(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013215
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】流体ラインを接続体に接続するための接続装置
(51)【国際特許分類】
F16L 37/091 20060101AFI20250117BHJP
F16L 21/035 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F16L37/091
F16L21/035
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024103736
(22)【出願日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】10 2023 206 627.0
(32)【優先日】2023-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Continental-Plaza 1, 30175 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・フォルヒェルト
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AB01
3J106BA02
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE29
3J106CA19
3J106EA03
3J106EB02
3J106EC01
3J106ED13
3J106EE11
3J106EF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流体ラインを接続体に接続するための接続装置を提供する。
【解決手段】流体ライン2を接続体4に接続するための接続装置1であって、接合部21によって接続体4の接続開口5に力嵌め及び/又は形状嵌め方式で挿入可能な基礎本体3を含み、基礎本体3は、長手方向Lにおいて、流体ライン2の終端部が受け入れられる貫通開口16を含み、流体ライン2を基礎本体3内に保持するように設計される締付手段7は、貫通開口16内に配置され、長手方向Lにおいて締付手段7に隣接して配置される第1のスペーサ手段9及び第1の封止手段10は、流体ライン2の終端部の上で押され、流体ライン2のための差込開口19を有する閉鎖手段8は、接続体4から離れる方を向く基礎本体3の閉鎖部分22に載置される、接続装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ライン(2)を接続体(4)に接続するための接続装置(1)であって、接合部(21)によって前記接続体(4)の接続開口(5)に力嵌め及び/又は形状嵌め方式で挿入可能な基礎本体(3)を含み、前記基礎本体(3)は、長手方向(L)において、前記流体ライン(2)の終端部が受け入れられる貫通開口(16)を含み、前記流体ライン(2)を前記基礎本体(3)内に保持するように設計される締付手段(7)は、前記貫通開口(16)内に配置され、前記長手方向(L)において前記締付手段(7)に隣接して配置される第1のスペーサ手段(9)及び第1の封止手段(10)は、前記流体ライン(2)の前記終端部の上で押され、前記流体ライン(2)のための差込開口(19)を有する閉鎖手段(8)は、前記接続体(4)から離れる方を向く前記基礎本体(3)の閉鎖部分(22)に載置され、その結果、前記貫通開口(16)内に配置された前記締付手段(7)、前記第1のスペーサ手段(9)及び前記第1の封止手段(10)は、前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)内に保持される、接続装置(1)において、更に、前記第1の封止手段(10)と前記閉鎖手段(8)との間に配置される第2のスペーサ手段(11)は、前記流体ライン(2)の前記終端部の上で押されることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項2】
第2の封止手段(12)は、前記第2のスペーサ手段(11)と前記閉鎖手段(8)との間で前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置(1)。
【請求項3】
前記第1のスペーサ手段(9)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、弾性的に変形可能ではないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続装置(1)。
【請求項4】
前記閉鎖手段(8)の前記差込開口(19)は、前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)よりも直径が小さいことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項5】
