犠牲にすることなく、光ファイバーの長さの高い許容限度を有するOCTまたはOCRシステムを製造および適用するための新しい方法、デバイス、およびシステムを提供する。
【解決手段】センチメートル範囲のスキャン深さ、および、異なる光学コンポーネントの間での長さの精度の高い許容限度を有する光コヒーレンス断層撮影法のためのシステムおよび方法が、本明細書で説明されている。システムは、長いコヒーレント光供給源、複数の光学コンポーネントを備えた光学干渉計、幅の広いバンド幅を有する光学検出器、高いサンプリングレートを有するデータ獲得ユニット、および、関心の情報を処理するためのデータ処理ユニットを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コヒーレンス断層撮影法のシステムであって、前記システムは、
コヒーレント光のビームを出力するように構成されている光供給源であって、前記コヒーレント光のビームは、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さ、および、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中に周期的に掃引される波長を有している、光供給源と、
光学干渉計であって、前記光学干渉計は、
前記コヒーレント光のビームに連結されている入力、
出力、
参照アーム、および、
サンプルアームであって、前記サンプルアームは、前記コヒーレンス長さよりも小さい範囲の中の長さの変動を伴う複数の光学的経路を含む、サンプルアーム
を含む、光学干渉計と、
前記複数の光学的経路のうちの1つを選択するように構成されている光学マルチプレクサーと、
前記出力に連結されている光学検出器と、
所定のデータサンプリングレートで前記光学検出器からデータを獲得するように構成されているデータ獲得ユニットと、
前記データから複数の信号を発生させるように構成されているデータ処理ユニットであって、前記複数の信号は、少なくとも1cmの深さ範囲を有しており、前記複数の信号のそれぞれは、前記複数の光学的経路のうちの1つに対応している、データ処理ユニットと
を含む、システム。
【請求項2】
前記データ処理ユニットは、
前記複数の信号の中の1つまたは複数の参照特徴を検出することと、
前記1つまたは複数の参照特徴に基づいて、前記複数の信号の中の関心の領域をクロップすることと
をするようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光供給源は、チューナブルVCSELまたは無動型掃引供給源である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コヒーレント光のビームの前記中心波長は、1000nmから1600nmの間にあり、
前記中心波長の周りに掃引される前記波長範囲は、30nmから70nmの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コヒーレント光のビームの前記中心波長は、約1310nmであり、
前記中心波長の周りに掃引される前記波長範囲は、約55nmである、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記波長掃引周波数は、20kHzから100kHzの間にある、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記波長掃引周波数は、約50kHzである、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の光学的経路のそれぞれは、光ファイバーを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記データサンプリングレートは、0MHzから約400MHzの間にある、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記データサンプリングレートは、0MHzから約175MHzの間にある、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記光学検出器は、約100MHzのバンド幅の中の前記出力の出力信号を測定および増幅するように構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記データ処理ユニットは、高速フーリエ変換を使用して前記データから複数の信号を発生させる、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、発生させられた前記複数の信号に基づいて複数の断層イメージを表示するように構成されているスクリーンをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、アブレーション(ablation)のための光信号分析および病変特質を実施するために、大きなスキャン深さの範囲および高い製造公差を有する光コヒーレンス干渉法(たとえば、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)および光コヒーレンス反射率測定法(OCR)など)のための方法、デバイス、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーションは、組織壊死を作り出すための医療技法である。それは、なかでも、癌、バレット食道、または心臓不整脈を含む、さまざまな病態を治療することを助けるために使用される。いくつかのケースでは、パルス電界、冷凍アブレーションのための極低温冷却、ラジオ周波数、マイクロ波、レーザー、および超音波などを含む、さまざまなエネルギー供給源がアブレーションのために利用されることが可能である。アブレーションの実装は、治療されることとなる組織および周囲環境の一貫した正確な検出を必要とする。いくつかのケースでは、光コヒーレンス干渉法(たとえば、OCTまたはOCRなど)は、組織サンプルのさまざまなパラメーター(たとえば、吸収、反射、および複屈折のトモグラフィーおよびスペクトルなど)を測定するために使用されることが可能である。いくつかのケースでは、これらのパラメーターは、治療のプロセスの間に変化し、信頼性の高い情報および治療への指針を提供するために、リアルタイムの検出および分析を必要とする。
【0003】
OCTまたはOCRの結果は、たとえば、光供給源の仕様、光学的経路の品質、光学的接触の品質、局所組織特性、および、組織表面の近くの血流の存在など、ならびに、どのようにこれらの要因が時間的に変化するかなどのような、複雑な要因に依存する。これらのパラメーターの変動性に起因して、一貫した結果を取得することが困難である場合がある。特に、OCTおよびOCRは、組織から戻る光信号(サンプルアーム)と参照光学的経路からの別の光信号(参照アーム)との間の効果的な干渉を必要とする。OCTまたはOCRの結果は、サンプルアームおよび参照アームの中の2つの光信号のコヒーレント条件に決定的に依存する。たとえば、サンプルアームおよび参照アームの中の2つの光信号の間の干渉の良好な品質は、サンプルアームおよび参照アームの中の2つの光学的経路の間の長さの差が光供給源によって作り出される光のコヒーレンス範囲の中にあることを必要とする。
【0004】
追加的に、OCTまたはOCRシステムは、組織の異なる領域を探査するために、複数のサンプルアーム(たとえば、複数の光ファイバーによって実現される)を使用することが可能であり、サンプルアームのそれぞれの光学的経路は、光のコヒーレンス範囲の中の参照アームの光学的経路と同等である必要がある。サンプルアームのうちの1つまたは複数における信号と参照アームにおける信号との間にコヒーレンスのミスマッチが存在する場合には、その結果は、信頼性の低いまたは一貫性のないものになる可能性がある。マルチファイバーシステムにおける明確さおよび焦点は、セットの中のすべての光ファイバーを非常に精密な長さに維持することによって維持されることが可能である。しかし、ファイバー間の長さの変動性が最小になるように、複数の光ファイバーを精密な長さにカットすることは、高価で困難である。
【発明の概要】
【0005】
したがって、組織サンプルの条件の検出の精度を犠牲にすることなく、光ファイバーの長さの高い許容限度を有するOCTまたはOCRシステムを製造および適用するための新しい方法、デバイス、およびシステムを提供するための必要性が存在している可能性がある。
【0006】
本明細書において提示されている実施形態において、OCRまたはOCTを実施するための方法およびシステムが説明されている。
【0007】
ある実施形態において、OCTまたはOCRを実施するための例示的な方法が説明されている。本方法は、コヒーレント光のビームを発生させるステップであって、コヒーレント光のビームは、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さ(空気中の単一の経路)、および、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中に周期的に掃引される波長を有している、発生させるステップと、コヒーレント光のビームを、参照アームおよびサンプルアームを含む光学干渉計の中へ連結させるステップであって、サンプルアームは、光学マルチプレクサー、および、コヒーレンス長さよりも小さい範囲の中の長さの変動を伴う複数の光学的経路を含む、連結させるステップと、光学マルチプレクサーを使用して複数の光学的経路のうちの1つの光学的経路を選択するステップと、光学干渉計の複数の出力信号を処理するステップであって、複数の出力信号のそれぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している、処理するステップとを含む。本方法は、所定のデータサンプリングレートで複数の出力信号からデータを獲得するステップと、データを処理し、データから複数の信号を発生させるステップとをさらに含む。複数の信号は、少なくとも1cmの深さ範囲を有しており、複数の信号のそれぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している。
【0008】
別の実施形態では、OCTまたはOCRのシステムが説明されている。システムは、光供給源と、光学干渉計と、光学マルチプレクサーと、光学検出器と、データ獲得ユニットと、データ処理ユニットとを含む。光供給源は、コヒーレント光のビームを出力するように構成されており、コヒーレント光のビームは、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さ(空気中の単一の経路)、および、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中に周期的に掃引される波長を有している。光学干渉計は、コヒーレント光のビームに連結されている入力と、出力と、参照アームと、サンプルアームとを含み、サンプルアームは、コヒーレンス長さよりも小さい範囲の中の長さの変動を伴う複数の光学的経路を含む。光学マルチプレクサーは、複数の光学的経路のうちの1つを選択するように構成されている。光学検出器は、光学干渉計の出力に連結されている。データ獲得ユニットは、所定のデータサンプリングレートで光学検出器からデータを獲得するように構成されている。データ処理ユニットは、データから複数の信号を発生させるように構成されている。複数の信号は、少なくとも1cmの深さ範囲を有しており、それぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している。
【0009】
