(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099715
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】電気化学セル
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20240718BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240718BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240718BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/211
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070980
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2022124369の分割
【原出願日】2019-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2018121980
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】福島 孝明
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA07
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040JJ03
5H040LL04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固定した部位において厚みが部分的に増す可能性を低減しつつ、電気化学セルの電気的な接続の信頼性が損なわれる可能性を低減することができる。
【解決手段】電気化学セルは、第1発電要素3と第1発電要素を収納する第1内容器2とを有する第1単セル100と、第2発電要素13と第2発電要素を収納する第2内容器12とを有する第2単セル200と、第1単セル100と第2単セル200とを収納する外容器1と、を有し、第1単セル100と第2単セル200とが積層されており、第1内容器2と第2内容器12とが溶着されている溶着部4を有している。前記溶着部4は凸部を含む。第1発電要素3は、単一の正極5と、単一のセパレータ7と、単一の負極6と、を積層したものであり、第2発電要素13は、単一の正極5と、単一のセパレータ7と、単一の負極6と、を積層した構成とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発電要素と前記第1発電要素を収納する第1内容器とを有する第1単セルと、
第2発電要素と前記第2発電要素を収納する第2内容器とを有する第2単セルと、
前記第1単セルと前記第2単セルとを収納する外容器と、を有し、
前記第1単セルと前記第2単セルとが積層されており、前記第1内容器と前記第2内容器とが溶着されている溶着部を有し、
前記溶着部は凸部を含む電気化学セル。
【請求項2】
前記溶着部を複数有する請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
積層方向から見たときに、
前記第1発電要素の全体が前記第1内容器の外周よりも内側に位置しているとともに、前記第1内容器が前記第1発電要素と重ならない第1周縁部を有しており、
前記第2発電要素の全体が前記第2内容器の外周よりも内側に位置しているとともに、前記第2内容器が前記第1発電要素と重ならない第2周縁部を有しており、
前記溶着部は、前記第1周縁部と前記第2周縁部とが溶着されている請求項1または請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
積層方向から見たときに、
前記第1発電要素及び前記第2発電要素が、同じ形状の長方形であるとともに、それぞれの長辺及び短辺を揃えて重なっており、
前記溶着部は、前記それぞれの長辺または前記それぞれの長辺の延長線に沿って位置している請求項3に記載の電気化学セル。
【請求項5】
積層方向から見たときに、
前記第1発電要素及び前記第2発電要素が、同じ形状の長方形であるとともに、それぞれの長辺及び短辺を揃えて重なっており、
前記溶着部は、前記それぞれの長辺または前記それぞれの長辺の延長線に沿った長方形状である請求項3または請求項4に記載の電気化学セル。
【請求項6】
積層方向から見たときに、
前記溶着部は、前記第1発電要素の長辺の延長線及び前記第1発電要素の短辺の延長線と前記第1内容器の外周とで囲まれる領域に位置している請求項4または請求項5に記載の電気化学セル。
【請求項7】
積層方向から見たときに、
前記第1発電要素及び前記第2発電要素は、いずれかの辺から外部に延びる端子をそれぞれ有しており、
前記溶着部は、前記それぞれの端子が位置していない辺に沿って位置している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気化学セルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セルとして、例えば、特開2013-48042号(以下、特許文献1という)に記載の電気化学セルが提案されている。特許文献1に記載の電気化学セルは、シート状の電極群と非水電解質と電極群と非水電解質とを密閉収納する第1外装体とを含む薄型電池と、薄型電池を密閉収納する第2外装体と、を備えている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の電気化学セルは、第1発電要素と第1発電要素を収納する第1内容器とを有する第1単セルと、第2発電要素と第2発電要素を収納する第2内容器とを有する第2単セルと、第1単セルと第2単セルとを収納する外容器と、を有し、第1単セルと第2単セルとが積層されており、第1内容器と第2内容器とが溶着されている溶着部を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図2】
