(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012451
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】検出回路、半導体集積回路、半導体装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/082 20060101AFI20250117BHJP
H03K 17/08 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H03K17/082
H03K17/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115298
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仁藤 与晴
(72)【発明者】
【氏名】大高 章二
(72)【発明者】
【氏名】田篭 礼二
【テーマコード(参考)】
5J055
【Fターム(参考)】
5J055AX34
5J055AX53
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5J055GX01
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5J055GX05
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(57)【要約】
【課題】パワーデバイスを過電流から適切に保護することに適した検出回路を提供する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、比較回路と信号生成回路とを有する検出回路が提供される。比較回路は、第1の入力ノードと第2の入力ノードと出力ノードとを有する。第1の入力ノードは、パワーデバイスの一端に接続される。第2の入力ノードは、閾値電圧に接続される。信号生成回路は、第1の入力ノードと出力ノードとを有する。第1の入力ノードは、比較回路の出力ノードに接続される。出力ノードは、パワーデバイスの保護回路の制御ノードに接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーデバイスの一端に接続される第1の入力ノードと波形の立ち下がりに対応する閾値電圧に接続される第2の入力ノードと出力ノードとを有する比較回路と、
前記比較回路の出力ノードに接続される第1の入力ノードと前記パワーデバイスの保護回路の制御ノードに接続される出力ノードとを有する信号生成回路と、
を備えた検出回路。
【請求項2】
前記信号生成回路は、前記比較回路の比較結果が反転することに応じて、前記保護回路を有効化する制御信号を生成する
請求項1に記載の検出回路。
【請求項3】
前記信号生成回路は、前記比較回路が第1の比較結果を出力する第1の期間に、ノンアクティブレベルの前記制御信号を前記保護回路へ供給し、前記比較回路が前記第1の比較結果と反転した第2の比較結果を出力する第2の期間に、アクティブレベルの前記制御信号を前記保護回路へ供給する
請求項2に記載の検出回路。
【請求項4】
前記信号生成回路は、入力端子に接続される第2の入力ノードをさらに有する
請求項1に記載の検出回路。
【請求項5】
前記信号生成回路は、前記入力端子に供給される入力信号の波形の立ち上がりから前記比較回路の比較結果が反転するまでの時間を計り、前記入力信号の波形の立ち上がりから前記計られた時間に応じた所定の時間が経過することに応じて、前記保護回路を有効化する信号を生成する
請求項4に記載の検出回路。
【請求項6】
前記信号生成回路は、前記比較回路の比較結果が反転すること、又は前記入力信号の波形の立ち上がりから前記所定の時間が経過することに応じて、前記保護回路を有効化する信号を生成する
請求項5に記載の検出回路。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の検出回路と、
パワーデバイスの一端に接続される入力ノードと前記検出回路の出力ノードに接続される制御ノードと出力ノードとを有する保護回路と、
入力端子に接続される入力ノードと前記保護回路の出力ノードに接続される制御ノードと前記パワーデバイスの制御端子に接続される出力ノードとを有する駆動回路と、
を備えた半導体集積回路。
【請求項8】
入力ノードと制御ノードとパワーデバイスの制御端子に接続される出力ノードとを有する駆動回路と、
前記パワーデバイスの一端に接続される第1の入力ノードと波形の立ち下がりに対応する第1の閾値電圧に接続される第2の入力ノードと出力ノードとを有する第1の比較回路と、
前記パワーデバイスの一端に接続される第1の入力ノードと波形の立ち上がりに対応する第2の閾値電圧に接続される第2の入力ノードと出力ノードとを有する第2の比較回路と、
前記第1の比較回路の出力ノードに接続される第1の入力ノードと第1の出力ノードと前記駆動回路の制御ノードに接続される第2の出力ノードとを有する信号生成回路と、
を備えた半導体集積回路。
【請求項9】
前記半導体集積回路は、前記第2の比較回路の第1の入力ノードに接続される第1のノードと基準電位に接続される第2のノードと制御ノードとを有するスイッチをさらに備え、
前記信号生成回路は、前記第1の比較回路の比較結果が反転することに応じて、保護回路を有効にさせる信号を生成する
請求項8に記載の半導体集積回路。
【請求項10】
前記半導体集積回路は、前記第2の比較回路の第1の入力ノードに接続される第1のノードと基準電位に接続される第2のノードと制御ノードとを有するスイッチをさらに備え、
前記信号生成回路は、前記駆動回路の入力信号の波形の立ち上がりから前記パワーデバイスの一端の電圧の波形の立ち下がりまでの時間を計り、前記入力信号の波形の立ち上がりから前記計られた時間に応じた所定の時間が経過することに応じて、保護回路を有効にさせる信号を生成する
請求項8に記載の半導体集積回路。
【請求項11】
前記信号生成回路は、前記第1の比較回路の比較結果が反転すること、又は前記入力信号の波形の立ち上がりから前記所定の時間が経過することに応じて、前記保護回路を有効にさせる信号を生成する
請求項10に記載の半導体集積回路。
【請求項12】
請求項7に記載の半導体集積回路と、
検出回路と前記パワーデバイスの一端との間に接続される第1の整流素子と、
保護回路と前記パワーデバイスの一端との間に接続される第2の整流素子と、
を備えた半導体装置。
【請求項13】
請求項8から11のいずれか1項に記載の半導体集積回路と、
前記第2の比較回路の第1の入力ノードと前記パワーデバイスの一端との間に接続される整流素子と、
を備えた半導体装置。
【請求項14】
パワーデバイスの一端の電圧と閾値電圧とを比較することと、
前記比較の結果が反転することに応じて、前記パワーデバイスの保護回路を有効化することと、
を含む制御方法。
【請求項15】
入力信号の波形の立ち上がりから前記比較の結果が反転することに応じた前記パワーデバイスの一端電圧の波形の立ち下がりまでの時間を計ることをさらに含み、
前記保護回路の有効化は、
前記比較の結果が反転することと前記入力信号の波形の立ち上がりから前記計られた時間に応じた所定の時間が経過することとの少なくとも一方に応じて、前記保護回路を有効化することを含む
