(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013377
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
F03B 13/26 20060101AFI20250117BHJP
E02D 27/32 20060101ALI20250117BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F03B13/26
E02D27/32 A
E02D27/32 Z
E02D27/52 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024190257
(22)【出願日】2024-10-30
(62)【分割の表示】P 2022575794の分割
【原出願日】2020-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】514114677
【氏名又は名称】杭州林黄丁新能源研究院有限公司
【住所又は居所原語表記】Room 1706, 17F, No. 300 Lianhui Street, Xixing Sub-district, Binjiang District Hangzhou, Zhejiang 310051 China
(71)【出願人】
【識別番号】519313530
【氏名又は名称】杭州林東新能源科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU LINDONG NEW ENERGY TECHNOLOGY INC.
【住所又は居所原語表記】Rooms 1701, 1702, 1703, 1704, 17th Floor No. 300 Lianhui Street, Xixing Sub-District, Binjiang District Hangzhou, Zhejiang 310053, China
(71)【出願人】
【識別番号】522477540
【氏名又は名称】浙江舟山聯合動能新能源開発有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG ZHOUSHAN LHD ENERGY DEVELOPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Rooms 404, 405 No. 35 Renmin Road, Gaoting Town, Daishan County Zhoushan, Zhejiang 316200 China
(71)【出願人】
【識別番号】522477551
【氏名又は名称】舟山林東潮流発電有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHOUSHAN LINDONG TIDAL CURRENT POWER GENERATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 178, Lanxiu Road, Xiushan Country, Daishan County Zhoushan, Zhejiang 316261 China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】林 東
(72)【発明者】
【氏名】朱 福巍
(57)【要約】
【課題】鋼の使用量を大幅に低減し、製造コストと取り付けコストを削減する大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォームを提供する。
【解決手段】大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォーム(1)において、組み立てプラットフォーム内には、少なくとも1つの水平軸水力発電機(2)が取り付けられる。ここで、組み立てプラットフォームは、少なくとも4つの固定杭(11)と、少なくとも2つの力受け阻止部品(12)と、少なくとも2つの力受け支持部品(13)と、支持枠(14)とを含む。少なくとも4つの固定杭(11)は、支持枠によって一体に接続されて取り付け空間(15)を取り囲んで形成し、少なくとも1つの水平軸水力発電機は、取り付け空間内に取り付けられる。各固定杭の一端は、海底に固定するように打たれ、他端は、水面上に伸びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの水平軸水力発電機が取り付けられる、大型潮力発電装置の組み立てプラットフォームであって、
支持枠と、
支持枠によって一体に接続されて取り付け空間を取り囲んで形成する少なくとも4つの固定杭であって、前記少なくとも1つの水平軸水力発電機は、前記取り付け空間内に取り付けられ、各前記固定杭の一端は、海底に固定するように打たれ、他端は、水面上に伸び、前記少なくとも4つの固定杭は、水流方向に沿って左右両列に配置され、各列の少なくとも2つの固定杭は、水流方向に沿って順次配置される少なくとも4つの固定杭と、
対応する前記固定杭又は前記支持枠にそれぞれ固定され、水面下の前記水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側に位置する少なくとも2つの力受け阻止部品と、
少なくとも2つの力受け支持部品であって、その一端は、前記水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側にそれぞれ取り付けられ、他端は、対応する前記力受け阻止部品にそれぞれ当接され、前記水平軸水力発電機に対する水流の衝撃力を抵抗する少なくとも2つの力受け支持部品と、を含むことを特徴とする、大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項2】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも2組の衝撃吸収装置を更に含み、各組の前記衝撃吸収装置は、前記力受け支持部品と前記力受け阻止部品との間に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項3】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも1つのアクセスパイプを更に含み、前記少なくとも1つのアクセスパイプの一端は、水面上に位置し、他端は、前記水平軸水力発電機又は1つの前記力受け部品若しくは前記力受け阻止部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、前記少なくとも1つのアクセスパイプを通って水面下に到達することができることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項4】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの送風機と、換気管とを更に含み、前記換気管は、前記アクセスパイプ内又は前記アクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、前記換気管は、水面上から水面下まで通し、その結果、水面下の作業領域で換気することができることを特徴とする、請求項3に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項5】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの水ポンプと、少なくとも1つの排水管とを更に含み、前記排水管は、前記アクセスパイプ内又は前記アクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、前記排水管は、水面上から水面下まで通し、前記水ポンプは、水面下の作業領域内の溜り水を吸い上げ、排水管によって水面上に排出することを特徴とする、請求項3に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項6】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを更に含み、各前記固定アセンブリケースは、中空構造で、前記力受け阻止部品に対応して設置されることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項7】
前記組み立てプラットフォームの各前記杭において最低潮位線の上の領域にコンクリート保護装置が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項8】
大型潮力発電装置であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載の組み立てプラットフォームと、
前記組み立てプラットフォームに取り外し可能に取り付けられる少なくとも1つの水平軸水力発電機と、
密閉した中空構造である少なくとも1つの吊り下げ支持柱であって、その一端は、水面上に位置し、その他端は、前記水平軸水力発電機又は力受け阻止部品若しくは力受け支持部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、前記吊り下げ支持柱によって水面下に到達することができる少なくとも1つの吊り下げ支持柱とを含むことを特徴とする、大型潮力発電装置。
【請求項9】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを含み、各前記固定アセンブリケースは、中空構造で、前記力受け阻止部品に対応して設置され、前記吊り下げ支持柱の数は、少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの吊り下げ支持柱の前記他端は、対応する前記固定アセンブリケースとそれぞれ連通することを特徴とする、請求項8に記載の大型潮力発電装置。
【請求項10】
前記吊り下げ支持柱の数は、3つであり、2つの前記吊り下げ支持柱の前記他端は、前記水平軸水力発電機の両側に位置する前記力受け部品又は前記力受け支持部品とそれぞれ連通し、他の1つの前記吊り下げ支持柱の前記他端は、前記水平軸水力発電機と連通することを特徴とする、請求項8に記載の大型潮力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潮力発電分野に属し、特に大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
海洋エネルギー(潮流エネルギー、海洋波エネルギー、温度差エネルギー、塩分濃度差エネルギー及び海流エネルギーを含む)は、クリーン且つ汚染のない再生可能エネルギーの1種として、蓄積量が豊富で、広く分布されており、非常によい開発の将来性と価値を有する。今、エネルギーがますます不足しており、温室効果もより厳しくなっているため、エネルギーの低炭素化が求められている。従って、風力エネルギーや海洋エネルギーなどのクリーンエネルギーは、エネルギー開発の今後の方向性となる。しかし、比較的成熟した風力エネルギーの利用を除いて、クリーンエネルギーを利用した発電装置は、依然として開発段階であり、海洋エネルギーの利用は、まだ初期段階に留まり、汎用的且つ成熟した装置がなく、その発電出力は、他のエネルギーの発電出力よりも低い。最も重要なことは、従来の海洋エネルギー発電装置の製造コスト、トロ付けコスト、及びメンテナンスコストが他のエネルギー発電のコストよりもはるかに高いことであり、それは、海洋エネルギー発電装置の商業化運営及び普及を実現できない最大の障害となっている。
【0003】
現在、洋上風力を利用して発電する風力発電装置は、最大で5MWの単機出力が可能である。それは、タワーを海底に固定し、風力発電機をタワーの頂部に固定して海面上に配置し、風力エネルギーを収集して発電する。タワーの最下端の直径は6.242m、最上端の直径は4.170m、タワーの平均直径は5.206m、タワー全体の高さは96mである。つまり、5MWの単機出力を実現するために、高さ100m近くのタワーを設置する必要があり、この電力の発電機を搭載するように、最大直径は6mを超える必要がある。このようなタワーの重量は439トンで、建設コストと取り付けコストは非常に高くなっている。コストが高いため、実質的な経済価値に変換できない。大規模に利用したい場合でも、コストが高くて手が出ない。
【0004】
風力発電の場合、羽根車全体の直径が230mでも発電電力量は12MWに過ぎないが、対応するタワーの高さは195m必要である(ブレードの最下端は地上30mで、羽根車半径は165mである)。しかし、潮流エネルギーを利用して発電する場合、ブレードの直径は70mで理論的には30MWの発電電力量に達し、杭の高さは40mだけで済む(ブレードは地上5m、羽根車の半径は35mである)。従って、洋上風力発電に比べて、潮力発電は、タワーの高さが大幅に低くなり、コストも削減されるため、潮力発電の発電効率は洋上風力発電よりも高い。