図1の電気化学セルX1をII-II線で切断した断面図を示す。
【
図4】
図3の電気化学セルX2をIV-IV線で切断した断面図を示す。
【
図5】電気化学セルX2の外容器から第1単セルと第2単セルとが積層されたものを取り出し、第1単セルと第2単セルとの積層方向から見たときの上面図を示す。
【
図7】
図6の電気化学セルX3をVII-VII線で切断した断面図を示す。
【
図8】電気化学セルX3の外容器から第1単セルと第2単セルとが積層されたものを取り出し、第1単セルと第2単セルとの積層方向から見たときの上面図を示す。
【
図10】
図9の電気化学セルX4をX-X線で切断した断面図を示す。
【
図11】電気化学セルX4の外容器から第1単セルと第2単セルとが積層されたものを取り出し、第1単セルと第2単セルとの積層方向から見たときの上面図を示す。
【
図13】
図12の電気化学セルX5をXIII-XIII線で切断した断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
電気化学セルX1について
図1及び
図2を用いて詳細に説明する。電気化学セルX1は、
図1及び
図2に示すように、第1単セル100と、第2単セル200と、第1単セル100と第2単セル200とを収納する外容器1と、を備えている。また、第1単セル100と第2単セル200とが溶着部4により固定されている。
【0006】
第1単セル100は、電気化学セルX1内で電池として機能する最小の単位の部材である。第1単セル100は、例えば、リチウムイオン電池である。第1単セル100は、第1発電要素3と、第1内容器2と、第1端子8と、を備えている。第1単セル100は、例えば、板状である。第1単セル100は、外部装置に電気的に接続することによって、外部装置へ電気を流すことができる。
【0007】
第1発電要素3は、電気化学反応を利用して電気を蓄え、放出するための部材である。第1発電要素3は、例えば、正極5と、負極6と、正極5及び負極6の間にあるセパレータ7と、を備えている。第1発電要素3は、セパレータ7を通して、正極5と負極6との間で陽イオン及び陰イオンを交換することができる。第1発電要素3は、正極5及び負極6と外部装置とを電気的に接続することによって、外部装置へ電気を流すことができる。
【0008】
第1発電要素3は、例えば、正極5とセパレータ7と負極6とを積層したものである。第1発電要素3は、例えば、板状である。第1発電要素3は、例えば、板状の厚み方向に正極5とセパレータ7と負極6とが積層されている。
【0009】
正極5と負極6とは、例えば、電気化学的に活性な物質である。正極5と負極6とは、例えば、活物質及び電解質を有していてもよい。電解質としては、例えば、溶剤または溶剤混合液に塩を加えたものを用いることができる。
【0010】
具体的には、正極5と負極6としては、例えば、「Semi-Solid Electrodes Having High Rate Capability」と題された米国仮特許出願第61/787,382及び「Asymmetric Battery Having a Semi-Solid Cathode and High Energy Density Anode」と題された米国仮特許出願第61/787,372において記載されている活性物質及び電解物を用いることができる。正極5と負極6とは、例えば、添加剤を有していてもよい。
【0011】
セパレータ7は、正極5と負極6との間で陽イオンと陰イオンを交換するために設けられている部材である。セパレータ7は、例えば、陽イオン及び陰イオンが通過するための微細な穴が開いていてもよい。セパレータ7は、例えば、多孔質の絶縁材料を用いることができる。具体的には、セパレータ7として、例えば、ポリオレフィンまたは塩化ポリビニルを用いることができる。第1発電要素3は、セパレータ7を有していることによって、正極5と負極6とを電気的に絶縁することができる。
【0012】
第1発電要素3は、板状の場合は、例えば、縦50~500mm、横50~300mmおよび厚み0.1~2mmに設定できる。
【0013】
第1内容器2は、第1発電要素3を第1内容器2の内側に包むための空間を有する部材である。第1内容器2は、外的環境から第1発電要素3を保護するために設けられている。より具体的には、第1内容器2は、空気中の酸素及び水から第1発電要素3を保護するために設けられている。第1内容器2は、第1発電要素3全体を覆うように設けられている。第1内容器2は、例えば、袋形状である。第1内容器2は、例えば、1つの部材を袋形状にすることで形成されている。また、第1内容器2は、例えば、2つの部材を溶着して形成されていてもよい。第1内容器2は、例えば、正極5とセパレータ7と負極6との積層方向から見たときに、長方形状であってもよい。
【0014】
第1内容器2は、例えば、絶縁材料を有している。これにより、第1内容器2を介して、外部環境と第1発電要素3とが短絡しにくくすることができる。そのため、第1内容器2が外部環境から第1発電要素3を保護することができる。第1内容器2は、例えば、樹脂材料を有している。より具体的には、樹脂材料として、例えば、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレン等を用いることができる。
【0015】