さらなる特徴および利点、ならびに、さまざまな実施形態の構造および動作は、添付の図面を参照して下記に詳細に説明されている。本明細書で説明されている特定の実施形態は、限定することを意図していないということが留意される。そのような実施形態は、例示目的のみのために本明細書に提示されている。追加的な実施形態は、本明細書に含有される教示に基づいて、当業者に明らかになることとなる。
【0010】
添付の図面(それは、本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を形成している)は、説明とともに本開示の実施形態を図示しており、本開示の原理を説明する役割をさらに果たしており、当業者が本開示を作製および使用することを可能にする役割をさらに果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による、アブレーションのための例示的なシステムのダイアグラムである。
図2】本開示の実施形態によるカテーテルの例示的なダイアグラムである。
図3】本開示の実施形態によるカテーテルの断面を図示する図である。
図4】本開示の実施形態によるカテーテルの例示的な遠位セクションのダイアグラムである。
図5】本開示の実施形態による、光ビームがカテーテルの光学コンポーネントの末端部において異なる方向に方向付けられている、光ファイバーの例示的な配置のダイアグラムである。
図6】本開示の実施形態による、複数の光学コンポーネントを備えた例示的なOCTおよび/またはOCRシステムのダイアグラムである。
図7】本開示の実施形態による、2つの異なる光学コンポーネントによるOCRスキャンの例示的なダイアグラムである。
図8図8Aは、本開示の実施形態による、短いスキャン深さの範囲を備えたOCTシステムの光学コンポーネントの例のダイアグラムである。図8Bは、本開示の実施形態による、長いスキャン深さの範囲を備えたOCTシステムの光学コンポーネントの例のダイアグラムである。
図9】本開示の実施形態による、異なる光学コンポーネントによって探査される、予測される病変深さを示す例示的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を図示する図である。
図10】本開示の実施形態による、複数の光学コンポーネントを備えたOCRを実行する例示的な方法を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【0013】
特定の構成および配置が議論されているが、これは例示目的のみのために行われているということが理解されるべきである。当業者は、他の構成および配置が本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用され得るということを認識することとなる。本開示はさまざまな他の用途においても用いられ得るということが当業者に明らかになることとなる。
【0014】
本明細書における「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明されている実施形態が、特定の特徴、構造体、または特質を含むことが可能であるが、すべての実施形態が、その特定の特徴、構造体、または特質を必ずしも含むとは限らないということを示しているということが留意される。そのうえ、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造体、または特質が、実施形態に関連して説明されているときには、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造体、または特質を実現することは、当業者の知識の範囲内にあることとなる。
【0015】
本出願は、具体的に心臓アブレーションに言及している可能性があるが、本明細書で説明されている実施形態は、同様に、アブレーションのための追加的なエネルギー供給源(極低温、ラジオ周波数(RF)、マイクロ波、レーザー、超音波、およびパルス電界を含むがそれに限定されない)とともに、他の病態をターゲットにすることも可能であるということが留意されるべきである。他の病態を治療するためにレーザーエネルギーを使用する原理は同様であり、したがって、レーザーエネルギーを印加するために使用される技法も同様である。
【0016】
融合された光学的な組織評価およびレーザーアブレーションのためのアブレーションカテーテルを備えたOCT/OCRシステムの実施形態が、本明細書で開示されており、そこでは、アブレーションカテーテルは、ターゲット組織を評価することおよびアブレートすることの両方のために複数の光学ポートを含む。いくつかの実施形態において、カテーテルの複数の光学ポートは、暴露放射線のビームをサンプルに伝送し、サンプルから反射または散乱された1つまたは複数の散乱放射線のビームを受け取り、サンプルの少なくとも一部分がアブレートされるようにレーザーエネルギーを伝送するように構成されることが可能である。光学的な評価信号およびレーザーアブレーション信号の伝送のために同じ光学ポートを利用することによって、アブレーションカテーテルは、両方のモダリティーを可能にする単一の基板においてアブレートされている同じターゲット組織の焦点を絞った評価を提供することが可能である。
【0017】
本明細書において、「電磁放射線」、「光」、および「放射線のビーム」という用語は、すべて、さまざまな説明されているエレメントおよびシステムを通って伝播する同じ電磁信号を説明するために使用されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されているアブレーションカテーテルおよびコンソールシステムは、OCTおよび/またはOCR、または他の方法を使用し、組織アブレーションを実施し、リアルタイムで瘢痕の形成を追跡し、組織の中の瘢痕パターンを直接的に観察することによって病変幾何学形状および隔離をモニタリング/検証する。図1は、本開示の実施形態によるアブレーションを実施するための例示的なシステム100のダイアグラムを図示している。システム100は、カテーテル102、コンソール110、信号発生器120、ディスプレイ125、および灌漑ポンプ130を含む。カテーテル102、コンソール110、信号発生器120、ディスプレイ125、および灌漑ポンプ130は、有線接続および/または無線接続を介して、一緒に通信可能に連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテル102は、図2に示されているカテーテル200の例示的な実施形態を表すことが可能である。いくつかの実施形態において、患者104は、例示目的のために図1に示されている。本明細書で説明されている実施形態は、生体内でおよび/または生体外で使用されることが可能であるということが理解される。
【0019】
いくつかの実施形態において、カテーテル102は、信号発生器120によって発生させられるエネルギーを使用して、アブレーションの対象となる組織の一部分に位置決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、信号発生器120は、アブレーションのためのラジオ周波数(RF)、極低温、またはエレクトロポレーション(たとえば、パルス電界)信号を発生させるように構成された電子デバイスであることが可能である。信号発生器120は、直接的にまたはコンソール110を介して、カテーテル102に連結されることが可能であり、カテーテル102にエネルギーを送り、選択された組織部位において、組織の一部分をアブレートすることが可能である。いくつかの実施形態において、組織の一部分は、心筋組織、心臓筋肉組織、または骨格組織などであることが可能である。エネルギーは、カテーテル102の遠位セクションの中の光学ビューポートを通して、組織の一部分に印加されることが可能である。エネルギーを印加した後に、組織の中の構造的な変化が、カテーテル102の1つまたは複数の光学ビューポートを介して光信号を獲得することによって観察されることが可能である。
【0020】
コンソール110は、コンピューティングデバイスを含むことが可能であり、コンピューティングデバイスは、カテーテル102から光信号を獲得するように構成されており、光信号を分析し、組織の光学的特性の変化を検出するように構成されている。いくつかの実施形態において、コンソール110は、ハードウェア(たとえば、回路)、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの任意の組み合わせを含み、光信号を処理し、さらなる分析を実施することが可能である。いくつかの実施形態において、コンソール110は、コヒーレント光のビームを提供する内部光供給源を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、コンソール110は、コヒーレント光のビームを提供する外部光供給源に連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、コンソール110は、それ自身の中のおよびカテーテル102の中の光学回路を通して組織の中へコヒーレント光のビームを送り、瘢痕の進行、組織とカテーテル102との間の接触条件、および、組織の他の特質をモニタリングすることが可能である。
【0021】
いくつかの実施形態において、コンソール110は、本明細書では、制御コンソール、処理デバイス、および/またはコントローラーと称されることが可能である。コンソール110は、ディスプレイ125に連結されることが可能であり、ディスプレイ125は、光信号分析からの結果を提示することが可能であり、カテーテル102、コンソール110、信号発生器320、および/または灌漑ポンプ330の動作に関係するパラメーターを、ユーザーが選択すること/見ること、修正すること、および/または制御することを可能にすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、灌漑ポンプ130は、チュービングを介してカテーテル102に連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、灌漑ポンプ130は、流体がチュービングを通してポンプ送りされること、および、カテーテル102を通して(たとえば、光学ビューポートを通して、または、カテーテル102の遠位セクションにおける別個の灌漑スリットを通して)組織部位においてリリースされることを可能にすることができる。灌漑ポンプ130からの流体は、アブレーションの間にカテーテル102の遠位セクションおよび周囲組織を冷却することが可能であり、また、アブレーションの間および/または後に任意のデブリを洗い流すことが可能である。
【0023】
いくつかの実施形態において、カテーテル102は、1つまたは複数の光学的な接続112および1つまたは複数の電気的な接続114を介して、コンソール110に連結されることが可能である。光学的な接続112は、さらなる分析のためにカテーテル102およびコンソール110からの光信号の獲得および/またはカテーテル102およびコンソール110への光信号の伝送を可能にするシングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含むことが可能である。電気的な接続114は、アブレーションのために信号発生器120からカテーテル102へパワーおよびエネルギーを供給するために使用される配線、ピン、および/またはコンポーネントを含むことが可能である。
【0024】
