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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025185582
(43)【公開日】2025-12-22
(54)【発明の名称】粘着剤組成物、粘着剤及び粘着シート
(51)【国際特許分類】
   C09J 153/00 20060101AFI20251215BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20251215BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20251215BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20251215BHJP
【FI】
C09J153/00
C09J133/04
C09J175/04
C09J7/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024093905
(22)【出願日】2024-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今井 政登
(72)【発明者】
【氏名】平田 良介
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA10
4J004AA14
4J004AB01
4J004CA01
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J004FA08
4J040DF021
4J040DM001
4J040EF041
4J040EF131
4J040EF281
4J040GA05
4J040GA20
4J040JB09
4J040KA14
4J040KA26
4J040KA31
4J040KA42
4J040NA12
4J040NA15
4J040NA17
4J040PB19
(57)【要約】
【課題】無溶剤でありながら低粘度であるため、塗工性及び混練性が良好であり、かつ粘着性に優れる粘着剤組成物及び粘着剤組成物を用いた粘着シートを提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体とを含有する粘着剤組成物(X)並びに(メタ)アクリレート化合物の共重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体とが水酸基を有する連鎖移動剤の水酸基から水素原子を除いた連鎖移動剤残基により連結したアクリル・ウレタン複合樹脂(C)を含有する粘着剤組成物(X)及び粘着シートである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体とを含有する粘着剤組成物(X)であって、
前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体が、水酸基を有する連鎖移動剤残基を有する粘着剤組成物(X)。
【請求項2】
前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体が水酸基を有し、(メタ)アクリレート化合物の共重合体のブロック(A)の前駆体の水酸基価が10~50mgKOH/gである請求項1に記載の粘着剤組成物(X)。
【請求項3】
前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の重量平均分子量(Mw)が4,000~15,000であり、分子量分布{重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)}が1.5~2.5である請求項1に記載の粘着剤組成物(X)。
【請求項4】
前記(メタ)アクリレート化合物の共重合体のブロック(A)と前記ウレタン化合物のブロック(B)とが水酸基を有する連鎖移動剤の水酸基から水素原子を除いた連鎖移動剤残基により連結したアクリル・ウレタン複合樹脂(C)を含有する粘着剤。
【請求項5】
前記アクリル・ウレタン複合樹脂(C)100質量部中、構成単位としての(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の含有量が70~99質量部である
請求項4に記載の粘着剤。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれか一項に記載の粘着剤を用いた粘着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粘着剤組成物及び粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着シートは基材(ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びガラス等)に粘着剤を積層したものが用いられ、光学部材、自動車部材、建築建材及び医療用等、幅広い分野において使用されている。
【0003】
これらの粘着シートには、主に(メタ)アクリル化合物の重合体を含有するアクリル粘着剤が用いられている。アクリル粘着剤の中でも、塗工後に溶剤を揮発させるための乾燥工程が不要であり、効率的に粘着剤層を形成させる観点から、無溶剤型のアクリル粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、無溶剤型のアクリル粘着剤は粘度が高いため、混練性が悪く、ハンドリングに問題がある。また、加熱時にアクリル粘着剤を構成する水酸基とカルボキシル基が架橋し、塗工性が低下したり、所望の粘着性が得られないといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-76097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、無溶剤でありながら低粘度であるため、塗工性及び混練性が良好であり、かつ粘着性に優れる粘着剤組成物及び粘着剤組成物を用いた粘着シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体とを含有する粘着剤組成物(X)であって、前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体が、水酸基を有する連鎖移動剤残基を有する粘着剤組成物(X);(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)とウレタン化合物のブロック(B)とが水酸基を有する連鎖移動剤の水酸基から水素原子を除いた連鎖移動剤残基により連結したアクリル・ウレタン複合樹脂(C)を含有する粘着剤;前記粘着剤を用いた粘着シートである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粘着剤組成物(X)は、塗工性及び混練性が良好であり、且つ粘着剤とした場合の粘着性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、特に断らない限り、数値AおよびBについて「A~B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」の表記は、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリロイロキシ」の表記は、アクリロイロキシ及び/又はメタクリロイロキシを意味する。
【0009】
本発明において、粘着剤組成物(X)は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体とを含有する粘着剤組成物(X)であって、前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体が、水酸基を有する連鎖移動剤残基を有する。
【0010】
<(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体>
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体は、水酸基を有する連鎖移動剤と(メタ)アクリレート化合物とを、重合開始剤の存在下に重合させて得られる構造体である。
【0011】
<連鎖移動剤>
連鎖移動剤は、水酸基と連鎖移動のための官能基を有するものであれば特に制限されないが、連鎖移動のための官能基としてスルファニル基(-SH)を有するものが好ましい。当該連鎖移動剤と(メタ)アクリレート化合物とを重合開始剤の存在下に重合させると、連鎖移動剤由来の水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体}が得られる。連鎖移動剤は、公知の連鎖移動剤から単独又は2種以上を併用して用いることができる。