また、第1内容器2は、例えば、多層構造を有していてもよい。第1内容器2は、例えば、二層構造を有していてもよい。具体的には、第1内容器2は、例えば、熱接着性樹脂材料と耐熱性樹脂材料とを有している。熱接着性樹脂材料は、具体的には、融解する温度が100℃より小さい樹脂である。また、耐熱性樹脂材料は、具体的には、融解する温度が100℃以上300℃以下の樹脂である。耐熱性樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレンナフタレート等を用いることができる。熱接着性樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等を用いることができる。
【0016】
第1内容器2は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに長方形状である場合は、例えば、縦55~550mm、横55~350mmおよび厚み0.1~2.2mmに設定できる。
【0017】
第1端子8は、第1発電要素103と外部装置とを電気的に接続するために設けられている。第1端子8は、例えば、板状である。具体的には、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1端子8は、例えば、四角形状である。第1端子8は、例えば、長方形状であってもよい。長方形状は、例えば、長辺と短辺とを有していてもよい。
【0018】
第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1端子8は、第1発電要素103に接触している。第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1端子8は、第1発電要素103の外周のいずれかの辺に位置している。また、第1端子8は、外部装置に電気的に接続されるために、第1内容器102よりも外に延びている。また、第1端子8は、第1内容器102よりも外で外部接続端子に電気的に接続されている。
【0019】
第1端子8は、例えば、導電性部材である。第1端子8は、例えば、金属材料を有していてもよい。より具体的には、金属材料としては、例えば、アルミニウムまたは銅等を用いることができる。
【0020】
第1端子8は、板形状である場合は、例えば、縦30~100mm、横10~100mmおよび厚み0.1~0.5mmに設定できる。
【0021】
第2単セル200は、第1単セル100と同様に、外部装置に電気を流すために設けられている。電気化学セルX1では、第1単セル100と第2単セル200とが並列に接続されている。これにより、電気化学セルX1の容量を多くすることができる。また、第1単セル100と第2単セル200とが直列に接続されていてもよい。これにより、電気化学セルX1の電圧を高めることができる。
【0022】
第2単セル200は、外容器1内において第1単セル100上に積層されている。第2単セル200は、第2発電要素13と、第2内容器12と、を備えている。第2単セル200は、電気化学セルX1においては、第1単セル100と同じ形状である。ただし、第2単セル200は、例えば、第1単セル100と異なる形状であってもよい。電気化学セルX1においては、第2単セル200は、第1単セル100と外周を揃えて積層されている。ただし、第2単セル200は、第1単セル100と外周を揃えずに積層されていてもよい。
【0023】
第2発電要素13としては、例えば、第1発電要素3に用いられる材料を用いることができる。より具体的には、第2発電要素13は、例えば、第1発電要素3と同じ材料で形成されていてもよい。また、第2発電要素13としては、例えば、第1発電要素3と異なる材料を用いてもよい。
【0024】
第2内容器12は、電気化学セルX1においては、第1内容器2と同じ形状である。ただし、第2内容器12は、例えば、第1内容器2と異なる形状であってもよい。第2内容器12としては、例えば、第1内容器2に用いられる材料を用いることができる。より具体的には、第2内容器12は、第1内容器2と同じ材料を用いてもよい。また、第2内容器12としては、例えば、第1内容器2と異なる材料を用いてもよい。
【0025】
第2単セル200は、例えば、第1単セル100と同じ寸法に設定できる。また、第2単セル200は、例えば、第1単セル100と異なる寸法であってもよい。
【0026】
外容器1は、第1単セル100と第2単セル200とを外容器1の内側に包むための空間を有する部材である。外容器1は、外部環境から第1単セル100と第2単セル200とを保護するための部材である。より具体的には、外容器1は、空気中の酸素及び水分から第1単セル100と第2単セル200とを保護するための部材である。外容器1は、例えば、袋形状である。外容器1は、例えば、1つの部材を袋形状にすることで形成されている。また、外容器1は、例えば、2つの部材を溶着して形成されていてもよい。外容器1は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、長方形状であってもよい。
【0027】
外容器1は、例えば、絶縁材料を有している。これにより、外容器1を介して、外部環境と第1単セル100及び第2単セル200とが短絡しにくくすることができる。そのため、外容器1が外部環境から第1単セル100と第2単セル200とを保護することができる。絶縁材料としては、例えば、樹脂材料を用いることができる。より具体的には、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレン等を用いることができる。
【0028】
外容器1は、例えば、多層構造を有している。外容器1は、例えば、三層構造を有していてもよい。具体的には、外容器1は、例えば、第1絶縁層と防湿層と第2絶縁層とを有していてもよい。このとき、防湿層は、例えば、第1絶縁層と第2絶縁層との間に位置している。具体的には、防湿層は、例えば、第1絶縁層と第2絶縁層とに覆われていてもよい。