いくつかの実施形態において、光学的な接続112および電気的な接続114は、通信インターフェース116を介してコンソール110に接続されることが可能である。通信インターフェース116は、カテーテル102とコンソール110との間でさまざまな信号(たとえば、光学信号および電気信号)の伝送を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、通信インターフェース116は、カテーテル102とコンソール110との間での光ファイバーの適正なアライメントを促進させるコネクターを含むことが可能である。
【0025】
図2は、本開示の実施形態によるカテーテル200を図示している。カテーテル200は、近位セクション202と、遠位セクション204と、近位セクション202と遠位セクション204との間に連結されているシャフト206とを含む。ある実施形態において、シャフト206は、ナビゲーション目的のための1つまたは複数のX線不透過性のマーカーを含む。1つの実施形態では、カテーテル200は、カテーテル200と処理デバイス208との間に通信インターフェース210を含む。通信インターフェース210は、本明細書で説明されているように、処理デバイス208とカテーテル200との間に1つまたは複数の1つまたは複数の光ファイバーおよびコネクターを含むことが可能である。他の例では、通信インターフェース210は、無線通信(たとえば、Bluetooth、WiFi、およびセルラーなど)を可能にするインターフェースコンポーネントを含み、カテーテルシステムの中のカテーテル200または他の処理コンポーネントと通信することが可能である。
【0026】
ある実施形態において、シャフト206および遠位セクション204は、使い捨てである。そうであるので、近位セクション202は、新しい手順が実施されることとなるたびに、新しいシャフト206および近位セクション204を取り付けることによって再使用されることが可能である。別の実施形態では、近位セクション202も、使い捨てである。
【0027】
近位セクション202は、カテーテル200の動作において使用されるさまざまな電気コンポーネントおよび光学コンポーネントを収容することが可能である。いくつかの実施形態において、光学的供給源は、近位セクション202の中に含まれ、光学的な評価のための放射線の供給源ビームを発生させることが可能である。いくつかの実施形態において、光学的供給源は、図1における光学的な接続112を介して近位セクションに連結されている外部光学的供給源であることが可能である。光学的供給源は、1つまたは複数のレーザー、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)、または、他の種類の光学的コヒーレント供給源を含むことが可能である。光学的供給源によって発生させられる放射線のビームは、赤外線範囲の中の波長を有することが可能である。1つの例において、放射線のビームは、約1000nmから1600nmの間の中心波長を有している。たとえば、放射線のビームは、1050nm、1310nm、または1550nmの中心波長を有することが可能である。光学的供給源は、単一の波長のみにおいて放射線のビームを出力するように設計されることが可能であり、または、それは、掃引供給源(swept source)であることが可能であり、所定の範囲の異なる波長を出力するように設計されることが可能である。発生させられる放射線のビームは、シャフト206の中で近位セクション202と遠位セクション204との間に接続されている光学的伝送媒体を介して、遠位セクション204に向けてガイドされることが可能である。光学的伝送媒体のいくつかの例は、シングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含む。1つの実施形態では、電気的伝送媒体および光学的伝送媒体は、電気信号と光信号の両方の伝播を可能にする同じハイブリッド媒体によって提供される。
【0028】
そのうえ、近位セクション202は、別の光学的供給源(たとえば、レーザーエネルギー供給源など)を含み、組織アブレーションのために遠位セクション204において印加されるレーザーエネルギーを発生させることが可能である。いくつかの実施形態において、レーザーエネルギー供給源は、980nmの波長においてまたは1060nmの波長において、レーザーエネルギーのアブレーションビームを放出することが可能である。近位セクション202における供給源からのレーザーエネルギーは、シャフト206の中で近位セクション202と遠位セクション204との間に接続されている光学的伝送媒体を介して、カテーテル200を伝播することが可能であり、レーザーエネルギーは、カテーテル200の遠位セクション204からターゲット組織へ出力されることが可能である。たとえば、供給源からのレーザーエネルギーは、20~30秒にわたってターゲット組織に印加される5Wから12Wの光学的パワーを作り出し、心臓組織の中に貫壁性の病変を作り出すことが可能である。別の例では、供給源からのレーザーエネルギーは、60~90秒にわたってターゲット組織に印加される30Wから50Wの光学的パワーを作り出すことが可能である。
【0029】
ある実施形態において、近位セクション202は、光学的供給源から発生させられる光を使用してコヒーレンス干渉法を実施するために、干渉計の1つまたは複数のコンポーネントを含む。干渉計のデータ分析の性質に起因して、ある実施形態において、遠位セクション204へおよび遠位セクション204から光をガイドするために使用される光学的伝送媒体は、光の偏光の状態および程度に影響を与えない。別の実施形態では、光学的伝送媒体は、一定の可逆的な方式で、偏光に影響を与えることが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテル200は、光学的分光法を実行するように構成されている1つまたは複数のエレメントを備えた光学回路を含むことが可能である。そのような実施形態では、光学的経路の少なくとも一部は、マルチモード光学的伝送媒体(たとえば、マルチモード光ファイバー)から構成されることが可能である。
【0030】
近位セクション202は、さらなるインターフェースエレメントを含むことが可能であり、カテーテル200のユーザーは、さらなるインターフェースエレメントによって、カテーテル200の動作を制御することが可能である。たとえば、近位セクション202は、偏向制御メカニズムを含むことが可能であり、偏向制御メカニズムは、遠位セクション204の偏向角度を制御する。偏向制御メカニズムは、近位セクション202の上のエレメントの機械的な移動を含むことが可能であり、または、偏向制御メカニズムは、遠位セクション204の移動を制御するために電気的な接続を使用することが可能である。近位セクション202は、さまざまなボタンまたはスイッチを含むことが可能であり、ボタンまたはスイッチは、遠位セクション204においてレーザーエネルギーが印加されるときに、または、放射線のビームが遠位セクション204から伝送されるときに、ユーザーが制御することを可能にし、光学データの獲得を可能にする。いくつかの実施形態において、近位セクション202は、遠位セクション204に連結されている1つまたは複数のプルワイヤーを制御するための偏向制御メカニズムを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、偏向制御メカニズムおよび1つまたは複数のプルワイヤーは、カテーテル200の遠位セクションの操舵を可能にし、アブレーションのために特定の組織領域の中で操縦してターゲットにするようになっている。
【0031】
遠位セクション204は、複数の光学ビューポートを含む。いくつかの実施形態において、複数の光学ビューポートは、本明細書では、カテーテル先端部の中のオリフィスと称されることが可能である。ある実施形態において、光学ビューポートのうちの1つまたは複数は、遠位セクション204の外側本体部の中へ機械加工されている。光学ビューポートは、遠位セクション204の外側にわたって分配されており、複数の個別の視認方向を結果として生じさせる。いくつかの実施形態において、光学ビューポートは、遠位セクション204からさまざまな角度において光(たとえば、光信号)を伝送および収集することが可能である。また、光学ビューポートは、光学ビューポートのうちの1つまたは複数を通してレーザーエネルギーが組織アブレーションのために方向付けられ得る複数の方向(たとえば、ビーム方向)を可能にする。ある実施形態において、複数の視認方向のそれぞれは、実質的に同一平面上にない。また、光学ビューポートは、アブレーションの間に遠位セクション204および周囲組織を冷却するための灌漑機能性を備えて設計されることが可能である。
【0032】
図3Aおよび図3Bは、本開示の実施形態によるシャフト206の断面図を図示している。シャフト206は、近位セクション202を遠位セクション204と相互接続するエレメントのすべてを含むことが可能である。シャフト206aは、灌漑チャネル302、ケーブル配線チャネル312、および、偏向メカニズムのためのチャネル307を含む、複数のチャネル/ルーメンを収容する実施形態を図示している。これらのチャネル307、312、302を通して、偏向メカニズム306、電気的な接続308、および光学的伝送媒体310、および冷却流体が、少なくとも部分的に収容または輸送されることが可能である。いくつかの構成において、電気的な接続308および光学的伝送媒体310の両方に巻き付けられた保護カバーが使用されることが可能である。他の実施形態において、光学的伝送媒体310およびコンポーネントは、電気的な接続308が収容される保護カバーとは別個の保護カバーの中に位置付けされることが可能である。電気的な接続308は、遠位セクション204の中に位置付けされている光学的な変調コンポーネントに信号を提供するために使用されることが可能である。1つまたは複数の光学的伝送媒体310は、光学的供給源(暴露光)から発生させられる光を遠位セクション204に向けてガイドし、一方では、光学的伝送媒体310の別のサブセットは、遠位セクション204から戻る光(散乱光または反射光)を近位セクション202にガイドする。別の例では、同じ1つまたは複数の光学的伝送媒体310は、両方の方向に光をガイドする。いくつかの実施形態において、光学的伝送媒体310は、1つまたは複数のシングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含む。
【0033】
灌漑チャネル302は、冷却流体を遠位セクション204に向けてガイドするために使用される中空のチューブであることが可能である。灌漑チャネル302は、流体の温度に影響を与えるためにチャネルに沿って配設されている加熱および/または冷却エレメントを含むことが可能である。別の実施形態では、灌漑チャネル302は、遠位セクション204を取り囲む流体を近位セクション202に向けて引き戻すための通路としても使用されることが可能である。
【0034】
偏向メカニズム306は、遠位セクション204の偏向角度を変化させるために、遠位セクション204に信号を提供するように設計されている電気的なまたは機械的なエレメントを含むことが可能である。偏向システムは、実施形態によれば、近位セクション202の中に設置されている機械的な制御を作動させることによって、遠位セクション204の案内を可能にする。このシステムは、近位セクション202における偏向メカニズム制御を遠位セクション204におけるカテーテル先端部と接続するワイヤーと組み合わせた、遠位セクション204の一方向の偏向を提供することを目的としたシャフト206の中の一連の位置合わせされて均一に間隔を置いて配置されたカットアウトに基づくことが可能である。このように、近位セクションの特定の移動は、遠位セクションに投影されることが可能である。カテーテル先端部に取り付けられているいくつかの制御ワイヤーの組み合わせを含む他の実施形態は、異なる方向に沿ったカテーテル先端部の偏向を可能にすることができる。