【0012】
分子内に水酸基とスルファニル基を有する化合物としては、炭素数2~6のものが好ましく挙げられ、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトブタノール、メルカプトブタンジオール、ヒドロキシベンゼンチオール、及び3-メルカプト-1,2-プロパンジオール等が挙げられる。中でも粘着力の観点から、分子内に2つ以上の水酸基とスルファニル基とを有する化合物が好ましく、3-メルカプト-1,2-プロパンジオールがさらに好ましい。
【0013】
連鎖移動剤の使用量は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体を構成する単量体100質量部に対して、粘着力の観点から、好ましくは0.1~4.0質量部であり、更に好ましくは1.0~2.0質量部である。
【0014】
<(メタ)アクリレート化合物>
(メタ)アクリレート化合物としては、単官能(メタ)アクリルモノマー、又は多官能(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0015】
(単官能(メタ)アクリルモノマー)
単官能(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、炭素数1~20のアルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、炭素数1~20のアルコールへのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと酸無水物との反応物、(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシラン、及び(メタ)アクリル酸へのラクトン付加物等が挙げられる。
また、前記の単官能(メタ)アクリルモノマーは、上記の化合物について、有する水素原子をハロゲン原子、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基及び/又はアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等)で置換した化合物であってもよい。
【0016】
前記の炭素数1~20のアルコールとしては、炭素数1~20の鎖状脂肪族アルコール、炭素数3~20の脂環式アルコール及び炭素数6~15の芳香族アルコール等が挙げられる。
【0017】
前記の炭素数1~20の鎖状脂肪族アルコールとしては、炭素数1~20の鎖状脂肪族1価アルコール[メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、t-ブチルアルコール、1-ペンタノール、イソアミルアルコール、1-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、ステアリルアルコール及びブトキシメタノール等];炭素数2~20の鎖状脂肪族2価アルコール[エチレングリコール、1,2-又は1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等]、炭素数3~20の鎖状脂肪族3価アルコール[グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及び1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオール等];及び炭素数5~20の鎖状脂肪族4~8価アルコール[ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等]等が挙げられる。
【0018】
前記の炭素数3~20の脂環式アルコールとしては、ヒドロキシシクロヘキサン、4-n-ブチルシクロへキノール、ボルニルアルコール、イソボルニルアルコール、1,3-シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘプタンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,3,5-シクロヘキサントリオール及びグリシドール等が挙げられる。
【0019】
前記の炭素数6~15の芳香族アルコールとしては、フェノール、4-ブチルフェノール、クレゾール、ピロガロール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノキシメタノール及びベンジルアルコール等が挙げられる。
【0020】
前記の炭素数1~20の鎖状脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、2,3-ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びブトキシメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記の炭素数1~20の鎖状脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物について、有する水素原子をハロゲン原子、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基及び/又はアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等)で置換した化合物としては、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びβ-カルボキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
前記の炭素数3~20の脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
前記の炭素数6~15の芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物の具体例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート及びフェノキシメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記の炭素数6~15の芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物について、有する水素原子をハロゲン原子、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基及び/又はアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等)で置換した化合物としては、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】
前記の炭素数1~20のアルコールへのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物の原料となるアルキレンオキシドとしては、炭素数2~4のアルキレンオキシドが挙げられ、その具体例としては、エチレンオキシド、1,2-又は1,3-プロピレンオキシド及び1,2-、1,3-、1,4-又は2,3-ブチレンオキシド等が挙げられる。
また、炭素数1~20のアルコールに付加するアルキレンオキシドの付加モル数としては、1~40モルであることが好ましい。
前記の炭素数1~20のアルコールへのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物としては、2-エチルヘキシルジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド[以下、EOと略記することがある]変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド[以下、POと略記することがある]変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニルオキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート及びグリシジロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】