請求項14に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、検出回路、半導体集積回路、半導体装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーデバイスの制御端子に接続される半導体装置は、パワーデバイスを駆動する。パワーデバイスは、比較的大きな電流が流れる負荷に接続され、負荷をスイッチングするために用いられる。半導体装置では、パワーデバイスを過電流から適切に保護することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0097515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、パワーデバイスを過電流から適切に保護することに適した検出回路、半導体集積回路、半導体装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、比較回路と信号生成回路とを有する検出回路が提供される。比較回路は、第1の入力ノードと第2の入力ノードと出力ノードとを有する。第1の入力ノードは、パワーデバイスの一端に接続される。第2の入力ノードは、閾値電圧に接続される。信号生成回路は、第1の入力ノードと出力ノードとを有する。第1の入力ノードは、比較回路の出力ノードに接続される。出力ノードは、パワーデバイスの保護回路の制御ノードに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態にかかる半導体装置の構成を示す回路図。
【
図2】実施形態におけるDESATの概念を示す図。
【
図3】実施形態にかかる半導体装置の動作を示す波形図。
【
図4】実施形態の第1の変形例にかかる半導体装置の構成を示す回路図。
【
図5】実施形態の第1の変形例における時間履歴生成回路の構成を示す回路図。
【
図6】実施形態の第1の変形例にかかる時間履歴生成回路の動作を示す波形図。
【
図7】実施形態の第2の変形例にかかる半導体装置の構成を示す回路図。
【
図8】実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置の構成を示す回路図。
【
図9】実施形態の第4の変形例にかかる半導体装置の構成を示す回路図。
【
図10】実施形態の第5の変形例にかかる半導体装置の構成を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
実施形態にかかる半導体装置は、パワーデバイスの制御端子に接続され、パワーデバイスを駆動するが、パワーデバイスを過電流から適切に保護するための工夫が施される。
【0009】
半導体装置1は、
図1に示すようなパワーデバイスPTの制御端子Gに接続され、パワーデバイスPTを駆動してもよい。
図1は、半導体装置1の構成を示す回路図である。
【0010】
パワーデバイスPTは、比較的大きな電流で動作する負荷LDに接続され、負荷LDをスイッチングするために使用される。負荷LDは、抵抗成分LDa及び誘導成分LDbを含んでもよい。例えば、負荷LDは、直流モータ及びその駆動回路(例えば、Hブリッジ回路)の一部であってもよく、パワーデバイスPTは、駆動回路の他の一部であってもよい。あるいは、負荷LDは、交流モータ及びその駆動回路(例えば、インバータ回路)の一部であってもよく、パワーデバイスPTは、駆動回路の他の一部であってもよい。
【0011】
パワーデバイスPTは、比較的大きな電流に対応可能な任意のデバイスが適用され得る。パワーデバイスPTは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよいし、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であってもよいし、バイポーラトランジスタであってもよい。パワーデバイスPTの素子構造に用いられる基板は、SiC基板であってもよいし、Si基板であってもよい。
【0012】
負荷LDで短絡などの不具合が発生すると、パワーデバイスPTに過電流が流れる可能性がある。パワーデバイスPTを過電流から保護するためには、パワーデバイスPTに過電流が流れ始めたことを検出しそれに応じてパワーデバイスPTをオフさせる保護動作を行うことが有効である。パワーデバイスPTに過電流が流れ始めたことは、DESATを検出すること(以下、DESAT検出)により検出可能である。
【0013】
DESATは、
図2に示すように定義され得る。
図2は、DESATを説明するための図である。
【0014】
例えば、パワーデバイスPTがN型のIGBTである場合、
図2(a)に示すように、パワーデバイスPTの一端がコレクタC、他端がエミッタE、制御端子がゲートGになる。
【0015】
パワーデバイスPTは、
図2(b)に示すように、ゲートGエミッタE間の電圧V
CEが所定値を超えてオンすると、領域RG1では、コレクタCエミッタE間の電圧V
CEの増加に対してコレクタCからエミッタEへ向かう電流I
Cが急峻に増加する。より高電圧側の領域RG2では、電圧V
CEの増加に対して電流I
Cがなだらかに増加するようになる。
【0016】
図2(b)に白抜き矢印で示すように、電流I
Cが急峻な領域RG1から電流I
Cがなだらかな領域RG2への遷移を、DESATと呼ぶことにする。領域RG1は、飽和領域と呼ばれることがある。領域RG2は、能動領域と呼ばれることがある。
【0017】
なお、パワーデバイスPTがP型のIGBTである場合は、オンするゲートGエミッタE間の電圧の極性が逆になり、コレクタ電流がエミッタEからコレクタCへ向かう方向に流れる点以外は、パワーデバイスPTがN型のIGBTである場合と同様である。
【0018】
あるいは、パワーデバイスPTがN型のパワーMOSFETである場合、
図2(c)に示すように、パワーデバイスPTの一端がドレインD、他端がソースS、制御端子がゲートGになる。
【0019】
パワーデバイスPTは、
図2(d)に示すように、ゲートGソースS間の電圧V
GSが所定値を超えてオンすると、領域RG11では、ドレインDソースS間の電圧V
DSの増加に対してドレインDの電流I
Dが急峻に増加する。より高電圧側の領域RG12では、電圧V
DSの増加に対して電流I
Dがなだらかに増加するようになる。
【0020】
図2(d)に白抜き矢印で示すように、電流I
Dが急峻な領域RG11から電流I
Dがなだらかな領域RG12への遷移を、DESATと呼ぶことにする。領域RG11は、線形領域と呼ばれることがある。領域RG12は、飽和領域と呼ばれることがある。
【0021】
なお、パワーデバイスPTがP型のパワーMOSFETである場合は、オンするゲートGソースS間の電圧の極性が逆になり、ドレイン電流がソースSからドレインDへ向かう方向に流れる点以外は、パワーデバイスPTがN型のパワーMOSFETである場合と同様である。
【0022】
図示しないが、パワーデバイスPTがバイポーラトランジスタである場合、パワーデバイスPTの一端がコレクタ、他端がエミッタ、制御端子がベースになる。両端の電流が急峻な領域から両端の電流がなだらかな領域への遷移を、DESATと呼ぶことにする。
【0023】
以下では、パワーデバイスPTがN型のパワーMOSFETである場合を中心に説明する。パワーデバイスPTの一端、他端、制御端子を、それぞれ、D、S、Gで表記する。以下の説明は、パワーデバイスPTが他のタイプの場合にも適用可能である。
