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特開2024-9828プログラム、情報処理方法、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009828
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   B65F 5/00 20060101AFI20240116BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20240116BHJP
   G08G 1/015 20060101ALI20240116BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240116BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240116BHJP
【FI】
B65F5/00
G07C9/38
G08G1/015 A
G06Q50/26
G07B15/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023166145
(22)【出願日】2023-09-27
(62)【分割の表示】P 2020175577の分割
【原出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】宇和 直哉
(57)【要約】
【課題】車両の種類に応じて、ごみ処理施設への車両の入場を許可するか否かを判定することができるプログラム等を提供する。
【解決手段】ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通してホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設1に入場する車両2が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設1内の前記車両2が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得し、車両画像データを入力した場合に、車両2の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得した前記車両画像データを入力して車両2の種類を取得し、前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得した前記車両2の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設1への前記車両2の入場を許可するか否かを判定する処理を実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通して前記ホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設に入場する前記車両が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設内の前記車両が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得し、
車両画像データを入力した場合に、車両の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得した前記車両画像データを入力して車両の種類を取得し、
前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得した前記車両の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設への前記車両の入場を許可するか否かを判定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
入場を許可するか否かの判定結果を報知する結果報知部へ、前記判定結果に応じて、入場を許可するか否かの情報を出力する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記結果報知部は、前記ごみ処理施設に入場する前記車両が待機する位置から視認可能な表示部、及び前記判定結果に関する音声を出力する音声出力部の少なくとも一方を含む 請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
第1カメラから、前記第1画像データを取得し、
取得した前記第1画像データを前記学習モデルに入力して、前記ごみ処理施設へ入場予定の前記車両の種類を取得し、
第2カメラから、前記第2画像データを取得し、
取得した前記第2画像データを前記学習モデルに入力して、前記ごみ処理施設内の前記車両の種類を取得し、
取得した前記ごみ処理施設内の前記車両の種類に基づき特定される空き停車スペースと、取得した入場予定の前記車両の種類とに基づき、入場を許可するか否かを判定する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2画像データを取得し、
取得した前記第2画像データを前記学習モデルに入力して、前記ごみ処理施設内の前記車両の種類を取得し、
取得した前記ごみ処理施設内の前記車両の種類に基づき特定される空き停車スペースに基づき、入場を許可するか否かを判定する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1画像データを取得し、
取得した前記第1画像データを前記学習モデルに入力して、前記ごみ処理施設へ入場予定の前記車両の種類を取得し、
前記施設内停車スペースに設けられ、前記施設内停車スペースに停車中の前記車両を検知する検知部の検知結果を取得し、
取得した前記検知結果に基づき特定される空き停車スペースと、取得した入場予定の前記車両の種類とに基づき、入場を許可するか否かを判定する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通して前記ホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設に入場する前記車両が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設内の前記車両が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得し、
車両画像データを入力した場合に、車両の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得した前記車両画像データを入力して車両の種類を取得し、
前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得した前記車両の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設への前記車両の入場を許可するか否かを判定する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
【請求項8】
ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通して前記ホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設に入場する前記車両が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設内の前記車両が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得する画像データ取得部と、
車両画像データを入力した場合に、車両の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得された前記車両画像データを入力して車両の種類を取得する種類取得部と、
前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得された前記車両の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設への前記車両の入場を許可するか否かを判定する判定部と
を備える情報処理システム。
【請求項9】
第1カメラから、前記第1画像データを取得する第1画像データ取得部と、
取得された前記第1画像データを前記学習モデルに入力して、前記ごみ処理施設へ入場予定の前記車両の種類を取得する第1種類取得部と、
第2カメラから、前記第2画像データを取得する第2画像データ取得部と、
取得された前記第2画像データを前記学習モデルに入力して、前記ごみ処理施設内の前記車両の種類を取得する第2種類取得部とを備え、
前記判定部は、取得された前記ごみ処理施設内の前記車両の種類に基づき特定される空き停車スペースと、取得された入場予定の前記車両の種類とに基づき、入場を許可するか否かを判定する
請求項8に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ごみ処理場において、塵芥車、いわゆるごみ収集車をごみ処理施設に誘導するごみ処理場の管理システムが知られている。特許文献1に記載のごみ処理場の管理システムにおいてごみ処理施設には、ごみを受け入れるホッパー等の装置と、塵芥車の停車スペースとが設けられている。ごみを積載した塵芥車は、ごみ処理施設へ入場し、停車スペースに停車する。塵芥車に積載されたごみがホッパーに受け入れられる。ごみ処理施設には、入場可能な塵芥車の上限の台数、例えば停車スペースの数と同じ台数が定められている。管理システムは、停車スペースに停車している塵芥車の台数が上限の台数未満である際、ごみ処理施設への塵芥車の入場を許可する。管理システムは、停車スペースに停車している塵芥車の台数が上限の台数である際、ごみ処理施設への塵芥車の入場を許可しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-167963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のごみ処理場の管理システムにおいては、上限の台数以上の塵芥車がごみ処理施設へ入場することを防止することができる。しかしながら、人が一般車両等の塵芥車とは異なる車両に乗ってごみをごみ処理施設に持ち込むこと、即ち、塵芥車とは異なる車両がごみ処理施設に入場することが想定される。車両の種類、例えば塵芥車及び一般車両に応じてごみの排出方法は異なる場合があるので、停車スペースは停車する車両の種類に応じて設けられている場合がある。車両の種類に応じて停車スペースが異なる場合、例えば塵芥車が停車する停車スペースと、一般車両が停車する停車スペースとが異なる場合、ごみ処理施設への車両の入場を許可するか否かを判定する際に、車両の種類を考慮する必要がある。
【0005】
本開示は、車両の種類に応じて、ごみ処理施設への車両の入場を許可するか否かを判定することができるプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプログラムは、ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通して前記ホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設に入場する前記車両が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設内の前記車両が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得し、車両画像データを入力した場合に、車両の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得した前記車両画像データを入力して車両の種類を取得し、前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得した前記車両の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設への前記車両の入場を許可するか否かを判定する処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通して前記ホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設に入場する前記車両が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設内の前記車両が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得し、車両画像データを入力した場合に、車両の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得した前記車両画像データを入力して車両の種類を取得し、前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得した前記車両の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設への前記車両の入場を許可するか否かを判定する処理をコンピュータに実行させる。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、ごみをホッパーに直接排出する塵芥車及びごみ投入装置を通して前記ホッパーに排出する他車両を含む複数種類の車両が入場するごみ処理施設に入場する前記車両が撮像される第1画像データ、及び前記ごみ処理施設内の前記車両が撮像される第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを取得する画像データ取得部と、車両画像データを入力した場合に、車両の種類を出力するよう学習された学習モデルに、取得された前記車両画像データを入力して車両の種類を取得する種類取得部と、前記ホッパー近くの停車スペース及び前記ホッパーと隣り合う前記ごみ投入装置近傍の他の停車スペースを含む施設内停車スペースの空き状況と、取得された前記車両の種類とに基づいて、前記ごみ処理施設への前記車両の入場を許可するか否かを判定する判定部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両の種類に応じて、ごみ処理施設への車両の入場を許可するか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ごみ処理施設を有するごみ処理場の模式図である。
