(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013986
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】車種決定システム、中央処理装置、及び車種決定方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/017 20060101AFI20250121BHJP
【FI】
G08G1/017
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024188527
(22)【出願日】2024-10-25
(62)【分割の表示】P 2021000234の分割
【原出願日】2021-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和幸
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適切な車種を決定することを実現する車種決定システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る車種決定システムは、複数の料金所と、前記複数の料金所と通信する中央処理装置と、を備える。前記複数の料金所のうちの少なくとも1つの料金所は、車載器固有情報、車軸情報、及びインターチェンジ番号を前記中央処理装置に送信する車線サーバを備え、前記中央処理装置は、車軸情報及び車載固有情報に基づいて前記車両の車種を推定する車種推定部と、前記インターチェンジ番号から識別される前記少なくとも1つの料金所のアンテナ数、前記車載器固有情報、及び前記車軸情報に基づいて前記車両の車種を決定するために前記少なくとも1つの料金所それぞれのスコアを決定するスコア決定部と、前記スコア決定部が決定した前記スコアのうち最も高い値を有する料金所で推定した車種に基づいて前記車両の車種を決定する車種決定部と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインターチェンジの各々に設置され、通過する車両と通信する複数の料金所と、前記複数の料金所と通信する中央処理装置と、を備える車種決定システムであって、
前記複数の料金所のうちの少なくとも1つの料金所は、
通過する車両の車載器から前記車両の車種コード及び前記車両が牽引車を牽引できるかどうかを示す牽引情報を含む車載器固有情報を受信するアンテナと、及び前記車両の車軸数の情報を含む車軸情報を生成する車軸センサとを備える車線機器と、
前記車線機器から受信した前記車載器固有情報、前記車軸情報と、前記少なくとも1つの料金所それぞれを一意に識別するインターチェンジ番号とを前記中央処理装置に送信する車線サーバと、
を備え、
前記中央処理装置は、
前記少なくとも1つの料金所毎に通過する車両の車種を、前記車線サーバから受信した前記車両の車軸数及び前記車種コードに基づいて推定する車種推定部と、
前記少なくとも1つの料金所それぞれのスコアを、前記インターチェンジ番号から識別される前記少なくとも1つの料金所のアンテナ数と、前記車載器固有情報、及び前記車軸情報に基づいて決定するスコア決定部と、
前記車両の車種を、前記車両が通過した料金所の中で、前記スコア決定部が決定した前記スコアのうち最も高い値を有する料金所で推定した車種に基づいて決定する車種決定部と、
を備え、
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造でない料金所と判定した場合に、前記料金所の前記スコアを最低値のスコアに決定し、
前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定された場合で、前記牽引情報から前記車両が牽引できないと判定され、前記車両の前記車軸数についての情報と前記推定した車種の車軸数とが一致していないと判定された場合は、前記最低値より高い第1の値のスコアに決定する、
車種決定システム。
【請求項2】
前記複数の料金所のうちの第1の料金所は、
前記車載器固有情報を受信する第1のアンテナを備える第1の車線機器と、
前記第1の車線機器から前記通過車両の前記車載器固有情報を受信し、前記車載器固有情報及び前記第1の料金所を一意に識別する第1のインターチェンジ番号を前記中央処理装置に送信する第1の車線サーバと、
を備え、
前記車種推定部は、前記第1の料金所での車種を、前記車線サーバから受信した車載器固有情報に含まれる前記車種コードに基づいて推定し、
前記スコア決定部は、前記第1の料金所の前記スコアを、前記第1の料金所が前記第1のインターチェンジ番号から1アンテナ構造の料金所であると判定すると、前記最低値のスコアに決定する、
請求項1に記載の車種決定システム。
【請求項3】
前記車軸情報は、前記車軸数を検知する際に検知異常が発生したかどうかを示す検知情報を含み、
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記少なくとも1つの料金所が前記インターチェンジ番号から2アンテナ構造の料金所であると判定し、前記車両が前記牽引情報から牽引できると判定し、前記検知情報から前記検知異常が発生していると判定した場合に、前記第1の値より高い第2の値に決定する、
請求項1に記載の車種決定システム。
【請求項4】
前記車線機器は、前記車両からナンバープレートを読取り、ナンバープレート読取情報を生成するナンバープレート読取カメラをさらに備え、
前記車載器固有情報は、前記車両のナンバープレートについての情報をさらに備え、
前記車線サーバは、前記ナンバープレート読取情報を前記中央処理装置へ送信し、
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記少なくとも1つの料金所が前記インターチェンジ番号から2アンテナ構造の料金所であると判定し、前記車両が前記牽引情報から牽引できると判定し、前記検知情報から前記検知異常が発生していないと判定し、前記ナンバープレートについての情報と前記ナンバープレート読取情報とが一致しないと判定した場合に、前記第2の値より高い第3の値に決定する、
請求項3に記載の車種決定システム。
【請求項5】
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記少なくとも1つの料金所が前記インターチェンジ番号から2アンテナ構造の料金所であると判定し、前記車両が前記牽引情報から牽引できると判定し、前記検知情報から検知異常が発生していないと判定し、前記ナンバープレートについての情報と前記ナンバープレート読取情報との情報が一致すると判定した場合に、最高値に決定する、
請求項4に記載の車種決定システム。
【請求項6】
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造の料金所であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できないと判定し、前記車軸数についての情報と前記車種コードに基づいて決定した車軸数とが一致していると判定し、前記検知情報から検知異常が発生していないと判定し、前記ナンバープレートについての情報と前記ナンバープレート読取情報とが一致すると判定した場合に、最高値に決定する、
請求項4に記載の車種決定システム。
【請求項7】
前記車種推定部は、前記スコア決定部が前記少なくとも1つの料金所の前記スコアが前記最高値であると決定すると、前記スコアが最高値であるとの決定後に受信した車軸数及び前記車種コードに基づく車種の推定を省略する、
請求項5又は6に記載の車種決定システム。
【請求項8】
前記中央処理装置は、
前記スコア決定部が前記検知情報から検知異常が発生していると判定した料金所のスコアが最も高い値を有する料金所である場合に、前記スコア決定部が判定した結果、インターチェンジ番号、車載器固有情報、及び車軸情報を疑義問合せ明細として記憶する記憶部をさらに備える、
請求項3に記載の車種決定システム。
【請求項9】
車両が通過する複数のインターチェンジの各々に設置された複数の料金所と通信する中央処理装置であって、
前記複数の料金所の少なくとも1つの料金所の車線サーバから、前記車両の車種コード及び前記車両が牽引車を牽引できるかどうかを示す牽引情報を含む車載器固有情報、及び前記車両の車軸数についての情報を含む車軸情報、及び前記少なくとも1つの料金所それぞれを一意に識別するインターチェンジ番号を受信する中央通信部と、
前記少なくとも1つの料金所毎に前記車両の車種を、前記車両の車軸数及び前記車種コードに基づいて推定する車種推定部と、
前記少なくとも1つの料金所それぞれのスコアを、前記インターチェンジ番号から識別される前記少なくとも1つの料金所のアンテナ数、前記車載器固有情報、及び前記車軸情報に基づいて決定するスコア決定部と、
前記車両の車種を、前記車両が通過した料金所の中で、前記スコア決定部が決定した前記スコアのうち最も高い値を有する料金所で推定した車種に基づいて決定する車種決定部と、
を備え、
前記スコア決定部は、
前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造でない料金所と判定した場合に、前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを最低値に決定し、
