(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001289
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】集中度解析装置、集中度解析方法、プログラム、及び集中度支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241225BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100790
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 静君
(72)【発明者】
【氏名】西村 信孝
(72)【発明者】
【氏名】峯邑 隆司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】ユーザをセンシングできない状態であっても、ユーザの集中度に応じた処理を実行可能にする集中度解析装置、集中度解析方法、プログラム、及び集中度支援システムを提供する。
【解決手段】実施形態の集中度解析装置は、第1取得部と、識別部と、処理部と、を備える。前記第1取得部は、ユーザの状態を示す状態情報を取得する。前記識別部は、前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別する。前記処理部は、前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの状態を示す状態情報を取得する第1取得部と、
前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別する識別部と、
前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する処理部と、
を備える集中度解析装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記タイプにより特定される時期に、前記処理を実行する、
請求項1に記載の集中度解析装置。
【請求項3】
前記識別部は、時間帯ごとに、前記ユーザの前記タイプを識別し、
前記処理部は、現在の時刻が属する前記時間帯の前記タイプに応じて、前記処理を実行する、
請求項1に記載の集中度解析装置。
【請求項4】
前記第1取得部は、前記タイプの識別後に、前記状態情報を取得し、
前記識別部は、更新条件が満たされた場合に、新たに取得された前記状態情報に基づいて、前記ユーザの前記タイプを識別する、
請求項1に記載の集中度解析装置。
【請求項5】
前記ユーザのスケジュールを取得する第2取得部を更に備え、
前記処理部は、前記スケジュールと、前記タイプとに応じた前記処理を実行する、
請求項1に記載の集中度解析装置。
【請求項6】
前記第1取得部は、センサにより検出された前記ユーザの状態を示す前記状態情報を取得する、
請求項1に記載の集中度解析装置。
【請求項7】
前記第1取得部は、アンケートの回答により示された前記ユーザの状態を示す前記状態情報を取得する、
請求項1に記載の集中度解析装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記タイプに応じて、前記ユーザが滞在する環境を調整する調整装置を制御する、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の集中度解析装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記タイプに応じて、前記ユーザに提案する行動を示すメッセージを送信する、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の集中度解析装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記タイプに応じて、メッセージを送信するアプリケーションの画像に、前記ユーザが集中していることを示すアイコンを追加する、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の集中度解析装置。
【請求項11】
前記ユーザの位置を示す位置情報を取得する第3取得部を更に備え、
前記処理部は、前記タイプに応じて、前記位置情報が示す位置から規定範囲内の情報処理装置に対して、前記ユーザが集中していることを通知する、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の集中度解析装置。
【請求項12】
ユーザの状態を示す状態情報を取得し、
前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別し、
前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する、
集中度解析方法。
【請求項13】
コンピュータを、
ユーザの状態を示す状態情報を取得する第1取得部と、
前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別する識別部と、
前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する処理部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項14】
ユーザの集中度を解析する集中度解析装置と、前記集中度解析装置による解析結果に応じた処理を実行する実行装置とを備える集中度支援システムであって、
前記集中度解析装置は、
前記ユーザの状態を示す状態情報を取得する第1取得部と、
前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す前記集中度の経時的変化のタイプを識別する識別部と、
前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目的状態への達成を支援する集中支援情報を送信する処理部と、
を備え、
前記実行装置は、
前記集中支援情報を受信する通信部と、
前記集中支援情報に応じた処理を実行する実行部と、
を備える集中度支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、集中度解析装置、集中度解析方法、プログラム、及び集中度支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの集中度を解析する集中度解析システムが知られている。集中度解析システムは、ユーザの現在の状態をセンシングすることで、ユーザの集中度を解析する。そして、集中度解析システムは、ユーザの集中度が低下した場合に、集中度を回復させる処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-089747号公報