図2】情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3】車両画像データの一例を示す模式図である。
図4】学習モデルの構成を説明する説明図である。
図5】制御部が行う車両の入場を許可するか否かを判定する判定処理を例示するフローチャートである。
図6】実施形態2の制御部が行う判定処理を例示するフローチャートである。
図7】実施形態3に係るごみ処理場を示す模式図である。
図8】検知部DBの内容例を示す概念図である。
図9】実施形態3の制御部が行う判定処理を例示するフローチャートである。
図10】実施形態4に係るごみ処理場を示す模式図である。
図11】実施形態4の制御部が行う判定処理を例示するフローチャートである。
図12】実施形態5に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図13】施設内画像データの一例を示す模式図である。
図14】実施形態5の制御部が行う人物と車両又は特定の装置との接近を報知する為の報知処理を例示するフローチャートである。
図15】実施形態5の変形例に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図16】実施形態6に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図17】ごみ種情報DBの内容例を示す概念図である。
図18】実施形態6の制御部が行う入場予定の車両に積載されたごみの種類を通知する為の通知処理を例示するフローチャートである。
図19】実施形態7に係るごみ処理場の模式図である。
図20】実施形態7の制御部が行う判定処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は、ごみ処理施設1を有するごみ処理場100の模式図である。ごみ処理施設1の天井の図示は省略してある。ごみ処理施設1は、例えば家庭ごみ、不燃ごみ、又はプラスチックごみを受け入れる。ごみ処理場100内を複数種類の車両2が走行する。複数種類の車両2は、ごみを収集する塵芥車、一般車両、フォークリフト、ホイールローダ、及び手押し台車を含む。本実施形態においては、塵芥車及び一般車両の2種類の車両2を用いた例を説明する。なお車両2の種類は3種類以上であってもよい。例えば車両2の種類は、塵芥車、一般車両及びその他車両でもよい。その他車両は塵芥車及び一般車両以外の車両2であり、例えばフォークリフト、ホイールローダ、及び手押し台車である。
【0012】
車両2には上記のごみが積載されている。ごみ処理場100は、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する情報処理装置3を有する。なお、車両2の入場を許可するか否かを判定する方法は後述する。ごみ処理施設1への車両2の入場が許可されている際、車両2はごみを搬入する為にごみ処理施設1へ入場する。
【0013】
ごみ処理場100には、ごみ処理施設1の外であってごみ処理施設1の入口10に近い位置に一時停止線11が設けてある。図1において1台の車両2が一時停止線11にて、ごみ処理施設1へ入場する為に一時停止し、待機している。一時停止線11にて待機する車両2の後方に、1台の車両2が待機している。言い換えると、2台の車両2が、入口10の付近にて一列に並んで待機している。図1の例において、一時停止線11にて待機する車両2は、塵芥車である。当該車両2の後方の車両2は、一般車両である。
【0014】
ごみ処理場100には、一時停止線11にて待機する車両2を撮像する第1カメラ5が設けられている。一時停止線11にて待機する車両2は、ごみ処理施設1へ入場する車両2である。例えば、第1カメラ5は監視カメラであり、連続して撮像を行う。図1において第1カメラ5は、ごみ処理施設1の外壁に取り付けられている。第1カメラ5は、ごみ処理施設1へ入場する車両2を撮像できればよく、ごみ処理施設1の外壁以外の場所に取り付けられていてもよい。第1カメラ5の向きは固定されており、第1カメラ5によって撮像される範囲も固定されている。以下、第1カメラ5がごみ処理施設1へ入場する車両2を撮像した画像データを第1画像データとも称する。第1画像データは、1フレームによる静止画、又は数フレームによる動画であってもよい。なお第1カメラ5はごみ処理施設1へ入場する車両2を撮像できればよく、第1カメラ5の向き及び第1カメラ5によって撮像される範囲が固定されていない構成でもよい。例えば第1カメラ5は向きを変更可能であってもよい。
【0015】
ごみ処理施設1の入口10には、車両2のごみ処理施設1への入場を規制する規制装置が設けられている。図1の例において規制装置は、後述するごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かの判定の結果に基づき、ごみ処理施設1への車両2の入場の可否を表示する表示部4である。表示部4は、ごみ処理施設1へ入場する車両2が待機する位置から視認可能な場所、例えば入口10付近におけるごみ処理施設1の外壁に設けられている。例えば表示部4は、青色及び赤色に点灯可能な信号灯である。青色に点灯している表示部4は、車両2の入場が許可されている旨を示す。赤色に点灯している表示部4は、車両2の入場が許可されていない旨を示す。表示部4が赤色に点灯している際、車両2の入場は規制されている。なお信号灯が点灯する色は青色及び赤色に限定されない。表示部4は信号灯の点灯及び消灯によって入場の可否を表示してもよい。例えば表示部4は、車両2の入場が許可されていないことを示す際に点灯し、車両2の入場が許可されていることを示す際に消灯する構成でもよい。
【0016】
ごみ処理施設1へ入場する車両2の運転手は、表示部4を見て、車両2の入場の可否を確認する。車両2の入場が許可されている場合、運転手は車両2をごみ処理施設1へ入場させる。車両2の入場が許可されていない場合、運転手は、車両2の入場が許可されるまで車両2を待機させる。なお表示部4は信号灯に限定されず、例えばディスプレイでもよい。ディスプレイは入場の可否に応じて、「〇」及び「×」等の記号、又は、「許可」及び「不許可」等の文字を表示する。規制装置は表示部4に限定されず、例えば遮断機又はシャッターでもよい。遮断機又はシャッターは、入場の可否に応じて開閉する。遮断機又はシャッターが閉止状態である際、車両2の入場は規制される。
【0017】
ごみ処理施設1は入口10と対向する位置に設けられた出口12を有する。ごみ処理施設1内には、車両2の種類に応じて複数種類の停車スペース6が設けられている。本実施形態において、停車スペース6の個数は4つである。4つの停車スペース6のうち、3つの停車スペース6には、塵芥車が停車する。残りの1つの停車スペース6には、一般車両が停車する。従って、ごみ処理施設1に入場できる塵芥車の上限の台数は3台である。ごみ処理施設1に入場できる一般車両の上限の台数は1台である。例えばこれらのごみ処理施設に入場できる車両2の台数の上限は情報処理装置3に記憶されている。なお停車スペース6の個数は4つに限定されない。一般車両が停車する停車スペース6は、複数設けられていてもよい。
【0018】
4つの停車スペース6は、入口10及び出口12が対向する方向に並んで配置されている。以下、4つの停車スペース6のうち、上記方向において最も入口10に近い停車スペース6を第1停車スペース6a、2番目に入口10に近い停車スペース6を第2停車スペース6b、3番目に入口10に近い停車スペース6を第3停車スペース6cとも称する。4つの停車スペース6のうち、上記方向において最も入口10から遠い停車スペース6を第4停車スペース6dとも称する。図1において第1停車スペース6a、第2停車スペース6b、及び第3停車スペース6cは、塵芥車が停車する停車スペース6である。第4停車スペース6dは、一般車両が停車する停車スペース6である。図1において、第3停車スペース6c及び第4停車スペース6dには車両2が停車している。第3停車スペース6cに停車している車両2は塵芥車である。第4停車スペース6d停車している車両2は一般車両である。なお停車スペース6は並んで配置されていなくてもよい。
【0019】
ごみ処理施設1には、ごみを受け入れるホッパー13が設けられている。図1においてホッパー13は、第1停車スペース6a、第2停車スペース6b、及び第3停車スペース6cの近傍に配置されている。車両2は塵芥車である場合、ごみ処理施設1へ入場した後、第1停車スペース6a、第2停車スペース6b、及び第3停車スペース6cのいずれかに停車する。当該車両2に積載されたごみはホッパー13に受け入れられる。ホッパー13にごみが受け入れられた後、車両2は出口12を介してごみ処理施設1から退場する。
【0020】
ごみ処理施設1には、ホッパー13へごみを投入する為のダンピングボックス14が設けられている。図1においてダンピングボックス14は、ホッパー13の近傍であって、第4停車スペース6dに近い位置に配置されている。車両2は一般車両である場合、ごみ処理施設1へ入場した後、第4停車スペース6dに停車する。車両2の運転手は、当該車両2に積載されたごみをダンピングボックス14に載置する。ダンピングボックス14は、ごみ処理施設1の作業員による操作によって駆動し、載置されたごみをホッパー13へ投入する。運転手がごみをダンピングボックス14に載置した後、車両2は出口12を介してごみ処理施設1から退場する。なお、運転手以外の車両2の乗員がごみをダンピングボックス14に載置してもよい。
【0021】
例えばごみ処理施設1には、ダンピングボックス14に代えて、又はダンピングボックス14に加えて、ごみを貯留するコンテナが設けられていてもよい。例えばコンテナは第4停車スペース6dの近傍に配置される。一般車両の運転手はごみをコンテナに投入する。
【0022】
入口10と出口12とは個別に設けられているが、入口10及び出口12の一方が、入口10及び出口12の他方の役割を兼ねてもよい。例えば車両2は、入口10を介してごみ処理施設1への入場及びごみ処理施設1からの退場を行ってもよい。このとき出口12は設けられていなくてもよい。
【0023】
ごみ処理施設1には、ごみ処理施設1内の車両2を撮像する第2カメラ15が設けられている。例えば第2カメラ15は、監視カメラであり、連続して撮像を行う。例えば第2カメラ15は、ごみ処理施設1の内壁に取り付けられている。以下、第2カメラ15がごみ処理施設1内の車両2を撮像した画像データを第2画像データとも称する。第2画像データは、第1画像データと同様に、1フレームによる静止画、又は数フレームによる動画であってもよい。
【0024】
第2カメラ15は、4つの停車スペース6に停車する車両2を一度に撮像できる位置及び向きに固定されている。従って第2カメラ15によって撮像される範囲は、固定されている。第2画像データには、第1停車スペース6a及び第1停車スペース6aに停車する車両2の少なくとも一方と、第2停車スペース6b及び第2停車スペース6bに停車する車両2の少なくとも一方とが写る。更に第2画像データには、第3停車スペース6c及び第3停車スペース6cに停車する車両2の少なくとも一方と、第4停車スペース6d及び第4停車スペース6dに停車する車両2の少なくとも一方とが写る。なお第2カメラ15はごみ処理施設1内の車両2を撮像できればよく、第2カメラ15の位置及び向き、並びに第2カメラ15によって撮像される範囲が固定されていない構成でもよい。例えば第2カメラ15は向きを変更可能であってもよい。
【0025】
なお第2画像データに撮像される車両2の種類は、塵芥車及び一般車両のうち、塵芥車のみでもよく、一般車両のみでもよい。また第2画像データに撮像される車両2の種類は、塵芥車及び一般車両の両方でもよい。
【0026】
図1において、情報処理装置3はごみ処理施設1内に設けられている。なお情報処理装置3は、ごみ処理施設1の外に設けられてもよい。図2は、情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。情報処理システムSは、情報処理装置3を含み、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する。
【0027】
情報処理装置3は、第1カメラ5、第2カメラ15、表示部4、及び、ごみ処理施設1に設けられたスピーカ16と接続されている。なお図1においてスピーカ16の図示は省略してある。図1において情報処理装置3と、第1カメラ5、第2カメラ15、及び表示部4とを接続する接続線の図示は省略してある。情報処理装置3は、第1カメラ5から第1画像データを取得し、第2カメラ15から第2画像データを取得する。情報処理装置3は、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方を含む車両画像データを入力した場合に、車両2の種類を出力するよう学習された後述の学習モデルM1を有する。
【0028】
情報処理装置3は、取得した第1画像データを学習モデルM1に入力して、ごみ処理施設1へ入場予定の車両2の種類を取得する。ごみ処理施設1へ入場予定の車両2は、一時停止線11にて待機する車両2である。情報処理装置3は、取得した第2画像データを学習モデルM1に入力して、ごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する。
【0029】
本実施形態において情報処理装置3が学習モデルM1を有するが、情報処理装置3以外の装置が学習モデルM1を有していてもよい。例えば第1カメラ5及び第2カメラ15それぞれが学習モデルM1を有していてもよい。この場合、第1カメラ5は、撮像した第1画像データを学習モデルM1に入力して入場予定の車両2の種類を取得し、取得した入場予定の車両2の種類を情報処理装置3へ出力する。第2カメラ15は、撮像した第2画像データを学習モデルM1に入力してごみ処理施設1内の車両2の種類を取得し、取得したごみ処理施設1内の車両2の種類を情報処理装置3へ出力する。情報処理装置3は、第1カメラ5から入場予定の車両2の種類を取得し、第2カメラ15からごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する。