前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造の料金所であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できないと判定し、前記車両の前記車軸数についての情報と前記推定した車種の車軸数とが一致していないと判定した場合は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを前記最低値より高い第1の値に決定する、
中央処理装置。
【請求項10】
前記中央通信部は、前記複数の料金所のうちの第1の料金所の第1の車線サーバを介して、前記車載器固有情報、及び前記第1の料金所を一意に識別する第1のインターチェンジ番号を受信し、
前記車種推定部は、前記第1の料金所での車種を、前記第1の車線サーバから車載器固有情報に含まれる車種コードに基づいて推定し、
前記スコア決定部は、前記第1の料金所の前記スコアを、前記第1のインターチェンジ番号から前記第1の料金所が1アンテナ構造の料金所であると判定した場合に、最低値に決定する、
請求項9に記載の中央処理装置。
【請求項11】
前記車軸情報は、前記車軸数を検知する際に検知異常が発生したかどうかを示す検知情報を含み、
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記スコア決定部が前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できると判定し、前記検知情報から前記検知異常が発生していると判定した場合に、前記第1の値より高い第2の値に決定する、
請求項10に記載の中央処理装置。
【請求項12】
前記中央通信部は、前記車線サーバから、前記車両から読取ったナンバープレートについての情報を含むナンバープレート読取情報を受信することをさらに備え、
前記車載器固有情報は、前記車両のナンバープレートについての情報をさらに備え、
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できると判定し、前記検知情報から前記検知異常が発生していないと判定し、前記ナンバープレートについての情報と前記ナンバープレート読取情報とが一致しないと判定した場合に、前記第2の値より高い第3の値に決定する、
請求項11に記載の中央処理装置。
【請求項13】
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記スコア決定部が前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できると判定し、前記検知情報から検知異常が発生していないと判定し、前記ナンバープレートについての情報と前記ナンバープレート読取情報との情報が一致すると判定した場合に、最高値に決定する、
請求項12に記載の中央処理装置。
【請求項14】
前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを、前記スコア決定部が前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できないと判定し、前記車軸数についての情報と前記車種コードに基づいて決定した車軸数とが一致していると判定し、前記検知情報から検知異常が発生していないと判定し、前記ナンバープレートについての情報と前記ナンバープレート読取情報とが一致すると判定した場合に、最高値に決定する、
請求項12に記載の中央処理装置。
【請求項15】
前記車種推定部は、前記スコア決定部が前記少なくとも1つの料金所の前記スコアが前記最高値に決定すると、前記スコアが最高値であるとの決定後に受信した車軸数及び前記車種コードに基づく車種の推定を省略する、
請求項13又は14に記載の中央処理装置。
【請求項16】
前記中央処理装置は、
スコア決定部が前記検知情報から検知異常が発生していると判定した料金所のスコアが最も高い値を有する料金所である場合、前記スコア決定部が判定した結果、インターチェンジ番号、車載器固有情報、及び車軸情報を疑義問合せ明細として記憶する記憶部をさらに備える、
請求項11に記載の中央処理装置。
【請求項17】
車両が通過する複数のインターチェンジの各々に設置された複数の料金所と通信する中央処理装置による車種決定方法であって、
前記中央処理装置は、前記複数の料金所の少なくとも1つの料金所の車線サーバより、前記車両から送信された前記車両の車種コード及び前記車両が牽引車を牽引できるかどうかを示す牽引情報を含む車載器固有情報、及び前記車両の車軸数についての情報を含む車軸情報及び前記少なくとも1つの料金所それぞれを一意に識別するインターチェンジ番号を受信し、
車種推定部で、前記少なくとも1つの料金所毎に前記車両の車種を、前記車両の車軸数及び前記車種コードに基づいて推定し、
前記スコア決定部で、前記少なくとも1つの料金所それぞれのスコアを、前記インターチェンジ番号から識別される前記少なくとも1つの料金所のアンテナ数、前記車載器固有情報、及び前記車軸情報に基づいて決定する時に、
前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造でないと判定した場合に、最低値であると決定し、
前記インターチェンジ番号から前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定し、前記牽引情報から前記車両が牽引できないと判定し、前記車両の前記車軸数についての情報と前記推定した車種の車軸数とが一致していないと判定した場合に、前記最低値より高い第1の値であると決定し、
車種決定部で、前記車両の車種を、前記車両が通過した料金所の中で、前記決定したスコアのうち最も高い値を有する料金所で推定した車種に基づいて決定することと、
を備える、車種決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車種決定システム、中央処理装置、及び車種決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路で広く普及しているETC(Electronic Toll Collection)(登録商標)システムでは、各インターチェンジ(IC)に設置された料金所の車線を通行する車両の車載器と料金所が備える車線機器とが無線通信することにより、料金所で車両を停止させずにノンストップでの料金収受を実現している。
【0003】
均一料金制の道路では、ETCシステムは、均一料金制の有料道路への進入又は均一道路からの退出時に車種に応じた料金徴収を実施する。一方対距離料金制の道路では、ETCシステムは、対距離料金制の道路への進入時に記録されたIC番号と退出時のIC番号を元に、対距離料金制の道路の退出時に料金徴収を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
料金所が備える車線サーバは、車線サーバを管理する中央処理装置により配信され、その内部に蓄積した車種及び入口のIC番号の行列である、料金テーブルを検索して通行料金を決定していた。この方法は、料金徴収方法、金額を弾力的に変更しようとした場合、テーブル配信回数、間隔の制限、車線サーバのソフトの種類の変更が容易ではなく、即時性に欠ける。そこで、車線サーバで通行料金を決定せず、車線サーバと通信し、車線サーバの上位装置である中央処理装置が通行料金を決定する方法を採用する。この場合、中央処理装置は、車両の車種を決定する必要がある。しかしながら、車線サーバからの情報に基づいて決定される車両の車種は、料金所の構成に起因してまちまちになる可能性が有り、中央処理装置は、適切に車種を決定する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、料金所毎に決定されたスコアのうち最高値を有する料金所から受信した情報に基づいて車種を決定する車種決定システム、中央処理装置、及び車種決定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る車種決定システムは、複数のインターチェンジの各々に設置され、通過する車両と通信する複数の料金所と、前記複数の料金所と通信する中央処理装置と、を備え、前記複数の料金所のうちの少なくとも1つの料金所は、通過する車両の車載器から前記車両の車種コード及び前記車両が牽引車を牽引できるかどうかを示す牽引情報を含む車載器固有情報を受信するアンテナと、及び前記車両の車軸数の情報を含む車軸情報を生成する車軸センサとを備える車線機器と、前記車線機器から受信した前記車載器固有情報、前記車軸情報と、前記少なくとも1つの料金所それぞれを一意に識別するインターチェンジ番号とを前記中央処理装置に送信する車線サーバと、を備え、前記中央処理装置は、前記少なくとも1つの料金所毎に通過する車両の車種を、前記車線サーバから受信した前記車両の車軸数及び前記車種コードに基づいて推定する車種推定部と、前記少なくとも1つの料金所それぞれのスコアを、前記インターチェンジ番号から識別される前記少なくとも1つの料金所のアンテナ数と、前記車載器固有情報、及び前記車軸情報に基づいて決定するスコア決定部と、前記車両の車種を、前記車両が通過した料金所の中で、前記スコア決定部が決定した前記スコアのうち最も高い値を有する料金所で推定した車種に基づいて決定する車種決定部と、を備え、前記スコア決定部は、前記少なくとも1つの料金所の前記スコアを前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造でない料金所と判定した場合に、前記料金所の前記スコアを最低値のスコアに決定し、前記少なくとも1つの料金所が2アンテナ構造であると判定された場合で、前記牽引情報から前記車両が牽引できないと判定され、前記車両の前記車軸数についての情報と前記推定した車種の車軸数とが一致していないと判定された場合は、前記最低値より高い第1の値のスコアに決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るETC料金収受システムの概略構成の一例を示す図である