前記第1のスペーサ手段(9)、前記第1の封止手段(10)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、前記長手方向(L)において互いに空間的に離間されて配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項6】
前記第1のスペーサ手段(9)、前記第1の封止手段(10)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、前記流体ライン(2)の引張及び/又は圧縮荷重下で前記長手方向(L)において互いに対して移動可能であることを特徴とする、請求項5に記載の接続装置(1)。
【請求項7】
前記閉鎖手段(8)は、少なくとも1つの固定手段(13)であって、それにより、前記閉鎖手段が前記基礎本体(3)に解放可能且つ非破壊的に接続される、少なくとも1つの固定手段(13)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項8】
前記固定手段(13)は、複数のバヨネットカムを有して設計され、前記複数のバヨネットカムは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上に形成される対応するバヨネット溝に係合するように設計されることを特徴とする、請求項7に記載の接続装置(1)。
【請求項9】
前記固定手段(13)は、複数のスナップ作用フックを有して設計され、前記複数のスナップ作用フックは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上で周方向に延在して形成される対応する溝に係合するように設計されることを特徴とする、請求項7に記載の接続装置(1)。
【請求項10】
前記固定手段(13)は、内側凹部を有する複数のタブを有して設計され、前記複数のタブは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖セクション(22)上に形成される対応するフックを受け入れるように設計されることを特徴とする、請求項7に記載の接続装置(1)。
【請求項11】
前記固定手段(13)は、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上に形成される雄ねじにねじ込まれるように設計される雌ねじの形態であることを特徴とする、請求項7に記載の接続装置(1)。
【請求項12】
前記閉鎖手段(8)は、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上の対応する歯部と相互作用するように設計される、円周方向に延在する歯部を含むことを特徴とする、請求項11に記載の接続装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、流体ラインを接続体に接続するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
接続体に接続される流体ラインのための接続装置の複数の実施形態が知られている。接続装置は、接続体内に挿入され、その後、流体ラインの終端部は、接続装置内に導入される。原則として、流体ラインの終端部は、締結手段に係合し、従って接続体に固定される。
【0003】
(特許文献1)は、流体ラインの差込接続のための接続装置を記述しており、接続装置は、閉鎖手段を有する基礎本体を含む。取り付け方向の前面領域において、基礎本体は、雄ねじ部を有するねじ軸を有し、雄ねじ部により、ねじ軸が接続体のねじ穴にねじ込まれる。取り付け方向とは逆向きに雄ねじ部に基礎本体の封止部が隣接し、封止部は、環状の封止手段が配置された円周方向に延在する溝を有し、その結果、基礎本体は、封止手段によって接続体に対して封止される。基礎本体は、接触肩部と共に軸方向に延在する内側貫通開口を更に含み、この接触肩部上において、締結手段に続いてスペーサ手段及び封止手段が取り付け方向に配置される。この場合、スペーサ手段は、締結手段と封止手段との間に配置される。封止手段、スペーサ手段及び締結手段は、内側向きの接触肩部により、基礎本体の貫通開口内で取り付け方向に保持され、その結果、接続体の軸方向へのずれが防止される。締結手段、スペーサ手段及び封止手段が基礎本体の貫通開口内に挿入された後、閉鎖手段は、取り付け方向から見て基礎本体の後側終端に挿入される。閉鎖手段は、軸方向において、流体ラインを挿入するための差込開口を有し、閉鎖手段の差込開口に内溝が形成され、封止手段が配置される。挿入状態では、閉鎖手段は、取り付け方向に置かれ、その内向きの終端面は、貫通開口内の段差面上且つ貫通開口内に載置された封止手段上にあるため、圧力が加えられた際、挿入された封止手段、スペーサ手段及び締結手段が流体ラインと共に基礎本体の貫通開口から取り付け方向と逆向きに引き抜かれることを防止し得る。閉鎖手段は、例えば、取り付け方向に基礎本体の後側終端で折り曲げることによって固定される。しかし、代替的に、閉鎖手段を所定の位置に押し込むか又はラッチすることによっても固定を行うことができる。
