(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025104926
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】シート材の治具及びシート材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B05C 13/02 20060101AFI20250703BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20250703BHJP
H01M 4/88 20060101ALN20250703BHJP
【FI】
B05C13/02
B05C11/00
H01M4/88 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223114
(22)【出願日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】黒須 文美
(72)【発明者】
【氏名】櫛谷 尚紀
【テーマコード(参考)】
4F042
5H018
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA08
4F042DF07
4F042DF11
4F042DF29
5H018BB06
5H018BB08
5H018DD08
(57)【要約】
【課題】MPL片の剥落に起因するコンタミネーションを防止し、ガス拡散層及び電極触媒層を有するシート材を精度良く製造できるシート材の治具及びシート材の製造方法を提供すること。
【解決手段】シート材60の治具10は、シート材60の塗工領域61の外側の端部62を当該シート材60の厚み方向の一側から支持する支持部材としてのSUS治具40と、シート材60の端部62を厚み方向の他側からSUS治具40とともに挟み込んで固定する固定部材としてのマグネット50と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス拡散層を有するシート材に電極触媒層を塗工する塗工装置で前記シート材の固定に用いられる治具であって、
前記シート材の塗工領域の外側の端部を当該シート材の厚み方向の一側から支持する支持部材と、
前記シート材の前記端部を厚み方向の他側から前記支持部材とともに挟み込んで固定する固定部材と、
を備える、シート材の治具。
【請求項2】
前記シート材の前記塗工領域の裏側を前記厚み方向の一側から支持する支持台を更に備える、請求項1に記載のシート材の治具。
【請求項3】
前記支持台の支持面に配置され、前記シート材の裏側に接着する粘着シートを更に備える、請求項2に記載のシート材の治具。
【請求項4】
前記支持部材における前記端部を支持する部位は、その前記厚み方向の長さが前記支持台の高さに前記粘着シートの厚みを加えた長さに設定される、請求項3に記載のシート材の治具。
【請求項5】
前記固定部材はマグネットにより構成され、
前記支持部材は磁力によって前記固定部材と引き合う金属により構成される、請求項1から4の何れかに記載のシート材の治具。
【請求項6】
ガス拡散層及び電極触媒層を有するシート材の製造方法であって、
前記ガス拡散層を有するシート材の塗工領域の外側の端部を当該シート材の厚み方向の一側から支持する支持部材と、前記シート材の前記端部を厚み方向の他側から前記支持部材とともに挟み込んで固定する固定部材と、によって前記シート材を固定した状態で前記電極触媒層を塗工するステップと、
前記電極触媒層を塗装した前記シート材を前記支持部材と前記固定部材の固定状態を維持したまま塗工位置から上方に移動させ、乾燥炉に配置するステップと、
を含む、シート材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材の治具及びシート材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解質膜・電極構造体を構成する材料として、シート状の触媒被覆拡散媒体(CCDM)が用いられている。この種のシート状の触媒被覆拡散媒体が記載されるものとして例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シート状の触媒被覆拡散媒体を枚葉で製造する場合、ガス拡散層が形成されたシート材(GDL)を卓上ダイコーダにセットした状態で、当該シート材(GDL)の表面に電極触媒層が塗工によって形成される。
【0005】
GDLは、ポーラスセラミック治具を利用したエア吸引と粘着シートによってポーラスセラミック治具上に固定される。そのため、GDLに電極触媒層が形成されたシート状の触媒被覆拡散媒体を塗工後に卓上ダイコーダから剥がす際に、シート状の触媒被覆拡散媒体が斜めとなり、MPL(Micro Porous Layer)片の剥落が生じる。MPL片の剥落は、触媒被覆拡散媒体の表面でコンタミネーションの原因となる。
【0006】
