(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025139841
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20250919BHJP
【FI】
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038893
(22)【出願日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】小田島 悠紀
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA05
2F129AA11
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC17
2F129DD31
2F129DD44
2F129DD66
2F129EE02
2F129EE54
2F129EE80
2F129FF02
2F129FF64
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】効率的な巡回経路を探索する。
【解決手段】移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定し、前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する。移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する際に、前記複数の立寄先のうちの所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出し、当該抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する停止位置決定部と、
前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する第1の経路探索部と、を有し、
前記移動体の停止位置決定部は、
前記複数の立寄先のうちから所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する第1の決定部と、を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、グループが第1の条件、および前記第1の条件とは異なる第2の条件の少なくともいずれか一方の条件を満たすことを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の条件は、グループに含まれる立寄先が互いに第1の距離以下であることを含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の条件は、グループに含まれる立寄先を巡回する経路が第2の距離以下であることを含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の条件は、グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先が含まれるならば、当該道路の幅が所定の長さ以下であることを含む、請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第2の条件は、グループに含まれる立寄先が同一区画内に存在することを含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2の条件は、グループに含まれる立寄先が同一区画内の集合住宅に存在することを含む、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件は、グループが前記第1の条件、前記第2の条件、および第3の条件の少なくともいずれか1つの条件を満たすことを含み、
前記第3の条件は、
前記第1の条件および前記第2の条件とは異なり、
グループに含まれる立寄先が同一集合住宅に存在することを含む、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1の決定部は、前記抽出部により抽出されたグループの各々に対し、当該グループに含まれる立寄先の間にノードが存在するならば、当該ノードを、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として決定する、請求項1、2、3、6、8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する停止位置決定工程と、
前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する第1の経路探索工程と、を有し、
前記移動体の停止位置決定工程は、
前記複数の立寄先のうちの所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程において抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する第1の決定工程と、を有する、情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理プログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の立寄先を巡回するための経路を探索する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、すべての立寄先を移動体により巡回することを前提としていた。しかしながら、互いに距離が近い複数の立寄先や、同一の団地内の集合住宅に存在する複数の立寄先などのように、移動体で回るよりも、移動体を停止し、歩いて回った方が効率的に巡回することができる場合がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、効率的な巡回経路を探索することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する停止位置決定部と、前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する第1の経路探索部と、を有し、前記移動体の停止位置決定部は、前記複数の立寄先のうちから所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する第1の決定部と、を有する。