【0005】
従来の潮力発電装置には、通常、2つの固定手段が使用され、1つは、浮き床を介して海中に浮かび、海底又は岸辺にスチールケーブルで固定する浮き固定手段であり、もう1つは、固定杭を介して海底に直接固定する海底固定手段である。浮き固定手段は主に海洋波エネルギーを利用して発電するため、深いところの潮流エネルギーに比べて発電電力量が少なく、浮遊可能な発電機が小さいため、経済的価値が小さく、実際の応用で徐々に廃却される。2番目の海底固定手段は、従来の潮力発電装置を実際に実用化する固定手段である。
【0006】
現在、従来の潮力発電装置で実際に使用される発電モジュールの最大単機出力は2MWである。これまでのところ、単機出力が2MWを超える導入成功例は世界に例がない。潮力発電装置は、単機発電モジュールの規模に制限されるため、ほとんどが非常に高価であり、商業化運営を実現できないため、商業的価値を生み出すことができない。具体的には、従来の潮力発電装置は、洋上風力発電装置と同様に、固定杭を介して海底に直接固定されるものである。海水の衝撃力が大きいため、固定杭は、曲げモーメントに耐えられるように十分に大きな杭径が必要であり、固定杭の直径が大きいほど杭のコストが高くなっている。特定の直径を持つ固定杭は、その支持力に上限があるため、一定の規模内の水平軸水力発電機のみを搭載ことができる。固定杭は、コスト的にも技術的にも無制限に大きくすることができないため、水平軸水力発電機の単機出力を突破することができない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、従来技術のうちの少なくとも1つの不足を克服ために、大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォームを提供する。
【0008】
第1態様によれば、本発明は、少なくとも1つの水平軸水力発電機が取り付けられる大型潮力発電装置の組み立てプラットフォームを提供する。大型潮力発電装置の組み立てプラットフォームは、少なくとも4つの固定杭と、少なくとも2つの力受け阻止部品と、少なくとも2つの力受け支持部品と、支持枠とを含む。少なくとも4つの固定杭は、支持枠によって一体に接続されて取り付け空間を取り囲んで形成し、少なくとも1つの水平軸水力発電機は、取り付け空間内に取り付けられ、各固定杭の一端は、海底に固定するように打たれ、他端は、水面上に伸び、少なくとも4つの固定杭は、水流方向に沿って左右両列に配置され、各列の少なくとも2つの固定杭は、水流方向に沿って順次配置される。少なくとも2つの力受け阻止部品は、対応する固定杭又は支持枠にそれぞれ固定され、水面下の水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側に位置する。少なくとも2つの力受け支持部品の一端は、水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側にそれぞれ取り付けられ、他端は、対応する力受け阻止部品にそれぞれ当接され、前記水平軸水力発電機に対する水流の衝撃力を抵抗する。
【0009】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2組の衝撃吸収装置を更に含み、各組の衝撃吸収装置は、力受け支持部品と力受け阻止部品との間に設置される。
【0010】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2つのガイド溝を有し、それらは、対応する固定杭又は支持枠に設置され、水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側に位置し、ガイド溝の一端は、水面上に位置し、他端は、水面下に通し、少なくとも2つの力受け阻止部品は、対応するガイド溝の他端にそれぞれ固定される。
【0011】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、障壁を取り付け又は固定するための少なくとも2組の障壁ガイド溝を更に含み、少なくとも2組の障壁ガイド溝は、水平軸水力発電機の上下流の両側にそれぞれ設置され、各組の障壁ガイド溝はいずれも水面上から水面下まで通す。
【0012】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも1つのアクセスパイプを更に含み、少なくとも1つのアクセスパイプの一端は、水面上に位置し、他端は、水平軸水力発電機又は1つの力受け部品若しくは力受け阻止部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、前記少なくとも1つのアクセスパイプを通って水面下に到達することができる。
【0013】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの送風機と、換気管とを更に含み、換気管は、アクセスパイプ内又はアクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、換気管は、水面上から水面下まで通し、その結果、水面下の作業領域で換気することができる。
【0014】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの水ポンプと、少なくとも1つの排水管とを更に含み、排水管は、アクセスパイプ内又はアクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、排水管は、水面上から水面下まで通し、水ポンプは、水面下の作業領域内の溜り水を吸い上げ、排水管によって水面上に排出する。
【0015】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを更に含み、各固定アセンブリケースは、中空構造で、力受け阻止部品に対応して設置され、その結果、作業者は、固定アセンブリケースの内部で作業することができる。
【0016】
本発明の第1態様による一実施例では、各固定アセンブリケースは、密封装置及び固定アセンブリを含み、固定アセンブリは、少なくとも1つの固定ボルト又は少なくとも1つのジャッキを含み、密封装置は、固定アセンブリに対応して設けられる。
【0017】
本発明の第1態様による一実施例では、各列の固定杭において水平軸水力発電機に向かう片側に側板が設置される。
【0018】
本発明の第1態様による一実施例では、組み立てプラットフォームの各杭において最低潮位線の上の領域にコンクリート保護装置が設けられる。
【0019】
本発明の第1態様による一実施例では、大型潮力発電装置は、本発明の第4態様によって提供される障壁を含む。
【0020】
第2態様によれば、本発明は、第1態様の任意の実施例に記載の組み立てフラットフォームと、少なくとも1つの水平軸水力発電機と、少なくとも1つの吊り下げ支持柱とを含む大型潮力発電装置を提供する。少なくとも1つの水平軸水力発電機は、組み立てプラットフォームに取り外し可能に取り付けられる。少なくとも1つの吊り下げ支持柱は、密閉した中空構造であり、吊り下げ支持柱の一端は、水面上に位置し、吊り下げ支持柱の他端は、水平軸水力発電機又は力受け阻止部品若しくは力受け支持部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、吊り下げ支持柱によって水面下に到達することができる。
【0021】
本発明の第2態様による一実施例では、大型潮力発電装置は、少なくとも1つの接続部品を更に含み、少なくとも1つの接続部品は、吊り下げ支持柱において水面上に位置する一端及び組み立てプラットフォームに横方向又は縦方向に接続される。
【0022】
本発明の第2態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを含み、各固定アセンブリケースは、中空構造で、力受け阻止部品に対応して設置され、吊り下げ支持柱の数は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの吊り下げ支持柱の他端は、対応する固定アセンブリケースとそれぞれ連通し、その結果、作業者は、吊り下げ支持柱によって固定アセンブリケースの内部に到達することができる。
【0023】
本発明の第2態様による一実施例では、吊り下げ支持柱の数は、3つであり、2つの吊り下げ支持柱の他端は、水平軸水力発電機の両側に位置する力受け部品又は力受け支持部品とそれぞれ連通し、他の1つの吊り下げ支持柱の他端は、水平軸水力発電機と連通し、3つの吊り下げ支持柱において水面上に位置する端は相互に接続される。
【0024】
本発明の第2態様による一実施例では、大型潮力発電装置は、本発明の第4態様によって提供される障壁を含む。
【0025】
第3態様によれば、本発明は、大型潮力発電装置を更に提供し、該装置は、
少なくとも4つの固定杭を含む少なくとも2つの組み立てフラットフォームであって、前記少なくとも4つの固定杭は、支持枠によって一体に接続されて取り付け空間を取り囲んで形成し、各固定杭の一端は、海底に固定するように打たれ、他端は、水面上に伸び、前記少なくとも4つの固定杭は、水流方向に沿って左右両列に順次配置され、各列の少なくとも2つの固定杭は、水流方向に沿って配置される少なくとも2つの組み立てフラットフォームと、
少なくとも3つの水平軸水力発電機であって、各組み立てフラットフォームの取り付け空間内に少なくとも1つが取り外し可能に取り付けられる少なくとも3つの水平軸水力発電機と、を含み、
ここで、前記少なくとも2つの組み立てフラットフォームは、水流方向に沿って左右に配置され、2つの組み立てフラットフォームの間隔は、水平軸水力発電機の羽根車の直径と一致し、その結果、更なる少なくとも1つの水平軸水力発電機は、2つの組み立てフラットフォームの間に取り付けることができる。
【0026】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てフラットフォームは、少なくとも2つの力受け阻止部品と、少なくとも2つの力受け支持部品とを含み、少なくとも2つの力受け阻止部品は、対応する固定杭にそれぞれ固定され、水面下の水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側に位置する。少なくとも2つの力受け支持部品の一端は、水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側にそれぞれ取り付けられ、他端は、対応する力受け阻止部品にそれぞれ当接され、前記水平軸水力発電機に対する水流の衝撃力を抵抗する。
【0027】
本発明の第3態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2組の衝撃吸収装置を更に含み、各組の衝撃吸収装置は、力受け支持部品と力受け阻止部品との間に設置される。
【0028】
本発明の第3態様による一実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2つのガイド溝を有し、それらは、対応する固定杭又は支持枠に設置され、水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側に位置し、ガイド溝の一端は、水面上に位置し、他端は、水面下に通し、少なくとも2つの力受け阻止部品は、対応するガイド溝の他端にそれぞれ固定される。
【0029】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てプラットフォームは、障壁を取り付け又は固定するための少なくとも2組の障壁ガイド溝を更に含み、前記少なくとも2組の障壁ガイド溝は、水平軸水力発電機の上下流の両側にそれぞれ設置され、各組の障壁ガイド溝はいずれも水面上から水面下まで通す。
【0030】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てプラットフォームは、少なくとも1つのアクセスパイプを含み、少なくとも1つのアクセスパイプの一端は、水面上に位置し、他端は、水平軸水力発電機又は1つの力受け部品若しくは力受け阻止部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、前記少なくとも1つのアクセスパイプを通って水面下に到達することができる。
【0031】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの送風機と、換気管とを含み、前記換気管は、アクセスパイプ内又はアクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、換気管は、水面上から水面下まで通し、その結果、水面下の作業領域で換気することができる。
【0032】