前記の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、酸無水物との反応物の原料となる水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、前記の炭素数1~20のアルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物及び炭素数1~20のアルコールへのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物の内、炭素数1~20のアルコールとして、2価以上のアルコールを用いた化合物等が挙げられる。
前記の酸無水物としては、炭素数4~10の酸無水物が挙げられ、その具体例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
前記の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、酸無水物との反応物としては、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートコハク酸付加物、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートコハク酸付加物、1,4-ベンゼンジメタノールモノ(メタ)アクリレートコハク酸付加物、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸及びポリオール(2価~6価、好ましくは2価、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~6)のアルキレンオキシド(炭素数2~4)付加物(付加数1~30)モノ(メタ)アクリレートコハク酸エステル等が挙げられる。
【0025】
前記の(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシランとしては、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート及びトリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】
前記の(メタ)アクリル酸へのラクトン付加物の原料となるラクトンとしては、炭素数2~12のラクトンが挙げられ、その具体例としては、アセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン及びラウロラクトン等が挙げられる。
また、炭素数1~20のアルコールに付加するラクトンの付加モル数としては、1~15モルであることが好ましい。
前記の(メタ)アクリル酸へのラクトン付加物としては、ω-カルボキシ-カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート及びω-カルボキシ-ジ-(カプロラクトン)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
前記の単官能(メタ)アクリルモノマーの内、粘着性の観点から好ましいのは、炭素数1~20のアルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物であり、更に好ましいのはブチル(メタ)アクリレート及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはブチル(メタ)アクリレートである。
前記の単官能(メタ)アクリルモノマーは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0028】
(多官能(メタ)アクリルモノマー)
前記の多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、2官能(メタ)アクリルモノマー、3官能(メタ)アクリルモノマー及び4官能以上の(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。
【0029】
[2官能(メタ)アクリルモノマー]
前記の2官能(メタ)アクリルモノマーとしては、前記の炭素数1~20のアルコールの内の2価以上のアルコール1モルと、(メタ)アクリル酸2モルとのエステル化物;前記の炭素数1~20のアルコールの内の2価以上のアルコールへのアルキレンオキシド付加物1モルと、(メタ)アクリル酸2モルとのエステル化物;及び前記の炭素数1~20のアルコールの内の2価以上のアルコールへのラクトン付加物1モルと、(メタ)アクリル酸2モルとのエステル化物等が挙げられる。
また、前記の2官能(メタ)アクリルモノマーは、上記のエステル化物について、(メタ)アクリル酸と反応していない水酸基と、炭素数2~10のカルボン酸(プロピオン酸等)とを反応させた化合物であっても良い。
前記の2官能(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチル-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチル-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート並びにPO変性及びEO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
[3官能(メタ)アクリルモノマー]
3官能(メタ)アクリルモノマーとしては、前記の炭素数1~20のアルコールの内の3価以上のアルコール1モルと、(メタ)アクリル酸3モルとのエステル化物;前記の炭素数1~20のアルコールの内の3価以上のアルコールへのアルキレンオキシド付加物1モルと、(メタ)アクリル酸3モルとのエステル化物;及び前記の炭素数1~20のアルコールの内の3価以上のアルコールへのラクトン付加物1モルと、(メタ)アクリル酸3モルとのエステル化物等が挙げられる。
また、前記の3官能(メタ)アクリルモノマーは、上記のエステル化物について、(メタ)アクリル酸と反応していない水酸基と、炭素数2~10のカルボン酸(プロピオン酸等)とを反応させた化合物であっても良い。
3官能(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]エーテル、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの炭素数2~3のアルキレンオキシド1~30モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート及びエトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
[4官能以上の(メタ)アクリルモノマー]
4官能以上の(メタ)アクリルモノマーとしては、4官能以上の(メタ)アクリルモノマーであって、4官能以上のウレタン(メタ)アクリルモノマー以外のものが挙げられる。
【0032】
前記の4官能以上の(メタ)アクリルモノマーとしては、前記の炭素数1~20のアルコールの内の4価以上のアルコール1モルと、(メタ)アクリル酸4モル以上とのエステル化物;前記の炭素数1~20のアルコールの内の4価以上のアルコールへのアルキレンオキシド付加物1モルと、(メタ)アクリル酸4モル以上とのエステル化物;及び前記の炭素数1~20のアルコールの内の4価以上のアルコールへのラクトン付加物1モルと、(メタ)アクリル酸4モル以上とのエステル化物等が挙げられる。
また、前記の4官能以上の(メタ)アクリルモノマーは、上記のエステル化物について、(メタ)アクリル酸と反応していない水酸基と、炭素数2~10のカルボン酸(プロピオン酸等)とを反応させた化合物であっても良い。
前記の4官能以上の(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの炭素数2~3のアルキレンオキシド1~11モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
前記の多官能(メタ)アクリルモノマーの内、硬化性の観点から好ましいのは、3官能(メタ)アクリルモノマー及び4官能以上の(メタ)アクリルモノマーであり、更に好ましいのは4官能以上の(メタ)アクリルモノマーである。
前記の多官能(メタ)アクリルモノマーは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0034】
<重合開始剤>
重合開始剤としては、公知のアゾ系化合物や有機過酸化物を用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アゾ系化合物としては、特に制限されず、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカーボキシレート)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]が挙げられる。
