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特開2025-12185搬送装置、レーザ照射装置、搬送方法、及び有機ELディスプレイ装置の製造方法
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  • 特開-搬送装置、レーザ照射装置、搬送方法、及び有機ELディスプレイ装置の製造方法 図18
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012185
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】搬送装置、レーザ照射装置、搬送方法、及び有機ELディスプレイ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20250117BHJP
   H01L 21/268 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/268 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114838
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】521476506
【氏名又は名称】JSWアクティナシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 恭平
(72)【発明者】
【氏名】小田嶋 保
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA03
5F131AA21
5F131AA33
5F131BA24
5F131CA12
5F131CA32
5F131DA02
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB92
5F131DC12
5F131DC13
5F131DC16
5F131DC19
5F131DC26
5F131EA04
5F131EA14
5F131EA17
5F131EA22
5F131EA23
5F131EA24
5F131EB42
5F131EB43
(57)【要約】
【課題】適切に基板を搬送することができる搬送装置、レーザ照射装置、搬送方法、半導体装置の製造方法を提供することである。
【解決手段】本実施の形態にかかる搬送装置6は、搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、搬送ユニットが、基板を保持する保持機構と、保持機構が連結されたベルト709と、ベルト709が掛け回されたプーリ716と、プーリ716とベルト709との接触部分を覆うカバー715と、を備え、接触部分で発生した塵を集塵するために、カバー715内の空間を排気する排気手段を備えている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送装置であって、
搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、
前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する排気手段を備えた搬送装置。
【請求項2】
前記カバーに取り付けられた集塵機構を備え、
前記集塵機構に前記カバー内の空気を排気するための吸引口が設けられている請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記集塵機構には、前記プーリに向けて気体を噴出する噴出口が設けられている請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記駆動機構の回転軸と直交する平面視において、前記ベルトが巻き回された空間内に前記集塵機構が配置されている請求項2、又は3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記保持機構には、前記ベルトに対して気体を噴出する噴出機構が設けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記基板をその上面で浮上する浮上ユニットをさらに備え、
前記基板上において、前記レーザ光がライン状に形成されたラインビームとなっている請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送装置であって、
搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、
前記プーリに気体を噴出する噴出機構と、を備えた搬送装置。
【請求項8】
レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送装置であって、
搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記保持機構に設けられ、前記ベルトに気体を噴出する噴出機構と、を備えた搬送装置。
【請求項9】
レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送方法であって、
(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、
前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する搬送方法。
【請求項10】
前記カバーには集塵機構が取り付けられており、
前記集塵機構に前記カバー内の空気を排気するための吸引口が設けられている請求項9に記載の搬送方法。
【請求項11】
前記集塵機構には、前記プーリに向けて気体を噴出する噴出口が設けられている請求項10に記載の搬送方法。
【請求項12】
前記駆動機構の回転軸と直交する平面視において、前記ベルトが巻き回された空間内に前記集塵機構が配置されている請求項10、又は11に記載の搬送方法。
【請求項13】
前記保持機構には、前記ベルトに対して気体を噴出する噴出機構が設けられている請求項9、又は10に記載の搬送方法。
【請求項14】
浮上ユニットが前記基板をその上面で浮上するステップをさらに備え、
前記基板上において、前記レーザ光がライン状に形成されたラインビームとなっている請求項9~11のいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項15】
レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送方法であって、
(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、
前記プーリに気体を噴出する噴出機構と、を備えている搬送方法。
【請求項16】
レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送方法であって、
(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記保持機構に設けられ、前記ベルトに気体を噴出する噴出機構と、を備えている搬送方法。
【請求項17】
(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップと、
(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、レーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップと、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記(s2)アニールするステップは、
(sa)搬送ユニットが、上面視において、搬送方向に前記基板を移動するステップを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、
前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項18】
前記カバーには集塵機構が取り付けられており、
前記集塵機構に前記カバー内の空気を排気するための吸引口が設けられている請求項17に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項19】
