(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025164472
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】光トランシーバ、光通信システム、光通信の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/077 20130101AFI20251023BHJP
H04B 10/40 20130101ALI20251023BHJP
【FI】
H04B10/077 190
H04B10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068475
(22)【出願日】2024-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】仲野 雅之
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA41
5K102AM02
5K102AM06
5K102LA04
5K102LA05
5K102LA11
5K102LA24
5K102LA32
5K102LA33
5K102LA54
5K102PH47
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】光トランシーバにおける光通信の設定を柔軟に変更する。
【解決手段】光信号受信手段は、制御情報を含む第1の光信号を受信する。記憶手段は、光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報を格納している。光通信手段は、通信相手と光通信を行う。制御処理手段は、前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御情報を含む第1の光信号を受信する光信号受信手段と、
光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段と、
通信相手と光通信を行う光通信手段と、
前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する制御処理手段と、を備える、
光トランシーバ。
【請求項2】
前記第1の光信号は、制御対象を指定する識別情報を含み、
前記制御処理手段は、
前記制御処理手段が設けられた前記光トランシーバが、前記識別情報によって前記制御対象として指定されている場合に、前記制御情報により指定された前記設定情報を前記記憶手段から取得する、
請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記光信号受信手段には、前記光通信手段が受信する第2の光信号に前記第1の光信号が重畳された第3の光信号が入力され、
前記光信号受信手段は、
前記第3の光信号を2つに分岐し、一方を前記光通信手段へ出力する光分岐手段と、
前記光分岐手段で分岐された他方の前記第3の光信号を受光し、受光結果を示す信号を出力する受光素子と、
前記受光結果を示す信号に所定の処理を行った受信信号を前記制御処理手段へ出力する信号処理手段と、を備える、
請求項1又は2に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記第3の光信号は、前記第2の光信号を変調することで、前記第2の光信号に前記第1の光信号を重畳した信号である、
請求項3に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
前記第3の光信号は、前記第2の光信号を振幅偏移変調によって変調することで、前記第2の光信号に前記第1の光信号を重畳した信号である、
請求項4に記載の光トランシーバ。
【請求項6】
前記光信号受信手段には、第1の波長を有する前記第1の光信号と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2の光信号と、が波長多重された波長多重信号が入力され、
前記光信号受信手段は、
前記波長多重信号を第1及び第2の光信号に波長分離し、前記第2の光信号を前記光通信手段へ出力する波長分離手段と、
前記波長分離手段で分岐された前記第1の光信号を受光し、受光結果を示す信号を出力する受光素子と、
前記受光結果を示す信号に所定の処理を行った受信信号を前記制御処理手段へ出力する信号処理手段と、を備える、
請求項1又は2に記載の光トランシーバ。
【請求項7】
前記第1の光信号は、前記記憶手段に格納される新たな設定情報を含み、
前記制御処理手段は、前記新たな設定情報を前記記憶手段に格納する、
請求項1又は2に記載の光トランシーバ。
【請求項8】
制御情報を含む第1の光信号を送信する光信号送信手段と、
前記第1の光信号を受信し、前記第1の光信号に基づいて、通信相手との間で行う光通信を制御する光トランシーバと、を備え、
前記光トランシーバは、
前記第1の光信号を受信する光信号受信手段と、
前記光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段と、
前記通信相手と光通信を行う光通信手段と、
前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する制御処理手段と、を備える、
光通信システム。
【請求項9】
制御情報を含む第1の光信号を受信し、
前記制御情報により指定された設定情報を、通信相手との光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段から取得し、
取得した前記設定情報に基づいて、前記通信相手との前記光通信を制御する、
光通信の制御方法。
【請求項10】