【0007】
請求項10に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する停止位置決定工程と、前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する第1の経路探索工程と、を有し、前記移動体の停止位置決定工程は、前記複数の立寄先のうちの所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する抽出工程と、前記抽出工程において抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する第1の決定工程と、を有する。
【0008】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【0009】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の情報処理プログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例に係る巡回経路探索装置100を示す図である。
【
図3】停止位置決定部113の一例を示す図である。
【
図4】異なる道路沿いにある2つの立寄先T1、T2の例を説明する図である。
【
図5】道路を挟んだ2つ立寄先T3、T4の例を説明する図である。
【
図6】情報処理装置100において実行される処理動作の一例を示す図である。
【
図7】
図6のステップS602において停止位置決定部113により実行される処理動作の一例を示す図である。
【
図8】
図7のステップS701において抽出部1131により実行される処理動作の一例を示す図である。
【
図9】
図8のステップS802において抽出部113において実行される処理動作の一例を示す図である。
【
図10】
図9のステップS902において抽出部113により実行される処理動作の一例を示す図である。
【
図11】立寄先T5、T6の間に交差点が存在する例を説明する図である。
【
図12】抽出部1131において用いられる方法の例を説明する図である。
【
図13】立寄先Ta、Tb、Tc、Td、Te、Tfのうちの2地点間をUターンしないように移動する際の経路の距離を示したマトリクスを示す図である。
【
図14】立寄先Ta、Tb、Tc、Td、Te、Tfを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する停止位置決定部と、前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する第1の経路探索部と、を有し、前記移動体の停止位置決定部は、前記複数の立寄先のうちから所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する第1の決定部と、を有する。このため、本実施形態では、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的となる条件を上記の所定の条件が含むようにすることで、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的であるグループに対しては、1つの停止位置のみが設定されることになる。よって、本実施形態では、効率的に巡回するための移動体の停止位置を設定することが可能である。結果、本実施形態では、効率的な巡回経路を探索することが可能である。
【0012】
前記所定の条件は、グループが第1の条件、および前記第1の条件とは異なる第2の条件の少なくともいずれか一方の条件を満たすことを含むようにしても良い。前記第1の条件は、グループに含まれる立寄先が互いに第1の距離以下であることを含むようにしても良い。前記第1の条件は、グループに含まれる立寄先を巡回する経路が第2の距離以下であることを含むようにしても良い。前記第1の条件は、グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先が含まれるならば、当該道路の幅が所定の長さ以下であることを含むようにしても良い。第2の条件は、グループに含まれる立寄先が同一区画内に存在することを含むようにしても良い。前記第2の条件は、グループに含まれる立寄先が同一区画内の集合住宅に存在することを含むようにしても良い。このようにすることで、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的であるグループに対しては、1つの停止位置のみが設定されることになる。
【0013】
前記所定の条件は、グループが前記第1の条件、前記第2の条件、および第3の条件の少なくともいずれか1つの条件を満たすことを含み、前記第3の条件は、前記第1の条件および前記第2の条件とは異なり、グループに含まれる立寄先が同一集合住宅に存在することを含むようにしても良い。このようにすることで、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的であるグループに対しては、1つの停止位置のみが設定されることになる。
【0014】