【0035】
図3Bは、シャフト206bの断面を図示している。シャフト206bは、電気的な接続308が存在していないことを除いて、図3Aからのシャフト206aと同じエレメントのほとんどを有する実施形態を示している。シャフト206bは、発生させられた放射線のビームの変調(たとえば、多重化)が近位セクション202において実施される状況において使用されることが可能である。
【0036】
図4は、本開示の実施形態によるカテーテル400の例示的な遠位セクションのダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、図4Aのカテーテル400の遠位セクションは、図2に示されているカテーテル200の遠位セクション204の例示的な実施形態を表すことが可能である。カテーテル400の遠位セクションは、複数の電極402、アブレーションキャップ403、複数の光学ポート405、1つまたは複数のプルワイヤーコンポーネント408、および灌漑チュービング410を含む。いくつかの実施形態において、アブレーションキャップ403は、また、電極であることが可能であり、金属製であることが可能である。いくつかの実施形態において、アブレーションキャップ403は、遠位キャップと称されることが可能である。いくつかの実施形態において、複数の光学ポート405は、本明細書では、複数の光学ビューポートと称されることが可能である。いくつかの実施形態において、プルワイヤーコンポーネント408は、カテーテル400の遠位セクションの操舵を可能にするためのアンカーおよび/または他のコンポーネントを含むことが可能であり、アブレーションのために特定の組織領域の中で操縦してターゲットにするようになっている。いくつかの実施形態において、灌漑チュービング410は、流体がカテーテル先端部に沿ってガイドされることを可能にし、組織を冷却することが可能である。
【0037】
いくつかの実施形態において、アブレーションキャップ403は、複数の光学ポート405を含むことが可能であり、複数の光学ポート405は、光学的なアブレーションのためのオリフィスとしての役割を果たし、また、カテーテルの中の複数の光ファイバーからの光ビームのための光学ウィンドウまたはビューポートとしての役割を果たすことが可能である。いくつかの実施形態において、光学ポート405は、アブレーションキャップ403のドーム形状の表面の上に非平面的な様式で分配されることが可能である。いくつかの実施形態において、光ファイバー(たとえば、図3Aおよび図3Bにおける光学的伝送媒体310)は、カテーテルシャフトを通してカテーテルの遠位セクションの上のレンズに方向付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、光ファイバーは、カテーテル先端部における光学コンポーネントを規定するウエハーベースの導波路回路によって、レンズに接続されることが可能である。他の実施形態において、カテーテル先端部の中の光ファイバーは、直接的にレンズに接続することが可能であり、レンズは、複数の光学ポート405を通して組織の中へ光を集束させる。いくつかの実施形態において、レンズは、シリコンであることが可能であり、または、別の光学的に透明な材料から形成されることが可能である。いくつかの実施形態において、レンズは、また、インターフェースにおける反射を低減させるために、または、周囲組織、血液、もしくは流体媒体との光学指数の違いを許容するためにコーティングされることが可能である。
【0038】
いくつかの実施形態において、カテーテル先端部は、カテーテル自身の中に機械的なスイッチングまたはスキャニングデバイスを備えることなく、受動的で固定された数のオプティクスコンポーネント(たとえば、15個のレンズが取り付けられた状態の15個のファイバー)を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、光学エレメントの移動または回転は、組織の中の異なる方向へのスキャニングを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、カテーテルの中の複数の光学ポートまたはビューポートは、カテーテル先端部においてさまざまな配向を有することが可能であり、カテーテルの中のそれぞれのビューポートから方向付けられるそれぞれの出力ビームは、異なる方向に面することが可能である。たとえば、1つの出力ビームが前方に方向付けられることが可能であり、7つの出力ビームが、組織に対して45°に方向付けられることが可能であり、7つの出力ビームが、組織に対して90°に方向付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテル先端部の中に任意の数のビーム、ビューポート、ビューポートの配向が存在していることが可能である。
【0039】
図5は、本開示の実施形態による、カテーテルの光学コンポーネントの末端部において光ビームが異なる方向に方向付けられる、光ファイバーの例示的な構成体500のダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、構成体500は、カテーテルの遠位セクションに位置付けされることが可能である。図5は、5つの光ファイバー522の配置を含み、5つの光ファイバー522は、光ファイバーの末端部において光学ヘッドにそれぞれ接続されている。たとえば、光学ヘッド520は、光ファイバー522の末端部に接続されている。光学ヘッドのそれぞれは、図4における光学ポート405のうちの1つに対応している。光学ヘッド520は、光ファイバー522の中へのおよび光ファイバー522から外への光信号を連結するための光学エレメントを含むことが可能である。たとえば、光学ヘッド520は、光ファイバー522の出力ビームを集束させるための1つまたは複数の光学レンズを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ミラーは、出力ビームを特定の配向に方向付けるために、光学ヘッドのそれぞれに適合されることが可能である。たとえば、光学ヘッド520に適合されたミラー524は、光学ヘッドに対して90°に出力ビーム542を方向付けることが可能である。いくつかの実施形態において、光学ヘッドに適合されたミラーは、他の方向に、たとえば、光学ヘッドに対して30°、45°、または60°に、出力ビームを方向付けることが可能である。いくつかの実施形態において、ミラー524の配向は、機械的に制御されることが可能であり、出力ビーム542が任意の角度に方向付けられることが可能であるようになっている。たとえば、ミラー524は、図3における偏向メカニズム306によって制御されることが可能である。いくつかの実施形態において、光学ヘッド520は、ミラー524を装備していなくてもよい。たとえば、図5において、カテーテルの円筒形状の軸線(軸線546)に沿った光学ヘッドは、ミラー524を装備しておらず、この特定の光学ヘッドの出力ビームが軸線546に沿って伝送されるようになっている。図5は、5つの光ファイバーの配置を含むが、これは単に例示目的のためのものに過ぎないということが理解されるべきである。他の量の光ファイバーおよびそれらの配置も、本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用されることが可能であるということを当業者は認識することとなる。
【0040】
光学ポート405は、カテーテル400の遠位セクションの端部において異なる場所に分配されるので、光学ヘッド520を光学ポート405に適合させることは、光ファイバー522の末端部が位置合わせされないことを必要とする可能性があり、異なる光ファイバー522に関して異なる長さを結果として生じさせる。これは、異なる光学コンポーネントにおける光学的経路の長さの変動、および、光学コンポーネントのそれぞれと参照アームとの間の干渉の品質の変動を引き起こす可能性がある。そのような変動が、光のコヒーレンス長さに匹敵するかまたはそれよりも大きい場合には、光学コンポーネントによって収集された光信号の信頼性および一貫性が影響を与えられる。たとえば、いくつかの実施形態において、光学コンポーネント(サンプルアーム)と参照アームとの間の長さの差は、サンプルにおける数ミリメートルのスキャン深さ範囲を保証するために、サブミリメートルの精度で調節されなければならない。それぞれのファイバーは、典型的に、数メートルの長さがあるが、典型的に、その長さがサブミリメートルの精度で制御されることを必要とする。そのようなファイバー長さの高い要求精度は、製造において余分な困難を課し、特に、カテーテルの1つまたは複数のファイバーが交換される必要があるときに、組み立ての複雑さおよび時間を増加させ、製品のコストを増加させる。
【0041】
本明細書で説明されている実施形態では、十分な数のサンプルが所定の深さ範囲にわたって採取されるように、高いサンプリング周波数とともに、長いコヒーレンス長さを有する光学的コヒーレント供給源を使用することによって、ファイバー長さの精度の許容限度が緩和されることが可能である。次いで、関心の領域は、処理および分析のために、戻される信号の中に識別されてクロップされる(cropped)。たとえば、(たとえば、MEMSチューナブルフィルターを介して)チューナブル波長を有する掃引供給源、無動型掃引供給源(akinetic swept source)、または、(たとえば、MEMSチューナブルフィルターを介して)チューナブル波長を有する垂直キャビティー面発光レーザー(VCSEL)は、センチメートル範囲のコヒーレンス長さを提供することが可能である。光学的供給源のより長いコヒーレンス長さは、より大きなスキャン深さ範囲のための機会を提供することが可能であるが、光信号を検出する、サンプリングする、および処理するための獲得システムの適正な設計も必要とする。たとえば、1つの実施形態では、掃引供給源OCTシステムに関して、100nm波長掃引範囲レーザーから1cmイメージング範囲を取得することは、掃引供給源周波数よりも少なくとも2000倍速い獲得サンプリングレートを使用することが可能である(たとえば、掃引供給源周波数が50kHzである場合には、検出器バンド幅は、100MHzよりも高くなることとなる)。したがって、獲得システムは、センチメートル深さ測定を可能にするのに十分に高いサンプリング周波数に最適化されている。より大きなスキャン深さ範囲をサポートするために、データ処理ユニットは、全センチメートル深さ範囲のA-スキャンを計算し、それぞれの光学コンポーネントに関する光信号の中の関心の領域を個別に選択することが可能である。いくつかの実施形態において、たとえば、関心の領域を検出してクロップすることは、ピーク検出または事前較正によって行われることが可能である。
【0042】