【
図2】
図2は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する中央処理装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する2アンテナ対距離料金制料金所の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する2アンテナ均一料金制料金所の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する1アンテナ料金所の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成するFF料金所の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る車両が通る3つのルートの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示されたICの各料金所がどのような料金所であるかの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7で示す第1のルートで車両が進む場合の車両、IC、中央処理装置における情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、
図9で示したIC7を車両が通過することにより中央処理装置の記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、中央処理装置のスコア決定部であるプロセッサがスコアを決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図7で示す第2のルートで車両が進む場合の車両、IC、中央処理装置における情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、
図12のステップST1203、ST1208、及びST1213の処理によって中央処理装置の記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図7で示す第3のルートで車両が進む場合の車両、IC、中央処理装置における情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
【
図15】
図15は、
図14のステップST1403、ST1408、及びST1413の処理によって中央処理装置の記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る車種決定システム、中央処理装置、車種決定方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0010】
(構成)
図1は、本実施形態に係るETC料金収受システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、ETC料金収受システムは、中央処理装置1、2アンテナ対距離料金制料金所2、2アンテナ均一料金制料金所3、1アンテナ料金所4、及びFF料金所5を備える。ここで、以下での説明において、2アンテナ対距離料金制料金所2、2アンテナ均一料金制料金所3、1アンテナ料金所4、及びFF料金所5を区別する必要がない時は、単に料金所と記載する。各料金所は、各料金所を通過する車両6と各種情報を交換する。
【0011】
中央処理装置1は、有線又は無線ネットワークを介して、2アンテナ対距離料金制料金所2、2アンテナ均一料金制料金所3、1アンテナ料金所4、及びFF料金所5に接続され、各料金所との間それぞれと各種情報を交換する。
【0012】
2アンテナ対距離料金制料金所2は、2つのアンテナで構成された料金所であり、車種及び距離に応じて通行料金が変動する有料道路のインターチェンジ(IC)に設置された料金所である。
【0013】
2アンテナ均一料金制料金所3は、2つのアンテナで構成された料金所であり、車種毎に決められた均一の通行料金で走行することができる有料道路のICに設置された料金所である。
【0014】
1アンテナ料金所4及びFF料金所5は、1つのアンテナで構成され、対距離料金制又は均一料金制のいずれかのICに設置された料金所である。なお、FF料金所5は、車両6の通行の可否を制御するための発進制御器が存在しない。また、各料金所は、有料道路の入口及び出口に設置されるだけでなく、対距離料金制の有料道路と均一料金制の有料道路の切り替えポイントのICにも設置される。
【0015】
ETC料金収受システムを利用する車両6は、車載器61を備え、車載器61にETCカード62が挿入される。車載器61は、車載器固有情報を記憶する。ETCカード62は、ETCカードのカード情報を記憶する。車載器61は、料金所の通行時に料金所との無線通信することにより、料金所と各種情報を交換する。また、車載器61は、料金所から受信した各種情報を音声などで車両6の運転者に通知しても良い。
【0016】
図2は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する中央処理装置1の一例を示すブロック図である。
中央処理装置1は、汎用のコンピュータ等により構成することができ、プロセッサ101、記憶部102、インタフェース103、表示部104、及び操作部105を備える。プロセッサ101は、記憶部102が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ101は、記憶部102が記憶するプログラムを実行することにより車種推定部、スコア決定部、車種決定部、及び通行料金決定部として機能する。記憶部102は、プロセッサが実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部102は、料金テーブルを記憶する。対距離料金制の場合、料金テーブルは、入口料金所を示すIC番号と出口料金所を示すIC番号で定まる通行区間毎の車種別の通行料金の表す料金テーブルである。一方、均一料金制の場合、料金テーブルは、車種ごとの通行料金を表す料金テーブルである。また、記憶部102は、車両6が料金所を通過する際に交換した各種情報を料金所から受け取り記憶することができる。
【0017】
インタフェース103は、各料金所に接続するための通信インタフェースである。例えば、インタフェース103は、出口の料金所に対して通行料金を送信する中央通信部として機能する。表示部104は、プロセッサ101からの表示制御に応じた表示内容を表示し、料金収受処理に関する情報を表示する。操作部105は、キーボードなどで構成され、オペレータから入力される情報を受け付けその情報をプロセッサ101へ供給する。
【0018】
図3は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する2アンテナ対距離料金制料金所2の一例を示すブロック図である。
2アンテナ対距離料金制料金所2は、車線サーバ21及び車線機器22を備える。車線サーバ21は、汎用のコンピュータ等により構成することができ、プロセッサ211、記憶部212、インタフェース213、表示部214、及び操作部215を備える。プロセッサ211は、記憶部212が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ211は、記憶部212が記憶するプログラムを実行することにより車線機器22の制御部として機能する。記憶部212は、プロセッサ211が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。
【0019】
インタフェース213は、車線機器22から各種情報を受信するための通信インタフェースである。さらに、インタフェース213は、中央処理装置1に接続するための通信インタフェースであり、中央処理装置1に対して車線機器22から受信した各種情報を送信する。
【0020】
表示部214は、プロセッサ211からの表示制御に応じた表示内容を表示する。
操作部215は、キーボードなどで構成され、オペレータから入力される情報を受け付けその情報をプロセッサ211へ供給する。
【0021】
車線機器22は、インタフェース集約部221、車両検知器222、路側表示器223、発進制御器224、車軸センサ225、ナンバープレート読取カメラ226、第1のアンテナ227、及び第2のアンテナ228を備える。
【0022】