【0029】
第1絶縁層は、例えば、樹脂材料を有している。具体的には、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレンナフタレート等を用いることができる。
【0030】
防湿層は、第1樹脂層を浸透してきた酸素や水を第2樹脂層に到達しにくくするために設けられている。防湿層は、例えば、金属材料を有している。具体的には、金属材料としては、例えば、アルミニウムまたは銅等を用いることができる。
【0031】
第2樹脂層は、例えば、樹脂材料を有している。具体的には、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等を用いることができる。
【0032】
外容器1が防湿層を有することにより、第1樹脂層を浸透してきた酸素や水から第1単セル100と第2単セル200とを保護することができる。その結果、第1単セル100と第2単セル200とが破損する可能性を低減することができる。
【0033】
外容器1は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに長方形状である場合、例えば、縦60~600mm、横60~400mmおよび厚み1~20mmに設定できる。
【0034】
溶着部4は、第1内容器2と第2内容器12とが溶着された部分である。溶着部4は、第1単セル100と第2単セル200とを固定するために設けられている。溶着部4は、例えば、第1内容器2の材料及び第2内容器12の材料が相互に拡散していてもよい。また、溶着部4は、例えば、第1内容器2の材料及び第2内容器12の材料が絡み合っていてもよい。また、溶着部4は、例えば、第1内容器2の材料の分子及び第2内容器12の材料の分子が一定の規則で配列している結晶性の部分を有していてもよい。
【0035】
図2に示すように、第1内容器2と第2内容器12とが溶着されていることにより、第1単セル100と第2単セル200とが外容器1内で固定される。そのため、電気化学セルX1を大型化することなく第1単セル100と第2単セル200との位置がずれてしまう可能性を低減することができる。その結果、固定した部位において厚みが部分的に増す可能性を低減しつつ、電気化学セルX1の電気的な接続の信頼性が損なわれる可能性を低減することができる。
【0036】
図2に示すように、溶着部4は、例えば、第1発電要素3と第2発電要素13との間に位置している。溶着部4は、例えば、板状である。また、溶着部4は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、例えば、帯状である。また、溶着部4は、例えば、四角形状であってもよい。溶着部4は、四角形状であった場合には、例えば、四角形状の角が丸くてもよい。これにより、四角形状の溶着部4の角に外力が集中しにくくなり、溶着部4が破損する可能性を低減することができる。
【0037】
溶着部4は、例えば、絶縁材料を有している。絶縁材料としては、例えば、樹脂材料を用いることができる。具体的には、溶着部4としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレン等を用いてもよい。
【0038】
また、溶着部4としては、例えば、溶着した際に光の透過率が変わる材料を用いることができる。これにより、溶着部4を視覚的に確認しやすくすることができる。また、溶着部4としては、例えば、溶着した際に硬度が大きくなる材料を用いてもよい。これにより、電気化学セルX1が外力を受けて変形する可能性を低減することができる。その結果、電気化学セルX1の電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0039】
溶着部4は、板状である場合、例えば、縦1~100mm、横1~20mmおよび厚み0.02~1mmに設定できる。
【0040】
溶着部4は、例えば、第1内容器2と第2内容器12とを超音波溶接することで形成される。以下に、より具体的に超音波溶接の方法を説明する。まず、台上に第1内容器2と第2内容器12とを固定し、第1内容器2と第2内容器12とを溶着する位置にホーンを接触させる。ここで言うホーンは、例えば、20~40kHzの周波数で振動する部材である。ホーンは、溶着する位置に接触するヘッド部分と、振動をヘッド部分に伝える接続部を有している。ヘッド部分は、具体的には、例えば、第1内容器2と第2内容器12との積層方向から見たときに、長方形状である。また、ヘッド部分は、例えば、正方形状であってもよい。
【0041】
次に、ホーンを振動させ、第1内容器2と第2内容器12とに振動エネルギーを与える。ホーンから伝わった振動エネルギーにより、第1内容器2と第2内容器12とが接触する界面が溶融する。その後、第1内容器2と第2内容器12とが溶融した部分に圧力を加えながら冷却することで、溶着部4が形成される。
【0042】
また、溶着部4は、例えば、第1内容器2と第2内容器12とをヒートシールすることで形成されてもよい。以下により具体的にヒートシールの方法を説明する。まず、加熱した金属板を第1内容器2と第2内容器12とを溶着する位置に接触させる。次に、第1内容器2と第2内容器12とに熱を加えて溶融させる。その後、第1内容器2と第2内容器12とが溶融した部分を冷却することで、溶着部4が形成される。
【0043】
金属板は、例えば、100~200℃に加熱されている。金属板は、例えば、板状である。具体的には、金属板は、第1内容器2と第2内容器12との積層方向から見たときに、長方形状である。また、金属板は、例えば、正方形状であってもよい。
【0044】
また、溶着部4は、超音波溶接とヒートシールとの方法に限定されず任意の方法によって形成されてもよい。
【0045】