受信した第1の光信号に含まれる制御情報により指定された設定情報を、通信相手との光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段から取得する処理と、
取得した前記設定情報に基づいて、前記通信相手との前記光通信を制御する処理と、をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光トランシーバ、光通信システム、光通信の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークの複雑化及び高速化に伴い、通信ノード間の伝送距離、帯域及び通信品質要求などは様々である。一般的な光通信システムにおいては、光トランシーバによって光信号の送受信を行う。一方で、光通信ネットワークにおいては、例えばアンテナ局側の光トランシーバは、柱上などの高所に設置される場合が多い。そのため、光トランシーバの通信設定を設置後に変更することは一般に困難である。
【0003】
そのため、設置後においても光トランシーバの動作を制御できる手法が求められる。例えば、特許文献1には、外部から与えられる電気信号に基づいて、送信する光の波長を制御する光送信モジュールが提案されている。この光送信モジュールでは、制御手段が、外部から波長選択信号を受け付ける。そして、波長制御手段は、波長選択信号と、制御情報格納手段に格納された波長制御情報とに基づいて、波長調整手段を制御する。波長調整手段は、制御に応じて、レーザダイオードから出力される光の波長を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光通信ネットワークにおいては、光トランシーバの波長以外の動作パラメータや、光トランシーバの制御に用いる組み込みソフトなどの設定情報を変更することを求められる場合が有る。これに対し、例えば特許文献1などの一般的な光トランシーバでは、波長以外の設定情報を変更することはそもそも困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である光トランシーバは、制御情報を含む第1の光信号を受信する光信号受信手段と、光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段と、通信相手と光通信を行う光通信手段と、前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する制御処理手段と、を備えるものである。
光トランシーバ。
【0007】
本開示の一態様である光通信システムは、制御情報を含む第1の光信号を送信する光信号送信手段と、前記第1の光信号を受信し、前記第1の光信号に基づいて、通信相手との間で行う光通信を制御する光トランシーバと、を備え、前記光トランシーバは、前記第1の光信号を受信する光信号受信手段と、前記光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段と、前記通信相手と光通信を行う光通信手段と、前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する制御処理手段と、を備えるものである。
【0008】
本開示の一態様である光通信の制御方法は、制御情報を含む第1の光信号を受信し、前記制御情報により指定された設定情報を、通信相手との光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段から取得し、取得した前記設定情報に基づいて、前記通信相手との前記光通信を制御するものである。
【0009】
本開示の一態様であるプログラムは、受信した第1の光信号に含まれる制御情報により指定された設定情報を、通信相手との光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段から取得する処理と、取得した前記設定情報に基づいて、前記通信相手との前記光通信を制御する処理と、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、光トランシーバにおける光通信の設定を柔軟に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態にかかる光トランシーバが用いられる光通信システムの構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図2】一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示す図である。
【
図4】一実施の形態にかかる光トランシーバの動作を示すフローチャートである。
【
図5】一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示す図である。
【
図6】一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示す図である。
【
図7】一実施の形態にかかる光トランシーバの動作を示すフローチャートである。
【
図8】光トランシーバの制御系を実現するためのコンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
以下で一実施の形態という場合、以下で説明する実施の形態のいずれか、又は、2つ以上の実施の形態の組み合わせに対して適用可能であり、特定の実施の形態に適用が限定されないことも意味する。
【0014】
実施の形態1
実施の形態1にかかる光トランシーバについて説明する。実施の形態1にかかる光トランシーバは、2つの通信装置間での特定の波長を有する光信号による通信に用いられる。