車両検知器222は、2アンテナ対距離料金制料金所2に進入する車両6を検知する。例えば、車両検知器222は、レーザ光を照射し、車両6等の物体で反射されるレーザ光の反射光を検知し、レーザ光の照射から反射光の検知までの時間に基づき物体までの距離値を計測し、距離値の計測結果に基づき車両6の有無を判定する。車両検知器222は、車両6の有りの判定に対応する車両検知信号ON、又は車両6の無しの判定に対応する車両検知信号OFFをインタフェース集約部221へ出力する。
【0023】
インタフェース集約部221は、車両検知器222の各部からの情報を集約して車線サーバ21へ出力する。また、インタフェース集約部221は、車線サーバ21から受信した情報を各部へ出力する。例えば、インタフェース集約部221は、車両検知信号ON又はOFFを車線サーバ21へ出力する。車線サーバ21は、車両検知器222からの車両検知信号ON又はOFFに基づき、車両6の位置(動き)を検出し、車線機器22の動作を制御する。また、インタフェース集約部221は、車軸センサ225、第1のアンテナ227、及びナンバープレート読取カメラ226から送信された各種情報を車線サーバ21へ送信する通信部として機能する。
【0024】
路側表示器223は、インタフェース集約部221から受信した発進制御情報(通行許可又は一時停止)に基づいて車両6の運転者に対して通行許可又は一時停止等の情報を表示する。なお、路側表示器223は、インタフェース集約部221から通行料金を含む出口料金所識別情報を受信しても良く、この場合、路側表示器223は、通行料金を表示しても良い。なお、発進制御情報が車両6の車載器61に送信され、当該情報が音声として車両6の運転者に通知される等の方法が採用される場合、2アンテナ対距離料金制料金所2は、路側制御器223を備えなくとも良い。
【0025】
発進制御器224は、インタフェース集約部221からの発進制御情報に基づき発進制御バーの開閉を制御する。発進制御バーは、閉鎖した状態において車両6の通過(料金所からの進出又は退出)を物理的に阻止し、開放した状態において車両6の通過を許可する。発進制御器224は、発進制御情報が通行許可を示す場合、発進制御バーによる通行阻止の状態から発進制御バーを上げて通行を許可し、発進制御情報が一時停止を示す場合、発進制御バーによる通行阻止の状態を維持して通行を阻止する。
【0026】
車軸センサ225は、例えば、車両6が2アンテナ対距離料金制料金所2を通過する車線上に順に配置された4つの踏み板マット状の接触型センサである。車軸センサ225は、車両6が当該センサを順に踏むことで車両6の車軸数を検知することが可能である。
【0027】
また、車軸センサ225において車軸を検知する際、例えば、1つ目のセンサを踏んだ後、車両6のタイヤが跳ねて2つ目のセンサを踏まず、3つ目のセンサを踏むような「センサ飛び」と呼ばれる検知異常が発生する場合がある。さらに、車両6が車軸センサ225の各センサの設置方向に向かって進入せず、斜めから侵入した結果、1つ目のセンサを最初に踏まず、2番目のセンサを先に踏んでしまう「センサ順序違い」と呼ばれる検知異常も発生する。そのため、車軸センサ225は、これらの検知異常も検知する。そして、車軸センサ225は、検知した車軸数についての情報及びこれらの検知異常が発生したかどうかを示す検知情報を含む車軸情報を生成し、当該車軸情報をインタフェース集約部221に送信する。ここで、車両6が牽引車両を有する場合、車両6の車軸数は変化する。車軸数が変化すると車軸数に応じて車種が変更されるため、車軸数についての情報を受信した中央処理装置1のプロセッサ101は、受信した車軸数を参照して車種を推定することになる。なお、車軸センサ225は、接触型センサに限られず、レーザセンサ等の非接触型センサにより、車両6の車軸数を計測しても良いのは勿論である。
【0028】
ナンバープレート読取カメラ226は、料金所を通過する車両6に設置されたナンバープレートを読取り、読取ったナンバープレートについての情報を含むナンバープレート読取情報をインタフェース集約部221に送信する。
【0029】
第1のアンテナ227及び第2のアンテナ228は、車両6の車載器61と通信し、車載器61から送信される車両識別情報等の各種情報を受信し、車載器61に対して各種情報を送信する。また、第2のアンテナは、例えば、第1のアンテナのリカバリー用のアンテナとして機能する。第1のアンテナ227は、インタフェース集約部221から各種情報を受信し、当該各種情報を車載器61に送信する。なお、第1のアンテナ227及び第2のアンテナ228は、定期的にビーコンなどの信号を送信し、車載器61から信号に対する応答を受信することで車両6を検知することも可能である。この場合、2アンテナ対距離料金制料金所2は、車両検知器222を備えなくとも良い。
【0030】
図4は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する2アンテナ均一料金制料金所3の一例を示すブロック図である。2アンテナ均一料金制料金所3は、車線サーバ31及び車線機器32を備える。
【0031】
車線サーバ31は、プロセッサ311、記憶部312、表示部314、インタフェース313、及び操作部315を備える。プロセッサ311、記憶部312、表示部314、インタフェース313、及び操作部315はそれぞれ、
図3を参照して上で説明したプロセッサ211、記憶部212、インタフェース213、表示部214、及び操作部215と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0032】
車線機器32は、インタフェース集約部321、車両検知器322、路側表示器323、発進制御器224、車軸センサ325、第1のアンテナ326、及び第2のアンテナ327を備える。
図3に示される車線機器22と
図4に示される車線機器32とを比較すると、車線機器32がナンバープレート読取カメラ226を備えていない以外同一である。そして、2アンテナ均一料金制料金所3のインタフェース集約部321、車両検知器322、路側表示器323、発進制御器324、車軸センサ325、第1のアンテナ326、及び第2のアンテナ327はそれぞれ、
図3を参照して説明したインタフェース集約部221、車両検知器222、路側表示器223、発進制御器224、車軸センサ225、第1のアンテナ227、及び第2のアンテナ228と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。すなわち、2アンテナ均一料金制料金所3の車線機器32は、車両6が2アンテナ均一料金制料金所3に進入した際、車両6のナンバープレートを読取らないため、車線機器32は、ナンバープレート読取情報を車線サーバ31に送信しない。
【0033】
図5は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成する1アンテナ料金所4の一例を示すブロック図である。なお、1アンテナ料金所4は、対距離料金制又は均一料金制のいずれでも同じ構成である。
【0034】
車線サーバ41は、プロセッサ411、記憶部412、表示部414、インタフェース413、及び操作部415を備える。プロセッサ411、記憶部412、表示部414、インタフェース413、及び操作部415はそれぞれ、
図3を参照して上で説明したプロセッサ211、記憶部212、インタフェース213、表示部214、及び操作部215と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0035】
車線機器42は、インタフェース集約部421、車両検知器422、路側表示器423、発進制御器424、及びアンテナ425を備える。
図3に示される車線機器22と
図5に示される車線機器42とを比較すると、車線機器42が車軸センサ225、ナンバープレート読取カメラ226、及び第2のアンテナ228を備えていない以外同一である。そして、1アンテナ料金所4のインタフェース集約部421、車両検知器422、路側表示器423、発進制御器424、及びアンテナ425はそれぞれ、
図3を参照して説明したインタフェース集約部221、車両検知器222、路側表示器223、発進制御器224、及び第1のアンテナ227と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。すなわち、1アンテナ料金所4の車線機器42は、車両6が1アンテナ料金所に進入しても、車両6の車軸数を検知せず、車両6のナンバープレートを読取らない。
そのため、1アンテナ料金所の車線機器42は、車軸情報及びナンバープレート読取情報を車線サーバ41に送信しない。さらに、1アンテナ料金所4は、第2のアンテナ228を備えていないため、アンテナ425のリカバリーを行わない。なお、アンテナ425は、定期的にビーコンなどの信号を送信し、車載器61から信号に対する応答を受信することで車両6を検知することも可能である。この場合、1アンテナ料金所4は、車両検知器422を備えなくとも良い。
さらに、発進制御情報が車両6の車載器61に送信され、当該情報が音声として車両6の運転者に通知される等の方法が採用される場合、1アンテナ料金所4は、路側制御器423を備えなくとも良い。
【0036】
図6は、本実施形態に係るETC料金収受システムを構成するFF料金所5の一例を示すブロック図である。なお、FF料金所5は、対距離料金制又は均一料金制のいずれでも同様の構成である。
【0037】
車線サーバ51は、プロセッサ511、記憶部512、表示部514、インタフェース513、及び操作部515を備える。プロセッサ511、記憶部512、表示部514、インタフェース513、及び操作部515はそれぞれ、
