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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153717
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2312 20110101AFI20251002BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20251002BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20251002BHJP
【FI】
H04N21/2312
G06Q50/10
H04N21/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056331
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】跡部 信行
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 裕
(72)【発明者】
【氏名】湯本 康太
(72)【発明者】
【氏名】チャッラニ マユル
(72)【発明者】
【氏名】大木 幸治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 朋
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 久人
(72)【発明者】
【氏名】中西 周
(72)【発明者】
【氏名】堀口 朋也
【テーマコード(参考)】
5C164
5L050
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164MA02S
5C164SA22S
5C164SB37P
5C164SB41P
5C164TA08S
5C164YA10
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ストレージコストを考慮しつつ配信対象の動画ファイルを柔軟に管理する。
【解決手段】ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置は、動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、動画ファイルを第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動し、第2ストレージに移動された後、動画ファイルにおけるユーザからの今後のリクエストの推移を推定する。そして今後のリクエストの推移から特定される、第1ストレージと第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、動画ファイルを第1ストレージにて保管すべきか否かを判定し、判定結果に基づいて、動画ファイルを第1ストレージにて再度保管する。第1ストレージは、第2ストレージよりも動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部と、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部と、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部と、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記第1ストレージと前記第2ストレージのうち、いずれに保管された前記動画ファイルを配信対象とするのかを、ストリーミングサーバに指示する指示部をさらに備え、
前記指示部は、前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された場合に、前記第2ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示し、前記管理部により前記動画ファイルが前記第1ストレージに再度保管された場合に、前記第1ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部をさらに備え、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルにおける予め定められた期間内のリクエスト状況が、規定値以上である場合に、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
【請求項6】
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部をさらに備え、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況に基づいて前記動画ファイルの属するカテゴリごとに機械学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況により示される前記ユーザからのリクエストの推移のうち、前記第1ストレージで保管すべき前記動画ファイルの推移を教師データとして学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置による管理方法であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定ステップと、
前記リクエスト推定ステップで推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理ステップと、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている、
ことを特徴とする管理方法。
【請求項9】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置を、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部、として機能させ、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像と音声をライブ配信する様々な動画配信サービスが提供されている。例えば、特許文献1には、遠隔操作にて映像及び音声をストリーミングサーバからライブ配信した直後に録画を配信できるようにした動画配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-274531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のシステムでは、ストレージコストを考慮しつつ配信対象の動画ファイルを柔軟に管理するといった点で未だ十分ではない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、ストレージコストを考慮しつつ配信対象の動画ファイルを柔軟に管理することが可能な管理装置、コンテンツ提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る管理装置は、
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部と、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部と、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部と、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている、
ことを特徴とする。
【0007】
また、上記観点に係る管理装置において、
前記第1ストレージと前記第2ストレージのうち、いずれに保管された前記動画ファイルを配信対象とするのかを、ストリーミングサーバに指示する指示部をさらに備え、
前記指示部は、前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された場合に、前記第2ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示し、前記管理部により前記動画ファイルが前記第1ストレージに再度保管された場合に、前記第1ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示する、
ことを特徴とする。
【0008】
また、上記観点に係る管理装置において、
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部をさらに備え、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記観点に係る管理装置において、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルにおける予め定められた期間内のリクエスト状況が、規定値以上である場合に、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係る管理装置において、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係る管理装置において、
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部をさらに備え、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況に基づいて前記動画ファイルの属するカテゴリごとに機械学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記観点に係る管理装置において、
前記判定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況により示される前記ユーザからのリクエストの推移のうち、前記第1ストレージで保管すべき前記動画ファイルの推移を教師データとして学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の観点に係る管理方法は、