有機過酸化物としては、特に制限されず、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサエート、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドが挙げられる。
【0035】
重合開始剤としては、分子量制御の観点から、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
【0036】
重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体を構成する単量体100質量部に対して、好ましくは0.001~15質量部であり、更に好ましくは0.001~0.1質量部である。0.001~15質量部の範囲であると、効果的に連鎖移動重合が進行するため好ましい。
【0037】
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の重量平均分子量(Mw)は、粘着力の観点から、好ましくは4,000~15,000であり、より好ましくは5,000~10,000である。
【0038】
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の分子量分布{重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)}は、粘着力の観点から、好ましくは1.5~2.5であり、より好ましくは1.7~2.2である。
【0039】
なお、本発明におけるMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC-8120GPC」[東ソー株式会社製]
カラム:「Guardcolumn HXL-H」(1本)及び「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー株式会社製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
【0040】
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体のガラス転移温度(Tg)は、粘着性の観点から、-50~0℃であることが好ましく、-40~-10℃であることがさらに好ましい。
上記ガラス転移温度(Tg)は、粘弾性測定装置[例えば型番MCR-302、Anton Paar社製]を用いて、重合体(A)を次の条件で測定して得られた損失係数(tanδ)のピーク値を示す温度である。
-治具:φ8mmパラレルプレート。
-試料厚さ:1mm。
-歪み:1%。
-周波数:1Hz。
-昇温速度:10℃/min。
-温度範囲:-100℃から180℃まで。
【0041】
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の25℃における粘度は、混練性の観点から、5000~20000mPa・sであることが好ましく、5000~15000mPa・sであることがさらに好ましい。
なお、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の25℃における粘度はJIS-K7117-1に準じて、B型粘度計により測定することができる。
【0042】
(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の水酸基価は、粘着性の観点から、好ましくは10~50mgKOH/gであり、より好ましくは15~45mgKOH/gである。
なお、水酸基価はJIS K0070に準じて測定される値である。
【0043】
<ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体>
前記ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて形成することができる。ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体は、粘着性の観点から、イソシアネート基を有することが好ましい。
【0044】
<ポリオール>
ウレタン化合物のブロック(B)を構成するポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、植物油系ポリオール、その他ポリオールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は重合体として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のグリコール;ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合物類;2個以上の活性水素基を有する化合物に、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン、若しくはポリオキシテトラメチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させて得られるポリオール;等が挙げられる。
【0046】
前記2個以上の活性水素基を有する化合物としては、低分子ポリオール、脂肪族アミン化合物類、芳香族アミン化合物類、アルカノールアミン類又はビスフェノール類等が挙げられる。
【0047】
前記低分子ポリオールとしては、分子量が500以下のものが含まれ、2官能の低分子ポリオール又は3官能以上の低分子ポリオール等が挙げられる。
【0048】
2官能の低分子ポリオールとしては、特に制限されず、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール、ビスフェノールA、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸及びジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。
【0049】
3官能以上の低分子ポリオールとしては、特に制限されず、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ブタントリオール、トリメチロールブテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールノネン、トリメチロールデセン、トリメチロールウンデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、トリメチロールヘキセン、1,2,3-オクタントリオール、1,3,7-オクタントリオール、3,7-ジメチル-1,2,3-オクタントリオール、1,1,1-、1,1,1-トリメチロールデカン、1,2,10-デカントリオール、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-sec-ブタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ペンタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ノナン、1,1,1-トリメチロール-tert-トリデカン、1,1,1-トリメチロール-tert-ヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,2,3,4-ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3-トリオール、スチルベン-3,4’,5-トリオール、シュークロース、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース及びキシリトールが挙げられる。
【0050】
脂肪族アミン化合物類としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパンが挙げられる。芳香族アミン化合物類としては、例えば、トルエンジアミン、ジフェニルメタンー4,4-ジアミンが挙げられる。アルカノールアミン類としては、例えば、エタノールアミン及びジエタノールアミンが挙げられる。
【0051】
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールと二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールが挙げられる。