前記第1の決定部は、前記抽出部により抽出されたグループの各々に対し、当該グループに含まれる立寄先の間にノードが存在するならば、当該ノードを、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として決定するようにしても良い。このようにすることで、グループに含まれる立寄先を効率的に巡回することが可能になる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の当該移動体の停止位置を決定する停止位置決定工程と、前記決定された停止位置を巡回するための経路を探索する第1の経路探索工程と、を有し、前記移動体の停止位置決定工程は、前記複数の立寄先のうちの所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する抽出工程と、前記抽出工程において抽出されたグループの各々に対して、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として、1つの位置を決定する第1の決定工程と、を有する。このため、本実施形態では、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的となる条件を上記の所定の条件が含むようにすることで、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的であるグループに対しては、1つの停止位置のみが設定されることになる。よって、本実施形態では、効率的に巡回するための移動体の停止位置を設定することが可能である。結果、本実施形態では、効率的な巡回経路を探索することが可能である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムは、上記の情報処理方法を、コンピュータに実行させる。このため、本実施形態では、効率的な巡回経路を探索することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態に係る記憶媒体は、上記の情報処理プログラムを記憶している。このため、本実施形態では、上記の情報処理プログラムを、機器に組み込む以外にも単体で流通することが可能になり、バージョンアップ等を容易に行うことが可能になる。
【実施例0018】
<巡回経路探索装置100>
図1は、本発明の一実施例に係る巡回経路探索装置100を示す図である。巡回経路探索装置100は、制御部110と、入力部120と、記憶部130と、通信部140と、出力部150と、を有する。巡回経路探索装置100は、例えば、移動体(例えば、車両や飛行体(無人車両や無人飛行体を含む))により、複数の立寄先を巡回する際の経路を探索する装置である。巡回経路探索装置100は、移動体に設置される装置であっても良いし、移動体の外部に設置された装置であっても良い。立寄先は、例えば、移動体が配送車である場合、配送先や集荷先であり、移動体が幼稚園や介護施設の巡回バスである場合、幼稚園や介護施設の利用者の家である。
【0019】
制御部110は、コンピュータなどの情報を処理する情報処理装置である。入力部120は、ボタンや、キーボード、タッチパネル、マイクなどの情報の入力を受ける入力装置である。記憶部130は、メモリや、ハードディスク、ソリッドステートドライブなどの情報を記憶する記憶装置である。通信部140は、他の装置との間で情報の送受信を行う通信装置である。出力部150は、情報を出力する出力装置(スピーカなどの情報に関する音声を出力する音声出力装置や、ディスプレイなどの情報を表示する表示装置)である。
【0020】
図2は、制御部110の一例を示す図である。制御部110は、出発/目的地点情報取得処理部111と、立寄先情報取得処理部112と、停止位置決定部114と、経路探索部114と、出力処理部115と、を有する。
【0021】
出発/目的地点情報取得処理部111は、出発地点、目的地点に関する情報を取得する。出発地点と目的地点は、同じ地点であっても良いし、異なる地点であっても良い。出発/目的地点情報取得処理部111は、例えば、ユーザにより入力部120に入力された出発地点、目的地点に関する情報を取得するようにしても良いし、記憶部130に記憶された出発地点、目的地点に関する情報を取得するようにしても良いし、通信部140による他の装置(例えば、移動体)との通信を用いて他の装置から出発地点、目的地点に関する情報を取得するようにしても良い。
【0022】
立寄先情報取得処理部112は、出発地点から目的地点に向かう間に立ち寄る地点(立寄先)に関する情報を取得する。立寄先情報取得処理部112は、例えば、ユーザにより入力部120に入力された立寄先に関する情報を取得するようにしても良いし、記憶部130に記憶された立寄先に関する情報を取得するようにしても良いし、通信部140による他の装置(例えば、移動体)との通信を用いて他の装置から立寄先に関する情報を取得するようにしても良い。
【0023】
停止位置決定部113は、移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の移動体の停止位置を決定する。停止位置は、例えば、移動体が車両である場合、車両が停車や駐車する位置である。
【0024】
経路探索部114は、停止位置決定部113により決定された停止位置を巡回するための経路を探索する。つまり、経路探索部114は、出発/目的地点情報取得処理部111により取得された出発地点から、停止位置決定部113により決定された停止位置を経由した後に、出発/目的地点情報取得処理部111により取得された目的地点に到着する経路を探索する。経路検索部114において用いられる経路探索技術は、出発地点から出発し、一以上の停止位置を経由した後に、目的地点に到着する経路を探索することができる技術であればどのようなものであっても良い。
【0025】
出力処理部115は、経路決定部114により決定された経路に関する情報を出力する。出発/目的地点情報取得処理部111は、経路に関する情報を、出力部150により出力するようにしても良いし、通信部140による他の装置(例えば、移動体)との通信を用いて他の装置に設置された出力装置より経路を出力するようにしても良い。
【0026】
互いに距離が近い複数の立寄先や、同一の区画内の集合住宅に存在する複数の立寄先などのように、移動体で巡回するよりも、歩いて巡回した方が効率的な立寄先がある。
【0027】
そこで、本実施例において、停止位置決定部113は、
図3に示すように、抽出部1131と、第1の決定部1132と、第2の決定部1133と、を有する。
【0028】
抽出部1131は、複数の立寄先のうちから所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する。
【0029】
第1の決定部1132は、抽出部1131により抽出されたグループに対し、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として、1つの位置を決定する。