図3を参照して上で説明したプロセッサ211、記憶部212、インタフェース213、表示部214、及び操作部215と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0038】
車線機器52は、インタフェース集約部521、車両検知器522、路側表示器523、及びアンテナ524を備える。
【0039】
インタフェース集約部521、車両検知器522、路側表示器523、及びアンテナ524は、
図3に示される車線機器22と
図6に示される車線機器52とを比較すると、車線機器52が発進制御器224、車軸センサ225、ナンバープレート読取カメラ226、及び第2のアンテナ228を備えていない以外同一である。そして、FF料金所5のインタフェース集約部521、車両検知器522、路側表示器523、及びアンテナ524はそれぞれ、
図3を参照して説明したインタフェース集約部221、車両検知器222、路側表示器223、及び第1のアンテナ227と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。すなわち、FF料金所5の車線機器52は、車両6がFF料金所に進入しても、車両6の車軸数を検知せず、車両6のナンバープレートを読取らない。
そのため、FF料金所の車線機器52は、車軸情報及びナンバープレート読取情報を車線サーバ51に送信しない。また、FF料金所5は、第2のアンテナ228を備えていないため、アンテナ425のリカバリーを行わない。さらに、FF料金所5は、発進制御器224を備えていないため、車線サーバ51から一時停止を示す発進制御情報を受信しても、車両6の通行を阻止せずに車両6を通行させることになる。
なお、アンテナ524は、定期的にビーコンなどの信号を送信し、車載器61から信号に対する応答を受信することで車両6を検知することも可能である。この場合、FFアンテナ料金所5は、車両検知器522を備えなくとも良い。
さらに、発進制御情報が車両6の車載器61に送信され、当該情報が音声として車両6の運転者に通知される等の方法が採用される場合、FF料金所5は、路側制御器523を備えなくとも良い。
【0040】
(動作)
次に、本実施形態に係る3つのルートを車両6が通行する場合の車種の決定処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る車両6が通る3つのルートの一例を示す図である。
図7に示されるように、第1のルートは、IC7から有料道路に進入し、IC5、IC3を通過し、IC1で有料道路から退出するルートである。第2のルートは、IC13から有料道路に進入し、IC10を通過し、IC8で有料道路を退出するルートである。さらに、第3のルートは、IC4から進入し、IC3を通過してIC2で退出するルートである。
【0041】
図8は、
図7に示されたICの各料金所がどのような料金所であるかの一例を示す図である。
図8に示されるように、IC7及びIC9は、2アンテナ対距離料金制料金所2であり、IC3、IC5、IC10、IC12、及びIC13は、2アンテナ均一料金制料金所3であり、IC6、IC8は、対距離料金制の1アンテナ料金所4であり、IC1、IC2は、対距離料金制のFF料金所5であり、IC4、IC11は、均一料金制のFF料金所5である。なお、
図8では、均一料金制の1アンテナ料金所4が示されていないが、均一料金制の1アンテナ料金所4が存在しても良いのは勿論である。
【0042】
図7及び
図8を参照して、第1のルートで車両6が進む場合、車両6が有料道路に進入するIC7は、2アンテナ均一料金制料金所2であり、車両6が通過するIC3及びIC5は、2アンテナ均一料金制料金所3であり、車両6が退出するIC1、対距離料金制のFF料金所5であることを示す。
すなわち、第1のルートで車両6が進む場合、車両6は、IC1からIC3まで、及びIC5からIC7までが対距離料金制の有料道路であり、IC3からIC5までが均一料金制の有料道路を通る。
同様に、第2のルートで車両6が進む場合、車両6が進入するIC13及び通過するIC10は、2アンテナ均一料金制料金所3であり、車両6が退出するIC8は、対距離料金制の1アンテナ料金所4である。
さらに、第3のルートで車両6が進む場合、車両6が進入IC4は、均一料金制のFF料金所5であり、車両6が通過するIC3は、2アンテナ均一料金制料金所3であり、車両6が退出するIC2は、対距離料金制のFF料金所5である。
なお、本実施形態では、第1のルート、第2のルート、及び第3のルートは、車両6の車軸数を検知するために、少なくとも1回2アンテナ対距離料金制料金所2又は2アンテナ均一料金制料金所3を通過する必要がある。
【0043】
図9は、
図7で示す第1のルートで車両6が進む場合の車両6、IC(料金所)、中央処理装置1における情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
最初に、車両6が入口のIC7である2アンテナ対距離料金制料金所2に進入する。
2アンテナ対距離料金制料金所2のプロセッサ211は、車両検知器222による車両6の検知に基づいて、各種処理を実行する(ステップST901)。
車両6を検知すると、2アンテナ対距離料金制料金所2の車軸センサ225は、車両6の車軸数及び検知異常(センサ飛び及び/又はセンサ順序違い)を検知し、当該検知に基づいて車軸情報を生成し、車軸情報をインタフェース集約部221へ送信する。
さらに、ナンバープレート読取カメラ226は、車両6のナンバープレートを読取り、ナンバープレート読取情報を生成し、当該ナンバープレート読取情報をインタフェース集約部221へ送信する。また、第1のアンテナ227は、車両識別要求を車両6に送信し、車両6の車載器61から、ETCカード62のカード情報及び車載器固有情報を含む車両識別情報を受信する。
さらに第1のアンテナ227は、受信した車両識別情報をインタフェース集約部221へ送信する。インタフェース集約部221は、受信した各種情報を車線サーバ21に送信する。
ここで、車載器固有情報は、車両6の車種コード、車両6のナンバープレートについての情報、及び車両6が牽引車を牽引できるかどうかを示す牽引情報を含む。なお、これら車軸数の検知、ナンバープレートの読取り、及び車両6の車載器61との通信は、所定の順序で処理しても良いし、同時に処理しても良い。
【0044】
車線サーバ21は、インタフェース集約部221から受信した各種情報及び料金所が2アンテナ対距離料金制料金所2であることを一意に示すIC番号をインタフェース213を介して中央処理装置1へ送信する(ステップST902)。ここで、各種情報は、車軸情報、ナンバープレート読取情報、及び車両識別情報を含む。
【0045】
中央処理装置1の車種推定部及びスコア決定部であるプロセッサ101は、車両6の車種を推定し、車両6の車種を決定するための料金所のスコアを決定する(ステップST903)。車種推定部であるプロセッサ101は、車軸情報に含まれる車軸数及び車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて車種を推定する。例えば、プロセッサ101は、車種コードと記憶部102に記憶された車種対応テーブルを参照して車種を推定する。
さらにプロセッサ101は、車軸数と推定された車種の車軸を比較して一致していれば推定した車種を推定した車種とし、不一致(例えば、車軸情報の車軸数が多い)であれば、推定された車種をより大きな車種(例えば、1クラス大きな車種であると推定する。
さらに、スコア決定部であるプロセッサ101は、料金所のスコアを決定する。例えば、プロセッサ101は、中央通信部であるインタフェース103を介して車線サーバ21から受信したIC番号に基づいて料金所が2アンテナ構造の料金所かどうかを判定する。
さらに、プロセッサ101は、車両識別情報に含まれる牽引情報から車両6が牽引できるかどうかを判定する。車両6が牽引できない場合、プロセッサ101は、車軸情報に含まれる車軸数と車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて判定した車軸数と比較し、一致しているかどうか判定する。
なお、車両6が牽引できる場合でもプロセッサ101は、車軸情報に含まれる車軸数と判定した車軸数とを比較しても良い。また、プロセッサ101は、ナンバープレート読取情報と車両識別情報に含まれるナンバープレートについての情報を比較し、これらの情報が一致しているかどうか判定する。
プロセッサ101は、これらの判定結果から、車両6の車種を決定するための料金所のスコアを決定する。ここで、当該スコアは、推定された車種の確からしさを表す値であり、例えば、最も信頼度の高い情報を送信した料金所が最大値のスコアになる。
その後、プロセッサ101は、判定した結果、推定した車種、及び決定したスコア等を記憶部102に記憶する。ここで、プロセッサ101は、スコアが最高値であると判定した場合、推定した車種に基づいて車種を決定しても良い。つまり、プロセッサ101は、推定した車種を車両6の車種であると決定しても良い。
【0046】
図10は、
図9で示したIC7を車両6が通過することにより中央処理装置1の記憶部102に記憶された情報の一例を示す図である。