本発明の第3態様による一実施例では、前記各組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの水ポンプと、少なくとも1つの排水管とを含み、排水管は、アクセスパイプ内又はアクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、排水管は、水面上から水面下まで通し、水ポンプは、水面下の作業領域内の溜り水を吸い上げ、排水管によって水面上に排出する。
【0033】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを含み、各固定アセンブリケースは、中空構造で、力受け阻止部品に対応して設置され、その結果、作業者は、固定アセンブリケースの内部で作業することができる。
【0034】
本発明の第3態様による一実施例では、各固定アセンブリケースは、密封装置及び固定アセンブリを含み、固定アセンブリは、少なくとも1つの固定ボルト又は少なくとも1つのジャッキを含み、密封装置は、固定アセンブリに対応して設けられる。
【0035】
本発明の第3態様による一実施例では、各列の固定杭において水平軸水力発電機に向かう片側に側板が設置される。
【0036】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てプラットフォームの各杭において最低潮位線の上の領域にコンクリート保護装置が設けられる。
【0037】
本発明の第3態様による一実施例では、潮力発電装置は、少なくとも1つの吊り下げ支持柱を更に含み、吊り下げ支持柱は、密閉した中空構造であり、吊り下げ支持柱の一端は、水面上に位置し、吊り下げ支持柱の他端は、水平軸水力発電機又は力受け阻止部品若しくは力受け支持部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、吊り下げ支持柱によって水面下に到達することができる。
【0038】
本発明の第3態様による一実施例では、大型潮力発電装置は、少なくとも1つの接続部品を更に含み、少なくとも1つの接続部品は、吊り下げ支持柱において水面上に位置する一端及び組み立てプラットフォームに横方向又は縦方向に接続される。
【0039】
本発明の第3態様による一実施例では、各組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを含み、各固定アセンブリケースは、中空構造で、力受け阻止部品に対応して設置され、吊り下げ支持柱の数は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの吊り下げ支持柱の他端は、対応する固定アセンブリケースとそれぞれ連通し、その結果、作業者は、吊り下げ支持柱によって固定アセンブリケースの内部に到達することができる。
【0040】
本発明の第3態様による一実施例では、吊り下げ支持柱の数は、3つであり、2つの吊り下げ支持柱の他端は、水平軸水力発電機の両側に位置する力受け部品又は力受け支持部品とそれぞれ連通し、他の1つの吊り下げ支持柱の他端は、水平軸水力発電機と連通し、3つの吊り下げ支持柱において水面上に位置する端は相互に接続される。
【0041】
本発明の第3態様による一実施例では、大型潮力発電装置は、本発明の第4態様によって提供される障壁を含む。
【0042】
第4態様によれば、本発明は、それぞれ水平軸水力発電機の上下流の両側に設置され、水流方向に沿ったそれぞれの幅が8センチメートル以上である少なくとも2つの障壁を含む、潮力発電装置を提供する。
【0043】
本発明の第4態様による一実施例では、潮力発電装置は、本発明の第1態様又は第2態様の任意の実施例に記載の組み立てプラットフォームを含む。
【0044】
本発明の第4態様による一実施例では、潮力発電装置は、本発明の第2態様の任意の実施例に記載の吊り下げ支持柱を含む。
【0045】
本発明の第4態様による一実施例では、潮力発電装置は、本発明の第3態様の任意の実施例に記載の潮力発電装置を使用する。
【0046】
第5態様によれば、本発明は、大型潮力発電装置を更に提供し、該装置は、
海底に固定される組み立てフラットフォームと、
前記組み立てプラットフォームに取り外し可能に取り付けられる水平軸水力発電機と、
組み立てプラットフォームに設置され、水面上に位置する少なくとも2つの力受け部品と、
少なくとも2つの力受け支持部品であって、その一端は、前記水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側にそれぞれ取り付けられ、他端は、前記組み立てプラットフォームの左右側の2つの力受け阻止部品にそれぞれ当接され、前記水平軸水力発電機に対する水流の衝撃力を抵抗する少なくとも2つの力受け支持部品と、
少なくとも1つのアクセスパイプであって、その一端は、水平軸水力発電機の内部と連通し、他端は、水面上に位置し、又は、一端は、組み立てプラットフォームの水面下の作業領域に通し、他端は、水面上に通し、その結果、作業者は、水面下の作業領域で作業することができる少なくとも1つのアクセスパイプと、
少なくとも1つの送風機と、
前記アクセスパイプの内側又は外側に固定可能又は取り外し可能に取り付けられ、一端が水面上に通し、他端が水面下に通し、作業者の安全を保障するために、作業者が水面下の作業領域で作業する必要がある場合、送風機を起動して水面下の作業領域で換気する少なくとも1つの換気管と、を含む。
【0047】
本発明の第5態様による一実施例では、少なくとも1つの水ポンプと、少なくとも1つの排水管とを更に含み、排水管は、前記アクセスパイプの内側又は外側に固定可能又は取り外し可能に取り付けられ、前記排水管の一端は、水面上に通し、他端は、水面下の作業領域に通し、水面下の作業領域の内から水が漏れる場合、水ポンプは、内部の溜り水を吸い上げて排水管によって水面上まで排出し、装置又は作業者の安全を保障する。
【0048】
本発明の第5態様による一実施例では、大型潮力発電装置は、本発明の第4態様の任意の実施例に記載の障壁を含む。
【0049】
要するに、本発明は、従来技術のように水平軸水力発電機を枠に取り付ける代わりに、4つの固定杭と支持枠を一体に接続して取り付け空間を形成し、次に、水平軸水力発電機を取り付け空間内に固定して取り付けるので、鋼の使用量を大幅に低減し、製造コストと取り付けコストを削減する。また、本発明では、水平軸水力発電機の両側に位置する力受け支持部品及び力受け阻止部品の設置により、水平軸水力発電機が受けた水流の推力を両側に均一に伝達でき、それによって組み立てプラットフォーム全体に分配することができ、その結果、組み立てプラットフォーム全体は、単機出力がより大きい水平軸水力発電機を搭載することができ、潮力発電装置の発電コストを大幅に削減する。特に、本発明の水平軸水力発電機は、水中に「固定点」があるので、水平軸水力発電機が水流の巨大な推力の下での揺れによって引き起こされる共振現象で損傷を受けやすいという従来技術の問題を回避する。本実施例によって提供される大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォームを使用することにより、潮力発電装置を本当に大規模にすることができ、潮力発電のコストを火力発電よりも低く抑えることができ、潮力発電の商業化と応用を本当に実現することができる。
【0050】
本発明の上記内容及び他の目的、特徴及び利点をより明確にするために、以下、好ましい実施例及び図面を参照しながら、それらをより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の実施例1によって提供される大型潮力発電装置の上面図である。
【
図2】本発明の実施例1によって提供される大型潮力発電装置の側面図である。
【
図3】本発明によって提供される力受け支持部品及び力受け阻止部品が異なる実施例での断面概略図である。
【
図4】本発明の実施例1によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
【
図5】本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の局所的上面図である。
【
図6】本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の局所的側面図である。
【
図7】本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の内部モジュールの上面図である。
【
図8】本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
【
図9】本発明の実施例3によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
【
図10】本発明の実施例4によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
【
図11】本発明の実施例5によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
【
図12】本発明の実施例6によって提供される大型潮力発電装置の上面図である。
【
図13】本発明の実施例7によって提供される大型潮力発電装置の上面図である。
【
図14】本発明の実施例8によって提供される障壁の概略図である。
【
図15】本発明の実施例9によって提供される大型潮力発電装置の概略図である。
【
図16】本発明の実施例9によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
【
図17】本発明の実施例10によって提供される大型潮力発電装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、本発明の実施例1によって提供される大型潮力発電装置の上面図である。
図2は、本発明の実施例1によって提供される大型潮力発電装置の側面図である。
図3は、本発明の実施例1によって提供される力受け支持部品及び力受け阻止部品の断面概略図である。
図4は、本発明の実施例1によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
図2では、右側の輪は、左側の輪の標識の拡大概略図である。
図1~4に示すように、実施例1では、大型潮力発電装置は、組み立てプラットフォーム1と、少なくとも1つの水平軸水力発電機2とを含み、少なくとも1つの水平軸水力発電機2は、組み立てプラットフォーム1に取り付けられる。
【0053】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、少なくとも4つの固定杭11と、少なくとも2つの力受け阻止部品12と、少なくとも2つの力受け支持部品13と、支持枠14とを含む。各固定杭11の一端は、海底Fに固定するように打たれ、他端は、水面P上に伸びる。少なくとも4つの固定杭11は、支持枠14によって一体に接続され、4つの固定杭11は、支持枠14と共に取り付け空間15を取り囲んで形成する。4つの固定杭11は、水流方向Dに沿って左右両列に配置され、各列の少なくとも2つの固定杭11は、水流方向Dに沿って順次配置される。具体的には、少なくとも4つの固定杭11は、2組(即ち、2列)に分けられ、各組は、少なくとも2つの固定杭11を含む。各組内の少なくとも2つの固定杭11の横断面が中心点を介して結ぶ線は基本的に水流方向Dと平行になる(わずかな偏差は許容可能である)。各組の固定杭11は、水流方向Dに平行な1列のように並ぶため、下流に位置する固定杭11が受けた衝撃力は、上流に位置する固定杭11の阻止によって大幅に低減する。
図1に示すように、潮が満ちる場合、水流方向は、Dであり、潮が引く場合、水流方向は、D’になっている。本明細書に記載の「左」及び「右」とは、水流方向に対して左右両側を意味する。具体的には、
図1に示す方向から見て、即ち、水面上から見下ろすと、2列の固定杭11はそれぞれ左側及び右側に位置する。
【0054】
本実施例では、支持枠14は、複数の剛性ロッドを含み、各剛性ロッドは、2つの固定杭11に接続される。組み立てプラットフォーム1が受けた力は、支持枠14を介して固定杭11の間に伝達することによって分解される。支持枠14の設置により、少なくとも4つの固定杭11は共に一体に形成され、1つの固定杭11が受けた力は、他の固定杭11に効果的に伝達され、その結果、組み立てプラットフォーム1が受けた力は、均一に分配する。本実施例では、固定杭11の水面下の部分及び水面上の部分にも、接続するための支持枠14が設けられる。潮力発電装置が所在する海域は深い場合、固定杭11は長く、水面下の複数の場所に支持枠14を設置することができ、このように、固定杭11の間の接続はより堅牢になり、力の分散を効果的に行うことができる。しかし、本発明は、それらを限定せず、支持枠14の接続位置及び接続の数は、具体的な要求に応じて設定され得る。
【0055】
実際の応用では、各固定杭11は、海底Fに対して完全に垂直に取り付けるとは限らない。本実施例では、水受け側又は水落下側(
図1の最下位置及び最上位置)に位置する固定杭11は、海底F中に傾斜して挿入することができる。傾斜して挿入された各固定杭11が水流の衝撃力への抵抗能力は、垂直に設置される固定杭11の約1.5倍であり、即ち、傾斜して設置される固定杭11は、より大きな水流の衝撃力を受けて分散することができる。