図1は、一実施の形態にかかる光トランシーバが用いられる光通信システムの構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図1の光通信システム1000は、通信装置1010及び1020を有する。通信装置1010と通信装置1020とは、光ファイバーケーブルなどで構成される光伝送路1030によって接続される。通信装置1010及び1020には、それぞれ、1つ以上の光トランシーバが設けられる。通信装置1010及び1020は、例えば、基地局などの任意の施設及び場所に設けられてもよい。なお、ここでは簡略化のため、2つの通信装置を有する光通信システムについて説明するが、光通信システムには、3つ以上の通信装置が設けられてもよいし、適宜他の装置が設けられてもよい。
【0015】
通信装置1010は、光伝送装置1011及び光トランシーバ100を有する。光トランシーバ100は、光伝送装置1011に取り付けられる。光伝送装置1011は、光トランシーバ100に送信データ信号などの信号を出力する。光トランシーバ100は、光伝送路1030を介して、通信装置1020へ光信号を送信する。光トランシーバ100は、光伝送路1030を介して通信装置1020から受信した光信号を変換した受信データ信号を、光伝送装置1011へ出力する。
【0016】
通信装置1020は、光伝送装置1021及び光トランシーバ1022を有する。光トランシーバ1022は、光伝送装置1021に取り付けられる。光伝送装置1021は、光トランシーバ1022に送信データ信号などの信号を出力する。光トランシーバ1022は、光伝送路1030を介して、通信装置1010へ光信号を送信する。光トランシーバ1022は、光伝送路1030を介して受信した光信号を変換した受信データ信号を、光伝送装置1021へ出力する。
【0017】
以下では、通信装置1020から通信装置1010へ、本実施の形態にかかる光トランシーバ100の設定変更を指示する光信号が送信される例について説明する。通信装置1020の光トランシーバ1022は、通信装置1010の光トランシーバ100へ、後述する光信号INを送信する。
【0018】
図2は、一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示すブロック図である。
図2の光トランシーバ100は、光信号受信部1、制御処理部2、記憶部3及び光通信部4を有する。
【0019】
光トランシーバ100には、他の光トランシーバ、例えば
図1の光トランシーバ1022から出力された、識別情報INF1及び制御情報INF2を含む光信号IN1が入力される。
【0020】
光信号IN1は、いわゆる主信号と称されるデータ信号を含む光信号IN2と共に光トランシーバ100に入力されてもよい。例えば、光信号IN2を振幅偏移変調(ASK:Amplitude Shift Keying)により変調することで光信号IN1が光信号IN2に重畳された光信号INが、光トランシーバ100に入力されてもよい。また、それぞれ異なる波長を有する光信号IN1と光信号IN2とが波長多重された光信号INが、光トランシーバ100に入力されてもよい。
【0021】
本実施の形態では、ASK変調によって光信号IN1が光信号IN2に重畳された光信号INが、光トランシーバ100に入力されるものとして説明する。なお、光信号IN1を、第1の光信号とも称する。光信号IN2を、第2の光信号とも称する。光信号INを、第3の光信号とも称する。
【0022】
光信号IN1の光トランシーバ100への入力態様はこれに限られるものではなく、時分割多重などの各種の多重方式や位相変調などの各種の変調方式を利用してもよい。また、言うまでも無いが、光トランシーバ100には、光信号IN1が単独で入力されてもよい。
【0023】
光信号受信部1は、光信号IN1を受け取る。光信号受信部1は、光信号IN1を、識別情報INF1及び制御情報INF2を含む電気信号である受信信号SIGに変換する。光信号受信部1は、受信信号SIGを制御処理部2へ出力する。
【0024】
制御処理部2は、光信号受信部1から受信信号SIGを受け取る。そして、制御処理部2は、受信信号SIGに含まれる識別情報INF1及び制御情報INF2に基づいて、記憶部3に格納された設定情報STを取得する。そして、制御処理部2は、取得した設定情報STに基づいて制御信号CONを出力することで、光通信部4における光通信を制御する。
【0025】
光通信部4は、制御処理部2から与えられる制御信号CONによる制御に応じて、例えば対向する通信装置1020の光トランシーバ1022などの通信相手との光通信を行う。
【0026】
光トランシーバ100の構成についてより詳細に説明する。
図3は、一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示す図である。
【0027】
光信号受信部1は、光分岐部11、受光素子12及び信号処理部13を有する。ここでは、光信号受信部1には、ASK変調により光信号IN2を変調することで光信号IN1が重畳された光信号INが入力される。
【0028】
光分岐部11は、光信号INの伝送経路に挿入され、光信号INの一部を受光素子12へ分岐する。受光素子12は、任意の受光素子を用いてもよいが、ここではフォトダイオードを用いるものとする。受光素子12は、光信号INを電流信号Iに変換する。
【0029】
信号処理部13は、受光素子12が出力した電流信号Iに所定の処理を行うことで、電圧信号である受信信号SIGに変換する。このとき、信号処理部13は、例えば、トランスインピーダンスアンプなどによって電流信号Iを電圧信号に変換してもよい。
【0030】
制御処理部2は、判定部21、情報取得部22及び通信制御部23を有する。
【0031】
判定部21は、光信号受信部1から受信信号SIGを受け取る。そして、判定部21は、受信信号SIGに含まれる識別情報INF1が、光トランシーバ100を制御対象として指定しているか否かを判定する。識別情報INF1は、光トランシーバのアドレス情報や製造番号などの、個々の光トランシーバを識別可能な情報として与えられる。