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置による管理方法であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける今後の前記ユーザからのリクエストの推移を推定するリクエスト推定ステップと、
前記リクエスト推定ステップで推定された今後の前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理ステップと、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置を、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける今後の前記ユーザからのリクエストの推移を推定するリクエスト推定部、
前記リクエスト推定部で推定された今後の前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部、として機能させ、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れている、
ことを特徴とする。
【0015】
上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ストレージコストを考慮しつつ配信対象の動画ファイルを柔軟に管理することが可能な管理装置、管理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】管理装置、情報端末、ストリーミングサーバ、第1ストレージサーバ及び第2ストレージサーバの関係を示す図である。
図2】管理装置の一例を示すブロック図である。
図3】ストリーミングサーバの一例を示すブロック図である。
図4】コンテンツAのリクエスト数の推移の一例を示す説明図である。
図5】コンテンツ管理処理の一例を示すフローチャートである。
図6】ストレージ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
図7】コンテンツBのリクエスト数の推移の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(全体構成)
本発明を実施するための形態に係る管理装置、管理方法およびプログラムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同一符号を付す。図1に示すように、本発明の実施形態に係る管理装置100は、情報端末200、ストリーミングサーバ300、第1ストレージサーバ500および第2ストレージサーバ600と、インターネット等のコンピュータ通信網400を介して通信可能に接続する。
【0019】
管理装置100は、サーバなどのコンピュータであり、配信対象の動画ファイルを記憶するサーバの切り替えを行う機能を有している。具体的に、管理装置100は、第1ストレージサーバ500に記憶された動画ファイルを第2ストレージサーバ600へコピーし、第1ストレージサーバ500から当該動画ファイルを削除する機能や、第2ストレージサーバ600へコピーされた動画ファイルを第1ストレージサーバ500へコピーする機能を有するサーバである。なお、配信対象の動画ファイルは、例えばスポーツや音楽などの動画ファイルである。当該動画は、リアルタイムでストリーミングサーバ300からライブ配信されるとともに、第1ストレージサーバ500に保存され、当該保存された動画を、この実施の形態では配信対象の動画ファイルという。
【0020】
情報端末200は、動画を閲覧するユーザが所有するスマートフォン、タブレットやPC(Personal Computer)などの情報端末(所謂コンピュータ)である。動画配信を所望するユーザの操作に応じて当該情報端末200が、コンピュータ通信網400を介してストリーミングサーバ300へ所望する動画のリクエストを送信することで、所望する動画が配信されることとなる。
【0021】
ストリーミングサーバ300は、ユーザからのリクエストに対応して動画のストリーミング配信を行うサーバである。ここで、ユーザからのリクエストとは、ユーザ操作に応じて情報端末200から送信されるリクエストをいう。ストリーミングサーバ300は、配信対象の動画を、コンピュータ通信網400を介して情報端末200へ配信する機能を有している。ストリーミングサーバ300には数十~数千人の視聴者が同時にアクセス可能である。なお、図示は省略しているが、当該ストリーミングサーバ300への負担を軽減するために、複数のストリーミングサーバ300を配置し、視聴者であるユーザに最も近いストリーミングサーバ300にアクセスさせるようにしてもよい。また、ストリーミングサーバ300は、上述したように、ライブ映像を配信する機能を有している。すべてのライブ映像をストリーミングサーバ300に記憶することは、データ量が膨大であり適当でないことから、当該ライブ映像は、上述したように、配信対象の動画ファイルとして第1ストレージサーバ500へ記憶される。すなわち、ストリーミングサーバ300は、ライブ映像の配信を行う機能の他、第1ストレージサーバ500や第2ストレージサーバ600に記憶された配信対象の動画ファイルを、コンピュータ通信網400を介して情報端末200へ配信する機能を有している。
【0022】
第1ストレージサーバ500は、ストリーミングサーバ300にて配信中のライブ映像を、配信対象の動画ファイルとして保管するサーバである。第1ストレージサーバ500は、後述する第2ストレージサーバ600と比較して、配信対象の動画ファイルの保管料が高いものの、多くの通信量にも耐えられ、通信スピードも速いサーバである。第1ストレージサーバ500は、例えば、下記URL(https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/storage/blobs/#pricing)先に記載のホットストレージに対応する。そのため、第1ストレージサーバ500は、ユーザからのリクエストの多い動画ファイルの保管に適している。なお、図示する例では第1ストレージサーバ500が単数である例を示しているが、第1ストレージサーバ500は、複数存在してもよい。また、第1ストレージサーバ500は、アクセスが集中したときの特別課金の加算が行われないものの、第2ストレージサーバ600は、アクセスが集中したときの特別課金の加算が行われる。管理コストには、少なくとも保管コストと通信(転送)コストを含めることができる。保管コストには、配信対象の動画ファイルの量に応じた料金を含めることができ、通信コストには、「通信速度(の逆数)」および「通信(読み書き)量に対する料金」を含めることができる。第1ストレージサーバ500は、後述する第2ストレージサーバ600と比較して、保管コストが高いものの、通信コストが低いストレージサーバであり、結果としてユーザからのリクエストの多い動画ファイルの保管時に管理コストが低いストレージサーバとなっている。
【0023】
第2ストレージサーバ600は、第1ストレージサーバ500と同様、配信対象の動画ファイルを保管するサーバである。第2ストレージサーバ600は、第1ストレージサーバ500と比較して、配信対象の動画ファイルの保管料が安い一方、多くの通信量には耐えられず、通信スピードも遅いサーバであり、多くの通信量に耐えられるようにしたり、通信スピードを速めると、第1ストレージサーバ500よりもコストがかかるサーバである。また、第2ストレージサーバ600は、転送(データ再生)のコストが、第1ストレージサーバ500よりも高く設定されている。そのため、第2ストレージサーバ600は、ユーザからのリクエストの少ない動画ファイルの保管に適している。第2ストレージサーバ600は、例えば、上記URL先に記載のコールドストレージに対応する。この実施の形態では、ユーザからのリクエストが最後にあってから30日経過した場合に、管理装置100により、第1ストレージサーバ500に保管された配信対象の動画ファイルが、第2ストレージサーバ600へ移動される。なお、図示する例では第2ストレージサーバ600が単数である例を示しているが、第2ストレージサーバ600は、複数存在してもよい。なお、第2ストレージサーバ600は、第1ストレージサーバ500と比較して、保管コストが低いものの、通信コストが高いストレージサーバであり、結果としてユーザからのリクエストの少ない動画ファイルの保管時に管理コストが低いストレージサーバとなっている。
【0024】
基本的に、データ再生頻度が高くないコンテンツは、第2ストレージサーバ600で保管していた方が、コストが低くなるが、月あたりのデータ再生時間が所定の閾値を超えると、第2ストレージサーバ600で保管した方が、コストが高くなる。
【0025】
(管理装置の機能構成)
次に、図2を参照し、管理装置100の構成について説明する。
【0026】
図2に示すように、管理装置100は、記憶部110と、制御部120と、入出力部130と、通信部140と、これらを相互に接続するシステムバス(図示省略)と、を備えている。
【0027】
記憶部110は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を備える。ROMは制御部120が実行するプログラム111と、プログラム111を実行する上で予め必要な各種データ(図示省略)と、過去データ112を記憶する。
【0028】
プログラム111は、後述するコンテンツ管理処理を実行するプログラムであり、予め記憶部110に記憶されている。
【0029】
過去データ112は、配信対象の動画ファイルごと(すなわちコンテンツごと)のユーザからのリクエスト数の推移を示すデータである。図4は、過去データ112に基づいてグラフ化した一例であり、コンテンツAのリクエスト数の推移の一例を示している。過去データ112は、ストリーミングサーバ300へのユーザからのリクエストの情報(閲覧情報313)を、後述する情報取得部121の機能により、当該ストリーミングサーバ300から取得することで、記憶部110へ記憶される。この実施の形態における管理装置100は、詳しくは後述するが、当該過去データ112に基づいてユーザの今後のリクエスト数を推定し、配信対象の動画ファイルの保管先として第1ストレージサーバ500と第2ストレージサーバ600のいずれが適切であるのかを判定し、ストリーミングサーバ300へ使用ストレージサーバを指示する機能を有している。図4に示す例は、コンテンツAのリクエスト数が、ライブ映像の配信日から徐々に減少していき、「0」となった後、リクエスト数が急増した場合の例を示している。
