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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012343
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】原子炉用制御棒
(51)【国際特許分類】
   G21C 7/113 20060101AFI20250117BHJP
   G21C 7/10 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G21C7/113
G21C7/10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115107
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145816
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿股 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100195718
【弁理士】
【氏名又は名称】市橋 俊規
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 光晴
(72)【発明者】
【氏名】片山 義紀
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 智子
(72)【発明者】
【氏名】島津 忠昭
(57)【要約】
【課題】ハフニウム板10を3Dプリンターにより積層造形することで、溶接による残留応力や照射による変形を抑制し、原子炉用制御棒1の信頼性及び安全性を向上させるとともに長寿命化を図る。
【解決手段】原子炉用制御棒1の中性子吸収材であるハフニウムを3Dプリンターにより積層造形する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉用制御棒の中性子吸収材であるハフニウムを3Dプリンターにより積層造形したことを特徴とする原子炉用制御棒。
【請求項2】
前記ハフニウムはハフニウム板であり、
原子炉用制御棒のシース内の対向するハフニウム板は、当該対向するハフニウム板の間の間隔を保持する凸部状のハフニウム製のコマを有し、
前記ハフニウム板とハフニウム製のコマは3Dプリンターにより一体的に積層造形したことを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
【請求項3】
前記シース内の長手方向に複数のハフニウム板を積層するとともに、当該ハフニウム板の上端部に、隣接するハフニウム板の下端部に当接する当接部を設けたことを特徴とする請求項2記載の原子炉用制御棒。
【請求項4】
前記複数のハフニウム板の板厚を変化させたことを特徴とする請求項3記載の原子炉用制御棒。
【請求項5】
前記ハフニウム板を分割せずに前記シース内に長手方向にわたって収容するとともに、当該ハフニウム板の板厚を長手方向にわたって連続的に変化させたことを特徴とする請求項2記載の原子炉用制御棒。
【請求項6】
前記ハフニウムはハフニウムチューブであり、
前記ハフニウムチューブを前記シース内に長手方向にわたって収容するとともに、当該ハフニウムチューブの板厚を長手方向にわたって連続的に変化させたことを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
【請求項7】
前記ハフニウムはハフニウム棒であることを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、沸騰水型原子炉等に適用される原子炉用制御棒に係り、特にハフニウムを用いた原子炉用制御棒に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉等に適用される原子炉用制御棒1は、図8図10に示すように、上部構造材4と下部構造材5とを結合するタイロッド6と、このタイロッド6から放射状に突出し、その外郭部が深いU字形断面のシース7によって構成されたウイング2と、シース7の内部に設けられ、タイロッド6の軸心と平行に配列された複数ハフニウム板10からなる中性子吸収材とから構成されている。
【0003】
従来、このような原子炉用制御棒1において、長寿命型制御棒としてフラックストラップ型ハフニウム制御棒が知られている。この原子炉用制御棒1は、図10に示すように、ハフニウム又はハフニウム合金からなる一対の板状体(以下、ハフニウム板10という)を対向させ、ステンレス製のシース7内に収容されている。
【0004】
この原子炉用制御棒1は、中性子吸収材であるハフニウム板10をウイング2の軸方向(長手方向)に分割して配置し、各分割区分のハフニウム板10の板厚を各区分における中性子吸収量に応じて定めたもので、これにより原子炉用制御棒1の全体にわたり中性子吸収材の核的寿命を均一化している。