【特許文献2】国際公開第2018/168220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、集中度解析システムは、常時、ユーザの状態をセンシングできるとは限らない。例えば、IT(Information Technology)機器を持ち込むことが禁止されている機密エリアで作業を行う場合、ユーザは、カメラやセンサ機器を機密エリアに持ち込むことができない。また、常時、状態をセンシングされることを嫌がるユーザもいる。この場合、集中度解析システムは、ユーザの集中度に応じた処理を実行することができない。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザをセンシングできない状態であっても、ユーザの集中度に応じた処理を実行可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の集中度解析装置は、第1取得部と、識別部と、処理部と、を備える。前記第1取得部は、ユーザの状態を示す状態情報を取得する。前記識別部は、前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別する。前記処理部は、前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る集中度支援システムの概略の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る集中度解析装置が有するハードウェア構成の概略的な一例を示す図である。
【
図3】
図3は、集中度データベースのデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、集中度タイプデータベースのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る実行装置が有するハードウェア構成の概略的な一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る集中度解析装置及び実行装置が有する機能の概略的な一例を示す図である。
【
図7】
図7は、アンケート画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ユーザの集中度の解析結果の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る集中度解析装置が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る集中度解析装置が実行する集中度タイプ識別処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る集中度解析装置が実行するサービス提供処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、変形例3に集中度解析装置が有する機能の概略的な一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、集中度解析装置、集中度解析方法、プログラム、及び集中度支援システムを詳細に説明する。なお、以下の各実施形態および変形例における説明において、同一の符号が付されている部分は実質的に同一の機能を有しており、重複部分については適宜説明を省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る集中度支援システム1の概略の一例を示す図である。集中度支援システム1は、センサ機器10、ユーザ端末20、集中度解析装置30、及び実行装置40を備える。
図1に示す集中度支援システム1は、センサ機器10、ユーザ端末20、集中度解析装置30、及び実行装置40をそれぞれ一台ずつ備えているが、各装置の台数は任意である。
【0010】
集中度支援システム1は、学習や作業等の行為に対するユーザの集中の度合いを示す集中度を解析する。そして、集中度支援システム1は、集中度の経時的変化のタイプに応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する。
【0011】
センサ機器10は、ユーザの状態をセンシングする又は複数のセンサを有する機器である。例えば、センサ機器10は、監視カメラや、スマートグラスや、スマートウオッチや、専用の機器などである。また、センサは、キャスターが取り付けられた椅子のキャスターの動きを検出するセンサや、ユーザの動作を検出する加速度やミリ波センサや、ユーザの表情を撮像するウェブカメラ等のセンサである。センサ機器10は、ユーザの状態をセンシングした検出情報を出力する。検出情報は、センサにより検出された検出結果と、検出された日時を示す日時情報とを有する。
【0012】
ユーザ端末20は、スマートフォンや、タブレット端末や、パーソナルコンピュータなどのユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末20は、センサ機器10から出力された検出情報を取得する。
【0013】
また、ユーザ端末20は、測位機能を有する。例えば、ユーザ端末20は、GNSS(Global Navigation Satellite System)から位置情報を受信する受信機や、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)により送信されたBeaconを受信する受信機を有する。ユーザ端末20は、受信機が受信した情報に基づいて、ユーザ端末20の現在位置を測位する。また、ユーザ端末20は、ユーザ端末20の現在位置を示す位置情報を集中度解析装置30に送信する。
【0014】
また、ユーザ端末20は、センサ機器10を内蔵していてもよい。例えば、ユーザ端末20は、ユーザの表情を撮像するカメラや、キーボードやマウスなどの入力装置に対する操作を検出するセンサを有していてもよい。この場合、ユーザ端末20は、内蔵しているセンサ機器10から検出情報を取得する。そして、ユーザ端末20は、自装置を操作するユーザを識別するためのユーザIDと、検出情報とを集中度解析装置30に送信する。
【0015】
集中度解析装置30は、ユーザの集中度を解析するサーバ装置である。さらに詳しくは、集中度解析装置30は、ユーザが作業に意識を集中している度合いを示す集中度を解析する。また、集中度解析装置30は、ユーザの作業に対する集中度の経時的変化のタイプである集中度タイプを識別する。集中度解析装置30は、集中度タイプに応じた処理を実行させる。例えば、集中度解析装置30は、集中度タイプに応じた処理を実行装置40、又はユーザ端末20に実行させる。
【0016】
実行装置40は、ユーザの集中度タイプに応じた処理を実行する装置である。例えば、実行装置40は、集中度の解析対象のユーザご本人が使用する情報処理装置、または集中度解析対象のユーザとは異なるユーザが使用する情報処理装置である。また、実行装置40は、ユーザが滞在する環境を調整する調整装置であってもよい。調整装置とは、エアコン、音響装置、照明装置、香りを拡散させる装置などである。また、実行装置40は、ユーザが滞在するエリアに関する情報を表示する電子掲示板であってもよい。
【0017】
次に、集中度解析装置30が有するハードウェア構成について説明する。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る集中度解析装置30が有するハードウェア構成の概略的な一例を示す図である。集中度解析装置30は、プロセッサ31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、記憶装置34、及び通信インタフェース35を有する。
【0019】
プロセッサ31は、集中度解析装置30を統括的に制御する。例えば、プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)などの制御回路である。RAM32は、プロセッサ31の作業領域を提供する揮発性のメモリである。ROM33は、各種プログラムやパラメータを記憶する不揮発性のメモリである。プロセッサ31は、ROM33や記憶装置34等に記憶されたプログラムに従い、RAM32をワーキングエリアに使用して各種演算処理を実行する。
【0020】
