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特開2025-17865土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥
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  • 特開-土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017865
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/32 20060101AFI20250130BHJP
   C09K 17/14 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
C09K17/32 H
C09K17/14 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121171
(22)【出願日】2023-07-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年7月29日、配布場所 鹿児島県曾於市大隅町中之内8785-3 [刊行物等] 販売日 令和4年9月26日、配布場所 熊本県菊池郡大津町真木187-2 [刊行物等] 販売日 令和4年10月3日、配布場所 兵庫県美方郡香美町村岡区味取307 [刊行物等] 販売日 令和4年10月18日、配布場所 鹿児島県南さつま市加世田津貫6568番地 [刊行物等] 販売日 令和4年10月31日、配布場所 熊本県宇城市小川町川尻284-2 [刊行物等] 販売日 令和5年1月17日、販売場所 鹿児島県南九州市頴娃町上別府6814-13 [刊行物等] 販売日 令和5年1月18日、配布場所 大分県玖珠郡玖珠町大字帆足268-5 [刊行物等] 販売日 令和5年1月26日、配布場所 福岡県福岡市博多区博多駅前1-9-3博多駅前シティビル7F [刊行物等] 販売日 令和5年1月31日、配布場所 静岡県賀茂郡南伊豆町湊619-1 [刊行物等] 販売日 令和5年1月31日、配布場所 鹿児島県日置市日吉町日置5679 [刊行物等] 販売日 令和5年2月14日、配布場所 愛媛県新居浜市阿島乙174番地 [刊行物等] 販売日 令和5年4月19日、配布場所 北海道岩見沢市栗沢町上幌2083 [刊行物等] 販売日 令和5年4月21日、配布場所 熊本県上益城郡益城町田原2071-1 [刊行物等] 販売日 令和5年4月28日、配布場所 北海道桧山郡厚沢部町赤沼町63 [刊行物等] 販売日 令和5年4月28日、配布場所 北海道桧山郡厚沢部町赤沼町237 [刊行物等] 販売日 令和5年4月28日、配布場所 北海道桧山郡厚沢部町字鶉548-1 [刊行物等] 販売日 令和5年4月28日、配布場所 北海道桧山郡厚沢部町新栄429 [刊行物等] 販売日 令和5年5月2日、配布場所 鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北3912 [刊行物等] 販売日 令和5年5月10日、配布場所 鹿児島県鹿児島市東開町4番地109 [刊行物等] 販売日 令和5年5月18日、配布場所 熊本県山鹿市上吉田1283-1 [刊行物等] 販売日 令和5年6月27日、配布場所 兵庫県淡路市野島常盤八1510-4 [刊行物等] 販売日 令和5年7月6日、配布場所 鹿児島県出水郡長島町城川内1679-9
(71)【出願人】
【識別番号】500244676
【氏名又は名称】株式会社サンルート
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 良則
(72)【発明者】
【氏名】曽根 美奈子
【テーマコード(参考)】
4H026
【Fターム(参考)】
4H026AA10
4H026AA17
(57)【要約】
【課題】土壌中の微生物の多様性とその活性値を向上することができる土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥を提供する。
【解決手段】(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物である土壌改良材である。また、(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物である土壌改良材と、(E)竹パウダー、(F)動物由来糞堆肥および(G)米ぬかよりなる群から選ばれる1種または2種以上と、を有する堆肥である。さらに、(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有し、発酵させた土壌改良材の製造方法である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)発酵基材と、
(B)精糖蜜と、
(C)水と、
(D)海洋深層水と、
を含有した発酵組成物であることを特徴とする土壌改良材。
【請求項2】
前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、微生物培養に使用する大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物である請求項1記載の土壌改良材。
【請求項3】
(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物である土壌改良材と、
(E)竹パウダー、(F)動物由来糞堆肥および(G)米ぬかよりなる群から選ばれる1種または2種以上と、を有することを特徴とする堆肥。
【請求項4】