【0030】
例えば情報処理装置3と通信可能な不図示のクラウドサーバが学習モデルM1を有していてもよい。この場合、情報処理装置3は、取得した第1画像データ及び第2画像データをクラウドサーバへ出力する。クラウドサーバは、出力された第1画像データ及び第2画像データを取得する。クラウドサーバは、取得した第1画像データを学習モデルM1に入力して入場予定の車両2の種類を取得し、取得した入場予定の車両2の種類を情報処理装置3へ出力する。またクラウドサーバは、取得した第2画像データを学習モデルM1に入力してごみ処理施設1内の車両2の種類を取得し、取得したごみ処理施設1内の車両2の種類を情報処理装置3へ出力する。情報処理装置3は、クラウドサーバから入場予定の車両2の種類及びごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する。
【0031】
詳細は後述するが情報処理装置3は、取得したごみ処理施設1内の車両2の種類に基づき、4つの停車スペース6のうち、車両2が停車していない停車スペース6の種類を特定する。以下、車両2が停車していない停車スペース6を空き停車スペースとも称する。情報処理装置3は、特定した空き停車スペースの種類と、取得したごみ処理施設1へ入場予定の車両2の種類とに基づき、入場を許可するか否かを判定する。
【0032】
情報処理装置3は、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可する場合、入場を許可する旨を示す情報を表示部4へ出力する。以下、入場を許可する旨を示す情報を入場許可情報とも称する。表示部4は、入場許可情報を受信し、青色に点灯する。入場予定の車両2の運転手に、入場が許可されている旨を報知することができる。
【0033】
情報処理装置3は、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可する際、「車両が入場します」のような音声の音声データを含む入場許可情報をスピーカ16へ出力し、当該音声をスピーカ16に出力させてもよい。入場予定の車両2の入場が許可されている旨をごみ処理施設1の作業員に報知することができる。例えば上記の音声は、入場予定の車両2の運転手が聞き取り可能な音量で、スピーカ16から出力されてもよい。入場が許可された旨を運転手に音声によって報知することができる。例えばごみ処理施設には、作業員へ報知する為のスピーカ16と、運転手へ報知する為のスピーカ16との2つのスピーカ16が設けられていてもよい。なお情報処理装置3は表示部4及びスピーカ16の両方に入場許可情報出力してもよい。
【0034】
情報処理装置3は、ごみ処理施設1の作業者が所持し、情報処理装置3と通信可能な不図示の端末(コンピュータ)へ入場許可情報を出力してもよい。作業者が所持する端末は、例えばごみ処理施設1の専用の端末である。例えばごみ処理施設1の作業者は作業を行う際、当該端末を携帯している。以下、作業者が所持する端末を施設端末とも称する。施設端末は、出力された入場許可情報を取得し、自装置に設けられたディスプレイ等の表示部に、「車両が入場します」のような文章を表示する。
【0035】
情報処理装置3は、上記の音声データを含む入場許可情報を施設端末へ出力してもよい。例えば施設端末はスピーカを有する。情報処理装置3から上記の入場許可情報が施設端末へ出力された際、施設端末は出力された入場許可情報を取得し、取得した入場許可情報に含まれる音声データの音声を施設端末のスピーカに出力させる。作業員へ車両2の入場を通知することができる。例えば施設端末は、作業員が装着するイヤホンと接続されていてもよい。この場合、施設端末は音声データの音声をイヤホンに出力させる。
【0036】
情報処理装置3は、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可しない場合、入場を許可しない旨を示す情報を表示部4へ出力する。以下、入場を許可しない旨を示す情報を入場不許可情報とも称する。表示部4は、入場不許可情報を受信し、赤色に点灯する。入場予定の車両2の運転手に、入場が許可されていない旨を報知することができる。
【0037】
情報処理装置3は、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可しない際、「車両は入場できません」のような音声の音声データを含む入場不許可情報をスピーカ16へ出力し、当該音声をスピーカ16に出力させてもよい。また情報処理装置3は、入場不許可情報を施設端末へ出力してもよい。
【0038】
表示部4(規制装置)及びスピーカ16は、入場を許可するか否かの判定結果を、車両2の運転手、又は、車両2の運転手と作業員とに報知する結果報知部に含まれる。上述のように施設端末へ入場許可情報又は入場不許可情報が出力される際、施設端末は、結果報知部に含まれる。スピーカ16は音声出力部に相当する。「車両が入場します」及び「車両は入場できません」のような音声は、判定結果に関する音声に相当する。判定結果を報知する方法には、上述のように視覚及び聴覚によって人が知覚可能な方法が用いられるが、判定結果を報知する方法は上述の例に限定されない。判定結果を報知する方法は、例えば視覚及び聴覚以外の五感を用いて人が知覚する方法であってもよい。
【0039】
情報処理装置3は、専用又は汎用のコンピュータである。情報処理装置3は、サーバコンピュータでもよい。情報処理装置3は、制御部30、記憶部31、及び入出力部32を備える。制御部30、記憶部31、及び入出力部32はそれぞれ接続されている。入出力部32は、第1カメラ5、第2カメラ15、表示部4、及びスピーカ16と接続される入出力インタフェースである。
【0040】
制御部30は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有する。また、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリを有する。制御部30は、後述のプログラムPを読みだして、各種の処理を実行する。制御部30は、入出力部32を介して第1カメラ5、第2カメラ15、表示部4、及びスピーカ16と通信を行う。例えば情報処理装置3は無線通信を行う為の図示しない無線通信部を備え、無線通信部を介して制御部30と第1カメラ5、第2カメラ15、表示部4、及びスピーカ16の少なくとも1つとが通信を行う構成であってもよい。
【0041】
記憶部31は、例えばハードディスク又はSSD(Solid State Drive )等の不揮発性メモリを含む。記憶部31には、プログラムPを含む制御部30が参照するプログラム及びデータと学習モデルM1とが記憶されている。なお記憶部31は、複数の記憶装置により構成されてもよく、情報処理装置3に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部31に記憶されるプログラムP及び学習モデルM1は、記録媒体Aにコンピュータが読み取り可能に記録されている態様であってもよい。記憶部31は、図示しない読出装置によって記録媒体Aから読み出されたプログラムP及び学習モデルM1を記憶する。記憶部31に記憶されるプログラムP及び学習モデルM1は、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラムP及び学習モデルM1をダウンロードし、記憶部31に記憶させたものであってもよい。また情報処理装置3は1台に限定されない。複数の装置により分散して処理が行われてもよい。
【0042】
制御部30は、記憶部31に記憶されたプログラムPを実行することにより、第1カメラ5から第1画像データを取得する第1画像データ取得部として機能し、第2カメラ15から第2画像データを取得する第2画像データ取得部として機能する。制御部30は車両画像データを取得する画像データ取得部として機能する。制御部30は入出力部32を介して、第1カメラ5から第1画像データを取得し、第2カメラ15から第2画像データを取得する。
【0043】
制御部30は、記憶部31に記憶されたプログラムPを実行することにより、第1画像データを学習モデルM1に入力して、ごみ処理施設1へ入場予定の車両2の種類を取得する第1種類取得部として機能する。また制御部30は、第2画像データを学習モデルM1に入力して、ごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する第2種類取得部として機能する。制御部30は車両画像データを学習モデルM1に入力して車両2の種類を取得する種類取得部として機能する。制御部30は、記憶部31に記憶されたプログラムPを実行することにより、取得した車両2の種類と、停車スペース6との関係に基づいて、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する判定部として機能する。
【0044】
以下、制御部30による車両2の種類の取得について説明する。車両2の種類の取得において、制御部30は車両画像データを取得し、取得した車両画像データを学習モデルM1に入力する。学習モデルM1によって車両画像データに基づき、車両画像データにおける検出対象が検出される。本実施形態において検出対象は車両2である。検出された車両2の種類が学習モデルM1から出力される。制御部30は、学習モデルM1から出力された車両2の種類を取得する。なお検出対象は車両2に限定されない。
【0045】
図3は車両画像データの一例を示す模式図である。図4は学習モデルM1の構成を説明する説明図である。図3には、車両画像データとして第2画像データの一例が示してある。図3の車両画像データには2つの車両2が写っている。よって図3の車両画像データにおける検出対象の数は2つである。図3において右側の車両2は塵芥車である。左側の車両2は一般車両である。
【0046】
学習モデルM1では、車両画像データと、車両画像データにおける検出対象の領域、及び検出対象の種類との関係が予め学習されている。検出対象の領域は、車両画像データにおいて検出対象が写っている領域である。
【0047】
学習モデルM1は、深層学習を含む機械学習により生成されたモデルであり、車両画像データの入力に応じて検出対象の種類を出力する識別機である。学習モデルM1は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワークによって構成される。例えば学習モデルM1には、CNNの一種であるRCNN(Regions with Convolutional Neural Network)が用いられる。
【0048】
学習モデルM1は、車両画像データが入力された場合、検出対象の領域及び検出対象の種類を出力する。詳しくは学習モデルM1は、車両画像データが入力された場合、車両2の領域及び車両2の種類を出力する。例えば学習モデルM1は、車両2の種類の出力において、検出された車両2が塵芥車である確率と、検出された車両2が一般車両である確率とを出力する。塵芥車である確率が一般車両である確率よりも大きい場合、車両2の種類は塵芥車である。一般車両である確率が塵芥車である確率よりも大きい場合、車両2の種類は一般車両である。車両画像データに基づき検出対象が検出されなかった場合、学習モデルM1は検出対象の検出がない旨を示す情報を出力する。例えば学習モデルM1は、検出対象の領域及び種類のうち、検出対象の種類のみを出力してもよい。
【0049】
学習モデルM1は予め、情報処理装置3又は図示しない外部装置において生成され、学習される。上述のように学習モデルM1はニューラルネットワークによって構成される。学習モデルM1は、車両画像データ、詳しくは車両画像データを構成する画素値の入力を受け付ける入力層と、車両画像データの画像特徴量を抽出する中間層と、検出対象の領域及び検出対象の種類を出力する出力層とを備える。例えば学習モデルM1がCNNである場合、中間層には畳み込み層及びプーリング層が含まれる。入力層、中間層及び出力層には、一又は複数のニューロンが存在する。
【0050】
学習モデルM1はRCNNに限定されない。学習モデルM1には、YOLO(You Only
Look Once)、Fast RCNN、Faster RCNN、SSD(Single Shot Multibox Detector)、又はセグメンテーションネットワーク等の、任意の物体検出アルゴリズムが用いられてもよい。本実施形態では学習モデルM1がニューラルネットワークであるものとして説明するが、学習モデルM1は、ニューラルネットワークに限定されず、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、回帰木、又はU-netなど、他の学習アルゴリズムで構築された学習モデルM1であってもよい。
【0051】
学習モデルM1は大量の訓練データを用いて生成される。訓練データには、車両画像データと、車両画像データに写っている検出対象の領域及び種類とが対応付けられている。例えば訓練データは、車両画像データと、当該車両画像データに写っている検出対象の領域を示す領域データと、当該車両画像データに写っている検出対象の種類を示す種類データとを含む。検出対象の数が2つ以上である場合、種類データが示す複数の種類それぞれに、領域データが示す複数の領域が対応付けられている。
【0052】
学習モデルM1の生成において、情報処理装置3又は外部装置は、訓練データに含まれる車両画像データを学習モデルM1に入力し、学習モデルM1から出力された検出対象の領域及び種類を取得する。情報処理装置3又は外部装置は、取得した検出対象の領域及び種類それぞれを、領域データが示す領域、及び、種類データが示す種類に基づいて評価する。情報処理装置3又は外部装置は評価結果に基づいて、学習モデルM1の重み係数及びバイアス等のパラメータの値を更新する。例えば情報処理装置3又は外部装置は、誤差逆伝播法を用いてパラメータの調整量を算出し、算出した調整量に基づいてパラメータの値を更新する。