【0005】
具体的には、各ウイング2は図10に示すように、ウイング2の外殻を形成するシース7の内面に複数のコマ12を用いてハフニウム板10を対向状態で溶接固定した構成とされている。また、シース7は図9に示すように、タイロッド6にスポット溶接等による溶接部9によって保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-113664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来のフラックストラップ型の原子炉用制御棒1では対向したハフニウム板10をシース7で挟み込みコマ12により間隔を保持するが、コマ12の上端部とシース7の薄肉部はハフニウム板10側に倒れ込みシ-ス7に引張の残留応力が生じる。このような状態で使用すると引張の残留応力と高温水に水環境によって、シース7に応力腐食割れが生じる原因となる。
【0008】
また、各コマ12とシース7とを溶接により固定すると、溶接変形によりシース7が若干ハフニウム板10側に凹状に収縮し、このハフニウム板10とシース7の間の間隙を消滅させるのみならず、シース7がハフニウム板10に接触してハフニウム板10を強く拘束する可能性があった。
【0009】
このような状態に陥った場合には、シース7とハフニウム板10の間隙に形成されるべき腐食生成物の吸収代が消滅するばかりでなく、シース7とハフニウム板10の間の熱膨張や照射成長の相違による相対変位をも許さない構造となることから、薄板状のシース7に過大な応力が発生する可能性が生じる。
【0010】
また、従来の原子炉用制御棒1ではハフニウム板10をシース7に複数のコマ12を介して溶接により保持する構造となっており、この溶接部によりスクラム時の荷重をはじめとする運転中の各種の比較的大きな荷重が受け持たれている。このようにコマ12を溶接で固定すると溶接部近傍には引張の残留応力が生じるため、溶接部近傍のシース7に応力腐食割れが生じる可能性があり、制御棒の寿命低下につながるとともに原子炉の安全性を脅かす可能性がある。
【0011】
さらに、溶接によるシ-ス7の変形によりシース7とハフニウム板10との間隙が消滅し、隙間腐食の原因にもなる可能性があり制御棒の信頼性低下につながる課題がある。
【0012】
本発明の実施形態は、上記課題を解決するためになされたもので、ハフニウムを用いた原子炉用制御棒1において、溶接による残留応力や照射による変形を抑制することができる、信頼性及び安全性が高い長寿命の原子炉用制御棒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本実施形態に係る原子炉用制御棒は、中性子吸収材であるハフニウムを3Dプリンターにより積層造形したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本実施形態によれば、ハフニウム板を3Dプリンターにより積層造形することで、溶接による残留応力や照射による変形を抑制し、原子炉用制御棒の信頼性及び安全性を向上させるとともに長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係るハフニウムの照射成長の説明図。
図2】第1の実施形態に係るハフニウムの結晶配向性の説明図。
図3】第2の実施形態に係る原子炉用制御棒におけるウイングの断面図。
図4】第3の実施形態に係る原子炉用制御棒におけるシースの断面図。
図5】第4の実施形態に係る原子炉用制御棒におけるシースの断面図。
図6】(a)は第5の実施形態に係る原子炉用制御棒におけるシースの断面図、(b)は(a)のX-X線矢視図。
図7】(a)は第6の実施形態に係る原子炉用制御の概観図、(b)は(a)の領域Aの拡大図。
図8】従来の原子炉用制御棒の概観図(その1)。
図9】従来の原子炉用制御棒の概観図(その2)。
図10】従来の原子炉用制御棒におけるウイングの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る原子炉用制御棒の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る原子炉用制御棒1は中性子吸収材であるハフニウム板10を3Dプリンターにより積層造形することを特徴とする。
【0018】
中性子吸収材であるハフニウムは稠密六方格子構造をもつが中性子照射を受けると、照射成長によりa軸方向に伸びc軸方向に縮む性質がある。具体的には、図1に示すように、圧延による板状のハフニウムではa軸が長手方向に向くので長手方向に伸び、棒状のハフニウムではc軸が長手方向に向くので長手方向に縮む。
【0019】
ハフニウムと同様に稠密六方格子構造を持つジルカロイを3Dプリンターにより積層造形すると結晶が特定の方向を向かないという調査結果が報告されており、a軸に伸びc軸に縮むため全体の体積は変わらず照射成長は発生しない。
【0020】