【0004】
従来技術による上述の接続装置の場合、閉鎖手段と基礎本体とが解除不能に接続されることが分かっている。閉鎖手段を基礎本体から解放できるようにするには、閉鎖手段及び/又は閉鎖手段が載置される基礎本体を破壊しなければならない。
【0005】
この方式の短所は、不良接続装置を交換する場合、基礎本体が、取り外し不可能な閉鎖手段によって閉鎖されるため、締結手段、スペーサ手段及び封止手段が押し付けられた差込流体ラインを基礎本体から容易に引き抜けないことである。不良接続装置は、流体ラインを切断することのみによって交換され得る。
【0006】
閉鎖手段と基礎本体との間の取り外し不可能な接続に起因して、流体ラインを接続装置の外側で切断しなければならず、これには、切断後の流体ラインがもはや必要最小限の長さを有しないため、新たな接続装置及び接続体に接続できないという短所がある。従って、流体ラインも接続に必要な最小限の長さを有するように交換しなければならない。
【0007】
別の短所は、閉鎖手段と基礎本体との間の接続が取り外し不可能であるため、不良接続装置を交換する場合、基礎本体に挿入された封止手段、スペーサ手段及び締結手段を取り外して再利用できないことである。基礎本体に挿入された封止手段、スペーサ手段及び締結手段は、従って、不良接続装置が交換された際に失われる。
【0008】
基礎本体に挿入された封止手段、スペーサ手段及び締結手段を交換後に任意選択的に再利用するには、基礎本体に挿入された封止手段、スペーサ手段及び締結手段を取り外せるように不良接続装置を破壊しなければならない。この結果、封止手段が基礎本体内の取り外し不可能な閉鎖手段の内側に平らに置かれるため、基礎本体に挿入された封止手段が破損する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2017/129667A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、流体ラインを接続体に接続するための接続装置を提供する目的に基づき、接続装置の取り付け及び取り外しを簡単且つ確実に行うことができるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の基本的な目的は、主請求項の特徴によって実現される。好適な実施形態は、従属請求項に見出される。
【0012】
本発明による接続装置は、例えば、好ましくは圧力媒体供給装置又はバルブブロックと称される自動車の接続体に使用されることにより、圧力媒体供給装置を、好ましくは圧力媒体ラインと称される流体ラインを介して自動車の他の部品に接続できるようにする。
【0013】
本発明の更に好適な実施形態は、図に基づく例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2a】異なって設計された固定手段を有する閉鎖手段を示す。
【
図2b】異なって設計された固定手段を有する閉鎖手段を示す。
【
図2c】異なって設計された固定手段を有する閉鎖手段を示す。
【
図2d】異なって設計された固定手段を有する閉鎖手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、流体ライン2の終端部を受け入れるための貫通開口16を有する中空円筒形態の基礎本体3を含む例示的な接続装置1を断面図で示し、基礎本体3は、接続体4内の接続開口5に受け入れられる。接続体4は、例えば、車両の圧力媒体供給装置又はバルブブロックであり得る。
【0016】
一例として、基礎本体3は、ねじによって接続開口5内にねじ込まれる。この目的のため、基礎本体3は、接合部21に雄ねじを含み、これに対応して接続開口5に雌ねじが設けられる。これは、基礎本体3が接続体4内の接続開口5に固定的に接続されことを意味する。基礎本体3と接続体4とを接続する他の力嵌め及び/又は形状嵌め方式も可能である。例えば、基礎本体3は、接続体4内の接続開口5に圧入され得る。
【0017】
接続装置1により、流体ライン2の終端部は、接続体4に固定的に接続されるため、流体ライン2を通して圧力媒体を接続体4に又は接続体4から誘導することができる。
【0018】
