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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187448
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20251218BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20251218BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20251218BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20251218BHJP
【FI】
G03G15/00 460
B65H29/60 B
B65H5/06 M
G03G15/20 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096252
(22)【出願日】2024-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 雪之丞
【テーマコード(参考)】
2H033
2H072
3F049
3F053
【Fターム(参考)】
2H033AA14
2H033BA10
2H033CA35
2H033CA36
2H072AA13
2H072AA16
2H072AA24
2H072AB09
3F049AA10
3F049DA12
3F049EA12
3F053EA02
3F053ED02
3F053ED11
3F053LA02
3F053LB01
(57)【要約】
【課題】シートにダメージを与えてしまうことの低減を図ること。
【解決手段】画像形成装置は、シートに画像を定着する定着回転体(151)と、定着回転体(151)を駆動する第1モータと、シート搬送方向における定着回転体(151)の下流に配置され、シートを搬送する定着下流回転体(184)と、定着下流回転体(184)を駆動する第2モータと、シート搬送方向における定着回転体(151)と定着下流回転体(184)との間において湾曲した第1搬送路(301)を形成する第1案内部(302,303)と、第1モータ及び第2モータを制御する制御部と、を備える。制御部は、定着下流回転体(184)から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第1方向(V1)である場合に第2方向(V2)である場合よりも第1搬送路(301)におけるシートの撓みが小さくなるように第2モータを制御する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を定着する定着回転体と、
前記定着回転体を駆動する第1モータと、
シート搬送方向における前記定着回転体の下流に配置され、シートを搬送する定着下流回転体と、
前記定着下流回転体を駆動する第2モータと、
前記シート搬送方向における前記定着回転体と前記定着下流回転体との間において湾曲した第1搬送路を形成する第1案内部と、
前記第1モータ及び前記第2モータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第1方向である場合に前記第1方向とは異なる第2方向である場合よりも前記第1搬送路におけるシートの撓みが小さくなるように前記第2モータを制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート搬送方向における前記定着回転体の下流に配置され、シートを搬送する第1回転体を備え、
前記定着下流回転体は、前記シート搬送方向における前記第1回転体の下流に隣接して配置される第2回転体であり、
前記第1搬送路は、前記シート搬送方向における前記第1回転体と前記第2回転体との間において形成され、
前記第2モータは、前記第1回転体及び前記第2回転体を駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2回転体から搬送されるシートが案内される方向が前記第1方向である場合に、前記第1回転体及び前記第2回転体からシートに作用するトルクが第1トルクとなるように前記第2モータの電流値を設定し、
前記第2回転体から搬送されるシートが案内される方向が前記第2方向である場合に、前記第1回転体及び前記第2回転体からシートに作用するトルクが前記第1トルクより小さい第2トルクとなるように前記第2モータの電流値を設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート搬送方向における前記第2回転体の下流に、前記第2回転体により搬送されるシートが案内される第2搬送路を有する第2案内部を装着可能な装着部を備え、
前記第2案内部が前記装着部に装着されていない場合、前記第2回転体により搬送されるシートが案内される第3搬送路が形成され、
前記装着部に前記第2案内部が装着されていない場合、前記第2回転体により前記第3搬送路に向けて搬送されるシートが前記第1方向に案内され、
前記装着部に前記第2案内部が装着された場合、前記第2回転体により前記第2搬送路に向けて搬送されるシートが前記第2方向に案内され、
前記制御部は、
前記装着部に前記第2案内部が装着されていない場合、前記第1回転体及び前記第2回転体からシートに作用するトルクが前記第1トルクとなるように前記第2モータの電流値を設定し、
前記装着部に前記第2案内部が装着された場合、前記第1回転体及び前記第2回転体からシートに作用するトルクが前記第2トルクとなるように前記第2モータの電流値を設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2回転体は、排出回転体であり、
前記第3搬送路は、前記排出回転体により排出されたシートを積載する排出積載部にシートが排出される搬送路であり、
前記第2案内部は、前記排出回転体により排出されたシートを搬送する搬送装置であり、