前記集塵機構には、前記プーリに向けて気体を噴出する噴出口が設けられている請求項18に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項20】
前記駆動機構の回転軸と直交する平面視において、前記ベルトが巻き回された空間内に前記集塵機構が配置されている請求項18、又は19に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項21】
前記保持機構には、前記ベルトに対して気体を噴出する噴出機構が設けられている請求項17、又は18に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項22】
浮上ユニットが前記基板をその上面で浮上するステップをさらに備え、
前記基板上において、前記レーザ光がライン状に形成されたラインビームとなっている請求項17~19のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項23】
(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップと、
(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、レーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップと、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記(s2)アニールするステップは、
(sa)搬送ユニットが、上面視において、搬送方向に前記基板を移動するステップを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、
前記プーリに気体を噴出する噴出機構と、を備えている有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項24】
(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップと、
(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、レーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップと、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記(s2)アニールするステップは、
(sa)搬送ユニットが、上面視において、搬送方向に前記基板を移動するステップを備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記保持機構に設けられ、前記ベルトに気体を噴出する噴出機構と、を備えた搬送装置。
【請求項25】
搬送中の基板に、レーザ光を照射するレーザ照射装置であって、
搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットと、
前記基板にレーザ光を照射するレーザ照射部と、を備え、
前記搬送ユニットが、
前記基板を保持する保持機構と、
前記保持機構が連結されたベルトと、
前記ベルトが掛け回されたプーリと、
前記プーリを回転させる駆動機構と、
前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、
前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する排気手段を備えたレーザ照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送装置、レーザ照射装置、搬送方法、及び有機ELディスプレイ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ライン状にレーザ光を基板に照射するレーザ照射装置が開示されている。このレーザ照射装置は、基板を浮上する浮上ユニットと、浮上ユニット上の基板を吸着保持する保持機構と、保持機構を搬送方向に移動する移動機構とを備えている。上面視において、矩形状の浮上ユニットの端辺にそれぞれ移動機構が設けられている。4つの移動機構が基板を循環搬送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6887234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレーザ照射装置に用いられる搬送装置では、基板を適切に搬送することが望まれる。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、搬送装置は、レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送装置であって、搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する排気手段を備えている。
【0007】
一実施の形態によれば、搬送装置は、レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送装置であって、搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、前記プーリに気体を噴出する噴出機構と、を備えている。
【0008】
一実施の形態によれば、搬送装置は、レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送装置であって、搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記保持機構に設けられ、前記ベルトに気体を噴出する噴出機構と、を備えている。
【0009】
一実施の形態によれば、搬送方法は、レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送方法であって、(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する。
【0010】
一実施の形態によれば、搬送方法は、レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送方法であって、(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、前記プーリに気体を噴出する噴出機構と、を備えている。
【0011】
一実施の形態によれば、搬送方法は、レーザ光を基板に照射するために、前記基板を搬送する搬送方法であって、(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記保持機構に設けられ、前記ベルトに気体を噴出する噴出機構と、を備えている。
【0012】
一実施の形態によれば、有機ELディスプレイの製造方法は、(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップと、(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、レーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップと、を備えた半導体装置の製造方法であって、前記(s2)アニールするステップは、(sa)搬送ユニットが、上面視において、搬送方向に前記基板を移動するステップを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する。
【0013】
一実施の形態によれば、有機ELディスプレイの製造方法は、(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップと、(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、レーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップと、を備えた半導体装置の製造方法であって、前記(s2)アニールするステップは、(sa)搬送ユニットが、上面視において、搬送方向に前記基板を移動するステップを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、前記プーリに気体を噴出する噴出機構と、を備えている。