図2は3Dプリンターで積層造形したジルカロイをEBSPP法(電子線後方散乱回折法)でF値(結晶の配向度)を解析した結晶方向性を示す図であり、F値が特定の方向で大きい値を持たず、X、Y、Z方向とも略同等な値を有することがわかる。
【0021】
これは3Dプリンターによる積層造形ではレーザー、電子線等により材料を溶融、凝結により造形するため圧延のように結晶が特定の方向を向かないためと考えられる。
【0022】
ハフニウムもジルカロイと同様に稠密六方格子構造を持つため、3Dプリンターにより積層造形すると結晶が特定の方向を向かず照射成長は発生しないことが確認されている。
【0023】
したがって、ハフニウム板10がシース7に接触した場合でもハフニウムの照射成長による過大な引張応力が発生せず、シース7が破損する確率を低減できる。
【0024】
また、ハフニウム板10とシース7の材料であるステンレス鋼の熱膨張差を考慮する必要があるが、ハフニウムの熱膨張率は約5.9μm/m/K程度とステンレス鋼の約16.2μm/m/Kより小さいことから発生した熱膨張差はシース7に引張応力ではなく圧縮応力を発生させることになるので破損を引き起こす可能性は小さい。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば、3Dプリンターによりハフニウム板10を積層造形することにより、原子炉用制御棒1の健全性及び信頼性を向上させることができるとともに、長寿命化を図ることができる。
【0026】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る原子炉用制御棒1について図3を用いて説明する。
【0027】
図3は本実施形態に係る原子炉用制御棒1のウイング2の断面図であり、シース7内に収容されたハフニウム板10と、対向するハフニウム板10の間の間隔を保持するための凸部状のハフニウム製のコマ12cと、ハフニウム板10を上下方向(長手方法)に保持するステンレス製のコマ12dと、十字状に配置された各ウイング2を連結するタイロッド6と、から構成される。
【0028】
3Dプリンターによる積層造形手段は、複雑な形状を造形できるため、本実施形態ではハフニウム板10間の間隔を保持するためのコマ12cとしてハフニウムを用い、ハフニウム板10と一体で3Dプリンターにより積層造形する。
【0029】
各ウイング2に設けられるコマ12は、ハフニウム板10間の間隔を保持することと、ハフニウム板10をシース7に固定し、上下方向(長手方法)の位置を保持することの二つの機能が求められるが、本実施形態では、ハフニウム板10間の間隔を保持するための機能は凸部状のハフニウム製のコマ12cにより行い、ハフニウム板10をシース7に固定し上下方向の位置を保持する機能はステンレス製のコマ12dにより行う。
【0030】
これにより、ハフニウム製のコマ12cはハフニウム板10の板厚方向の移動を妨げないことからハフニウム板10とシース7の固着を防ぐことができるとともに、コマ12cをハフニウム製にしたことで中性子吸収能力を高めることができる。
【0031】
なお、図3に示す例では、凸部状のハフニウム製のコマ12cはハフニウム板10の中央部近傍に設けられているが、その位置及び数は適宜増減可能である。また、シース7の内側に高さ0.2~0.6mm程度の高さのディンプルを設けることにより隙間腐食を防止し(図示せず)、さらに信頼性を上げることも可能である。
【0032】
本実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果に加え、コマ12cをハフニウム製とし、ハフニウム板10と一体的に積層造形を行うことにより、ハフニウム板10の製造組立工程を簡略化するとともに、原子炉用制御棒1の健全性及び信頼性をさらに向上させることができる。
【0033】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る原子炉用制御棒1について図4を用いて説明する。
【0034】
上記第2の実施形態では、ステンレス製のコマ12dがハフニウム板10をシース7に固定する役割を果たしているが、本実施形態では、ステンレス製のコマ12dを用いず、ハフニウム板10を固定せずに積層構造とし、シース7内に収容する構成とする。
【0035】
本実施形態では、3Dプリンターで積層造形したハフニウム板10の縦方向長さは現状設計と同じ約450mm程度であり、この長さ約450mmの板状体からなるハフニウム板10を原子炉用制御棒1の長手方向に8枚設ける。各ハフニウム板10は、その中央部近傍にハフニウム板10の間隔を保持するための凸部状のハフニウム製のコマ12cを設けている。なお、コマ12cは、上記実施形態と同様に、ハフニウム板10と一体的に積層造形される。
【0036】
また、図4に示す例では、中性子吸収特性を調節するために、縦方向(長手方向)に異なる板厚のハフニウム板10を用いている。
【0037】
原子炉用制御棒1を組み立てる際は、複数のハフニウム板10を下方向から長手方向に積層し、各ハフニウム板10の当接箇所にはハフニウム板10同士が隙間に入り込んで重なり合わないようにハフニウム板10の一端部に隣接するハフニウム板10を受け止める当接部13を形成する。