【0053】
以下、制御部30が行うごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かの判定について説明する。制御部30は、第2カメラから第2画像データを取得する。制御部30は、取得した第2画像データを学習モデルM1に入力する。学習モデルM1は、ごみ処理施設1内の車両2の領域及び当該車両2の種類を出力する。制御部30は学習モデルM1から出力されたごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する。例えば図3の第2画像データが学習モデルM1に入力された場合、2つの車両2が検出される。検出された2つの車両2それぞれの種類が学習モデルM1から出力される。制御部30は、出力された2つの車両2それぞれの種類を取得する。
【0054】
制御部30は、検出対象の数とごみ処理施設1内の車両2の種類とに基づき、ごみ処理施設1内における塵芥車の台数及び一般車両の台数を特定する。図3の一例において、ごみ処理施設1内における塵芥車の台数及び一般車両の台数は、1台ずつである。
【0055】
更に制御部30は、空き停車スペースの種類を特定する。上述のようにごみ処理施設1には、塵芥車が停車する3つの停車スペース6と、一般車両が停車する1つの停車スペース6とが設けられている。ごみ処理施設1内の車両2は停車スペース6に停車すると考えられる。
【0056】
上記の例において、ごみ処理施設1内における塵芥車の台数は1台であって、塵芥車に関する停車スペース6は3つなので、ごみ処理施設1内に、塵芥車に関する空き停車スペースは2つ存在する。ごみ処理施設1内における一般車両の台数は1台であって、一般車両に関する停車スペース6は1つなので、ごみ処理施設1内に、一般車両に関する空き停車スペースはない。従って制御部30は、空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースであると特定する。
【0057】
例えば、上記2つの車両2の両方が塵芥車であると特定された際、制御部30は、空き停車スペースの種類を、塵芥車に関する空き停車スペースと一般車両に関する空き停車スペースと特定する。3つの車両2が検出された場合であって、当該3つの車両2の全てが塵芥車であると特定された際、制御部30は、空き停車スペースの種類を、一般車両に関する空き停車スペースと特定する。4つの車両2が検出された場合であって、当該4つの車両2のうち、1つの車両2が一般車両であると特定され、残りの3つの車両2が塵芥車であると特定された際、制御部30は、空き停車スペースがないと特定する。
【0058】
制御部30は、特定した空き停車スペースの種類に基づき、入場可能な車両2の種類(以下、入場可能車種)を特定する。空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースである場合、制御部30は、入場可能車種が塵芥車であると特定する。空き停車スペースの種類が一般車両に関する空き停車スペースである場合、制御部30は、入場可能車種が一般車両であると特定する。空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペース及び一般車両に関する空き停車スペースである場合、制御部30は、入場可能車種が塵芥車及び一般車両であると特定する。空き停車スペースがない場合、制御部30は、入場可能車種がないと特定する。
【0059】
制御部30は、第1カメラ5から第1画像データを取得する。上述のように第1カメラ5によって撮像される範囲は固定されている。例えば第1カメラ5は、ごみ処理施設1へ入場予定の車両2を撮像する際に入場予定の車両2の後ろに車両2が存在する場合であっても、入場予定の車両2の後ろの車両2を撮像しない位置に設けられている。従って、複数の車両2が入口10の付近にて待機している場合であっても、第1画像データには、上記の複数の車両2のうち、入場予定の車両2のみが撮像される。
【0060】
制御部30は、取得した第1画像データを学習モデルM1に入力する。学習モデルM1は、入場予定の車両2の領域及び当該車両2の種類を出力する。制御部30は、学習モデルM1から出力された入場予定の車両2の種類を取得する。
【0061】
本実施形態において第1画像データには、複数の車両2が入口10の付近にて待機している場合であっても、上記の複数の車両2のうち、入場予定の車両2のみが撮像される例を説明するが、第1画像データに複数の車両2が撮像されてもよい。よって第1画像データに撮像される車両2の種類は、塵芥車及び一般車両の両方でもよい。また第1画像データに撮像される車両2の種類は、塵芥車及び一般車両のうち、塵芥車のみでもよく、一般車両のみでもよい。例えば第1画像データに複数の車両2が撮像されている場合、制御部30は、第1画像データの複数の車両2のうち、入場予定の車両2を判別し、第1画像データ及び学習モデルM1を用いて入場予定の車両2の種類を取得する。
【0062】
例えば第1画像データには、入口10の付近にて1つの列をなして待機する複数の車両2が写っている。この第1画像データにおいては、当該列の先頭の車両2が入場予定の車両2である。例えば第1カメラ5は、1つの列をなして待機する複数の車両2のうち、列の先頭の車両2が最も手前に写るように、上記の複数の車両2を撮像する。上記の第1画像データに写る複数の車両2のうち、最も手前に写る車両2を特定することによって、入場予定の車両2を判別することができる。上記の第1画像データに写る複数の車両2のうち、最も大きく写る車両2を特定することによって、入場予定の車両2は判別されてもよい。最も大きく写る車両2は、例えば上記の第1画像データを学習モデルM1に入力した際に出力される複数の領域のうち、最も大きい(広い)領域の車両2である。
【0063】
制御部30は、上述のようにして空き停車スペースの種類に基づき特定した入場可能車種と、上述のようにして取得した入場予定の車両2の種類とに基づき、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する。詳しくは制御部30は、入場予定の車両2の種類が入場可能車種であるか否かを判定する。入場予定の車両2の種類が入場可能車種である場合、制御部30は車両2の入場を許可する。入場予定の車両2の種類が入場可能車種ではない場合、制御部30は車両2の入場を許可しない。
【0064】
制御部30は、車両2の入場を許可する場合、入出力部32を介して表示部4へ入場許可情報を出力する。制御部30は、車両2の入場を許可しない場合、入出力部32を介して表示部4へ入場不許可情報を出力する。
【0065】
図5は、制御部30が行う車両2の入場を許可するか否かを判定する判定処理を例示するフローチャートである。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備えるキーボード又はタッチパネル等の図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0066】
制御部30は、第2カメラ15から第2画像データを取得する(S11)。上述のように制御部30は、取得した第2画像データを学習モデルM1に入力し(S12)、学習モデルM1から出力されたごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する(S13)。
【0067】
上述のように制御部30は、取得したごみ処理施設1内の車両2の種類に基づき、ごみ処理施設1内における塵芥車の台数及び一般車両の台数を特定する。更に制御部30は、特定したごみ処理施設1内における塵芥車の台数及び一般車両の台数に基づき、空き停車スペースの種類を特定する。制御部30は、空き停車スペースの種類に基づき、入場可能車種を特定する(S14)。
【0068】
制御部30は、第1カメラ5から第1画像データを取得する(S15)。上述のように制御部30は、取得した第1画像データを学習モデルM1に入力し(S16)、学習モデルM1から出力された入場予定の車両2の種類を取得する(S17)。
【0069】
制御部30は、入場予定の車両2の種類が入場可能車種であるか否かを判定する(S18)。入場予定の車両2の種類が入場可能車種である場合(S18:YES)、制御部30は、入場許可情報を表示部4へ出力し(S19)、判定処理を終了する。表示部4は、入場許可情報を受信し、青色に点灯して入場が許可されている旨を表示する。
【0070】
入場予定の車両2の種類が入場可能車種ではない場合(S18:NO)、制御部30は、入場不許可情報を表示部4へ出力し(S181)、判定処理を終了する。表示部4は、入場不許可情報を受信し、赤色に点灯して入場が許可されていない旨を表示する。
【0071】
例えば、制御部30は入場許可情報又は入場不許可情報を出力した後、S11の処理に戻ってもよい。また、第1画像データが入力された学習モデルM1が検出対象の検出がない旨を示す情報を出力した際、制御部30は、判定処理を終了してもよく、S11の処理に戻ってもよい。
【0072】
例えば制御部30は、S11、S12、S13及びS14の処理を含む入場可能車種を特定する為の処理と、S15、S16及びS17の処理を含む入場予定の車両2の種類を取得する為の処理とを並行して行ってもよい。また、制御部30は入場予定の車両2の種類を取得する為の処理の後に、入場可能車種を特定する為の処理を行ってもよい。
【0073】
情報処理装置3は、第1画像データ及び学習モデルM1を用いて入場予定の車両2の種類を取得し、第2画像データ及び学習モデルM1を用いてごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する。情報処理装置3は取得した車両2の種類と停車スペース6との関係に基づき、入場予定の車両2の入場を許可するか否かを判定する。情報処理装置3は、入場を許可するか否かの判定において、ごみ処理施設1内の車両2の種類に基づき特定される空き停車スペースの種類に基づき、入場可能車種を特定する。情報処理装置3は、取得した入場予定の車両2の種類が入場可能車種であるか否かを判定する。従って車両2の種類を考慮して車両2の入場を許可するか否かを判定することができる。入場予定の車両2の種類と空き停車スペースの種類とに基づき、車両2の入場は許可されるので、過剰な台数の車両2がごみ処理施設1へ入場することはない。従って車両2同士による接触及び衝突の発生を抑制することができる。
【0074】
例えば車両2の種類が、塵芥車、一般車両及びその他車両である際、その他車両の台数は特定されなくてよい。例えばその他車両に対しては、入場を許可するか否かの判定は行われない。その他車両は任意にごみ処理施設1へ入場できる。
【0075】
情報処理装置3は、入場を許可するか否かの判定の結果に応じて、入場許可情報及び入場不許可情報を含む入場を許可するか否かの情報を表示部4へ出力する。表示部4は、入場を許可するか否かの情報を受信し、入場の可否を表示する。表示部4はごみ処理施設1へ入場する車両2が待機する位置から視認可能なので、入場の可否を、上記の位置にて待機する車両2の運転手に報知することができる。
【0076】
例えば情報処理装置3は、入場許可情報及び入場不許可情報のいずれか一方のみを出力する構成でもよい。この場合、情報処理装置3は、入場を許可する際に入場許可情報を出力し、入場を許可しない際に入場許可情報及び入場不許可情報のいずれも出力しない。又は、情報処理装置3は、入場を許可する際に入場許可情報及び入場不許可情報のいずれも出力せず、入場を許可しない際に入場不許可情報を出力する。
【0077】
例えば入口10及び出口12に、車両2の通過を検出するセンサが設けられていてもよい。当該センサは、情報処理装置3と通信可能であり、検出結果を情報処理装置3へ出力する。入口10及び出口12を通過する車両2が検出されるので、情報処理装置3は、ごみ処理施設1内の車両2の総数を検出できる。例えばごみ処理施設1内の車両2の総数が4台である場合、即ち満車である場合、情報処理装置3は1台の車両の退場を検出した後に判定処理を行う。
【0078】
検出対象に、空き停車スペースが含まれてもよい。例えば学習モデルM1は、車両画像データが入力された際に、検出対象が塵芥車である確率、検出対象が一般車両である確率、検出対象が塵芥車に関する空きスペースである確率、及び検出対象が一般車両に関する空きスペースである確率を出力する。制御部30は、第2画像データを学習モデルM1に入力して、学習モデルM1から空き停車スペースの種類を取得できる。
【0079】
第2カメラ15によって撮像される範囲は上述のように固定されているので、第2画像データにおける各停車スペース6に停車する車両2が撮像される領域を示す画像座標を予め特定することができる。上記の領域を示す画像座標は停車スペース6ごとに特定される。例えば上記の領域を示す画像座標は記憶部31に予め記憶されている。情報処理装置3は、学習モデルM1からごみ処理施設1内の車両2の領域を取得し、取得したごみ処理施設1内の車両2の領域と、上記の領域とが一致するか否かを判定してもよい。ごみ処理施設1内の車両2の領域と上記の領域とが一致する場合、車両2は停車スペース6に停車していると推測される。ごみ処理施設1内の車両2の領域と上記の領域とが一致しない場合、車両2はごみ処理施設1内を走行していると推測される。
【0080】
例えば情報処理装置3は1つの第2カメラ15から第2画像データを取得するが、複数の第2カメラ15から第2画像データを取得してもよい。即ち、第2カメラ15の個数は限定されず、1つでもよく、複数でもよい。以下、2つの第2カメラ15が設けられている例について説明する。例えば、一方の第2カメラ15が撮像した第2画像データには、第1停車スペース6a及び第1停車スペース6aに停車する車両2の少なくとも一方と、第2停車スペース6b及び第2停車スペース6bに停車する車両2の少なくとも一方とが写る。他方の第2カメラ15が撮像した第2画像データには、第3停車スペース6c及び第3停車スペース6cに停車する車両2の少なくとも一方と、第4停車スペース6d及び第4停車スペース6dに停車する車両2の少なくとも一方とが写る。情報処理装置3は、一方の第2カメラ15が撮像した第2画像データと、他方の第2カメラ15が撮像した第2画像データとの2つの第2画像データを取得する。情報処理装置3は、取得した2つの第2画像データと学習モデルM1とを用いてごみ処理施設1内の車両2の種類を取得する。1つの第2カメラがごみ処理施設1内の全体を撮像できない場合であっても、複数の第2カメラが用いられることによって、ごみ処理施設1内の全体を撮像することができる。