二塩基酸成分としては、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族又は芳香族の二塩基酸、及びそれらの無水物が挙げられる。
【0052】
また、ポリエステルポリオールとして、ε-カプロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類の環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオールを用いてもよい。
【0053】
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールとしては、上述の低分子ポリオールと、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物と、の反応により得られるものが挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート又はジエチルカーボネート等を、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネート等を、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネート等を用いることができる。
【0054】
(ポリオレフィンポリオール)
ポリオレフィンポリオールとしては、水酸基含有ポリブタジエン、水添した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水添した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
【0055】
(植物油系ポリオール)
植物油系ポリオールとしては、例えば、植物由来のひまし油、ダイマー酸、若しくは大豆油を原料としたポリオールが挙げられる。
【0056】
ポリオールとして好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール又はポリカーボネートポリオールであり、より好ましくはポリエーテルポリオールである。
【0057】
ポリオールの数平均分子量は、好ましくは150~5,000であり、より好ましくは200~3,500である。
【0058】
ポリオールは、上記以外のその他ポリオールを含有してもよく、ウレタン結合濃度の調節や各種官能基導入を目的として、上述の低分子ポリオールを併用することができる。
【0059】
<ポリイソシアネート>
ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体を構成するポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアナネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアナート、p-テトラメチルキシレンジイソシアナート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート及び1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
【0061】
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0062】
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水添キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート及びノルボルネンジイソシアネートが挙げられる。
【0063】
ポリイソシアネートとして好ましくは、芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0064】
ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、好ましくは無溶剤下で公知のウレタン化反応を用いて行うことができ、ポリイソシアネートを過剰にすることで、両末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物を得ることができる。反応時のイソシアネート基と水酸基とのモル比(NCOモル数/OHモル数)は、反応性の観点から、好ましくは1.05~6.00、より好ましくは2.0~5.0である。
ウレタン化反応では、反応性を調整する目的で触媒を用いてもよい。
【0065】
(触媒)
触媒としては、公知の金属系触媒、アミン系触媒等が使用できる。金属系触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)、2-エチルヘキソエート鉛、チタン酸2-エチルヘキシル、チタンエチルアセテート、2-エチルヘキソエート鉄、2-エチルヘキソエートコバルト、2-エチルヘキソエートビスマス、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ-n-ブチル錫等が挙げられる。アミン系触媒としては、テトラメチルブタンジアミン等の3級アミン等が挙げられる。触媒の使用量は、好ましくはポリオールに対して0.05~1.00質量部の範囲である。
【0066】
ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体のイソシアネート含量は、粘着性の観点から、5~30質量%であることが好ましく、7.5~25質量%であることがさらに好ましい。
【0067】
ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体の25℃における粘度は、混練性の観点から、500~10000mPa・sであることが好ましく、500~7000mPa・sであることがさらに好ましい。
なお、ウレタン化合物のブロック(A)の前駆体の25℃における粘度はJIS-K7117-1に準じて、B型粘度計により測定することができる。
【0068】
<粘着剤組成物(X)>
本発明の粘着剤組成物(X)は、前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体とを含有してなる。
【0069】
本発明の粘着剤組成物(X)は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、硬化遅延剤、紫外線吸収剤、可塑剤、粘着性付与剤、充填剤及び顔料等のその他の成分を含有することができる。
その他の成分は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体、又はウレタン化合物のブロック(B)の前駆体のいずれに添加してもよいし、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体とウレタン化合物のブロック(B)の前駆体との配合時に添加してもよいが、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体に予め添加しておくことが好ましい。
【0070】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等〕及び亜リン酸エステル化合物[トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト及びテトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスホナイト等]等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。酸化防止剤の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、酸化防止効果及び粘着力の観点から好ましくは5質量部以下、更に好ましくは0.05~1質量部である。
【0071】