図10に示されるように中央処理装置1の記憶部102は、IC番号(IC7)、料金所のアンテナ数、車両6が牽引車を有していない場合の車軸についての判定結果(一致又は不一致)、車軸情報に含まれる検知情報、ナンバープレートについての判定結果(一致又は不一致)、車両識別情報に含まれる牽引情報、推定した車種、及びスコアが記憶されている。
なお、
図10では、牽引車を有している場合、車軸数について判定していない(
図10では、「-」と示している)例を示しているが、車軸数について判定しても良い。この場合、判定結果は「+1」や「+2」など車軸数の差異について示すようにしても良い。
図10で示されるように、推定車種は、小型車、普通車等に対応付けられた番号で表わされる。
さらに、これらの情報は、ETCカードのカード情報に関連付けられ、当該カード情報により検索可能な情報として記憶部102に記憶される。また、
図10で示されるIC7は、プロセッサ101による判定が全て良好であったため、最高値となっている。
【0047】
図11は、中央処理装置1のスコア決定部であるプロセッサ101がスコアを決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
プロセッサ101は、受信したIC番号に基づいて、料金所が2アンテナの料金所であるかどうかを判定する(ステップST1101)。例えば、プロセッサ101は、IC番号から中央処理装置1の記憶部102に記憶されたICの料金所の構成を参照して料金所のアンテナ数を判定する。
例えば、ICの料金所が1アンテナ料金所4又はFF料金所5である場合、これら1アンテナの料金所は、車両6が通過する際、車軸数やナンバープレートについての情報を取得しない。そのため、料金所から受信した情報で決定される車種は、確からしさが最も低い。したがって中央処理装置1は、スコアを最低値、例えば、「1」に設定し(ステップST1102)、処理を終了する。
一方、例えば、IC番号からICが2アンテナ対距離料金制料金所2又は2アンテナ均一料金制料金所3であると判定された場合、処理は、ステップST1103に進む。
【0049】
プロセッサ101は、車両識別情報に含まれる牽引情報から車両6が牽引できるかどうかを判定する(ステップST1103)。車両6が牽引できない場合、車軸センサ225によって検知された軸数が車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて決定された車軸数と一致しているか判定するため、処理はステップST1104に進む。
一方、車両6が牽引できる場合、車軸センサ225によって検知された車軸数と車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて決定された車軸数は一致しない可能性がある。そのため、処理は、ステップST1104を省略してステップST1106に進む。
なお、車両6が牽引車を有している場合、プロセッサ101によって推定される車種は、車両識別情報に含まれる車種コードで識別された車種と異なる。例えば、車種コードによって識別された車種が大型車である場合、プロセッサ101によって推定される車種は、特大型車になる。
【0050】
プロセッサ101は、車軸情報に含まれる車軸数と車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて判定した車軸数とが一致するかを判定する(ステップST1104)。車軸数が不一致の場合、すなわち、車軸センサ225によって車軸数が正しく検知されていない、又は車両識別情報に含まれる車種コードが誤っている場合、中央処理装置1が決定する車種は、確からしさが低くなる。
したがって、この場合、プロセッサ101は、スコアを最低値より高い第1の値、例えば、最低値に1を加算した「2」に設定し(ステップST1105)、処理を終了する。一方、車軸数が一致する場合、処理は、ステップST1106に進む。
【0051】
プロセッサ101は、検知情報に基づいて車軸センサ225が検知異常を検知したかどうかを判定する(ステップST1106)。検知情報が検知異常を示す場合、車軸情報に含まれる車軸数が正しく検知されていない可能性が有るため、プロセッサ101が推定するは、確からしさが低くなる。
したがって、この場合、中央処理装置1は、スコアを第1の値より高い第2の値、例えば、最低値に2を加算した「3」に設定し(ステップST1107)、処理を終了する。一方、検知異常が無い、すなわち車軸が良好に検知された場合、処理は、ステップST1108に進む。
【0052】
プロセッサ101は、ナンバープレート読取情報と車両識別情報に含まれる車両6のナンバープレートについての情報を比較し、これらの情報が一致しているかどうか判定する(ステップST1108)。ナンバープレート読取情報と車両6のナンバープレートについての情報が不一致の場合、ナンバープレート読取カメラ226で読取ったナンバープレートが誤っている、又は車載器61に登録されたナンバープレートについての情報が誤っている可能性が有る。そのため、プロセッサ101が決定する車種は、確からしさが低くなる。
したがって、この場合、プロセッサ101は、スコアを第2の値より高い第3の値、例えば、最低値に3を加算した「4」に設定し(ステップST1109)、処理を終了する。
一方、ナンバープレート読取情報と車両6のナンバープレートについての情報が一致する場合、すなわちすべての判定が良好であった場合、プロセッサ101は、料金所のスコアが最高値であると決定する(ステップST1110)。この場合、プロセッサ101が推定した車種は、最も確かな車種であることになる。そこで、プロセッサ101は、この推定された車種に基づいて車種を決定する。つまり、プロセッサ101は、推定した車種が車両6の車種であると決定し、以降のICでは、車種の推定を省略することができる。
【0053】
例えば、
図10に示される記憶部102に記憶された情報によれば、全ての結果が良好であるため、プロセッサ101は、推定された車種「3」を車両6の車種であると決定する。すなわち、
図9のST903の処理により、プロセッサ101は、車種を決定することができる。
【0054】
図9に戻って、プロセッサ101は、2アンテナ対距離料金制料金所2の車線サーバ21に対して入口料金所識別情報及び発進制御情報を送信する(ステップST904)。プロセッサ101は、受信した車両識別情報に基づき車両6の通行可否を判定し、当該判定に基づいて発進制御情報を生成する。さらにプロセッサ101は、IC7への入場記録を含む入口料金所識別情報を生成し、インタフェース103を介して車線サーバ21に対して入口料金所識別情報及び発進制御情報を送信する。
【0055】
2アンテナ対距離料金制料金所2の車線サーバ21は、インタフェース213及び第1のアンテナ227を介して、中央処理装置1から受信した入口料金所識別情報を車両6の車載器61に送信し、車両6の車載器61から完了通知を受信する(ステップST905)。
また、車線サーバ21は、中央処理装置1から受信した発進制御情報を発進制御器224及び路側表示器223に送信する。発進制御器224は、発進制御情報に基づいて発進制御バーを制御して車両6を通行させる又は一時停止させ、路側表示器223は、発進制御に基づいた情報を表示する。
また、車両6の車載器61は、第1のアンテナ227から入口料金所識別情報を受信し、ETCカード62へ入場記録を書き込む。
また、車線サーバ21は、発進制御情報を車両6の車載器6に送信しても良い。この場合、車載器6は、発進制御情報に基づいた情報を音声等で車両6の運転者に通知する。
【0056】
その後、車両6は、2アンテナ均一料金制料金所3であるIC5を通過する。
車線サーバ31は、車両検知器322による車両検知に基づいて、各種処理を実行する(ステップST906)。車両6を検知すると、車軸センサ325は、車両6の車軸数及び検知異常を検知し、当該検知に基づいて車軸情報を生成し、車軸情報をインタフェース集約部321へ送信する。
また、2アンテナ均一料金制料金所3の第1のアンテナ326は、車両識別要求を車両に送信し、車両6の車載器61から、ETCカード62のカード情報及び車載器固有情報を含む車両識別情報を受信する。さらに第1のアンテナ227は、受信した車両識別情報をインタフェース集約部221へ送信する。
なお、ステップST903で車種が決定されているため、プロセッサ101は、車種の推定及びスコアの決定を省略することが可能である。
【0057】
車線サーバ31は、ステップST906で取得した情報及び2アンテナ均一料金制料金所3であることを一意に示すIC番号(IC5)を、インタフェース313を介して中央処理装置1に送信する(ステップST907)。
【0058】
プロセッサ101は、ETCカード62のカード情報に関連付けてIC番号を記憶部102に記憶し、受信した車両識別情報に基づき通行可否を判定し、当該判定に基づいて発進制御情報を生成し、2アンテナ均一料金制料金所3に対して発進制御情報を送信する(ステップST908)。
【0059】
2アンテナ均一料金制料金所3は、中央処理装置1から受信した発進制御情報を発進制御器324及び路側表示器323に送信する。発進制御器324は、発進制御情報に基づいて発進制御バーを制御して車両6を通行させる又は一時停止させ、路側表示器323は、発進制御に基づいた情報を表示する(ステップST909)。
【0060】
その後、車両6は、2アンテナ均一料金制料金所3であるIC3を通過する。