記憶装置34は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの情報を記憶する装置である。例えば、記憶装置34は、制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、記憶装置34が有する機能を実現するためのプログラムである。
【0021】
また、記憶装置34は、検出情報データベース341、集中度データベース342、集中度タイプデータベース343、及びスケジュールデータベース344を記憶する。
【0022】
検出情報データベース341は、ユーザIDごとに検出情報が登録される。
【0023】
集中度データベース342は、各ユーザの時点ごとの集中度が登録される。
図3は、集中度データベース342のデータ構成の一例を示す図である。
図3に示すように、集中度データベース342は、ユーザIDごとに、各時点の集中度を有する。
図3に示す集中度データベース342は、集中度が高いことを示す1と、集中度が低いことを示す0との2段階となっている。しかしながら、集中度は、2段階に限らず、3段階以上であってもよい。また、集中度データベース342は、集中度そのものの絶対値に限らず、集中度の経時的変化が登録されていてもよい。集中度データベース342は、直近の集中度記録時点と比較して集中度の度合いが上昇、維持、又は低下したか等の直前状態との相対的変化を同じ範囲内に数値化して登録されてもよい。
【0024】
例えば、あるユーザの比較的に高い集中度が0.3の場合、作業時間の経過に連れて集中度が変化しても、ずっと0.3以下の範囲で記録される。そのため、そのユーザは、作業期間中にずっと低集中状態であると判断されてしまう恐れがある。しかし、そのユーザの集中度は、0.3以下の範囲で作業時間の経過に連れて変化している。すなわち、そのユーザの作業時間には、集中度の「比較的高い時間帯」や「比較的低い時間帯」が存在する。集中度解析装置30は、その経時的変化に合わせて集中度の目標状態への達成を支援してもいい。この場合、集中度解析装置30は、例えば対象のユーザが作業開始時点に現れる集中状態、すなわち集中状態初期値を一律に0.5とし、次の集中度記録タイミングが来た時に、新しい時点の集中度は作業開始時点の集中度と比較して上がったかどうかを判定する。集中度解析装置30は、集中度が上がった場合に1と記録し、集中度が下がった場合に0で記録し、集中度が変化していない場合に再度0.5で記録する。これにより、集中度解析装置30は、各ユーザの間で存在する集中状態の絶対値の差を排除し、各ユーザの中において集中度の変化を把握することができる。
【0025】
集中度タイプデータベース343は、各ユーザの集中度タイプが登録される。
図4は、集中度タイプデータベース343のデータ構成の一例を示す図である。
図4に示すように、集中度データベース342は、ユーザID及び時間帯ごとに、ユーザの集中度タイプが登録される。例えば、集中度データベース342は、集中度タイプとして、A、B、C、又はDが登録される。例えば、Aは、常時、集中度が高い常時集中タイプである。例えば、Bは、集中している状態と、集中していない状態とが比較的に短時間で切り替わる不定タイプである。例えば、Cは、前半は集中度が高い状態が維持されるが、時間が経過するに従い集中度が低い時点が多くなる前半集中タイプである。例えば、Dは、前半は集中度が低い状態が多いが、時間が経過するに従い集中度が高い時点が多くなる後半集中タイプである、なお、
図4に示すように、時間帯は、1日を4分割している。しかしながら、時間帯は、4分割に限らず、より細分化されていてもよいし、3分割以下であってもよい。
【0026】
スケジュールデータベース344は、各ユーザのスケジュールが登録される。例えば、スケジュールデータベース344は、ユーザごとに、各作業内容と、作業内容の開始日時及び終了日時とが登録される。例えば、スケジュールデータベース344は、会議の日時や、打合せの日時や、資料作成の日時が登録される。
【0027】
通信インタフェース35は、ユーザ端末20や実行装置40との通信を実行するインタフェースである。例えば、通信インタフェース35は、ユーザ端末20から検出情報を受信する。また、通信インタフェース35は、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する集中支援情報を実行装置40に送信する。
【0028】
図5は、第1の実施形態に係る実行装置40が有するハードウェア構成の概略的な一例を示す図である。実行装置40は、プロセッサ41、RAM42、ROM43、記憶装置44、通信インタフェース45、表示部46、及び操作部47を有する。
【0029】
プロセッサ41は、実行装置40を統括的に制御する。例えば、プロセッサ41は、CPUなどの制御回路である。RAM42は、プロセッサ41の作業領域を提供する揮発性のメモリである。ROM43は、各種プログラムやパラメータを記憶する不揮発性のメモリである。プロセッサ41は、ROM43や記憶装置44等に記憶されたプログラムに従い、RAM42をワーキングエリアに使用して各種演算処理を実行する。
【0030】
記憶装置44は、HDD、SSD、フラッシュメモリなどの情報を記憶する装置である。例えば、記憶装置44は、制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、記憶装置44が有する機能を実現するためのプログラムである。
【0031】
通信インタフェース45は、集中度解析装置30との通信を実行するインタフェースである。
【0032】
表示部46は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置である。
【0033】
操作部47は、マウスやキーボードなどの操作を受け付ける入力装置である。
【0034】
次に、集中度解析装置30及び実行装置40が有する機能構成について説明する。
【0035】
図6は、第1の実施形態に係る集中度解析装置30及び実行装置40が有する機能の概略的な一例を示す図である。集中度解析装置30のプロセッサ31は、ROM33や記憶装置34等に記憶されたプログラムに従い、RAM32をワーキングエリアに使用して各種処理を実行することで、
図6に示す機能を実現する。すなわち、集中度解析装置30は、ユーザ登録部311、検出情報取得部312、アンケート取得部313、位置情報取得部314、集中度解析部315、集中度タイプ登録部316、及びサービス処理部317を有する。
【0036】
なお、集中度解析装置30及び実行装置40の各機能の全部又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0037】
ユーザ登録部311は、集中度に応じたサービスの提供を受けるユーザを登録する。例えば、ユーザ登録部311は、ユーザ端末20により受け付けられた操作に基づいて、集中度を解析する解析対象のユーザを登録する。
【0038】
また、ユーザ登録部311は、ユーザ端末20により受け付けられた操作に基づいて、センサ機器10によるユーザに対するセンシングを許可するか否かの登録を受け付ける。そして、ユーザ登録部311は、ユーザ毎に、ユーザのセンシングを許可するか否かを登録する。
【0039】
また、ユーザ登録部311は、ユーザ端末20により受け付けられた操作に基づいて、スケジュールの登録を受け付ける。すなわち、ユーザ登録部311は、会議、外出、資料作成などの作業内容と、開始時刻と、終了時刻との登録を受け付ける。そして、ユーザ登録部311は、受け付けたスケジュールをスケジュールデータベース344に登録する。
【0040】