【0014】
一実施の形態によれば、有機ELディスプレイの製造方法は、(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップと、(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、レーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップと、を備えた半導体装置の製造方法であって、前記(s2)アニールするステップは、(sa)搬送ユニットが、上面視において、搬送方向に前記基板を移動するステップを備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記保持機構に設けられ、前記ベルトに気体を噴出する噴出機構と、を備えている。
【0015】
一実施の形態によれば、有機ELディスプレイの製造方法は、搬送中の基板に、レーザ光を照射するレーザ照射装置であって、搬送方向に前記基板を移動する搬送ユニットと、前記基板にレーザ光を照射するレーザ照射部と、を備え、前記搬送ユニットが、前記基板を保持する保持機構と、前記保持機構が連結されたベルトと、前記ベルトが掛け回されたプーリと、前記プーリを回転させる駆動機構と、前記プーリと前記ベルトとの接触部分を覆うカバーと、を備え、前記接触部分で発生した塵を集塵するために、前記カバー内の空間を排気する排気手段を備えている。
【発明の効果】
【0016】
前記一実施の形態によれば、基板を適切に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】搬送装置の全体構成を示す斜視図である。
図2】搬送装置の構成を模式的に示すxy平面図である。
図3】搬送装置を備えたレーザ照射装置の構成を模式的に示すxz平面図である。
図4】搬送装置を備えたレーザ照射装置の構成を模式的に示すyz平面図である。
図5】リニアモータを用いた搬送ユニットの構成を模式的に示す上面図である。
図6】リニアモータを用いた搬送ユニットの構成を模式的に示す側面図である。
図7】ACサーボモータを用いた搬送ユニットの構成を模式的に示す上面図である。
図8】ACサーボモータを用いた搬送ユニットの構成を模式的に示す側面図である。
図9】ACサーボモータとその周辺の構成を示す斜視図である。
図10】ケースに設置された集塵機構内の構成を示すxz断面図である。
図11】集塵機構が設置されたケース内の構成を示す上面図である。
図12】集塵機構の集塵面の構成を示すyz平面図である。
図13】噴出機構を備えた保持機構の構成を示すxz平面図である。
図14】レーザ照射装置の全体構成を示す斜視図である。
図15】搬送ユニットの排気系統を模式的に示す図である。
図16】レーザ照射システムの製造プロセスで製造された有機ELディスプレイ装置を模式的に示す断面図である。
図17】有機ELディスプレイ装置の製造プロセスを説明する工程断面図である。
図18】有機ELディスプレイ装置の製造プロセスを説明する工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本実施の形態にかかる搬送装置、搬送方法、有機ELディスプレイ装置の製造方法について説明する。搬送装置及び搬送方法は、レーザ照射装置に用いられる。なお、以下の説明において、レーザが照射される被処理体をアモルファスシリコン膜付きガラス基板であるとして説明するが、被処理体は、特に限定されるものではない。
【0019】
レーザ照射装置の一例は、基板上に形成されたアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して、ポリシリコン膜を形成するエキシマレーザアニール装置である。したがって、レーザ照射装置は、液晶表示パネルや有機EL(ElectroLuminescence)表示パネルの製造工程において、TFT(Thin Film transistor)アレイ基板を製造するために使用される。すなわち、レーザ照射装置は、TFTアレイ基板などの半導体装置の製造工程に用いられる。
【0020】
(レーザ照射装置の基本構成)
まず、レーザ照射装置1及び搬送装置6の基本構成について、図1図4を用いて説明する。図1は、搬送装置6の基本構成を説明するための斜視図である。図2は、搬送装置6の上面図である。図3は、搬送装置6を備えたレーザ照射装置1の構成を示す側面図である。図4は、搬送装置6を備えたレーザ照射装置1の構成を示す側面図である。
【0021】
なお、以下に示す図では、説明の簡略化のため、適宜、xyz3次元直交座標系を示している。z方向は鉛直上下方向であり、y方向はライン状のレーザスポットに沿った方向であり、x方向は、搬送方向である。x方向に搬送(スキャン)しながら、y方向に沿ったライン状のレーザ光を基板に照射している。また、x方向とy方向は矩形状の被処理体66の端辺に沿った方向である。
【0022】
浮上ユニット60は、浮上ユニット60の表面からガスを噴出するように構成されており、浮上ユニット60の表面から噴出されたガスが被処理体66の下面に吹き付けられることで、被処理体66が浮上する。浮上ユニット60は架台(不図示)の上に配置されている。
【0023】
また、xy平面視において矩形状の浮上ユニット60が6つの領域60a~60fに分割されている。具体的には、浮上ユニット60が第1の領域60a~第4の領域60dと、照射領域60eと、モニタ領域60fとを備えている。第1の領域60aは、‐x側かつ+y側の角(図2における左上角)を含む矩形状の領域である。第2の領域60bは、+x側かつ+y側の角(図2における右上角)を含む矩形状の領域である。第3の領域60cは、+x側かつ‐y側の角(図2における右下角)を含む矩形状の領域である。第4の領域60dは、‐x側かつ‐y側の角(図2における左下角)を含む矩形状の領域である。
【0024】
照射領域60eは、第1の領域60aと第2の領域60bとの間に配置されている。照射領域60eは、レーザ光が照射される領域である。すなわち、照射領域60eにレーザ光15の照射位置65が含まれている。モニタ領域60fは、第3の領域60cと第4の領域60dとの間に配置されている。したがって、浮上ユニット60の+y側の半分の領域(図2の上半分の領域)は、-x側(図2の左側)から順に、第1の領域60a、照射領域60e、第2の領域60bとなっている。浮上ユニット60の‐y側の半分の領域(図2の下半分の領域)は、+x側から順に、第3の領域60c、モニタ領域60f、第4の領域60dとなっている。特許文献1で示したように、搬送装置6は、浮上ユニット60上において、被処理体66を循環搬送する。
【0025】
xy平面視において、第1の領域60a~第4の領域60dはほぼ同じ面積となっていてもよい。xy平面視において、照射領域60eと、モニタ領域60fとは、ほぼ同じ面積の矩形状となっていてもよい。この場合、第1の領域60aと第4の領域60dがy方向に並んで配置されている。第2の領域60bと第4の領域60dがy方向に並んで配置されている。照射領域60eとモニタ領域60fがy方向に並んで配置されている。
【0026】
また、第1の領域60aにはアライメント機構69が設けられている。第4の領域60dには、回転機構68が設けられている。さらに、第4の領域60dの外側には、補助浮上ユニット67が設けられている。補助浮上ユニット67は、第4の領域60dの-y側と-x側にそれぞれ配置されている。回転機構68、アライメント機構69、及び補助浮上ユニット67の動作については後述する。
【0027】
図1に示すように、被処理体66は、第1の領域60a~第4の領域60dを順次搬送される。すなわち、被処理体66は、第1の領域60aから+x方向に搬送されると、照射領域60eを通過して、第2の領域60bまで移動する。照射領域60eを通過する際に、被処理体66にレーザ光が照射される。被処理体66は第2の領域60bから‐y方向に搬送されると、第3の領域60cまで移動する。
【0028】
被処理体66が第3の領域60cから‐x方向に搬送されると、モニタ領域60fを通過して、第4の領域60dに移動する。モニタ領域60fでは、レーザ光の照射ムラをモニタする。例えば、モニタ領域60fにおいて、図示しないカメラなどにより、照射ムラをモニタする。被処理体66が第4の領域60dから+y方向に搬送されると、第1の領域60aに移動する。