【0024】
図1に示す半導体装置1は、入力ノード1a~1c及び出力ノード1dを有する。入力ノード1aは、外部(例えば、上位のコントローラ)に接続され、外部から入力信号INPUTを受ける。入力ノード1bは、パワートランジスタPTの一端D及び負荷LDの一端に接続される。入力ノード1cは、パワートランジスタPTの一端D及び負荷LDの一端に接続される。出力ノード1dは、パワートランジスタPTの制御端子Gに接続される。
【0025】
パワーデバイスPTは、一端Dが半導体装置1の入力ノード1b,1cと負荷LDの一端とに接続され、他端Sがグラント電位GNDに接続され、制御端子Gが半導体装置1の出力ノード1dに接続される。
【0026】
半導体装置1は、半導体集積回路2、整流素子DDESAT、容量素子CDESAT、抵抗素子RDESAT、整流素子DDET、抵抗素子RDETを有する。
【0027】
半導体集積回路2は、1チップで構成されてもよいし、複数チップに分割して構成されてもよい。半導体集積回路2には、端子INPUT、端子VDDET、端子DESAT、端子GATE_DRIVEが設けられる。
【0028】
整流素子DDESATは、端子DESATとパワーデバイスPTの一端Dとの間に接続される。整流素子DDESATは、端子DESATから一端Dへ向かう方向を順方向とする。整流素子DDESATは、ダイオードであってもよい。
【0029】
容量素子CDESATは、一端が端子DESAT及び整流素子DDESATの間のノードに接続され、他端がグランド電位に接続される。容量素子CDESATの容量値は、保護回路4に要求される動作特性に応じて予め決められ得る。容量素子CDESATの容量値は、パワーデバイスPTのDESAT検出に要求される容量素子CDESATの充電特性(例えば、RC時定数、又は、電流源43による充電時間)に応じて予め決められ得る。
【0030】
抵抗素子RDESATは、端子DESATと整流素子DDESATとの間に接続される。抵抗素子RDESATの抵抗値は、保護回路4に要求される特性に応じて、予め決められ得る。抵抗素子RDESATの抵抗値は、保護回路4に要求される動作特性に応じて予め決められ得る。抵抗素子RDESATの抵抗値は、パワーデバイスPTのDESAT検出に要求される容量素子CDESATの充電特性(例えば、RC時定数)に応じて予め決められ得る。
【0031】
整流素子DDETは、端子VDDETとパワーデバイスPTの一端Dとの間に接続される。整流素子DDETは、端子VDDETから一端Dへ向かう方向を順方向とする。整流素子DDETは、ダイオードであってもよい。
【0032】
抵抗素子RDETは、端子VDDETと整流素子DDETとの間に接続される。抵抗素子RDETの抵抗値は、検出回路3に要求される動作特性に応じて、予め決められ得る。抵抗素子RDETの抵抗値は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりの検出に要求される抵抗素子RDETの抵抗特性(例えば、過渡電流制限)に応じてあらかじめ決められ得る。
【0033】
半導体集積回路2は、検出回路3、保護回路4及び駆動回路5を有する。
【0034】
検出回路3は、端子INPUT、保護回路4及び端子VDDETの間に接続される。検出回路3は、端子VDDETを介してパワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりを検出可能である。検出回路3は、一端Dの電圧の立ち下がりを検出すると、保護回路4を有効化する信号を生成して保護回路4へ供給する。
【0035】
検出回路3は、比較回路31、電圧源32、電流源33、容量素子34、スイッチ35及び制御部(信号生成回路)36を有する。
【0036】
比較回路31は、入力ノード31a、入力ノード31b及び出力ノード31cを有する。入力ノード31aは、端子VDDET、抵抗素子RDET及び整流素子DDETを介してパワーデバイスPTの一端Dに接続される。入力ノード31bは、電圧源32に接続される。出力ノード31cは、制御部36に接続される。
【0037】
電圧源32は、一端が比較回路31の入力ノード31bに接続され、他端がグランド電位に接続される。電圧源32は、定電圧源であってもよく、閾値電圧Vth1に対応する基準電圧を生成する。閾値電圧Vth1は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧V
Dの波形の立ち下がりに対応する(
図3参照)。
【0038】
例えば、比較回路31は、端子VDDETの電圧VVDDETと閾値電圧Vth1とを比較する。
【0039】
入力ノード31aが非反転入力ノードであり入力ノード31bが反転入力ノードである場合、比較回路31は、電圧VVDDETが閾値電圧Vth1より高ければ、Hレベルの比較結果を出力し、電圧VVDDETが閾値電圧Vth1より低ければ、Lレベルの比較結果を出力する。
【0040】
入力ノード31aが反転入力ノードであり入力ノード31bが非反転入力ノードである場合、比較回路31は、電圧VVDDETが閾値電圧Vth1より高ければ、Lレベルの比較結果を出力し、電圧VVDDETが閾値電圧Vth1より低ければ、Hレベルの比較結果を出力する。
【0041】
電流源33は、一端が電源電位に接続され、他端が比較回路31の入力ノード31aと端子VDDETとの間のノードに接続される。電流源33は、定電流源であってもよく、定電流を容量素子34へ供給可能である。電流源33が供給する定電流は、検出回路3に要求される動作特性に応じて予め決められ得る。電流源33が供給する定電流は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりの検出に要求される容量素子34の充電特性に応じて予め決められ得る。
【0042】
容量素子34は、一端が比較回路31の入力ノード31aと端子VDDETとの間のノードに接続され、他端がグランド電位に接続される。容量素子34の容量値は、検出回路3に要求される動作特性に応じて予め決められ得る。容量素子34の容量値は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりの検出に要求される容量素子34の充電特性に応じて予め決められ得る。
【0043】
スイッチ35は、容量素子34の一端とグランド電位との間に接続される。スイッチ35は、一端が比較回路31の入力ノード31aと端子VDDETとの間のノードに接続され、他端がグランド電位に接続され、制御端子が制御部36に接続される。
【0044】
スイッチ35は、制御部36からノンアクティブレベル(例えば、Lレベル)の制御信号MASK1を受けた際に、オフすることで容量素子34の一端をグランド電位から遮断し容量素子34を充電可能な状態にする。スイッチ35は、制御部36からアクティブレベル(例えば、Hレベル)の制御信号MASK1を受けた際に、オンすることで容量素子34の一端をグランド電位に接続し容量素子34の一端から電荷を引き抜き比較回路31の入力ノード31aをグランド電位にし、検出回路の機能を無効にする。
【0045】
制御部36は、入力ノード36aが端子INPUTに接続され、入力ノード36bが比較回路31に接続され、出力ノード36dがスイッチ35に接続され、出力ノード36eが保護回路4に接続される。