本発明は、MPL片の剥落に起因するコンタミネーションを防止し、ガス拡散層及び電極触媒層を有するシート材を精度良く製造できるシート材の治具及びシート材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明は、ガス拡散層を有するシート材(例えば、後述するシート材60)に電極触媒層を塗工する塗工装置(例えば、後述する塗工装置1)で前記シート材の固定に用いられる治具(例えば、後述する治具10)であって、前記シート材の塗工領域(例えば、後述する塗工領域61)の外側の端部(例えば、後述する端部62)を当該シート材の厚み方向の一側から支持する支持部材(例えば、後述するSUS治具40)と、前記シート材の前記端部を厚み方向の他側から前記支持部材とともに挟み込んで固定する固定部材(例えば、後述するマグネット50)と、を備える、シート材の治具である。
【0008】
(2)上記(1)にシート材の治具は、前記シート材の前記塗工領域の裏側を前記厚み方向の一側から支持する支持台(例えば、後述する支持台22)を更に備えてもよい。
【0009】
(3)上記(2)にシート材の治具は、前記支持台の支持面に配置され、前記シート材の裏側に接着する粘着シート(例えば、後述する粘着シート25)を更に備える。
【0010】
(4)上記(3)にシート材の治具において、前記支持部材における前記端部を支持する部位は、その前記厚み方向の長さが前記支持台の高さに前記粘着シートの厚みを加えた長さに設定される。
【0011】
(5)上記(1)から(4)の何れかに記載のシート材の治具において、前記固定部材はマグネットにより構成され、前記支持部材は磁力によって前記固定部材と引き合う金属により構成される。
【0012】
(6) また、本発明は、ガス拡散層及び電極触媒層を有するシート材(例えば、後述するシート材60)の製造方法であって、前記ガス拡散層を有するシート材の塗工領域(例えば、後述する塗工領域61)の外側の端部(例えば、後述する端部62)を当該シート材の厚み方向の一側から支持する支持部材(例えば、後述するSUS治具40)と、前記シート材の前記端部を厚み方向の他側から前記支持部材とともに挟み込んで固定する固定部材(例えば、後述するマグネット50)と、によって前記シート材を固定した状態で前記電極触媒層を塗工するステップと、前記電極触媒層を塗装した前記シート材を前記支持部材と前記固定部材の固定状態を維持したまま塗工位置から上方に移動させ、乾燥炉(例えば、後述する乾燥炉5)に配置するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、MPL片の剥落に起因するコンタミネーションを防止し、ガス拡散層及び電極触媒層を有するシート材を精度良く製造できるシート材の治具及びシート材の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシート材の治具を塗工装置に配置した状態を示す模式図である。
【
図2】本実施形態のシート材の治具が有するポーラスセラミック治具及びSUS治具の斜視図である。
【
図3】卓ダイ定盤に配置されたポーラスセラミック治具の断面図である。
【
図4】シート材を固定したポーラスセラミック治具とSUS治具の断面図である。
【
図5】塗工中のシート材を固定したポーラスセラミック治具とSUS治具の断面図である。
【
図6】電極触媒層が形成されたシート材を固定したSUS治具をポーラスセラミック治具から離間した様子を示す斜視図である。
【
図7】電極触媒層が形成されたシート材を固定したSUS治具を乾燥炉に配置した状態を示す模式図である。
【
図8】従来のシート材の斜め剥がしによって生じるMPL片を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るシート材60の治具10を塗工装置1に配置した状態を示す模式図である。
図1に示す塗工装置1は、塗工対象のシート材60に対して均一な膜厚の塗工層を形成する卓上ダイコーダである。
【0017】
本実施形態において、塗工対象のシート材60は、カーボンペーパーを基材とし、この基材に対してガス拡散層を形成することによって構成されるGDL(Gas Diffusion Layer)である。塗工装置1でシート材60に形成される塗工層は、電極触媒層である。電極触媒層は、例えば、カーボン材にPt等を担持させたカソード電極である。
【0018】
塗工装置1は、GDLに対して電極触媒層を塗工することにより、電極触媒層とガス拡散層とを有する触媒被覆拡散媒体(CCDM:Catalyst-Coated Diffusion Media)を製造する。
【0019】
本実施形態の塗工装置1は、シート材60に対して均一な膜厚の塗工層を形成するスロットダイ2と、スロットダイ2によって塗工層が形成されるシート材60を設置する卓ダイ定盤3と、を備える。卓ダイ定盤3は、治具10にセットされたシート材60に対してエア吸引する吸引機能を有する。この吸引機能により、塗工対象の位置が安定的に保持される。
【0020】
図2を参照し、ガス拡散層を有するシート材60に電極触媒層を塗工する塗工装置1でシート材60の固定に用いられる治具10について説明する。
図2は、本実施形態のシート材60の治具10が有するポーラスセラミック治具20及びSUS治具40の斜視図である。
図2に示すように、治具10は、ポーラスセラミック治具20と、SUS治具40と、を備える。