前記第2搬送路は、前記搬送装置においてシートが案内される搬送路である、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1トルク及び前記第2トルクをシートの種別に応じて変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装着部は、前記第2案内部と、前記第2回転体により搬送されるシートが案内される第4搬送路を有する第3案内部と、を選択的に装着可能であり、
前記装着部に前記第3案内部が装着された場合、前記第2回転体により前記第2搬送路に向けて搬送されるシートが、上下方向における前記第1方向と前記第2方向との間にある第3方向に案内され、
前記制御部は、前記装着部に前記第3案内部が装着された場合に前記第1回転体及び前記第2回転体からシートに作用するトルクが前記第1トルクよりも小さくかつ前記第2トルクよりも大きい第3トルクとなるように前記第2モータの電流値を設定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2回転体は、排出回転体であり、
前記第2案内部は、前記排出回転体により排出されたシートを搬送する第1搬送装置であり、
前記第2搬送路は、前記第1搬送装置においてシートが案内される搬送路であり、
前記第3案内部は、前記排出回転体により排出されたシートを搬送する第2搬送装置であり、
前記第4搬送路は、前記第2搬送装置においてシートが案内される搬送路である、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1トルク、前記第2トルク、及び前記第3トルクをシートの種別に応じて変更する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1回転体は、第1ローラ対であり、
前記第2回転体は、第2ローラ対であり、
前記第2ローラ対は、前記第1ローラ対の第1ニップ線の方向に対し、前記第2ローラ対の第2ニップ線の方向が水平方向に近づく方向となるように配置されており、
前記第1方向は、前記第2ニップ線よりも下方に向く方向であり、
前記第2方向は、前記第2ニップ線よりも上方に向く方向である、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記シート搬送方向において前記定着回転体よりも上流に配置され、シートに画像を転写する転写回転体と、
前記シート搬送方向において前記転写回転体と前記定着回転体との間に配置され、シートの撓み量を検知する撓み検知部と、を備え、
前記制御部は、
前記撓み検知部の検知結果に応じて前記第1モータの回転速度の第1速度指令値を設定し、
前記第1速度指令値と、前記第2モータに印加するq軸電流の電流値と、に応じて前記第2モータの回転速度の基準となる速度指令値を調整し、前記第2モータの回転速度の第2速度指令値を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
シートに画像を定着する定着回転体と、
前記定着回転体を駆動する第1モータと、
シート搬送方向における前記定着回転体の下流に配置され、シートを搬送する定着下流回転体と、
前記定着下流回転体を駆動する第2モータと、
前記シート搬送方向における前記定着回転体と前記定着下流回転体との間において湾曲した第1搬送路を形成する第1案内部と、
前記シート搬送方向における前記定着下流回転体の下流に、前記定着下流回転体により搬送されるシートが案内される第2搬送路を有する第2案内部と、前記定着下流回転体により搬送されるシートが案内される第4搬送路を有する第3案内部と、を選択的に装着可能な装着部と、
前記第1モータ及び前記第2モータを制御する制御部と、を備え、
前記装着部に前記第2案内部が装着された場合、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第2方向に案内され、
前記装着部に前記第3案内部が装着された場合、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における前記第2方向とは異なる第3方向に案内され、
前記制御部は、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における前記第2方向である場合に前記第3方向である場合よりも前記第1搬送路におけるシートの撓みが大きくなるように前記第2モータを制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を定着する定着ローラ対と、その下流に配置された定着下流ローラ対とを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、排紙ローラ対から装置本体の上部に設けられた空間(排出積載部)にシートを排出(搬送)するものがある(特許文献1参照)。この画像形成装置は、上記空間において中間搬送ユニットを配置することが可能に構成されており、中間搬送ユニットが装着された場合、排紙ローラ対から中間搬送ユニットにシートを搬送するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-205520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のような画像形成装置では、定着装置で画像が定着されたシートが排紙ローラ対まで湾曲した搬送路で案内されて搬送される。また、上記特許文献1のような画像形成装置では、排出積載部にシートを搬送する場合と、中間搬送ユニットにシートを搬送する場合とで、排紙ローラ対から搬送されるシートの方向が異なる。このような構成であると、排出積載部にシートを搬送する場合にはシートが下方に向けて搬送されるため、上記湾曲した搬送路においてシートが湾曲する力を受けて上方のガイドに摺動される虞がある。