【0029】
このように、被処理体66は、+x方向、-y方向、-x方向、+y方向と方向を変えて搬送されていく。換言すると、被処理体66は、第1の領域60a~第4の領域60dを循環するように搬送される。なお、厳密には、第4の領域60dが被処理体66の搬入/搬出位置となっているため、被処理体66は、第4の領域60d、第1の領域60a、第2の領域60b、第3の領域60cの順番で搬送されていく。もちろん、搬入/搬出位置は、第4の領域60dに限られるものではない。
【0030】
さらには、被処理体66を反対方向に循環してもよい。例えば、第4の領域60d、第3の領域60c、第2の領域60b、第1の領域60aの順番で被処理体66を搬送してもよい。すなわち、図2の平面図において、搬送方向は、時計回りでもよく、反時計回りでもよい。レーザ照射装置1の処理に応じて、搬送方向を適宜切り替えるようにしてもよい。
【0031】
上記のように、被処理体66を循環して搬送するため、レーザ照射装置1は、4つの搬送ユニット61_1~61_4を備える。搬送ユニット61_1~61_4は浮上ユニット60の外側であって、浮上ユニット60の各辺の近傍に設けられている。
【0032】
浮上ユニット60はxy平面視した際の形状が矩形状であり、各々の搬送ユニット61_1~61_4は、浮上ユニット60の各々の辺に沿って被処理体66を搬送するように設けられている。なお、各搬送ユニット61_1~61_4は、浮上ユニット60の各辺の外側に設けられているが、浮上ユニット60の内側に設けられていてもよい。
【0033】
各搬送ユニット61_1~61_4は被処理体66を直進移動する。搬送ユニット61_1は被処理体66を+x方向に移動させる。これにより、被処理体66が第1の領域60aから第2の領域60bに移動する。搬送ユニット61_2は被処理体66を-y方向に移動させる。これにより、被処理体66が第2の領域60bから第3の領域60cに移動する。搬送ユニット61_3は被処理体66を-x方向に移動させる。これにより、被処理体66が第3の領域60cから第4の領域60dに移動する。搬送ユニット61_4は被処理体66を+y方向に移動させる。これにより、被処理体66が第4の領域60dから第1の領域60aに移動する。
【0034】
具体的には、搬送ユニット61_1は浮上ユニット60の+y方向側の辺に設けられており、保持機構62_1と移動機構63_1とを備える。保持機構62_1は被処理体66を吸着保持する。保持機構62_1は、多孔質体を備える真空吸着機構を用いて構成することができる。保持機構62_1(真空吸着機構)は、排気ポート(不図示)に接続されており、排気ポートはエジェクタや真空ポンプなどに接続されている。よって、保持機構62_1にはガスを吸引するための負圧が作用するため、保持機構62_1を用いて被処理体66を保持することができる。
【0035】
また、保持機構62_1は吸着動作を行うための昇降機構(図1図4では不図示)を備えている。昇降機構は、例えば、エアシリンダやモータなどのアクチュエータ等を備えている。例えば、保持機構62_1は吸着位置まで上昇した状態で、被処理体66を吸着する。また、保持機構62_1は、吸着を解除した状態で、待機位置まで下降する。
【0036】
本実施の形態では、図4に示すように、保持機構62_1は、被処理体66のレーザ光が照射される面(上面)と逆側の面(下面)、つまり、被処理体66の浮上ユニット60と対向する側の面を吸引することで、被処理体66を保持している。また、保持機構62_1は、被処理体66の+y方向における端部(つまり、被処理体66の搬送方向と垂直な方向における端部)を保持している。
【0037】
搬送ユニット61_1が備える移動機構63_1は保持機構62_1と連結されている。移動機構63_1は、保持機構62_1を搬送方向(x方向)に移動可能に構成されている。搬送ユニット61_1(保持機構62_1及び移動機構63_1)は、浮上ユニット60の+y方向の端部側に設けられており、保持機構62_1で被処理体66を保持しつつ、移動機構63_1が搬送方向に移動することで被処理体66が搬送される。
【0038】
図2に示すように、例えば、移動機構63_1は浮上ユニット60の+y方向の端部を+x方向に沿ってスライドするように構成されている。移動機構63_1が浮上ユニット60の端部を+x方向に沿ってスライドすることで、被処理体66がx方向に沿って搬送される。このとき、移動機構63_1の移動速度を制御することで、被処理体66の搬送速度を制御することができる。移動機構63_1は、例えば、図示しないモータなどのアクチュエータとリニアガイド機構等を備えている。移動機構63_1の構成については後述する。
【0039】
図3図4に示すように、被処理体66にはレーザ光15が照射される。図1図2では、レーザ光15が照射される位置を照射位置65とする。照射位置65はy方向に延びた直線状となる。例えば、レーザ照射装置1はレーザアニール装置であり、この場合はレーザ照射部14にエキシマレーザ等を用いることができる。レーザ照射部14は、レーザ光源とシリンドリカルレンズなどの光学系(いずれも不図示)を備えている。レーザ光源から供給されたレーザ光は、シリンドリカルレンズを有する光学系(不図示)においてライン状となる。被処理体66にはライン状、具体的には焦点がy方向に伸びるレーザ光15(ラインビーム)が照射される(図1参照)。換言すると、被処理体66上における照射位置65は被処理体66の搬送方向(x方向)と垂直な方向(y方向)に伸びている。
【0040】
搬送装置6では、浮上ユニット60を用いて被処理体66を浮上させながら、搬送ユニット61_1を用いて被処理体66の下面を保持して、被処理体66を搬送方向に搬送している。このとき、レーザ照射装置1が備える搬送ユニット61_1は、被処理体66を搬送した際に、平面視において(つまりz方向からみて)、搬送ユニット61_1が照射位置65と重畳しない位置を保持して被処理体66を搬送している。つまり、図2に示すように、被処理体66を搬送方向に搬送した際に、搬送ユニット61_1が被処理体66を保持する位置(保持機構62_1の位置に対応)が、照射位置65と重畳しないようにしている。
【0041】
このように、保持機構62_1で被処理体66を保持しつつ、移動機構63_1が+x方向に移動することで、被処理体66を第1の領域60aから第2の領域60bに搬送することができる。搬送ユニット61_1による搬送で、被処理体66が照射領域60eを通過する。よって、被処理体66が第1の領域60aから第2の領域60bに搬送される際にレーザ光15が被処理体66に照射される。
【0042】
被処理体66に対するレーザ光15の照射位置65を変えるように、搬送ユニット61_1が被処理体66をx方向に移動する。なお、搬送ユニット61_1の搬送方向はx方向と平行になっているが、x方向から傾いた方向であってもよい。つまり、搬送方向はライン方向から傾いた方向であればよい。
【0043】
搬送ユニット61_2は浮上ユニット60の+x方向側の辺に設けられており、保持機構62_2と移動機構63_2とを備える。そして、保持機構62_2で被処理体66を保持しつつ、移動機構63_2が‐y方向側に移動することで、被処理体66を第2の領域60bから第3の領域60cに搬送することができる。移動機構63_2が浮上ユニット60の端部を-y方向に沿ってスライドすることで、被処理体66が-y方向に沿って搬送される。
【0044】
搬送ユニット61_3は浮上ユニット60の‐y方向側の辺に設けられており、保持機構62_3と移動機構63_3とを備える。そして、保持機構62_3で被処理体66を保持しつつ、移動機構63_3が‐x方向に移動することで、被処理体66を第3の領域60cから第4の領域60dに搬送することができる。搬送ユニット61_3による搬送で、被処理体66がモニタ領域60fを通過する。移動機構63_3が浮上ユニット60の端部を-x方向に沿ってスライドすることで、被処理体66が-x方向に沿って搬送される。
【0045】
搬送ユニット61_4は浮上ユニット60の‐x方向側の辺に設けられており、保持機構62_4と移動機構63_4とを備える。そして、保持機構62_4で被処理体66を保持しつつ、移動機構63_4が+y方向に移動することで、被処理体66を第4の領域60dから第1の領域60aに搬送することができる。移動機構63_4が浮上ユニット60の端部を+y方向に沿ってスライドすることで、被処理体66が+y方向に沿って搬送される。