【0056】
本実施例では、大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム1は、合計8つの固定杭11を含み、4つの固定杭11は、水平軸水力発電機2の左側に位置し、他の4つの固定杭11は、水平軸水力発電機2の右側に位置する。左側又は右側に位置する4つの固定杭11は、水流方向Dに沿って順次配置される。本発明は、具体的な固定杭11の数を限定しない。他の実施例では、固定杭11の数は、4個、6個又は12個であってもよい。より多くの固定杭11の設置により、水平軸水力発電機2に対する水流の衝撃力は、より多くの固定杭11に伝達され得、そのため、水流の衝撃力を効果的に分散し、潮力発電装置は、より大きな水流の推力を受けて抵抗することができ、その結果、組み立てプラットフォーム1がより大規模な単一の水平軸水力発電機2を搭載する能力を向上させる。つまり、本発明の実施例によって提供される組み立てプラットフォーム1は、出力がより大きな水平軸水力発電機2を支持することができ、単一のタービンの羽根車と単一の発電機の出力の上限を向上させ、その結果、潮力発電装置の商業的普及と応用を実現する。なお、固定杭11の数の増加に伴い、各固定杭11の直径を対応して減らすことができ、そのため、水流を阻止する固定杭11の断面を減らし、水流に対する水平軸水力発電機2の利用率を向上させ、その結果、水平軸水力発電機2の発電効率を向上させる。
【0057】
具体的には、本願の背景技術に記載の従来の洋上風力発明装置を一例とすれば、該装置に搭載される最大単機出力は5MWであり、しかし、搭載を確保するために、最大直径6mを超える固定杭が必要である。本実施例では、少なくとも4つの固定杭11及び支持枠14が一体になることにより、受けた水流の推力を分散し、各固定杭の直径が1.3mになると、単機出力が5MWの水平軸水力発電機を搭載することができ、従って、固定杭の直径を大幅に低下させる。各固定杭の製造の難しさ及びコストも低下する。なお、単一の固定杭を海底に固定して取り付ける過程は、非常に複雑である。取り付け期間、まず、単一の固定杭の周りには、複数の補助杭で形成される杭打ちプラットフォームを設置し、次に、単一の固定杭を取り付けて固定した後、人又は船を派遣して杭打ちプラットフォームを取り外し、更に、水中作業が必要であり、このように、固定杭の取り付けコストが非常に高いことを引き起こす。しかし、本実施例では、相互に接続される少なくとも4つの固定杭を使用し、自然な杭打ちプラットフォームを形成する。補助杭で形成される杭打ちプラットフォームの設置を必要としないので、固定杭の取り付けコストを大幅に削減する。従って、直径1.3mの4つの固定杭の製造コストと取り付けコストとの和は、直径6mの1つの固定杭の製造コストと取り付けコストよりも小さい。
【0058】
本実施例の各固定杭の直径が3mになる場合、単機出力が20MWの水平軸水力発電機を搭載することができ、従来の単機出力の上限を打ち破り、単機出力を本当に高める。従来の潮力発電装置の最大単機出力は、2MWだけであり、20MWの発電電力量を達成するには、最大10個の水平軸水力発電機を動作させる必要があり、取り付けのために少なくとも10個の組立プラットフォームを設置する必要がある。しかし、本発明の実施例1の大型潮力発電装置は、20MWの発電電力量を達成するために、1つの水平軸水力発電機及び1つの組立プラットフォームを設置するだけで済み、その結果、コストを大幅に削減し、潮力発電装置の商業化運営が本当に可能になっている。
【0059】
潮力発電装置のコストは、2つの部分で構成され、1つは、発電機の製造コスト及び取り付けコストであり、もう1つは、組み立てプラットフォームの製造コスト及び取り付けコストである。例えば、1つの2.5MW水平軸水力発電機の製造コスト及び取り付けコストは、2,000万元であり、2つの2.5MW水平軸水力発電機の製造コスト及び取り付けコストは、4,000万元であり、しかし、1つの5MW水平軸水力発電機の製造コスト及び取り付けコストは、2,0600万元だけである。つまり、組み立てプラットフォームの製造コスト及び取り付けコストの差に関係なく、水平軸水力発電機だけのコストに関しては、より高出力の水平軸水力発電機を動作させると、単位電力あたりのコストを大幅に削減し、言うまでもなく、本実施例の組み立てプラットフォームの製造コスト及び取り付けコストも、従来技術の組み立てプラットフォームのものよりはるかに低い。
【0060】
本実施例では、少なくとも2つの力受け阻止部品12は、固定杭11又は支持枠14に固定され、力受け阻止部品12は、水面P下の水平軸水力発電機2の水流方向Dに沿った左右両側に位置する。具体的には、本実施例の潮力発電装置の組み立てプラットフォームは、8つの固定杭を有し、2つの力受け阻止部品12は、
図1で示される左側の中央の2つの固定杭11及び右側の中央の2つの固定杭11にそれぞれ位置し、更に、固定杭11において水平軸水力発電機2に向かう片側に位置する。潮力発電装置が4つの固定杭だけを有すると、力受け阻止部品12は、2つの固定杭を接続する支持枠に取り付けることができる。つまり、力受け阻止部品12は、固定杭11に直接又は間接的取り付けることができる。
【0061】
本実施例では、少なくとも2つの力受け支持部品13の一端は、水平軸水力発電機2の水流方向Dに沿った左右両側にそれぞれ取り付けられ、他端は、対応する力受け阻止部品12にそれぞれ当接される。本実施例では、
図1の左側の力受け支持部品13を一例とすれば、力受け支持部品13の一端は、右端であり、力受け支持部品13の他端は、左端である。
図1の右側の力受け支持部品13を一例とすれば、力受け支持部品13の一端は、左右端であり、力受け支持部品13の他端は、右端である。
【0062】
本実施例の力受け支持部品13と力受け阻止部品12が結合されて、水平軸水力発電機2に対する水流の衝撃力を抵抗する。具体的には、
図1に示すように、水流は、下から上へ水流方向Dに沿って水平軸水力発電機2に押し寄せ、2つの力受け支持部品13の一端がそれぞれ水平軸水力発電機2の両側に固定されるので、水平軸水力発電機2に対する水流の推力を両側に直接伝達して分解することができる。推力は、力受け支持部品13、力受け阻止部品12及び支持枠14を順次通り、各固定杭11に均一に分配することができ、全ての固定杭11は、共同で力を受ける。同時に、2つの力受け支持部品13の他端がそれぞれ力受け阻止部品12に「阻止され」、力受け阻止部品12が支持枠14又は固定杭11に固定されるので、力受け阻止部品12は、力受け支持部品13に対して、
図1の方向から見て上から下への「抵抗力」を生じ、異なる力の影響が相殺され、釣り合いが取れ、更に、水平軸水力発電機2の水中安定性を確保し、その結果、水平軸水力発電機2が耐えられる水流の推力の上限を高める。
【0063】
従来技術では、水平軸水力発電機は、単一の搭載杭によって海底に固定され、単一の搭載杭は、水平軸水力発電機に対応する水流の衝撃力の全てを抵抗する必要がある。この過程において発生する曲げモーメント及びせん断力は非常に大きくなるため、搭載杭に過負荷がかからないようにするために、水平軸水力発電機の単機出力には上限が設定される。しかし、本実施例の組み立てプラットフォームは、発電装置全体の「腰部」に少なくとも2つの力受け点を備え、水平軸水力発電機に対する水流の衝撃力を横方向に効果的に分散する。潮力発電装置が水流の運動エネルギーで発電し、水流の推力が大きいほど発電電力量が多く、従って、本実施例の潮力発電装置は、より高出力の水平軸水力発電機を搭載することができる。
【0064】
本実施例では、力受け阻止部品12の断面は、凹形である。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、力受け阻止部品12の断面は、凸形又は円錐形であり得る。本発明は、力受け阻止部品12及び力受け支持部品13の具体的な形状を限定せず、力受け阻止部品12は、力受け支持部品13の一端と係合関係を形成するだけで済む。
図3は、いくつかの力受け阻止部品12は、力受け支持部品13の可能な断面形状を簡単に示す。しかし、本発明の力受け阻止部品12及び力受け支持部品13の実際の形状は、それらに限定されない。実際の応用では、力受け支持部品13は、好ましくは、円弧形又は他の流線形の外観を有する。このような設置により、力受け支持部品13が水中で受ける抵抗力をできるだけ小さくする。
【0065】
本実施例における力受け阻止部品12及び力受け支持部品13は、ジャッキ又は固定ボルトによって固定され得る。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、力受け阻止部品12及び力受け支持部品13の他端は、締り嵌めを実現することができる。具体的には、力受け支持部品13が力受け阻止部品12に取り付けられる場合、更なるジャッキ又は固定ボルトを必要とせずに力受け支持部品13及び力受け阻止部品12を堅牢に係合することができ、両者の固定が緩むことではない。取り付けの場合、取り付け作業のために取り付け担当者が水中に入る必要がないため、追加のアクセスパイプは必要がない。この場合、力受け阻止部品12及び力受け支持部品13の製造精度が高く、力受け支持部品13の断面を特定の外形に設置することにより、力受け阻止部品12と堅牢に係合することができる(
図3の一番右側で示される形状)。水流の衝撃力が非常に大きいため、左側と右側に位置する力受け支持部品及び力受け阻止部品のうちの1つの精度が適合しないと、水平軸水力発電機が傾斜しやすくなる。その利点は、取り付け過程において、力受け支持部品と力受け阻止部品との接続は、係合関係に依存するだけで済み、更なる固定及び調整を必要としない。力受け阻止部品と力受け支持部品が係合関係によって固定される場合、力受け支持部品の下方にジャッキを取り付けることもでき、水中から上から下へ水平軸水力発電機を吊り上げる必要がある場合、ジャッキを上げ、力受け支持部品を吊り上げ、力受け支持部品と力受け阻止部品との係合関係を解除するだけで済み、その結果、水平軸水力発電機を水中から吊り上げることができる。
【0066】
本実施例では、力受け阻止部品12及び力受け支持部品13の数はいずれも2つである。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、力受け阻止部品及び力受け支持部品の数はいずれも4つであり得、水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側には、それぞれ2つの力受け阻止部品及び力受け支持部品がある。他の実施例では、力受け支持部品13の数は2つであり得、力受け阻止部品12の数は4つであり得、力受け阻止部品12は、2つずつ1組で力受け支持部品の他端に固定される。本実施例では、力受け支持部品13の長さ方向は、水流方向Dと垂直、水平面Pと水平になる方向であり、このように設置すると、力受け支持部品13の鋼の使用量を低下させると同時に、力受け支持部品13が発生する曲げモーメントを低減する。本発明は、それも限定しない。他の実施例では、力受け支持部品の長さ方向は、水流方向と垂直になるが、水平面と平行にならず、即ち、力受け支持部品は、傾斜して設置することができる。力受け支持部品13の傾斜が大きいほど、力受け支持部品13の長さが長くなり、鋼の使用量が多くなり、発生する曲げモーメントも増加する。従って、力受け支持部品13と力受け阻止部品12との結合端は、水面下に設置する必要がある。
【0067】
本実施例では、2つの力受け支持部品13の一端は、水平軸水力発電機2の発電機部に直接取り付けられ、左右両側に位置する。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、水平軸水力発電機は、吊り下げ支持柱を有することができ、2つの力受け支持部品13の一端は、吊り下げ支持柱に取り付け、依然として水平軸水力発電機2の両側に位置することができる。つまり、力受け支持部品の一端が水平軸水力発電機2に直接又は間接的取り付けられるので、水平軸水力発電機2が受けた力を両側に分解する。好ましくは、2つの力受け支持部品13は、水平軸水力発電機2の両側に位置し、水平軸水力発電機に近いほどよく、遠く離れるほど、力の分解及び伝達の効果が弱くなると同時に、吊り下げ支持柱で発生する曲げモーメントが大きくなる。
【0068】
実際の取り付け過程において、陸上で水平軸水力発電機2及び力受け支持部品13を溶接して固定し、組み立てて内部モジュールを形成する。固定杭11の模型、支持枠14及び力受け阻止部品12も陸上で相互に溶接して固定接続し、その後、取り付け対象水域に運び、少なくとも4つの固定杭11をそれぞれ打ち(海底に穿孔すること、杭を打って岩盤に埋め込むこと、及び杭内にコンクリートを打設して鉄筋コンクリート杭を形成することを含むが、それらに限定されない)、組み立てプラットフォーム1の取り付けを完了する。その後、水面上で内部モジュールを上から下へ組み立てプラットフォーム1の取り付け空間15内に吊り下げ、次に、力受け支持部品13及び力受け阻止部品12の固定を完了し、即ち、潮力発電装置全体の取り付けを完了する。本実施例では、潮力発電装置及びその組み立てプラットフォームの全ての製造及び取り付け操作はいずれも水面上で完了することができ、水中作業をなくし、施工の難しさを低下させ、施工要員の安全性を高め、人件費を大幅に削減する。