一方、中間搬送ユニットにシートを搬送する場合にはシートが水平ないし上方に向けて搬送されるため、上記湾曲した搬送路においてシートが湾曲する力が小さくなり、下方のガイドに摺動される虞がある。つまり、中間搬送ユニットを装着しない場合と装着した場合とで、湾曲した搬送路におけるシートの姿勢が異なるため、シートに摺動痕等のダメージを与える可能性があるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、シートにダメージを与えてしまうことの低減を図ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、シートに画像を定着する定着回転体と、前記定着回転体を駆動する第1モータと、シート搬送方向における前記定着回転体の下流に配置され、シートを搬送する定着下流回転体と、前記定着下流回転体を駆動する第2モータと、前記シート搬送方向における前記定着回転体と前記定着下流回転体との間において湾曲した第1搬送路を形成する第1案内部と、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第1方向である場合に前記第1方向とは異なる第2方向である場合よりも前記第1搬送路におけるシートの撓みが小さくなるように前記第2モータを制御する、ことを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
本発明の一態様は、シートに画像を定着する定着回転体と、前記定着回転体を駆動する第1モータと、シート搬送方向における前記定着回転体の下流に配置され、シートを搬送する定着下流回転体と、前記定着下流回転体を駆動する第2モータと、前記シート搬送方向における前記定着回転体と前記定着下流回転体との間において湾曲した第1搬送路を形成する第1案内部と、前記シート搬送方向における前記定着下流回転体の下流に、前記定着下流回転体により搬送されるシートが案内される第2搬送路を有する第2案内部と、前記定着下流回転体により搬送されるシートが案内される第4搬送路を有する第3案内部と、を選択的に装着可能な装着部と、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する制御部と、を備え、前記装着部に前記第2案内部が装着された場合、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第2方向に案内され、前記装着部に前記第3案内部が装着された場合、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における前記第2方向とは異なる第3方向に案内され、前記制御部は、前記定着下流回転体から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における前記第2方向である場合に前記第3方向である場合よりも前記第1搬送路におけるシートの撓みが大きくなるように前記第2モータを制御する、ことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、シートにダメージを与えてしまうことの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
図2】画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
図3】二次転写部、定着器、及び排紙ユニットの構成を示す模式図である。
図4】定着器及び排紙ユニットの駆動制御系を示すブロック図である。
図5】モータのベクトル制御を示す説明図である。
図6】モータ制御部の制御機能を示すブロック図である。
図7】速度指令決定器の制御機能を示すブロック図である。
図8】シートを搬送する際におけるモータM2の速度指令値と電流値とを示すタイムチャートである。
図9】一般的なモータM2の駆動制御を示すフローチャートである。
図10】一般的なモータM2及びモータM3の駆動制御を示すフローチャートである。
図11】(a)は搬送装置を装着していない場合の構成を示す模式図である。(b)は第1搬送装置を装着した場合を示す模式図である。(c)は第2搬送装置を装着した場合を示す模式図である。
図12】本実施形態に係るモータM2の制御を示すフローチャートである。
図13】本実施形態に係る目標電流値を設定する制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための一形態である実施形態を図面を用いて説明する。
【0011】
[画像形成装置の概略構成]
まず、画像形成装置の概略構成を図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置100は、装置本体101を備えており、その装置本体101の内部には、シートを給送する給送部101A、シートに画像を形成する画像形成部101B、画像が形成されたシートを搬送する搬送部101Cを備えている。また、装置本体101の上部には、搬送部101Cに搬送されて排出されるシートSを排出する空間SPが形成されている。この空間SPには、図1では排紙トレイ160,161が装着可能に配置された状態を示している。しかし、空間SPには、詳しくは後述する中継装置等のシートSを搬送する第2案内部としての第1搬送装置700或いは第3案内部としての第2搬送装置800(図11参照)が選択的に装着可能に構成されている。なお、この空間SPの上方には、画像読取装置等が配置されても構わない。
【0013】
給送部101Aには、カセットに配置されて複数のシートSのシート束を積載して支持するシート支持部としてのシートトレイTが備えられている。また、給送部101Aには、シートトレイTに支持されたシート束の最上位のシートSをピックアップして給送を開始するピックアップローラ102が備えられている。さらに、給送部101Aには、ピックアップローラ102により給送開始されたシートSを1枚ずつに分離する分離ローラ対103が備えられている。
【0014】