【0030】
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等から構成される。制御部120は、記憶部110に記憶されたプログラム111に従って動作し、当該プログラム111に従った処理を実行する。制御部120は、記憶部110に記憶されたプログラム111により提供される主要な機能部として、情報取得部121と、コンテンツ移動コピー部122と、リクエスト数推定部123と、コンテンツコピー判定部124と、使用ストレージ指示部125と、を備える。
【0031】
情報取得部121は、ユーザからの動画配信についてのリクエスト状況を、ストリーミングサーバ300から取得する機能部である。具体的に、情報取得部121は、配信対象の動画ファイルごと、すなわちコンテンツごとのリクエスト状況を示す閲覧情報313(図3参照)をストリーミングサーバ300から取得し、過去データ112として記憶部110へ記憶する機能部である。情報取得部121は、取得した閲覧情報313に基づいてコンテンツ別にリクエスト数をカウントし、図4に示したグラフの元となるコンテンツ別のリクエスト数の推移データを過去データ112として記憶部110へ記憶する。
【0032】
コンテンツ移動コピー部122は、配信対象の動画ファイルを第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へ移動する機能や、第2ストレージサーバ600に移動した配信対象の動画ファイルを第1ストレージサーバ500へコピーする機能を有する機能部である。具体的に、コンテンツ移動コピー部122は、最終のリクエストから30日が経過してもいずれのユーザからもリクエストがないコンテンツ(配信対象の動画ファイル)を、第2ストレージサーバ600へ移動する機能を有している。また、コンテンツ移動コピー部122は、後述するコンテンツコピー判定部124の機能により、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコンテンツをコピーすべきと判定された場合、すなわち第1ストレージサーバ500にて管理した方が、管理コストが低いと判定された場合、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコンテンツ(配信対象の動画ファイル)をコピーする機能を有している。なお、コンテンツ移動コピー部122は、この他にも、例えばライブ映像の配信日から30日が経過した場合、第1ストレージサーバ500に記憶された配信対象の動画ファイルのうち、バックアップ用に記憶された配信対象の動画ファイルを削除する機能も有している。すなわち、2つ記憶された配信対象の動画ファイルのうち、1つを削除する機能を有している。なお、バックアップ用の配信対象の動画ファイルは、複数の第1ストレージサーバ500のいずれかに記憶されてもよい。なお、動画ファイルには、動作の内容に関するキーワードが紐づけられていてもよい。
【0033】
リクエスト数推定部123は、情報取得部121が取得したコンテンツごとのリクエスト状況に基づいて、今後のリクエスト数の推定を行う機能部である。具体的に、リクエスト数推定部123は、リクエスト数が急増したなどのリクエスト条件を達成した場合に、情報取得部121が取得したコンテンツごとのリクエスト状況のうち、対象のコンテンツのリクエスト状況と似たような推移をしているデータを過去データ112から特定し、今後のリクエスト数の推定を行う。なお、リクエスト数推定部123は、当該配信対象の動画ファイルのジャンルと同等のコンテンツに対応した過去データ112に基づいて今後のリクエスト数の推定を行う。情報取得部121の機能により取得したコンテンツごとのリクエスト状況において、例えば図7に示すように、タイミングTAにおいてコンテンツBのリクエスト数が急増していることが示される場合、リクエスト数推定部123は、リクエスト条件を達成したと判定する。そして、リクエスト数推定部123は、当該コンテンツBの推移が図4に示すコンテンツAの推移と似ていると判定し、コンテンツBのリクエスト数がタイミングTA以降に図7に示すように推移すると推定する。なお、コンテンツAとコンテンツBは、ともにサッカーの試合についての動画ファイルであるものとし、ジャンルが共通するものとする。なお、リクエスト数推定部123は、サッカーといった競技ジャンルだけでなく、スポーツという大概念のジャンルを共通ジャンルとして似た推移の過去データ112を選別してもよい。なお、リクエスト条件は、例えば、所定時間あたりのリクエスト数に基づく条件である。また、リクエスト条件は、例えば1時間以内のリクエスト数が5以上や10以上など、任意に設定可能である。
【0034】
コンテンツコピー判定部124は、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコンテンツをコピーすべきか否かを判定する機能部である。具体的に、コンテンツコピー判定部124は、リクエスト数推定部123における今後のリクエスト数の推移が、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコンテンツをコピーすべきコピー条件を達成するか否かを判定し、達成すると判定した場合に、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコンテンツをコピーすべきであると判定する。コピー条件を満たすか否かの判定は、第2ストレージサーバ600による管理よりも第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い場合に達成となる条件であり、リクエスト数推定部123における今後のリクエスト数の推移に基づいて行われればよい。リクエスト数推定部123における今後のリクエスト数の推移は、似た推移の過去データ112により推定されている。そのため、過去データ112の推移によれば、当該配信対象の動画ファイルの今後のリクエスト数の推移についても同様に、第2ストレージサーバ600のままの方が、管理コストが低い場合もあれば、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い場合もある。そこで、コンテンツコピー判定部124は、このような過去データ112の状況を踏まえ、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い場合に、コピー条件を達成すると判定する。なお、図4に示すコンテンツAの過去データ112によるグラフは、タイミングTQ以降から所定期間では第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い例を示している。
【0035】
使用ストレージ指示部125は、ストリーミングサーバ300へ、動画配信に使用すべきストレージサーバを指示する機能部である。具体的に、使用ストレージ指示部125は、第1ストレージサーバ500に記憶された動画ファイルを配信対象とするのか、第2ストレージサーバ600に記憶された動画ファイルを配信対象とするのか、ストリーミングサーバ300へ、使用するストレージサーバを指示する機能部である。ストリーミングサーバ300の側では、当該使用ストレージ指示部125による指示に基づくストレージサーバの動画ファイルを配信する。
【0036】
入出力部130は、キーボード、マウス、カメラ、マイク、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等から構成され、各種データの入出力を行うための装置である。
【0037】
通信部140は、管理装置100が、コンピュータ通信網400を介して、情報端末200、ストリーミングサーバ300、第1ストレージサーバ500および第2ストレージサーバ600などといった他の情報端末と通信を行うためのデバイスである。以上が、管理装置100の構成である。
【0038】
(ストリーミングサーバの機能構成)
次に、図3を参照し、ストリーミングサーバ300の構成について説明する。
【0039】
図3に示すように、ストリーミングサーバ300は、記憶部310と、制御部320と、入出力部330と、通信部340と、これらを相互に接続するシステムバス(図示省略)と、を備えている。
【0040】
記憶部310は、ROMやRAM等を備える。ROMは制御部320が実行するプログラム311と、プログラム311を実行する上で予め必要な各種データ(図示省略)と、配信対象の動画ファイル312と、閲覧情報313を記憶する。
【0041】
プログラム311は、後述するストレージ切り替え処理を実行するプログラムであり、予め記憶部310に記憶されている。
【0042】
配信対象の動画ファイル312は、例えば、試合会場やライブ会場のビデオカメラから送られる動画をストリーミング形式にエンコーディングしたデータである。
【0043】
閲覧情報313は、ユーザによる配信対象の動画ファイル312の閲覧履歴を示す情報であり、例えばユーザ名、ユーザID、対象動画ファイルID、リクエスト年月日、などが含まれる。
【0044】
制御部320は、CPUやASIC等から構成される。制御部320は、記憶部310に記憶されたプログラム311に従って動作し、当該プログラム311に従った処理を実行する。制御部320は、記憶部310に記憶されたプログラム311により提供される主要な機能部として、リクエスト受け付け部321と、使用ストレージ設定部322と、コンテンツ配信部323と、を備える。
【0045】
リクエスト受け付け部321は、情報端末200からユーザによる動画配信のリクエストを受け付ける機能部である。リクエストには、例えばユーザ名、ユーザID、対象動画ファイルID、リクエスト年月日、などが含まれ、リクエスト受け付け部321は、受け付けたリクエスト情報を閲覧情報313として格納する機能を有している。
【0046】
使用ストレージ設定部322は、管理装置100からの指示に基づいて、使用するストレージサーバを設定する機能部である。具体的に、使用ストレージ設定部322は、管理装置100から第2ストレージサーバ600を使用する指示を受信した場合、第2ストレージサーバ600を使用ストレージサーバとして設定し、管理装置100から第1ストレージサーバ500を使用する指示を受信した場合、第1ストレージサーバ500を使用ストレージサーバとして設定する。なお、初期の設定としては、第1ストレージサーバ500が設定されていればよい。