流体ライン2を接続体4に接続するために、流体ライン2の終端部は、接続装置1の長手軸Lに沿って閉鎖手段8内の差込開口19を通して基礎本体3の貫通開口16に挿入される。流体ライン2の終端部を受け入れ、接続装置1内で保持するように設計される締結手段7が基礎本体3内に配置される。締結手段7は、例えば、鋸歯状止め座金又は止め座金であり得る。締結手段7は、基礎本体3内で貫通開口16に軸方向に変位可能且つ回転可能に載置される。基礎本体3内で締結手段7が緩く受け入れられることで、長手軸Lに沿った自由移動及び流体ライン2の受け入れられた終端部の基礎本体3内におけるこの軸の周りでの自由回転運動が生じる。その結果、接続装置1に接続された流体ライン2の取り付け及び取り外しが容易であり、且つ様々な保持位置での保持及び変位が可能である。流体ライン2の終端部が締結手段7に貫通挿入されると、締結手段7の半径方向内向きのタブが終端部から折り曲げられる。処理中に流体ライン2の外壁と相互作用するタブは、特定の抗力を有する棘として流体ライン2に作用する。流体ライン2の終端部は、このように基礎本体3内で保持されて、引き抜き又は押し出しに抗して固定される。締結手段7は、自らの外側のリングと共に基礎本体3の接触肩部20に置かれる。接触肩部20は、基礎本体3内の貫通開口16に形成され、半径方向内向きに突出する。このため、貫通開口16の直径も接続開口5の方向に先細りしている。
【0019】
導入時点で流体ライン2の終端部が接続体4内に深く押し込まれ過ぎないように、基礎本体3内に環状の終端止め17も形成される。終端止め17は、基礎本体3の接合部21の下縁に半径方向内向きのカラーとして形成される。流体ライン2の終端は、前記カラーに突合して先に進むことができない。同時に、終端止め17は、接続装置1の出口開口を形成する。
【0020】
閉鎖手段8は、基礎本体3の露出部分に配置され、基礎本体3の取り付け方向Yで閉鎖部分22の役割を果たす。閉鎖手段8は、閉鎖手段8を基礎本体3に固定的に、但し解放可能に接続する固定手段13を含む。閉鎖手段8の基礎本体3への非破壊的固定及び様々な種類の接続について、
図2a~dの説明により詳細に記述する。閉鎖手段8の差込開口19は、基礎本体3内の貫通開口16よりも直径が小さい。閉鎖手段8は、従って、貫通開口16を上方から少なくとも部分的に覆う。
【0021】
締結手段7に加えて、貫通開口16の内部に更なる手段が配置され、これは、接続装置1内での流体ライン2の締結及び封止に寄与する。取り付け方向Yとは逆方向から見て、締結手段7に続いて第1のスペーサ手段9が締結手段7の上に配置される。これに、僅かに離間されて第1の封止手段10が続く。これに、僅かに空間的に離間されて第2のスペーサ手段11が配置され、後者から僅かに空間的に離間さて第2の封止手段12が配置される。基礎本体3内の貫通開口16に手段7、9、10、11及び12を保持する閉鎖手段8の配置が完成する。その結果、第1のスペーサ手段9、第1の封止手段10、第2のスペーサ手段11及び第2の封止手段12が流体ライン2の終端部を覆うように差し込まれる。
【0022】
締結手段7は、流体ライン2に作用する引張力及び/又は圧縮力を、第1のスペーサ手段9を介して第1の封止手段10に伝達し、更に第2のスペーサ手段11及び第2の封止手段12を介して閉鎖手段8に伝達するように設計される。締結手段7、第1のスペーサ手段9、第1の封止手段10、第2のスペーサ手段11及び第2の封止手段12は、基礎本体3の貫通開口16内で長手方向に移動可能に載置されるため、引張力及び/又は圧縮力が流体ライン2に作用すると、封止手段10、12の更なる圧縮が実現し、従って内部及び外部の影響に対してより大きい封止効果が得られる。
【0023】
第2のスペーサ手段11は、第1の封止手段10が適切な座を有し、基礎本体3内で適切な機能を果たすという利点を有する。第2のスペーサ手段11の意味及び目的は、締結手段7、第1のスペーサ手段9及び第1の封止手段10が、閉鎖手段8が基礎本体3に載置される前に貫通開口16に取り付けられた後に互いに平坦に整列されることである。第2のスペーサ手段11は、流体ライン2が、基礎本体3の貫通開口16内で取り付け及び取り外される間により容易に誘導され、従ってより良好に整列されるという利点も有する。その結果、締結手段7が貫通開口16内に垂直に押し込まれるため、くさび状になって損傷することはない。
【0024】
第2のスペーサ手段11により、取り外しを行う間、流体ライン2が第2の封止手段12と共に不良接続装置1から取り外すことができ、後に新たな接続装置1に取り付けられる際に、より良好に導入されて損傷から保護されることが更に有利である。
【0025】
第2の封止手段12は、閉鎖手段8の差込開口19の領域で流体ライン2を封止する。これは、密閉手段上の閉鎖手段を省略できることを意味する。第2の封止手段12は、水、汚れ又は他の媒体等の環境の影響からの保護に用いられる。接続装置1は、従って、その中に受け入れられた流体ライン2に作用し得る外部からの影響に対して封止される。
【0026】
特に、接続装置1が車両内で使用される場合、流体ライン2は、引張力及び/又は圧縮力にさらされる。弾性封止手段10、12は、圧縮することにより、流体ライン2を特に容易に気密封止して外部環境の影響に対して流体ライン2を保護する。
【0027】