硬化遅延剤としては、2,4-ペンタンジオン(アセチルアセトン)、3-メチル-2,4-ペンタンジオン、2,4-ヘキサンジオン、2,2-ジメチル-3,5-ヘキサンジオン、2,4-ヘプタンジオン、3,5-ヘプタンジオン、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,4-オクタンジオン、2,2,7-トリメチル-3,5-オクタンジオン、2,4-ノナンジオン、3-メチル-2,4-ノナンジオン、2-メチル-4,6-ノナンジオン、1-フェニル-1,3-ブタンジオン(ベンゾイルアセトン)、ジベンゾイルメタン及び2-フロイルベンゾイルメタン等のβ-ジケトン;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸プロピル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸メチル、ブチリル酢酸エチル、ブチリル酢酸プロピル、カプロイル酢酸メチル、カプロイル酢酸エチル、カプロイル酢酸プロピル及びカプロイル酢酸ブチル等のβ-ケトエステル;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、マロン酸ジイソプロピル及びマロン酸ジブチル等のマロン酸ジアルキルエステル;N,N-ジメチルアセトアセトアミド及びN-エチルアセトアセトアミド等のアセトアセトアミド等が挙げられる。これらの硬化遅延剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。硬化遅延剤の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、硬化遅延効果及び粘着力の観点から好ましくは5質量部以下、更に好ましくは0.01~3質量部である。
【0072】
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体(サリチル酸フェニル、サリチル酸-p-オクチルフェニル及びサリチル酸-p-第3ブチルフェニル等)、ベンゾフェノン化合物[2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-スルホベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノントリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン及びビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン等]、ベンゾトリアゾール化合物{2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール及び2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等};シアノアクリレート化合物(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート及びエチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。紫外線吸収剤の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、紫外線吸収効果及び粘着力の観点から好ましくは5質量部以下、更に好ましくは0.1~1質量部である。
【0073】
可塑剤としては、炭化水素[プロセスオイル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレンとα-オレフィン(炭素数3~20)の共重合(重量比0.1/99.9~99.9/0.1)オリゴマー(重量平均分子量5,000~100,000)及びプロピレンとα-オレフィン(炭素数4~20)との共重合(重量比0.1/99.9~99.9/0.1)オリゴマー(重量平均分子量5,000~100,000)];塩素化パラフィン;エステル〔フタル酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート及びジイソノニルフタレート等]、アジピン酸エステル[ジ(2-エチルヘキシル)アジペート(DOA)及びジオクチルアジペート等]及びセバシン酸エステル(ジオクチルセバケート等)等、脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、2-エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル及びオレイン酸オクチル等)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸2-エチルヘキシル等)〕;動植物油脂(リノール酸及びリノレン酸等);及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。可塑剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。可塑剤の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、粘着剤の凝集力の観点から好ましくは100質量部以下、更に好ましくは1~50質量部、特に好ましくは3~40質量部、とりわけ好ましくは5~35質量部、最も好ましくは10~30質量部である。
【0074】
粘着性付与剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族又は脂環式合成石油樹脂等)、クマロン-インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。粘着性付与剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、粘着力の観点から極性を有するものが好ましく、ロジン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂及びこれらの水素添加物が更に好ましく、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物が特に好ましい。粘着性付与剤の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、粘着力及び耐熱性の観点から好ましくは100質量部以下、更に好ましくは1~50質量部、特に好ましくは3~40質量部、とりわけ好ましくは5~35質量部、最も好ましくは10~30質量部である。
【0075】
充填剤としては、炭酸塩(炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等)、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム及び硫酸バリウム等)、亜硫酸塩(亜硫酸カルシウム等)、二硫化モリブデン、珪酸塩(珪酸アルミニウム及び珪酸カルシウム等)、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ及びゼオライト等が挙げられる。上記充填剤は、体積平均粒径が好ましくは0.01~5μm程度の微粒子であり、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。充填剤の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、粘着剤の凝集力の観点から好ましくは250質量部以下、更に好ましくは0.5~100質量部である。
【0076】
顔料としては、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫及びコバルト紫等)及び有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー及び染色レーキ等)が挙げられる。上記顔料は、体積平均粒径が好ましくは0.01~5μm程度の微粒子であり、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。顔料の使用量は、粘着剤組成物(X)100質量部に対して、粘着剤の凝集力の観点から好ましくは250質量部以下、更に好ましくは0.1~50質量部である。
【0077】
反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミンが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0078】
<粘着剤>
本発明の粘着剤は、前記(メタ)アクリレート化合物の共重合体のブロック(A)とウレタン化合物のブロック(B)とが水酸基を有する連鎖移動剤の水酸基から水素原子を除いた連鎖移動剤残基により連結したアクリル・ウレタン複合樹脂(C)を含有してなる。
粘着剤における、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)の重量割合は、粘着剤の重量に基づいて、好ましくは75~100質量%であり、さらに好ましくは80~100質量%、とくに好ましくは85~100質量%である。
【0079】
<アクリル・ウレタン複合樹脂(C)>