【0081】
例えば学習モデルM1は、第2画像データにおける上記の領域の画像データが入力された場合に、上記の領域に関する停車スペース6に停車する車両2の種類を出力するように学習されていてもよい。上記の領域に関する停車スペース6に停車する車両2の種類は、例えば塵芥車、一般車両及び車両なしである。情報処理装置3は、第2画像データにおける上記の領域の画像データを学習モデルM1に入力して、上記の領域に関する停車スペース6における車両2の種類を取得できる。
【0082】
例えば記憶部31には、2つの学習モデルM1が記憶されていてもよい。一方の学習モデルM1は、第2画像データが入力された場合にごみ処理施設1内の車両2の領域及び当該車両2の種類を出力するように学習されている。一方の学習モデルM1の学習には、車両画像データとして第2画像データを含む訓練データが用いられる。他方の学習モデルM1は、第1画像データが入力された場合に入場予定の車両2の領域及び当該車両2の種類を出力するように学習されている。他方の学習モデルM1の学習には、車両画像データとして第1画像データを含む訓練データが用いられる。情報処理装置3は、一方の学習モデルM1に第2画像データを入力してごみ処理施設1内の車両2の種類を取得し、他方の学習モデルM1に第1画像データを入力して入場予定の車両2の種類を取得する。
【0083】
他方の学習モデルM1は、第1画像データにおいて複数の車両2が写っている場合であっても複数の車両2のうち、入場予定の車両2の種類のみを出力するように学習されていてもよい。このとき入場予定の車両2の種類は、例えば塵芥車、一般車両及び車両なしである。
【0084】
(実施形態2)
実施形態2に係る構成の内、実施形態1と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態2の表示部4は、例えば青色及び赤色に点灯及び点滅することができる信号灯である。実施形態2のごみ処理場100において情報処理装置3は、車両2の入場を許可するか否かを判定する際、第1画像データ及び第2画像データのうち、第2画像データのみを用いる。
【0085】
実施形態2の制御部30は車両2の入場を許可するか否かの判定において、実施形態1と同様にして、空き停車スペースの種類を特定する。制御部30は、特定した空き停車スペースの種類に基づき、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する。
【0086】
制御部30は、特定した空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースと、一般車両に関する空き停車スペースとの両方の種類の空き停車スペースである場合、塵芥車及び一般車両の入場を許可する。即ち、上記の場合に制御部30は、車両2の種類が塵芥車及び一般車両のどちらであっても車両2の入場を許可する。塵芥車及び一般車両の入場を許可する際、制御部30は、塵芥車及び一般車両の入場を許可する旨を示す第1入場許可情報を表示部4へ出力する。表示部4は、第1入場許可情報を受信し、青色に点灯する。青色に点灯している表示部4は、塵芥車及び一般車両の両方の車両2の入場が許可されている旨を示す。
【0087】
制御部30は、特定した空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースである場合、塵芥車の入場を許可する。制御部30は、塵芥車の入場を許可する旨を示す第2入場許可情報を表示部4へ出力する。表示部4は、第2入場許可情報を受信し、青色に点滅する。青色に点滅している表示部4は、塵芥車の入場が許可されている旨を示す。
【0088】
制御部30は、特定した空き停車スペースの種類が一般車両に関する空き停車スペースである場合、一般車両の入場を許可する。制御部30は、一般車両の入場を許可する旨を示す第3入場許可情報を表示部4へ出力する。表示部4は、第3入場許可情報を受信し、赤色に点滅する。赤色に点滅している表示部4は、一般車両の入場が許可されている旨を示す。
【0089】
制御部30は、空き停車スペースがない場合、入場不許可情報を表示部4へ出力する。表示部4は、入場不許可情報を受信し、赤色に点灯する。赤色に点灯している表示部4は、車両2の入場が許可されていない旨を示す。第1入場許可情報、第2入場許可情報、第3入場許可情報、及び入場不許可情報は入場を許可するか否かの情報に含まれる。
【0090】
表示部4が点灯及び点滅する色は青色及び赤色に限定されない。例えば表示部4は4色に点灯可能な信号灯でもよい。表示部4は、第1入場許可情報、第2入場許可情報、第3入場許可情報、及び入場不許可情報の4つの情報のうち、いずれかの情報を受信し、受信した情報に応じて異なる色に点灯する。表示部4は信号灯に限定されない。例えば表示部4はディスプレイでもよい。ディスプレイは受信した上記の情報に応じて、「入場可」、「塵芥車入場可」、「一般車両入場可」、及び「入場不可」等の文字を表示する。
【0091】
図6は、実施形態2の制御部30が行う判定処理を例示するフローチャートである。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備える図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0092】
制御部30は、S21、S22及びS23の処理を行う。S21、S22及びS23の処理は、S11、S12及びS13の処理と同様なので、詳細な説明は省略する。制御部30は、上述のように空き停車スペースの種類を特定する(S24)。制御部30は、特定した空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースと、一般車両に関する空き停車スペースとの両方の種類の空き停車スペースであるか否か、即ち、両方の種類の空き停車スペースがあるか否かを判定する(S25)。
【0093】
両方の種類の空き停車スペースがある場合(S25:YES)、制御部30は、第1入場許可情報を表示部4へ出力し(S26)、判定処理を終了する。両方の種類の空き停車スペースがある場合は、空き停車スペースの種類が両方の種類の空き停車スペースである場合である。
【0094】
両方の種類の空き停車スペースがない場合(S25:NO)、制御部30は、特定した空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースであるか否か、即ち、塵芥車に関する空き停車スペースがあるか否かを判定する(S251)。塵芥車に関する空き停車スペースがある場合(S251:YES)、制御部30は、第2入場許可情報を表示部4へ出力し(S252)、判定処理を終了する。塵芥車に関する空き停車スペースがある場合は、空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースである場合である。
【0095】
塵芥車に関する空き停車スペースがない場合(S251:NO)、制御部30は、特定した空き停車スペースの種類が一般車両に関する空き停車スペースであるか否か、即ち、一般車両に関する空き停車スペースがあるか否かを判定する(S253)。一般車両に関する空き停車スペースがある場合(S253:YES)、制御部30は、第3入場許可情報を表示部4へ出力し(S254)、判定処理を終了する。一般車両に関する空き停車スペースがある場合は、空き停車スペースの種類が一般車両に関する空き停車スペースである場合である。
【0096】
一般車両に関する空き停車スペースがない場合(S253:NO)、即ち空き停車スペースがない場合、制御部30は、入場不許可情報を表示部4へ出力し(S255)、判定処理を終了する。
【0097】
制御部30は上述のように空き停車スペースの種類に応じて、第1入場許可情報、第2入場許可情報、第3入場許可情報、及び入場不許可情報のいずれか1つの情報を出力する。制御部30は、当該情報の出力後、判定処理を終了する代わりにS21の処理に戻ってもよい。
【0098】
例えば制御部30は、両方の種類の空き停車スペースがない際に、入場不許可情報を表示部4へ出力してもよい。即ち一般車両に関する空き停車スペースと、塵芥車に関する空き停車スペースとの少なくとも一方がない際、制御部30はごみ処理施設への車両2の入場を許可しなくてもよい。
【0099】
本実施形態において情報処理装置3は、空き停車スペースの種類を特定し、特定した空き停車スペースの種類に基づき、車両2の入場を許可するか否かを判定する。停車スペース6は車両2の種類に応じて設けられているので、停車スペースの種類は、車両2の種類と対応している。入場を許可するか否かの判定において、車両2の種類は考慮される。実施形態1と同様に過剰な台数の車両2がごみ処理施設1へ入場することはないので、車両2同士による接触及び衝突の発生を抑制することができる。
【0100】
車両2の入場を許可するか否かの判定において、情報処理装置3は第1画像データを用いないので、第1カメラ5はごみ処理場100に設けられていなくてもよい。従って、ごみ処理場100の設備の個数を少なくすることができる
【0101】
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係るごみ処理場100を示す模式図である。実施形態3に係る構成の内、実施形態1と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態3のごみ処理場100において情報処理装置3は、車両2の入場を許可するか否かを判定する際、第2画像データを用いない。例えばごみ処理施設1に第2カメラ15は設けられていない。
【0102】
実施形態3の各停車スペース6には、停車スペース6に停車中の車両2を検知する検知部17が1つずつ設けられている。図7のごみ処理施設1において、検知部17の個数は4つである。検知部17は、例えばループコイルであり、停車スペース6に埋設されている。検知部17はループコイルに限定されず、例えば光電管でもよい。検知部17及び情報処理装置3は入出力部32を介して接続され、通信可能である。なお検知部17と情報処理装置3との接続線の図示は省略してある。情報処理装置3は、無線通信をする為の無線通信部を有し、無線通信部を介して検知部17と通信してもよい。例えば1つの停車スペース6に複数の検知部17が設けられてもよい。
【0103】
各検知部17は、検知結果を情報処理装置3へ出力する。例えば検知部17は、停車中の車両2を検知した場合、車両2が停車中である旨を示す信号を情報処理装置3へ出力する。検知部17は、停車中の車両2を検知していない場合、車両2が停車していない旨を示す信号を情報処理装置3へ出力する。
【0104】
例えば、各検知部17にはID(Identification)ナンバーが割り振られている。例えば検知部17のIDナンバーと、当該IDナンバーの検知部17が設けられた停車スペース6とが関連付けられて保存された検知部DB(Database)が、記憶部31に記憶されている。図8は、検知部DBの内容例を示す概念図である。検知部DBは、検知部17のIDナンバー列と停車スペース列とを有する。図8の例において、1という検知部17のIDナンバーと、第1停車スペース6aとが関連付けられている。このときIDナンバーが1である検知部17は、第1停車スペース6aに設けられている。
【0105】
制御部30は入出力部32を介して、検知部17から出力された検知結果を取得する。制御部30は、検知結果を出力した検知部17を識別可能である。例えば検知部17は検知結果と共に、自身のIDナンバーを示す信号を出力する。制御部30は、取得した検知結果に基づき、検知部DBを参照して、車両2が停車している停車スペース6と、空き停車スペースとを特定する。以下、車両2が停車している停車スペース6を、使用中の停車スペース6とも称する。
【0106】
例えば制御部30はIDナンバーが1である検知部17から検知結果として、車両2が停車中である旨を示す信号を取得した場合、第1停車スペース6aを使用中の停車スペース6と特定する。制御部30は、IDナンバーが1である検知部17から検知結果として、車両2が停車していない旨を示す信号を取得した場合、第1停車スペース6aを空き停車スペースと特定する。検知部17は、車両2が停車していない旨を示す信号を出力しなくてもよい。例えば制御部30は、IDナンバーが1である検知部17から車両2が停車中である旨を示す信号を取得しなかった場合、第1停車スペース6aを空き停車スペースと特定する。
【0107】
上述のようにして制御部30は、4つの停車スペース6それぞれに対して、停車スペース6が使用中の停車スペース6であるのか、空き停車スペースであるのかを特定する。制御部30は、特定した使用中の停車スペース6及び空き停車スペースに基づき、空き停車スペースの種類を特定する。
【0108】
4つの停車スペース6が使用中の停車スペース6である場合、制御部30は、空き停車スペースがないと特定する。空き停車スペースが第1停車スペース6a、第2停車スペース6b及び第3停車スペース6cの少なくとも1つであって、使用中の停車スペース6が第4停車スペース6dである場合、制御部30は、空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースであると特定する。
【0109】
空き停車スペースが第1停車スペース6a、第2停車スペース6b及び第3停車スペース6cの少なくとも1つと、第4停車スペース6dとである場合、制御部30は、空き停車スペースの種類が塵芥車に関する空き停車スペースと一般車両に関する空き停車スペースとであると特定する。使用中の停車スペースが第1停車スペース6a、第2停車スペース6b及び第3停車スペース6cであって、空き停車スペースが第4停車スペース6dである場合、制御部30は、空き停車スペースの種類が一般車両に関する空き停車スペースであると特定する。
【0110】