【0046】
移動機構63_2、移動機構63_3、及び移動機構63_4は、照射位置65の外側で、被処理体66を移動する。つまり、移動機構63_2、移動機構63_3、及び移動機構63_4は、照射位置65と重複していない被処理体66を移動する。従って、移動機構63_2、移動機構63_3、及び移動機構63_4が被処理体66を移動しても、被処理体66にレーザ光15が照射されない。移動機構63_2、移動機構63_3、及び移動機構63_4は、例えば、図示しないモータなどのアクチュエータとリニアガイド機構等を備えている。移動機構63_2、移動機構63_3、及び移動機構63_4の構成については後述する。
【0047】
保持機構62_2、保持機構62_3、保持機構62_4は、保持機構62_1と同様の構成となっており、被処理体66を吸着する。保持機構62_2、62_4は、保持機構62_1、62_3と異なる向きで配置されている。より具体的には、xy平面視において、保持機構62_1、62_3は、図2で示したように、x方向を長手方向とする矩形状になっている。また、保持機構62_2、62_4は、図2で示すように矩形状になっているが、設置方向が90°異なっている。すなわち、保持機構62_1、62_3では長手方向がx方向、短手方向がy方向になっているのに対して、保持機構62_2、62_4では長手方向がy方向、短手方向がx方向になっている。保持機構62_1~62_4は、その移動方向が長手方向となるように設けられている。
【0048】
レーザ照射装置1では、照射位置65のy方向における長さは、被処理体66のy方向における長さの半分程度の長さである。よって、被処理体66が照射位置65を通過した際に、被処理体66のy方向の半分の領域にレーザ光が照射される。したがって、被処理体66が、浮上ユニット60の上を2回循環するように搬送されていく。このようにすることで、被処理体66のほぼ全面に、レーザ光が照射される。
【0049】
被処理体66のほぼ全面にレーザ光を照射する場合は、図1、2に示すように、浮上ユニット60の第4の領域60dに回転機構68を設ける。回転機構68の回転軸はz方向と平行になっている。回転機構68は、被処理体66の水平面(xy平面)を保持しながら被処理体66を180度回転させる。つまり、搬送ユニット61_1を用いて被処理体66を第1の領域60aから第2の領域60bに搬送して被処理体66にレーザ光15を照射した後、搬送ユニット61_2~61_4を用いて被処理体66を搬送させつつ、回転機構68を用いて被処理体66を180度回転させる。そして、再度、搬送ユニット61_1を用いて被処理体66を領域60aから領域60bに搬送して被処理体66にレーザ光15を照射することで、被処理体66の全面にレーザ光15を照射することができる。
【0050】
図2に示すように、浮上ユニット60の外側には、補助浮上ユニット67が設けられている。補助浮上ユニット67は、第4の領域60dの-x側及び-y側にそれぞれ配置されている。補助浮上ユニット67は、浮上ユニット60と同様に、被処理体66に対して気体を噴出することで、被処理体66を浮上する。
【0051】
例えば、回転機構68が被処理体66を回転中に、被処理体66の一部が第4の領域60dからはみ出す。回転中において、第4の領域60dからはみ出す被処理体66の端部に対して、補助浮上ユニット67が気体を噴出する。被処理体66の浮上ユニット60からはみ出した部分に浮上力が発生する。このようにすることで、被処理体66を損傷することなく、回転機構68が被処理体66を回転させることができる。なお、保持機構62_4は、補助浮上ユニット67と浮上ユニット60との間を移動する。
【0052】
アライメント機構69は、保持機構62_1等と同様に、多孔質体を介して被処理体66を吸着して保持する。そして、アライメント機構69は被処理体66の位置、及び回転角度を調整する。アライメント機構69は、x方向の位置(以下、x座標)、y方向の位置(以下、y座標)、z軸周りの回転角度(以下、角度θ)のアライメント動作を行う。例えば、被処理体66の搬入動作、搬送動作、回転動作によって、被処理体66の位置や回転角度が微小にずれることがある。アライメント機構69は、位置や回転角度のずれを補正している。これにより、被処理体66におけるレーザ光の照射位置を精度よく制御することができる。
【0053】
ここで、搬送ユニット61_1の搬送によって、被処理体66にレーザ光が照射される。従って、搬送ユニット61_1の搬送には、高い位置精度が要求される。つまり、レーザ光の照射強度を均一にするためには、搬送ユニット61_1の搬送速度を一定にする必要がある。あるいは、レーザ照射中において、被処理体66の搬送高さを一定にする必要がある。一方、搬送ユニット61_2、搬送ユニット61_3、搬送ユニット61_4の搬送では、被処理体66にレーザ光が照射されない。搬送ユニット61_2、搬送ユニット61_3、搬送ユニット61_4の搬送には、高い位置精度が要求されない。
【0054】
従って、本実施の形態では、搬送ユニット61_1の移動機構63_1として、リニアモータが用いられている。一方、搬送ユニット61_2~61_4の移動機構63_2~63_4として、AC(alternating current)サーボモータ及びベルトが用いられている。リニアモータを用いた直動機構は、ACサーボモータ及びベルトを用いた直動機構よりも位置精度が高い。これにより、レーザ光の照射強度を一定にすることができるため、安定したプロセスが可能となる。また、ACサーボモータ及びベルトを用いた直動機構は、リニアモータを用いた直動機構よりも安価である。3つの移動機構63_2~63_4については、安価な構成で実現することができる。
【0055】
(搬送ユニット61_1)
図5図6を用いて、搬送ユニット61_1の移動機構63_1について説明する。図5は、搬送ユニット61_1の構成を示す上面図である。図6は、搬送ユニット61_1の構成を模式的に示す側面図である。
【0056】
搬送ユニット61_1は、上記のように、保持機構62_1と、移動機構63_1と、を備えている。移動機構63_1は、リニアモータ601と、ガイド機構603と、ベース606と、ダンパ607と、を備えている。リニアモータ601は、可動子601aと、固定子601bとを備えている。保持機構62_1は、昇降機構621と吸着部622とを備えている。
【0057】
ベース606は、ガイド機構603等を支持するステージである。ガイド機構603は、ベース606の上に固定されている。ガイド機構603は、x方向に沿って延びたレールなどを有するリニアガイドである。ガイド機構603にはガイド溝などが形成されていてもよい。ガイド機構603は可動子601aの直動移動をガイドする。また、ガイド機構603の端部には、ダンパ607が取り付けられている。ダンパ607は、可動子601aの移動端を規定する。
【0058】
例えば、ガイド機構603には、リニアモータ601の固定子601bが取り付けられている。固定子601bは、例えば、永久磁石を有している。つまり、x方向に沿って、複数の永久磁石が配列されている。例えば、x方向において、N極とS極が一定間隔で交互に繰り返し配列されている。
【0059】
リニアモータ601の可動子601aは、電磁石を有している。そして、電磁石に対する電流を制御することで、可動子601aがガイド機構603に沿って移動する。可動子601aは、ガイド機構603と非接触で直進移動する。リニアモータ601の上には、被処理体66を吸着保持するための保持機構62_1が配置されている。
【0060】
移動機構63_1が、保持機構62_1をx方向に移動することができる。このように、搬送ユニット61_1がリニアモータ601を有する移動機構63_1を用いている。よって、搬送ユニット61_1が、被処理体66を精度よく移動することができる。よって、搬送装置6は被処理体66を適切に搬送することができるため、生産性を向上することができる。
【0061】
また、保持機構62_1には昇降機構621と吸着部622が設けられている。吸着部622は、被処理体66を真空吸着するための多孔質体を有している。昇降機構621は、保持機構62_1の吸着部622を昇降させる。昇降機構621は、被処理体66の受渡しのため、吸着部622を昇降させる。昇降機構621は、保持機構62_2に被処理体66を受け渡すため、吸着部622を昇降させる。また、昇降機構621は、被処理体66を保持機構62_4から受け取るため、吸着部622を昇降させる。