【0069】
本実施例における各固定杭11の海底Fへの固定方法については、本発明者の別の中国特許出願(公開番号CN105401564)に開示された杭打ち方法を使用して杭打ちしてもよいし、他の従来の杭打ち方法を使用してもよく、ここでは説明しない。本発明は、それも限定しない。注意すべきものとして、本実施例の固定杭の杭打ち方法のみは、第CN10540156号の中国特許出願に開示された杭打ち方法と一致し、しかし、潮力発電装置全体の構造及び取り付け方法は、第CN10540156号の中国特許出願に開示された構造及び取り付け方法と質的に異なる。
【0070】
まず、本発明者の第CN10540156号の中国特許出願における水平軸水力発電機を最初に内枠に取り付け、その後、内枠を外枠に挿入する。内枠及び外枠の設置により、鋼の使用量を増加させ、コストを大幅に向上させる。本発明者が既に発明した潮力発電装置を実用化した後、本発明者は、水流によって発生する推力が巨大で想像を絶するものであり、最大推力が2000~3000トンにも達することを発見する。従って、内枠の重量を向上させるだけで、それ自身の重力による摩擦が水力発電機の水流の推力を相殺する可能性があり、このように、鋼の使用量とコストの急激な増加を引き起こす。本実施例は、枠の使用を完全に放棄し、組み立てプラットフォーム全体では、コンクリートを打設して固定杭を形成する過程において鉄筋かごを使用する必要があり、力受け支持部品、力受け阻止部品及び支持枠が鋼製である以外、他の部分は鋼材を一切必要としない。組み立てプラットフォーム全体の鋼の使用量は、幾何学的に低下し、製造コストも大幅に低下する。
【0071】
本発明者は、実用化の比較から分かるように、本発明者が既に発明した取り付け方法及び構造を実装し、水平軸水力発電機の単機出力が200KW、羽根車の直径が5.4m、羽根車の断面が22.9m2である場合、水力発電機は23トンの水流の推力を受け、この場合、水力発電機の安全な動作を確保するために、内枠は230トン以上に達する必要がある。しかし、本実施例の潮力発電装置の組み立てプラットフォーム全体の重量は、125トンしか必要とせず(中空の力受け部品と中空の発電機キャビンによって生成される浮力が取り除かれると、水中の実際の重力がわずか25トンである)、単機出力が1.5MWの水平軸水力発電機を順調に動作させることができ、その羽根車の直径は15m、羽根車の断面は177m2であり、水力発電機が受けた水流の推力は177トンである。本発明者が既に発明した取り付け方法及び構造を使用すると、1.5MW水平軸水力発電機を搭載するために、最大1800トンの枠が必要であり、この重量の枠は、技術的及びコストの観点から両方を達成することはまったく不可能である。従って、枠のみは、従来の水平軸水力発電機の単体規模の向上を制限する。
【0072】
次に、第CN10540156号の中国特許出願における水平軸推力発電機は、中心回転軸によって内枠の最上位及び最下位に回転可能に固定される。水流の巨大な推力下で、水平軸水力発電機は動作中に振動しやすく、発電機の規模が大きくなるほど振動が激しくなる。激しい振動は、水平軸水力発電機内の素子が共振することをもたらし、その結果、破損を引き起こす。従って、本発明者が既に発明した潮力発電装置を実用化した後、第CN10540156号の中国特許出願における取り付け方法により、200KW又は300KW水平軸水力発電機のみを安全に動作させ、単機出力が1MW以上に達する場合、水平軸水力発電機が破損しやすくなり、その結果、水平軸水力発電機の単機出力を向上させることができない。しかし、本実施例によって提供される潮力発電装置では、水平軸水力発電機の腰部又は腰部の近くに少なくとも2つの「拘束点」が設けられ、水平軸水力発電機は直接、力受け支持部品に堅牢に固定され、力受け支持部品も力受け阻止部品に堅牢に固定され、力受け阻止部品及び支持枠と固定杭との関係も堅牢な固定関係である。つまり、水平軸水力発電機と組み立てプラットフォームは、堅牢な固定関係であり、素子が水中で安全な範囲を超えて振動することはなく、共振の問題を回避する。従って、本実施例によって提供される潮力発電装置は、より高出力の水平軸水力発電機を順調に動作させることができる。
【0073】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、少なくとも2つのガイド溝121を有し、それらは、水平軸水力発電機2の水流方向Dに沿った左右両側に位置し、ガイド溝121は、水面上から水面下に通し、少なくとも2つの力受け阻止部品12は、対応するガイド溝121の底端にそれぞれ固定される。本実施例では、ガイド溝121は、対応する固定杭11又は支持枠14に設置され得、固定杭11又は支持枠14において水平軸水力発電機2に向かう片側に位置する。ガイド溝121の一端は、水面P上に位置し、他端は、水平軸水力発電機2の中心点と同じ高さであってもよいし、中心点よりも低い位置にあってもよい。ガイド溝121の作用は、力受け支持部品13を容易に取り付け又は固定することである。力受け支持部品13を取り付ける場合、力受け支持部品13の一端は、ガイド溝121に沿って水面から水中まで摺動し、次に、ガイド溝121の底端に位置する力受け阻止部品12と固定することができる。
【0074】
本実施例では、海洋異物(例えば、海洋ゴミ又は浮氷)が水平軸水力発電機2への損傷を効果的に低下させるために、水平軸水力発電機2の上流又は下流に障壁を設置する必要がある。海洋ごみが多いため、障壁が一定期間使用された後、水流が水平軸水力発電機2に順調に流入し、ゴミによって阻止されず、発電効率を確保するように、その表面のゴミを定期的に清掃する必要がある。また、水流が急であり、ゴミが鋭利なものもあり、障壁が鋼線でできていても破損の問題があるため、障壁を頻繁に修理及び交換する必要がある。従来の障壁の清掃、取り付け及びメンテナンスを担当する作業者は、水中作業を行う必要があり、操作の難しさが高く、効率が低く、また、潮力発電機の周りの水流の衝突によって渦が発生しやすいため、メンテナンス及び清掃も危険である。
【0075】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、障壁を取り付け又は固定するための少なくとも2組の障壁ガイド溝16を更に含み、2組の障壁ガイド溝16は、水平軸水力発電機2の上下流の両側にそれぞれ設置され(水流方向が
図1におけるDで示される場合、
図1の下方が上流、
図1の上方が下流である)、各組の障壁ガイド溝16はいずれも水面上から水面下まで通す。本実施例では、各組の障壁ガイド溝16は、2つの障壁ガイド溝を含み、1組の障壁ガイド溝16は、
図1における上流の2つの固定杭11(
図1の最下位の2つの固定杭)の上流の片側に位置し、他の1組の障壁ガイド溝16は、
図1における下流の2つの固定杭11(最上位の2つの固定杭)の下流の片側に位置する。実際の応用では、障壁の左右の2つの側辺は、1組の障壁ガイド溝16に沿って上から下へ障壁ガイド溝16内に挿入され、その後、それ自身の重力作用により、底端まで摺動し、その結果、障壁の取り付け及び固定を完了する。障壁ガイド溝16の設置により、障壁を容易に取り付け、海中の取り付け作業を必要とせず、海面上の操作を直接実行すると、障壁の取り付けを完了することができる。特に、障壁を清掃又は交換する必要がある場合、障壁ガイド溝16に沿って下から上へ障壁を引き出し、作業者は、水面上で操作するだけで済む。従って、障壁ガイド溝16の設置により、障壁の清掃及び交換を容易にする。障壁ガイド溝16の設置により、障壁の取り付け、メンテナンス及び交換のコストを削減する。本実施例は、障壁の具体的なタイプを限定しない。
【0076】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、少なくとも1つのアクセスパイプ17を含み、少なくとも1つのアクセスパイプ17は、水面上から水面下まで通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、アクセスパイプ17を通って水面下に到達することができる。アクセスパイプ17の一端は、水面P上に位置し、他端は、水面P以下に位置し、水平軸水力発電機2又は力受け支持部品13若しくは力受け阻止部品12と連通する。本実施例では、アクセスパイプ17の数は2つであり、2つのアクセスパイプ17は支持枠14に沿ってそれぞれ設置される。一実施例では、アクセスパイプ17はそれぞれ力受け支持部品13と連通し、作業者は、アクセスパイプ17を通って力受け支持部品13内に到達し、力受け支持部品13及び力受け阻止部品12を固定して取り付けることができる。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、アクセスパイプ17は、水平軸水力発電機2の両側の1つの固定杭11内に設置され得、それぞれ力受け支持部品13又は力受け阻止部品12と連通する。他の実施例では、アクセスパイプ17は、支持枠14内に設置され得る。
【0077】
本実施例では、2つの力受け支持部品13は、中空構造であり得、作業者は、アクセスパイプ17及び力受け支持部品13を通って水平軸水力発電機2の内部に到達し、水平軸水力発電機2の内部をメンテナンスすることができる(例えば、エンジン油の交換、歯車の交換、密封部品の交換など)。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、組み立てプラットフォームは、1つのアクセスパイプだけを有することができ、アクセスパイプも固定杭内に設置され、作業者は、アクセスパイプを通って片側の力受け支持部品に到達し、片側の力受け支持部品及び力受け阻止部品を固定して取り付けることができ、また、力受け支持部品を通って水平軸水力発電機の内部に到達し、水平軸水力発電機をメンテナンスすることができ、更に、片側の力受け支持部品、水平軸水力発電機、他側の力受け支持部品を順次通り、他側の力受け支持部品及び力受け阻止部品を固定して取り付けることができる。別の実施例では、組み立てフラットフォームは、1つのアクセスパイプだけを有し、アクセスパイプは、固定杭内に設置し、力受け阻止部品と連通することができ、取り付け担当者は、アクセスパイプを通って力受け阻止部品に到達し、力受け支持部品及び力受け阻止部品を固定して取り付けることができる。別の実施例では、組み立てフラットフォームは、水面上と水平軸水力発電機の内部を連通するように、専用のアクセスパイプを設置することができる。
【0078】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、少なくとも1つの送風機181と、換気管182とを更に含み、換気管182は、アクセスパイプ17内又はアクセスパイプ17の外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、換気管182は、水面P上から水面P下まで通し、その結果、水面下の作業領域で換気することができる。従来の潮力発電装置は、水中の取り付け又はメンテナンスの状況を考慮しない。本発明者は以前から水中のメンテナンスを考慮したが、内部の機械の長期間の使用による高温は、有毒で有害なガスが発生し及び二酸化炭素濃度が過剰であることをもたらすという問題を無視する。水中作業を行う必要がある場合、作業者は、長期間水中にいる必要があり、低酸素症又は二酸化炭素中毒にかかりやすい。本実施例の送風機181及び換気管182は、外気送風システムを構成し、水中のメンテナンス担当者又は取り付け担当者の生命の安全を大幅に確保する。作業者が水面下の作業領域に入って作業する必要がある場合、送風機を起動しえ水面下の作業領域で換気することができる。具体的な応用では、外気送風システムは、より複雑な構造を有し、例えば、独立する送風システム及び排気システムなどを有し、ここでは説明しない。
【0079】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、少なくとも1つの水ポンプ183と、少なくとも1つの排水管184を更に含み、排水管184は、アクセスパイプ17内又はアクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、排水管184は、水面P上から水面P下まで通し、水ポンプ183は、水面下の作業領域内の溜り水を吸い上げ、排水管184によって水面上に排出する。潮力発電装置全体の大部分が水中に位置するため、長期間使用された後、密封リングは容易に緩むので、密封リングで水漏れがないことを確保することは困難である。保護対策を講じない場合、メンテナンス担当者又は取り付け担当者がアクセスパイプ17から水中作業領域に入ると、生命の危険にさらされる可能性がある。水ポンプ183及び排水管184の設置により、作業者の安全を効果的に確保する。本実施例では、作業者は水中作業を行う必要がある場合、水ポンプ183を起動して一定時間動作し、排水管184から溜り水を排出するかどうかを観察する。作業者は、排水管184に溜り水がなくなるまで、アクセスパイプ17に入ることができる。作業者が水中作業を行う場合、水ポンプ183は、作業者が作業を終えて水面上に戻るまで動作し続ける。しかし、本発明は、水ポンプの形態を限定しない。他の実施例では、水ポンプ183は、定期的に動作し、内部の溜り水を吸い上げ、排水管184によって水面上に排出し、その結果、溜り水が素子に損傷を与えることを回避し、作業者の安全を確保することができる。