【0038】
本実施形態によれば、上記実施形態と同様な作用効果を果たすほか、ステンレス製のコマ12dを用いずに3Dプリンターで積層造形した複数のハフニウム板10を積層する構成としたため、中性子吸収能力を向上させることができるとともに、製造組立工程を簡略化することができる。また、各ハフニウム板10の板厚を適宜変更することで、炉心の中性子分布に応じて、中性子吸収能力を最適に調整することが可能となる。
【0039】
また、結晶異方性による照射成長を考慮する必要がないため、ハフニウム板10の間に設けていた間隙を省略することができる。さらに、ステンレス製のシース7とハフニウム板10の間に設けていた間隙もステンレス鋼の熱膨張率がハフニウムよりも大きく温度が上昇すると隙間が空く方向であるため設ける必要はない。
【0040】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る原子炉用制御棒1について図5を用いて説明する。
【0041】
現状設計では長手方向に複数のハフニウム板を設け、ハフニウム板10の板厚は中性子吸収量が多い先端部分に板厚の大きなハフニウム板10を使用し、下部に行くに従って板厚が小さいハフニウム板10を使用している。
【0042】
しかしながら、3Dプリンターでは板厚を適度に変化させたハフニウム板10を造形可能であることから、本実施形態では、長手方向にわたって、ハフニウム板10を1枚の板として積層造形し、中性子照射量に従って板厚を変化させた構成としている。
【0043】
具体的には、図5に示すように、先端付近のハフニウム板10の板厚を大きくし、下方に行くに従って板厚を小さくする。
【0044】
また、ハフニウム板10の間隔を保持するために、ハフニウム板10と一体のハフニウム製のコマ12cを設けている。このコマ12cの位置及び数は適宜変更可能である。
【0045】
本実施形態によれば、3Dプリンターを用いたことで製造コスト及び製造工程数の削減が可能となるとともに、原子炉用制御棒1の組立工程の簡素化、並びに部品点数及び製造コストの削減も図ることができる。
【0046】
[第5の実施形態]
第5の実施形態に係る原子炉用制御棒1について図6を用いて説明する。
【0047】
図6(a)、(b)は横断面がチューブ状のハフニウムチューブ14を用いた原子炉用制御棒1の断面図で、コマ12を使用しない構成となっている。
【0048】
従来のハフニウムチューブ14を用いた原子炉用制御棒1は、長手方向にハフニウムチューブ14を2分割し、上部に板厚の大きいハフニウムチューブ14を、下部に板厚の小さいハフニウムチューブ14を用いている。
【0049】
しかしながら、3Dプリンターを用いるため、ハフニウムチューブ14を上下で2分割する必要はなく、上部から下部に向かって板厚が減少するハフニウムチューブ14を使用することが可能である。
【0050】
なお、図6(a)に示す例では、ハフニウムチューブ14は径方向に2つ収容されているが、その数は適宜増減可能である。
【0051】
本実施形態によれば、第4の実施形態と同様に、3Dプリンターを用いたことで製造コスト及び製造工程数の削減が可能となるとともに、原子炉用制御棒1の組立工程の簡素化、並びに部品点数及び製造コストの削減も図ることができる。
【0052】
[第6の実施形態]
第5の実施形態に係る原子炉用制御棒1について図7を用いて説明する。
【0053】
上記第1~第5の実施形態では板状のハフニウム板10やチューブ状のハフニウムチューブ14を使用する例を説明したが、本実施形態では、図7に示すように、棒状のハフニウムを使用する原子炉用制御棒1において、ハフニウム棒16を3Dプリンターにより積層造形する。
【0054】
従来のハフニウム棒は、例えばステンレス鋼製板材に横穴15を空けて中性子吸収材であるハフニウム棒16を充填した制御棒が用いられるが、このハフニウム棒16ではハフニウムのa軸(伸びる方向)が丸棒の径方向となるため照射成長により径が増加する。そのために横穴15とハフニウム棒16の間に間隙17を設ける必要があった。
【0055】
しかしながら、3Dプリンターで積層造形したハフニウム棒16は照射成長が無いので間隙17をなくすことができるため、その分径の大きいハフニウム棒16を使用することが可能となり、これにより原子炉用制御棒1の中性子吸収能力及び空間効率の向上、及び長寿命化が見込まれる。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
1…原子炉用制御棒、2…ウイング、3…ハンドル、4…上部構造材、5…下部構造材、6…タイロッド、7…シース、9…溶接部、10…ハフニウム板、12、12c、12d…コマ、13…当接部、14…ハフニウムチューブ、15…横穴、16…ハフニウム棒、17…間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10