【0032】
本実施の形態においては、光信号INは光信号IN1及びIN2を含んでいるため、受信信号SIGには光信号IN2に由来するデータ信号成分が含まれる場合が有る。この場合、判定部21は、受信信号SIGに所定の処理を行うことで、識別情報INF1及び制御情報INF2を取得してもよい。
【0033】
なお、信号処理部13は、予め所定の処理を行うことで生成された、識別情報INF1及び制御情報INF2だけが含まれた受信信号SIGを判定部21へ出力してもよい。また、受光素子12が受光した光信号IN1に識別情報INF1及び制御情報INF2だけが含まれる場合については、判定部21が上述の判定処理を行えることは言うまでもない。
【0034】
識別情報INF1によって光トランシーバ100が制御対象として指定されている場合、判定部21は、識別情報INF1と共に受信した制御情報INF2を、情報取得部22に転送する。
【0035】
情報取得部22は、制御情報INF2によって記憶部3から取得すべきものとして指定された設定情報STを、記憶部3から読み込む。制御情報INF2は、設定情報のセットを示す番号などの、個々の設定情報のセットを識別できる情報として与えられる。
【0036】
記憶部3は、揮発性メモリ30及び複数の不揮発性メモリを有する。ここでは、記憶部3が3つの不揮発性メモリ31~33を有する例について説明する。
【0037】
記憶部3の不揮発性メモリ31~33には、それぞれ、異なる設定情報のセットST1~ST3が予め格納されている。設定情報ST1~ST3は、例えば、通信制御部23及び光通信部4に適用すべき動作パラメータや組み込みソフトウェアなどを含んでいる。揮発性メモリ30は、情報取得部22からのアクセスに応じて、指定された設定情報を不揮発性メモリ31~33のいずれかから読み込む。そして、揮発性メモリ30は、読み込んだ設定情報STを、情報取得部22へ出力する。
【0038】
例えば、制御情報INF2が、情報取得部22が読み込むべき設定情報STとして不揮発性メモリ31に格納された設定情報ST1を指定している場合、揮発性メモリ30は、不揮発性メモリ31から設定情報ST1を読み込む。そして、揮発性メモリ30は、読み込んだ設定情報ST1を、設定情報STとして、情報取得部22へ出力する。
【0039】
そして、情報取得部22は、読み込んだ設定情報STを、通信制御部23へ出力する。情報取得部22は、揮発性メモリ30から設定情報STの全部を読み込んでもよいし、揮発性メモリ30から設定情報STの一部を逐次読み込んでもよい。また、情報取得部22は、通信制御部23へ設定情報STの全部を出力してもよいし、通信制御部23へ設定情報STの一部を逐次出力してもよい。
【0040】
通信制御部23は、情報取得部22から受け取った設定情報STに基づいて、光通信部4を制御する。光信号受信部1は、設定情報STに基づいて生成した制御信号CONを光通信部4へ与えることで、光通信部4における光通信を制御情報INF2に基づいて制御することができる。これにより、制御情報INF2に応じて、光通信を実行するにあたって適用すべき動作パラメータや組み込みソフトウェアなどの設定情報を、通信制御部23及び光通信部4の一方又は両方に適用することができる。
【0041】
光通信部4は、光受信器41及び光送信器42を有する。光送信器42は、送信処理部42A及び光出力部42Bを有する。光受信器41は、受光素子41A及び受信処理部41Bを有する。
【0042】
受光素子41Aには、光分岐部11で分岐された光信号INが入射する。受光素子41Aは、任意の受光素子を用いてもよいが、ここではフォトダイオードを用いるものとする。受光素子41Aは、光信号INを電流信号Iに変換する。
【0043】
受信処理部41Bは、受光素子41Aが出力した電流信号Iに所定の処理を行うことで、データ信号DAT1に復調する。そして、受信処理部41Bは、データ信号DAT1を、光トランシーバ100の外部の装置へ出力する。
【0044】
ここで、受信処理部41Bは、通信制御部23から与えられた制御信号CONにより指定された受信設定に基づいて、受信処理を行う。
【0045】
送信処理部42Aには、外部の装置から送信のデータ信号DAT2が入力される。送信処理部42Aは、データ信号DAT2に応じて光出力部42Bを駆動するために、光出力部42Bへ駆動信号DRVを出力する。
【0046】
ここで、送信処理部42Aは、通信制御部23から与えられた制御信号CONにより指定された送信設定に基づいて、光出力部42Bを駆動する送信処理を行う。
【0047】
光出力部42Bは、例えば、レーザ光を出力する光源素子と、レーザ光を変調する変調器とが含まれる。光出力部42Bは、駆動信号DRVに応じてレーザ光を変調した光信号OUTを、通信相手へ出力する。
【0048】
次いで、光トランシーバ100での光通信の制御動作について説明する。
図4は、一実施の形態にかかる光トランシーバの動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS1
光信号受信部1は、光トランシーバ100に入力された光信号IN1を受信する。そして、光信号受信部1は、受信信号SIGを判定部21へ出力する。
【0050】
ステップS2
判定部21は、受信信号SIGに基づいて、識別情報INF1が光トランシーバ100を指定しているか否かを判定する。識別情報INF1が光トランシーバ100を指定していない場合、判定部21は処理を終了する。
【0051】
ステップS3
識別情報INF1が光トランシーバ100を指定している場合、判定部21は、制御情報INF2を情報取得部22へ転送する。
【0052】
ステップS4
情報取得部22は、制御情報INF2によって指定された設定情報STを、記憶部3から読み込む。
【0053】
ステップS5