制御部30は実施形態1と同様に、取得した空き停車スペースの種類に基づき入場可能車種を特定する。制御部30は実施形態1と同様に、入場予定の車両2の種類を取得する。制御部30は、空き停車スペースの種類に基づき特定した入場可能車種と、取得した入場予定の車両2の種類とに基づき、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する。詳しくは制御部30は実施形態1と同様に、入場予定の車両2の種類が入場可能車種であるか否かを判定する。制御部30は判定結果に応じて入場許可情報又は入場不許可情報を表示部4へ出力する。
【0111】
図9は、実施形態3の制御部30が行う判定処理を例示するフローチャートである。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備える図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0112】
制御部30は、各検知部17から検知結果を取得する(S31)。上述のように制御部30は、取得した検知結果に基づき空き停車スペースの種類を特定し、特定した空き停車スペースの種類に基づき入場可能車種を特定する(S32)。制御部30は、S33、S34、及びS35の処理を行う。S33、S34、及びS35の処理は、S15、S16及びS17の処理と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0113】
制御部30は、入場予定の車両2の種類が入場可能車種であるか否かを判定する(S36)。入場予定の車両2の種類が入場可能車種である場合(S36:YES)、制御部30は、入場許可情報を表示部4へ出力し(S37)、判定処理を終了する。入場予定の車両2の種類が入場可能車種ではない場合(S36:NO)、制御部30は、入場不許可情報を表示部4へ出力し(S361)、判定処理を終了する。
【0114】
例えば、制御部30は入場許可情報又は入場不許可情報を出力した後、S31の処理に戻ってもよい。例えば第1画像データが入力された学習モデルM1が検出対象の検出がない旨を示す情報を出力した際、制御部30は、判定処理を終了してもよく、S31の処理に戻ってもよい。
【0115】
情報処理装置3は、検知部17から検知結果を取得し、取得した検知結果に基づき、空き停車スペースを特定する。また、第1画像データを取得し、取得した第1画像データを学習モデルM1に入力して、入場予定の車両2の種類を取得する。情報処理装置3は、入場を許可するか否かの判定において、入場予定の車両2の種類が空き停車スペースの種類に基づき特定される入場可能車種であるか否かを判定する。従って車両2の種類を考慮して車両2の入場を許可するか否かを判定することができる。情報処理装置3は、第2画像データを用いることなく、入場を許可するか否かを判定できる。過剰な台数の車両2がごみ処理施設1へ入場することはないので、車両2同士による接触及び衝突の発生を抑制することができる。
【0116】
(実施形態4)
図10は、実施形態4に係るごみ処理場100を示す模式図である。実施形態4に係る構成の内、実施形態1と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態4のごみ処理施設1には、実施形態1と同様に第2カメラ15が設けられている。実施形態4の各停車スペース6には、検知部17が設けられている。検知部17は実施形態3の検知部17と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0117】
実施形態4の情報処理装置3において制御部30は、実施形態3と同様に、検知部17から検知結果を取得し、取得した検知結果に基づき使用中の停車スペース6を特定する。
【0118】
制御部30は、第2カメラ15から第2画像データを取得する。第2カメラ15によって撮像される範囲は上述のように固定されているので、第2画像データにおける各停車スペース6に停車する車両2が撮像される領域を示す画像座標を予め特定することができる。上記の領域を示す画像座標は停車スペース6ごとに特定される。例えば上記の領域を示す画像座標は記憶部31に予め記憶されている。
【0119】
制御部30は第2画像データを学習モデルM1に入力して、使用中の停車スペース6に停車する車両2の種類を取得する。詳しくは制御部30は学習モデルM1に第2画像データを入力する際、学習モデルM1に、第2画像データにおける上記の領域のうち、特定した使用中の停車スペース6に関する領域に対して上述の検出を行わせる。例えば制御部30は、第2画像データにおける特定した使用中の停車スペース6に関する領域の画像データを学習モデルM1に入力する。このとき学習モデルM1は、特定された使用中の停車スペース6に停車する車両2の種類を出力する。
【0120】
制御部30は取得した上記の車両2の種類に基づき空き停車スペースの種類を特定する。制御部30は実施形態2と同様に、特定した空き停車スペースの種類に基づき、ごみ処理施設1への車両2の入場を許可するか否かを判定する。詳しくは制御部30は、空き停車スペースの種類に応じて、第1入場許可情報、第2入場許可情報、第3入場許可情報、及び入場不許可情報のいずれか1つの情報を表示部4へ出力する。実施形態2と同様に表示部4は出力された上記の情報を受信し、青色又は赤色に点灯又は点滅する。
【0121】
図11は、実施形態4の制御部30が行う判定処理を例示するフローチャートである。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備える図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0122】
制御部30は各検知部17から検知結果を取得する(S41)。上述のように制御部30は、取得した検知結果に基づき使用中の停車スペース6を特定する(S42)。制御部30は、第2カメラ15から第2画像データを取得する(S43)。
【0123】
上述のように制御部30は、取得した第2画像データを学習モデルM1に入力し(S44)、特定した使用中の停車スペース6に関する領域に対して学習モデルM1に上述の検出を行わせ、使用中の停車スペース6に停車する車両2の種類を取得する(S45)。
【0124】
上述のように制御部30は、取得した車両2の種類に基づき空き停車スペースの種類を特定する(S46)。制御部30は、両方の種類の空き停車スペースがあるか否かを判定する(S47)。両方の種類の空き停車スペースがある場合(S47:YES)、制御部30は、第1入場許可情報を表示部4へ出力し(S48)、判定処理を終了する。
【0125】
両方の種類の空き停車スペースがない場合(S47:NO)、制御部30は、塵芥車に関する空き停車スペースがあるか否かを判定する(S471)。塵芥車に関する空き停車スペースがある場合(S471:YES)、制御部30は、第2入場許可情報を表示部4へ出力し(S472)、判定処理を終了する。
【0126】
塵芥車に関する空き停車スペースがない場合(S471:NO)、制御部30は、一般車両に関する空き停車スペースがあるか否かを判定する(S473)。一般車両に関する空き停車スペースがある場合(S473:YES)、制御部30は、第3入場許可情報を表示部4へ出力し(S474)、判定処理を終了する。一般車両に関する空き停車スペースがない場合(S473:NO)、即ち空き停車スペースがない場合、制御部30は、入場不許可情報を表示部4へ出力し(S475)、判定処理を終了する。
【0127】
制御部30は、第1入場許可情報、第2入場許可情報、第3入場許可情報、及び入場不許可情報のいずれか1つの情報を出力後、判定処理を終了する代わりにS41の処理に戻ってもよい。また制御部30は、両方の種類の空き停車スペースがない際、入場不許可情報を表示部4へ出力してもよい。
【0128】
制御部30は、学習モデルM1に第2画像データを入力し、使用中の停車スペース6に関する領域に対して検出を行わせる。学習モデルM1は、第2画像データにおける車両2を検出しやすい。ゴミ処理施設1内の車両2の種類に関する精度を高めることができる。
【0129】
(実施形態5)
図12は、実施形態5に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。実施形態5に係る構成の内、実施形態1と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態5の情報処理装置3において、記憶部31には第1学習モデル(実施形態1の学習モデルと同じ)M1及び第2学習モデルM2が記憶されている。制御部30は第1学習モデルM1を用いて上述の判定処理を行う。第2学習モデルM2については後述する。
【0130】
実施形態5の情報処理装置3において、入出力部32には第3カメラ18が接続されている。第3カメラ18は、例えば監視カメラであり、ごみ処理施設1内を撮像する。例えば第3カメラ18は、ごみ処理施設1の天井に取り付けられている。第3カメラ18は、車両2、停車スペース6及びホッパー13を撮像可能な向きにて配置されている。
【0131】
以下、第3カメラ18がごみ処理施設1内を撮像した画像データを施設内画像データとも称する。施設内画像データは、1フレームによる静止画、又は数フレームによる動画であってもよい。図13は、施設内画像データの一例を示す模式図である。図13の施設内画像データには、車両2と、停車スペース6と、ホッパー13と、人物7とが写っている。人物7は、例えばごみ処理施設1にて作業を行う作業員、又は車両2の乗員である。
【0132】
実施形態5の制御部30は、入出力部32を介して第3カメラ18と通信する。制御部30は、第3カメラ18から施設内画像データを取得する。例えば情報処理装置3は無線通信を行う為の図示しない無線通信部を備え、無線通信部を介して制御部30と第3カメラ18とが通信を行う構成であってもよい。
【0133】
第3カメラ18の個数は1つでもよく、2つ以上でもよい。本実施形態において、第3カメラ18及び第2カメラ15は異なるカメラである例を説明するが、第3カメラ18及び第2カメラ15は同一のカメラであってもよい。この場合、施設内画像データにはごみ処理施設1内の車両2が撮像されるので、施設内画像データは第2画像データに相当する。
【0134】
第2学習モデルM2では、施設内画像データと、施設内画像データにおける検出対象の領域及び検出対象の種類との関係が予め学習されている。第2学習モデルM2の検出対象は車両2、人物7、及びホッパー13を含む。ホッパー13は、ごみ処理施設1内の特定の装置に相当する。特定の装置は、ホッパー13に限定されず、ホッパー13以外のごみ処理施設1内の装置又は設備でもよい。複数の特定の装置が検出対象に含まれていてもよい。
【0135】
制御部30は、取得した施設内画像データを第2学習モデルM2に入力する。施設内画像データが第2学習モデルM2に入力された場合、第2学習モデルM2は、施設内画像データにおける検出対象の領域及び当該検出対象の種類を出力する。例えば検出対象の種類は、塵芥車、一般車両、その他車両、特定の装置、及び人物7である。検出対象の領域は、例えばバウンディングボックスであり、画像座標系によって示される。施設内画像データに基づき検出対象が検出されなかった場合、第2学習モデルM2は検出対象の検出がない旨を示す情報を出力する。
【0136】
第2学習モデルM2の学習において用いられる訓練データは、施設内画像データと、当該施設内画像データに関する領域データ及び種類データとを含む。第2学習モデルM2の学習の方法は実施形態1の学習モデルM1と同様なので詳細な説明は省略する。
【0137】
制御部30は取得した施設内画像データを第2学習モデルM2に入力する。第2学習モデルM2は施設内画像データにおける検出対象の領域と当該検出対象の種類とを出力する。制御部30は出力された施設内画像データにおける検出対象の領域と当該検出対象の種類とを取得する。
【0138】
人物7が検出された際、制御部30は、検出された人物7と車両2又は特定の装置との距離を導出する。例えば制御部30は、人物7と車両2との距離として、種類が人物7である検出対象の領域と、種類が塵芥車、一般車両、又はその他車両である検出対象の領域との最短距離を各検出対象の領域に基づき導出する。また制御部30は、人物7と特定の装置との距離として、種類が人物7である検出対象の領域と、種類が特定の装置である検出対象の領域との最短距離を各検出対象の領域に基づき導出する。例えば、施設内画像データの解像度及び寸法に基づき特定された施設内画像データにおける1ピクセルあたりの距離が、距離の導出の為に予め記憶部31に記憶されている。制御部30は、各検出対象の領域の間におけるピクセル数と1ピクセルあたりの距離とを乗じることによって、距離を導出する。
【0139】
制御部30は、導出した距離が閾値以下であるか否かを判定する。閾値は例えば記憶部31に予め記憶されている。例えば人物7及び特定の装置の距離に関する閾値と、人物7及び車両2の距離に関する閾値とが異なってもよい。例えば距離及び閾値はピクセル数によって示されてもよい。距離が閾値以下である場合、制御部30は接近情報をスピーカ16へ出力する。接近情報は、人物7と車両2又は特定の装置との接近を示す情報である。
【0140】
スピーカ16は、出力された接近情報を受信し、「車両又は装置から離れてください」のような音声、又は警告音を出力し、ごみ処理施設1内の人物7に、人物7と車両2又は特定の装置とが接近している旨を報知する。例えば上記の音声又は警告音は接近情報に含まれている。接近情報は記憶部31に記憶されている。例えば上記の音声又は警告音はスピーカに予め記憶されていてもよい。スピーカ16は接近報知部に相当する。なお接近報知部はスピーカ16に限定されない。
【0141】
制御部30は、スピーカ16に代えて、又はスピーカ16に加えて、施設端末へ接近情報を出力してもよい。例えば施設端末は、出力された接近情報を受信し、上記の音声又は警告音を施設端末のスピーカに出力させる。施設端末は上記の音声又は警告音を自装置に接続されたイヤホンに出力させてもよい。また施設端末は、出力された接近情報を受信した際、人物7と車両2又は特定の装置とが接近している旨を施設端末の表示部に表示させてもよい。ごみ処理施設1内の作業員に、人物7と車両2又は特定の装置とが接近している旨を報知することができる。この場合、施設端末は接近報知部に相当する。