【0046】
制御部36は、入力信号INPUTに応じて、制御信号MASKを生成してスイッチ35へ供給する。
【0047】
制御部36は、比較回路31の比較結果が反転することに応じて、保護回路4を有効化する制御信号EN_DESATを生成して保護回路4へ供給する。
【0048】
比較回路31の入力ノード31aが非反転入力ノードであり入力ノード31bが反転入力ノードである場合、制御部36は、比較回路31がHレベルの比較結果を出力する期間TP1に、ノンアクティブレベルの制御信号EN_DESATを保護回路4へ供給する。制御部36は、比較回路31がLレベルの比較結果を出力する期間TP2に、アクティブレベルの制御信号EN_DESATを保護回路4へ供給する。
【0049】
比較回路31の入力ノード31aが反転入力ノードであり入力ノード31bが非反転入力ノードである場合、制御部36は、比較回路31がLレベルの比較結果を出力する期間TP11に、ノンアクティブレベルの制御信号EN_DESATを保護回路4へ供給する。制御部36は、比較回路31がHレベルの比較結果を出力する期間TP12に、アクティブレベルの制御信号EN_DESATを保護回路4へ供給する。
【0050】
保護回路4は、端子INPUT、検出回路3、駆動回路5及び端子DESATの間に接続される。保護回路4は、端子DESATを介してパワーデバイスPTのDESATを検出可能である。保護回路4は、パワーデバイスPTのDESATを検出すると、パワーデバイスPTをシャットダウンさせることを指示する信号OFF_CTRを駆動回路5へ供給する。
【0051】
保護回路4は、比較回路41、電圧源42、電流源43、スイッチ45、フィルタ47及び制御部(信号生成回路)46を有する。
【0052】
比較回路41は、入力ノード41a、入力ノード41b及び出力ノード41cを有する。入力ノード41aは、端子DESAT、抵抗素子RDESAT及び整流素子DDESATを介してパワーデバイスPTの一端Dに接続される。入力ノード41bは、電圧源42に接続される。出力ノード41cは、フィルタ47を介して制御部46に接続される。
【0053】
フィルタ47は、比較回路41と制御部46との間に接続される。フィルタ47は比較回路41の比較結果に対して、誤判定時の短パルス信号をリジェクトして制御部46へ供給する。
【0054】
電圧源42は、一端が比較回路41の入力ノード41bに接続され、他端がグランド電位に接続される。電圧源42は、定電圧源であってもよく、閾値電圧Vth2に対応する基準電圧を生成する。閾値電圧Vth2は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧V
Dの波形の立ち上がりに対応する(
図3参照)。
【0055】
例えば、比較回路41は、端子DESATの電圧VDESATと閾値電圧Vth2とを比較する。
【0056】
入力ノード41aが非反転入力ノードであり入力ノード41bが反転入力ノードである場合、比較回路41は、電圧VDESATが閾値電圧Vth2より高ければ、Hレベルの比較結果を出力し、電圧VDESATが閾値電圧Vth2より低ければ、Lレベルの比較結果を出力する。
【0057】
入力ノード41aが反転入力ノードであり入力ノード41bが非反転入力ノードである場合、比較回路41は、電圧VDESATが閾値電圧Vth2より高ければ、Lレベルの比較結果を出力し、電圧VDESATが閾値電圧Vth2より低ければ、Hレベルの比較結果を出力する。
【0058】
電流源43は、一端が電源電位に接続され、他端が比較回路41の入力ノード41aと端子DESATとの間のノードに接続される。電流源43は、定電流源であってもよく、定電流を端子DESAT経由で容量素子CDESATへ供給可能である。電流源43が供給する定電流は、保護回路4に要求される動作特性に応じて予め決められ得る。電流源43が供給する定電流は、パワーデバイスPTのDESAT検出に要求される容量素子CDESATの充電特性に応じて予め決められ得る。
【0059】
スイッチ45は、容量素子CDESATの一端とグランド電位との間に接続される。スイッチ45は、一端が比較回路41の入力ノード41aと端子DESATとの間のノードに接続され、他端がグランド電位に接続され、制御端子が制御部46に接続される。
【0060】
スイッチ45は、制御部46からノンアクティブレベル(例えば、Lレベル)の制御信号MASK2を受けた際に、オフすることで容量素子34の一端をグランド電位から遮断し容量素子34を充電可能な状態にする。スイッチ45は、制御部46からアクティブレベル(例えば、Hレベル)の制御信号MASK2を受けた際に、オンすることで容量素子34の一端をグランド電位に接続し容量素子34Kの一端から電荷を引き抜きグランド電位へ放電する。
【0061】
制御部46は、入力ノード46aが端子INPUTに接続され、入力ノード46bがフィルタ47を介して比較回路41に接続され、制御ノード46cが検出回路3に接続され、出力ノード46dがスイッチ45に接続され、出力ノード46eが駆動回路5に接続される。
【0062】
制御部46は、比較回路41の比較結果が反転することに応じて、パワーデバイスPTをシャットダウンさせることを指示する制御信号OFF_CTRを生成して駆動回路5へ供給する。
【0063】
比較回路41の入力ノード41aが非反転入力ノードであり入力ノード41bが反転入力ノードである場合、制御部46は、比較回路41がHレベルの比較結果を出力する期間TP21に、アクティブレベルの制御信号OFF_CTRを駆動回路5へ供給する。制御部46は、比較回路41がLレベルの比較結果を出力する期間TP22に、ノンアクティブレベルの制御信号OFF_CTRを駆動回路5へ供給する。
【0064】
比較回路41の入力ノード41aが反転入力ノードであり入力ノード41bが非反転入力ノードである場合、制御部46は、比較回路41がLレベルの比較結果を出力する期間TP11に、アクティブレベルの制御信号OFF_CTRを駆動回路5へ供給する。制御部46は、比較回路41がHレベルの比較結果を出力する期間TP12に、ノンアクティブレベルの制御信号OFF_CTRを駆動回路5へ供給する。
【0065】
駆動回路5は、入力ノード5a、出力ノード5b及び制御ノード5cを有する。入力ノード5aは、端子INPUTに接続される。出力ノード5bは、パワートランジスタPTの制御端子Gに接続される。制御ノード5cは、保護回路4に接続される。
【0066】
駆動回路5は、ノンアクティブレベルの制御信号Shutdownを受けている間は、入力信号INに応じてスイッチングさせる駆動信号DRVを生成してパワートランジスタPTの制御端子Gへ供給する。これにより、パワートランジスタPTがスイッチング制御され得る。
【0067】
駆動回路5は、アクティブレベルの制御信号Shutdownを受けると、入力信号INに関わらず、オフ状態に維持させる駆動信号DRVを生成してパワートランジスタPTの制御端子Gへ供給する。これにより、パワートランジスタPTがオフ状態に維持される。これにより、パワートランジスタPTは、負荷LDで発生する過電流から保護され得る。
【0068】
図1に示す半導体装置1において、DESAT検出は、
図3に示すように、タイミングt4~t8の期間に行われる。
図3は、半導体装置1の動作を示す波形図である。
【0069】