情報取得部22は、読み込んだ設定情報STを、通信制御部23へ出力する。
【0054】
ステップS6
通信制御部23は、光信号受信部1は、設定情報STに基づいて生成した制御信号CONを光通信部4へ出力することで、光通信部4における光通信を制御情報INF2に基づいて制御する。
【0055】
以上の処理手順によって、光通信部4に適用する設定情報を、外部から与えられる光信号IN1に含まれる制御情報INF2に応じて指定することができる。
【0056】
光トランシーバ100が用いられる光通信システムにおいては、上述したように、光トランシーバ100の運用開始後に、通信条件や通信経路を変更するために、光トランシーバ100の設定を柔軟に変更することが求められる場合が有る。
【0057】
ここで、光トランシーバ100の光通信に適用されるデータレートが変更される場合について検討する。例えば、伝送経路の長さが15km程度である場合には、25Gb/sのデータレートによる通信が可能である。しかし、伝送経路の長さが80kmの場合には、光ファイバの分散特性によって信号波形が劣化する。そのため、データレートを10Gb/sに制限する必要がある。この場合、受信器の受信感度を最適化するには、受信器における帯域、例えば受信処理部41Bでの帯域をデータレートの60%程度に抑制する。これによって、受信信号に含まれる余分な高周波ノイズを除去することができる。
【0058】
したがって、光トランシーバ100の運用開始後にデータレートを変更するには、受信帯域の設定を変更することが求められる。この場合、光トランシーバ100によれば、設定情報に受信処理部41Bの受信帯域を含めればよい。これにより、通信制御部23は、制御信号CONによって、受信処理部41Bの受信帯域を所望の帯域に変更することが可能となる。
【0059】
また、例えば、伝送経路の変更に伴って、光トランシーバ100から送信する光信号OUTの送信出力を変更することが求められる場合も想定される。例えば、通信相手が近距離の場合には送信出力を下げて消費電力を低減できる。また、通信相手が長距離の場合には、送信出力を必要なレベルまで上昇させる必要が有る。
【0060】
この場合でも、光トランシーバ100によれば、設定情報に光送信器42が出力する光信号OUTの送信出力の制御パラメータを含めればよい。これにより、通信制御部23は、制御信号CONによって、光送信器42が出力する光信号OUTの送信出力を所望の値に変更することが可能となる。
【0061】
これにより、本構成によれば、光トランシーバの外部から制御用の光信号を与えることで、光トランシーバの通信設定を変更することができる。
【0062】
本構成によれば、対象となる光トランシーバへ任意のタイミングで制御用の光信号を与えることで、所望のタイミングで光トランシーバの通信設定を変更できる。したがって、例えば、光トランシーバが各種の装置へ搭載されて運用を開始した後でも、光トランシーバの通信設定を容易に変更することができる。
【0063】
また、光トランシーバに対して遠隔地のユーザであっても、制御用の光信号の送信元に対して指令を与えるだけで、光トランシーバの通信設定を容易に変更することができる。さらに、例えば光トランシーバが海底機器に搭載された場合などの、運用中の光トランシーバへの接近が物理的に困難な場合でも、光トランシーバの通信設定を容易に変更することも可能となる。
【0064】
本構成によれば、制御用の信号を与えるためのシステムやネットワークを新たに付加することなく、光通信システムが既に有する光信号送信機能を利用するだけで、光トラ光トランシーバの通信設定を変更することができる。したがって、光通信システムの改変が必要ないので、余分な追加コストを要することなく、既存の光通信システムに容易に光トランシーバ100を導入することができる。
【0065】
実施の形態2
実施の形態1では、制御用の光信号IN1をASK変調によってデータ用の光信号IN2に重畳する例について説明した。これに対し、本実施の形態では、制御用の光信号IN1とデータ通信用の光信号IN2とが波長多重された光信号INが入力される光トランシーバについて説明する。
【0066】
図5は、一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示す図である。光トランシーバ200は、光トランシーバ100の光信号受信部1を、光信号受信部5に置き換えた構成を有する。
【0067】
光信号受信部5は、光信号受信部1の光分岐部11を波長分離部51に置き換えた構成を有する。波長分離部51は、例えばWDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラとして構成される。光信号受信部5のその他の構成は、光信号受信部1と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0068】
光トランシーバ200には、光伝送路を介して、波長λ1の光信号IN1と、波長λ1とは異なる波長λ2の光信号IN2と、が波長多重された光信号INが入力される。
【0069】
波長分離部51は、波長多重光信号INを、波長λ1の光信号IN1と、波長λ2の光信号IN2と、に波長分離する。そして、波長分離部51は、光信号IN1を受光素子12へ出力し、光信号IN2を光受信器41へ出力する。
【0070】
光トランシーバ200のその他の構成及び動作は、光トランシーバ100と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0071】
以上、本構成によれば、制御用の光信号が波長多重光信号に波長多重されている場合でも、実施の形態1と同様に、光トランシーバの通信設定を変更することができる。
【0072】
実施の形態3