検出情報取得部312は、ユーザの状態をセンシングした検出情報を取得する。検出情報取得部312は、センサ機器10がユーザの状態を検出可能な場合、随時検出情報を取得したほうが望ましいが、集中度解析時刻が予約などで事前に指定された場合に、解析許可時刻や解析許可時間帯中にのみ取得してもよい。例えば、検出情報取得部312は、集中度タイプ登録部316によりユーザの集中度タイプが登録後に、検出情報を取得する。また、検出情報取得部312は、ユーザ端末20を介して、センサ機器10により検出された検出情報と、検出情報の検出対象であるユーザのユーザIDとを受信する。検出情報には、センサ機器10により検出された、作業中のユーザの状態が示される。すなわち、検出情報は、ユーザの状態を示す状態情報の一例である。
【0041】
また、検出情報取得部312は、センサ機器10を内蔵するユーザ端末20から検出情報と、検出情報が検出対象にしたユーザのユーザIDと、を受信する。そして、検出情報取得部312は、ユーザIDと検出情報とを検出情報データベース341に登録する。
【0042】
また、検出情報取得部312は、スケジュールデータベース344にユーザのスケジュールを登録する。さらに詳しくは、検出情報取得部312は、例えば予定表に登録された会議や打合せや資料作成などのユーザのスケジュール内容と、スケジュール内容をユーザが行うスケジュール日時とを受け付ける。そして、検出情報取得部312は、スケジュール内容とスケジュール日時とをスケジュールデータベース344に登録する。
【0043】
アンケート取得部313は、ユーザの集中度に関するアンケートの回答を示す回答情報を取得する。回答情報には、アンケートの回答として、作業中のユーザの集中状態が示される。すなわち、回答情報は、アンケートの回答により示されたユーザの状態を示す状態情報の一例である。そして、検出情報取得部312とアンケート取得部313とは、第1取得部の一例である。
【0044】
さらに詳しくは、アンケート取得部313は、時間帯ごとの集中度に関するアンケートをユーザ端末20に表示させる。アンケートには、時間帯ごとのユーザの動作や心理状態などの集中状態およびその経時的変化に関する質問が含まれる。さらに、質問には、それぞれに4つ程度の選択肢が設けられる。また、アンケート取得部313は、時間帯ごとの集中度に関するアンケートの回答が入力された場合に、ユーザ端末20からアンケートの回答を示す回答情報を取得する。例えば、回答情報には、質問ごとに、ユーザが選択した選択肢が含まれる。
【0045】
例えば、アンケート取得部313は、ユーザ端末20にアンケート画像G1を表示させる。そして、アンケート取得部313は、ユーザ端末20から回答情報を取得する。
図7は、アンケート画像G1の一例を示す図である。アンケート画像G1は、ある作業を行う場合のユーザの作業状態に応じた集中度タイプを質問する画像である。また、アンケート画像G1は、8時から12時までの時間帯の集中度タイプを入力する第1入力欄G11、12時から15時までの時間帯の集中度タイプを入力する第2入力欄G12、15時から18時までの時間帯の集中度タイプを入力する第3入力欄G13、及び18時から8時までの時間帯の集中度タイプを入力する第4入力欄G14を有する。そして、アンケート取得部313は、第1入力欄G11、第2入力欄G12、第3入力欄G13、及び第4入力欄G14に入力された集中度タイプを有する回答情報をユーザ端末20から取得する。
【0046】
位置情報取得部314は、ユーザ端末20から、ユーザ端末20の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部314は、第3取得部の一例である。位置情報は、GNSSなどの座標を示す情報であってもよいし、BLEにより受信した情報により特定される位置を示す情報であってもよい。
【0047】
集中度解析部315は、検出情報やアンケートの回答情報などの状態情報に基づいて、ユーザの集中度を解析する。さらに詳しくは、集中度解析部315は、センサ機器10によるユーザに対するセンシングが許可されているか否かを判定する。ユーザのセンシングが許可されている場合に、集中度解析部315は、検出情報に基づいて、ユーザの集中度を解析する。例えば、集中度解析部315は、検出情報に基づいて、時点ごとにユーザの集中度が高いか否か、または1つ前の時点と比較してどう変わったかを解析する。
【0048】
図8は、ユーザの集中度の解析結果の一例を示す図である。
図8に示すように、集中度解析部315は、時点ごとにユーザの集中度が高いか否かを解析する。
図8において、縦軸は、集中度を示し、横軸は、時刻を示す。また、
図8は、ユーザIDが「1」「2」「3」及び「4」の4人のユーザの解析結果を示している。
【0049】
図8(1)は、
図3のユーザIDが「1」のユーザの集中度の経時的変化を示している。ユーザIDが「1」のユーザは、常時、集中度が高いことを示している。
【0050】
図8(2)は、
図3のユーザIDが「2」のユーザの集中度の経時的変化を示している。ユーザIDが「2」のユーザは、常時、集中度が高くなったり低くなったりすることを示している。
【0051】
図8(3)は、
図3のユーザIDが「3」のユーザの集中度の経時的変化を示している。ユーザIDが「3」のユーザは、前半は集中度が高い状態が維持されるが、時間が経過することに従い集中度が低くなる時点が増えることを示している。
【0052】
図8(4)は、
図3のユーザIDが「4」のユーザの集中度の経時的変化を示している。ユーザIDが「4」のユーザは、前半は集中度が低い状態が多いが、時間が経過することに従い集中度が高くなる時点が増えることを示している。
【0053】
また、集中度解析部315は、検出情報の種類に応じた解析を実行する。例えば、集中度解析部315は、顔画像が検出情報の場合、顔画像に示されたユーザの表情に基づいて、集中度を解析する。例えば、集中度解析部315は、集中度と表情との相関を学習した学習済みモデルに、ユーザの顔画像を入力することにより集中度を取得する。
【0054】
例えば、集中度解析部315は、ユーザの身体の動きを表す加速度が検出情報の場合に、単位時間当たりの加速度の変化量に基づいて、集中度を取得する。例えば、集中度解析部315は、単位時間当たりの加速度の変化量が閾値未満の場合に、集中度が高いと判定する。
【0055】
例えば、集中度解析部315は、椅子に取り付けられたキャスターの動きを示す動作情報が検出情報の場合、単位時間当たりのキャスターの回転数に基づいて、集中度を取得する。例えば、集中度解析部315は、単位時間当たりの回転回数が閾値未満の場合に、集中度が高いと判定する。
【0056】
また、集中度解析部315は、複数種類の検出情報に基づいて、集中度を取得してもよい。例えば、集中度解析部315は、複数種類の検出情報の多数決により、集中度を取得してもよい。例えば、集中度解析部315は、検出情報が5種類の場合に、集中度が高いことを示す検出情報が3種類以上あれば集中度が高いと判定する。
【0057】
また、集中度解析部315は、複数種類の検出情報の組み合わせにより、集中度を取得してもよい。例えば、集中度解析部315は、検出情報として、椅子に取り付けられたキャスターの動きを示す動作情報と、表情を示す顔画像とが有る場合に、動作情報が示す単位時間当たりの回転が閾値未満、且つ学習済みAIモデルに基づき「集中」状態に当たる表情が検出されたのであれば、集中度が高いと判定する。なお、これら集中度の高低の判定方法は一例であって、集中度解析部315は、他の方法により判定してもよい。
【0058】