【0047】
コンテンツ配信部323は、使用ストレージ設定部322に記憶された配信用動画ファイルを提供することで、情報端末200から送信されたユーザのリクエストに対応した動画コンテンツを、当該ユーザに提供する機能部である。
【0048】
入出力部330は、キーボード、マウス、カメラ、マイク、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成され、各種データの入出力を行うための装置である。
【0049】
通信部340は、ストリーミングサーバ300が、コンピュータ通信網400を介して、管理装置100、情報端末200、第1ストレージサーバ500および第2ストレージサーバ600などといった他の情報端末と通信を行うためのデバイスである。以上が、ストリーミングサーバ300の構成である。
【0050】
(動作)
続いて管理装置100の動作について説明する。図5は、管理装置100におけるコンテンツ管理処理の一例を示すフローチャートである。なお、コンテンツ管理処理は、複数のコンテンツを対象として実行されてもよいし、コンテンツ毎に実行されてもよい。この実施の形態におけるコンテンツ管理処理はコンテンツ毎に実行され、配信対象の動画ファイル、すなわち管理対象の動画ファイルがコンテンツBである場合を例に説明する。コンテンツ管理処理は、当該コンテンツBのライブ配信が行われることにより、ストリーミングサーバ300から通知を受け開始される。また、上述したように、コンテンツBのライブ配信によりユーザに配信される動画は、リアルタイムでストリーミングサーバ300からライブ配信されるとともに、第1ストレージサーバ500に保存されている。コンテンツ管理処理は、例えば毎日0時など、予め定められた時間に定期的に実行されてもよい。定期的にコンテンツ管理処理を実行する場合、ステップS11~S15の処理についてはスキップされることがあってもよい。
【0051】
コンテンツ管理処理を開始すると、制御部120は、コンテンツ移動コピー部122の機能により、コンテンツBがライブ配信されてから30日経過したか否かを判定する(ステップS11)。具体的に、ステップS11の処理においてコンテンツ移動コピー部122は、ストリーミングサーバ300からコンテンツBのライブ配信を開始した旨の通知を受けてから、30日が経過したか否かを、内部のタイマにより判定する。なお、経過日数については任意に変更可能である。ステップS11の処理において30日経過していないと判定した場合(ステップS11;No)、制御部120は、そのまま30日経過するまで待機する。
【0052】
一方、ステップS11の処理において30日経過したと判定した場合(ステップS11;Yes)、制御部120は、コンテンツ移動コピー部122の機能により、第1ストレージサーバ500に2つ記憶されたコンテンツBに対応する動画ファイルのうち、1つを削除する(ステップS12)。具体的に、ステップS12の処理においてコンテンツ移動コピー部122は、第1ストレージサーバ500に記憶された配信対象の動画ファイルのうち、バックアップ用に記憶されたコンテンツBに対応する配信対象の動画ファイルを削除する。
【0053】
ステップS12の処理を実行した後、制御部120は、ユーザからのコンテンツBについての最終のリクエストから30日経過したか否かを判定する(ステップS13)。具体的にステップS13の処理において制御部120は、情報取得部121の機能により、ユーザからの動画配信についてのリクエスト状況を、ストリーミングサーバ300から取得する。そして、制御部120は、コンテンツ移動コピー部122の機能により、コンテンツBに対するユーザからの前回のリクエストから30日が経過してもいずれのユーザからもリクエストがない場合に、コンテンツBについての最終のリクエストから30日経過したと判定する。ステップS13の処理において最終のリクエストから30日経過していないと判定した場合(ステップS13;No)、制御部120は、そのまま30日経過するまで待機する。なお、経過日数については任意に変更可能である。
【0054】
ステップS13の処理において最終のリクエストから30日経過したと判定した場合(ステップS13;Yes)、制御部120は、コンテンツ移動コピー部122の機能により、コンテンツBに対応する配信対象の動画ファイルを、第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へ移動する(ステップS14)。具体的に、ステップS14の処理においてコンテンツ移動コピー部122は、第1ストレージサーバ500に記憶されたコンテンツBに対応する配信対象の動画ファイルであって、ステップS12の処理で削除されなかった動画ファイルを、第2ストレージサーバ600へコピーするとともに、当該動画ファイルを第1ストレージサーバ500から削除する。上述したように、第1ストレージサーバ500は、第2ストレージサーバ600と比較して、配信対象の動画ファイルの保管料が高いものの、多くの通信量にも耐えられ、通信スピードも速いサーバであり、ユーザからのリクエストの多い動画ファイルの保管に適している。また、第2ストレージサーバ600は、第1ストレージサーバ500と比較して、配信対象の動画ファイルの保管料が安い一方、多くの通信量には耐えられず、通信スピードも遅いサーバである。そのため、第2ストレージサーバ600は、ユーザからのリクエストの少ない動画ファイルの保管に適している。したがって、ステップS14の処理を実行することにより、ユーザからのリクエスト数が少ないコンテンツBの配信対象の動画ファイルの保管料を低減させることができ、管理コストを考慮した管理を行うことができる。
【0055】
ステップS14の処理を実行した後、制御部120は、使用ストレージ指示部125の機能により、第2ストレージサーバ600の使用をストリーミングサーバ300へ指示する(ステップS15)。具体的にステップS15の処理において使用ストレージ指示部125は、第2ストレージサーバ600に記憶された動画ファイルを配信対象とする旨の指示情報をストリーミングサーバ300へ送信することで、第2ストレージサーバ600の使用をストリーミングサーバ300へ指示する。
【0056】
ステップS15の処理を実行した後、制御部120は、リクエスト条件を達成したか否かを判定する(ステップS16)。具体的にステップS16の処理において制御部120は、情報取得部121の機能により、ユーザからの動画配信についてのリクエスト状況を、ストリーミングサーバ300から取得する。そして、取得したコンテンツごとのリクエスト状況に基づいて、リクエスト数推定部123の機能により、コンテンツBに対応するリクエスト数のうち、直近の1時間以内のリクエスト数が10以上であるといったリクエスト条件を達成したか否かを判定する。ステップS16の処理においてリクエスト条件を達成していないと判定した場合(ステップS16;No)、制御部120は、そのままリクエスト条件を達成するまで待機する。
【0057】
一方、ステップS16の処理においてリクエスト条件を達成したと判定した場合(ステップS16;Yes)、制御部120は、リクエスト数推定部123の機能により、コンテンツBにおける今後のリクエスト数の推定を行う(ステップS17)。具体的にステップS17の処理においてリクエスト数推定部123は、情報取得部121が取得したコンテンツごとのリクエスト状況のうち、当該コンテンツBのリクエスト状況と似たような推移をしているデータ(類似推移のデータ)を過去データ112から特定し、今後のコンテンツBにおけるリクエスト数の推定を行う。例えば、図7に示すように、タイミングTAにおいてコンテンツBのリクエスト数が急増していることが示される場合、ステップS16の処理においてリクエスト条件を達成したと判定される。そして、リクエスト数推定部123は、ステップS17の処理において、当該コンテンツBの推移が図4に示すコンテンツAの推移と似ていると判定し、コンテンツBのリクエスト数がタイミングTA以降、図7に示すように推移すると推定する。なお、上述したように、コンテンツBはサッカーの競技ジャンルであり、コンテンツAもサッカーの競技ジャンルであるといったように、この例では、当該配信対象の動画ファイルのジャンルと同等のコンテンツに対応した過去データ112に基づいて今後のリクエスト数の推定を行う。この他にも、異なるジャンルの過去データを利用してもよい。また、推移が似ているか否かについては、例えば予め設定された誤差の範囲内で推移している場合に、推移が似ていると判定すればよい。また、例えば現在までのコンテンツBにおけるリクエスト推移との一致度や類似度を算出し、一致度や類似度が予め定められた値以上であるものを似た推移(類似する推移)であると判定してもよい。
【0058】
図5のステップS17の処理を実行した後、制御部120は、コンテンツコピー判定部124の機能により、第2ストレージサーバ600による管理よりも第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い場合に達成となる条件であるコピー条件を達成するか否かを判定する(ステップS18)。具体的にステップS18の処理においてコンテンツコピー判定部124は、リクエスト数推定部123の機能により推定されたコンテンツBの今後のリクエスト数の推移に基づいて、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低いのか、それとも、第2ストレージサーバ600のままの方が、管理コストが低いのか、を判定する。この例におけるコンテンツBの今後のリクエスト数の推移は、似た推移の過去データ112、すなわちコンテンツAのデータに基づいて推定されており、上述したようにコンテンツAの過去データ112は、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い例を示していることから、ステップS18においてコピー条件を達成すると判定する。すなわち、ステップS18においてコンテンツコピー判定部124は、コンテンツBと似た推移のコンテンツAの推移を、コンテンツBにおける今後の推移と仮定して、第1ストレージサーバ500による管理コストと第2ストレージサーバ600の管理コストとを算出し、第1ストレージサーバ500による管理コストの方が、管理コストが低いと判定する。一方、第2ストレージサーバ600のままの方が、管理コストが低いコンテンツの過去データ112に基づいて今後のリクエスト数の推定がなされた場合には、ステップS18の処理においてコピー条件を達成しないと判定されることとなる。なお、コピー条件は、これに加え、1時間以内のリクエスト数や、リクエスト頻度などが設定されていてもよい。ここで、第1ストレージサーバ500による管理コストは、該当コンテンツにおける、第1ストレージサーバ500で保管するコストと、第1ストレージサーバ500で転送するコストと、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へ送信するコストとに基づいて算出してもよい。また、第2ストレージサーバ600による管理コストは、該当コンテンツについて第2ストレージサーバ600で保管するコストと、第2ストレージサーバ600で転送するコストに基づいて算出してもよい。