上述の実施の形態では、記憶部3には、複数セットの設定情報が予め格納されているものとして説明した。しかし、例えば光トランシーバの運用を開始した後に、設定情報のアップデートが必要な場合が想定される。また、光トランシーバの用途変更などのため、記憶部3への新たな設定情報の格納が求められる場合も想定される。そこで、本実施の形態では、外部からの制御信号に応じて記憶部に新たな設定情報を格納する光トランシーバについて説明する。
【0073】
図6は、一実施の形態にかかる光トランシーバの構成を模式的に示す図である。光トランシーバ300は、光トランシーバ100の制御処理部2を、制御処理部6に置き換えた構成を有する。制御処理部6は、制御処理部2に設定情報処理部61を追加した構成を有する。
【0074】
本実施の形態においては、制御用の光信号IN1は、新たな設定情報STNを更に含んでいる。設定情報処理部61は、新たな設定情報STNを、記憶部3に書き込む。制御処理部6のその他の構成は、制御処理部2と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0075】
次いで、光トランシーバ300での設定情報格納動作について説明する。
図7は、一実施の形態にかかる光トランシーバの動作を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS11
光信号受信部1は、
図4のステップS1と同様に、光トランシーバ300に入力された光信号IN1を受信する。そして、光信号受信部1は、受信信号SIGを判定部21へ出力する。
【0077】
ステップS12
判定部21は、
図4のステップS2と同様に、受信信号SIGに基づいて、識別情報INF1が光トランシーバ300を指定しているか否かを判定する。識別情報INF1が光トランシーバ300を指定していない場合、判定部21は処理を終了する。
【0078】
ステップS13
識別情報INF1が光トランシーバ300を指定している場合、判定部21は、新たな設定情報STNを、設定情報処理部61へ転送する。
【0079】
ステップS14
設定情報処理部61は、受け取った新たな設定情報STNを、記憶部3に書き込む。
【0080】
例えば、設定情報処理部61は、不揮発性メモリ33に格納されていた設定情報ST3を消去して、新たな設定情報STNを不揮発性メモリ33に書き込む。なお、不揮発性メモリの消去及び設定情報の書き込みについては、一般的な各種の手法によって実現可能である。
【0081】
なお、必要に応じて、設定情報処理部61は、不揮発性メモリ32の設定情報ST2又は不揮発性メモリ33の設定情報ST3を、新たな設定情報STNに置き換えてもよい。
【0082】
以上の処理手順によって、外部から与えられる光信号によって、光トランシーバでの光通信を制御するための設定情報を、光トランシーバに格納することができる。
【0083】
対象となる光トランシーバへ任意のタイミングで制御用の光信号を与えることで、所望のタイミングで光トランシーバへ設定情報を格納することができる。したがって、例えば、光トランシーバが各種の装置へ搭載されて運用を開始した後でも、光トランシーバへ新たな設定情報を容易に格納することができる。
【0084】
また、光トランシーバに対して遠隔地のユーザであっても、制御用の光信号の送信元に対して指令を与えるだけで、光トランシーバへ新たな設定情報を格納することができる。さらに、例えば光トランシーバが海底機器に搭載された場合などの、運用中の光トランシーバへの接近が物理的に困難な場合でも、光トランシーバへ新たな所望の設定情報を容易に格納することが可能となる。
【0085】
その他の実施の形態
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0086】
上述の記憶部の構成は例示に過ぎず、適宜他の構成としてもよい。例えば、上述の不揮発性メモリの数は例示に過ぎず、記憶部には、1つ、2つ又は4つ以上の不揮発性メモリが設けられてもよい。また、1つの不揮発性メモリには1セットの設定情報が格納されるものとして説明したが、これも例示に過ぎない。1つの不揮発性メモリに複数セットの設定情報を格納する複数の領域が設けられていてもよい。また、情報取得部や設定情報処理部が記憶部との間でデータや情報のやり取りができるならば、記憶部に不揮発性メモリ及び揮発性メモリの両方が設けられている必要は無く、例えばいずれか一方のみで構成されてもよい。
【0087】
実施の形態3にかかる光トランシーバ300は、実施の形態1にかかる光トランシーバ100の変形例として説明したが、これは例示に過ぎない。実施の形態3にかかる光トランシーバにおいても、実施の形態2と同様に、光分岐部11に代えて波長分離部51を設けて波長多重信号を光信号IN1と光信号IN2とに波長分離する構成としてもよい。
【0088】
上述の実施の形態にかかる光トランシーバが取り付けられる光伝送装置は、光通信システムで用いられる各種の装置であってもよい。例えば、端局間の光通信においては、光伝送装置は、端局に設置される装置であってもよい。
【0089】
上述の実施の形態では、本開示にかかる光トランシーバの光トランシーバの制御系を主にハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。任意の処理を、コンピュータプログラムをコンピュータに実行させることにより、本開示にかかる制御処理部を実現することも可能である。これらの処理は、少なくとも1つのプロセッサ(e.g. マイクロプロセッサ、CPU、GPU、MPU、DSP(Digital Signal Processor))を含むコンピュータにプログラムを実行させることによって実現されてもよい。具体的には、これらの送信信号処理又は受信信号処理に関するアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
【0090】
コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0091】
以下、光トランシーバの制御系、すなわち制御処理部及び記憶部を実現するためのコンピュータの構成例を示す。
図8は、光トランシーバの制御系を実現するためのコンピュータの構成例を示す図である。光トランシーバの制御系は、専用コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータ9000により実現可能である。但し、コンピュータは、物理的に単一である必要はなく、分散処理を実行する場合には、複数であってもよい。
図8に示すように、コンピュータ9000は、例えば、プロセッサ9001、ROM(Read Only Memory)9002、RAM(Random Access Memory)9003、記憶部9004、通信インターフェイス9005及びユーザインターフェイス9006を有する。
【0092】
プロセッサ9001、ROM9002、RAM9003、記憶部9004、通信インターフェイス9005及びユーザインターフェイス9006は、バス9007介して相互に通信可能に接続されている。尚、コンピュータを動作させるためのOSソフトなどについては説明を省略するが、コンピュータ9000においても適宜導入される。
【0093】
ROMは、例えば不揮発性の半導体記憶装置などにより構成される。ROM9002には、コンピュータ9000で使用される各種のプログラムなどの情報が格納される。
【0094】
記憶部9004は、例えば、ハードディスクやソリッドステートディスクなどの各種の記憶装置により構成される。また、記憶部9004は、コンピュータ9000に搭載される記憶装置に限られるものではなく、コンピュータ9000の外部の記憶装置であってもよい。外部の記憶装置は、各種の通信手段、例えばネットワークを介してコンピュータ9000に接続されたクラウドストレージなどであってもよい。記憶部9004には、コンピュータ9000で使用される各種のプログラムやデータなどの情報が格納される。
【0095】
RAM9003は、揮発性の半導体記憶装置などにより構成される。RAM9003には、プロセッサ9001が使用するプログラムやデータなの情報が、適宜、ROM9002及び記憶部9004の一方又は両方からロードされる。
【0096】
プロセッサ9001は、例えばCPU(Central Processing Unit)などにより構成されてもよい。また、プロセッサ9001は、CPUだけでなく、GPU(Graphics Processing Unit)を設けてもよい。GPUは、定型的な処理を並列的に行う用途に適しており、例えばニューラルネットワークにおける処理などに適用することで、CPUに比べて処理速度を向上させることも可能である。プロセッサ9001は、適宜、ROM9002に記憶されている各種プログラム、又はRAM9003に保持されている各種プログラムやデータに基づいて、各種の処理を実行する。また、プロセッサ9001は、処理によって生成したデータを、適宜、RAM9003や記憶部9004に格納してもよい。
【0097】
通信インターフェイス9005は、各種の有線通信手段又は無線通信手段などを介して、コンピュータ9000と、インターネットやイントラネットなどの通信ネットワークとを接続するインターフェイスである。これにより、コンピュータ9000は、通信ネットワークに接続される他の装置、システム及びセンサなどと通信が可能である。
【0098】
ユーザインターフェイス9006は、例えば、ディスプレイ装置などによってユーザが認知できるように情報を提供する表示部や、音声により音声出力部を含む。また、ユーザインターフェイス9006は、キーボード、マウス及びタッチパネルなど、ユーザが操作することでコンピュータ9000に情報を入力可能な入力部を含む。また、ユーザインターフェイス9006は、ユーザにとって有用な情報を取得するセンサなどの機器を含んでもよい。
【0099】
ここでは、コンピュータ9000を1つの装置として説明したが、これは例示に過ぎない。コンピュータ9000は、物理的に分離された複数の装置によって構成されてもよい。複数の装置の一部は搬送可能な装置であってもよいし、他の一部は据え置き型の装置であってもよい。
【0100】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0101】
各図面は、1又はそれ以上の実施形態を説明するための単なる例示である。各図面は、1つの特定の実施形態のみに関連付けられるのではなく、1又はそれ以上の他の実施形態に関連付けられてもよい。当業者であれば理解できるように、いずれか1つの図面を参照して説明される様々な特徴又はステップは、例えば明示的に図示または説明されていない実施形態を作り出すために、1又はそれ以上の他の図に示された特徴又はステップと組み合わせることができる。例示的な実施形態を説明するためにいずれか1つの図に示された特徴またはステップのすべてが必ずしも必須ではなく、一部の特徴またはステップが省略されてもよい。いずれかの図に記載されたステップの順序は、適宜変更されてもよい。
【0102】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0103】
(付記1)制御情報を含む第1の光信号を受信する光信号受信手段と、光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段と、通信相手と光通信を行う光通信手段と、前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する制御処理手段と、を備える、光トランシーバ。
【0104】