【0080】
本実施例では、換気管182、排水管184及びアクセスパイプ17はいずれも支持枠14又は固定杭11に沿って設置され得、これらのパイプはいずれも力受け支持部品13の内部と連通することができる。また、換気管182及び排水管184は、水平軸水力発電機2の内部に到達するまで、中空の力受け支持部品13に沿って配置することができる。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、固定杭11内には、水面上から水面下まで通すための専用の換気管182、排水管184及びアクセスパイプ17が設置され得る。
【0081】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、少なくとも2つの固定アセンブリケース18を更に含み、各固定アセンブリケース18は、中空構造で、力受け阻止部品12に対応して設置され、その結果、作業者は、固定アセンブリケース18の内部で作業することができる。固定アセンブリケース18は、力受け阻止部品12及び力受け支持部品13を固定して接続するように、力受け支持部品13において力受け阻止部品12に当接される一端に取り付けられる。本実施例では、各固定アセンブリケース18は、アクセスパイプ17と連通する。つまり、本実施例のアクセスパイプ17は、力受け支持部品13に直接連通する代わりに、固定アセンブリケース18の内部に直接通すものである。
【0082】
本実施例では、各固定アセンブリケース18は、密封装置185及び固定アセンブリ186を含み、固定アセンブリ186は、少なくとも1つの固定ボルト又は少なくとも1つのジャッキを含み、密封装置185は、固定アセンブリ186に対応して設けられる。本実施例の潮力発電装置の取り付け過程において、陸上で水平軸水力発電機2、少なくとも2つの力受け支持部品13及び少なくとも2つの固定アセンブリケース18を溶接して接続し、内部モジュールを形成する。固定杭11を海底Fに固定することが完了した後、内部モジュールを上から下へ水中の取り付け空間15内に吊り下げ、固定アセンブリケース18は、ガイド溝121に沿ってガイド溝121の底端へ摺動することができる。その後、作業者は、アクセスパイプ17を通って固定アセンブリケース18の内部に入り、固定アセンブリ186(例えば、固定ボルトをねじ込み又はジャッキを突き上げる)を調整することにより、固定アセンブリケース18と力受け阻止部品12を堅牢に係合し、その結果、力受け阻止部品12と力受け支持部品13との固定を実現する。ここまでで、内部モジュール全体と組み立てプラットフォーム1との固定が完了し、潮力発電装置全体の取り付けが完了する。しかし、本発明は、それを限定しない。本実施例は、固定アセンブリケース18を有しなくてもよく、密封済値185及び固定アセンブリ186を直接設置することにより、力受け支持部品13と力受け阻止部品12を固定することができる。
【0083】
水流が水流方向Dに沿って水平軸水力発電機2に押し寄せる場合、力受け支持部品13が
図1の方向から見て下から上への巨大な衝撃力を受けるので、関連する固定アセンブリケース18は、
図1の方向から見て力受け阻止部品12の上側に当接するように押される。実際の製造過程において、固定アセンブリケース18のサイズが力受け阻止部品12の位置決め溝のサイズと完全に一致することを確保することは困難である。公差の存在のため、固定アセンブリケース18と力受け阻止部品12との間には隙間がある。水平軸水力発電機2が揺れることを回避するために、取り付け担当者は、アクセスパイプ17を通って固定アセンブリケース18内に入り、固定アセンブリ186を調整し始め(例えば、固定ボルトをねじ込み又はジャッキを突き上げる)、その結果、固定アセンブリ186の頂端は、力受け阻止部品12の位置決め溝の内壁に当接される。この場合、固定アセンブリケース18が力受け阻止部品12内に堅牢に係合され、そのため、水平軸水力発電機2が揺れることを回避する。潮が満ちても、潮が引いても、水平軸水力発電機2は堅牢に位置決めされ、許容範囲を超える振動は発生しない。この過程において、送風機181はずっと動作し、換気管182から新鮮な空気を供給する。水ポンプ183もずっと動作し、排水管184から可能な溜り水を排出し、その結果、作業者の安全を保障する。別の実施例では、固定アセンブリケース18を設置しない場合、アクセスパイプ17は、力受け支持部品13又は力受け阻止部品12の内部に直接通し、その結果、力受け支持部品13と力受け阻止部品12の固定接続を完了する。
【0084】
本実施例では、各列の固定杭11において水平軸水力発電機2に向かう片側に側板19が設置される。側板19は、整流作用を果たすための通路を形成でき、即ち、水流を集め、水平軸水力発電機2を効果的にガイドすることができ、その結果、発電効率を向上させる。別の実施例では、
図2の方向から見ると、上下左右の四方にも側板が設けられ、その結果、水を集めるための通路を形成し、水が水平軸水力発電機2に押し寄せるようにガイドする。
【0085】
図4に示すように、本実施例では、組み立てプラットフォーム1の各固定杭11において最低潮位線Lの上の領域にコンクリート保護装置111が設けられ、各固定杭11を潮間帯の強い腐食から守り、その結果、固定杭11の耐用年数を伸ばし、組み立てプラットフォーム1の耐用年数も伸ばし、メンテナンス回数及びコストを向上させる。水は空気中の酸素を隔離する役割を果たすため、水面下の固定杭11の部分は腐食しにくく、水面上の固定杭11の部分は最も腐食しやすい。コンクリート保護装置を設置しない場合、水面上の固定杭11の部分が腐食すると、固定杭11の間の力の伝達が不均一をもたらし、組み立てプラットフォーム1全体が釣り合わず又は倒れることを引き起こす可能性がある。コンクリート保護装置111の設置により、組み立てプラットフォーム1全体の耐用年数は、50年にも及び得る。潮の満ち引きに伴い、水面Pの高さも変化し、そのため、コンクリート保護装置111の最下端は、好ましくは、最低潮位線Lに設置される。実際の応用では、コンクリート保護装置111の最下端は、最低潮位線Lよりも低い。具体的な応用では、固定杭11において最低潮位線Lの上の領域に保護スリーブが設けられ、次に、保護スリーブ内にコンクリートが打設され、その結果、コンクリート保護装置111を形成する。
【0086】
図5は、本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の局所的上面図である。
図6は、本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の局所的側面図である。
図7は、本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の単一の内部モジュールの上面図である。
図8は、本発明の実施例2によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
図5~
図8を併せて参照する。実施例2の組み立てプラットフォーム1、水平軸水力発電機2、固定杭11、コンクリート保護装置111、力受け阻止部品12、力受け支持部品13、支持枠14、取り付け空間15、障壁ガイド溝16、固定アセンブリケース18、送風機181、換気管182、水ポンプ183、排水管184、側板19などは、基本的に実施例1の対応する素子の構造及び機能と同じであり、そのため、同じ記号を使用する。以下では、相違点のみを説明する。
【0087】
実施例2では、大型潮力発電装置は、組み立てプラットフォーム1、少なくとも1つの水平軸水力発電機2及び少なくとも1つの吊り下げ支持柱31を含む。少なくとも1つの水平軸水力発電機2は、組み立てプラットフォーム1に取り外し可能に取り付けられる。
図5は、大型潮力発電装置の末端のモジュールのみを示し、そのため、組み立てプラットフォーム1及び水平軸水力発電機2のみを示す。実際の応用では、複数の組み立てプラットフォーム1及び複数の水平軸水力発電機2はアレイのように配列され、その結果、発電装置全体の発電出力を向上させる。具体的には、他の1つの水平軸水力発電機2は、
図5及び
図6で示される潮力発電装置の右側に取り付けられ、そのため、更なる力受け阻止部品12は、右側の中央の2つの固定杭11に設置され、又は固定杭11を接続する支持枠14に設置され、この力受け阻止部品12は外側に位置する。それに対応して、右側に位置する固定杭11又は支持枠14は更なるガイド溝121を有する。
【0088】
本実施例では、潮力発電装置は、少なくとも1つの吊り下げ支持柱31を更に含み、吊り下げ支持柱31の一端は、水面P上に位置し、他端は、水平軸水力発電機2又は力受け阻止部品12若しくは力受け支持部品13と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、吊り下げ支持柱31を通って水面P下に到達することができる。実施例1と同様に、本実施例の組み立てプラットフォームも少なくとも2つの固定アセンブリケース18を含み、各固定アセンブリケース18は、中空で、力受け阻止部品12に対応して設置される。具体的には、本実施例における潮力発電装置は、3つの吊り下げ支持柱31を含む。中央に位置する吊り下げ支持柱31の一端は、水面P上に位置し、他端は、水平軸水力発電機2と連通する。他の2つの吊り下げ支持柱31は水平軸水力発電機2において水流方向Dに沿った両側にそれぞれ位置し、この2つの吊り下げ支持柱31の他端は水平軸水力発電機2の両側に位置する固定アセンブリケース18とそれぞれ連通する。両側の吊り下げ支持柱31は、ガイド溝121内に固定することができる。つまり、本実施例では、ガイド溝121の作用は、固定アセンブリケース18が摺動するようにガイドし、固定アセンブリケース18の取り付け及び固定を容易にすることである。ガイド溝121は、吊り下げ支持柱31を固定してガイドする作用を果たすことができる。他の実施例では、固定アセンブリケース18がない場合、両側に位置する吊り下げ支持柱31の他端は、力受け支持部品13と直接連通することができる。
【0089】
吊り下げ支持柱31は、密閉した中空構造であり、吊り下げ支持柱31の内部には、はしごが設置され得る。作業者は、中央の吊り下げ支持柱31の内部のはしごを通って水平軸水力発電機2の内部に入って作業する(例えば、密封リングの交換、エンジン油の交換などのメンテナンス作業又はパイプの配置作業)。水平軸水力発電機2が故障し、水平軸水力発電機2を水中から吊り上げる必要がなく、作業者は、水平軸水力発電機2の内部に直接入ってメンテナンスすることができる。作業者は、両側の吊り下げ支持柱31を通って固定アセンブリケース18内に到達し、固定アセンブリ18及び力受け阻止部品12の取り付け及び固定を完了することができる。
【0090】
従来の潮力発電装置の大部分では、水平軸水力発電機の下方に単一の搭載杭が設置され、しかし、このような取り付け方法は、2つの明らかな欠陥を有する。1つは、前述の単一の搭載杭の支持が、水平軸水力発電機の水流の全ての推力を受け、その結果、過度の曲げモーメント及びせん断力が発生するため、より高出力の水平軸水力発電機を搭載することができず、発電コストが高いままになることである。他の1つは、水平軸水力発電機をメンテナンスする必要がある場合、作業者が水平軸水力発電機と搭載杭との間の接続を水中で取り外す必要があり、次に、水平軸水力発電機を海面から吊り上げ、そのため、メンテナンスの際に大きな安全上の問題を引き起こすことである。また、水平軸水力発電機が正常に動作することを確保するために、搭載杭と水平軸水力発電機を堅牢に固定し、それは、水中での操作はもちろん、両者間の接続を解除することは非常に困難であり、メンテナンスの難しさが非常に高いことを意味する。従って、従来の潮力発電装置の大部分は、まったくメンテナンスされず、水平軸水力発電機が破損すると(例えば、長期間使用による密封リングの緩みにより、水平軸水力発電機内部に水が浸入し、水平軸水力発電機のエンジン油を交換する必要がある)、発電装置全体が直接廃棄される。それもまた、従来の潮力発電装置の耐用年数が短く高コストであり、潮力発電装置の商業化を実現できない大きな理由の1つである。
【0091】