一方、ユーザのセンシングが禁止されている場合に、集中度解析部315は、アンケートの回答を示す回答情報に基づいて、時間帯ごとにユーザの集中度を解析する。例えば、集中度解析部315は、回答情報が示す回答に応じてスコアリングする。そして、集中度解析部315は、スコアリングされた点数に応じて、時間帯ごとにユーザの集中度を判定する。または、集中度解析部315は、アンケートの回答と集中度との相関を学習した学習済みモデルに回答情報を入力することにより、時間帯ごとにユーザの集中度を取得する。
【0059】
集中度タイプ登録部316は、集中度解析部315により解析された集中度に基づいて、ユーザの作業に対する集中度の経時的変化の集中度タイプを識別する。集中度タイプ登録部316は、識別部の一例である。
【0060】
例えば、集中度タイプは、4種類ある。
【0061】
常時集中タイプは、常時、集中度が高いタイプである。例えば、常時集中タイプは、
図8(1)のユーザIDが「1」のユーザが該当するタイプである。
【0062】
不定タイプは、集中している状態と、集中していない状態とが比較的に短時間で切り替わるタイプである。例えば、不定タイプは、
図8(2)のユーザIDが「2」のユーザが該当するタイプである。
【0063】
前半集中タイプは、前半は集中度が高い状態が維持されるが、時間が経過するに従い集中度が低い時点が多くなるタイプである。例えば、前半集中タイプは、
図8(3)のユーザIDが「3」のユーザが該当するタイプである。
【0064】
後半集中タイプは、前半は集中度が低い状態が多いが、時間が経過するに従い集中度が高い時点が多くなるタイプである。例えば、後半集中タイプは、
図8(4)のユーザIDが「4」のユーザが該当するタイプである。
【0065】
例えば、集中度タイプ登録部316は、下記の数式(1)に基づいて、単位時間当たりの集中度の高低を判定する。
【0066】
指標=集中度が高い検出情報の数/全ての検出情報の数・・・(1)
【0067】
集中度タイプ登録部316は、指標に基づいて、時間帯ごとに集中度タイプを識別する。例えば、単位時間は、2時間である。例えば、単位時間は、時間帯の前半の2時間と、後半の2時間とである。前半と後半との両方の指標が閾値以上の場合、集中度タイプ登録部316は、常時集中タイプであると識別する。前半と後半との両方の指標が閾値未満の場合、集中度タイプ登録部316は、不定タイプであると識別する。前半の指標が閾値以上であり、且つ後半の指標が閾値未満の場合、集中度タイプ登録部316は、前半集中タイプであると識別する。前半の指標が閾値未満であり、且つ後半の指標が閾値以上の場合、集中度タイプ登録部316は、後半集中タイプであると識別する。そして、集中度タイプ登録部316は、識別した集中度タイプを集中度タイプデータベース343に登録する。
【0068】
また、集中度タイプ登録部316は、更新条件が満たされた場合に、集中度タイプを更新する。すなわち、集中度タイプ登録部316は、更新条件が満たされた場合に、新たに取得された状態情報に基づいて、ユーザの集中度タイプを識別する。更新条件は、任意の条件であってよい。例えば、更新条件は、前回集中度タイプを登録してから設定期間が経過することであってもよいし、予め定められた日時であってもよいし、ユーザ端末20等を介して更新を指示する操作が受け付けられたことであってもよい。
【0069】
サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する。ユーザの集中度の目標状態とは、例えば作業開始直後においてユーザの集中度を向上させる状態を指す。また、ユーザの集中度の目標状態とは、例えば作業開始後から一定期間が経過し、既に高いレベルまで上昇したユーザの集中度を維持する状態を指す。また、ユーザの集中度の目標状態とは、例えば長時間の作業が終了する際のユーザの集中度の降下、すなわちリラックスする状態への移行を指す。サービス処理部317は、処理部の一例である。例えば、サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する集中支援情報を、ユーザ端末20や実行装置40に送信する。そして、サービス処理部317は、ユーザ端末20や実行装置40などの装置に、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行させる。また、サービス処理部317は、集中度タイプにより特定される時期に、処理を実行させる。
【0070】
また、集中度タイプデータベース343には、時間帯ごとに、集中度タイプが登録される。すなわち、集中度タイプ登録部316は、現在の時刻が属する時間帯ごとに、ユーザの集中度タイプを識別し、識別した集中度タイプを集中度タイプデータベース343に登録する。そして、サービス処理部317は、現在の時刻が属する時間帯の集中度タイプに応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行させる。言い換えると、サービス処理部317は、現在の時刻が属する時間帯の集中度タイプに応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する集中支援情報を送信する。
【0071】
また、サービス処理部317は、ユーザのスケジュールをスケジュールデータベース344から取得する。サービス処理部317は、第2取得部の一例である。そして、サービス処理部317は、取得したユーザのスケジュールと、時間帯ごとの集中度タイプとに応じた処理を実行させる。
【0072】
ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理とは、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援可能な他の装置を制御する集中支援情報を送信する処理である。例えば、サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、ユーザが滞在する環境の温度、湿度、音響、照明、匂いの少なくとも一つを調整する実行装置40に対して、実行装置40を制御するための集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、ユーザに提案する行動を示すメッセージを有する集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、メッセージを送信するアプリケーションの画像に、ユーザが集中していることを示すアイコンを追加させる集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、位置情報取得部314により取得された位置情報が示す位置から規定範囲内の情報処理装置に対して、ユーザが集中していることを通知する集中支援情報を送信する。
【0073】
以下にて、集中度タイプのそれぞれの場合に、サービス処理部317が実行する処理の一例について説明する。
【0074】
まず、ユーザの集中度タイプが、常時集中タイプの場合について説明する。
【0075】
常時集中タイプの場合、ユーザは、常時、作業等に集中しているため、水分補給や運動が不足する。また、常時集中タイプは作業開始前にしっかり休憩をとることにより、精神的緊張、すなわちテンションを一度リリースしリセットさせたほうが望ましい。そこで、サービス処理部317は、ユーザに提案する行動を示すメッセージを有する集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、スケジュールデータベース344に示された作業開始時刻の15分前になった場合に、水分補給やストレッチあるいはウォーキングなどの運動を行うことを提案するメッセージを有する集中支援情報をユーザ端末20に送信する。
【0076】