また、給送部101Aには、分離ローラ対103により1枚ずつに分離されたシートSを、ガイドにより形成された搬送路105の内部で搬送する引抜ローラ対104等が備えられている。そして、給送部101Aには、搬送路105により案内されて搬送されてきたシートSの先端を突き当てて撓みを形成することで斜行を補正し、二次転写部110にタイミングを調整しつつシートを搬送するレジストレーションローラ対106が備えられている。
【0015】
一方、画像形成部101Bは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、及びブラック(Bk)の各色に対応して4セットのステーションを備えている。また、画像形成部101Bは、それらステーションによりフルカラーのトナー像が一次転写されて形成される中間転写ベルト130を備えている。そして、画像形成部101Bは、中間転写ベルト130に形成されたトナー像をシートに二次転写する二次転写部110を備えている。
【0016】
ここでステーションについて、イエロー(Y)のステーション120Yを一例に説明する。ステーション120Yは、感光体121Y、露光器122Y、帯電器125Y、現像器126Y、一次転写ローラ123Y、及び感光体クリーナ124Y等から構成される。感光体121Yは、図中矢印A方向に回転し、帯電器125Yにより表面が一様に帯電される。露光器122Yは、形成する画像を表す画像信号に基づいてレーザ光を照射し、表面が一様に帯電された感光体121Yを露光する。これにより感光体121Yの表面に、イエローの画像に対応する静電潜像が形成される。現像器126Yは、感光体121Yに形成された静電潜像に対して、イエローのトナーによる現像を行う。これにより感光体121Yにイエローのトナー像が形成される。一次転写ローラ123Yは、所定の加圧力及び静電的付加バイアスが印加されることで、中間転写ベルト130にトナー像を一次転写する。感光体クリーナ124Yは、転写後に感光体121Yに残ったトナーを回収する。なお、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像も同様に各ステーションで感光体に形成された後に、一次転写部により中間転写ベルト130に転写される。なお、図1ではイエロー(Y)の画像形成部のみに符号を付して説明したが、イエロー以外の各色のステーションも同様の構成であるので、その説明を省略する。また、色の数は4色に限定されるものではない。また各色に対応するステーションの並び順もこの限りではない。
【0017】
中間転写ベルト130は、駆動ローラ131、テンションローラ132a、132b等のローラによって張架され、図中矢印Bの方向に搬送駆動される。4セットのステーションによる各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト130の回転方向の上流側の画像形成部で形成されたトナー像に回転方向の下流側の画像形成部で形成されたトナー像が重なるタイミングで、それぞれ行われる。その結果、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト130に形成される。トナー像は、中間転写ベルト130の回転により、二次転写部110へ搬送される。
【0018】
二次転写部110は、転写回転体としての二次転写ローラ対111を有する。二次転写ローラ対111は、所定の加圧力と静電的付加バイアスとにより、シートSの表面にトナー像を二次転写させる。なお、二次転写ローラ対111は、シートの種別やサイズに応じて設定されるシートに画像が形成される速度に対応して、設定された一定の回転速度(周速度)となるように回転制御される。
【0019】
搬送部101Cには、シートSに画像を定着する定着器150と、画像が定着されたシートSを排出する排紙ユニット180と、一方の面に画像が定着されたシートSの表裏を判定する反転搬送機構162と、が備えられている。即ち、画像形成部101Bの二次転写部110においてトナー像が転写されたシートSは、シートSに画像を定着させる定着器150へと搬送される。なお、二次転写部110と定着器150との間には、シートSの撓みを検出するための撓み検知部としての撓み検知センサ115が設けられている。定着器150は、トナー像が転写されたシートSを加圧及び加熱等することで、トナー像をシートSに溶解固着させる。
【0020】
定着器150で画像が定着されたシートSは、搬送部101Cに設けられた排紙ユニット180のフラッパ182によって選択された経路に搬送される。例えば、シートSがそのまま装置本体101の外部に排出される場合、シートSは排紙トレイ160又は排紙トレイ161に搬送されて排出される。両面画像形成が行われる場合、一方の面に画像が形成されたシートSは、反転搬送機構162、両面搬送路163を経由してレジストレーションローラ対106に再度搬送される。そして、上記と同様に画像がシートSの他方の面に画像が形成される。
【0021】
[画像形成装置の制御系の構成]
続いて、画像形成装置100の制御系の構成について図2を用いて説明する。図2は画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【0022】
画像形成装置100のシステムコントローラ190は、制御部としてのCPU190a、ROM190b、RAM190cを備えている。システムコントローラ190は、アナログ・デジタル(A/D)変換器200、高圧制御部201、モータ制御部192,193,194、センサ類202、及びACドライバ203に接続されている。システムコントローラ190は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信を行うことが可能である。
【0023】
CPU190aは、ROM190bに格納された各種プログラムを実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。RAM190cは記憶デバイスである。RAM190cには、例えば、高圧制御部201に対する設定値、モータ制御部192,193,194に対する指令値等の各種データが記憶される。