本発明においてアクリル・ウレタン複合樹脂(C)は、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)とウレタン化合物のブロック(B)とが水酸基を有する連鎖移動剤の水酸基から水素原子を除いた連鎖移動剤残基により連結した構造を有していればよく、その製造方法は制限されないが、粘着性の観点から、水酸基を有する連鎖移動剤残基を有する前記(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体と前記ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体であってイソシアネート基を有するものとをウレタン化反応させた樹脂であることが好ましい。
さらに好ましくは下記の方法で製造することができる。
まず、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー{ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体}を合成する。次いで、(メタ)アクリレート化合物及び連鎖移動剤を重合開始剤存在下に連鎖移動重合して、連鎖移動剤由来の水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体}を合成する。その後、得られたウレタンプレポリマー{ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体}とポリ(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体}と、必要に応じて反応性を調整する目的で触媒を混合することで、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)を得ることができる。
これらの反応はすべて溶媒を用いて行ってもよいが、溶媒を使用せずに製造することが臭気や作業性の観点から好ましい。溶媒を用いる場合は、反応の途中段階又は反応終了後に減圧下もしくは常圧下で溶媒を除去することが好ましい。
【0080】
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー{ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体}を合成する際の温度は、好ましくは40~90℃、更に好ましくは50~75℃であり、反応時間は、好ましくは1~5時間、更に好ましくは1~3時間である。
【0081】
水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体}を合成する際の温度は、好ましくは70~90℃、更に好ましくは75~85℃であり、反応時間は、好ましくは1~15時間、更に好ましくは3~10時間である。
【0082】
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー{ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体}と水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体}とを混合してアクリル・ウレタン複合樹脂(C)を合成する際の温度は、好ましくは50~150℃、更に好ましくは50~130℃であり、反応時間は、好ましくは1~5分、更に好ましくは1~3分である。
【0083】
水酸基を有するポリ(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体}とイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー{ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体}とを反応させる場合の(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の活性水素含有基のモル数に対するウレタン化合物のブロック(B)の前駆体のイソシアネート基のモル数の比率(イソシアネート基のモル数/活性水素含有基のモル数)は、反応性の観点から、0.1~3.0、好ましくは0.5~2.5、更に好ましくは1.0~2.0である。
【0084】
本発明において、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)の構成単位としての連鎖移動剤残基の含有量は、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)を100質量部とした時、粘着性の観点から、0.5~10質量部が好ましく、より好ましくは1~5質量部であり、さらに好ましくは1~3質量部である。
【0085】
本発明において、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)の構成単位としてのウレタン化合物のブロック(B)の含有量は、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)を100質量部とした時、反応性の観点から0.5~25質量部が好ましく、より好ましくは5~20質量部であり、さらに好ましくは10~20質量部である。
【0086】
本発明において、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)の構成単位としての(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の含有量は、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)を100質量部とした時、粘着性の観点から、70~99質量部が好ましく、より好ましくは75~95質量部であり、さらに好ましくは80~90質量部である。
【0087】
<その他成分>
本発明の粘着剤は、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、硬化遅延剤、紫外線吸収剤、可塑剤、粘着性付与剤、充填剤及び顔料等のその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、粘着剤組成物(X)においてその他成分として挙げたものと同様のものが挙げられる。
【0088】
<粘着シート>
本発明の粘着剤組成物(X)及び粘着剤の用途は特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム及びポリオレフィンフィルム等の基材フィルムに塗布し、粘着剤組成物(X)の場合は硬化(ウレタン化反応)させ粘着シートを得て、サージカルテープ、テーピングテープ及び絆創膏等の医療用粘着テープ、光学部材等の表面保護フィルム等に使用することができる。
本発明の粘着剤組成物(X)を用いてなる粘着シートも、本発明に包含される。
【0089】
粘着シートを形成する方法の具体例としては以下の方法等が挙げられる。
基材フィルムへの粘着剤組成物(X)のコーティングには、スロットダイコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、コンマコーター、スピンコーター、カーテンコーター、スロットコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター又はナイフコーター等を用いることができる。コーティング時の粘着剤組成物(X)の塗布量(固形分)は好ましくは0.5~300g/m、更に好ましくは1~200g/m、特に好ましくは10~100g/mである。
【0090】
基材フィルムに粘着剤組成物(X)を塗工するときの粘着剤組成物(X)の塗工温度は、塗工性及び熱劣化抑制の観点から好ましくは10~160℃、更に好ましくは25~130℃であり、塗工温度における粘着剤組成物(X)の25℃における粘度は成形性(厚塗りができ、硬化後に反り及びヒケ等の外観不良がないこと)及び塗工性の観点から好ましくは100,000mPa・s以下、更に好ましくは30,000mPa・s以下、特に好ましくは20,000mPa・s以下である。本発明における粘度はJIS-K7117-1に準じて、B型粘度計で測定することができる。
粘着剤組成物(X)の塗工後、10~50℃で20~150時間養生することにより粘着剤組成物(X)が完全硬化(ウレタン化反応)する。
【実施例0091】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りのない限り実施例における「部」及び「%」は、各々「質量部」及び「質量%」を表す。
【0092】
[(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A)の前駆体の製造]