また、サービス処理部317は、スケジュールデータベース344に示された作業期間中の場合に、ユーザが滞在する環境を調整する実行装置40を制御する。そして、サービス処理部317は、エアコンの設定温度を低め設定させ、音響装置に集中度を維持する音を発生させるように設定させ、照明装置の色温度を明るめに設定させる集中支援情報を実行装置40に送信する。
【0077】
また、サービス処理部317は、ユーザが集中していることを示すアイコンを他者の情報処理装置に表示させる集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、メッセージを送付するソフトウェアにおいて、宛先を選択する画像に対して、ユーザが集中していることを示すアイコンを追加させる集中支援情報を送信する。これにより、他者は、ユーザが集中していることを把握することができるため、ユーザに対して緊急度が低いメッセージの送信を留まる。したがって、サービス処理部317は、ユーザの集中度の高い状態を維持させることができる。
【0078】
また、サービス処理部317は、ユーザ端末20を操作するユーザに対する通知のうち、事前に設定された通知を延期させる集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、ユーザ端末20がメッセージを受信したこと等の優先度の低い通知を延期させる。これにより、サービス処理部317は、メッセージに対する応答を延期させることができるため、ユーザの集中度の高い状態を維持させることができる。
【0079】
また、サービス処理部317は、位置情報取得部314により取得されたユーザ端末20の位置情報に基づいて、位置情報が示す位置から規定範囲内の情報処理装置に対して、ユーザが集中していることを通知する集中支援情報を送信する。これにより、他者は、ユーザが集中していることを把握することができるため、ユーザに話しかけることを少なくする。したがって、サービス処理部317は、集中度の高い状態を維持させることができる。
【0080】
また、サービス処理部317は、スケジュールデータベース344に示された作業期間が終了した場合に、ストレッチを行うことを提案するメッセージを有する集中支援情報をユーザ端末20に送信する。また、サービス処理部317は、ユーザをリラックスさせる音を音響装置に発生させる集中支援情報を送信する。したがって、サービス処理部317は、集中度が高い状態からリリースし、言い換えれば集中度を高い状態から低い状態に誘導させることができる。
【0081】
次に、ユーザの集中度タイプが、不定タイプの場合について説明する。
【0082】
不定タイプの場合、ユーザは、作業に集中している状態と、集中していない状態とが比較的に短時間で切り替わる。そこで、サービス処理部317は、ユーザに提案する行動を示すメッセージを有する集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、水分補給やトイレ休憩を提案するメッセージを有する集中支援情報を、例えば30分ごとにユーザ端末20に送信する。
【0083】
次に、ユーザの集中度タイプが、前半集中タイプの場合について説明する。
【0084】
前半集中タイプの場合、ユーザは、前半は作業に集中しているが、後半は作業に集中している状態と集中していない状態とが比較的に短時間で切り替わる。そのため、ユーザは、水分補給や運動が不足する。そこで、サービス処理部317は、ユーザに提案する行動を示すメッセージを有する集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、スケジュールデータベース344に示された作業開始時刻の15分前になった場合に、水分補給やストレッチあるいはウォーキングなどの運動を行うことを提案するメッセージを有する集中支援情報をユーザ端末20に送信する。また、サービス処理部317は、後半になった場合に、水分補給やトイレ休憩を提案するメッセージを有する集中支援情報を例えば30分ごとにユーザ端末20に送信する。
【0085】
また、サービス処理部317は、前半において、ユーザが滞在する環境を調整する実行装置40を制御する。例えば、サービス処理部317は、エアコンの設定温度を低め設定させ、音響装置に集中度を維持する音を発生させるように設定させ、照明装置の色温度を明るめに設定させる集中支援情報を送信する。そして、サービス処理部317は、後半になった場合に、実行装置40の状態を元に戻す。
【0086】
また、サービス処理部317は、前半において、ユーザが集中していることを示すアイコンを他者の情報処理装置に表示させる集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、メッセージを送付するソフトウェアにおいて、宛先を選択する画像に対して、ユーザが集中していることを示すアイコンを追加させる集中支援情報を送信する。そして、サービス処理部317は、後半になった場合に、アイコンを消去する。
【0087】
また、サービス処理部317は、前半において、ユーザ端末20による操作者に対する通知のうち、事前に設定された通知を延期させる集中支援情報を送信する。そして、サービス処理部317は、後半になった場合に、延期していた内容を通知させる集中支援情報を送信する。
【0088】
また、サービス処理部317は、前半において、位置情報取得部314により取得されたユーザ端末20の位置情報に基づいて、位置情報から規定範囲内の情報処理装置に対して、ユーザが集中していることを通知させる集中支援情報を送信する。また、サービス処理部317は、後半になった場合に、ユーザが集中している状態が終了した見込みであることを通知してもよいし、通知しなくても良い。
【0089】
次に、ユーザの集中度タイプが、後半集中タイプの場合について説明する。
【0090】
後半集中タイプの場合、ユーザは、前半は作業に集中している状態と集中していない状態とが比較的に短時間で切り替わるが、後半は作業に集中している。
【0091】
サービス処理部317は、ユーザに提案する行動を示すメッセージを有する集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、前半において、水分補給やトイレ休憩を提案するメッセージを有する集中支援情報を例えば30分ごとにユーザ端末20に送信する。また、サービス処理部317は、前半と後半との切替タイミングに、例えばカフェイン飲料やストレッチを提案するメッセージを有する集中支援情報をユーザ端末20に送信する。
【0092】
また、サービス処理部317は、後半になった場合に、ユーザが滞在する環境を調整する実行装置40を制御する。例えば、サービス処理部317は、エアコンの設定温度を低め設定させ、音響装置に集中度を維持する音を発生させるように設定させ、照明装置の色温度を明るめに設定させる集中支援情報を送信する。
【0093】
また、サービス処理部317は、後半になった場合に、ユーザが集中していることを示すアイコンを表示させる集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、メッセージを送付するソフトウェアにおいて、宛先を選択する画像に対して、ユーザが集中していることを示すアイコンを追加させる集中支援情報を送信する。
【0094】
また、サービス処理部317は、後半になった場合に、ユーザ端末20による操作者に対する通知のうち、事前に設定された通知を延期させる集中支援情報を送信する。例えば、サービス処理部317は、ユーザ端末20がメッセージを受信したことの通知を延期させる集中支援情報を送信する。
【0095】
また、サービス処理部317は、後半になった場合に、位置情報取得部314により取得されたユーザ端末20の位置情報に基づいて、位置情報から規定範囲内の情報処理装置に対して、ユーザが集中していることを通知させる集中支援情報を送信する。