タイミングt4~t8の期間において、保護回路4が有効化され、保護回路4によるDESAT検出が有効化される。DESAT検出の期間(t4~t8)は、パワーデバイスPTがオン状態であるタイミングt4~t10の期間内である。
【0070】
DESAT検出において、オン状態のパワーデバイスPTへ過剰な電流が流入することに応じて、保護回路4は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧V
Dの閾値電圧Vth2を超えた上昇を検知する。
図3では、タイミングt4~t8の期間において、電圧V
Dが閾値電圧Vth2未満に維持されており、電圧V
Dの閾値電圧Vth2を超えた上昇が検知されない場合が例示される。
【0071】
なお、図示しないが、電圧VDの閾値電圧Vth2を超えた上昇が検知された場合、それに応じて、保護回路4は、制御信号OFF_CTRをアクティブレベルへ遷移させ駆動回路5へ供給する。これに応じて、駆動回路5が駆動信号VGATE_DRIVEをノンアクティブレベル(例えば、Lレベル)に遷移させ、パワーデバイスPTがオフされる。これにより、パワーデバイスPTのオフ制御が行われる。
【0072】
DESAT検出が可能となる「DESAT有効」の開始タイミングについては、入力信号INPUTがアクティブレベル(例えば、Hレベル)になり、それに応じて、パワーデバイスPTの駆動信号VGATE_DRIVEがアクティブレベル(例えば、Hレベル)になるタイミングt1をトリガーに判断される。駆動信号VGATE_DRIVEがアクティブレベルに維持されるタイミングt1~t8の期間は、「オン制御信号」として表記される。
【0073】
このとき、
図3に示すように、駆動信号V
GATE_DRIVEがアクティブレベルになってから制御端子Gの電圧V
Gが上昇し始めるまでのデッドタイムに応じた遅延時間Td1と、電圧V
Gが上昇し始めてからパワーデバイスPTがオン状態に遷移するまでのスイッチング時間に応じた遅延時間Td2とが存在する。
【0074】
ここで、デッドタイムとスイッチング時間とを予め測定し、トリガータイミングt1から「DESAT有効」の開始タイミングまでの遅延時間(=デッドタイム+スイッチング時間)としてブランキング時間TBLANKを予め実験的に決め保護回路4に固定的に設定することが考えられる。
【0075】
例えば、保護回路4において、制御部46のタイマー461に、予めブランキング時間TBLANKに応じた所定値が設定されてもよい。この場合、タイミングt1の直前において、保護回路4は、タイマー461のカウント値を初期値にセットし、制御信号MASK2をアクティブレベルにする。保護回路4は、入力信号INPUTの波形の立ち上がりを検知すると、タイマー461のカウント動作を開始し、そのカウント値が所定値に達すると、制御信号MASK2をノンアクティレベルにしてスイッチ45をオフさせ、DESAT検出を有効化する。
【0076】
しかし、デッドタイムとスイッチング時間とのうち、少なくともスイッチング時間は、パワーデバイスPTの製造ばらつきや環境温度などの影響等によりばらつく傾向にある。
【0077】
固定的に設定されたブランキング時間TBLANKが実際の「デッドタイム+スイッチング時間」より長い場合、パワーデバイスPTがオン状態に遷移してからブランキング時間TBLANKが経過するまでの期間にDESAT検出ができない。この期間に、オン状態のパワーデバイスPTへ過剰な電流が流入すると、パワーデバイスPTがダメージを受ける可能性がある。すなわち、DESAT検出を適切に行うことが困難になり得る。
【0078】
固定的に設定されたブランキング時間TBLANKが実際の「デッドタイム+スイッチング時間」より短い場合、パワーデバイスPTがオフ状態であるのにブランキング時間TBLANKが経過してしまい、DESATを誤検出する可能性がある。この期間に、パワーデバイスPTへ過剰な電流が流入していないにもかかわらず、パワーデバイスPTがオフ状態であるために一端Dの電圧VDが閾値電圧Vthを超えると、誤ってDESATが発生したと誤検出する可能性ある。すなわち、DESAT検出を適切に行うことが困難になり得る。
【0079】
このため、半導体装置1では、パワーデバイスPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりを検出回路3で検出し、その検出タイミングに応じて保護回路4によるDESAT検出を有効化することで、DESAT有効化の開始タイミングの適切化を図る。
【0080】
例えば、タイミングt1の直前において、検出回路3は、制御信号MASK1をアクティブレベルにし、スイッチ35をオン状態に維持している。これにより、検出回路3による波形の立ち下がり検出が無効化されている。検出回路3は、制御信号EN_DESATをノンアクティレベルにしている。保護回路4は、制御信号MASK2をアクティブレベルにし、スイッチ45をオン状態に維持している。これにより、保護回路4によるDESAT検出が無効化されている。
【0081】
タイミングt1において、入力信号INPUTの波形の立ち上がりを検知すると、駆動回路5は、駆動信号VGATE_DRIVEをアクティブレベルにする。
【0082】
また、入力信号INPUTの波形の立ち上がりを検知すると、検出回路3は、制御信号MASK1をノンアクティブレベルにし、スイッチ35をオフさせる。これに応じて、検出回路3は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧VDについて、その波形の立ち下がり検出が有効化される。すなわち、検出回路3は、電圧VDの波形の立ち下がりを検出可能な状態になる。
【0083】
このとき、パワーデバイスPTがオフしており、一端Dの電圧VDは所定レベル(例えば、Hレベル)に維持されている。これに応じて、整流素子DDETがカットオフし、電流源33の電流が容量素子34に充電され、端子VDDETの電圧が閾値電圧Vth1より高くなっており、比較回路31の比較結果V31がHレベルになる。検出回路3からアクティブレベルの制御信号EN_DESATが来るまでは、保護回路4は、制御信号MASK2をアクティブレベルにし、スイッチ45をオン状態に維持しているため、端子DESATの電圧が閾値電圧Vth2より低くなっており、比較回路41の比較結果V41はLレベルになっている。
【0084】
タイミングt2において、制御端子Gの電圧VGが立ち上がり始め、それに応じてパワーデバイスPTがオンし始め、タイミングt3において、一端Dの電圧VDが下がり始める。
【0085】
タイミングt4において、一端Dの電圧VDが閾値電圧Vth1を下回ると、比較回路31の比較結果V31が反転する。すなわち、検出回路3は、一端Dの電圧VDの波形の立ち下がりを検出する。これに応じて、検出回路3は、制御信号EN_DESATをアクティレベルにし保護回路4へ供給する。
【0086】
アクティレベルの制御信号EN_DESATに応じて、保護回路4は、制御信号MASK2をノンアクティブレベルにし、スイッチ45をオフさせる。これに応じて、保護回路4は、DESAT検出が有効化される。すなわち、保護回路4は、パワーデバイスPTのDESATを検出可能な状態になる。
図3では、タイミングt1~t4のブランキング期間が「ブランキング」と表記される。
【0087】
その直後のタイミングt5において、パワーデバイスPTのオン状態への遷移が完了する。
【0088】