【0059】
ステップS18の処理においてコピー条件を達成しないと判定した場合(ステップS18;No)、制御部120は、そのままコンテンツ管理処理を終了する。一方、ステップS18の処理においてコピー条件を達成したと判定した場合(ステップS18;Yes)、制御部120は、コンテンツ移動コピー部122の機能により、ステップS14の処理で移動したコンテンツBに対応する配信対象の動画ファイルを、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコピーする(ステップS19)。具体的に、ステップS19の処理においてコンテンツ移動コピー部122は、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBに対応する配信対象の動画ファイルであって、ステップS14の処理で移動された動画ファイルを、第1ストレージサーバ500へコピーする。上述したように、第1ストレージサーバ500は、第2ストレージサーバ600と比較して、配信対象の動画ファイルの保管料が高いものの、多くの通信量にも耐えられ、通信スピードも速いサーバであり、ユーザからのリクエストの多い動画ファイルの保管に適している。また、第2ストレージサーバ600は、第1ストレージサーバ500と比較して、配信対象の動画ファイルの保管料が安い一方、多くの通信量には耐えられず、通信スピードも遅いサーバであり、多くの通信量に耐えられるようにしたり、通信スピードを速めると、第1ストレージサーバ500よりもコストがかかるサーバである。そのため、第2ストレージサーバ600は、ユーザからのリクエストの少ない動画ファイルの保管に適している。したがって、ステップS19の処理を実行することにより、ユーザからのリクエスト数が増加したコンテンツBの配信対象の動画ファイルについて、多くの通信量に耐え、かつ好適な通信スピードでユーザにコンテンツBの動画配信を行うことができ、管理コストを考慮した管理を行うことができる。なお、ステップS19の処理では、コンテンツ移動コピー部122の機能により、ステップS14の処理で移動したコンテンツBに対応する配信対象の動画ファイルを、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へコピーするのみではなく、移動させてもよい。すなわち、コピーした後に、当該動画ファイルを削除してもよい。
【0060】
ステップS19の処理を実行した後、制御部120は、使用ストレージ指示部125の機能により、第1ストレージサーバ500の使用をストリーミングサーバ300へ指示し(ステップS20)、コンテンツ管理処理を終了する。具体的にステップS20の処理において使用ストレージ指示部125は、ステップS19の処理でコピーしたコンテンツBの動画ファイルであって、第1ストレージサーバ500に記憶された動画ファイルを配信対象とする旨の指示情報をストリーミングサーバ300へ送信することで、第1ストレージサーバ500の使用をストリーミングサーバ300へ指示する。
【0061】
なお、ステップS20の処理を実行した後、ステップS13の処理に戻り、ステップS19の処理でコピーしたコンテンツBについての最終のリクエストから30日経過したか否かを判定し、ステップS14以降の処理を繰り返し実行してもよい。これによれば、リクエストが急増したコンテンツについて、再度リクエストが減少した場合の動画ファイルの保管料を低減させることができ、管理コストを考慮した管理を行うことができる。
【0062】
続いてストリーミングサーバ300の動作について説明する。図6は、ストリーミングサーバ300におけるストレージ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。ストレージ切り替え処理は、管理装置100から指示情報を受信することにより実行を開始する。なお、ストレージ切り替え処理は、ユーザによる入力操作により実行を開始してもよく、一旦実行した後は、実行を継続してもよい。この場合、後述するステップS35の処理の実行後やステップS33の処理にてNoと判定した場合、ステップS31の処理に戻ればよい。なお、初期設定では、第1ストレージサーバ500が、使用ストレージサーバとして設定されている。
【0063】
図6に示すストレージ切り替え処理を開始すると、制御部320は、管理装置100から第2ストレージサーバ600を使用する第2ストレージサーバ使用指示を受信したか否かを判定する(ステップS31)。具体的にステップS31の処理において制御部320は、第2ストレージサーバ600に記憶された動画ファイルを配信対象とする旨の指示情報を受信したか否かを判定する。より具体的に、制御部320は、図5のステップS15の処理により管理装置100から送信された、第2ストレージサーバ600に記憶された動画ファイルを配信対象とする旨の指示情報を受信したか否かを判定する。
【0064】
図6に示すステップS31の処理において第2ストレージサーバ使用指示を受信したと判定した場合(ステップS31;Yes)、制御部320は、使用ストレージ設定部322の機能により、使用ストレージサーバを第2ストレージサーバ600へ切り替える(ステップS32)。具体的にステップS32の処理において使用ストレージ設定部322は、第2ストレージサーバ600に記憶された動画ファイルを配信対象とするよう、使用ストレージサーバの設定を、第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へ切り替える。すなわち、ステップS32の処理において使用ストレージ設定部322は、図5のステップS14の処理で第2ストレージサーバ600へ移動したコンテンツBの動画ファイルを配信対象とするよう、使用ストレージサーバの設定を、第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へ切り替える。これにより、リクエスト受け付け部321の機能によりユーザによるコンテンツBの動画配信のリクエストを受け付けると、コンテンツ配信部323の機能により、当該リクエストに対応して、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBの動画配信が行われることとなる。
【0065】
図6に示すステップS32の処理を実行した後、またはステップS31の処理において第2ストレージサーバ使用指示を受信していないと判定した場合(ステップS31;No)、制御部320は、管理装置100から第1ストレージサーバ500を使用する第1ストレージサーバ使用指示を受信したか否かを判定する(ステップS33)。具体的にステップS33の処理において制御部320は、第1ストレージサーバ500に記憶された動画ファイルを配信対象とする旨の指示情報を受信したか否かを判定する。より具体的に、制御部320は、図5のステップS20の処理により管理装置100から送信された、第1ストレージサーバ500に記憶された動画ファイルを配信対象とする旨の指示情報を受信したか否かを判定する。図6に示すステップS33の処理において第1ストレージサーバ使用指示を受信していないと判定した場合(ステップS33;No)、制御部320は、そのままストレージ切り替え処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS33の処理において第1ストレージサーバ使用指示を受信したと判定した場合(ステップS33;Yes)、制御部320は、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBの動画配信を視聴中のユーザが存在するか否かを判定する(ステップS34)。具体的にステップS34の処理において制御部320は、コンテンツ配信部323の機能により、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBに対応する動画ファイルの配信中であるか否かにより、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBの動画配信を視聴中のユーザが存在するか否かを判定する。ステップS34の処理において、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBの動画配信を視聴中のユーザが存在すると判定した場合(ステップS34;Yes)、すなわち、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBに対応する動画ファイルの配信中である場合、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBの動画配信を視聴中のユーザが存在しなくなるまで待機する。具体的に、コンテンツ配信部323の機能による第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBに対応する動画ファイルの配信が終了したことにより、視聴中のユーザの存在を確認すればよい。
【0067】