【0024】
システムコントローラ190は、センサ類202からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部201の設定値を設定する。高圧制御部201は、システムコントローラ190によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器、現像器、二次転写部等)に必要な電圧を供給する。
【0025】
モータ制御部192,193,194は、CPU190aから出力された指令に応じて、負荷を駆動するモータM1,M2,M3を制御する。なお、図2においては、画像形成装置100のモータとしてモータM1,M2,M3のみが記載されているが、これに限定されるものではない。また、1個のモータ制御部が複数個のモータを制御する構成であっても良い。更に、図2においては、モータ制御部が3個しか設けられていないが、これに限定されるものではない。
【0026】
A/D変換器200は、定着ヒータ204の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ190に送信する。システムコントローラ190は、A/D変換器200から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ203の制御を行う。ACドライバ203は、定着ヒータ204の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ204を制御する。なお、定着ヒータ204は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器150に含まれる。
【0027】
[定着器、排紙ユニット、及び反転排出機構の詳細]
ついで、定着器、排紙ユニット、及び反転排出機構の詳細について図3及び図4を用いて説明する。図3は二次転写部、定着器、及び排紙ユニットの構成を示す模式図である。図4は定着器及び排紙ユニットの駆動制御系を示すブロック図である。
【0028】
図3に示すように、定着器150は、定着回転体としての定着ローラ対151、内排紙ローラ対152、及び定着排紙ローラ対153を有して構成されている。二次転写ローラ対111によって搬送されるシートSが定着ローラ対151にニップされる際、定着ローラ対151は、二次転写ローラ対111のシートSの搬送速度よりも遅い搬送速度となる回転速度で回転する。この結果、シートSは、定着ローラ対151と二次転写ローラ対111との間で撓む(ループを形成する)。そのために、二次転写ローラ対111によってトナー像が転写されているシートSを定着ローラ対151が下流側へ引っ張り、二次転写ローラ対111で滑りを生じることを防止することができる。
【0029】
このように定着ローラ対151と二次転写ローラ対111対との間でシートSの撓み(ループ)を形成するように定着ローラ対151の回転速度を制御することを、本実施形態では定着ループ制御という。この定着ループ制御の詳細を以下に説明する。
【0030】
シートSの撓み量(ループ量)は、シート搬送方向における定着ローラ対151と二次転写ローラ対111との間に配置された撓み検知センサ115によって検出される。本実施形態では、例えば撓み検知センサ115によって検出されるループ量(つまり検知結果)が所定量になると、定着ローラ対151は、搬送速度が二次転写ローラ対111の搬送速度と同じ搬送速度になるように駆動制御される。定着ローラ対151の搬送速度は、そのローラ径が定着処理時の熱によって膨張したり、熱がシートSに奪われることによって収縮したりすることに起因して変動する。その結果、シートSの撓み量は変動する。
【0031】
シートSの撓み量が大き過ぎると、撓んだシートSが定着ローラ対151に接触してしまう可能性がある。本実施形態では、例えば撓み量が所定範囲の最大値を超えると、定着ローラ対151は、搬送速度が二次転写ローラ対111の搬送速度よりも速くなるように駆動制御される。この結果、シートSの撓み量が減少する。また、撓み量が所定範囲の最小値より小さくなると、定着ローラ対151は、搬送速度が二次転写ローラ対111の搬送速度よりも遅くなるように駆動制御される。この結果、撓み量が増大する。つまり、シートSの撓み量が所定範囲内の量である状態が維持されるように、定着ローラ対151の回転速度(搬送速度)が制御(調整)される。なお、このように二次転写ローラ対111の搬送速度に対して定着ローラ対151の搬送速度を制御する技術(つまり定着ループ制御)については、特開2015-69068号公報に記載されている。
【0032】
図4に示すように、定着ローラ対151、内排紙ローラ対152、及び定着排紙ローラ対153は、モータM1によって駆動される。モータM1は、モータ制御部192によって駆動制御される。定着排紙ローラ対153は、不図示の回転軸とモータM1との間にワンウェイクラッチを備えている。これにより、定着排紙ローラ対153に挟持されたシートSは、シート搬送方向で下流に位置する排紙ユニット180により引き抜き可能となる。
【0033】
図3に示すように、排紙ユニット180は、第1回転体或いは第1ローラ対としての排紙前ローラ対181と、定着下流回転体、第2回転体、排出回転体、或いは第2ローラ対としての排紙ローラ対184と、を有している。これら排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184とは、シートの搬送方向において隣接して配置されている。また、排紙ユニット180は、排紙センサ183と、排紙縦パスローラ対185と、搬送路の切り替えを行うフラッパ182とを有している。図4に示すように、排紙前ローラ対181、排紙ローラ対184、及び排紙縦パスローラ対185は、モータM2によって駆動される。モータM2は、モータ制御部193によって駆動制御される。
【0034】