タイミングt7において、制御端子Gの電圧VGが所定レベル(例えば、Hレベル)に達し維持される。
【0089】
タイミングt8において、入力信号INPUTの波形の立ち下がりを検知すると、駆動回路5は、駆動信号V
GATE_DRIVEをノンアクティブレベルにする。
図3では、駆動信号V
GATE_DRIVEがアクティブレベルに維持されるタイミングt1~t8の期間が「オン制御信号」と表記される。
【0090】
また、入力信号INPUTの波形の立ち下がりを検知すると、検出回路3は、制御信号MASK1をアクティブレベルにし、スイッチ35をオンさせる。これにより、再び、検出回路3による波形の立ち下がり検出が無効化される。検出回路3は、制御信号EN_DESATをノンアクティレベルにして保護回路4へ供給する。保護回路4は、制御信号MASK2をアクティブレベルにし、スイッチ45をオンさせる。これにより、再び、保護回路4によるDESAT検出が無効化される。
図3では、DESAT検出が有効化されるタイミングt4~t8の期間が「DESAT有効」と表記される。
【0091】
タイミングt9において、制御端子Gの電圧V
Gが立ち下がり始め、それに応じて、その直後のタイミングt10において、パワーデバイスPTがオフし始め、一端Dの電圧V
Dが上がり始める。
図3では、パワーデバイスPTがオン状態に維持されるタイミングt5~t10の期間が「パワーデバイスオン状態」と表記される。
【0092】
タイミングt11において、一端Dの電圧VDが所定レベル(例えば、Hレベル)に達し維持される。
【0093】
その後のタイミングt12において、制御端子Gの電圧VGが基準レベル(例えば、Lレベル)まで下がり、パワーデバイスPTのオフ状態への遷移が完了する。
【0094】
図3に示すように、パワーデバイスPTのオン状態への遷移タイミングがパワーデバイスPTの一端Dの電圧V
Dの波形の立ち下がりの検出結果から判断され、DESAT検出の有効化タイミングとされる。これによって、パワーデバイスPTの製造ばらつきの影響や温度依存の影響を受けず、パワーデバイスPTのオン状態への遷移完了に近いタイミングでブランキング時間を終了させDESAT検出の有効化を開始させることが可能である。
【0095】
以上のように、実施形態では、半導体装置1において、パワーデバイスPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりを検出回路3で検出し、その検出タイミングに応じて保護回路4によるDESAT検出を有効化する。これにより、DESAT有効化の開始タイミングを適切化できる。また、システム上のDESAT検出の有効化タイミングのマージン設計の必要がなくなり、システム設計の負荷を軽減でき、システム設計をQTAT化できる。
【0096】
なお、
図1に示す検出回路3において、容量素子34は、省略されてもよい。この場合、電流源33は、その電流を、比較回路31と端子VDDETとを接続するラインの寄生容量に充電することになる。
【0097】
図1に示す半導体装置1において、容量素子C
DESATは、省略されてもよい。この場合、保護回路4の電流源43は、その電流を、比較回路41と端子DESATとを接続するラインの寄生容量に充電することになる。
【0098】
図1に示す保護回路4の制御部46は、タイマー461を用いずに、検出回路3から受ける制御信号EN_DESATに応じて制御信号MASK2をアクティブレベルにする。このため、制御部46において、タイマー461は、省略されてもよい。
【0099】
(実施形態の第1の変形例)
また、パワーデバイスPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりの検出によってDESAT検出の有効化を行う場合、負荷(例えば、インバーター装置)LDの故障や不具合タイミングによっては、パワーデバイスPTのオン制御時に一端Dの電圧VDが立ち下がらない事も考えられる。このため、一端Dの電圧VDの立ち下がり検出時間の履歴を残し、過去時間履歴によるDESAT検出の有効化を行ってもよい。
【0100】
半導体装置1iにおいて、半導体集積回路2iの検出回路3iは、
図4に示すように、制御部36(
図1参照)に代えて制御部36iを有してもよい。
図4は、実施形態の第1の変形例にかかる半導体装置1iの構成を示す図である。制御部36iは、時間履歴生成部361iを有する。
【0101】
制御部36iにおいて、時間履歴生成部361iは、入力信号INPUTの波形の立ち上がりから比較回路31の比較結果V
31が反転するまでの時間を計り、計られた時間Δtを保持する。時間履歴生成部361iは、入力信号INPUTの波形の立ち上がりから計られた時間Δt(
図3参照)に応じた所定の時間が経過することに応じて、保護回路4を有効化する制御信号EN_DESATを生成して保護回路4へ供給する。所定の時間は、履歴時間Δtにオフセット時間t
offsetを加算した時間であってもよい。オフセット時間t
offsetは、0より大きい任意の時間が用いられ得る。
【0102】
時間履歴生成部361iは、
図5に示すように構成されてもよい。
図5は、実施形態の第1の変形例における時間履歴生成部361iの構成を示す回路図である。
【0103】
時間履歴生成部361iは、カウンタ361i1、ラッチ回路361i2、加算器361i3、設定回路361i4及びタイマ-361i5を有する。
【0104】
カウンタ361i1は、ノードS ̄が端子INPUTとカウンタ361i1のノードS ̄とに接続され、ノードEが比較回路31に接続され、ノードOがラッチ回路36ii2のノードDに接続される。カウンタ361i1は、一端Dの電圧VDの立下り時間をカウントする。一端Dの電圧VDの立下り時間は、入力信号INPUTのLレベルからHレベルへの遷移から一端の電圧VDの立下り検出タイミングまでの時間となる。すなわち、カウンタ361i1は、ノードS ̄で受ける入力信号INPUTの立ち上がりに応じてカウント動作を開始し、ノードEで受ける比較回路31の比較結果V31の反転に応じてカウント動作を終了する。カウンタ361i1は、カウント値をラッチ回路361i2へ出力する。カウント値は、カウンタ361i1で計られた時間Δtを示す。
【0105】
ラッチ回路361i2は、ノードCK ̄が端子INPUTに接続され、ノードQが加算器361i3に接続される。カウンタ361i1でカウントされた一端の電圧VD立下り時間は、ラッチ回路361i2にて入力信号INPUTのHレベルからLレベルへの遷移タイミングで保持される。すなわち、ラッチ回路361i2は、ノードCK ̄で受ける入力信号INPUTの立ち下がりに応じてカウンタ361i1のカウント値をラッチし、ラッチされた値をノードQから加算器361i3へ出力する。
【0106】
設定回路361i4は、出力ノードが加算器361i3に接続される。設定回路361i4は、オフセット時間toffsetが予め設定される。設定回路361i4は、オフセット時間toffsetを示す値を加算器361i3へ出力する。
【0107】
加算器361i3は、第1の入力ノードがラッチ回路361i2に接続され、第2の入力ノードが設定回路361i4に接続され、出力ノードがタイマ-361i5のノードEに接続される。加算器361i3は、ラッチされた値(すなわち、計られた時間Δtを示す値)とオフセット時間toffsetを示す値とを加算し、加算結果の値をタイマー361i5へ出力する。加算結果の値は、所定の時間Δt+toffsetを示す。