【0030】
第2の決定部1133は、抽出部1131により抽出されたグループに含まれない立寄先の各々に対し、当該立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置を決定する。このとき、第2の決定部1133は、例えば、抽出部1131により抽出されたグループに含まれない立寄先の各々に対して、別個の停止位置を決定する。
【0031】
上述のように、本実施例では、所定の条件を満たすグループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として、1つの位置が決定される。つまり、所定の条件を満たすグループごとに1つの停止位置が決定される。このため、本実施例では、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的となる条件を上記の所定の条件が含むようにすることで、移動体で巡回するよりも歩いて巡回した方が効率的であるグループに対しては、1つの停止位置のみが設定されることになる。よって、本実施例では、効率的に巡回するための移動体の停止位置を設定することが可能である。結果、本実施例では、効率的な巡回経路を探索することが可能である。
【0032】
例えば、互いに距離が近い複数の立寄先は、移動体で巡回するよりも、歩いて巡回した方が効率的な場合がある。また、互いに距離が離れた立寄先であっても、同一の区画内に存在する複数の立寄先は、移動体で巡回するよりも、歩いて巡回した方が効率的な場合がある。例えば、配送の場合、互いに距離が近い複数の配送先や同一の区画内に存在する複数の配送先に対しては、配送車で回るよりも、配送車を停車し、配送車より小回りが利く台車や小型無人配送ロボット等で荷物を運んだ方が効率である。
【0033】
そこで、上記の所定の条件は、「グループに含まれる立寄先が互いに第1の距離以下であること」を含む第1の条件、および「グループに含まれる立寄先が同一区画内に存在すること」を含む第2の条件の少なくともいずれか一方の条件を満たすことを含むようにすると良い。特に、同一の区画内の集合住宅に存在する複数の立寄先は、移動体で巡回するよりも、歩いて巡回した方が効率的な可能性が高い。そこで、上記の第2の条件は、「グループに含まれる立寄先が同一区画内の集合住宅に存在すること」をさらに含むようにしても良い。
【0034】
また、同一集合住宅に存在する複数の立寄先は、移動体で巡回するよりも、歩いて巡回した方が効率的である。そこで、上記の所定の条件は、上記の第1の条件、上記の第2の条件、および「グループに含まれる立寄先が同一集合住宅に存在すること」を含む第3の条件の少なくとも1つの条件を満たすことを含むようにしても良い。
【0035】
例えば、互いに距離が近い2つの立寄先であっても、
図3に示すように、2つの立寄先T1、T2が異なる道路沿いにある場合がある。このような場合、2つの立寄先T1、T2の間を移動する経路の距離が長いならば、2つの立寄先T1、T2を移動体で回った方が、歩いて回るより効率的である。そこで、例えば、第1の条件は、「グループに含まれる立寄先を巡回する経路が第2の距離以下である」ことを含むようにすると良い。ここで、第2の距離は、適宜設定されるようにすると良い。
【0036】
また、互いに距離が近い2つの立寄先であり、2つの立寄先が同じ道路沿いにあっても、
図5に示すように、2つ立寄先T3、T4が、道路を挟んでいる場合がある。このような場合、道路の車線が多く(つまり、道路の幅が大きく)、道路の交通量が多いならば、道路の横断が困難であり、2つの立寄先T3、T4を移動体で回った方が、歩いて回るより効率的である。そこで、第1の条件は、「グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先が含まれるならば、当該道路の幅が所定の長さ以下である」を含むようにしても良い。ここで、所定の長さは、適宜設定されるようにすると良い。
【0037】
図6は、情報処理装置100において実行される処理動作の一例を示す図である。出発/目的地点情報取得処理部111が、出発地点、目的地点に関する情報を取得し、立寄先情報取得処理部112が、立寄先に関する情報を取得する(ステップS601)。停止位置決定部113は、移動体を用いて複数の立寄先を巡回する際の移動体の停止位置を決定する。(ステップS602)。経路探索部114は、停止位置決定部113により決定された停止位置を巡回するための経路を探索する。(ステップS603)。
【0038】
図7は、
図6のステップS602において停止位置決定部113により実行される処理動作の一例を示す図である。抽出部1131が、複数の立寄先のうちから所定の条件を満たす立寄先のグループを抽出する(ステップS701)。第1の決定部1132が、抽出部1131により抽出されたグループに対し、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として、1つの位置を決定し、第2の決定部1133が、抽出部1131により抽出されたグループに含まれない立寄先の各々に対し、当該立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置を決定する(ステップS702)。
【0039】
図8は、
図7のステップS701において抽出部1131により実行される処理動作の一例を示す図である。抽出部1131が、第2の条件を満たすグループを抽出する(ステップS801)。抽出部1131が、第2の条件を満たすグループに含まれない立寄先のうちから第1の条件を満たす立寄先のグループを抽出する(ステップS802)。
【0040】
図9は、
図8のステップS802において抽出部113において実行される処理動作の一例を示す図である。抽出部1131が、第2の条件を満たすグループに含まれない立寄先のうちから互いに直線距離で第1の距離以内である立寄先のグループを抽出する(ステップS801)。抽出部1131は、当該抽出されたグループのうちから、「グループに含まれる立寄先を巡回する経路が第2の距離以下である」との条件(条件1)、および「グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先が含まれるならば、当該道路の幅が所定の長さ以下である」との条件(条件2)の両方を満たすグループを抽出する(ステップS902)。