前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、微生物培養に使用する大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物である請求項3記載の堆肥。
【請求項5】
(A)発酵基材と、
(B)精糖蜜と、
(C)水と、
(D)海洋深層水と、
を含有し、発酵させたことを特徴とする土壌改良材の製造方法。
【請求項6】
前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、微生物培養に使用する大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物である請求項5記載の土壌改良材の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥に関すものであり、特に、土壌中の微生物の多様性とその活性値を向上することができる土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥に関すものである。
【背景技術】
【0002】
野菜や果実等の作物の生育には、日光や水だけでなく、土壌も重要な役割を果たしている。このことは、日光や水を十分に与えても、やせこけた土壌では作物の生育が悪いことからも、明らかである。そこで、従来から様々な方法で、土壌の改良が行われていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、植物活力剤、肥料としてミネラル含有微生物培養液である高効率の植物育成物質を提供することを目的に、穀類、果実類、野菜類、花き類、蔬菜類、藺草類を含む植物作物を生育する土壌栽培、並びに水耕栽培により、前記作物を生育すべく、前記植物作物栽培用の育成物質において、育成物質の成分を原水に溶かして得た養水として、真水、海水の溶液分に土壌微生物とミネラルと有機酸成分とアミノ酸と含む高濃度微生物剤と糖蜜と海苔を添加して培養させているミネラル含有微生物培養液を容器に充填されていることを特徴とする容器入り高効率の植物育成物質が、開示されている。また、特許文献2には、廃糖蜜を発酵させることによって肥料として有効利用し、しかも土壌菌によって異臭を発生させずに発酵させる廃糖蜜を利用した肥料及びその製造方法を提供することを目的に、廃糖蜜に腐葉土を混合し、腐葉土に含まれる土壌菌の作用によって発酵させて発酵生成液を得ることを特徴とする肥料の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3216212号公報
【特許文献2】特開2003-95773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されている技術は、植物の育成に影響する肥料は提供できるものの、いずれの方法も、土壌中の微生物の多様性とその活性値を向上することができず、その改良が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、従来の土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥に関する問題点を解決し、土壌中の微生物の多様性とその活性値を向上することができる土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の発酵基材、精糖蜜および竹パウダー等を組合せることによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の土壌改良材は、
(A)発酵基材と、
(B)精糖蜜と、
(C)水と、
(D)海洋深層水と、
を含有した発酵組成物であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の堆肥は、
(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物である土壌改良材と、
(E)竹パウダー、(F)動物由来糞堆肥および(G)米ぬかよりなる群から選ばれる1種または2種以上と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
さらにまた、本発明の土壌改良材の製造方法は、
(A)発酵基材と、
(B)精糖蜜と、
(C)水と、
(D)海洋深層水と、
を含有し、発酵させたことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明において、前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、微生物培養に使用する大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、土壌中の微生物の多様性とその活性値が向上した土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】測定サンプル(1)の土壌微生物多様性・活性値の測定結果を示す写真である。
図2】測定サンプル(2)の土壌微生物多様性・活性値の測定結果を示す写真である。
図3】測定サンプル(3)の土壌微生物多様性・活性値の測定結果を示す写真である。
図4】測定サンプル(4)の土壌微生物多様性・活性値の測定結果を示す写真である。
図5】卵のタンパク質と脂肪をアミノ酸等に分解する試験の結果を示す写真である。
図6】片栗粉のデンプン質を糖質と水とに分解する有機物分解試験の結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の土壌改良材、土壌改良材の製造方法および堆肥について具体的に説明する。