貫通開口16の直径に相対的に小さい差込開口19を有する閉鎖手段8は、流体ライン2に作用する引張力及び/又は圧縮力を吸収するように設計され、前記力は、締結手段7、第1のスペーサ手段9、第1の封止手段10、第2のスペーサ手段11及び第2の封止手段12を介して前記閉鎖手段に伝達される。
【0028】
基礎本体3は、例えば、耐腐食性のプラスチック材料で作られるため、接続体4と基礎本体3との間の腐食が防止される。例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂等がプラスチックとして用いられる。これらのプラスチック材料は、例えば、真鍮よりも安価且つ接続装置1の製造及び加工がより簡単である。更に、これらのプラスチック材料は、例えば、塩分及び水等の活動中の環境影響下での接続体4に相対的な接続装置1の電解腐食耐性を有する。
【0029】
基礎本体3は、自らの外周に、閉鎖部分22の方向への接合部21からの遷移箇所において、周方向に延在すると共に基礎本体封止手段6が使用される溝14を有するフランジ15を更に含み、その結果、基礎本体3は、接続体4に対して封止される。これにより、基礎本体3との接続部に沿って接続体4から流体が漏れることが防止される。
【0030】
以下の
図2a~dでは、基礎本体3への閉鎖手段8の異なる種類の締結を示す。
【0031】
図2aは、基礎本体3への閉鎖手段8の第1の例示的な接続を示す。基礎本体3への閉鎖手段8の接続は、バヨネット閉鎖の形状に設計される。閉鎖手段8の固定手段13は、内側のバヨネット溝を含み、基礎本体3の閉鎖部分の領域に形成されたバヨネットカムと相互作用する。閉鎖手段8は、取り付け方向Yにおいて基礎本体3に載置される。カムは、閉鎖手段8と基礎本体3とを反対方向に回転させることによって溝内で係合する。閉鎖手段8は、それにより、基礎本体3に軸方向に解放可能に、但し固定的に接続される。接続は、単に閉鎖手段8を回転させるのみで再び開かれる。
【0032】
図2bは、基礎本体3への閉鎖手段8の第2の例示的な接続を示す。閉鎖手段8は、固定手段13として複数のスナップフックを含む。これらのスナップフックは、取り付け方向Yに延在する。その相対物として、スナップフックが係合するように周方向に延在する溝が基礎本体3の閉鎖部分に設けられる。この種の接続では、閉鎖手段8は、スナップフックが溝内で引っ掛かるまで基礎本体3の軸方向に単に差し込まれる。スナップフックを半径方向に引き伸ばすことにより、閉鎖手段8を基礎本体3から外すことができる。
【0033】
図2cは、
図2bの例示的な実施形態と同じ動作原理に基づく、基礎本体3への閉鎖手段8の第3の例示的な種類の接続を示す。この場合、閉鎖手段8の固定手段13は、基礎本体3上に形成されるそれぞれのフックを受け入れるように設計される凹部を設けられる。
【0034】
最後に、
図2dは、基礎本体3への閉鎖手段8の第4の例示的な種類の接続を示す。この場合、固定手段13は、閉鎖手段8の内部の雌ねじとして設計され、基礎本体3上の閉鎖部分の領域に形成される雄ねじと相互作用するように設計される。これは、閉鎖手段8が取り付け方向Yに基礎本体3に設けられ、ねじ山の対が止め部に達するまで捻られることを意味する。加えて、閉鎖手段8の下縁で円周方向に延び、締結中に基礎本体3上の対応する相対部と係合する歯部により外れないように保護される。この場合、閉鎖手段8の固定歯は基礎本体3の固定歯と噛み合い、捻れ又は外れないように接続を固定する。
【0035】
図2a~dによる閉鎖手段8の非破壊的除去の利点は、閉鎖手段8が基礎本体3から引き抜かれた後、締結手段、スペーサ手段及び封止手段が押し付けられた流体ラインを基礎本体3から引き抜くことができる点である。従って、不良接続装置を交換するために流体ラインを切断する必要がない。
【0036】
別の利点は、流体ラインが引き抜かれた後、締結手段を破壊して除去することである。これは流体ラインに押し付けられた封止手段及びスペーサ手段を引き抜いて再利用できることを意味する。これには、不良接続装置を交換する際に流体ラインを切断する必要がなく、従って新たな接続装置への接続に使用できるという利点がある。
【符号の説明】
【0037】
1 接続装置
2 流体ライン
3 基礎本体
4 接続体
5 接続開口
6 基礎本体封止手段
7 締結手段
8 閉鎖手段
9 第1のスペーサ手段
10 第1の封止手段
11 第2のスペーサ手段
12 第2の封止手段
13 固定手段
14 溝
15 フランジ
16 貫通開口
17 終端止め
18 ねじ山
19 差込開口
20 接触肩部
21 接合部
22 閉鎖部分
L 長手軸
Y 設置方向
【手続補正書】