【0096】
このように、サービス処理部317は、集中度タイプデータベース343から、ユーザに対して設定された集中度タイプであって、現在の時刻が属する時間帯の集中度タイプを取得する。そして、サービス処理部317は、取得した集中度タイプにより特定される時期に、取得した集中度タイプに応じた処理を実行させる集中支援情報を送信する。さらに、サービス処理部317は、スケジュールデータベース344に示された作業時間に応じて、通知等の処理を実行させる集中支援情報を送信する。これにより、サービス処理部317は、集中度タイプに応じて、ユーザに適したサービスを提供させる。
【0097】
実行装置40のプロセッサ41は、ROM43や記憶装置44等に記憶されたプログラムに従い、RAM42をワーキングエリアに使用して各種処理を実行することで、
図6に示す機能を実現する。すなわち、実行装置40は、通信制御部411、及びサービス実行部412を有する。
【0098】
なお、実行装置40の各機能の全部又は一部は、ASICやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0099】
通信制御部411は、集中度解析装置30から集中支援情報を受信する。通信制御部411は、通信部の一例である。
【0100】
サービス実行部412は、通信制御部411により受信された集中支援情報に基づいて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する。サービス実行部412は、実行部の一例である。例えば、サービス実行部412は、実行装置40がエアコンの場合に、設定温度を低め設定し、実行装置40が音響装置の場合に集中度を維持する音を発生させるように設定し、実行装置40が照明装置の場合に色温度を明るめに設定する。
【0101】
また、サービス実行部412は、実行装置40が他者の情報処理装置の場合、メッセージを送付するソフトウェアにおいて、宛先を選択する画像に対して、ユーザが集中していることを示すアイコンを追加する。また、サービス実行部412は、実行装置40が他者の情報処理装置の場合、ユーザが集中していることを通知するメッセージを表示する。
【0102】
また、サービス実行部412は、実行装置40がユーザ端末20の場合、水分補給や運動を行うことを提案するメッセージを表示する。また、サービス実行部412は、実行装置40がユーザ端末20の場合、メッセージを受信したこと等の優先度の低い通知を延期するように設定する。なお、上述したユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理は一例であり、サービス実行部412は、如何なる処理を実行してもよい。
【0103】
次に、第1の実施形態に係る集中度解析装置30が実行する各種処理について説明する。
【0104】
図9は、第1の実施形態に係る集中度解析装置30が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。登録処理は、ユーザに対して集中度タイプを登録する処理である。
【0105】
集中度タイプ登録部316は、集中度タイプデータベース343のユーザIDに対して、集中度タイプが登録済みであるか否かを判定する(ステップS11)。集中度タイプが登録されていない場合に(ステップS11;No)、集中度タイプ登録部316は、ステップS13に移行する。
【0106】
集中度タイプが登録済みの場合に(ステップS11;Yes)、集中度タイプ登録部316は、集中度タイプの更新条件が満たされているか否かを判定する(ステップS12)。更新条件とは、例えば予約した日付と時刻や、前回の集中度タイプの登録日時より一定期間が経過したか否かなどである。集中度タイプの更新条件が満たされていない場合に(ステップS12;No)、集中度タイプ登録部316は、登録処理を終了する。
【0107】
集中度タイプの更新条件が満たされている場合に(ステップS12;Yes)、集中度タイプ登録部316は、ステップS13に移行する。
【0108】
集中度解析装置30は、集中度タイプ識別処理を実行する(ステップS13)。
【0109】
集中度タイプ登録部316は、集中度タイプ識別処理により識別された集中度タイプを集中度タイプデータベース343に登録する(ステップS14)。
【0110】
以上により、集中度タイプ登録部316は、登録処理を終了する。
【0111】
図10は、第1の実施形態に係る集中度解析装置30が実行する集中度タイプ識別処理の一例を示すフローチャートである。集中度タイプ識別処理は、ユーザの集中度タイプを識別する処理である。また、集中度タイプ識別処理は、
図9に示すステップS13の処理である。
【0112】
検出情報取得部312は、センサ機器10から検出情報を取得可能であるか否かを判定する(ステップS21)。例えば、検出情報取得部312は、ユーザにより検出情報の取得が許可されていない場合や、ユーザがセンサ機器10によりセンシングされていない場合に、取得不可と判定する。
【0113】
検出情報を取得できない場合に(ステップS21;No)、アンケート取得部313は、アンケートの回答を有する回答情報を取得する(ステップS22)。
【0114】
集中度解析部315は、取得した回答情報に基づいて、規定の時間帯ごとにユーザの集中度を算出する(ステップS23)。そして、集中度解析装置30は、ステップS28に移行する。
【0115】
検出情報を取得可能な場合に(ステップS21;Yes)、検出情報取得部312は、現時点から規定期間内の検出情報を取得済みであるか否かを判定する(ステップS24)。すなわち、検出情報取得部312は、検出情報データベース341に検出情報が登録されているか否かを判定する。
【0116】
検出情報を取得済みの場合に(ステップS24;Yes)、集中度解析装置30は、ステップS27に移行する。
【0117】
検出情報を取得していない場合に(ステップS24;No)、検出情報取得部312は、センサ機器10から検出情報を取得する(ステップS25)。
【0118】
検出情報取得部312は、検出情報の取得が完了したか否かを判定する(ステップS26)。検出情報の取得が完了していない場合に(ステップS26;No)、検出情報取得部312は、ステップS25においてセンサ機器10から検出情報を取得する。
【0119】
検出情報の取得が完了した場合に(ステップS26;Yes)、集中度解析装置30は、ステップS27に移行する。
【0120】
集中度解析部315は、検出情報に基づいて、時点ごとに集中度を算出する(ステップS27)。
【0121】
集中度解析部315は、集中度の経時的変化に基づいて、集中度タイプを識別する(ステップS28)。
【0122】
以上により、集中度解析装置30は、集中度タイプ識別処理を終了する。
【0123】
図11は、第1の実施形態に係る集中度解析装置30が実行するサービス提供処理の一例を示すフローチャートである。サービス提供処理は、集中度タイプに基づいた、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理である。
【0124】
サービス処理部317は、集中度タイプデータベース343から、ユーザの集中度タイプを取得すること可能であるか否かを判定する(ステップS31)。集中度タイプが取得できない場合に(ステップS31;No)、集中度タイプに基づき集中度の目標状態への達成を支援するためのサービスが提供できないため、処理を終了する。
【0125】