電気化学セルX2について
図3~5を用いて詳細に説明する。電気化学セルX2は、
図3及び
図4に示すように、第1単セル100と、第2単セル200と、第1単セル100と第2単セル200とを収納する外容器1と、を備えている。また、第1単セル100と第2単セル200とが溶着部14により固定されている。
【0046】
電気化学セルX2は、電気化学セルX1と比較して、第1発電要素103の形状と第1内容器102の形状と第2発電要素113の形状と第2内容器112の形状とが異なる。さらに、電気化学セルX2は、電気化学セルX1と比較して、溶着部14の位置および形状が異なる。それ以外については電気化学セルX1と同様であるので説明を省略する。
【0047】
第1単セル100は、第1発電要素103と第1内容器102とを有している。第1発電要素103は、例えば、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見て、長方形状である。より具体的には、第1発電要素103は、例えば、長辺と短辺とを有する長方形状であってもよい。
【0048】
第1内容器102は、例えば、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見て、長方形状である。より具体的には、第1内容器102は、例えば、長辺と短辺とを有する長方形状であってもよい。また、第1内容器102は、第1周縁部A1を有している。第1周縁部A1は、第1内容器102の周りに位置する部分である。具体的には、第1周縁部A1は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1内容器102の外周から第1発電要素103の外周までの領域を意味している。すなわち、第1周縁部A1は、第1発電要素103と第1内容器102とが重ならない領域である。
【0049】
第2単セル200は、第2発電要素113と第2内容器112とを有している。第2発電要素113は、電気化学セルX2においては、第1発電要素103と同じ形状である。ただし、第1発電要素103と第2発電要素113とは異なる形状であってもよい。また、第2発電要素113は、第1発電要素103で用いられる材料を用いることができる。より具体的には、第2発電要素113は、例えば、第1発電要素103と同じ材料で形成されていてもよい。
【0050】
第2内容器112は、電気化学セルX2においては、第1内容器102と同じ形状である。ただし、第2内容器112と第1内容器102とは、例えば、異なる形状であってもよい。また、第2内容器112は、第1内容器102に用いられる材料を用いることができる。具体的には、第2内容器112は、例えば、第1内容器102と同じ材料で形成されていてもよい。また、第2内容器112は、第2周縁部A2を有している。第2周縁部A2は、第2内容器112の周りの部分である。具体的には、第2周縁部A2は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第2内容器112の外周から第2発電要素113の外周までの領域を意味している。すなわち、第2発電要素113と第2内容器112とが重ならない領域である。
【0051】
第1発電要素103と第2発電要素113とは、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、それぞれの長辺及びそれぞれの短辺を揃えて積層されている。また、第1内容器102と第2内容器112とは、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、それぞれの長辺及びそれぞれの短辺を揃えて積層されている。
【0052】
なお、
図4においては、第1発電要素103及び第2発電要素113の正極5とセパレータ7と負極6を省略している。
【0053】
図4に示すように、溶着部14は、第1周縁部A1と第2周縁部A2とが溶着されている。これにより、溶着部14が第1内容器102及び第2内容器112と第1発電要素103及び第2発電要素113とが重なる部分に位置しているときと比べて、溶着部14と第1発電要素103及び第2発電要素113と間に間隔をあけることができる。そのため、溶着部14において、第1発電要素103及び第2発電要素113から発生した熱による熱応力の影響を小さくすることができる。その結果、溶着部14が破損する可能性を低減することができる。
【0054】
図5においては、電気化学セルX2の外容器1から第1単セル100と第2単セル200とが積層されたものを取り出し、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときの上面図を示している。第1内容器102と第2内容器112とを透過して第1発電要素103と第2発電要素113との積層方向から見たときの第1発電要素103と第2発電要素113との外周を、点線で示している。また、第1発電要素103と第2発電要素113とのそれぞれの長辺の延長線を、仮想線として一点鎖線で示している。
【0055】
図4及び
図5に示すように、溶着部14は、複数あってもよい。これにより、複数の溶着部14は、外力を複数の溶着部14に分散することができる。そのため、外力が1つの溶着部14に集中しにくくすることができる。その結果、溶着部14が破損する可能性を低減することができる。
【0056】
また、
図5に示すように、溶着部14は、第1発電要素103及び第2発電要素113のそれぞれの長辺に沿って位置していてもよい。また、溶着部14は、第1発電要素103及び第2発電要素113のそれぞれの長辺の延長線に沿って位置していてもよい。これにより、外力を受けやすい長辺に沿って溶着部が位置することで、第1単セル100または第2単セル200が短辺方向に位置ずれする可能性を低減することができる。その結果、電気化学セルの電気的な接続の信頼性を向上することができる。