【提出日】2024-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ライン(2)を接続体(4)に接続するための接続装置(1)であって、接合部(21)によって前記接続体(4)の接続開口(5)に力嵌め及び/又は形状嵌め方式で挿入可能な基礎本体(3)を含み、前記基礎本体(3)は、長手方向(L)において、前記流体ライン(2)の終端部が受け入れられる貫通開口(16)を含み、前記流体ライン(2)を前記基礎本体(3)内に保持するように設計される締付手段(7)は、前記貫通開口(16)内に配置され、前記長手方向(L)において前記締付手段(7)に隣接して配置される第1のスペーサ手段(9)及び第1の封止手段(10)は、前記流体ライン(2)の前記終端部の上で押され、前記流体ライン(2)のための差込開口(19)を有する閉鎖手段(8)は、前記接続体(4)から離れる方を向く前記基礎本体(3)の閉鎖部分(22)に載置され、その結果、前記貫通開口(16)内に配置された前記締付手段(7)、前記第1のスペーサ手段(9)及び前記第1の封止手段(10)は、前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)内に保持される、接続装置(1)において、更に、前記第1の封止手段(10)と前記閉鎖手段(8)との間に配置される第2のスペーサ手段(11)は、前記流体ライン(2)の前記終端部の上で押され、第2の封止手段(12)は、前記第2のスペーサ手段(11)と前記閉鎖手段(8)との間で前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)内に配置され、前記第1のスペーサ手段(9)、前記第1の封止手段(10)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、前記長手方向(L)において互いに空間的に離間されて配置され、第2の封止手段(12)は、第2のスペーサ手段(11)に対して空間的に離間されて配置されていることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項2】
前記第1のスペーサ手段(9)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、弾性的に変形可能ではないことを特徴とする、請求項1に記載の接続装置(1)。
【請求項3】
前記閉鎖手段(8)の前記差込開口(19)は、前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)よりも直径が小さいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続装置(1)。
【請求項4】
前記第1のスペーサ手段(9)、前記第1の封止手段(10)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、前記流体ライン(2)の引張及び/又は圧縮荷重下で前記長手方向(L)において互いに対して移動可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続装置(1)。
【請求項5】
前記閉鎖手段(8)は、少なくとも1つの固定手段(13)であって、それにより、前記閉鎖手段が前記基礎本体(3)に解放可能且つ非破壊的に接続される、少なくとも1つの固定手段(13)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続装置(1)。
【請求項6】
前記固定手段(13)は、複数のバヨネットカムを有して設計され、前記複数のバヨネットカムは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上に形成される対応するバヨネット溝に係合するように設計されることを特徴とする、請求項5に記載の接続装置(1)。
【請求項7】
前記固定手段(13)は、複数のスナップ作用フックを有して設計され、前記複数のスナップ作用フックは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上で周方向に延在して形成される対応する溝に係合するように設計されることを特徴とする、請求項5に記載の接続装置(1)。
【請求項8】
前記固定手段(13)は、内側凹部を有する複数のタブを有して設計され、前記複数のタブは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖セクション(22)上に形成される対応するフックを受け入れるように設計されることを特徴とする、請求項5に記載の接続装置(1)。
【請求項9】
前記固定手段(13)は、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上に形成される雄ねじにねじ込まれるように設計される雌ねじの形態であることを特徴とする、請求項5に記載の接続装置(1)。
【請求項10】
前記閉鎖手段(8)は、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上の対応する歯部と相互作用するように設計される、円周方向に延在する歯部を含むことを特徴とする、請求項9に記載の接続装置(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