図9で示されるステップST910乃至ステップST913の動作はそれぞれ、ステップST906乃至ステップST909と同様の動作であるため、ここでの説明を省略する。
【0061】
その後、車両6は、FF料金所5であるIC1を通過し、有料道路から退出する。
FF料金所5の車線サーバ31は、車両検知器522による車両検知に基づいて、各種処理を実行する(ステップST914)。FF料金所5のアンテナ524は、車両識別要求を車両6に送信し、車両6の車載器61から、車両識別情報を受信する。さらにアンテナ524は、受信した車両識別情報をインタフェース集約部521へ送信する。
【0062】
FF料金所5は、車両識別情報及びFF料金所5であることを一意に示すIC番号(IC3)を中央処理装置1に送信する(ステップST915)。
【0063】
中央処理装置1の通行料金決定部であるプロセッサ101は、受信したIC番号及び記憶されたIC番号から車両6の通行区間を判定し、通行料金を決定する(ステップST916)。プロセッサ101は、受信したIC番号から車両6が有料道路を退出しようとしていると判定する。そこで、プロセッサ101は、記憶部102に記憶されたIC番号から車両6の通行区間を判定する。
そして、プロセッサ101は、ステップST903で決定した車種、記憶部102に記憶された料金テーブル、及び通行区間に基づき通行料金を計算する。さらにプロセッサ101は、計算された通行料金を示す通行料金情報及び退場記録を含む出口料金所識別情報を生成する。また、プロセッサ101は、発進制御情報を生成し、車線機器を介して車両6の車載器61に発進制御情報を送信する。
車載器61は、発進制御情報に基づいた情報を音声等で車両6の運転者に通知する。
【0064】
プロセッサ101は、インタフェース103を介して、出口料金所識別情報をFF料金所5に送信する(ステップST917)。
【0065】
FF料金所5の車線サーバ51は、インタフェース集約部521及びアンテナ524を介して車両6の車載器61に出口料金所識別情報を送信し、車載器61から完了通知を受信する(ステップST918)。また、車両6の車載器61は、出口料金所識別情報を受信すると、ETCカード62へ退場記録及び通行料金情報を書き込み、アンテナ524に対して完了通知を送信する。
【0066】
図12は、
図7で示す第2のルートで車両6が進む場合の車両6、IC(料金所)、中央処理装置1における情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
最初に、車両6が入口のIC13である2アンテナ均一料金制料金所3に進入する。
図10で示されるステップST1201は、
図9で示されるステップST901と比較すると、アンテナ均一料金制料金所3がナンバープレートを読み取らない以外、同様の動作である。そして、ステップST1202では、ナンバープレート読取情報を中央処理装置1に送信しない以外ステップST902と同様の動作であるため、これらの動作についての説明をここでは省略する。
【0067】
中央処理装置1の車種推定部及びスコア決定部であるプロセッサ101は、車種を推定し、料金所のスコアを決定する(ステップST1203)。
図11を参照して説明したのと同様に、車種推定部であるプロセッサ101は、車軸情報に含まれる車軸数及び車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて車種を推定する。
スコア決定部であるプロセッサ101は、受信したIC番号から料金所が2アンテナ構造の料金所を退出するかどうかを判定する。さらに、プロセッサ101は、車両識別情報に含まれる牽引情報から車両6が牽引できるかどうか判定する。
プロセッサ101は、車両6が牽引できない場合、車軸数と車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて判定した車軸数とを比較し、一致しているかどうか判定する。
プロセッサ101は、これらの判定結果から、車両6の車種を決定するための料金所のスコアを決定する。その後、プロセッサ101は、判定した結果、推定した車種、及び決定したスコア等を記憶部102に記憶する。
ここで、
図11のステップST1108で、スコア決定部であるプロセッサ101は、ナンバープレート読取情報を受信しないため、ナンバープレートについての情報と比較できない。そのため、プロセッサ101は、ステップST1108では、不一致と判定する。すなわち、IC13である2アンテナ均一料金制料金所3を車両6が通過しても、プロセッサ101は、車料金所スコアが最高値にならないため、車両6の車種を決定しない。
【0068】
ステップST1204及びステップST1205は、
図9を参照しながら説明したステップST904及びステップST905と同様の動作のため、これらの説明を省略する。
【0069】
その後、車両6は、2アンテナ均一料金制料金所3であるIC10を通過する。
ステップST1206及びステップST1207の動作はそれぞれ、
図9を参照しながら説明したステップST906及びステップST907と同様の動作であるため、ここでの説明を省略する。また、ステップST1208は、ステップST1203と同様の動作のため、ここでの説明を省略する。さらに、ステップST1209及びステップST1210は、
図9を参照しながら説明したステップST908及びステップST909と同様の動作のため、ここでの説明を省略する。
【0070】
その後、車両6は、1アンテナ料金所4であるIC8を通過し、有料道路から退出する。
【0071】
1アンテナ料金所4は、車両検知器422による車両検知に基づいて、各種処理を実行する(ステップST1211)。1アンテナ料金所4のアンテナ425は、車両識別要求を車両に送信し、車両6の車載器61から、ETCカード62のカード情報及び車載器固有情報を含む車両識別情報を受信する。さらにアンテナ425は、受信した車両識別情報をインタフェース集約部421へ送信する。
【0072】
1アンテナ料金所4は、ステップST1211で取得した情報及び1アンテナ料金所4であることを一意に示すIC番号(IC8)を、インタフェース413を介して中央処理装置1に送信する(ステップST1212)。
【0073】
プロセッサ101は、車種を決定し、通行料金を決定する(ステップST1213)。車種推定部であるプロセッサ101は、車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて車種を推定する。すなわち、プロセッサ101は、車種コードと記憶部102に記憶された車種対応テーブルを参照して車種を推定する。スコア決定部であるプロセッサ101は、受信したIC番号から料金所が2アンテナ構造の料金所か否かを判定する。
プロセッサ101が1アンテナ料金所が1アンテナ構造であると判定するため、料金所のスコアは、最低値である「1」に設定される。そして、プロセッサ101は、判定した結果、推定した車種、及び決定したスコア等を記憶部102に記憶する。
また、プロセッサ101は、受信したIC番号から車両6が有料道路を退出しようとしていると判定する。そこで、プロセッサ101は、ステップST1203、ステップST1208及びステップST1213で記憶部102に記憶された情報に基づいて車両6の車種を決定する。すなわち、プロセッサ101は、決定した料金所のスコアが最も高い料金所を通過する際に推定した車種を車両6の車種であると決定する。
【0074】
図13は、
図12のステップST1203、ステップST1208、及びステップST1213の処理によって中央処理装置1の記憶部102に記憶された情報の一例を示す図である。
図13に示されるように、IC10を車両6が通過した際、2アンテナ均一料金制料金所3の車軸センサ325がセンサ飛びとセンサ順序違いの検知異常を検知したことを示している。そのため、IC10の料金所のスコアは、2になっている。
図13を参照すると、スコアが最も高い料金所は、IC13の料金所であるため、プロセッサ101は、IC13で推定された車種「2」を車両6の車種であると決定する。
【0075】
通行料金決定部であるプロセッサ101は、記憶部102に記憶されたIC番号から通行区間を判定する。そして、プロセッサ101は、決定した車種、記憶部102に記憶された料金テーブル、及び通行区間に基づき通行料金を計算する。プロセッサ101は、計算された通行料金を示す通行料金情報及び退場記録を含む出口料金所識別情報、及び発進制御情報を生成する。
なお、発進制御情報は、出口料金所識別情報を生成できた場合は、通行許可であり、出口料金所識別情報を生成できなかった場合は一時停止を示す。
【0076】
プロセッサ101は、インタフェース103を介して、出口料金所識別情報及び発進制御情報を1アンテナ料金所4に送信する(ステップST1214)。
【0077】
車線サーバ41は、インタフェース集約部421及びアンテナ425を介して車両6の車載器61に出口料金所識別情報を送信し、車載器61から完了通知を受信する(ステップST1215)。
また、車両6の車載器61は、出口料金所識別情報を受信すると、ETCカード62へ退場記録及び通行料金情報を書き込み、第1のアンテナ227に対して完了通知を送信する。さらに1アンテナ料金所4は、インタフェース集約部421を介して発進制御器424及び路側表示器423に発進制御情報を送信する。
発進制御器424は、受信した発進制御に基づいて発進制御バーの開閉を制御し、路側表示器423は、発進制御器424に基づいた情報を表示する。