【0021】
ポーラスセラミック治具20は、内部に多数のポーラス(多孔質体)を有するセラミックによって構成される。ポーラスセラミック治具20は、卓ダイ定盤3に配置される。卓ダイ定盤3の吸引力とポーラスセラミック治具20のポーラスによってポーラスセラミック治具20の上面には負圧が発生する。
【0022】
本実施形態のポーラスセラミック治具20は、卓ダイ定盤3に設置される平板状のベース21と、ベース21の中央に位置する支持台22と、を備える。ベース21と支持台22によってポーラスセラミック治具20の上面には段差が形成される。本実施形態では、ベース21と支持台22は、一体的に構成される。
【0023】
SUS治具40は、磁石と引き合うステンレス(金属)によって構成される。本実施形態では、SUS治具40は、ポーラスセラミック治具20の上側に配置される。
【0024】
本実施形態のSUS治具40は、中央に支持台22の形状に応じた矩形孔42が形成される枠部41と、枠部41の両側に設置される折曲げ部43と、を備える。枠部41は、シート材60の端部62を後述するマグネット50とともに挟み込む挟持部分として機能する。折曲げ部43は、枠部41から外側に向かうにつれて斜め上方に延びた後、更に外側に水平方向に延びるように形成される。折曲げ部43は、SUS治具40の着脱時に把持部として機能させることができる。
【0025】
次に、
図3~
図7を参照し、ガス拡散層が形成されたシート材60に対して電極触媒層65を形成して触媒被覆拡散媒体(CCDM)を製造する処理について説明する。
【0026】
図3は、卓ダイ定盤3に配置されたポーラスセラミック治具20の断面図である。
図3は、
図2におけるA-A線断面矢視図である。
図3に示すように、ポーラスセラミック治具20は、支持台22の上面(支持面)に粘着シート25が配置される。本実施形態の粘着シート25は、その下面には粘着領域が形成されず、シート材60に接触する上面に粘着領域が形成される。粘着シート25の下面が卓ダイ定盤3のエア吸引によって吸引される。
【0027】
図4は、シート材60を固定したポーラスセラミック治具20とSUS治具40の断面図である。まず、SUS治具40とマグネット50により、シート材60を固定する固定作業が事前に行われる。このシート材60の固定作業では、シート材60は、塗工領域61がSUS治具40の枠部41の矩形孔42に重なるとともに、シート材60の端部62が枠部41に下から支持されるように配置される。シート材60の端部62は、シート材60における塗工領域61の外側であって矩形孔42の外側に位置する。
【0028】
SUS治具40にシート材60を配置した状態で、マグネット50がシート材60の端部62に配置される。マグネット50は、複数配置される。本実施形態では、4個のマグネット50が矩形状のシート材60の4隅に配置される。磁性体を有するSUS治具40とマグネット50により、シート材60の端部62が上下方向で挟み込まれた状態となる。なお、このシート材60の固定作業は、不図示のセット治具を用いて別の場所で予め行われてもよい。
【0029】
SUS治具40とマグネット50により固定されたシート材60がポーラスセラミック治具20の上に配置される。SUS治具40は、枠部41の矩形孔42の内側にポーラスセラミック治具20の支持台22が位置するように配置される。そして、シート材60は、その塗工領域61の裏側の面が支持台22に吸引固定される粘着シート25の上面に接着保持される。
【0030】
また、SUS治具40の枠部41の厚み方向の長さをT1とし、ポーラスセラミック治具20のベース21から突出する支持台22の高さ(厚み方向の長さ)をT2とし、粘着シート25の厚み方向の長さをT3とする。本実施形態では、T1=T2+T3が成立するように、SUS治具40、ポーラスセラミック治具20及び粘着シート25が構成される。この例では、厚み方向は上下方向と一致しており、SUS治具40の枠部41の上面と粘着シート25の上面は、それぞれの高さ方向の位置が一致している。従って、シート材60の塗工領域61と端部62が同じ高さで保持される。
【0031】
図5は、塗工中のシート材60を固定したポーラスセラミック治具20とSUS治具40の断面図である。
図5に示すように、治具10によってシート材60が固定された状態で塗工処理が行われる。この塗工処理により、シート材60に電極触媒層65が形成される。
【0032】
図6は、電極触媒層65が形成されたシート材60を固定したSUS治具40をポーラスセラミック治具20から離間した様子を示す斜視図である。
図6に示すように、電極触媒層65が形成されたシート材60を塗工装置1から取り出すために、マグネット50を取り外すことなくSUS治具40をポーラスセラミック治具20から上方に移動させる。マグネット50とSUS治具40による固定により、電極触媒層65が形成されたシート材60もSUS治具40と一体的に移動する。
【0033】
なお、粘着シート25の粘着力は、SUS治具40を持ち上げる移動に伴ってシート材60の下面から簡単に離間する程度に設定されているものとする。
【0034】
図7は、電極触媒層65が形成されたシート材60を固定したSUS治具40を乾燥炉5に配置した状態を示す模式図である。