【0041】
図10は、
図9のステップS902において抽出部1131により実行される処理動作の一例を示す図である。
図10に示した処理動作は、
図9のステップS901において抽出部1131により抽出されたグループの各々に対して実行される。
【0042】
グループに含まれる立寄先を巡回する経路が第2の距離以下でないならば(ステップS1001、NO)、処理を終了する。グループに含まれる立寄先を巡回する経路が第2の距離以下であるならば(ステップS1001、YES)、グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先が含まれるのか否かを確認する(ステップS1002)。
【0043】
グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先を含まないならば(ステップS1002、NO)、当該グループが第1の条件を満たしていると判断し、第1の条件を満たしたグループとして当該グループを抽出する(ステップS1003)。グループに含まれる立寄先に道路を挟んで存在する2つ以上の立寄先が含まれるならば(ステップS1002、YES)、当該道路の幅が所定の長さ以下であるのか否かを確認する(ステップS1004)。
【0044】
当該道路の幅が所定の長さ以下でないならば(ステップS1004、NO)、処理を終了する。当該道路の幅が所定の長さ以下であるならば(ステップS1004、YES)、当該グループが第1の条件を満たしていると判断し、第1の条件を満たしたグループとして当該グループを抽出する(ステップS1003)。
【0045】
<第1の決定部1132>
第1の決定部1132は、抽出部1131により抽出されたグループの各々に対し、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として、1つの位置を決定する。このとき、1つの停止位置を決定する方法として、様々な方法が考えらえる。第1の決定部1132は、グループに含まれる立寄先のいずれかの位置を当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として決定するようにしても良いし、グループに含まれる立寄先のいずれの位置とも異なる位置を当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として決定するようにしても良い。
【0046】
例えば、
図11に示すように、グループに含まる複数の立寄先の間に交差点が存在することがある。このような場合、この交差点を、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための移動体の停止位置として決定するようにすると良い。つまり、第1の決定部1132は、抽出部1131により抽出されたグループの各々に対し、当該グループに含まれる立寄先の間にノードが存在するならば、当該ノードを、当該グループに含まれる立寄先に立ち寄るための停止位置として決定するようにすると良い。
図11に示した例において、2つの立寄先T5、T6の間に、交差点(ノード)が存在する。
【0047】
<抽出部1131>
複数の立寄先のうちから互いに第1の距離以内である立寄先のグループを抽出する際に抽出部1131において用いられる方法は、複数の立寄先のうちから互いに第1の距離以内である立寄先のグループを抽出することができる方法であれば、どのような方法であっても良い。
【0048】
例えば、2地点間の距離によるクラスタリングで立寄先のクラスタを抽出し、この抽出されたクラスタを分割することで、互いに直線距離で第1の距離以内である立寄先のグループを抽出するようにすると良い。このとき、2地点間の距離として、2地点間の直線距離を用いても良いし、2地点間をUターンしないように結んだ経路の距離を用いるようにしても良い。例えば、2地点間の距離として、2地点間をUターンしないように結んだ経路の距離を用いた場合、
図12に示すように、道路の同じ側の複数の立寄先T7、T8、T9、T10がクラスタリングされる。このとき、この立寄先のクラスタCの両端の立寄先T7、T10の間の距離D1が第1の距離以上になってしまうことがある。このようなとき、
図12に示すように、互いに直線距離で第1の距離以内になるようにクラスタを分割することにより、互いに直線距離で第1の距離以内である立寄先のグループG1、G2が抽出される。
図12に示した例において、立寄先T7、T8の間の距離D2が第1の距離以内であり、立寄先T9、T10の間の距離D3が第1の距離以内であり、立寄先T7、T8のグループG1と、立寄先T9、T10のグループG2と、が抽出される。
【0049】
2地点間の距離によるクラスタリングで立寄先のクラスタを抽出する際に2地点間の距離として2地点間をUターンしないように移動する際の経路の距離を用いた場合、
図13に示すようなマトリクスを用いると良い。
図13に示したマトリクスは、
図14に示した立寄先Ta、Tb、Tc、Td、Te、Tfのうちの2地点間をUターンしないように移動する際の経路の距離を示している。
図13に示したマトリクスにおいて、Dabは、立寄先Taから立寄先TbにUターンしないように移動する際の経路の距離であり、Dbaは、立寄先Tbから立寄先TaにUターンしないように移動する際の経路の距離であり、・・・、Defは、立寄先Teから立寄先TfにUターンしないように移動する際の経路の距離であり、Dfeは、立寄先Tfから立寄先TeにUターンしないように移動する際の経路の距離である。
図13、14に示した例において、Uターンしないように移動する際の経路の距離が所定の距離以下である立寄先がクラスタとなるようにクラスタリングを行うと、立寄先Ta、Tb、Td、Te、Tfがクラスタとなる。
図13に示したマトリクスにおいて、Daf、Dfe、Deb、Dbdは、所定の距離以下であり、Daf、Dfe、Deb、Dbd以外は、所定の距離より大きい。
【0050】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。