【0142】
図14は、実施形態5の制御部30が行う人物7と車両2又は特定の装置との接近を報知する為の報知処理を例示するフローチャートである。例えば報知処理は、判定処理と並行して行われる。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備える図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0143】
制御部30は、第3カメラ18から施設内画像データを取得し(S51)、取得した施設内画像データを第2学習モデルM2に入力する(S52)。第2学習モデルM2は施設内画像データにおける検出対象の領域及び種類を出力する。制御部30は、出力された施設内画像データにおける検出対象の領域及び種類を取得する(S53)。
【0144】
上述のように制御部30は、取得した検出対象の領域及び種類に基づき人物7と車両2又は特定の装置との距離を導出する(S54)。例えば人物7が検出されなかった際、制御部30は報知処理を終了する、又はS51の処理を行う。上述のように制御部30は、導出した距離が閾値以下であるか否かを判定する(S55)。
【0145】
距離が閾値以下である場合(S55:YES)、制御部30は接近情報をスピーカ16へ出力し(S56)、報知処理を終了する。制御部30は接近情報を出力した後、S51の処理に戻ってもよい。距離が閾値以下ではない場合(S55:NO)、即ち距離が閾値よりも大きい場合、制御部30は報知処理を終了する。制御部30は報知処理を終了する代わりにS51の処理に戻ってもよい。
【0146】
本実施形態においては、人物7と車両2又は特定の装置との距離が閾値以下である場合に、人物7と車両2又は特定の装置とが接近している旨が人物7に報知される。従って、人物7と車両2又は特定の装置との間の適切な間隔を確保することができる。適切な間隔を確保することによって、例えば、人物7が車両2と接触することを防止することができる。また、人物7がホッパー13に近づき過ぎることを防止することができる。
【0147】
制御部30は、報知処理において第1学習モデルM1を用いてもよい。例えば、第1学習モデルM1の検出対象は、車両2、人物7及び特定の装置である。この場合、制御部30は第2カメラから第2画像データを取得し、第2画像データを第1学習モデルM1へ入力して第2画像データにおける検出対象の領域及び種類を取得する。制御部30は取得した検出対象の領域及び種類に基づき人物7と車両2又は特定の装置との距離を導出する。
【0148】
(変形例)
図15は、実施形態5の変形例に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。実施形態5の変形例に係る構成の内、実施形態5と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態5の変形例の情報処理装置3において、入出力部32は、後述のインターロック装置19と接続されている。制御部30は、入出力部32を介してインターロック装置19と通信する。なお情報処理装置3は無線通信を行う為の図示しない無線通信部を備え、無線通信部を介して制御部30とインターロック装置19とが通信を行う構成であってもよい。
【0149】
変形例において、第2学習モデルM2の検出対象は、車両2、人物7、及びダンピングボックス14を含む。ダンピングボックス14は、ごみ処理施設1内の特定の装置に相当する。ダンピングボックス14は第3カメラ18によって撮像される。
【0150】
変形例において、第2学習モデルM2から出力される検出対象の種類には、人物7の種類が含まれる。人物7の種類は、例えば一般人及び作業員である。一般人は、例えば一般車両の運転手等の乗員である。従って、変形例において第2学習モデルM2から出力される検出対象の種類は、塵芥車、一般車両、その他車両、ダンピングボックス14、一般人、及び作業員である。例えばごみ処理施設1において、作業員は作業着又は作業用の帽子を着用している。この場合、作業着又は上記の帽子の着用の有無によって、一般人と作業員とを判別することができる。
【0151】
実施形態5と同様に制御部30は、施設内画像データを第2学習モデルM2に入力して、施設内画像データにおける検出対象の領域及び当該検出対象の種類を取得する。一般人が検出された際、制御部30は、取得した検出対象の領域及び種類に基づき、検出された一般人とダンピングボックス14との距離を導出する。制御部30は、導出した距離が閾値以下であるか否かを判定する。距離が閾値以下である場合、制御部30は接近情報をインターロック装置19へ出力する。なお制御部30は、上記の距離が閾値以下である場合、スピーカ16及びインターロック装置19へ接近情報を出力してもよい。
【0152】
インターロック装置19は、ダンピングボックス14の駆動を緊急停止させる装置であり、例えばダンピングボックス14に内蔵されている。なおインターロック装置19はダンピングボックス14の外部に取り付けられていてもよい。インターロック装置19は、制御部190と、入出力部191と、ダンピングボックス14の駆動を停止させる為のインターロック機構192とを備える。入出力部191は、情報処理装置3と接続される入出力インタフェースである。
【0153】
制御部190は、一又は複数のCPU、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算処理装置を有する。また、ROM又はRAM等のメモリを有する。制御部190は入出力部191を介して情報処理装置3と通信する。例えば制御部190は情報処理装置3から出力された接近情報を入出力部191を介して取得する。更に制御部190はインターロック機構192の駆動を制御する。
【0154】
制御部190は、接近情報を取得した際、ダンピングボックス14が駆動しているか否かを判定する。制御部190は、ダンピングボックス14が駆動してしる際、インターロック機構192を駆動させる。即ち、制御部190は、接近情報を取得した際であって、ダンピングボックス14が駆動している際、インターロック機構192を駆動させる。インターロック機構192の駆動によって、ダンピングボックス14の駆動は停止する。即ち、一般人と駆動しているダンピングボックス14との距離が近い際に、ダンピングボックス14の駆動は停止される。従って、ダンピングボックス14の安全性を高めることができる。インターロック装置19は、停止部に相当する。
【0155】
例えば作業員は、ダンピングボックス14の駆動を再開させる際、インターロック装置19を操作してインターロック機構192の駆動を停止させる(インターロックを解除する)。なお本実施形態において、作業員とダンピングボックス14との距離が近い場合であっても情報処理装置3は接近情報を出力しない。即ち、作業員とダンピングボックス14との距離が近い場合であっても、インターロック装置19はダンピングボックス14の駆動を停止させない。
【0156】
(実施形態6)
図16は、実施形態6に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。実施形態6に係る構成の内、実施形態1と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0157】
実施形態6のごみ処理場100は、複数、例えば2つのごみ処理施設1を有する。各ごみ処理施設1は、異なる種類のごみを受け入れる。例えば、第1のごみ処理施設1は家庭ごみを受け入れる。第2のごみ処理施設1は不燃ごみを受け入れる。例えば各ごみ処理施設1に、情報処理装置3が設けられている。ごみ処理場100は車両2に積載されたごみの量を計量する為の図示しない計量棟を有する。
【0158】
車両2はごみ処理施設1へ行く前に計量棟へ行く。計量棟にて、車両2に積載されたごみの量は計量される。計量棟の作業員は、車両2に積載されたごみの種類を車両2の運転手に質問し、当該ごみの種類を回答として取得する。計量棟の作業員は、取得したごみの種類に応じたごみ処理施設1へ行くように運転手に伝える。例えばごみの種類が家庭ごみである場合、計量棟の作業員は第1のごみ処理施設1へ行くように運転手に伝える。
【0159】
実施形態6の情報処理装置3において、記憶部31には後述のごみ種情報DB310が記憶されている。情報処理装置3は通信部33を備える。通信部33は、ごみ処理場100内の場内コンピュータ8とのネットワークNを介した通信を実現する通信インタフェースである。制御部30は通信部33を介して場内コンピュータ8と通信する。例えば場内コンピュータ8は、計量棟に設けられている。
【0160】
場内コンピュータ8は専用又は汎用のコンピュータである。場内コンピュータ8は、制御部80、記憶部81、入出力部82及び通信部83を備える。制御部80、記憶部81、入出力部82及び通信部83はそれぞれ接続されている。
【0161】
制御部80は、一又は複数のCPU、又はGPU等の演算処理装置を有する。また、ROM又はRAM等のメモリを有する。制御部80は、記憶部81に記憶されたプログラムを読みだして、各種の処理を実行する。記憶部81は、例えばハードディスク又はSSD等の不揮発性メモリを含む。通信部83は、ネットワークNを介した情報処理装置3との通信を実現する通信インタフェースである。制御部80は、通信部83を介して情報処理装置3と通信する。
【0162】
入出力部82は、第4カメラ84及び入力装置85と接続される入出力インタフェースである。入力装置85は、例えばキーボード又はタッチパネルであり、計量棟の作業員によるごみの種類の入力を受け付ける。第4カメラ84は、計量棟に設けられ、ごみの計量が行われる車両2を撮像する。以下、第4カメラ84によって上記の車両2を撮像した画像データを計量時画像データとも称する。計量時画像データには車両2のナンバープレートが写っている。
【0163】
制御部80は、入出力部82を介して第4カメラ84から計量時画像データを取得する。制御部80は取得した計量時画像データに基づき、公知の画像認識技術を用いて計量時画像データにおける車両2のナンバープレートのナンバー(以下、車両2のナンバー)を検出する。画像認識技術は公知の技術であるので詳細な説明は省略する。
【0164】
作業員は入力装置85を用いて、車両2に積載されたごみの種類を入力する。制御部80は入出力部82を介して、入力されたごみの種類を取得する。制御部80は、取得したごみの種類と、上述のようにして検出した車両2のナンバーとが関連付けられたごみ種情報を記憶部81に記憶する。制御部80はごみ種情報を情報処理装置3の制御部30へ出力する。なお、計量棟の作業員が車両2のナンバーを確認し、入力装置85を用いて車両2のナンバーを入力してもよい。
【0165】
制御部30は場内コンピュータ8から出力されたごみ種情報を取得し、取得したごみ種情報をごみ種情報DB310に保存する。図17はごみ種情報DB310の内容例を示す概念図である。ごみ種情報DB310には複数のごみ種情報が保存される。詳しくはごみ種情報DB310は、車両2のナンバー列と、ごみの種類列とを有する。ごみ種情報DB310には、複数の車両2のナンバーと、複数のごみの種類とが関連付けられて保存される。
【0166】
制御部30は第1画像データを取得する。制御部30は、取得した第1画像データに基づき公知の画像認識技術を用いて、第1画像データにおける車両2のナンバーを検出する。第1画像データにおける車両2のナンバーは、ごみ処理施設1へ入場予定の車両2のナンバーである。制御部30はごみ種情報DB310を参照し、入場予定の車両2のナンバーとごみ種情報とに基づき、入場予定の車両2に積載されたごみの種類を特定する。
【0167】
制御部30は特定したごみの種類をスピーカ16へ出力する。例えばごみの種類が家庭ごみである場合、制御部30は、「家庭ごみを積んだ車両が入場予定です」のような音声の音声データをスピーカ16に出力する。例えば当該音声データは記憶部31に記憶されている。スピーカ16は出力された音声データを受信し、上記の音声を出力して、ごみ処理施設1の作業員へ入場予定の車両2に積載されたごみの種類を通知する。従って、ごみ処理施設1の作業員は、入場予定の車両2に積載されたごみの種類を当該車両2の運転手に確認しなくてよい。スピーカ16は通知部に相当する。なお通知部はスピーカ16に限定されない。
【0168】
制御部30は、スピーカ16に代えて、又はスピーカ16に加えて、施設端末へ特定したごみの種類を出力してもよい。例えばごみの種類が家庭ごみである場合、制御部30は、上記の音声データを施設端末へ出力する。例えば施設端末は出力された音声データを受信し、上記の音声を、施設端末のスピーカ、又は接続されたイヤホンに出力させる。ごみ処理施設1内の作業員へ入場予定の車両2に積載されたごみの種類を通知することができる。この場合、施設端末は通知部に相当する。
【0169】
例えば制御部30は、積載されたごみの種類を特定できなかった際、例えば、検出した車両2のナンバー又は当該ナンバーと関連付けられたごみの種類がごみ種情報DBに保存されていない際、ごみ種情報が存在しない旨を示す情報をスピーカ16又は施設端末へ出力してもよい。例えば、ごみ種情報が存在しない旨を示す情報は、「入場予定の車両に積まれたごみの種類が登録されていません。」のような音声のデータを含む。
【0170】
ごみの種類の通知は音声による通知に限定されない。例えば制御部30は、ごみ処理施設1に設けられた図示しないディスプレイ等の表示装置へごみの種類を出力してもよい。表示装置は、出力されたごみの種類を表示し、入場予定の車両2に積載されたごみの種類をごみ処理施設1の作業員へ通知する。
【0171】
例えば施設端末は、制御部30から出力されたごみの種類を受信した際、受信したごみの種類を施設端末の表示部に表示させて入場予定の車両2に積載されたごみの種類をごみ処理施設1の作業員へ通知してもよい。
【0172】
図18は、実施形態6の制御部30が行う入場予定の車両2に積載されたごみの種類を通知する為の通知処理を例示するフローチャートである。例えば通知処理は、判定処理と並行して行われる。なお判定処理は通知処理の後に行われてもよい。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備える図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0173】