一方、ステップS34の処理において、第2ストレージサーバ600に記憶されたコンテンツBの動画配信を視聴中のユーザが存在しないと判定した場合(ステップS34;No)、制御部320は、使用ストレージ設定部322の機能により、使用ストレージサーバを第1ストレージサーバ500へ切り替え(ステップS35)、ストレージ切り替え処理を終了する。具体的にステップS34の処理において使用ストレージ設定部322は、第1ストレージサーバ500に記憶された動画ファイルを配信対象とするよう、使用ストレージサーバの設定を、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へ切り替える。すなわち、ステップS34の処理において使用ストレージ設定部322は、図5のステップS19の処理で第1ストレージサーバ500へコピーしたコンテンツBの動画ファイルを配信対象とするよう、使用ストレージサーバの設定を、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へ切り替える。これにより、リクエスト受け付け部321の機能によりユーザによるコンテンツBの動画配信のリクエストを受け付けると、コンテンツ配信部323の機能により、当該リクエストに対応して、第1ストレージサーバ500に記憶されたコンテンツBの動画配信が行われることとなる。
【0068】
このように、管理装置100におけるコンテンツ管理処理およびストリーミングサーバ300におけるストレージ切り替え処理が行われることで、ユーザによる動画配信のリクエストが少ない配信対象の動画ファイルについては、ユーザからのリクエストの少ない動画ファイルの保管に適したサーバである第2ストレージサーバ600で管理する。また、ユーザによる動画配信のリクエストが急増した場合、これまでのデータに基づいて今後のリクエスト数を推定し、第1ストレージサーバ500と第2ストレージサーバ600のいずれで管理した方が、管理コストが低減できるのかを判定する。そして、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い場合には、当該配信対象の動画ファイルを第1ストレージサーバ500へコピーし、ユーザからのリクエストの多い動画ファイルの保管に適したサーバである第1ストレージサーバ500で管理する。
【0069】
図7は、コンテンツBのリクエスト数の推移の一例を示す説明図である。図示するように、コンテンツBのライブ配信が行われたタイミングT1から徐々にリクエスト数は減少し、タイミングT2において最後のリクエストがあったとする。そして、最後のリクエストから30日が経過すると、図5のステップS14、ステップS15、図6のステップS32の処理が実行され、図7に示すタイミングT3において、使用ストレージが第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へと切り替わる。
【0070】
そして、図7に示すタイミングTAにおいて図5のステップS16の処理が実行されると、リクエスト条件を達成したと判定される。続けてステップS17の処理において、当該コンテンツBの今後のリクエスト数の推移として、図4に示すコンテンツAと動揺の推移となると推定される。そして、図4に示すコンテンツAのリクエスト数の推移では、タイミングTQ以降、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低い例を示していることから、図5のステップS18の処理にてコピー条件を達成すると判定され、ステップS19の処理にて第1ストレージサーバ500へ、コンテンツBの動画ファイルがコピーされる。そのため、図5に示すステップS20の処理および図6のステップS35の処理が行われ、図7に示すタイミングT4において、使用ストレージが第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へと切り替わる。
【0071】
そして、図7に示すタイミングT5において最後のリクエストがあってから、30日が経過し、タイミングT6となると、再度、図5のステップS14、ステップS15、図6のステップS32の処理が実行され、図7に示すタイミングT3において、使用ストレージが第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へと切り替わることとなる。なお、タイミングT5経過後、タイミングT6より前に、図5のステップS14、ステップS15、図6のステップS32の処理を実行するようにしてもよい。
【0072】
以上が管理装置100、ストリーミングサーバ300の動作である。このように、この実施の形態における管理装置100によれば、図5のステップS14の処理を実行することにより、配信対象の動画ファイルを、第1ストレージサーバ500から第2ストレージサーバ600へ移動する。そのため、ユーザからのリクエスト数が少ない配信対象の動画ファイルの保管料を低減させることができ、管理コストを考慮した管理を行うことができる。また、ステップS19の処理を実行することにより、配信対象の動画ファイルを、第2ストレージサーバ600から第1ストレージサーバ500へ移動する。そのため、ユーザからのリクエスト数が増加した配信対象の動画ファイルについて、多くの通信量に耐え、かつ好適な通信スピードでユーザに動画配信を行うことができ、管理コストを考慮した管理を行うことができる。
【0073】
また、この実施の形態における管理装置100によれば、図5のステップS15およびステップS20の処理を実行することで、ストリーミングサーバ300に対し、管理コストを考慮した使用指示を行う。したがって、ストレージの管理コストを考慮して柔軟に使用ストレージサーバの指示を行うことができる。
【0074】
また、この実施の形態における管理装置100によれば、図5のステップS17の処理において、情報取得部121が取得したコンテンツごとのリクエスト状況のうち、当該コンテンツBのリクエスト状況と似たような推移をしているデータ(類似推移のデータ)を過去データ112から特定し、今後のコンテンツBにおけるリクエスト数の推定を行う。したがって、管理する対象の動画ファイルについての今後のリクエスト数の推定を過去のデータに従って行うことができ、過去のデータに基づく管理コストを考慮した管理を行うことができる。また、この実施の形態における管理装置100によれば、図5のステップS16の処理においてリクエスト条件を達成したと判定した場合に、ステップS17の処理においてリクエスト数の推定を行う。したがって、常時リクエスト数の推定を行う必要がなく、処理負担を軽減することができる。
【0075】
また、この実施の形態における管理装置100によれば、図5のステップS17の処理において、配信対象の動画ファイルのジャンルと同等のコンテンツに対応した過去データ112に基づいて今後のリクエスト数の推定を行う。したがって、管理する対象の動画ファイルについての今後のリクエスト数の推定を同一ジャンルの過去のデータに従って行うことができ、同一ジャンルの過去のデータに基づく管理コストを考慮した管理を行うことができる。
【0076】
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態に係る管理装置100やストリーミングサーバ300は、上記で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0077】
上記実施の形態では、図7において、コンテンツBの推移が図4に示すコンテンツAと同様の推移で移行した例を示しているが、これは一例である。例えば、図5のステップS17の処理において推定したコンテンツBのリクエスト数の今後の推移よりも、予め定められた値以上低いリクエスト数でコンテンツBの実際のリクエスト数が推移した場合には、図5のステップS18の処理においてコピー条件を達成すると判定しないよう制限してもよい。例えば、図5のステップS17の処理においてコンテンツBにおける今後のリクエスト数の推定を行った後1時間におけるリクエスト数を取得し、当該リクエスト数がステップS17の処理において推定したコンテンツBのリクエスト数の今後の推移よりも、予め定められた値以上低い場合、S18の処理においてコピー条件を達成しないと判定してもよい。これによれば、実際のリクエスト数の推移に基づいて使用ストレージサーバを変更することができ、より柔軟な管理を実現することができる。
【0078】
これに加え、コピー条件については、配信対象の動画ファイル、すなわちコンテンツのジャンル毎に異なる条件であってもよい。例えば、配信対象の動画ファイルがサッカーの競技ジャンルである場合には、リクエスト数推定部123の機能により推定されたコンテンツBの今後のリクエスト数の推移において、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低いときに、コピー条件を達成すると判定する一方で、配信対象の動画ファイルが野球の競技ジャンルである場合には、サッカーの競技ジャンルの場合のコピー条件に加え、図5のステップS17の処理における今後のリクエスト数の推定を行った後1時間のリクエスト数がステップS17の処理において推定したリクエスト数の今後の推移よりも、予め定められた値以上低い場合、コピー条件を達成しないと判定してもよい。これによれば、配信対象の動画ファイルを競技ジャンルごとに柔軟に管理することができる。
【0079】
また、上記実施の形態では、図5のステップS17およびステップS18の処理において、対象のコンテンツのリクエスト状況と似たような推移をしているデータを過去データ112から特定して今後のリクエスト数の推定を行い、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低いのか否かを判定する例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば過去データ112の内容をAI(Artificial Intelligence)を用いて機械学習モデルとして機械学習させ、対象のコンテンツにおける今後のリクエスト数を、当該機械学習モデルを用いて推定してもよい。なお、機械学習については、例えばサッカーや野球などの競技ジャンル毎に分けて行ってもよい。そして、今後のリクエスト数をジャンル毎に機械学習された機械学習モデルを用いて推定してもよい。また、第1ストレージサーバ500による管理の方が、管理コストが低いのか否かについても、過去データ112により示されるリクエスト数の推移のうち、第1ストレージサーバ500により管理した方が、管理コストが低くなるリクエスト数の推移を教師データとして学習したAIを用いて機械学習モデルにより判定してもよい。これによれば、配信対象の動画ファイルを、より柔軟に管理することができる。なお、このようにAIを用いて今後のリクエスト数を推定する場合、図5のステップS16におけるリクエスト条件の達成有無についてはスキップし、ステップS17の処理においてAIを用いて今後のリクエスト数の推移を定期的に推定すればよい。これによれば、機械学習モデルを用いた今後のリクエスト数の推移を推定することができ、推定精度を高めることができる。また、第1ストレージサーバ500により管理すべきか否か、といった管理コストの判定についても機械学習モデルを用いることで、判定精度を高めることができる。