【0108】
タイマ-361i5は、ノードOが保護回路4に接続される。タイマ-361i5は、加算結果の値をノードGで受ける。リセットされた状態において、タイマ-361i5は、ノンアクティブベルの制御信号EN_DESATをノードOから保護回路4へ出力する。タイマ-361i5は、ノードSで受ける入力信号INPUTの立ち上がりに応じてカウントを開始し、そのカウント値がノードGで受けた加算結果の値に達するとカウント動作を終了し、制御信号EN_DESATをアクティブレベルに遷移させて保護回路4へ供給する。
【0109】
例えば、時間履歴生成部361iは、
図6に示すように動作してもよい。
図6は、実施形態の第1の変形例における時間履歴生成部361iの動作を示す波形図である。
【0110】
タイミングt21において、時間履歴生成部361iのカウンタ361i1は、入力信号INPUTの立ち上がりに応じて、時間Δtのカウント動作を開始する。タイマー361i5は、入力信号INPUTの立ち上がりに応じて、所定の時間(Δt0+toffset)のカウント動作を開始する。Δt0は、Δtとして前回計られた時間である。比較回路31は、Hレベルの比較結果V31を出力し始める。
【0111】
タイミングt22において、カウンタ361i1は、比較回路31の比較結果V31がHレベルからLレベルに反転することに応じて、時間Δtのカウント動作を終了し、計られた時間Δt=Δt1のカウント値をラッチ回路361i2へ出力する。
【0112】
タイミングt21から所定の時間(Δt0+toffset)が経過したタイミングt23において、タイマー361i5は、カウント値が所定の時間(Δt0+toffset)に応じた値に達する。
【0113】
その直後のタイミングt24において、タイマー361i5は、制御信号EN_DESATをアクティブレベルにして保護回路4へ供給する。これに応じて、保護回路4において、DESATが有効化される。
【0114】
タイミングt25において、ラッチ回路361i2は、入力信号INPUTの立ち下がりに応じて、カウンタ361i1のカウント値をラッチし、ラッチした値を加算器361i3へ出力し始める。これに応じて、加算器361i3は、ラッチした値にオフセットを加算した値を出力し始める。加算器361i3の加算結果の値がタイマー361i5へ出力され、タイマー361i5でカウントすべき値としてセットされる。
【0115】
タイマー361i5は、入力信号INPUTの立ち下がりに応じて、制御信号EN_DESATをノンアクティブレベルにして保護回路4へ供給する。これに応じて、保護回路4において、DESATが無効化される。
【0116】
タイミングt26において、時間履歴生成部361iのカウンタ361i1は、入力信号INPUTの立ち上がりに応じて、時間Δtのカウント動作を開始する。タイマー361i5は、入力信号INPUTの立ち上がりに応じて、所定の時間(Δt1+toffset)のカウント動作を開始する。Δt1は、Δtとして前回計られた時間である。比較回路31は、Hレベルの比較結果V31を出力し始める。
【0117】
タイミングt27において、カウンタ361i1は、比較回路31の比較結果V31がHレベルからLレベルに反転することに応じて、時間Δtのカウント動作を終了し、計られた時間Δt=Δt2のカウント値をラッチ回路361i2へ出力する。
【0118】
タイミングt26から所定の時間(Δt1+toffset)が経過したタイミングt28において、タイマー361i5は、カウント値が所定の時間(Δt1+toffset)に応じた値に達する。
【0119】
その直後のタイミングt29において、タイマー361i5は、制御信号EN_DESATをアクティブレベルにして保護回路4へ供給する。これに応じて、保護回路4において、DESATが有効化される。
【0120】
タイミングt30において、ラッチ回路361i2は、入力信号INPUTの立ち下がりに応じて、カウンタ361i1のカウント値をラッチし、ラッチした値を加算器361i3へ出力し始める。これに応じて、加算器361i3は、ラッチした値にオフセットを加算した値を出力し始める。加算器361i3の加算結果の値がタイマー361i5へ出力され、タイマー361i5でカウントすべき値としてセットされる。
【0121】
タイマー361i5は、入力信号INPUTの立ち下がりに応じて、制御信号EN_DESATをノンアクティブレベルにして保護回路4へ供給する。これに応じて、保護回路4において、DESATが無効化される。
【0122】
このように、半導体装置1iにおいて、検出回路3iは、一端Dの電圧VDの立ち下がり検出時間の履歴を残し、過去時間履歴によるDESAT検出の有効化を行う。例えば、検出回路4は、直前に計られた時間Δtに変動を考慮したオフセットtoffsetが加算された所定の時間を用いてDESAT検出の有効化を行う。これによっても、DESAT有効化の開始タイミングを適切化できる。
【0123】
(実施形態の第2の変形例)
あるいは、DESAT検出が可能となる「DESAT有効」の開始タイミングについて実施形態の動作と第1の変形例の動作とが組み合わされてもよい。例えば、「DESAT有効」の開始タイミングは、パワートランジスタPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりタイミングと入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過するタイミングとのうち早い方のタイミングに対応してもよい。
【0124】
このとき、半導体装置1jにおいて、半導体集積回路2jの検出回路3jは、
図7に示すように、制御部36i(
図4参照)に代えて制御部36jを有してもよい。
図7は、実施形態の第2の変形例にかかる半導体装置1jの構成を示す図である。
【0125】
制御部36jは、比較回路31の比較結果V31が反転すること、又は入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過することに応じて、保護回路4を有効化する制御信号EN_DESATを生成する。例えば、制御部36jは、比較回路31の比較結果V31が反転するタイミングと入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過するタイミングとのうち早いタイミングに応じて、保護回路4を有効化する制御信号EN_DESATを生成してもよい。
【0126】
制御部36jは、演算子362jをさらに有してもよい。演算子362jは、第1の入力ノードが比較回路31の出力ノード31cに接続され、第2の入力ノードの論理反転が時間履歴生成部361iの出力ノードに接続され、出力ノードが保護回路4に接続される。
【0127】
論理和演算子362jは、比較回路31の比較結果V
31の論理反転と時間履歴生成部361iの出力する制御信号EN_DESAT(
図5参照)との論理和を演算し、演算結果として制御信号EN_DESATを生成する。制御信号EN_DESATは、パワートランジスタPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりタイミングと時間履歴生成部361iで求められた所定の時間(Δt+t