本発明の土壌改良材は、(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物であることを特徴とするものである。これにより、土壌中の微生物の多様性とその活性値が向上した土壌改良材を提供することができる。また、微生物の多様性が向上することから、有機物の分解能力を向上することができる。なお、本発明の土壌改良材は、堆肥の発酵を促進することもでき、堆肥発酵促進材としても使用できる。
【0015】
また、本発明の堆肥(ぼかしを含む)は、(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物である土壌改良材と、(E)竹パウダー、(F)動物由来糞堆肥および(G)米ぬかよりなる群から選ばれる1種または2種以上と、を有することを特徴とするものである。これにより、土壌中の微生物の多様性とその活性値が向上する堆肥を提供することができる。また、微生物の多様性が向上したことから、有機物の分解能力を向上することができる。さらに、本発明の堆肥には、前記土壌改良材とは別に発酵基材をさらに加えることもできる。これにより、発酵基材の効力をより高めることができる。
【0016】
本発明の土壌改良材の製造方法は、(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有し、発酵させたことを特徴とするものである。これにより、土壌中の微生物の多様性とその活性値が向上することができる土壌改良材の製造方法を提供することができる。また、微生物の多様性が向上することから、有機物の分解能力を向上することができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記(A)発酵基材としては、通常の土壌改良材に使用でき、本発明の効果が得られれば特に限定されないが、前記(A)発酵基材が、コーンスターチ(特に、非遺伝子組換えとうもろこし由来がよい)、甜菜糖(特に、非遺伝子組換え甜菜由来がよい)、ハトムギ、果実・植物抽出物(リンゴ・ナシ・ブドウ・イチゴ・ビワ・キダチアロエ・ニンジン・キャベツ・グリーンパパイヤ・イチヂク・メロン・パイナップル・松葉の新芽等からの抽出物)、抹茶、脱脂コムギ胚芽、微生物培養に使用する大豆(特に、非遺伝子組換え由来がよい)、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物であることが好ましい。かかる(A)発酵基材としては、例えば、スーパーER(登録商標) ゴールド(株式会社サンルート製、有機JAS規格適合:登録番号JASOM-160301号)等を使用できる。
【0018】
また、本発明において、前記(B)精糖蜜としては、通常の土壌改良材に使用でき、本発明の効果が得られれば特に限定されないが、例えば、精糖蜜(正友興業株式会社製)等を使用できる。
【0019】
さらに、本発明において、前記(C)水としては、通常の土壌改良材に使用でき、本発明の効果が得られれば特に限定されないが、例えば、精製水、イオン交換水等を使用できる。
【0020】
さらにまた、本発明において、前記(D)海洋深層水とは、太陽光が届かない水深200m以下の海洋水であり、通常の土壌改良材に使用でき、本発明の効果が得られれば特に限定されないが、例えば、伊豆赤沢で採れた海洋深層水等を使用できる。
【0021】
また、本発明において、前期(E)竹パウダーとしては、通常の竹パウダー堆肥で、本発明の効果が得られれば特に限定されるものではないが、効果を発揮するには5mm程度のものが望ましい。本来、分解しにくい竹パウダーを本発明のように使用することで、堆肥やぼかし肥料として活用でき、放置竹林の問題の解決にも役立てることができる。
【0022】
また、本発明において、前記(F)動物由来糞堆肥としては、通常の牛、豚、鶏等由来の堆肥で、本発明の効果が得られれば特に限定されるものではない。
【0023】
さらに、本発明において、前記(G)米ぬかとしては、通常の堆肥に使用でき、本発明の効果が得られれば特に限定されず、市販品等を使用できる。
【0024】
また、本発明の用途としては土壌改良材に用いることができ、かかる土壌改良材は、土壌の改善に使用できるものであり、土壌改良を主とするものであるが、堆肥の発酵促進やぼかしや堆肥つくりに用いるものである。また、本発明の効果を高めるためには、有機物等の分解には時間を要する残渣を、収穫後すぐに漉込み(すきこみ)、直後に土壌改良材や堆肥を使用することが好ましい。これにより、本発明の効果をより高めることができる。
【0025】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を原料とすることもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、土壌改良材等に通常配合される成分を配合することができる。
【0026】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0027】
(実施例1)
(土壌改良材の製造)
(1)ポリバケツを洗浄し、次亜塩素酸水希釈液を噴霧してから拭き取り除菌した。
(2)精糖蜜500cmを入れ、約60℃の水を250cm入れて混合した。
(3)さらに、約60℃の水を5000cm入れて精糖蜜を溶解した。
(4)750cmの水を入れて、温度を約34℃にした。
(5)海洋深層水を入れて混合し、温度が34℃より下がったことを確認した後、)発酵基材(スーパーER(登録商標) ゴールド)を入れて混合した。
(6)ヒーターとポンプを設置し、網布をかぶせ、発酵による泡立ちが確認できた後、ヒーターとポンプを除去して、土壌改良材を製造した。
【0028】
(実験例1)
(土壌微生物多様性・活性値測定)
(測定サンプル)
下記条件で、実施例1の土壌改良材、米ぬか、竹パウダーを使用して発酵させたボカシの土壌微生物多様性・活性値を測定し、但し(4)は竹パウダーのみとし、その結果を図1~5に示す。