【0080】
また、上記実施の形態では、図5のステップS16の処理において、直近の1時間以内のリクエスト数が10以上である場合にリクエスト条件を達成すると判定したが、これは一例である。リクエスト条件は、配信対象の動画ファイル、すなわちコンテンツのジャンル毎に異なる条件であってもよい。さらに、同じジャンルのコンテンツであっても、ライブ配信が行われた日時によって異なるリクエスト条件としてもよい。さらに、例えば同じスポーツのジャンルであっても、サッカーなのか野球なのかといった競技ジャンルにより異なるリクエスト条件としてもよい。さらに、配信対象の動画ファイルが音楽や演劇などの場合には、出演アーティストによって異なるリクエスト条件としてもよい。これによれば、配信対象の動画ファイルを、より柔軟に管理することができる。
【0081】
また、管理装置100は、リクエスト頻度を推定する際、過去の口コミ情報やニュース情報を用いてもよい。例えば、保存しているコンテンツに対応するキーワードが、季節的要因などにより、口コミ情報やニュース情報において一時的に使用されるような場合、結果として再度第2ストレージサーバ600に戻した方がコストが下がる可能性があるので、頻度を低めに設定してもよい。また、保存しているコンテンツに対応するキーワードが、口コミ情報やニュース情報において徐々に使用されている場合、頻度を高めに設定してもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、バックアップ用の動画ファイルを記憶する場合について述べたが、バックアップ用の動画ファイルを配信時から記憶していなくてもよい。
【0083】
なお、上記実施の形態に係る管理装置100およびストリーミングサーバ300は、専用の装置によらず、通常のコンピュータを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した記録媒体から該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する管理装置100を構成してもよい。また、複数のコンピュータが協働して動作することによって、1つの管理装置100およびストリーミングサーバ300を構成してもよい。
【0084】
また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0085】
また、搬送波にプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS、Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、オペレーティングシステムの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0086】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0087】
(付記1)
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部と、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部と、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部と、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管料が高いものの、通信速度において優れている、
ことを特徴とする管理装置。
【0088】
(付記2)
前記第1ストレージと前記第2ストレージのうち、いずれに保管された前記動画ファイルを配信対象とするのかを、ストリーミングサーバに指示する指示部をさらに備え、
前記指示部は、前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された場合に、前記第2ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示し、前記管理部により前記動画ファイルが前記第1ストレージに再度保管された場合に、前記第1ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示する、
ことを特徴とする付記1に記載の管理装置。
【0089】
(付記3)
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部をさらに備え、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の管理装置。
【0090】
(付記4)
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルにおける予め定められた期間内のリクエスト状況が、規定値以上である場合に、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする付記3に記載の管理装置。
【0091】
(付記5)
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする付記3または4に記載の管理装置。
【0092】
(付記6)
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部をさらに備え、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況に基づいて前記動画ファイルの属するカテゴリごとに機械学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の管理装置。
【0093】
(付記7)
前記判定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況により示される前記ユーザからのリクエストの推移のうち、前記第1ストレージで保管すべき前記動画ファイルの推移を教師データとして学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする付記6に記載の管理装置。
【0094】
(付記8)
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置による管理方法であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定ステップと、
前記リクエスト推定ステップで推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理ステップと、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管料が高いものの、通信速度において優れている、
ことを特徴とする管理方法。
【0095】
(付記9)
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置を、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部、として機能させ、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管料が高いものの、通信速度において優れている、
ことを特徴とするプログラム。
【0096】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明によれば、ストレージコストを考慮しつつ配信対象の動画ファイルを柔軟に管理することが可能な管理装置、管理方法及びプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0098】
100 管理装置
110、310 記憶部
111、311 プログラム
112 過去データ
120、320 制御部
121 情報取得部
122 コンテンツ移動コピー部
123 リクエスト数推定部
124 コンテンツコピー判定部
125 使用ストレージ指示部
130、330 入出力部
140、340 通信部
200 情報端末
300 ストリーミングサーバ
312 配信対象の動画ファイル
313 閲覧情報
321 リクエスト受け付け部
322 使用ストレージ設定部
323 コンテンツ配信部
400 コンピュータ通信網
500 第1ストレージサーバ
600 第2ストレージサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2025-02-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部と、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部と、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部と
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部と、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れており
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定し、
前記判定部は、前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルの属するカテゴリ毎に、異なる条件に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記第1ストレージと前記第2ストレージのうち、いずれに保管された前記動画ファイルを配信対象とするのかを、ストリーミングサーバに指示する指示部をさらに備え、