しかし、本実施例の水平軸水力発電機2はメンテナンスが必要である場合、メンテナンス担当者は、吊り下げ支持柱31は、水平軸水力発電機2の内部に直接入って水中作業を行う。実際の応用では、本実施例の組み立てプラットフォームの耐用年数は50年にも及び得るが、水平軸水力発電機の耐用年数は20年であり、水平軸水力発電機2が耐用年数に達する場合、水平軸水力発電機2と組み立てプラットフォーム1との間の固定接続を解除するだけで、水平軸水力発電機2を水面から下から上へ吊り上げることができ、新しい水平軸水力発電機2を交換して取り付けることができる。本実施例の水平軸水力発電機2は、倒懸式によって取り外し可能に取り付けられ、その水平軸水力発電機2のメンテナンスや交換のコストや難しさは、海底直付けの水平軸水力発電機よりも低い。
【0092】
本実施例の水平軸水力発電機2が水中で吊り下げ支持柱31及び両側の力受け支持部品13で固定されるので、水平軸水力発電機2は、水流の巨大な推力下で揺れることがなく、発生する振動も安全な範囲内であることを確保する。従って、本実施例によって提供される潮力発電装置は、よりより大規模な水平軸水力発電機を動作させることができ、それは、水平軸水力発電機の単機出力がより大きいことを意味する。従来の潮力発電装置の負荷可能な最大単機電力が2MWであり、本実施例の潮力発電装置は、単機出力が5MW、10MW及び20MWの水平軸水力発電機を搭載して実行することができる。それは、海洋エネルギー発電産業の発展を大きく促進し、技術の進歩を促進し、産業に根本的な変化をもたらす。
【0093】
同時に、従来の潮力発電装置は、2MWの単機電力を使用しても、メンテナンスなどの問題を解決しないため、発電を続けることができない。潮力発電装置の一部にはメンテナンスの問題を考慮するが、メンテナンスコストが高いため、潮力発電の発電コストは他のエネルギー発電よりもはるかに高くなり、その結果、従来の潮力発電装置は、商業的価値はずっと非常に低い。本実施例の吊り下げ支持柱は、支持作用を果たすだけでなく、メンテナンスのために作業者が水平軸水力発電機の内部に入ることを可能にし、メンテナンスコストを大幅に削減する。
【0094】
また、本発明が既に出願した特許及び実施例では、水平軸水力発電機を固定及び取り付けるための完全な長方形枠を作成する必要があり、しかし、本実施例では、水平軸水力発電機は、2つの力受け支持部品のみで水中に固定できるため、鋼の使用量を大幅に低下させ、更に発電装置のコストを削減する。また、枠の設置は必然的に水流を阻止し、水流断面を形成し、水平軸水力発電機の水流の利用率を低下させるが、本実施例の潮力発電装置は枠を必要とせず、この問題は完全に解決される。
【0095】
本実施例では、大型潮力発電装置は、少なくとも1つの接続部品4を更に含み、少なくとも1つの接続部品4は、吊り下げ支持柱31において水面上に位置する一端及び組み立てプラットフォーム1に横方向又は縦方向に接続される。接続部品が横方向に接続される場合、接続部品4は、3つの吊り下げ支持柱31において水面上に位置する一端を固定して接続する。水平軸水力発電機2と組み立てプラットフォーム1が分離する場合、接続部品4と組み立てプラットフォーム1との接続関係を解除するだけで済む。
【0096】
本実施例では、密閉した中空の吊り下げ支持柱31は、アクセスパイプ17の役割を果たす。本実施例では、3つの吊り下げ支持柱31、2つの固定アセンブリケース18、2つの力受け支持部品13及び水平軸水力発電機2は共同で内部モジュールを構成する。固定アセンブリケース18が破損し、メンテナンスが必要な場合、内部モジュールと組み立てプラットフォーム1との間の固定関係を解除し、次に、内部モジュールを下から上へ海面から吊り上げるだけで、内部モジュールの任意の位置のメンテナンス又は交換操作を行うことができる。しかし、本発明は、それを限定しない。他の実施例では、両側のアクセスパイプ17は、固定杭11内に直接設置され得、この場合、メンテナンスが必要なとき、組み立てプラットフォームの固定杭が廃棄される危険性があり、経済的ではない。
【0097】
実施例1と同様に、本実施例の大型潮力発電装置の各吊り下げ支持柱31(即ち、アクセスパイプ17)に送風機181、換気管182、水ポンプ183及び排水管184が対応して設置されるので、水中作業者の安全を保障する。送風機181、換気管182、水ポンプ183及び排水管184の構造及び機構は、実施例1と同じであるので、ここでは説明しない。
【0098】
図9に示すように、実施例3では、吊り下げ支持柱31の数は1つであり得、中央に位置する吊り下げ支持柱31は、密閉した中空構造であり、両側に位置する吊り下げ支持柱31は中空ではなくてもよく、又は両側の吊り下げ支持柱31を必要とせず、作業者は、中央の吊り下げ支持柱31を通って水平軸水力発電機2の内部に入り、次に、中空の力受け支持部品13の内部を通ってそれぞれ力受け支持部品13の他端に到達し、力受け支持部品13と力受け阻止部品12との間の固定、又は固定アセンブリケース18と力受け阻止部品12との間の固定を行う。
図10に示すように、実施例4では、吊り下げ支持柱31の数は2つであり得、両側に位置する吊り下げ支持柱31は、密閉した中空構造であり、中央に位置する吊り下げ支持柱31は中空ではなくてもよく、又は両側の吊り下げ支持柱31を必要とせず、作業者は、吊り下げ支持柱31及びいずれか側の中空の力受け支持部品13を通って水平軸水力発電機2の内部に到達することができる。
図11に示すように、実施例5では、吊り下げ支持柱31の数は2つであり得、左側又は右側に位置し、中央の吊り下げ支持柱31及び他側の吊り下げ支持柱31は中空ではなくてもよく、又は中央若しくは他側の吊り下げ支持柱31を必要とせず、作業者は、一番左側の吊り下げ支持柱31を通って力受け支持部品13に入り、次に、中空の力受け支持部品13の内部を通って水平軸水力発電機2の内部に到達し、また、水平軸水力発電機2及び他の1つの力受け支持部品13を通って一番右側に到達することができる。本発明は、それを限定しない。他の実施例では、力受け支持部品13は中空ではなくてもよく、作業者は、その内部を通る必要がなく、それぞれ3つの中空の吊り下げ支持柱31を通って所定の場所に到達することができる。それらの実施例では、送風機181、換気管182、水ポンプ183及び排水管184はいずれも対応して設置され得る。
【0099】
図12は、本発明の実施例6によって提供される大型潮力発電装置の上面図であり、
図12では、上方の点線の輪は、下方の点線の輪の標識の拡大図である。実施例6の組み立てプラットフォーム1、水平軸水力発電機2、固定杭11、コンクリート保護装置(図示せず)、力受け阻止部品12、力受け支持部品13、支持枠14、取り付け空間15、送風機(図示せず)、換気管182、水ポンプ(図示せず)、排水管184、側板19などは、基本的に実施例1の対応する素子の構造及び機能と同じであり、そのため、同じ記号を使用する。以下では、相違点のみを説明する。
【0100】
本実施例では、組み立てプラットフォーム1は、実施例1における固定アセンブリケースを含まないが、依然として密封装置及び固定アセンブリ(例えば、固定ボルト又はジャッキ)を有する。力受け支持部品13の一端は、固定アセンブリによって力受け阻止部品12に直接取り付けて固定され、密封装置は、接続部を密封する。本実施例では、4つのアクセスパイプ17は、固定杭11の外に沿って設置され、アクセスパイプ17の一端は、水面上に位置し、他端は、力受け阻止部品12と連通する。作業者は、アクセスパイプ17を通って力受け阻止部品12内に入り、固定アセンブリを調整し、その結果、力受け支持部品13及び力受け阻止部品12の固定を行う。別の実施例では、
図12の中央に位置するアクセスパイプ17を有することができ、このアクセスパイプ17は、支持枠14に設置され、このアクセスパイプを通ると、水中作業領域に到達して、4つの位置にある固定アセンブリを固定することができ、この設置方法のコストは最も低い。送風機、換気管182、水ポンプ及び排水管184はいずれも対応して設置され得るので、作業者の安全を保障する。
【0101】
図13は、本発明の実施例7によって提供される大型潮力発電装置の上面図である。実施例7の組み立てプラットフォーム1、水平軸水力発電機2、固定杭11、コンクリート保護装置111、力受け阻止部品12、力受け支持部品13、支持枠14、取り付け空間15、障壁ガイド溝16、アクセスパイプ17、送風機、換気管、水ポンプ、排水管、側板19などは、基本的に実施例1の対応する素子の構造及び機能と同じであり、そのため、同じ記号を使用する。以下では、相違点のみを説明する。
【0102】
実施例7では、潮力発電装置は、固定アセンブリケースを含まない。組み立てプラットフォームは、少なくとも2組の衝撃吸収装置21を更に含み、各組の衝撃吸収装置21は、力受け支持部品13と力受け阻止部品12との間に設置される。各組の衝撃吸収装置21は、力受け支持部品13において水平軸水力発電機2から離れる一端の上下流の両側にそれぞれ固定される2つの衝撃吸収部品を含む。各衝撃吸収装置はいずれも力受け阻止部品12に当接される。衝撃吸収装置21は、特別なポリエチレンポリマ材料、ゴム材料又はバネなどを使用することができる。衝撃吸収装置21の設置により、水平軸水力発電機2が発生し得る共振を効果的に低下させることができる。
【0103】
図14は、本発明の実施例8によって提供される障壁の概略図であり、
図14では、右側の点線の輪は、左側の点線の輪の標識の上面図である。本実施例では、組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの障壁3を含み、それらは、水平軸水力発電機2の上下流の両側にそれぞれ位置し、各障壁3の水流方向に沿った幅Wは8センチメートルである。従来の潮力発電装置は、海洋異物(海洋ゴミ、海中の浮氷など)による水力発電機の羽根車の破損を無視する。本発明者は、それに鑑み、障壁を設置するという方法を使用し、そのため、海洋異物が羽根車に巻き込まれる可能性を低下させる。しかし、1年以上の実践から分かるように、鋼線を編んで形成された障壁が水流の影響を受け続けると、鋼線の接合部が互いに擦れ合い、接合部の鋼線の厚さが徐々に薄くなり、最後に、鋼線が破断し、海洋異物を阻止する障壁の作用が失われる。更に、破断した鋼線は、水力発電機の羽根車にねじ込まれ、ブレードを破壊し、水平軸水力発電機全体の破損をもたらす。このように、羽根車を保護できないだけでなく、メンテナンスコストも向上する。従って、障壁3の水流方向に沿った幅を8センチメートル以上として設定すると、どんなに水流が衝撃しても、障壁が再び破損することではない。本分野の特殊性のために、潮力水平軸水力発電機のメンテナンス又は部品交換のたびにコストが大幅に向上し、潮力発電装置の商業的運営が妨げられる。当業者は、以前、誤解に陥り、常に理論的に問題を考えるが、発電装置が実際に使用された後の経済的適用性を無視する。この8センチメートルというパラメータは、本発明者が経験と教訓を積み重ね、継続的な実践と蓄積を通じて障壁が十分に長い耐用年数を持つと最終的に決定したものである。
【0104】
本実施例では、各障壁のメッシュの水深方向に沿った高さは、依然として鋼線の直径であり、それは、即ち、約8mmである。実際の応用では、障壁3の水流方向に沿った幅Wは、30センチメートルであり得、カナダ北部付近の海域での氷の衝突を効果的に防止すると同時に、鋼線が破断しないことを確保する。本実施例では、水流方向に垂直、水平面に平行な障壁の長さは、対応して取り付けられる組み立てプラットフォームのサイズによって決まり、本願は、それを限定せず、それは、例えば、15m*20mであり得る。障壁の水深方向に沿った高さは、実施場所の水流環境の応力条件によって決まり、本発明は、それを限定しない。障壁のメッシュは、方形又は菱形であり得、本願は、メッシュの距離の大きさを限定せず、メッシュは、30cm*30cmであり得る。また、本願は、障壁の支持枠及びその材料を限定しない。
【0105】
図15は、本発明の実施例9によって提供される大型潮力発電装置の概略図である。
図16は、本発明の実施例9によって提供される大型潮力発電装置の取り付けの概略図である。
図15及び
図16に示すように、大型潮力発電装置は、少なくとも2つの組み立てプラットフォーム1と、少なくとも2つの水平軸水力発電機2とを含む。実施例9における組み立てプラットフォーム1及び水平軸水力発電機2は、実施例2に記載の組み立てプラットフォーム及び水平軸水力発電機の構造と同じであり、ここでは、同じ構造は、同じ記号で示される。実施例9における潮力発電装置も実施例1又は実施例2に記載の全ての他の部品を有し、ここでは説明しない。
【0106】