印刷が完了したシートSは、定着器150から排紙ユニット180を通過して、排紙トレイ160,161(図1参照)に排出される。また、両面印刷時にあってシートSを反転する場合には、フラッパ182を切替えて、シートSが排紙ユニット180からモータM3によって駆動される反転ローラ対164を含む反転搬送機構162に受け渡される。反転搬送機構162において、シートSは、後端がフラッパ182を通り過ぎるまで反転ローラ対164により搬送され、後端が通り過ぎたタイミングでフラッパ182を切替え、反転ローラ対164の回転方向を反転する。これにより、シートSは表裏が反転された状態で両面搬送路163(図1参照)に搬送される。
【0035】
[モータ制御部について]
次に、排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184と排紙縦パスローラ対185とを駆動するモータM2の回転速度及びトルクを制御するモータ制御部193の機能的な構成と、その一般的な制御(処理)について、図5乃至図10を用いて説明する。図5はモータのベクトル制御を示す説明図である。図6はモータ制御部の制御機能を示すブロック図である。図7は速度指令決定器の制御機能を示すブロック図である。図8はシートを搬送する際におけるモータM2の速度指令値と電流値とを示すタイムチャートである。図9は一般的なモータM2の駆動制御を示すフローチャートである。図10は一般的なモータM2及びモータM3の駆動制御を示すフローチャートである。
【0036】
なお、以下の説明においては、モータ制御部の説明として、モータM2を制御するモータ制御部193を一例に説明するが、モータM1を制御するモータ制御部192やモータM3を制御するモータ制御部194も同様な構成を用いることができる。また、排紙ユニットがシートを搬送していないときのトルクと、定着器及び排紙ユニットがシートを搬送しているときのトルクと、の差分に基づいて速度制御を行うモータ制御部の技術については、特開2019-151486号公報に記載されている。また、二次転写ローラに作用するトルク情報を取得して、定着ローラの回転速度を制御する技術については、特開2011-81347号公報に記載されている。
【0037】
(ベクトル制御)
まず、モータ制御部によるベクトル制御について図5を用いて説明する。モータ制御部193は、ベクトル制御を用いてモータM2を制御する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないが、ロータリエンコーダなどのセンサが設けられていてもよい。
【0038】
図5は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、「モータ」と称する)M2と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図5では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図5では、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、ベクトル制御では、回転子402にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と巻線401a~401dを貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とが用いられる。トルク電流成分は、巻線401a~401dに流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分である。つまり、ベクトル制御とは、回転子402の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるように、トルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法である。
【0039】
(モータ制御部の機能的な構成)
ついで、モータM2を制御するモータ制御部193の機能的な構成を図6を用いて説明する。なお、モータ制御部193は、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されており、以下に説明する各機能を実行する。
【0040】
モータ制御部193は、ベクトル制御を行う回路として、速度制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線401a~401dに駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。
【0041】
座標変換器511は、モータM2のA相及びB相の巻線401a~401dに流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系からq軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線401a~401dに流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるq軸成分の電流値(q軸電流)とd軸成分の電流値(d軸電流)とによって表される。なお、q軸電流は、モータM2の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータM2の巻線401a~401dを貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当し、回転子402のトルクの発生には寄与しない。モータ制御部193は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御部193は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、ベクトル制御においては、図5に示す電流ベクトルの大きさは、回転子402にかかる負荷トルクに応じて変化する。