前記指示部は、前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された場合に、前記第2ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示し、前記管理部により前記動画ファイルが前記第1ストレージに再度保管された場合に、前記第1ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルにおける予め定められた期間内のリクエスト状況が、規定値以上である場合に、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況に基づいて前記動画ファイルの属するカテゴリごとに機械学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況により示される前記ユーザからのリクエストの推移のうち、前記第1ストレージで保管すべき前記動画ファイルの推移を教師データとして学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項に記載の管理装置。
【請求項6】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置による管理方法であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定ステップと、
前記リクエスト推定ステップで推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理ステップと
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得ステップと、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れており
前記リクエスト推定ステップでは、前記取得ステップで取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定し、
前記判定ステップでは、前記リクエスト推定ステップで推定された前記動画ファイルの属するカテゴリ毎に、異なる条件に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする管理方法。
【請求項7】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置を、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部、として機能させ、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れており
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定し、
前記判定部は、前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルの属するカテゴリ毎に、異なる条件に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とするプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2025-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部と、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部と、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部と、
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部と、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れており、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定し、
前記判定部は、前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルの属するカテゴリ毎に、前記カテゴリにより特定される競技の種類、前記カテゴリにより特定される出演者、前記動画ファイルの配信日時、の少なくともいずれかに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべき第1段階の条件である第1条件が成立するか否かを判定し、前記第1条件が成立したと判定した場合において、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべき第2段階の条件であって前記カテゴリに応じて異なる第2条件が成立したときに、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管すると判定する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記第1ストレージと前記第2ストレージのうち、いずれに保管された前記動画ファイルを配信対象とするのかを、ストリーミングサーバに指示する指示部をさらに備え、
前記指示部は、前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された場合に、前記第2ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示し、前記管理部により前記動画ファイルが前記第1ストレージに再度保管された場合に、前記第1ストレージに保管された前記動画ファイルを配信対象とする旨を、前記ストリーミングサーバに指示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルにおける予め定められた期間内のリクエスト状況が、規定値以上である場合に、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況に基づいて前記動画ファイルの属するカテゴリごとに機械学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況により示される前記ユーザからのリクエストの推移のうち、前記第1ストレージで保管すべき前記動画ファイルの推移を教師データとして学習した学習モデルを用いて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置による管理方法であって、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定ステップと、
前記リクエスト推定ステップで推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理ステップと、
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得ステップと、を備え、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れており、
前記リクエスト推定ステップでは、前記取得ステップで取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定し、
前記判定ステップでは、前記リクエスト推定ステップで推定された前記動画ファイルの属するカテゴリ毎に、前記カテゴリにより特定される競技の種類、前記カテゴリにより特定される出演者、前記動画ファイルの配信日時、の少なくともいずれかに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべき第1段階の条件である第1条件が成立するか否かを判定し、前記第1条件が成立したと判定した場合において、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべき第2段階の条件であって前記カテゴリに応じて異なる第2条件が成立したときに、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管すると判定する、
ことを特徴とする管理方法。
【請求項7】
ライブ配信された動画を録画した動画ファイルを管理する管理装置を、
前記動画ファイルが第1ストレージに保管された後、予め定められた期間内にユーザからのリクエストが受け付けられなかった場合に、前記動画ファイルを前記第1ストレージとは異なる第2ストレージに移動する移動部、
前記移動部により前記動画ファイルが前記第2ストレージに移動された後、前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移を推定するリクエスト推定部、
前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルにおける前記ユーザからの今後のリクエストの推移から特定される、前記第1ストレージと前記第2ストレージのそれぞれの管理コストに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべきか否かを判定する判定部、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管する管理部、
前記ユーザからのリクエスト状況を取得する取得部、として機能させ、
前記第1ストレージは、前記第2ストレージよりも前記動画ファイルの保管コストが高いものの、通信コストにおいて優れており、
前記リクエスト推定部は、前記取得部で取得した前記ユーザからのリクエスト状況のうち、前記動画ファイルの現在までのリクエスト状況と類似する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況であって、前記動画ファイルの属するカテゴリと同一のカテゴリに属する前記動画ファイルの過去のリクエスト状況に基づいて、前記動画ファイルにおける前記ユーザからのリクエストの推移を推定し、
前記判定部は、前記リクエスト推定部で推定された前記動画ファイルの属するカテゴリ毎に、前記カテゴリにより特定される競技の種類、前記カテゴリにより特定される出演者、前記動画ファイルの配信日時、の少なくともいずれかに基づいて、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべき第1段階の条件である第1条件が成立するか否かを判定し、前記第1条件が成立したと判定した場合において、前記動画ファイルを前記第1ストレージにて保管すべき第2段階の条件であって前記カテゴリに応じて異なる第2条件が成立したときに、前記動画ファイルを前記第1ストレージに再度保管すると判定する、
ことを特徴とするプログラム。