図6は、本開示の実施形態による、複数の光学コンポーネントを備えた例示的なOCTおよび/またはOCRシステムのダイアグラムを図示している。コヒーレント光供給源602は、センチメートル範囲のコヒーレンス長さを有するコヒーレント光のビームを提供する。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源602は、(たとえば、MEMSチューナブルフィルターを介して)チューナブル波長を有する掃引供給源、無動型掃引供給源、または、(たとえば、MEMSチューナブルフィルターを介して)チューナブル波長を有するVCSELであることが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源602は、数センチメートルのコヒーレンス長さを有するコヒーレント光のビームを提供することが可能である(空気中の単一の経路)。たとえば、コヒーレント光供給源602によって提供されるコヒーレント光のビームは、1.0cm、2.4cm、5cm、8cm、または10cmのコヒーレンス長さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源602は、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さを有するコヒーレント光のビームを提供することが可能である。たとえば、コヒーレント光供給源602によって提供されるコヒーレント光のビームは、10cm、15cm、20cm、および30cmのコヒーレンス長さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源602は、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中に周期的に掃引される波長を有するコヒーレント光のビームを発生させる掃引供給源であることが可能である。いくつかの実施形態において、中心波長は、赤外線であることが可能である。いくつかの実施形態において、中心波長は、1000nmから1600nmの間にあることが可能である。たとえば、コヒーレント光のビームの中心波長は、約1310nmであることが可能である。いくつかの実施形態において、中心波長の周りに掃引された波長範囲は、30nmから70nmの間にあることが可能である。たとえば、中心波長の周りに掃引された波長範囲は、約55nmであることが可能である。いくつかの実施形態において、波長掃引周波数は、20kHzから100kHzの間にあることが可能である。たとえば、波長掃引周波数は、約50kHzであることが可能である。別の例では、波長掃引周波数は、約30kHzであることが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源602は、内部光供給源であることが可能であり、内部光供給源は、(図1に示されているような)コンソール110の中に含まれており、(図3Aおよび図3Bに示されているような)カテーテルの光学的伝送媒体310に連結されている。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源602は、コンソール110を介してカテーテルに連結されている外部光供給源であることが可能である。
【0043】
コヒーレント光供給源602によって発生させられるコヒーレント光のビームは、干渉計610に連結されている。干渉計610は、第1の光学カップラー604を含み、第1の光学カップラー604は、コヒーレント光のビームの第1の部分を参照アーム608に連結し、コヒーレント光のビームの第2の部分をサンプルアーム606に連結する。サンプルアーム606は、光学マルチプレクサー612に連結されており、光学マルチプレクサー612は、コヒーレント光のビームの第2の部分を1つまたは複数の光学コンポーネント616~616の中へガイドする。光学コンポーネント616~616のそれぞれは、コヒーレント光のビームの第2の部分を、検査されることとなるサンプル618の上の場所にガイドする光学的経路を含む。サンプル618は、病変、アブレーションプロセス中の組織、またはテストサンプルであることが可能である。光学コンポーネント616~616のそれぞれは、カテーテルの遠位セクションにおける光学ポート(たとえば、図4の光学ポート405)のうちの1つを通して、コヒーレント光のビームの第2の部分を送達することが可能である。コヒーレント光による照射の後に、複数の光信号が、サンプル618から戻ることが可能であり、それぞれが、光学コンポーネント616~616に対応している。複数の光信号は、サンプル618の条件に依存しており、コヒーレント光のビームに相関付けられている。複数の光信号は、光学コンポーネント616~616によって収集されて戻され、光学マルチプレクサー612を介してサンプルアーム606に戻され、次いで、第2の光学カップラー614によって参照アーム608の中のコヒーレント光のビームの第1の部分と組み合わせられる。いくつかの実施形態において、参照アーム608は、特定の長さの光学的経路を備えた光ファイバーを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、制御ユニット620は、光学マルチプレクサー612を制御するために使用され、コヒーレント光のビームの第2の部分が連結される1つまたは複数の光学コンポーネント616~616を選択することが可能である。制御ユニット620は、コンピューター628からコマンドを受信し、コンピューター628へデータを伝送するために、コンピューター628に接続されることが可能である。
【0044】
いくつかの実施形態において、光学コンポーネント616~616のそれぞれは、光学ヘッド(たとえば、図5に示されているような光ファイバー522および光学ヘッド520)に適合された光ファイバーを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、光学コンポーネント616~616の光学的経路の長さは、異なっていることが可能である。参照アーム608とサンプルアーム606との間に効果的な干渉を提供するために、光学コンポーネント616~616の光学的経路の長さは、コヒーレント光のビームのコヒーレンス長さの中の参照アーム608の光学的経路の長さと同等である必要があり、光学コンポーネント616~616の間での光学的経路の長さの変動は、コヒーレント光のビームのコヒーレンス長さよりも短くなっている必要がある。たとえば、コヒーレント光供給源602によって発生させられるコヒーレント光のビームが、約2.4cmのコヒーレンス長さ(空気中の単一の経路)を有する場合には、光学コンポーネント616~616の間の光学的経路の長さの変動は、約2.4cmよりも小さい範囲の中にあることが可能である。たとえば、光学コンポーネント616~616は、空気中(単一の経路)の約17mmに対応する、約6mmの最大の長さの差(ファイバーの中の二重の経路)を有することが可能である。
【0045】
いくつかの実施形態において、光学マルチプレクサー612および光学コンポーネント616~616は、図1のカテーテル102の内側に含まれることが可能である。いくつかの実施形態において、光学マルチプレクサー612は、図1のコンソール110の内側に位置付けされることが可能であり、光学的な接続112を介してカテーテル102の中の光学コンポーネント616~616に連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、第1の光学カップラー604、第2の光学カップラー614、および参照アーム608は、コンソール110の中に含まれることが可能である。
【0046】
干渉計610は、第2の光学カップラー614によって複数の光学的な出力信号を提供し、それぞれが、光学コンポーネント616~616のうちの1つに対応している。光学的な出力信号のそれぞれは、参照アームと光学コンポーネント616~616のうちの1つに連結されているサンプルアームとの間の干渉についての情報を含む。光学的な出力信号は、光学検出器622によって検出される。光学検出器622は、光学的な出力信号を、時間の関数として、参照アームと光学コンポーネント616~616のうちの1つに連結されているサンプルアームとの間の干渉についての情報を含有する電気信号へと変換することが可能である。コヒーレント光のビームの波長は、掃引周波数の下で所定の波長範囲の中で掃引されているので、波長も時間の関数である。したがって、波長掃引のそれぞれのサイクルの中において、光学検出器622によって提供される電気信号のそれぞれも、変化する波長の関数である。波長領域(または、等価的に、波数領域)から実空間領域(または、等価的に、深さ領域)への電気信号のフーリエ変換は、スキャン深さの関数として、光学コンポーネントによって探査されたサンプル618の場所の光学的特性に関係付けられた信号を提供することが可能である。
【0047】
いくつかの実施形態において、光学検出器622は、効果的な測定のために干渉計610によって提供される光学的な出力信号を処理することが可能である。たとえば、光学検出器622は、光学的な出力信号を増幅することが可能であり、または、光学的な出力信号をフィルタリングし、ノイズを除去することが可能である。信号歪みを回避し、サンプル618についての情報を含有する高品質の電気信号を提供するために、光学検出器622は、光学的な出力信号を処理および検出するのに十分なバンド幅を有するべきである。いくつかの実施形態において、光学検出器622は、約100MHzのバンド幅を有することが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態において、光学検出器622は、図1のコンソール110の内側に位置付けされることが可能であり、光学的な出力信号は、光学的な接続112およびインターフェース116を介して光学検出器622に伝送されることが可能である。いくつかの実施形態において、光学検出器622は、図1のカテーテル102の内側に位置付けされることが可能であり、光学検出器622によって提供される電気信号は、電気的な接続114およびインターフェース116を介してコンソール110に伝送されることが可能である。
【0049】
光学検出器622によって提供される電気信号は、データ獲得ユニット624によって、データサンプリングレートで、デジタルデータへとさらにサンプリングされることが可能である。いくつかの実施形態において、データ獲得ユニット624は、図1のコンソール110の内側に位置付けされることが可能である。信号の中の情報の信号歪みまたは損失を回避するために、データ獲得ユニット624のデータサンプリングレートは、光学検出器622によって提供される電気信号のバンド幅よりも十分に高くなっていることが可能である。いくつかの実施形態において、データサンプリングレートは、光学検出器のバンド幅よりも大きくなっていることが可能である。たとえば、データサンプリングレートは、100MHzよりも大きくなっていることが可能である。いくつかの実施形態において、データサンプリングレートは、0MHzから175MHzの間にあることが可能である。いくつかの実施形態において、データサンプリングレートは、0MHzから400MHzの間にあることが可能である。いくつかの実施形態において、データ獲得ユニット624のデータサンプリングレートは、コヒーレント光供給源602のk-クロック(たとえば、VCSEL掃引レーザーのk-クロック)によって設定されることが可能であり、全体的なイメージ範囲(たとえば、空気中の12mmの二重の経路)が、自動的に保証され得るようになっており、任意の掃引非線形性が補償され得るようになっている。
【0050】
データ獲得ユニット624によって獲得されるデータは、データ処理ユニット626にさらに伝送される。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、図1のコンソール110の中に位置付けされることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、コンピューター628の処理ユニットであることが可能である。データ処理ユニット626は、データを処理し、サンプル618の条件の分析を支援することを助けることができる有用な情報をデータから抽出することが可能である。たとえば、データ処理ユニット626は、高速フーリエ変換を使用し、波長の関数としてのデータを、サンプル618の表面からのスキャン深さの関数としての複数の信号へと変換することが可能であり、複数の信号のそれぞれは、光学コンポーネント616~616のうちの1つによって測定されるサンプル618の場所の条件に対応している。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、また、コヒーレント光供給源602に接続され、掃引波長の位相を獲得することが可能であり、波長の情報が、高速フーリエ変換を適用するためにデータ処理ユニット626によって収集されるようになっている。いくつかの実施形態において、複数の信号は、サンプル618の屈折、複屈折、偏光、および/または他の光学的特性についての情報を含むことが可能である。スキャン深さの関数としての複数の信号は、コンピューター628のスクリーンの上に表示するためにさらに伝送されることが可能である。