<製造例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としての酢酸エチル50部を仕込み77℃に昇温した。
次に、溶剤還流下、反応容器内に窒素を吹き込みながら、モノマー配合液(n-ブチルアクリレート100部)と、開始剤溶液1(2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)[以下、V-65と略記することがある]0.05部を酢酸エチル10部に溶解した溶液)と、連鎖移動剤(3-メルカプト-1,2-プロパンジオール4部)とをそれぞれ滴下ロートを用いて3時間かけて連続的に滴下し、ラジカル重合を行った。
滴下終了後、同温度で系内を撹拌下に開始剤溶液2(V-65 0.1部を酢酸エチル10部に溶解した溶液)を滴下ロートを用いて1時間かけて連続的に追加した。更に、溶剤還流下で重合を1時間継続した後、減圧下、130℃まで加熱し、酢酸エチルを留去させて、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A-1)の前駆体を得た。
なお、(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A-1)の前駆体の重量平均分子量(Mw)は5,000、水酸基価は41mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は-38℃、25℃における粘度は3,000mPa・sであった。
【0093】
<製造例2~6及び比較製造例1及び2>
製造例1において、表1にしたがった以外は、製造例1と同様にして、各(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A-2)~(A-6)の前駆体及び(A’-1)~(A’-2)の前駆体を得た。結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
[ウレタン化合物のブロック(B)の前駆体の製造]
<製造例7>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレントリオール12部、4,4’-MDI40部、2,4’-MDI/4,4’-MDI=50/50の混合物28部を投入し75℃で3時間反応させた後、カルボジイミド変性4,4’-MDI20部を投入しウレタン化合物のブロック(B-1)の前駆体を得た。ウレタン化合物のブロック(B-1)の前駆体のイソシアネート基含量は22.5%、粘度は5,500mPa・sであった。
【0096】
<製造例8~11>
製造例7において、表2にしたがった以外は、製造例7と同様にして、ウレタン化合物のブロック(B-2)~(B-5)の前駆体を得た。結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
<実施例1~10並びに比較例1及び2>
粘着剤主剤として(メタ)アクリレート化合物の重合体のブロック(A-1)~(A―6)の前駆体及び(A’-1)~(A’-2)の前駆体、硬化剤としてウレタン化合物のブロック(B―1)~(B-5)の前駆体、触媒(D-1)としてのネオスタンU-600及び硬化遅延剤(E-1)としての2,4-ペンタンジオンを表3に記載の部数で混合し、23℃で0.2時間混練させ、粘着剤組成物(X)を得た。得られた粘着剤組成物(X)を25μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに固形分換算の膜厚が35μmとなるようにスロットダイコーターを用いて塗布し、130℃で3分間乾燥させ、アクリル・ウレタン複合樹脂(C)を含有する粘着剤を得た。得られた粘着剤を50℃で4日間養生して粘着シートを得た。
【0099】
【表3】
【0100】
尚、表1~3で記載した各主原料の内容は下記の通りである。
[(メタ)アクリレート化合物]
・メチルアクリレート:三菱ケミカル(株)製
・n-ブチルアクリレート:(株)日本触媒製
・2-エチルヘキシルアクリレート:(株)日本触媒製
・シクロヘキシルアクリレート:大阪有機化学工業(株)製「ビスコート#155」
・ベンジルアクリレート:大阪有機化学工業(株)製「ビスコート#160」
・2-ヒドロキシエチルアクリレート:大阪有機化学工業(株)製
[連鎖移動剤]
・3-メルカプト-1,2-プロパンジオール:東京化成工業(株)製
・2-アミノエタンチオール:東京化成工業(株)製
[ポリオール]
・ポリオキシプロピレントリオール-1:三洋化成工業(株)製「サンニックスGP-250」(水酸基価670mgKOH/g)
ポリオキシプロピレントリオール-2:三洋化成工業(株)製「サンニックスGP-3000」(水酸基価56mgKOH/g)
・ポリプロピレングリコール:三洋化成工業(株)製「サンニックスPP-1000」(水酸基価112mgKOH/g)
・ヒマシ油系ポリエステルポリオール:豊国製油(株)製「HS2P-080」(水酸基価95mgKOH/g)
[ポリイソシアネート]
・4,4’-MDI:東ソー(株)製「ミリオネートMT」
・2,4’-MDI/4,4’-MDI=50/50混合物:BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMI」
・カルボジイミド変性4,4’-MDI:BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMM103」
・ヘキサメチレンジイソシアネート:東ソー(株)製
[触媒]
・ネオスタンU-600:日東化成(株)製
[硬化遅延剤]
・2,4-ペンタンジオン:富士フイルム和光純薬(株)製
【0101】
<混練性の評価方法>
粘着剤組成物(X)を作製直後(23℃で0.2時間混練してから10分以内)の粘度(25℃)をB型粘度計で測定し、以下の評価基準で評価した。なお、数値が小さいほど混練性が高いことを意味する。
<評価基準>
◎:20,000mPa・s以下
〇:20,000mPa・sを超えて、30,000mPa・s未満
△:30,000mPa・s以上
【0102】
<塗工性の評価方法>
粘着剤組成物(X)をスロットダイコーターを用いて塗布した直後の塗膜外観を以下の基準で評価した。
◎:塗膜表面が均一かつ筋状のあとがなく、塗膜中に気泡を一切含まない
〇:塗膜表面が均一かつ筋状のあとがないが、塗膜中に気泡が見られる
△:塗膜表面が不均一または筋状のあとがあり、塗膜中に気泡が見られる
【0103】
<粘着力の評価方法>
粘着シートから、平面視寸法100mm×25mmの粘着シート試験片を切り出した。23℃の雰囲気下で、JIS Z0237-2009に規定される「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、SUS板に対する粘着フィルム試験片の180°引き剥がし強度を、25mm幅、引張速度300mm/minの条件で測定した。
【0104】
<保持力の評価方法>
粘着シートから、平面視寸法100mm×12mmの粘着シート試験片を切り出した。また、平面視寸法100mm×100mmのステンレス鋼板を用意した。粘着シートとステンレス鋼板とを、粘着シートの粘着面を塗布した面とステンレス鋼板とが接触し、かつ接触面積が平面視12mm×12mmとなるように、重ねた。続いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムの上にローラで2kgの荷重をかけながら、このローラをポリエチレンテレフタレートフィルムの上での1往復移動させた。これにより、粘着シートとステンレス鋼板とを貼り合わせて積層体を得た。この積層体を、40℃の雰囲気下に30分間静置した。
次に、40℃の雰囲気下で、ステンレス鋼板を、粘着シートが接触している部分が下方に配置されるように、鉛直に立て、この状態で、ステンレス鋼板における粘着シートが重ねられていない88mm×12mmの寸法の部分の下端において、粘着シートの上端に下方へ向かう1kgの荷重を24時間かけた。続いて、ステンレス鋼板に対する粘着シートの下方への位置ズレ(単位:mm)を測定し、以下の評価基準で評価した。なお、数値が小さいほど保持力が高いことを意味する。
<評価基準>
A:0.5mm以下
B:0.5mmを超えて、2.0mm以下
C:2.0mmを超える
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の粘着剤組成物は無溶剤でありながら低粘度であるため、塗工性及び混練性が良好であり、かつ粘着性に優れるため、光学部材、自動車部材、建築建材及び医療用等、幅広い用途に用いることができ、極めて有用である。