【0057】
また、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、溶着部14は、例えば、四角形状である。具体的には、溶着部14は、例えば、長辺を有する長方形であってもよい。このとき、溶着部14の長辺が、第1発電要素103のそれぞれの長辺に沿っていてもよい。これにより、外力を受けやすい長辺に沿って溶着部が位置することができる。そのため、第1単セル100または第2単セル200が短辺方向に位置ずれする可能性を低減することができる。その結果、電気化学セルの電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0058】
電気化学セルX3について
図6~8を用いて詳細に説明する。電気化学セルX3は、
図6及び
図7に示すように、第1単セル100と、第2単セル200と、第1単セル100と第2単セル200とを収納する外容器1と、を備えている。さらに、第1単セル100と第2単セル200とが溶着部24により固定されている。電気化学セルX3は、電気化学セルX2と比較して、溶着部24の位置が異なる点と溶着部24が凸部9を有する点とで相違する。それ以外については電気化学セルX2と同様であるので説明を省略する。
【0059】
図8においては、
図5と同様に、電気化学セルX3の外容器1から第1単セル100と第2単セル200とがそれぞれの長辺とそれぞれの短辺を揃えて積層されたものを取り出し、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときの上面図を示している。また、第1発電要素103と第2発電要素113とのそれぞれの長辺及びそれぞれの短辺の延長線を、仮想線として一点鎖線で示している。
【0060】
図8に示すように、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、溶着部24は、第1周縁部A1及び第2周縁部A2の四隅に位置していてもよい。より具体的には、第1周縁部A1及び第2周縁部A2の四隅は、第1発電要素103及び第2発電要素113のそれぞれの長辺の延長線と第1発電要素103及び第2発電要素113のそれぞれの短辺の延長線と第1内容器102及び第2内容器112の外周とで囲まれる領域を意味する。これにより、外力が集中しやすい第1単セル100及び第2単セル200の四隅の領域において、第1単セル100及び第2単セル200が変形しにくくすることができる。その結果、電気化学セルの電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0061】
また、
図7及び
図8に示すように、溶着部24は凸部9を有している。凸部9は、溶着部24にかかる外力を凸部9自身に分散させるために設けられている。これにより、溶着部24が破損する可能性を低減することができる。凸部9は、例えば、溶着部24に隣り合う位置に設けられている。具体的には、凸部9は、例えば、溶着部24の外周に沿って位置していてもよい。
【0062】
電気化学セルX3において、凸部9は、線状である。より具体的には、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、凸部9は、枠状である。また、
図7に示すように、凸部9の断面は、半円形状である。
【0063】
凸部9は、例えば、絶縁材料を有している。絶縁材料としては、例えば、樹脂材料を用いてもよい。より具体的には、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレン等を用いてもよい。
【0064】
また、凸部9を溶着部24と同じ材料で形成することができる。そのため、凸部9と溶着部24との熱膨張率を同じにすることができる。その結果、熱膨張率の違いにより、凸部9と溶着部24とが剥離してしまう可能性を低減することができる。凸部9は、例えば、溶着部24を形成する際に、同時に形成されていてもよい。
【0065】
また、凸部9は、例えば、溶着部24と異なる材料で形成されてもよい。より具体的には、凸部9は、溶着部24よりも弾性率が高くてもよい。これにより、凸部9に外力が加わった際に、凸部9が変形することで、溶着部24に外力が伝わりにくくすることができる。そのため、溶着部24が破損する可能性を低減することができる。
【0066】
また、1つの溶着部24につき、凸部9は、例えば、複数あってもよい。これにより、複数の凸部9に外力を分散させることができるため、1つの凸部9に外力が集中しにくくなる。そのため、凸部9が破損する可能性を低減することができる。
【0067】
凸部9は、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに線状である場合、例えば、縦1~50mm、横1~10mmおよび厚み0.1~5mmに設定できる。
【0068】
電気化学セルX4について
図9~11を用いて詳細に説明する。電気化学セルX4は、電気化学セルX3と比較して、第1単セル100が第1端子8を有する点と第2単セル200が第2端子18を有する点とで相違する。さらに、電気化学セルX4は、電気化学セルX3と比較して、溶着部34の位置が異なる点で相違する。それ以外については電気化学セルX3と同様であるので説明を省略する。
【0069】
図11においては、
図8と同様に、電気化学セルX4の外容器1から第1単セル100と第2単セル200とがそれぞれの長辺とそれぞれの短辺を揃えて積層されたものを取り出し、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときの上面図を示している。
【0070】