【0051】
いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、また、複数の信号を処理し、その中の関心の情報を抽出することが可能である。たとえば、データ処理ユニット626は、複数の信号の中の1つまたは複数の参照特徴を検出することが可能であり、1つまたは複数の参照特徴の場所に基づいて、複数の信号の中の関心の領域をクロップすることが可能である。
【0052】
図7Aおよび図7Bは、本開示の実施形態による、2つの異なる光学コンポーネントによるOCRスキャンの例示的なダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、OCRスキャンのスキャン深さの範囲は、少なくとも1cmであることが可能である。たとえば、スキャン深さの範囲、または、図7Aおよび図7Bの深さの合計スパンは、1cm、2cm、5cm、8cm、または10cmであることが可能である。いくつかの実施形態において、OCRスキャンのスキャン深さの範囲は、10cmよりも大きくなっていることが可能である。
【0053】
図7Aは、図6の光学検出器622によって提供される電気信号からサンプリングされたデータに対して高速フーリエ変換を適用した後に、データ処理ユニット626によって提供される第1の信号を図示しており、電気信号は、サンプル618の第1の場所を探査する第1の光学コンポーネント616から戻される光信号に対応している。図7Aの背景ノイズ信号702は、第1の信号と比較して弱くなっていることが可能である。たとえば、背景ノイズ信号702の振幅は、約-90dBであることが可能である。図7Aの第1の信号は、第1の光学コンポーネント616の中の異なる光学エレメントに対応するいくつかの鋭いピーク704、706、および708と、サンプル618の光学的特性に関係付けられる実際の信号に対応する曲線710とを含む。たとえば、ピーク704は、第1の光学コンポーネント616のレンズの表面において反射された光と参照アームの中の光との干渉に起因して、図5に示されているような光学ヘッド520の中のレンズに対応することが可能である。同様に、ピーク706は、図5に示されているようなミラー542に対応することが可能であり、ピーク708は、第1の光学コンポーネント616の中の光学的経路の上の他のインターフェース(たとえば、空気と光ファイバーの材料との間の光ファイバーの端部におけるインターフェース)に対応することが可能である。ピーク704、706、および708は、システム関係のピークであり、戻された信号の中のそれらの出現は、サンプル618とは無関係である。これらのシステム関係のピークは、弱くなっていることが可能である。たとえば、ピーク704、706、および708の振幅は、-55dBよりも小さくなっていることが可能である。これらのシステム関係のピークの間の相対的位置は、安定していることが可能である。たとえば、ピーク704とピーク706との間の距離L2A、および、ピーク704とピーク708との間の距離L4Aは、第1の光学コンポーネント616の位置がサンプル618に対して変化されるときに、実質的に変化されない。いくつかの実施形態において、距離L2AおよびL4Aは、数十マイクロメートルから数百マイクロメートルの範囲にあることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、ピーク検出の方法を使用して、ピーク704、706、および708を検出することが可能である。
【0054】
図7Aにおいて、曲線710は、領域W2Aの中にあり、領域W2Aは、スキャン深さの関数としてサンプル618の第1の場所の光学的特性についての情報を含む関心の領域である。領域W2Aの範囲、ならびに、ピーク704、706、および708に対するその位置は、複雑なリアルタイム要因(たとえば、第1の光学コンポーネント616によって探査されているサンプル618の上の第1の場所の光学的特性、および、第1の光学コンポーネント616と第1の場所との間の距離など)によって影響を与えられる可能性がある。いくつかの実施形態において、領域W2Aは、数ミリメートルの長さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、領域W2Aは、1cmよりも大きい長さを有することが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、ピーク704、706、および708の位置を基準として使用して、領域W2Aをクロップすることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、ピーク検出の方法を使用して、領域W2Aをクロップすることが可能である。システムの光学コンポーネントに起因する信号効果は既知であり、測定ごとに一貫していることが可能であるので、信号処理システムは、静的な光学コンポーネントに対応する信号の形状(たとえば、図7Aの例における3つのシーケンシャルピーク)を認識するように、および、関心の領域(たとえば、ピーク710)が始まる場所を決定するための基準としてその形状を使用するように、プログラムまたはトレーニングされることが可能である。これは、システムが信号をクロップすることを可能にし、関心の領域のみがさらに分析されるようになっており、それは、関心の領域の外側の信号の部分をそれらが処理されないように除去することによって、処理時間を効率的に節約する。これは、戻された信号全体ではなく、信号の中の関心の領域のみを分析することによって、計算資源を節約する。
【0055】
図7Bは、図6の光学検出器622によって提供される電気信号からサンプリングされたデータに対して高速フーリエ変換を適用した後に、データ処理ユニット626によって提供される第2の信号を図示しており、電気信号は、サンプル618の第2の場所を探査する第2の光学コンポーネント616から戻された光信号に対応している。図7Bの背景ノイズ信号712(図7Aのノイズ信号702と同様)は、第2の信号と比較して弱くなっていることが可能である。たとえば、背景ノイズ信号712の振幅は、約-90dBであることが可能である。図7Aの第1の信号と同様に、図7Bの第2の信号は、第2の光学コンポーネント616の中の異なる光学エレメントに対応するいくつかの鋭いピーク714、716、および718と、サンプル618の光学的特性に関係付けられる実際の信号に対応する曲線720とを含む。図7Aのピーク704、706、および708と同様に、ピーク714、716、および718はシステム関係のピークであり、サンプル618とは無関係であり、これらのシステム関係のピークの間の相対的位置は、安定していることが可能である。たとえば、ピーク714とピーク716との間の距離L2B、および、ピーク714とピーク718との間の距離L4Bは、第2の光学コンポーネント616の位置がサンプル618に対して変化されるときに、実質的に変化されないままであることが可能である。いくつかの実施形態において、図7Aのシステム関係のピーク704の絶対的位置は、図7Bのシステム関係のピーク714の絶対的位置とは異なっていることが可能である。同様に、図7Aのシステム関係のピーク706の絶対的位置は、図7Bのシステム関係のピーク716の絶対的位置とは異なっていることが可能であり、図7Aのシステム関係のピーク708の絶対的位置は、図7Bのシステム関係のピーク718の絶対的位置とは異なっていることが可能である。これらのピークの相対的位置および形状は実質的に変化しないので、それらの絶対的位置が変化する可能性があるとしても、それらは、受信された信号の全体から関心の領域の場所を識別するための基準として使用されることが可能である。
【0056】
図7Bにおいて、曲線720は、領域W2Bの中にあり、領域W2Bは、スキャン深さの関数としてサンプル618の第2の場所の光学的特性についての情報を含む関心の領域である。領域W2Bの範囲、ならびに、ピーク714、716、および718に対するその相対的位置は、複雑なリアルタイム要因(たとえば、第2の光学コンポーネント616によって探査されているサンプル618の上の第2の場所の光学的特性、および、第2の光学コンポーネント616と第2の場所との間の距離など)によって影響を与えられる。図7Aおよび図7Bを比較すると、図7Aの領域W2Aの絶対的位置は、図7Bの領域W2Bの絶対的位置とは異なっていることが可能である。また、領域W2Aの長さは、領域W2Bの長さとは異なっていることが可能である。いくつかの実施形態において、領域W2Bの長さは、数ミリメートルの範囲にあることが可能である。いくつかの実施形態において、領域W2Bの長さは、1cmよりも大きい範囲にあることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、ピーク714、716、および718の位置を基準として使用して、領域W2Bをクロップすることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニット626は、ピーク検出の方法を使用して、領域W2Bをクロップすることが可能である。
【0057】
OCT/OCRシステムのスキャン深さの範囲は、OCT/OCRシステムのさまざまなパラメーターに依存する。いくつかの実施形態において、スキャン深さの範囲は、コヒーレント光供給源およびデータ獲得ユニットの仕様と密接に関係付けられる。たとえば、スキャン深さの範囲は、式
【0058】
【数1】
に従うことが可能であり、ここで、dは、スキャン深さの範囲であり、λは、コヒーレント光供給源(たとえば、図6のコヒーレント光供給源602)の中心波長であり、Δλは、コヒーレント光供給源によって掃引された波長の範囲であり、fは、波長を掃引する周波数であり、Bは、データ獲得ユニット(たとえば、図6のデータ獲得ユニット624)のバンド幅である。例示目的の例では、λ≒1310nm、Δλ≒42nm、f≒30kHz、およびB≒100MHzにおいて、スキャン深さの範囲は、d≒136mmである。
【0059】
図8Aおよび図8Bは、本開示の実施形態による、異なるスキャン深さの範囲を有するOCT/OCRシステムの2つの例のダイアグラムを図示している。図8Aは、短いスキャン深さの範囲を有する第1のOCT/OCRシステムを図示しており、光学コンポーネント816は、サンプル812(たとえば、病変)の中へ深さ範囲818を探査することが可能である。比較すると、図8Bは、長いスキャン深さの範囲を有する第2のOCT/OCRシステムを図示しており、光学コンポーネント826は、サンプル822(たとえば、病変)の中へ深さ範囲828を探査することが可能である。たとえば、図8Aの深さ範囲818は、約1mm以下であることが可能であり、図8Bの深さ範囲828は、5mm以上であることが可能である。いくつかの実施形態において、より長いスキャン深さの範囲は、検査中のサンプルについて、より詳細な情報を提供することが可能であり、また、さまざまな長さの光ファイバーを許容することも可能である。これは、スキャン深さの範囲が長いほど、スキャン深さ範囲が関心のサンプル領域に依然として重なっている状態で、サンプルの表面からの距離の範囲に光ファイバー端点を収容することが可能であるからである。たとえば、光学コンポーネント826は、光学コンポーネント826がサンプル822から所定の距離に離れているときでも、サンプル822を効果的に探査することが可能である。その理由は、長い深さ範囲828がこの距離を補償することが可能であるからである。比較すると、サンプル812を効果的に探査するために、光学コンポーネント816は、はるかに近い距離においてサンプル812に接近する必要がある。