実施例9では、大型潮力発電装置は、少なくとも4つの固定杭11を含み、少なくとも4つの固定杭11は、支持枠14によって一体に接続されて取り付け空間15を取り囲んで形成し、各固定杭11の一端は、海底Fに固定するように打たれ、他端は、水面上に伸び、少なくとも4つの固定杭11は、水流方向に沿って左右両列に配置され、各列の少なくとも2つの固定杭11は、水流方向に沿って順次配置される。各組み立てフラットフォーム1の取り付け空間15内に少なくとも1つの水平軸水力発電機2が取り付けられる。少なくとも2つの組み立てフラットフォーム1は、水流方向に沿って左右に配置され、2つの組み立てフラットフォーム1の間隔Gは、水平軸水力発電機2の羽根車の直径と一致し、その結果、更なる少なくとも1つの水平軸水力発電機2は、2つの組み立てフラットフォーム1の間に取り付けることができる。間隔Gの方向は、水平面に平行、水流方向に垂直なものである。具体的には、間隔Gの長さは、水平軸水力発電機2の羽根車の直径よりも大きく、その結果、水平軸水力発電機2は、2つの組み立てプラットフォーム1の間に取り付けることができる。各組み立てプラットフォーム1において水平面に平行な方向に水平軸水力発電機2が取り付けられ、水深方向(即ち、水平面と垂直になる方向)に沿って1つ以上の水平軸水力発電機2が取り付けられる。同様に、2つの組み立てプラットフォームの間において水平面に平行な方向に水平軸水力発電機2が取り付けられ、水深方向(即ち、水平面と垂直になる方向)に沿って1つ以上の水平軸水力発電機2が取り付けられる。
【0107】
本発明者が既に出願した特許及び具体的な実施例に記載の潮力発電装置について、まず、水平軸水力発電機を内枠に取り付けて内部モジュールを形成し、次に、外枠を海底に固定するように打ち、組み立てプラットフォームを形成し、続いて、内部モジュールを水中の外枠に吊り下げ、その結果、潮力発電装置の取り付けを完了する。製造コストの面では、潮力発電装置の総製造コストは、組み立てプラットフォームの製造コスト、外枠と内枠の製造コスト、及び水平軸水力発電機の製造コストを含む。本実施例及び前述の任意の実施例に記載の潮力発電装置は、従来の枠を使用せず、製造過程に必要な鋼の使用量を大幅に低減し、その結果、製造コストを大幅に削減する。
【0108】
次に、取り付けコストの面では、従来の潮力発電装置の取り付けコストは、組み立てプラットフォームの取り付けコスト及び内部モジュールの取り付けコストを含む。内部モジュールが枠を含む場合、内部モジュールの取り付けコストは、発電機の取り付けコスト及び対応する枠の取り付けコストを含む。水流方向に垂直、水平面に平行な方向に3つの水力発電機を取り付けようとする場合、3つの枠の取り付けコストと、3つの水力発電機の取り付けコスト、及び3つの組み立てプラットフォームの取り付けコストが必要である。しかし、本実施例の取り付け方法では、枠を取り付ける必要がないことに加え、プラットフォームの1つを減らし、即ち、2つの取り付けプラットフォームだけで、3つの水力発電機を取り付けることができ、このように、潮力発電装置の取り付けコストを大幅に削減する。5つの水力発電機を配置する必要がある場合、3つの組み立てプラットフォームのみが必要である。
【0109】
潮力発電装置の実際のコストの面では、組み立てプラットフォームと水力発電機のコストは、それぞれコストの半分を占める可能性があり、ほとんどの場合、組み立てプラットフォームのコストは、水力発電機のコストよりも高い。本実施例に開示される取り付け方法により、潮力発電装置の水流方向に垂直、水平面に平行な方向への「延在」コストを大幅に削減し、低コストのアレイ配置を実現し、潮力発電装置を本当に大型化にする。
【0110】
実際の取り付け過程において、固定杭の取り付け距離が近過ぎると、海底の岩盤や土砂が緩みやすくなり、そのため、杭径の3~5倍以上の距離で別の杭を固定する必要がある。このように、水流に対する従来の潮力発電装置の利用率は低く、資源の無駄遣いをもたらす。例えば、固定杭の直径が3mの場合、9m以上離れる場合で別の固定杭を打つ必要がある。そうではなければ、隣接する組み立てプラットフォームを堅牢に固定することができず、動作過程において、杭の倒れや歪みをもたらし、装置全体を廃棄して改めて取り付ける可能性がある。本実施例の取り付け方法は、従来技術におけるこの問題を完全に回避し、コストを削減すると同時に、潮流エネルギーを十分に利用する。
【0111】
図17は、本発明の実施例10によって提供される大型潮力発電装置の概略図である。
図17に示すように、実施例10では、各組み立てプラットフォーム1内に水深方向に沿って少なくとも2つの水平軸水力発電機2が取り付けられる。本発明は、それを限定せず、実際の応用では、異なる水深に応じて、異なる取り付け空間内に、1つ以上の水平軸水力発電機を取り付けることができる。
【0112】
本願に記載の実施例の全ての特徴の全ては、実際の状況に応じて自由に組み合わせて使用することができる。例えば、実施例8における障壁は、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10における潮力発電装置に適用でき、実施例8における障壁は、任意の従来の潮力発電装置にも適用できる。実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10における潮力発電装置は、他の構造の障壁を使用することもできる。実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に開示される潮力発電装置は、実施例9に開示される方法に応じて取り付けることができる。実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に開示される大型潮力発電装置は、従来の他の配置方法に応じてアレイ配置することができる。実施例9の取り付け方法は、従来の他の構造の潮力発電装置にも適用できる。実施例9における各組み立てプラットフォーム及び内部モジュールは、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と完全に同じでも、異なってもよい。実施例1~9は、実施例10に記載されるように、水深方向に少なくとも2つの水平軸水力発電機を取り付けることができる。実施例10における潮力発電装置の各組み立てプラットフォームの内部モジュールの構造は、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と完全に同じでもよい。
【0113】
要するに、本発明は、従来技術のように水平軸水力発電機を枠に取り付ける代わりに、4つの固定杭と支持枠を一体に接続して取り付け空間を形成し、次に、水平軸水力発電機を取り付け空間内に固定して取り付けるので、鋼の使用量を大幅に低減し、製造コストと取り付けコストを削減する。また、本発明では、水平軸水力発電機の両側に位置する力受け支持部品及び力受け阻止部品の設置により、水平軸水力発電機が受けた水流の推力を両側に均一に伝達でき、それによって組み立てプラットフォーム全体に分配することができ、その結果、組み立てプラットフォーム全体は、単機出力がより大きい水平軸水力発電機を搭載することができ、潮力発電装置の発電コストを大幅に削減する。特に、本発明の水平軸水力発電機は、水中に「固定点」があるので、水平軸水力発電機が水流の巨大な推力の下での揺れによって引き起こされる共振現象で損傷を受けやすいという従来技術の問題を回避する。本願によって提供される大型潮力発電装置及びその組み立てプラットフォームを使用することにより、潮力発電装置を本当に大規模にすることができ、潮力発電のコストを火力発電よりも低く抑えることができ、潮力発電の商業化と応用を本当に実現することができる。
【0114】
以上のように、本発明を好ましい実施例によって開示してきたが、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかの変更及び修正を行うことができ、従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの水平軸水力発電機が取り付けられる、大型潮力発電装置の組み立てプラットフォームであって、
支持枠と、
支持枠によって一体に接続されて取り付け空間を取り囲んで形成する少なくとも4つの固定杭であって、前記少なくとも1つの水平軸水力発電機は、前記取り付け空間内に取り付けられ、各前記固定杭の一端は、海底に固定するように打たれ、他端は、水面上に伸び、前記少なくとも4つの固定杭は、水流方向に沿って左右両列に配置され、各列の少なくとも2つの固定杭は、水流方向に沿って順次配置される少なくとも4つの固定杭と、
対応する前記固定杭又は前記支持枠にそれぞれ固定され、水面下の前記水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側に位置する少なくとも2つの力受け阻止部品と、
少なくとも2つの力受け支持部品であって、その一端は、前記水平軸水力発電機の水流方向に沿った左右両側にそれぞれ取り付けられ、他端は、対応する前記力受け阻止部品にそれぞれ連結される少なくとも2つの力受け支持部品と、
少なくとも1つのアクセスパイプと、を含み、
前記少なくとも1つのアクセスパイプの一端は、水面上に位置し、他端は、前記水平軸水力発電機又は1つの前記力受け部品若しくは前記力受け阻止部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、前記少なくとも1つのアクセスパイプを通って水面下に到達するように構成される、
ことを特徴とする、大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項2】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも2組の衝撃吸収装置を更に含み、各組の前記衝撃吸収装置は、前記力受け支持部品と前記力受け阻止部品との間に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項3】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの送風機と、換気管とを更に含み、前記換気管は、前記アクセスパイプ内又は前記アクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、前記換気管は、水面上から水面下まで通し、その結果、水面下の作業領域で換気することができることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項4】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも1つの水ポンプと、少なくとも1つの排水管とを更に含み、前記排水管は、前記アクセスパイプ内又は前記アクセスパイプの外に沿って固定可能又は取り外し可能に配置され、前記排水管は、水面上から水面下まで通し、前記水ポンプは、水面下の作業領域内の溜り水を吸い上げ、排水管によって水面上に排出することを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項5】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを更に含み、各前記固定アセンブリケースは、中空構造で、前記力受け阻止部品に対応して設置され、
各固定アセンブリケースは、密封装置、および固定アセンブリを含み、前記固定アセンブリは、少なくとも1つの固定ボルト、または少なくとも1つのジャッキを含み、前記密封装置は、固定アセンブリに対応して設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項6】
前記組み立てプラットフォームの各前記杭において最低潮位線の上の領域にコンクリート保護装置が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の大型潮力発電装置の組み立てプラットフォーム。
【請求項7】
大型潮力発電装置であって、
請求項1~6のいずれか一項に記載の組み立てプラットフォームと、
前記組み立てプラットフォームに取り外し可能に取り付けられる少なくとも1つの水平軸水力発電機と、
密閉した中空構造である少なくとも1つの吊り下げ支持柱であって、その一端は、水面上に位置し、その他端は、前記水平軸水力発電機又は力受け阻止部品若しくは力受け支持部品と連通し、その結果、作業者は、メンテナンス又は固定作業のために、前記吊り下げ支持柱によって水面下に到達することができる少なくとも1つの吊り下げ支持柱とを含むことを特徴とする、大型潮力発電装置。
【請求項8】
前記組み立てプラットフォームは、少なくとも2つの固定アセンブリケースを含み、各前記固定アセンブリケースは、中空構造で、前記力受け阻止部品に対応して設置され、前記吊り下げ支持柱の数は、少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの吊り下げ支持柱の前記他端は、対応する前記固定アセンブリケースとそれぞれ連通することを特徴とする、請求項7に記載の大型潮力発電装置。
【請求項9】
前記吊り下げ支持柱の数は、3つであり、2つの前記吊り下げ支持柱の前記他端は、前記水平軸水力発電機の両側に位置する前記力受け部品又は前記力受け支持部品とそれぞれ連通し、他の1つの前記吊り下げ支持柱の前記他端は、前記水平軸水力発電機と連通することを特徴とする、請求項7に記載の大型潮力発電装置。