offset)のうち早い方のタイミングに、ノンアクティブレベルからアクティブレベルに遷移する。これにより、「DESAT有効」の開始タイミングは、パワートランジスタPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりタイミングと時間履歴生成部361iで求められた所定の時間(Δt+t
offset)のうち早い方のタイミングにすることができる。
【0128】
このように、半導体装置1jにおいて、検出回路3jは、比較回路31の比較結果V31が反転すること、又は入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過することに応じて、保護回路4を有効化する制御信号EN_DESATを生成する。これによっても、DESAT有効化の開始タイミングを適切化できる。
【0129】
(実施形態の第3の変形例)
半導体装置1kは、
図8に示すように、構成が簡略化されてもよい。
図8は、実施形態の第3の変形例にかかる半導体装置1kの構成を示す図である。
【0130】
半導体装置1kの半導体集積回路2kは、検出回路3と保護回路4と(
図1参照)がマージされて、検出回路3kを含む保護回路4kが構成される。検出回路3kは、電流源33、容量素子34、スイッチ35、制御部36が省略される。保護回路4kは、制御部46(
図1参照)に代えて、制御部46kを有する。
【0131】
制御部46kは、制御部36の機能が追加される。制御部46kは、比較回路31の比較結果が反転することに応じて、保護回路4kを有効化し、保護回路4kによるDESAT検出を有効化する。
【0132】
また、半導体装置1kは、容量素子C
DESAT(
図1参照)が省略され、その代わり、保護回路4kは、容量素子C
DESAT1が追加される。容量素子C
DESAT1の容量値は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりの検出に要求される容量素子C
DESAT1の充電特性に応じて予め決められ得る。
【0133】
このように、半導体装置1kの半導体集積回路2kにおいて、検出回路3kを含む保護回路4kが構成され、構成が簡略化される。これにより、半導体集積回路2kの回路規模を低減できるので、半導体装置1kを省スペース化でき、半導体装置1kを低コスト化できる。
【0134】
図8に示す構成において、容量素子C
DESAT1が省略されてもよい。この場合、保護回路4kの電流源43は、その電流を、比較回路41と端子DESATとを接続するラインの寄生容量に充電することになる。
【0135】
(実施形態の第4の変形例)
半導体装置1nは、
図9に示すように、構成が簡略化されてもよい。
図9は、実施形態の第4の変形例にかかる半導体装置1nの構成を示す図である。
【0136】
半導体装置1nの半導体集積回路2nは、検出回路3iと保護回路4と(
図4参照)がマージされて、検出回路3nを含む保護回路4nが構成される。検出回路3nは、電流源33、容量素子34、スイッチ35、制御部36iが省略される。保護回路4nは、制御部46i(
図4参照)に代えて、制御部46nを有する。
【0137】
制御部46nは、制御部36iの機能が追加される。制御部46nは、入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過することに応じて、保護回路4nを有効化し、保護回路4nによるDESAT検出を有効化する。例えば、制御部46nは、入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過することに応じて、DESAT検出を有効化する。これにより、保護回路4nは、パワートランジスタPTのDESAT検出が可能な状態になる。
【0138】
また、半導体装置1nは、容量素子C
DESAT(
図1参照)が省略され、その代わり、保護回路4kは、容量素子C
DESAT1が追加される。容量素子C
DESAT1の容量値は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりの検出に要求される容量素子C
DESAT1の充電特性に応じて予め決められ得る。
【0139】
このように、半導体装置1nの半導体集積回路2nにおいて、検出回路3nを含む保護回路4nが構成され、構成が簡略化される。これにより、半導体集積回路2nの回路規模を低減できるので、半導体装置1nを省スペース化でき、半導体装置1nを低コスト化できる。
【0140】
図9に示す構成において、容量素子C
DESAT1が省略されてもよい。この場合、保護回路4nの電流源43は、その電流を、比較回路41と端子DESATとを接続するラインの寄生容量に充電することになる。
【0141】
(実施形態の第5の変形例)
半導体装置1pは、
図10に示すように、構成が簡略化されてもよい。
図10は、実施形態の第5の変形例にかかる半導体装置1pの構成を示す図である。
【0142】
半導体装置1pの半導体集積回路2pは、検出回路3jと保護回路4と(
図7参照)がマージされて、検出回路3pを含む保護回路4pが構成される。検出回路3pは、電流源33、容量素子34、スイッチ35、制御部36jが省略される。保護回路4pは、制御部46j(
図7参照)に代えて、制御部46pを有する。
【0143】
制御部46pは、制御部36jの機能が追加される。制御部46pは、比較回路31の比較結果が反転すること、又は、入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過することに応じて、保護回路4pを有効化し、保護回路4pによるDESAT検出を有効化する。例えば、制御部46pは、入力信号INPUTの波形の立ち上がりから所定の時間(Δt+toffset)が経過することに応じて、例えば、制御部46pは、「DESAT有効」の開始タイミングは、パワートランジスタPTの一端Dの電圧VDの立ち下がりタイミングと時間履歴生成部361iで求められた所定の時間(Δt+toffset)のうち早い方のタイミングにてDESAT検出を有効化することができる。これにより、保護回路4pは、パワートランジスタPTのDESAT検出が可能な状態になる。
【0144】
また、半導体装置1kは、容量素子C
DESAT(
図1参照)が省略され、その代わり、保護回路4kは、容量素子C
DESAT1が追加される。容量素子C
DESAT1の容量値は、パワーデバイスPTの一端Dの電圧の立ち下がりの検出に要求される容量素子C
DESAT1の充電特性に応じて予め決められ得る。
【0145】
このように、半導体装置1pの半導体集積回路2pにおいて、検出回路3pを含む保護回路4pが構成され、構成が簡略化される。これにより、半導体集積回路2pの回路規模を低減できるので、半導体装置1pを省スペース化でき、半導体装置1pを低コスト化できる。
【0146】
図10に示す構成において、容量素子C
DESAT1が省略されてもよい。この場合、保護回路4pの電流源43は、その電流を、比較回路41と端子DESATとを接続するラインの寄生容量に充電することになる。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0148】
1,1i,1j,1k,1n,1p 半導体装置、2,2i,2j,2k,2n,2p 半導体集積回路、3,3i,3j,3k,3n,3p 検出回路、4,4k,4n,4p 保護回路。