制御部30は、場内コンピュータ8からごみ種情報を取得し(S61)、取得したごみ種情報をごみ種情報DB310に保存する。制御部30は上述のように、第1画像データを取得し(S62)、取得した第1画像データに基づき入場予定の車両2のナンバーを検出する(S63)。制御部30は上述のように、ごみ種情報DB310を参照し、検出した車両2のナンバーとごみ種情報とに基づき、入場予定の車両2に積載されたごみの種類を特定する(S64)。制御部30は特定したごみの種類をスピーカ16へ出力し(S65)、通知処理を終了する。
【0174】
スピーカ16は、上述のようにごみ処理施設1の作業員へ入場予定の車両2に積載されたごみの種類を通知する。車両2の運転手が、車両2を入場させるごみ処理施設1を間違えた場合、例えば不燃ごみを積載した車両2が第1のごみ処理施設1へ入場予定の場合、第1のごみ処理施設1の作業員は、運転手にごみ処理施設1を間違えていることを伝える。車両2が積載したごみの種類と対応していないごみ処理施設1へ入場することを防ぐことができる。
【0175】
例えば情報処理装置3は、自装置が設けられたごみ処理施設1が受け入れ可能なごみの種類を記憶部31に記憶していてもよい。制御部30は特定したごみの種類が、受け入れ可能なごみの種類であるか否かを判定する。制御部30は、ごみの種類が受け入れ可能なごみの種類ではない場合、ごみ処理施設1を間違えていることを示す信号をスピーカ16へ出力する。スピーカ16は上記の信号を受信し、警告音を出力する。運転手及びごみ処理施設1の作業員に、入場予定の車両2がごみ処理施設1を間違えていることを通知することができる。
【0176】
本実施形態において、各ごみ処理施設1に情報処理装置3が設けられているが、例えば1つの情報処理装置3が各ごみ処理施設1への入場を許可するか否かを判定してもよい。
【0177】
(実施形態7)
図19は、実施形態7に係るごみ処理場100の模式図である。実施形態7に係る構成の内、実施形態6と同様な構成部については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施形態7のごみ処理場100において、1つのごみ処理施設1が複数の種類のごみ、例えば家庭ごみ及び不燃ごみを受け入れる。なお、ごみ処理場100に設けられたごみ処理施設1の個数は1つでもよく、複数でもよい。車両2は、実施形態6と同様にごみ処理施設1へ行く前に計量棟へ行く。場内コンピュータ8はごみ種情報を情報処理装置3へ出力する。
【0178】
実施形態7のごみ処理施設1には、複数(図19においては2つ)のホッパー13が設けられている。一方のホッパー13は、第1停車スペース6aの近くに配置されており、不燃ごみを受け入れる。他方のホッパー13は、第2停車スペース6b及び第3停車スペース6cの近くに配置されており、家庭ごみを受け入れる。他方のホッパー13の近傍であって、第4停車スペース6dに近い位置には、他方のホッパー13へ家庭ごみを投入する為のダンピングボックス14が設けられている。一般車両に積載された家庭ごみは、当該ダンピングボックス14によって、他方のホッパー13へ投入される。
【0179】
停車スペース6は、車両2の種類、及び車両2に積載されたごみの種類に応じて設けられている。第1停車スペース6aには、不燃ごみを積載した塵芥車が停車する。第2停車スペース6b及び第3停車スペース6cには、家庭ごみを積載した塵芥車が停車する。第4停車スペース6dには、家庭ごみを積載した一般車両が停車する。従って、ごみ処理施設1に入場できる不燃ごみを積載した塵芥車の上限の台数は1台である。ごみ処理施設1に入場できる家庭ごみを積載した塵芥車の上限の台数は2台である。ごみ処理施設1に入場できる家庭ごみを積載した一般車両の上限は1台である。本実施形態において、一方のホッパー13へ不燃ごみを投入する為のダンピングボックス14は設けられていないので、一般車両に積載された不燃ごみを一方のホッパー13へ投入することはできない。従って、不燃ごみを積載した一般車両のごみ処理施設1への入場は許可されない。即ち、ごみ処理施設1に入場できる不燃ごみを積載した一般車両の上限の台数は0台である。例えばこれらの入場できる車両2の上限の台数は記憶部31に記憶されている。
【0180】
制御部30は、場内コンピュータ8からごみ種情報を取得し、取得したごみ種情報をごみ種情報DB310に保存する。また、第1カメラ5から第1画像データを取得する。制御部30は実施形態6と同様に、第1画像データに基づき入場予定の車両2のナンバーを検出し、ごみ種情報DB310を参照して、検出した車両2のナンバーとごみ種情報とに基づき、入場予定の車両2に積載されたごみの種類を特定する。制御部30は実施形態1と同様に、取得した第1画像データを学習モデルM1に入力して入場予定の車両2の種類を取得する。言い換えると制御部30は入場予定の車両2の種類と、当該車両2に積載されたごみの種類とを特定する。
【0181】
制御部30は第2カメラ15から第2画像データを取得する。第2画像データには、ごみ処理施設1内の車両2のナンバープレートが写っている。制御部30は実施形態1と同様に、取得した第2画像データを学習モデルM1に入力する。学習モデルM1は、第2画像データにおける車両2の領域及び当該車両2の種類を出力する。制御部30は、出力された第2画像データにおける車両2の領域及び当該車両2の種類を取得する。
【0182】
車両2が検出された際、制御部30は、取得した車両2の領域と第2画像データとに基づき公知の画像認識技術を用いて、検出された車両2のナンバーを検出する。制御部30はごみ種情報DB310を参照して、検出した車両2のナンバーとごみ種情報とに基づき、車両2に積載されたごみの種類を特定する。言い換えると制御部30はごみ処理施設1内の車両2の種類と、当該車両2に積載されたごみの種類とを特定する。
【0183】
制御部30は、ごみ処理施設1内の車両2の種類及び当該車両2に積載されたごみの種類に基づき、空き停車スペースの種類を特定する。本実施形態において空き停車スペースの種類は、家庭ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースと、不燃ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースと、家庭ごみを積載した一般車両に関する空き停車スペースとの3つの空き停車スペースの組み合わせである。例えば、検出された車両2の種類が一般車両のみであって、当該車両2に積載されたごみの種類が家庭ごみである場合、制御部30は、空き停車スペースの種類が家庭ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースと、不燃ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースとであると特定する。
【0184】
本実施形態において、一般車両は家庭ごみを積載している場合、ごみ処理施設1へ入場し、第4停車スペース6dに停車する。また一般車両は不燃ごみを積載している場合、ごみ処理施設1へ入場しない(不燃ごみを積載した一般車両の入場は許可されない)。故に、ごみ処理施設1内の一般車両は、家庭ごみを積載した一般車両であると考えられる。従って、例えば検出された車両2の種類が一般車両のみである場合、制御部30は、当該車両2のナンバーを検出せずに、空き停車スペースの種類が家庭ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースと、不燃ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースとであると特定してもよい。
【0185】
制御部30は、入場予定の車両2の種類及び当該車両2に積載されたごみの種類と、空き停車スペースの種類とに基づき車両2の入場を許可するか否かを判定する。詳しくは制御部30は、入場予定の車両2の種類及び当該車両2のごみの種類と、空き停車スペースの種類とが対応しているか否かを判定する。
【0186】
空き停車スペースの種類が家庭ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースを含む場合であって、家庭ごみを積載した塵芥車が入場予定である場合、制御部30は入場を許可する。空き停車スペースの種類が家庭ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースを含まない場合であって、家庭ごみを積載した塵芥車が入場予定である場合、制御部30は入場を許可しない。
【0187】
空き停車スペースの種類が不燃ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースを含む場合であって、不燃ごみを積載した塵芥車が入場予定である場合、制御部30は入場を許可する。空き停車スペースの種類が不燃ごみを積載した塵芥車に関する空き停車スペースを含まない場合であって、不燃ごみを積載した塵芥車が入場予定である場合、制御部30は入場を許可しない。
【0188】
空き停車スペースの種類が家庭ごみを積載した一般車両に関する空き停車スペースを含む場合であって、家庭ごみを積載した一般車両が入場予定である場合、制御部30は入場を許可する。空き停車スペースの種類が家庭ごみを積載した一般車両に関する空き停車スペースを含まない場合であって、家庭ごみを積載した一般車両が入場予定である場合、制御部30は入場を許可しない。不燃ごみを積載した一般車両が入場予定である場合、例えば一般車両の運転手がごみ処理施設1を間違えた場合、制御部30は、空き停車スペースの種類によらずに入場を許可しない。
【0189】
制御部30は入場を許可するか否かの判定結果に応じて入場許可情報又は入場不許可情報を表示部4へ出力する。制御部30は実施形態6のように、入場予定の車両2に積載されたごみの種類をスピーカ16へ出力してもよい。
【0190】
図20は、実施形態7の制御部30が行う判定処理を例示するフローチャートである。例えば制御部30は、ごみ処理施設1の作業員による情報処理装置3が備える図示しない操作部の操作に基づき、以下の処理を開始する。
【0191】
制御部30はS71及びS72の処理を行う。S71及びS72の処理はS61及びS62の処理と同様なので詳細な説明は省略する。上述のように制御部30は、第1画像データに基づき入場予定の車両2のナンバーを検出し、検出した車両2のナンバーとごみ種情報とに基づき、入場予定の車両2に積載されたごみの種類を特定する(S73)。制御部30はS74及びS75の処理を行う。S74及びS75の処理はS16及びS17の処理と同様なので詳細な説明は省略する。入場予定の車両2と、当該車両2に積載されたごみの種類とが特定される。
【0192】
制御部30はS76、S77及びS78の処理を行う。S76、S77及びS78の処理はS11、S12及びS13の処理と同様なので詳細な説明は省略する。上述のように制御部30は、第2画像データに基づきごみ処理施設1内の車両2のナンバーを検出し、検出した車両2のナンバーとごみ種情報とに基づき、ごみ処理施設1内の車両2のごみの種類を特定する(S79)。制御部30は、ごみ処理施設1内の車両2の種類と当該車両2のごみの種類とに基づき空き停車スペースの種類を特定する(S80)。
【0193】
制御部30は、入場予定の車両2の種類及び当該車両2のごみの種類と、空き停車スペースの種類とが対応しているか否かを判定する(S81)。入場予定の車両2の種類及び当該車両2のごみの種類と、空き停車スペースの種類とが対応している場合(S81:YES)、入場許可情報を出力し(S82)、判定処理を終了する。入場予定の車両2の種類及び当該車両2のごみの種類と、空き停車スペースの種類とが対応していない場合(S81:NO)、入場不許可情報を出力し(S811)、判定処理を終了する。制御部30は入場許可情報又は入場不許可情報を出力した後、S71の処理に戻ってもよい。
【0194】
停車スペース6が車両2の種類及びごみの種類に応じて設けられている場合であっても、情報処理装置3は、入場予定の車両2の種類と当該車両2に積載されたごみの種類とを考慮して、車両2の入場を許可するか否かを判定することができる。なお、不燃ごみを積載した塵芥車が停車する停車スペース6、及び家庭ごみを積載した一般車両が停車する停車スペース6は、複数設けられていてもよい。
【0195】
例えばごみ処理施設1には、不燃ごみを積載した一般車両が停車する停車スペース6が設けられてもよい。即ち、不燃ごみを積載した一般車両がごみ処理施設1へ入場可能であってもよい。例えばこの場合、不燃ごみを受け入れるホッパー13の近傍に、当該ホッパー13へ不燃ごみを投入する為のダンピングボックス14が設けられる。
【0196】
例えばごみ処理施設1には、家庭ごみを貯留するコンテナと、不燃ごみを貯留するコンテナとが設けられていてもよい。例えば、各コンテナは第4停車スペース6dの近傍に配置される。この場合、一般車両に関する空き停車スペースが存在すれば、一般車両に積載されたごみの種類によらずに、一般車両の入場は許可されてもよい。例えば、ごみ処理施設1は、家庭ごみを積載した一般車両と不燃ごみを積載した一般車両とが入場し、第4停車スペース6dに停車する構成であるとする。このとき第2画像データに基づき検出された車両2の種類が一般車両である際、情報処理装置3は当該車両2に対して、車両2のナンバーの検出及び積載されたごみの種類の特定を行わなくてもよい。
【0197】
今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0198】
M1 学習モデル(第1学習モデル)
M2 第2学習モデル
P プログラム
S 情報処理システム
100 ごみ処理場
1 ごみ処理施設
13 ホッパー(特定の装置)
14 ダンピングボックス
15 第2カメラ
16 スピーカ
17 検知部
2 車両
3 情報処理装置
30 制御部
4 表示部
5 第1カメラ
6 停車スペース
7 人物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20