【0060】
図9は、本開示の実施形態による、予測される病変深さを示す例示的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)900を図示している。GUI900は、アブレーションプロセスのために、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで、(たとえば、コンソール110によって処理されるような)光学的な測定データを提供する。たとえば、GUI900は、図1のコンソール110に連結されているディスプレイ125の上に提示されることが可能である。別の例では、GUI900は、データ処理ユニット626の出力に従って、図6のコンピューター628のディスプレイの上に提示されることが可能である。いくつかの実施形態において、GUI900は、カテーテル先端部におけるさまざまな光学ビューポートに対応する異なるセクション904~906を示す、カテーテル先端部の正面図902を含み、それぞれの光学ビューポートは、光学コンポーネント(たとえば、図6の光学コンポーネント616~616)のうちの1つに対応している。
【0061】
いくつかの実施形態において、GUI900の正面図902は、カテーテル先端部のどの光学ビューポートが組織と接触しているかということ、および、異なる光学ビューポートからのどのビームが動作中であるかということを示すことが可能である。たとえば、正面図902の濃い灰色のセクション904は、カテーテルと組織との間の強力な接触を示すことが可能であり、薄い灰色のセクション905は、カテーテルと組織との間の最小のまたは中間の接触を示すことが可能であり、白色のセクション906は、接触がないことを示すことが可能である。いくつかの実施形態において、異なるセクション904~906は、また、組織から光学的測定値を取得するために、どのビームがスイッチオンまたはスイッチオフされているかということを示すことが可能である。いくつかの実施形態において、濃い灰色のセクション904および薄い灰色のセクション905は、対応する光学ビューポートからのビームがターンオンされているということを示すことが可能であり、一方では、白色のセクション906は、対応する光学ビューポートがターンオフされているということを示すことが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態において、GUI900は、カテーテルの中のそれぞれの光学ビューポートセクションに関して光学的な読み取り値を示す複数のタイル908をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、複数のタイル908は、正面図902の中の異なるセクション904~906にそれぞれ対応することが可能である。それぞれのタイル908は、カテーテルの中のそれぞれの光学ビューポートセクションから取得される光信号および/または光学的測定値をコンソールによって処理することから結果として生じるイメージを表すことが可能である。いくつかの実施形態において、個々のタイル908は、特定の光学ビューポートセクションが所与の時間においてアクティブであることに基づいて、スイッチオンまたはスイッチオフされることが可能である(または、出現するかもしくは消失することが可能である)。いくつかの実施形態において、GUI900は、アブレーションエネルギーデータ(たとえば、RFパワー)、複屈折データ、位相データ、および、予測される病変深さデータを示す、1つまたは複数のグラフ910を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、GUI900は、カテーテル先端部と組織との間の安定した接触の発生、複屈折の損失、アブレーションエネルギーのステータス(たとえば、オン/オフ)、および、予測される病変深さを示す、1つまたは複数のパネルまたはインディケーター912を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、GUI900は、アブレーションのために、または、アブレーションの間にカテーテルを動作させるために選択されるパラメーターのユーザー選択および/またはカスタマイゼーションを可能にする、1つまたは複数のボタンまたはテキストボックスを含むことが可能である。
【0063】
図10は、本開示の実施形態による、複数の光学コンポーネントによってOCRを実行する例示的な方法1000を図示している。ステップ1002において、コヒーレント光のビームが、コヒーレント光供給源(たとえば、図6のコヒーレント光供給源602)によって発生させられることが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光のビームは、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さ(空気中の単一の経路)を有することが可能であり、また、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中で周期的に掃引される波長を有することが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光供給源は、チューナブル垂直キャビティー面発光レーザー(VCSEL)、チューナブル標準的掃引供給源(たとえば、MEMSチューナブルフィルターを使用する)、または無動型掃引供給源であることが可能である。いくつかの実施形態において、コヒーレント光のビームの中心波長は、1000nmから1600nmの間にあることが可能である。たとえば、コヒーレント光のビームの中心波長は、約1050nm、1310nm、または1550nmであることが可能である。いくつかの実施形態において、中心波長の周りに掃引された波長範囲は、30nmから70nmの間にあることが可能である。たとえば、中心波長の周りに掃引された波長範囲は、約55nmであることが可能である。いくつかの実施形態において、波長掃引周波数は、20kHzから100kHzの間にあることが可能である。たとえば、波長掃引周波数は、約50kHzまたは30kHzであることが可能である。
【0064】
ステップ1004において、コヒーレント光のビームが、参照アームおよびサンプルアームを含む光学干渉計(たとえば、図6の干渉計610)の中へ連結されることが可能である。いくつかの実施形態において、サンプルアームは、サンプル(たとえば、病変または、アブレーションプロセス中の組織)を検査する複数の光学コンポーネント(たとえば、図6の光学コンポーネント616~616)によって実現される複数の光学的経路を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、複数の光学的経路は、コヒーレンス長さよりも小さい範囲の中の長さの変動を有することが可能である。いくつかの実施形態において、サンプルアームは、コヒーレント光のビームの一部分が送達される1つまたは複数の光学的経路を選択するための光学マルチプレクサー(たとえば、図6の光学マルチプレクサー612)を含むことが可能である。
【0065】
ステップ1006において、1つまたは複数の光学的経路が、光学マルチプレクサーを使用して選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、光学マルチプレクサーは、1つまたは複数の光学的経路を選択するために、制御ユニット(たとえば、図6の制御ユニット620)によって制御されることが可能である。
【0066】
ステップ1008において、1つまたは複数の出力信号のそれぞれが複数の光学的経路のうちの1つに対応した状態で、光学干渉計の1つまたは複数の出力信号が処理されることが可能である。たとえば、1つまたは複数の出力信号は、光学検出器(たとえば、図6の光学検出器622)によって測定されることが可能であり、光学検出器は、1つまたは複数の出力信号を1つまたは複数の電気信号に変換する。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の出力信号は、増幅および/またはフィルタリングされることが可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の出力信号は、約100MHzのバンド幅の中で処理されることが可能である。たとえば、光学検出器は、約100MHzのバンド幅を有することが可能である。
【0067】
ステップ1010において、データが、たとえば、光学検出器の出力において所定のデータサンプリングレートで1つまたは複数の電気信号をサンプリングすることによって、複数の出力信号から獲得されることが可能である。いくつかの実施形態において、データ獲得ユニット(たとえば、図6のデータ獲得ユニット624)は、約100MHzのデータサンプリングレートの下で、データを獲得するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、データサンプリングレートは、100MHzよりも大きくなっていることが可能である。たとえば、データサンプリングレートは、約300MHzであることが可能である。いくつかの実施形態において、データサンプリングレートは、0MHzから400MHzの間にあることが可能である。いくつかの実施形態において、データサンプリングレートは、0MHzから175MHzの間にあることが可能である。
【0068】
ステップ1012において、データが、データ処理ユニット(たとえば、図6のデータ処理ユニット626)によって処理されることが可能である。データ処理ユニットは、データからの複数の信号(たとえば、図7Aおよび図7Bの信号)を計算することが可能であり、複数の信号のそれぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している。いくつかの実施形態において、データ処理ユニットは、高速フーリエ変換を使用して複数の信号を計算することが可能である。いくつかの実施形態において、複数の信号は、サンプルの内側の深さの関数としてのサンプルの光学的特性であることが可能である。いくつかの実施形態において、複数の信号は、約1cmよりも大きい深さ範囲を有することが可能である。
【0069】
ステップ1014において、複数の信号の中の関心の情報が、データ処理ユニットによって処理されることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニットは、複数の信号の中の1つまたは複数の参照特徴(たとえば、図7Aのピーク704、706、および708、ならびに、図7Bのピーク714、716、および718)を検出することが可能であり、1つまたは複数の参照特徴に基づいて、複数の信号の中の関心の領域をクロップすることが可能である。いくつかの実施形態において、データ処理ユニットは、1つまたは複数の参照特徴および関心の領域を検出するために、ピーク検出の方法を実装することが可能である。
【0070】
ステップ1016において、関心の領域は、サンプルの分析および/または診断のために、スクリーン(たとえば、図1のスクリーン125、または、図6のコンピューター628のスクリーン)の上の複数の断層イメージとして表示されることが可能である。異なる光学コンポーネントに対応する関心の領域は、リアルタイムベースでスクリーンの上の異なるセクション(たとえば、図9のセクション904~906)の上に表示されることが可能である。