【0062】
(搬送ユニット61_2~61_4)
搬送ユニット61_2~61_4は、リニアモータの代わりにACサーボモータを駆動機構として用いている。以下、搬送ユニット61_2~61_4を代表して、搬送ユニット61_3の構成について、図7図9を用いて説明する。図7は、搬送ユニット61_3の構成を示す上面図である。図8は、搬送ユニット61_3の構成を示す側面図である。図9は、搬送ユニット61_3の駆動部の構成を拡大して示す斜視図である。
【0063】
搬送ユニット61_3は、保持機構62_3と、移動機構63_3とを備えている。移動機構63_3は、ガイド機構703と、可動部704と、ベース706と、ACサーボモータ711と、プーリ716とを備えている。さらに、移動機構63_3は、カバー715と排気フランジ714とを備えている。保持機構62_3は、昇降機構721と吸着部722とを備えている。
【0064】
ベース706は、ガイド機構703等を支持するステージである。ガイド機構703は、ベース706の上に固定されている。ガイド機構703は、x方向に沿って延びたレールなどを有するリニアガイドである。ガイド機構703は、ガイド溝などを有していてもよい。また、ガイド機構703の端部には、ダンパ707が取り付けられている。ダンパ707は、可動部704の移動端を規定する。
【0065】
ガイド機構703は、可動部704を摺動可能に保持している。ガイド機構703は可動部704の直動移動をガイドする。可動部704は、ベルト709の上面に取り付けられている。さらに、可動部704の上には、保持機構62_3が取り付けられている。保持機構62_3は、可動部704を介して、ベルト709と連結されている。よって、保持機構62_3は可動部704とともにx方向に往復移動する。
【0066】
ベルト709はタイミングベルト等であり、x方向に沿って設けられている。図10に示すように、ベルト709の両端には、プーリ716が取り付けられている。ベルト709は、例えば、無端ベルト等であり、xz平面視において、リング状に形成されている。リング状のベルト709の内側には、2つのプーリ716が配置されている。ベルト709は、無端ベルト以外のベルトであってもよい。
【0067】
2つのプーリ716がx方向に離れて配置されている。プーリ716の回転軸はy方向と平行になっている。図9に示すように、ベルト709は、プーリ716に掛け回されている。2つのプーリ716の間において、ベルト709は、x方向と平行になっている。ベルト709は、例えば、歯付きベルト、平ベルトとなっている。プーリ716は、例えば、歯付きプーリ、平プーリとなっている。
【0068】
一方のプーリ716には、ACサーボモータ711の回転軸711aが連結されている。ACサーボモータ711がプーリ716を回転させると、ベルト709が回転する。ベルト709の回転動作にしたがって、可動部704がx方向に移動する。可動部704は2つのプーリ716の間をx方向にスライド移動する。これにより、保持機構62_2がx方向に往復移動するため、被処理体66を-x方向に搬送することができる。
【0069】
また、保持機構62_3には昇降機構721と吸着部722が設けられている。吸着部722は、被処理体66を真空吸着するための多孔質体を有している。昇降機構721は、保持機構62_3の吸着部722を昇降させる。昇降機構721は、被処理体66の受渡しのため、吸着部722を昇降させる。昇降機構721は、保持機構62_2から被処理体66を受け取るため、吸着部722を昇降させる。また、昇降機構721は、被処理体66を保持機構62_4に受け渡すため、吸着部722を昇降させる。
【0070】
このように、移動機構63_2は、ACサーボモータ711と、ベルト709とを用いて、被処理体66を移動している。これにより、搬送装置6は、安価な構成で、被処理体66を搬送することができる。搬送装置6は被処理体66を適切に搬送することができるため、生産性を向上することができる。
【0071】
なお、移動機構63_2、63_4は、基本的な構成は、移動機構63_3と同様であるため、詳細な説明を省略する。移動機構63_2、63_4も、移動機構63_3と同様にACサーボモータ711とベルト709とを用いている。移動機構63_2、63_4は、移動方向がy方向になっている点が移動機構63_3と異なっている。したがって、ガイド機構703、ベルト709、ACサーボモータ711等の向きを90度変えて設置すれば良い。
【0072】
プーリ716の回転に伴って、ベルト709とプーリ716との接触部分から粉塵が発生することがある。そこで、本実施の形態では、-x側におけるベルト709の端部には、カバー715が設けられている。つまり、プーリ716とベルト709の接触部分はカバー715で覆われている。図9に示すように、カバー715は回転軸711aやベアリングなどを収容するケースとなる。カバー715がベルト709の端部を覆うことで、粉塵による汚染を防止することができる。被処理体66に粉塵が付着するのを防ぐことができる。
【0073】
カバー715には、開口部715aと排気フランジ714が設けられている。ベルト709は、カバー715の開口部715aから取り出されている。カバー715において、開口部715aの反対側には、排気フランジ714が設けられている。排気フランジ714は、カバー715の内部空間に繋がっている排気ポートとなる。排気フランジ714には、後述するように、配管が接続されている。ここでは、開口部715aがカバー715の+x側に配置され、排気フランジ714がカバー715の-x側に配置されている。
【0074】
さらに、カバー715には、集塵機構760が取り付けられている。集塵機構760は、カバー715の内側に配置されている。具体的には、集塵機構760は、プーリ716に面するように、ベルト709の内側の空間709aに配置されている。集塵機構760は、プーリ716の+x側に配置されている。x方向において、排気フランジ714と集塵機構760の間に、プーリ716が配置されている。
【0075】
なお、xz平面視において、空間709aは、ベルト709が巻き回されることで形成された空間である。xz面視において、空間709aは、ベルト709で囲まれている。空間709aの上下はベルト700によって規定される。空間709aは、移動機構63_3の移動方向であるx方向を長手方向としている。集塵機構760には、プーリ716とベルト709の接触部分で発生したパーティクル(塵)を除去する。
【0076】
(集塵機構)
集塵機構760の構成について、図10図11図12を参照して説明する。図19は、集塵機構760の構成を示すxz断面図である。図11は集塵機構760が設けられたカバー715内の構成を模式的に示す上面図である。図11では,ベルト709が省略されている。図12は、集塵機構760のプーリ716側の面(集塵面763とする)を示すyz平面図である。
【0077】
集塵機構760には、供給用継手771と排気用継手772とが連結されている。排気用継手772は集塵面763と反対側の面に取り付けられている。排気用継手772には、外部に気体を排出するための排気管となるチューブ(不図示)などが接続される。これにより、カバー715内の空気を集塵機構760から外部に排出することができる。供給用継手771は、外部から気体を供給するための供給管となるチューブ(不図示)などが接続される。これにより、外部から気体を集塵機構760に供給することができる。
【0078】
図10に示すように、集塵機構760の内部には、噴出空間761と、排気空間762とが形成されている。噴出空間761と、排気空間762とはそれぞれの分離した空間である。集塵機構760は、2つの噴出空間761と1つの排気空間762を備えている。排気空間762の上下に噴出空間761が配置されている。集塵機構760は、金属ブロックや樹脂成型品などで形成されている。
【0079】
噴出空間761は、供給用継手771に接続された空間である。さらに噴出空間761には、集塵面763側に噴出口765(図12参照)が設けられている。つまり、噴出口765は噴出空間761を介して、供給用継手771に接続されている。供給用継手771から供給された気体は、噴出空間761を通って、噴出口765から排出される。これにより、プーリ716に気体を吹き付けることができる。プーリ716の外周面に付着したパーティクルを取ることができる。