【0078】
図14は、
図7で示す第3のルートで車両6が進む場合の車両6、IC(料金所)、中央処理装置1における情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
最初に、車両6が入口のIC4であるFF料金所5に進入する。
FF料金所5車線サーバ51は、車両検知器522による車両検知に基づいて、各種処理を実行する(ステップST1401)。FF料金所5のアンテナ524は、車両識別要求を車両6に送信する。そして、車両6の車載器61から、ETCカード62のカード情報及び車載器固有情報を含む車両識別情報を受信する。さらにアンテナ524は、受信した車両識別情報をインタフェース集約部521へ送信する。
【0079】
車線サーバ51は、ステップST1401で取得した情報及び料金所がFF料金所5であることを一意に示すIC番号(IC5)を中央処理装置1に送信する(ステップST1402)。
【0080】
中央処理装置1の車種推定部及びスコア決定部であるプロセッサ101は、車種を推定し、料金所のスコアを決定する(ステップST1403)。車種推定部であるプロセッサ101は、車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて車種を推定する。その後、スコア決定部であるプロセッサ101は、料金所のスコアを決定する。
例えば、プロセッサ101は、受信したIC番号から料金所が2アンテナ構造の料金所か否かを判定する。ここで、FF料金所5が1アンテナ構造の料金所であるため、プロセッサ101は、料金所のスコアを最低値、例えば、1であると決定する。その後、プロセッサ101は、判定した結果、推定した車種、及び決定したスコア等を記憶部102に記憶する。
【0081】
プロセッサ101は、FF料金所5の車線サーバ51に対して入口料金所識別情報を送信する(ステップST1404)。プロセッサ101は、IC7への入場記録を含む入口料金所識別情報を生成し、車線サーバ21に対して入口料金所識別情報を送信する。
【0082】
FF料金所5の車線サーバ51は、インタフェース集約部521及びアンテナ524を介して車両6の車載器61に入口料金所識別情報を送信し、車載器61から完了通知を受信する(ステップST1405)。また、車両6の車載器61は、入口料金所識別情報を受信すると、ETCカード62へ入場記録を書き込み、アンテナ524に対して完了通知を送信する。
【0083】
その後、車両6は、2アンテナ均一料金制料金所3であるIC3を通過する。
【0084】
ステップST1406及びステップST1407の動作はそれぞれ、
図9を参照しながら説明したステップST906及びステップST907と同様の動作であるため、説明を省略する。また、ステップST1408は、
図12を参照しながら説明したステップST1203と同様の動作のため、ここでの説明を省略する。さらに、ステップST1409及びステップST1410は、
図9を参照しながら説明したステップST908及びステップST909と同様の動作のため、ここでの説明を省略する。
【0085】
その後、車両6は、FF料金所5であるIC2を通過し、有料道路から退出する。
ステップST1411及びST1412の動作はそれぞれ、
図9を参照しながら説明したステップST914及びステップST915と同様の動作であるため、説明を省略する。
【0086】
プロセッサ101は、車種を決定し、通行料金を決定する(ステップST1413)。車種推定部であるプロセッサ101は、車両識別情報に含まれる車種コードに基づいて車種を推定する。すなわち、プロセッサ101は、車種コードと記憶部102に記憶された車種対応テーブルを参照して車種を推定する。
スコア決定部であるプロセッサ101は、受信したIC番号から料金所が2アンテナ構造の料金所か否かを判定する。プロセッサ101がFF料金所5が1アンテナ構造であると判定するため、料金所のスコアは、最低値である「1」に設定される。そして、プロセッサ101は、判定した結果、推定した車種、及び決定したスコア等を記憶部102に記憶する。
また、プロセッサ101は、受信したIC番号から車両6が有料道路を退出しようとしていると判定する。そこで、プロセッサ101は、ステップST1403、ステップST1408、及びステップST1413で記憶部102に記憶された情報に基づいて車両6の車種を決定する。すなわち、プロセッサ101は、決定した料金所のスコアが最も高い料金所を通過する際に推定した車種を車両6の車種であると決定する。
【0087】
図15は、
図14のステップST1403、ステップST1408、及びステップST1413の処理によって中央処理装置1の記憶部102に記憶された情報の一例を示す図である。
図15に示されるように、IC3を車両6が通過した際、2アンテナ均一料金制料金所3の車軸センサ325は、センサ飛びとセンサ順序違いの検知異常を検知したことを示している。そのため、IC3のスコアは2になっている。しかしながら、
図15を参照すると、このIC3のスコアが最も高いスコアであることを示している。
そこでプロセッサ101は、IC3を通過する際に推定した車種が車両6の車種であると決定する。しかしながら、この場合、IC3である2アンテナ均一料金制料金所3の車軸センサ325によって検知異常があることを示しており、車軸センサ325が車軸数を正しく検知していない可能性がある。そこで、中央処理装置1は、車両6がIC2を通過して有料道路から退出した後も
図15に示される記憶部102に記憶された結果を破棄せずに、疑義問合せ明細として記憶しておく。
すなわち、検知異常が有った料金所のスコアが最も高くなった場合、プロセッサ101は、記憶部102に記憶された各種情報を疑義問合せ明細として記憶する。疑義問合せ明細を記憶しておくことで、車両6の運転者から料金について問い合わせがあった際に詳細な情報を運転者に提示することが可能になる。
【0088】
通行料金決定部であるプロセッサ101は、決定した車種、記憶部102に記憶された料金テーブル、及び通行区間に基づき通行料金を計算する。プロセッサ101は、計算された通行料金を示す通行料金情報及び退場記録を含む出口料金所識別情報を生成する。
また、プロセッサ101は、路側表示器523に情報を表示するために発進制御情報を生成し、車線サーバ51に送信しても良い。路側表示器523は、当該発進制御情報に基づいた情報を表示する。
【0089】
ステップST1414及びステップST1415は、
図9を参照しながら説明したステップST917及びステップST918と同様の動作のため、説明を省略する。
【0090】
(作用効果)
以上説明した本実施形態によれば、最も確かな料金所である2アンテナ対距離料金制料金所2ですべての結果が良好である場合の車軸センサによって検知された車軸数及び車種コードに基づいて適切に車種を決定することができる。
また、2アンテナ料金所で判定結果が良好でない、又は2アンテナ対距離料金制料金所を車両6が通過しない場合、スコアが最も高い料金所で推定した車種を車両6の車種として決定することにより、適切に車種を決定することができる。
また、検知異常が有った料金所のスコアが最も高くなった場合、中央処理装置1の記憶部102に記憶した情報を疑義問合せ明細として記憶しておくことで、通行料金に疑問を持った車両6の運転者からの問い合わせに対応することが可能となる。
なお、本実施形態では、車種の確からしさを表すスコアとして、最も信頼度の高い情報を送信した料金所に対して最高値を付与するケースについて説明したが、逆に、最も信頼度の高い情報を送信した料金所に対して最小値を付与するようにしてもよい。この場合、車種決定部は、スコア決定部が決定したスコアのうち最も小さい値を有する料金所で推定した車種を車両6の車種であると決定する。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1…中央処理装置
2…2アンテナ対距離料金制料金所
3…2アンテナ均一料金制料金所
4…1アンテナ料金所
5…FF料金所
6…車両
61…車載器
62…ETCカード
101…プロセッサ
102…記憶部
103…インタフェース
104…表示部
105…操作部
21…車線サーバ
211…プロセッサ
212…記憶部
213…インタフェース
214…表示部
215…操作部
22…車線機器
221…インタフェース集約部
222…車両検知器
223…路側表示器
224…発進制御器
225…車軸センサ
226…ナンバープレート読取カメラ
227…第1のアンテナ
228…第2のアンテナ
31…車線サーバ
311…プロセッサ
312…記憶部
313…インタフェース
314…表示部
315…操作部
32…車線機器
321…インタフェース集約部
322…車両検知器
323…路側表示器
324…発進制御器
325…車軸センサ
326…アンテナ
327…アンテナ
41…車線サーバ
411…プロセッサ
412…記憶部
413…インタフェース
414…表示部
415…操作部
42…車線機器
421…インタフェース集約部
422…車両検知器
423…路側表示器
424…発進制御器
425…アンテナ
51…車線サーバ
511…プロセッサ
512…記憶部
513…インタフェース
514…表示部
515…操作部
52…車線機器
521…インタフェース集約部
522…車両検知器
523…路側表示器
524…アンテナ