図7に示すように、塗装処理が完了して電極触媒層65が形成されたシート材60は、マグネット50とSUS治具40ごと乾燥炉5に投入される。例えば、シート材60は、マグネット50とSUS治具40ごと水平方向に移動させて乾燥炉5の乾燥位置に配置される。
【0035】
電極触媒層65が形成されたシート材60の乾燥炉5への移動は、マグネット50とSUS治具40による固定が維持された状態で行われる。乾燥炉5の乾燥処理を経て触媒被覆拡散媒体(CCDM)のシート材60が製品として製造される。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のシート材60の治具10は、シート材60の塗工領域61の外側の端部62を当該シート材60の厚み方向の一側から支持する支持部材としてのSUS治具40と、シート材60の端部62を厚み方向の他側からSUS治具40とともに挟み込んで固定する固定部材としてのマグネット50と、を備える。
【0037】
また、ガス拡散層及び電極触媒層65を有するシート材60の製造方法は、ガス拡散層を有するシート材60の塗工領域61の外側の端部62を当該シート材60の厚み方向の一側(下側)から支持する支持部材としてのSUS治具40と、シート材60の端部62を厚み方向の他側(上側)からSUS治具40とともに挟み込んで固定するマグネット50と、によってシート材60を固定した状態で電極触媒層65を塗工するステップと、電極触媒層65を塗装したシート材60をSUS治具40とマグネット50の固定状態を維持したまま塗工位置から上方に移動させ、乾燥炉5に配置するステップと、を含む。
【0038】
ここで、
図8を参照し、従来例について説明する。
図8は、従来のシート材160の斜め剥がしによって生じるMPL(Micro Porous Layer)片Fを説明する模式図である。
図8には、ポーラスセラミック治具120にエア吸引で固定された粘着シート125から塗装後のシート材160を取り外す様子が示されている。このシート材160を剥がす作業では、当該シート材160を斜めにしながら剥がすため、シート材160の表面のMPL片Fの剥落が生じる。シート材160の表面からのMPL片Fの剥落は異物混入を招き、シート材160の表面にコンタミネーションが生じる。
【0039】
この点、本実施形態のシート材60の治具10及びシート材60の製造方法によれば、塗工装置1から塗装済みのシート材60を取り出して乾燥炉5に投入する過程で、シート材60を斜めにすることなく、SUS治具40とマグネット50ごと塗装済みのシート材60を塗装位置から垂直に持ち上げることができる。このように、MPL片Fの剥落を防止してコンタミネーションを防止しつつ、塗装後のシート材60を塗工装置1から乾燥炉5まで容易に移動させることができる。
【0040】
また、本実施形態の治具10は、シート材60の塗工領域61の裏側を厚み方向の一側から支持する支持台22を更に備える。
【0041】
これにより、シート材60の塗工領域61をより安定して固定できる。
【0042】
また、本実施形態の治具10は、支持台22の支持面に配置され、シート材60の裏側に接着する粘着シート25を更に備える。
【0043】
これにより、粘着シート25の粘着力によってシート材60の裏側が固定されるので、シート材60にうねりが生じた状態で塗工処理が行われる事態の発生を回避でき、塗工処理をより精度良く行うことができる。また、PETフィルム等をシート材60の塗工領域61に配置し、PETシートを配置した状態でローラによりシート材60と粘着シート25を密着させる工程を行ってもよい。これにより塗工領域61を保護しながらシート材60と粘着シート25の密着性を高め、うねりの発生をより効果的に防止できる。
【0044】
また、本実施形態では、SUS治具40におけるシート材60の端部62を支持する部位である枠部41は、その厚み方向の長さT1が支持台22の高さT2に粘着シート25の厚みT3を加えた長さに設定される。
【0045】
これにより、シート材60の塗工領域61と、塗工領域61の外側の端部62と、の高さを一致させてシート材60の姿勢を水平方向に安定的に保持し、塗工処理をより一層精度よく行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、固定部材はマグネット50により構成され、SUS治具40は磁力によってマグネット50と引き合う金属により構成される。
【0047】
これにより、シート材60を破損させることなく磁石を利用してシート材60の固定作業を容易に行うことができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態に限るものではない。また、上記実施形態に記載された効果は、好適な効果を列挙したに過ぎず、上記実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1 塗工装置
5 乾燥炉
10 治具
20 ポーラスセラミック治具
22 支持台
25 粘着シート
40 SUS治具(支持部材)
50 マグネット(固定部材)
60 シート材
61 塗工領域
62 端部
F MPL片