第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1発電要素103は、いずれかの辺から外部に延びる第1端子8を有している。第1端子8は、第1発電要素103と外部装置とを電気的に接続するために設けられている。第1端子8は、例えば、板状である。具体的には、第1端子8は、例えば、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、四角形状である。第1端子8は、例えば、長方形状であってもよい。具体的には、長方形状は、例えば、長辺と短辺とを有していてもよい。
【0071】
電気化学セルX4において、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1端子8は、第1発電要素103に接触している。第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1端子8は、第1発電要素103の外周のいずれかの辺に位置している。また、第1端子8は、外部装置と電気的に接続されるために、第1内容器102外に延びている。
【0072】
第1端子8は、例えば、導電性部材である。第1端子8は、例えば、金属材料を有していてもよい。より具体的には、金属材料としては、例えば、アルミニウムまたは銅等を用いることができる。
【0073】
第1端子8は、板形状である場合は、例えば、縦30~100mm、横10~100mmおよび厚み0.1~0.5mmに設定できる。
【0074】
第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第2発電要素113は、いずれかの辺から外部に延びる第2端子18を有している。電気化学セルX4においては、第2端子18は、第1端子8と同じ形状である。ただし、第2端子18は、例えば、第1端子8と異なる形状であってもよい。また、第2端子18は、第1端子8に用いられる材料を用いることができる。具体的には、第2端子18は、例えば、第1端子8と同じ材料で形成されていてもよい。
【0075】
電気化学セルX4において、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第2端子18は、第1発電要素103の外周のいずれかの辺に位置している。また、第2端子18は、外部装置と電気的に接続されるために、第2内容器112外に延びている。また、電気化学セルX4においては、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第2端子18は、第1端子8と外周を揃えて重なっている。なお、
図11において、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、第1端子8及び第2端子18と第1内容器102及び第2内容器112とが重なっている部分を点線で示している。
【0076】
積層方向から見たときに、第1発電要素103及び第2発電要素113は、いずれかの辺から外部に延びる端子をそれぞれ有している。そして、溶着部34は、それぞれの端子が位置していない辺に沿って位置していてもよい。これにより、外部から揺れが電気化学セルX4に伝わった際に、外部装置に固定されているそれぞれの端子から離れた位置で電気化学セルX4に加わる外力の影響を低減することができる。
【0077】
電気化学セルX4において、
図11に示すように、第1単セル100と第2単セル200との積層方向から見たときに、溶着部34は、第1端子8及び第2端子18が位置していない第1発電要素103及び第2発電要素113の外周の辺に沿って位置している。より具体的には、第1端子8及び第2端子18が位置していない第1発電要素103及び第2発電要素113の外周の辺とは、第1発電要素103及び第2発電要素113の外周の辺と第1端子8及び第2端子18とが重なっていない辺のことを意味している。そのため、溶着部34が第1端子8及び第2端子18が位置しない辺に沿って位置することで、第1端子8及び第2端子18から距離が離れている位置において、第1単セル100と第2単セル200とを固定することができる。そのため、第1単セル100及び第2単セル200に加わる外力の影響を低減することができる。その結果、電気化学セルX4の電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0078】
また、
図10に示すように、電気化学セルX4においては、溶着部34は、セパレータ7を介して第1内容器102と第2内容器112とが溶着されている。このとき、第1発電要素103の一部であるセパレータ7と第1内容器102とが溶着部34により固定される。また、第2発電要素113の一部であるセパレータ7と第2内容器112とが溶着部34により固定される。そのため、第1発電要素103と第1内容器102との位置がずれてしまう可能性を低減できる。また、第2発電要素113と第2内容器112との位置がずれてしまう可能性を低減することができる。その結果、第1単セル100及び第2単セル200の電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0079】
電気化学セルが有する単セルは2つに限定されない。電気化学セルは、3つ以上の単セルを有していてもよい。その場合、溶着部は、3つ以上の単セルのうち少なくとも2つを固定していればよい。電気化学セルX5においては、3つの単セルを有している。電気化学セルX5について
図12及び
図13を用いて詳細に説明する。電気化学セルX5において、溶着部44は、3つの単セルをまとめて固定している。
【0080】
電気化学セルX5は、
図12及び
図13に示すように、第1単セル100と、第2単セル200と、第3単セル300と、第1単セル100と第2単セル200と第3単セル300とを収納する外容器1と、を備えている。さらに、第1単セル100と第2単セル200と第3単セル300とが溶着部44により固定されている。