【0042】
モータ制御部193は、モータM2の回転子402の回転速度ωを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU190aは、速度指令決定器191に対してモータM2を駆動する指令を出力する。なお、CPU190aから出力される指令には、モータM2の回転子402の目標速度を表す指令速度ω_ref1が含まれる。速度指令決定器191は、指令速度ω_ref1に基づいて、モータM2の回転子402の目標速度を表す指令速度ω_ref2を生成して出力する。
【0043】
減算器601は、速度決定器514から出力された、モータM2の回転子402の回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差を演算して出力する。
【0044】
速度制御器502は、減算器601から出力される偏差を周期T(例えば、200マイクロ秒)で取得する。速度制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器601から取得する偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、速度制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器601から取得する偏差が「0」になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。図6に示した速度制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、速度制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しても良い。なお、回転子402に永久磁石を用いる場合、通常は巻線401a~401dを貫く磁束の強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
【0045】
モータM2のA相及びB相の巻線401a~401dに流れる駆動電流は、電流検出器507,508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。なお、電流検出器507,508が電流を検出する周期は、例えば、速度制御器502が偏差を取得する周期T以下の周期(例えば、25マイクロ秒)である。
【0046】
A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα、iβとして、図5に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe ・・・(1)
iβ=I*sinθe ・・・(2)
これらの電流値iα、iβは、座標変換器511及び誘起電圧決定器512に入力される。
【0047】
座標変換器511は、次式によって、静止座標系における電流値iα,iβを回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに変換する。
id=cosθ*iα+sinθ*iβ ・・・(3)
iq=-sinθ*iα+cosθ*iβ ・・・(4)
座標変換器511は、変換された電流値iqを減算器602及び速度指令決定器191に出力する。また、座標変換器511は、変換された電流値idを減算器603に出力する。なお、速度指令決定器191については後述する。
【0048】
減算器602は、q軸電流指令値iq_refと電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。また、減算器603は、d軸電流指令値id_refと電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
【0049】
電流制御器503は、PID制御に基づいて、入力される偏差がそれぞれ小さくなるように駆動電圧Vq,Vdを生成する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差がそれぞれ「0」になるように駆動電圧Vq、Vdを生成して座標逆変換器505に出力する。即ち、電流制御器503は、駆動電圧Vq,Vdの生成手段として機能する。なお、図6に示した電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq,Vdを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq,Vdを生成しても良い。
【0050】
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq,Vdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα,Vβに逆変換する。
Vα=cosθ*Vd-sinθ*Vq ・・・(5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq ・・・(6)
座標逆変換器505は、逆変換された駆動電圧Vα,Vβを誘起電圧決定器512及びPWMインバータ506に出力する。
【0051】
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有する。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα,Vβに基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα,Vβに応じた駆動電流iα,iβを生成し、駆動電流iα,iβをモータM2の各相の巻線401a~401dに供給することによって、モータM2を駆動する。即ち、PWMインバータ506は、モータM2の各相の巻線401a~401dに電流を供給する供給手段として機能する。なお、図6に示したPWMインバータ506はフルブリッジ回路を有しているが、PWMインバータ506はハーフブリッジ回路等であっても良い。