(1)実施例1の土壌改良材+竹パウダー+米ぬか
(2)実施例1の土壌改良材で、竹パウダーと米ぬかを1:3の割合で配合
(3)実施例1の土壌改良材+竹パウダー
(4)竹パウダーのみ
【0029】
(土壌微生物多様性・活性値測定)
(測定方法)
株式会社DGCテクノロジーに依頼して測定した。
【0030】
図1図4は、上記測定サンプル(1)~(4)の土壌微生物多様性・活性値の測定結果を示す写真である。図1図4の写真および土壌微生物多様性・活性値の値から、実施例1の土壌改良材を使用することで、土壌中の微生物の多様性とその活性値を向上することができた。
【0031】
(実施例2)
(堆肥の製造)
(1)米ぬか(1.2トン)をタイヤシャベルに積み込んだ。
(2)牛糞堆肥22トンに米ぬかを混和しながら、切り返した。
(3)実施例1の土壌改良材(3.1L)を500倍に希釈した。
(4)希釈した実施例1の土壌改良材を動噴で散布しながら切り返して混和した。
(5)発酵状態を確認して定期的に切り返し、常温にすることで堆肥を製造した。
【0032】
(実験例2)
(有機物分解試験)
(測定サンプル)
下記条件で、実施例1の土壌改良材、米ぬか、竹パウダーを使用して、卵(タンパク質・脂肪)と片栗粉(炭水化物)有機物分解能力を測定した。結果を図6および図7に示す。なお、下記数値は混合比を示す。
(1)竹パウダー(5mm以下のもの)
(2)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(5mm以下のもの)1:米ぬか1
(3)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(200μm以下のもの)1:米ぬか1
(4)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(200μm以下のもの)1:米ぬか3
(5)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(200μm以下のもの)1
【0033】
(有機物分解試験)
(測定方法)
卵に上記サンプルを投入して混合・撹拌し、18時間後に熱湯を投入して1時間後に分解力を測定した。また、片栗粉と同量の水を混合・撹拌し熱湯を注いで混和してくず粉を作製し、これに上記サンプルを投入して混合・撹拌し、18時間後に分解力を測定した。
【0034】
図5は、卵のタンパク質と脂肪をアミノ酸等に分解する試験の結果を示す写真であり、図6は片栗粉のデンプン質を糖質と水に分解する有機物分解試験の結果を示す写真である。卵および片栗粉の分解能力は、上記サンプルの(2)>(3)>(4)>(5)>(1)の順であった。5mm以下の竹パウダーと同量の米ぬかと実施例1の土壌改良材1の上記サンプル(2)が、最も分解能力が優れていた。また、米ぬかを配合する場合は、その量を竹パウダーと同量とする場合がより良好であった。さらに、竹パウダーを配合する場合は、小さければよいわけではなく、5mm程度が良好であった。このことより、本発明の土壌改良材を使用することで、微生物の多様性が向上し、有機物の分解能力を向上することができた。
【0035】
(実験例3)
(サツマイモ栽培の圃場試験)
鹿児島県のサツマイモ栽培の圃場で、牛糞堆肥、竹パウダー、米ぬかに実施例1の土壌改良材を加えて完熟した堆肥を、収穫直後の残渣に漉込み、耕うんした。約87万の活性値は、収穫直後の生の残渣の漉込み処理の実施から約4カ月後に有機物の分解能力(活性値)が向上し、病気が発生しにくいといわれる土壌微生物多様性・活性値約100万を超えた。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)発酵基材と、
(B)精糖蜜と、
(C)水と、
(D)海洋深層水と、
を含有し、
前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物であることを特徴とする土壌改良材。
【請求項2】
(A)発酵基材と、(B)精糖蜜と、(C)水と、(D)海洋深層水と、を含有した発酵組成物である土壌改良材と、
(E)竹パウダー、(F)動物由来糞堆肥および(G)米ぬかよりなる群から選ばれる1種または2種以上と、を有し、
前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物であることを特徴とする堆肥。
【請求項3】
(A)発酵基材と、
(B)精糖蜜と、
(C)水と、
(D)海洋深層水と、
を含有し、発酵させ
前記(A)発酵基材が、コーンスターチ、甜菜糖、ハトムギ、果実・植物抽出物、抹茶、脱脂コムギ胚芽、大豆、大麦、精白米および黒糖の培養液を含有した発酵組成物であることを特徴とする土壌改良材の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
(実験例2)
(有機物分解試験)
(測定サンプル)
下記条件で、実施例1の土壌改良材、米ぬか、竹パウダーを使用して、卵(タンパク質・脂肪)と片栗粉(炭水化物)有機物分解能力を測定した。結果を図5および図6に示す。なお、下記数値は混合比を示す。
(1)竹パウダー(5mm以下のもの)
(2)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(5mm以下のもの)1:米ぬか1
(3)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(200μm以下のもの)1:米ぬか1
(4)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(200μm以下のもの)1:米ぬか3
(5)実施例1の土壌改良材1:竹パウダー(200μm以下のもの)1