【0081】
電気化学セルX5は、電気化学セルX4と比較して、第3単セル300を有する点で異なる。電気化学セルX5は、それ以外は電気化学セルX4と同様であるので省略する。
【0082】
第3単セル300は、第3発電要素23と、第3内容器22と、を有している。第3発電要素23は、電気化学セルX5においては、第1発電要素103と第2発電要素113と同じ形状である。ただし、第3発電要素23は、第1発電要素103と第2発電要素113と異なる形状であってもよい。また、第3発電要素23は、第1発電要素103と第2発電要素113とに用いられる材料を用いることができる。より具体的には、第3発電要素23は、例えば、第1発電要素103と第2発電要素113と同じ材料で形成されていてもよい。第1発電要素103と第2発電要素113と第3発電要素23との積層方向から見たときに、第1発電要素103と第2発電要素113と第3発電要素23とは、長辺と短辺とを有する長方形状をしている。第1発電要素103と第2発電要素113と第3発電要素23とは、それぞれの長辺及びそれぞれの短辺を揃えて積層されている。
【0083】
第3内容器22は、電気化学セルX5においては、第1内容器102と第2内容器112と同じ形状である。ただし、第3内容器22は、例えば、第1内容器102と第2内容器112と異なる形状であってもよい。また、第3内容器22は、第1内容器102と第2内容器112とに用いられる材料を用いることができる。具体的には、第3内容器22は、例えば、第1内容器102と第2内容器112と同じ材料で形成されていてもよい。
【0084】
電気化学セルX5は、第1単セル100と第2単セル200と第3単セル300とが溶着された溶着部44を有している。溶着部44は、第1単セル100と第2単セル200と第3単セル300とを固定するために設けられている。より具体的には、
図13に示すように、溶着部44は、第1単セル100と第2単セル200と第3単セル300とをまとめて固定している。これにより、少なくとも2つの単セルを固定するときと比較して、より強固に第1単セル100と第2単セル200と第3単セル300とを固定することができる。そのため、電気化学セルX5の電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0085】
なお、説明を簡単にするため、
図1から
図13において、各単セルと各発電要素と各内容器と各端子とがそれぞれ同じ形状で外周を揃えた状態で図示したが、厳密な意味で同じ形状で外周が揃っていなくてもよい。例えば、第1発電要素103と第2発電要素113とは、5mm以内の誤差なら、それぞれ同じ形状であるとともに、それぞれ外周を揃えて重なっているとみなすことができる。これは各単セルと各内容器と各端子とについても同様である。
【0086】
本開示は、以下の構成(1)~(7)の態様で実施可能である。
【0087】
(1)第1発電要素と前記第1発電要素を収納する第1内容器とを有する第1単セルと、
第2発電要素と前記第2発電要素を収納する第2内容器とを有する第2単セルと、
前記第1単セルと前記第2単セルとを収納する金属材料を含む外容器と、を有し、
前記第1単セルと前記第2単セルとが積層されており、
前記第1内容器と前記第2内容器とが溶着されている溶着部を有する電気化学セル。
【0088】
(2)前記溶着部を複数有する上記(1)に記載の電気化学セル。
【0089】
(3)積層方向から見たときに、
前記第1発電要素の全体が前記第1内容器の外周よりも内側に位置しているとともに、前記第1内容器が前記第1発電要素と重ならない第1周縁部を有しており、
前記第2発電要素の全体が前記第2内容器の外周よりも内側に位置しているとともに、前記第2内容器が前記第1発電要素と重ならない第2周縁部を有しており、
前記溶着部は、前記第1周縁部と前記第2周縁部とが溶着されている上記(1)または(2)に記載の電気化学セル。
【0090】
(4)積層方向から見たときに、
前記第1発電要素及び前記第2発電要素が、同じ形状の長方形であるとともに、それぞれの長辺及び短辺を揃えて重なっており、
前記溶着部は、前記それぞれの長辺または前記それぞれの長辺の延長線に沿って位置している上記(3)に記載の電気化学セル。
【0091】
(5)積層方向から見たときに、
前記第1発電要素及び前記第2発電要素が、同じ形状の長方形であるとともに、それぞれの長辺及び短辺を揃えて重なっており、
前記溶着部は、前記それぞれの長辺または前記それぞれの長辺の延長線に沿った長方形状である上記(3)または(4)に記載の電気化学セル。
【0092】
(6)積層方向から見たときに、
前記溶着部は、前記第1発電要素の長辺の延長線及び前記第1発電要素の短辺の延長線と前記第1内容器の外周とで囲まれる領域に位置している上記(4)または(5)に記載の電気化学セル。
【0093】
(7)積層方向から見たときに、
前記第1発電要素及び前記第2発電要素は、いずれかの辺から外部に延びる端子をそれぞれ有しており、
前記溶着部は、前記それぞれの端子が位置していない辺に沿って位置している上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【符号の説明】
【0094】
X1~X5 電気化学セル
1 外容器
2、102 第1内容器
3、103 第1発電要素
4、14、24、34、44 溶着部
5 正極
6 負極
7 セパレータ
8 第1端子
9 凸部
12、112 第2内容器
13、113 第2発電要素
18 第2端子
22 第3内容器
23 第3発電要素
28 第3端子
100 第1単セル
200 第2単セル
300 第3単セル
A1 第1周縁部
A2 第2周縁部