【0080】
排気空間762は、排気用継手772に接続された空間である。さらに排気空間762には、集塵面763側に吸引口766(図12参照)が設けられている。つまり、吸引口766は排気空間762を介して、排気用継手772に接続されている。吸引口766から吸引された気体は、排気空間762を通って、排気用継手772に到達する。これにより、気体が図示しない排気管などを通って、後述するチャンバの外側に排出される。よって、集塵機構760がカバー715内の塵を除去することができる。
【0081】
プロセス中あるいはメンテナンス中において、噴出口765から気体を噴出するとともに、吸引口766から気体を吸引する。噴出口765から気体を噴出することで、プーリ716に気体が吹き付けられる。プーリ716に付着したパーティクルがプーリ716から離れて、カバー715内の空間を浮遊する。そして、空間中を浮遊したパーティクルが吸引口766又は排気フランジ714から吸引される。このようにすることで、カバー715内で発生したパーティクルを効率良く、外側に排出することができる。よって、被処理体66の汚染を防止することができ、レーザ照射プロセスの生産性を向上することができる。
【0082】
図12に示すように、yz平面視において、吸引口766はy方向を長手方向とする長円形状に形成されている。そして、吸引口766の周辺には、複数の噴出口765が設けられている。吸引口766の上に3つの噴出口765がy方向に沿って配置されている。また、吸引口766の下に3つの噴出口765がy方向に沿って配置されている。図10に示すように、噴出口765は斜め方向に設けられている。よって、斜め上方又は斜め下方から、プーリ716の外周面に気体が吹き付けられる。そして、上下に配置された噴出口765の間に、吸引口766が集塵機構760配置されている。
【0083】
集塵機構760は、噴出口765を備えているため、プーリ716に気体を噴出する噴出機構として機能する。吸引口766はx方向に気体を吸引する。このようにすることで、集塵機構760が効率良く、プーリ716に付着した粉塵を効率良く除去することができる。
【0084】
なお、上記の説明では、集塵機構760が噴出口765、及び吸引口766を備えていたが、集塵機構760は、噴出口765、及び吸引口766の一方のみを備えていても良い。集塵機構760が噴出口765のみを備える場合、浮遊するパーティクルが排気フランジ714から排出するようにしてもよい。あるいは、カバー715のその他の箇所に排気フランジ714や吸引口766を設置しても良い。集塵機構760は、吸引口766のみを備える場合、ケース内のパーティクルが吸引口766から外部に排出するようにしてもよい。集塵機構760は、吸引口766を備える場合、排気フランジ714を省略してもよい。
【0085】
(噴出機構)
さらに、本実施の形態では、保持機構62_3に、気体を噴出する噴出機構が設けられていても良い。図13を用いて、気体を噴出する噴出機構について説明する。図13は、保持機構62_3の構成を示すxz平面図である。
【0086】
保持機構62_3は噴出機構780を備えている。ここでは、可動部704に、3つの噴出機構780が取り付けられている。それぞれの噴出機構780は継手782と噴出部783とを備えている。継手782はチューブなどのガス配管が接続される。噴出部783は下方に向けて気体を噴出する噴出口を備えている。噴出部783と継手782とは、噴出機構780内で接続している。よって、継手782から供給された気体が噴出部783から下方に噴出される。
【0087】
噴出部783は、ベルト709に向けて、気体を噴出する。これにより、ベルト709に付着したパーティクルを取り除くことができる。ここでは、ベルト709で形成された空間709aに向けて気体が噴出される。つまり、巻き回されたベルト709の下側の部分の上面に気体が吹き付けられる。
なお、噴出機構780によるパーティクルの除去は、メンテナンス中のみに行うことが好ましい。つまり、レーザ照射プロセス中や、被処理体66が搬送装置6で搬送されている間は、噴出機構780が気体を噴出しないようにする。このようにすることで、搬送中の被処理体66にパーティクルが付着することを防ぐことができる。
【0088】
(配管系統)
図14、及び図15を用いて、配管系統について説明する。図14は、レーザ照射装置1の全体構成を示す斜視図である。図15は、噴出機構780と集塵機構760に接続される配管系統の構成を模式的に示す図である。図14図15に示すように、レーザ照射装置1はチャンバ730と架台731と排気手段742とガス供給手段744とを備えている。チャンバ730は、レーザ照射部14(図14図15では不図示)及び搬送装置6の全体を囲むように配置されている。架台731は、チャンバ730や搬送装置6などを支持している。
【0089】
図15に示すように、チャンバ730内には、配管740と、配管746とが設けられている。配管740、746は、チャンバ730の外側まで引き回されている。そして、配管740は、チャンバ730の外側において、排気手段742に接続されている。排気手段742は、排気ポンプなどであり、気体をチャンバ730の外側まで排出する。配管740には集塵フィルタなどが設けられていても良い。なお、図15では、移動機構63_3についての構成について説明するが、他の移動機構63_2、63_4についても同様の構成を用いることができる。
【0090】
配管740は2つの配管740a、740bに分岐されている。配管740aは、チャンバ730内のガスをチャンバ730の外側に排出する排気管となる。配管740aは、集塵機構760の排気用継手772に接続されている。したがって、集塵機構760の吸引口766から気体とともにパーティクルを吸引することができる。これによりプーリ716とベルト709との接触部分で発生した塵を効果的に除去することができる。よって、被処理体に塵が付着することを防ぐことができ、高い生産性でレーザ照射プロセスを実行することができる。
【0091】
配管740bは排気フランジ714に接続されている。したがって、カバー715内のパーティクルがチャンバ730の外側に排出される。カバー715で発生した塵を効果的に除去することができる。よって、被処理体に塵が付着することを防ぐことができ、高い生産性でレーザ照射プロセスを実行することができる。なお、配管740aと配管740bとが同じ系統から分岐された分岐配管となっていたが、別系統の配管であっても良い。
【0092】
配管746は、チャンバ730の外側において、ガス供給手段744に接続されている。プロセス中又はメンテナンス中に、ガス供給手段744は、ガスボンベやコンプレッサなどを備えており、窒素ガスや空気などの清浄なガスを配管746に供給する。配管746は2つの配管746a、746bに分岐されている。
【0093】
配管746aは、集塵機構760の供給用継手771に接続されている。配管746からのガスが、集塵機構760に供給される。プロセス中又はメンテナンス中に、集塵機構760の噴出口765からプーリ716に向けてガスを噴出することができる。これにより、プーリ716に付着したパーティクルを取り除くことができる。
【0094】
このようにすることで、カバー715内で発生した粉塵をチャンバの730外側に排出することができる。よって、被処理体66の汚染を防止することができ、レーザ照射プロセスの生産性を向上することができる。
【0095】
また、配管746は、噴出機構780の継手782に接続されている。配管746からのガスが、噴出機構780に供給される。プロセス中以外において、噴出機構780の噴出部783から、ベルト709に向けてガスを噴出することができる。これにより、ベルト709に付着したパーティクルがベルト709から除去される。
【0096】
なお、搬送装置6の浮上ユニット10は気体を上方に向けて噴出している。よって,チャンバ内では、風邪が下から上に向かって吹いている。気体が処理室の壁に当たることで、側面や隙間から風が下に流れている、浮上ユニット10とチャンバ730の隙間等から落ちてくる。ベルト709から取り除かれたパーティクルは浮上ユニット10からの気体とともに、下に落ちてくる。よって、パーティクルが被処理体66等に付着することができるため、レーザ照射プロセスを安定して実行することができる。