【0071】
詳細な説明のセクション(および、発明の概要および要約のセクションではない)は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されているということが認識されるべきである。発明の概要および要約のセクションは、本発明者によって企図されているような本開示の1つまたは複数の(しかし、すべてではない)例示的な実施形態を記載する可能性があり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定すること意図していない。
【0072】
本開示の実施形態は、その特定の機能および関係の実装を図示する機能的なビルディングブロックの補助によって上記に説明されてきた。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、説明の便宜のために、本明細書において任意に定義されている。その特定の機能および関係が適切に実施される限りにおいて、代替的な境界が定義されることが可能である。
【0073】
特定の実施形態の先述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に完全に明らかにすることとなるので、他の人は、当技術分野の技能の中の知識を適用することによって、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態をさまざまな用途に関して容易に修正および/または適合させることが可能である。したがって、そのような適合例および修正例は、本明細書に提示されている教示および指針に基づいて、開示されている実施形態の意味および均等物の範囲の中にあるということが意図される。本明細書における言い回しまたは専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定のためのものではなく、本明細書の専門用語または言い回しが教示および指針に照らして当業者によって解釈されるべきであるようになっているということが理解されるべきである。
【0074】
本開示の広さおよび範囲は、上記に説明されている例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみに従って定義されるべきである。
【0075】
そのうえ、以下の態様が、本発明の文脈において全体的な開示の一部として考慮されるべきである。
1. 光コヒーレンス断層撮影法を実施する方法であって、本方法は、
コヒーレント光のビームを発生させるステップであって、コヒーレント光のビームは、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さ、および、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中に周期的に掃引される波長を有している、発生させるステップと、
コヒーレント光のビームを、参照アームおよびサンプルアームを含む光学干渉計の中へ連結させるステップであって、サンプルアームは、
光学マルチプレクサー、および、
コヒーレンス長さよりも小さい範囲の中の長さの変動を伴う複数の光学的経路
を含む、連結させるステップと、
光学マルチプレクサーを使用して複数の光学的経路のうちの光学的経路を選択するステップと、
光学干渉計の複数の出力信号を処理するステップであって、複数の出力信号のそれぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している、処理するステップと、
所定のデータサンプリングレートで複数の出力信号からデータを獲得するステップと、
データを処理し、データから複数の信号を発生させるステップであって、複数の信号は、少なくとも約1cmの深さ範囲を有しており、複数の信号のそれぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している、発生させるステップと
を含む、方法。
2. 方法は、
複数の信号の中の1つまたは複数の参照特徴を検出するステップと、
1つまたは複数の参照特徴に基づいて、複数の信号の中の関心の領域をクロップするステップと
をさらに含む、態様1に記載の方法。
3. コヒーレント光のビームは、チューナブル垂直キャビティー面発光レーザー(VCSEL)または無動型掃引供給源によって発生させられる、態様1または2に記載の方法。
4. コヒーレント光のビームの中心波長は、1000nmから1600nmの間にあり、
中心波長の周りに掃引される波長範囲は、30nmから70nmの間にある、態様1から3のいずれか1つに記載の方法。
5. コヒーレント光のビームの中心波長は、約1310nmであり、中心波長の周りに掃引される波長範囲は、約55nmである、態様1から4のいずれか1つに記載の方法。
6. 波長掃引周波数は、20kHzから100kHzの間にある、態様1から5のいずれか1つに記載の方法。
7. 波長掃引周波数は、約50kHzである、態様1から6のいずれか1つに記載の方法。
8. サンプルアームは、複数の光ファイバーをさらに含み、複数の光学的経路のそれぞれは、複数の光ファイバーのうちの1つを含む、態様1から7のいずれか1つに記載の方法。
9. 光学干渉計の複数の出力信号を処理するステップは、約100MHzのバンド幅の中の複数の出力信号を測定および増幅するステップを含む、態様1から8のいずれか1つに記載の方法。
10. データサンプリングレートは、0MHzから400MHzの間にある、態様1から9のいずれか1つに記載の方法。
11. データサンプリングレートは、0MHzから175MHzの間にある、態様1から10のいずれか1つに記載の方法。
12. データから複数の信号を計算するステップは、高速フーリエ変換を使用してデータを処理するステップを含む、態様1から11のいずれか1つに記載の方法。
13. 方法は、スクリーンの上に複数の断層イメージを表示するステップをさらに含む、態様1から12のいずれか1つに記載の方法。
14. コヒーレント光のビームのコヒーレンス長さは、約10cmである、態様1から13のいずれか1つに記載の方法。
15. 光コヒーレンス断層撮影法のシステムであって、システムは、
コヒーレント光のビームを出力するように構成されている光供給源であって、コヒーレント光のビームは、約1cmよりも大きいコヒーレンス長さ、および、波長掃引周波数において中心波長の周りの所定の波長範囲の中に周期的に掃引される波長を有している、光供給源と、
光学干渉計であって、光学干渉計は、
コヒーレント光のビームに連結されている入力、
出力、
参照アーム、および、
サンプルアームであって、サンプルアームは、コヒーレンス長さよりも小さい範囲の中の長さの変動を伴う複数の光学的経路を含む、サンプルアーム
を含む、光学干渉計と、
複数の光学的経路のうちの1つを選択するように構成されている光学マルチプレクサーと、
出力に連結されている光学検出器と、
所定のデータサンプリングレートで光学検出器からデータを獲得するように構成されているデータ獲得ユニットと、
データから複数の信号を発生させるように構成されているデータ処理ユニットであって、複数の信号は、少なくとも1cmの深さ範囲を有しており、複数の信号のそれぞれは、複数の光学的経路のうちの1つに対応している、データ処理ユニットと
を含む、システム。
16. データ処理ユニットは、
複数の信号の中の1つまたは複数の参照特徴を検出することと、
1つまたは複数の参照特徴に基づいて、複数の信号の中の関心の領域をクロップすることと
をするようにさらに構成されている、態様15に記載のシステム。
17. 光供給源は、チューナブルVCSELまたは無動型掃引供給源である、態様15または16に記載のシステム。
18. コヒーレント光のビームの中心波長は、1000nmから1600nmの間にあり、
中心波長の周りに掃引される波長範囲は、30nmから70nmの間にある、態様15から17のいずれか1つに記載のシステム。
19. コヒーレント光のビームの中心波長は、約1310nmであり、
中心波長の周りに掃引される波長範囲は、約55nmである、態様15から18のいずれか1つに記載のシステム。
20. 波長掃引周波数は、20kHzから100kHzの間にある、態様15から19のいずれか1つに記載のシステム。
21. 波長掃引周波数は、約50kHzである、態様15から20のいずれか1つに記載のシステム。
22. 複数の光学的経路のそれぞれは、光ファイバーを含む、態様15から21のいずれか1つに記載のシステム。
23. データサンプリングレートは、0MHzから約400MHzの間にある、態様15から22のいずれか1つに記載のシステム。
24. データサンプリングレートは、0MHzから約175MHzの間にある、態様15から23のいずれか1つに記載のシステム。
25. 光学検出器は、約100MHzのバンド幅の中の出力の出力信号を測定および増幅するように構成されている、態様15から24のいずれか1つに記載のシステム。
26. データ処理ユニットは、高速フーリエ変換を使用してデータから複数の信号を発生させる、態様15から25のいずれか1つに記載のシステム。
27. システムは、発生させられた複数の信号に基づいて複数の断層イメージを表示するように構成されているスクリーンをさらに含む、態様15から26のいずれか1つに記載のシステム。
【符号の説明】
【0076】
100 システム
102 カテーテル
104 患者
110 コンソール
112 光学的な接続
114 電気的な接続
116 通信インターフェース
120 信号発生器
125 ディスプレイ
130 灌漑ポンプ
200 カテーテル
202 近位セクション
204 遠位セクション
206 シャフト
206a シャフト
206b シャフト
208 処理デバイス
210 通信インターフェース
302 灌漑チャネル
306 偏向メカニズム
307 偏向メカニズムのためのチャネル
308 電気的な接続
310 光学的伝送媒体
312 ケーブル配線チャネル
400 カテーテル
402 電極
403 アブレーションキャップ
405 複数の光学ポート
408 プルワイヤーコンポーネント
410 灌漑チュービング
500 光ファイバーの構成体
520 光学ヘッド
522 光ファイバー
522~522 光ファイバー
524 ミラー
542 出力ビーム
546 軸線
602 コヒーレント光供給源
604 第1の光学カップラー
606 サンプルアーム
608 参照アーム
610 干渉計
612 光学マルチプレクサー
614 第2の光学カップラー
616~616 光学コンポーネント
618 サンプル
620 制御ユニット
622 光学検出器
624 データ獲得ユニット
626 データ処理ユニット
628 コンピューター
702 背景ノイズ信号
704、706、708 ピーク
710 曲線、ピーク
712 背景ノイズ信号
714、716、718 ピーク
720 曲線
812 サンプル
816 光学コンポーネント
818 深さ範囲
822 サンプル
826 光学コンポーネント
828 深さ範囲
900 グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)
902 正面図
904 濃い灰色のセクション
905 薄い灰色のセクション
906 白色のセクション
908 タイル
910 グラフ
912 パネル、インディケーター
2A 距離
2B 距離
4A 距離
4B 距離
6A 距離
6B 距離
2A 領域
2B 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】