別の利点は、流体ラインが引き抜かれた後、締結手段を破壊して除去することである。これは流体ラインに押し付けられた封止手段及びスペーサ手段を引き抜いて再利用できることを意味する。これには、不良接続装置を交換する際に流体ラインを切断する必要がなく、従って新たな接続装置への接続に使用できるという利点がある。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
流体ライン(2)を接続体(4)に接続するための接続装置(1)であって、接合部(21)によって前記接続体(4)の接続開口(5)に力嵌め及び/又は形状嵌め方式で挿入可能な基礎本体(3)を含み、前記基礎本体(3)は、長手方向(L)において、前記流体ライン(2)の終端部が受け入れられる貫通開口(16)を含み、前記流体ライン(2)を前記基礎本体(3)内に保持するように設計される締付手段(7)は、前記貫通開口(16)内に配置され、前記長手方向(L)において前記締付手段(7)に隣接して配置される第1のスペーサ手段(9)及び第1の封止手段(10)は、前記流体ライン(2)の前記終端部の上で押され、前記流体ライン(2)のための差込開口(19)を有する閉鎖手段(8)は、前記接続体(4)から離れる方を向く前記基礎本体(3)の閉鎖部分(22)に載置され、その結果、前記貫通開口(16)内に配置された前記締付手段(7)、前記第1のスペーサ手段(9)及び前記第1の封止手段(10)は、前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)内に保持される、接続装置(1)において、更に、前記第1の封止手段(10)と前記閉鎖手段(8)との間に配置される第2のスペーサ手段(11)は、前記流体ライン(2)の前記終端部の上で押されることを特徴とする接続装置(1)。
2.
第2の封止手段(12)は、前記第2のスペーサ手段(11)と前記閉鎖手段(8)との間で前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)内に配置されることを特徴とする、上記1の接続装置(1)。
3.
前記第1のスペーサ手段(9)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、弾性的に変形可能ではないことを特徴とする、上記1又は2の接続装置(1)。
4.
前記閉鎖手段(8)の前記差込開口(19)は、前記基礎本体(3)の前記貫通開口(16)よりも直径が小さいことを特徴とする、上記1~3のいずれか一つの接続装置(1)。
5.
前記第1のスペーサ手段(9)、前記第1の封止手段(10)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、前記長手方向(L)において互いに空間的に離間されて配置されることを特徴とする、上記1~4のいずれか一つの接続装置(1)。
6.
前記第1のスペーサ手段(9)、前記第1の封止手段(10)及び前記第2のスペーサ手段(11)は、前記流体ライン(2)の引張及び/又は圧縮荷重下で前記長手方向(L)において互いに対して移動可能であることを特徴とする、上記5の接続装置(1)。
7.
前記閉鎖手段(8)は、少なくとも1つの固定手段(13)であって、それにより、前記閉鎖手段が前記基礎本体(3)に解放可能且つ非破壊的に接続される、少なくとも1つの固定手段(13)を含むことを特徴とする、上記1~6のいずれか一つの接続装置(1)。
8.
前記固定手段(13)は、複数のバヨネットカムを有して設計され、前記複数のバヨネットカムは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上に形成される対応するバヨネット溝に係合するように設計されることを特徴とする、上記7の接続装置(1)。
9.
前記固定手段(13)は、複数のスナップ作用フックを有して設計され、前記複数のスナップ作用フックは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上で周方向に延在して形成される対応する溝に係合するように設計されることを特徴とする、上記7の接続装置(1)。
10.
前記固定手段(13)は、内側凹部を有する複数のタブを有して設計され、前記複数のタブは、前記基礎本体(3)の前記閉鎖セクション(22)上に形成される対応するフックを受け入れるように設計されることを特徴とする、上記7の接続装置(1)。
11.
前記固定手段(13)は、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上に形成される雄ねじにねじ込まれるように設計される雌ねじの形態であることを特徴とする、上記7の接続装置(1)。
12.
前記閉鎖手段(8)は、前記基礎本体(3)の前記閉鎖部分(22)上の対応する歯部と相互作用するように設計される、円周方向に延在する歯部を含むことを特徴とする、上記11の接続装置(1)。
【外国語明細書】