【0097】
上記の搬送装置6を用いた搬送方法は、例えば、以下のステップを備えていてもよい。
(A)搬送ユニットが、前記基板を移動するステップ。
【0098】
(有機ELディスプレイ)
上記のポリシリコン膜を有する半導体装置は、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ用のTFT(Thin Film transistor)アレイ基板に好適である。すなわち、ポリシリコン膜は、TFTのソース領域、チャネル領域、ドレイン領域を有する半導体層として用いられる。
【0099】
以下、本実施の形態にかかる半導体装置を有機ELディスプレイディスプレイに適用した構成について説明する。図16は、有機ELディスプレイの画素回路を簡略化して示す断面図である。図16に示す有機ELディスプレイ300は、各画素PXにTFTが配置されたアクティブマトリクス型の表示装置である。
【0100】
有機ELディスプレイ300は、基板310、TFT層311、有機層312、カラーフィルタ層313、及び封止基板314を備えている。図16では、封止基板314側が視認側となるトップエミッション方式の有機ELディスプレイを示している。なお、以下の説明は、有機ELディスプレイの一構成例を示すものであり、本実施の形態は、以下に説明される構成に限られるものではない。例えば、本実施の形態にかかる半導体装置は、ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイに用いられていてもよい。
【0101】
基板310は、ガラス基板又は金属基板である。基板310の上には、TFT層311が設けられている。TFT層311は、各画素PXに配置されたTFT311aを有している。さらに、TFT層311は、TFT311aに接続される配線(図示を省略)等を有している。TFT311a、及び配線等が画素回路を構成する。
【0102】
TFT層311の上には、有機層312が設けられている。有機層312は、画素PXごとに配置された有機EL発光素子312aを有している。さらに、有機層312には、画素PX間において、有機EL発光素子312aを分離するための隔壁312bが設けられている。
【0103】
有機層312の上には、カラーフィルタ層313が設けられている。カラーフィルタ層313は、カラー表示を行うためのカラーフィルタ313aが設けられている。すなわち、各画素PXには、R(赤色)、G(緑色)、又はB(青色)に着色された樹脂層がカラーフィルタ313aとして設けられている。
【0104】
カラーフィルタ層313の上には、封止基板314が設けられている。封止基板314は、ガラス基板などの透明基板であり、有機層312の有機EL発光素子の劣化を防ぐために設けられている。
【0105】
有機層312の有機EL発光素子312aに流れる電流は、画素回路に供給される表示信号によって変化する。よって、表示画像に応じた表示信号を各画素PXに供給することで、各画素PXでの発光量を制御することができる。これにより、所望の画像を表示することができる。
【0106】
有機ELディスプレイ等のアクティブマトリクス型表示装置では、1つの画素PXに、1つ以上のTFT(例えば、スイッチング用TFT、又は駆動用TFT)が設けられている。そして、各画素PXのTFTには、ソース領域、チャネル領域、及びドレイン領域を有する半導体層が設けられている。本実施の形態にかかるポリシリコン膜は、TFTの半導体層に好適である。すなわち、上記の製造方法により製造したポリシリコン膜をTFTアレイ基板の半導体層に用いることで、TFT特性の面内ばらつきを抑制することができる。よって、表示特性の優れた表示装置を高い生産性で製造することができる。
【0107】
<半導体装置の製造工程>
本実施の形態にかかるレーザ照射装置を用いた半導体装置の製造方法は、TFTアレイ基板の製造に好適である。TFTを有する半導体装置の製造方法について、図17図18を用いて説明する。図17図18は半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。以下の説明では、逆スタガード(inverted staggered)型のTFTを有する半導体装置の製造方法について説明する。図17図18では、半導体製造方法におけるポリシリコン膜の形成工程を示している。なお、その他の製造工程については、公知の手法を用いることができるため、説明を省略する。
【0108】
図17に示すように、ガラス基板401上に、ゲート電極402が形成されている。ゲート電極402の上に、ゲート絶縁膜403が形成されている。ゲート絶縁膜403の上に、アモルファスシリコン膜404を形成する。アモルファスシリコン膜404は、ゲート絶縁膜403を介して、ゲート電極402と重複するように配置されている。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、ゲート絶縁膜403とアモルファスシリコン膜404とを連続成膜する。
【0109】
そして、アモルファスシリコン膜404にレーザ光L1を照射することで、図18に示すように、ポリシリコン膜405が形成される。すなわち、図3等で示したレーザ照射装置1によって、アモルファスシリコン膜404を結晶化する。これにより、シリコンが結晶化したポリシリコン膜405がゲート絶縁膜403上に形成される。ポリシリコン膜405は、上記したポリシリコン膜に相当する。
【0110】
本実施の形態にかかる半導体装置の製造方法は、以下のステップを有していてもよい。
(s1)基板上に非晶質膜を形成するステップ。
(s2)前記非晶質膜を結晶化して結晶化膜を形成するように、ライン状のレーザ光を前記基板に照射して、前記非晶質膜をアニールするステップ。
そして、s2のステップで、上記の搬送装置を用いた搬送方法で、基板となる被処理体66を搬送する。
【0111】
さらに、上記の説明では、本実施の形態にかかるレーザアニール装置が、アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射してポリシリコン膜を形成するものとして説明したが、アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射してマイクロクリスタルシリコン膜を形成するものであってもよい。さらには、アニールを行うレーザ光はエキシマレーザに限定されるものではなく、Nd:YAGレーザ等であってもよい。また、本実施の形態にかかる方法は、シリコン膜以外の薄膜を結晶化するレーザアニール装置に適用することも可能である。すなわち、非晶質膜にレーザ光を照射して、結晶化膜を形成するレーザアニール装置であれば、本実施の形態にかかる方法は適用可能である。本実施の形態にかかるレーザアニール装置によれば、結晶化膜付き基板を適切に改質することができる。
【0112】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 レーザ照射装置
6 搬送装置
14 レーザ照射部
15 レーザ光
61_1~61_4 搬送ユニット
62_1~62_4 保持機構
63_1~63_4 移動機構
60a 第1の領域
60b 第2の領域
60c 第3の領域
60d 第4の領域
60e 照射領域
60f モニタ領域
65 照射位置
66 被処理体
67 補助浮上ユニット
68 回転機構
69 アライメント機構
300 有機ELディスプレイ
311 TFT層
311a TFT
312 有機層
312a 有機EL発光素子
312b 隔壁
313 カラーフィルタ層
313a カラーフィルタ(CF)
314 封止基板
PX 画素
601 リニアモータ
601a 可動子
601b 固定子
603 ガイド機構
606 ベース
607 ダンパ
621 昇降機構
622 吸着部
703 ガイド機構
704 可動部
706 ベース
709 ベルト
711 ACサーボモータ
714 排気フランジ
715 カバー
716 プーリ
730 チャンバ
740 配管
742 排気手段
744 ガス供給手段
746 配管
760 集塵機構
761 噴出空間
762 排気空間
763 集塵面
765 噴出口
766 吸引口
771 供給用継手
772 排気用継手
780 噴出機構
782 継手
783 噴出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18