集中度タイプが取得済の場合に(ステップS31;Yes)、サービス処理部317は、スケジュールデータベース344から、ユーザのスケジュールを取得する(ステップS32)。
【0126】
サービス処理部317は、ユーザの集中度タイプとスケジュールとに基づいて、ユーザに提供するサービス内容及び実行時期を決定する(ステップS33)。すなわち、サービス処理部317は、ユーザの集中度の目標状態への達成を促進する処理の内容を決定する。
【0127】
サービス処理部317は、決定した実行時期にサービス内容を実行する(ステップS34)。すなわち、サービス処理部317は、ユーザの集中度の低下を抑制する処理を実行する。
【0128】
以上により、集中度解析装置30は、サービス提供処理を終了する。
【0129】
以上のように、第1の実施形態に係る集中度解析装置30は、ユーザの状態を示す状態情報を取得する。また、集中度解析装置30は、センサ機器10により検出された検出情報や、アンケートの回答を有する回答情報などの状態情報に基づいて、ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別する。集中度解析装置30は、集中度タイプおよびユーザの作業スケジュール、具体的にはユーザの作業開始や作業終了時刻に応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行する。このように、集中度解析装置30は、ユーザの集中度の経時的変化のタイプに応じて、ユーザの集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行するため、ユーザの集中度を常時センシングできない状態であっても、ユーザの集中度に応じた処理を実行可能である。
【0130】
(変形例1)
第1の実施形態において、集中度解析装置30は、ユーザ登録部311、検出情報取得部312、アンケート取得部313、位置情報取得部314、集中度解析部315、集中度タイプ登録部316、及びサービス処理部317を有すると説明した。しかしながら、集中度解析装置30が有する機能の全部又は一部は、他の装置が有していてもよい。例えば、集中度解析装置30が有する機能の全部又は一部は、実行装置40が有していてもよいし、ユーザ端末20が有していてもよいし、
図1に図示されていない装置が有していてもよい。
【0131】
第1の実施形態において、実行装置40は、通信制御部411及びサービス実行部412を有すると説明した。しかしながら、実行装置40が有する機能の全部又は一部は、他の装置が有していてもよい。例えば、実行装置40が有する機能の全部又は一部は、集中度解析装置30が有していてもよいし、ユーザ端末20が有していてもよいし、
図1に図示されていない装置が有していてもよい。
【0132】
(変形例2)
第1の実施形態において、集中度タイプは、
図8で示したような集中度の経時的変化を表すものだと説明した。しかしながら、集中度タイプは、集中度の経時的変化に限定しない。例えば、集中度タイプは、一定期間(例えば1時間や1週間)の作業において、集中できている時間と、集中できていない時間とのうち、集中可能時間の割合により決定されるものであってもよい。
【0133】
例えば、あるユーザの1時間の連続作業中のうち、集中できている時間が不連続に合計45分であり、集中できていない時間が不連続に合計15分の場合、集中可能時間の割合は、0.75になる。また別のユーザは、1時間の連続作業中のうち、集中できている時間が不連続に合計12分であり、集中できていない時間が不連続に合計48分の場合、集中可能時間の割合は、0.2になる。
【0134】
仮に集中度タイプを集中可能時間の割合に応じて4種類に分類する場合、タイプ1は「0以上0.25未満」、タイプ2は「0.25以上0.5未満」、タイプ3は「0.5以上0.75未満」、タイプ4は「0.75以上100以下」として定義することもできる。
【0135】
このように集中度タイプを分類する場合、集中度解析装置30は、例えばあるユーザの集中度タイプがタイプ2の「0.25以上0.5未満」であることを集中度タイプデータベース343に登録する。このユーザのある日の集中可能時間の割合が0.1の場合、集中度タイプデータベース343に登録されたタイプ2と比べて、ユーザの集中できている時間は異常に短い。このような場合に、集中度解析装置30は、対象のユーザの集中度の目標状態は「集中度の向上」であると判定する。そして、集中度解析装置30は、その判定結果に基づき、対象のユーザに対して集中度を向上させるためのサービス内容(例えばエアコンの温度を低めに設定させること)を決定して実行してもよい。
【0136】
このように、変形例2に係る集中度解析装置30は、集中度タイプは集中度の経時的変化で分けられる以外に、集中時間の総量や集中できている状態の割合などに応じて複数に分類することで集中度タイプとして登録してもよい。また、変形例2では、集中可能時間の割合に応じて集中度タイプを4つに分類した例を述べたが、集中度タイプは、4つに限らず、3つでもよいし5つでもよいし、さらに多くてもよい。
【0137】
(変形例3)
第1の実施形態に係る集中度解析装置30は、ユーザ登録部311、検出情報取得部312、アンケート取得部313、位置情報取得部314、集中度解析部315、集中度タイプ登録部316、及びサービス処理部317を有すると説明した。しかしながら、集中度解析装置30は、ユーザ登録部311、検出情報取得部312、アンケート取得部313、位置情報取得部314、集中度解析部315、集中度タイプ登録部316、及びサービス処理部317のうち、一部の機能を有するものであってもよい。
【0138】
図12は、変形例3に集中度解析装置30aが有する機能の概略的な一例を示す図である。例えば、集中度解析装置30は、ユーザの状態を示す状態情報を取得する検出情報取得部312と、前記状態情報に基づいて、前記ユーザが集中している度合いを示す集中度の経時的変化のタイプを識別する集中度解析部315と、前記タイプに応じて、前記ユーザの前記集中度の目標状態への達成を支援する処理を実行するサービス処理部317と、を有するものであってもよい。
【0139】
また、本実施形態の集中度解析装置30で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶装置等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0140】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、当該プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0141】
また、当該プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…集中度支援システム、10…センサ機器、20…ユーザ端末、30…集中度解析装置、31…プロセッサ、32…RAM(Random Access Memory)、33…ROM(Read Only Memory)、34…記憶装置、35…通信インタフェース、40…実行装置、41…プロセッサ、42…RAM(Random Access Memory)、43…ROM(Read Only Memory)、44…記憶装置、45…通信インタフェース、46…表示部、47…操作部、311…ユーザ登録部、312…検出情報取得部、313…アンケート取得部、314…位置情報取得部、315…集中度解析部、316…集中度タイプ登録部、317…サービス処理部、341…検出情報データベース、342…集中度データベース、343…集中度タイプデータベース、344…スケジュールデータベース、411…通信制御部、412…サービス実行部。