(付記2)前記第1の光信号は、制御対象を指定する識別情報を含み、前記制御処理手段は、前記制御処理手段が設けられた前記光トランシーバが、前記識別情報によって前記制御対象として指定されている場合に、前記制御情報により指定された前記設定情報を前記記憶手段から取得する、付記1に記載の光トランシーバ。
【0105】
(付記3)前記光信号受信手段には、前記光通信手段が受信する第2の光信号に前記第1の光信号が重畳された第3の光信号が入力され、前記光信号受信手段は、前記第3の光信号を2つに分岐し、一方を前記光通信手段へ出力する光分岐手段と、前記光分岐手段で分岐された他方の前記第3の光信号を受光し、受光結果を示す信号を出力する受光素子と、前記受光結果を示す信号に所定の処理を行った受信信号を前記制御処理手段へ出力する信号処理手段と、を備える、付記1又は2に記載の光トランシーバ。
【0106】
(付記4)前記第3の光信号は、前記第2の光信号を変調することで、前記第2の光信号に前記第1の光信号を重畳した信号である、付記3に記載の光トランシーバ。
【0107】
(付記5)前記第3の光信号は、前記第2の光信号を振幅偏移変調によって変調することで、前記第2の光信号に前記第1の光信号を重畳した信号である、付記4に記載の光トランシーバ。
【0108】
(付記6)前記光信号受信手段には、第1の波長を有する前記第1の光信号と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2の光信号と、が波長多重された波長多重信号が入力され、前記光信号受信手段は、前記波長多重信号を第1及び第2の光信号に波長分離し、前記第2の光信号を前記光通信手段へ出力する波長分離手段と、前記波長分離手段で分岐された前記第1の光信号を受光し、受光結果を示す信号を出力する受光素子と、前記受光結果を示す信号に所定の処理を行った受信信号を前記制御処理手段へ出力する信号処理手段と、を備える、付記1又は2に記載の光トランシーバ。
【0109】
(付記7)前記第1の光信号は、前記記憶手段に格納される新たな設定情報を含み、
前記制御処理手段は、前記新たな設定情報を前記記憶手段に格納する、付記1乃至6のいずれか1つに記載の光トランシーバ。
【0110】
(付記8)前記制御処理手段は、前記記憶手段に既に格納されている前記複数セットの設定情報のいずれかを、前記新たな設定情報で更新する、付記7に記載の光トランシーバ。
【0111】
(付記9)前記制御処理手段は、前記制御処理手段が設けられた前記光トランシーバが、前記識別情報によって前記制御対象として指定されているか否かを判定する判定部と、前記制御処理手段が設けられた前記光トランシーバが、前記識別情報によって前記制御対象として指定されている場合に、前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得する情報取得手段と、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する通信制御手段と、を備える、付記2に記載の光トランシーバ。
【0112】
(付記10)前記制御処理部は、前記取得した設定情報に基づいて、前記光通信部が受信する光信号の受信処理の帯域を変更する、付記1乃至9のいずれか1つに記載の光トランシーバ。
【0113】
(付記11)前記制御処理部は、前記取得した設定情報に基づいて、前記光通信部が送信する光信号の出力を変更する、付記1乃至10のいずれか1つに記載の光トランシーバ。
【0114】
(付記12)制御情報を含む第1の光信号を送信する光信号送信手段と、前記第1の光信号を受信し、前記第1の光信号に基づいて、通信相手との間で行う光通信を制御する光トランシーバと、を備え、前記光トランシーバは、前記第1の光信号を受信する光信号受信手段と、前記光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段と、前記通信相手と光通信を行う光通信手段と、前記制御情報により指定された設定情報を前記記憶手段に格納された前記複数セットの設定情報の中から取得し、取得した前記設定情報に基づいて前記光通信手段を制御する制御処理手段と、を備える、光通信システム。
【0115】
(付記13)制御情報を含む第1の光信号を受信し、前記制御情報により指定された設定情報を、通信相手との光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段から取得し、取得した前記設定情報に基づいて、前記通信相手との前記光通信を制御する、光通信の制御方法。
【0116】
(付記14)受信した第1の光信号に含まれる制御情報により指定された設定情報を、通信相手との光通信の制御に用いられる複数セットの設定情報が格納された記憶手段から取得する処理と、取得した前記設定情報に基づいて、前記通信相手との前記光通信を制御する処理と、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0117】
1、5 光信号受信部
2、6 制御処理部
3 記憶部
4 光通信部
11 光分岐部
12、41A 受光素子
13 信号処理部
21 判定部
22 情報取得部
23 通信制御部
30 揮発性メモリ
31~33 不揮発性メモリ
41 光受信器
41B 受信処理部
42 光送信器
42A 送信処理部
42B 光出力部
51 波長分離部
61 設定情報処理部
100、200、300、1022 光トランシーバ
1000 光通信システム
1010、1020 通信装置
1011、1021 光伝送装置
1030 光伝送路
9000 コンピュータ
9001 プロセッサ
9002 ROM
9003 RAM
9004 記憶部
9005 通信インターフェイス
9006 ユーザインターフェイス
9007 バス
CON 制御信号
DAT1、DAT2 データ信号
DRV 駆動信号
I 電流信号
IN、IN1、IN2 光信号
INF1 識別情報
INF2 制御情報
SIG 受信信号
ST、ST1~ST3、STN 設定情報