【0052】
次に、回転位相θの決定方法について説明する。回転子402の回転位相θの決定には、回転子402の回転によってモータM2のA相及びB相の巻線401a~401dに誘起される誘起電圧Eα,、Eβの値が用いられる。誘起電圧Eα,Eβの値は誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα,Eβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα,iβと、座標逆変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα,Vβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα-R*iα-L*diα/dt ・・・(7)
Eβ=Vβ-R*iβ-L*diβ/dt ・・・(8)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。巻線レジスタンスR及び巻線インダクタンスLの値は使用されているモータ509に固有の値であり、ROM190b又はモータ制御部193に設けられたメモリ(不図示)等に予め格納されている。
誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα,Eβは、位相決定器513に出力される。
【0053】
位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比に基づいて、次式によってモータM2の回転子402の回転位相θを決定する。
θ=tan^-1(-Eβ/Eα) ・・・(9)
なお、図6に示した位相決定器513は、式(9)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、ROM190b等に記憶されている、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβと、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβに対応する回転位相θと、の関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定してもよい。
前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、座標逆変換器505、座標変換器511及び速度決定器514に入力される。
【0054】
速度決定器514は、入力される回転位相θの所定期間における変化量に基づいて、回転子402の回転速度ωを決定する。具体的には、速度決定器514は、以下の式(10)に基づいて回転子402の回転速度ωを決定する。
ω=dθ/dt ・・・(10)
前述の如くして得られた回転子402の回転速度ωは、減算器601に入力される。
【0055】
以上のように、モータ制御部193は、上記の機能(制御)を繰り返し行うことで、指令速度ω_ref2と回転速度ωとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御するベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。
【0056】
(速度指令決定器191の詳細)
次に、速度指令決定器191の機能(制御)について図6及び図7を用いて説明する。図6に示すように、CPU190aは、定着ローラ対151を回転制御するモータM1を制御するモータ制御部192に対して指令速度ω_ref1を出力する。モータ制御部192は、指令速度ω_ref1に基づいて、例えば、前述したベクトル制御を行う。なお、モータ制御部192は、例えば、指令速度ω_ref1に基づいて定電流制御を行ってもよい。そして、この指令速度ω_ref1は、速度指令決定器191にも出力される。
【0057】
図7に示すように、速度指令決定器191は、第1計算部191aと第2計算部191bとを有して構成されている。第1計算部191aには、モータ制御部192から出力される第1速度指令値としてのモータM1の指令速度ω_ref1が入力される。前述したように、定着ローラ対151の回転速度は、撓み検知センサ115によって検出されたシートSのループ量に基づいて制御される。即ち、指令速度ω_ref1は、シートSのループ量に応じて変化する。
【0058】
第1計算部191aは、入力される指令速度ω_ref1を記憶するメモリ1910aを有し、指令速度ω_ref1が入力される毎にメモリ1910aを更新する。第1計算部191aは、例えば、取得した指令速度ω_ref1からメモリ1910aに記憶されている指令速度ω_ref1が減算された値δω_refに基づいて、基準となる速度指令値である指令速度ω_ref0を調整するための第1調整値を生成する。
【0059】
例えば、値δω_refが負である(即ち、取得した指令速度ω_ref1がメモリ1910aに記憶されている指令速度ω_ref1より小さい)場合、第1計算部191aは、以下のようにして第1調整値を生成する。具体的には、第1計算部191aは、指令速度ω_ref1が値δω_ref減少することに起因して減少する定着ローラ対151の搬送速度の減少量に対応する量だけ排紙前ローラ対181の搬送速度が減少するように、第1調整値を生成する。
【0060】
また、例えば、値δω_refが正である(即ち、取得した指令速度ω_ref1がメモリ1910aに記憶されている指令速度ω_ref1より大きい)場合、第1計算部191aは、以下のようにして第1調整値を生成する。具体的には、第1計算部191aは、指令速度ω_ref1が値δω_ref増大することに起因して増大する定着ローラ対151の搬送速度の増大量に対応する量だけ排紙前ローラ対181の搬送速度が増大するように、第1調整値を生成する。
【0061】
第2計算部191bには、座標変換器511から出力されるq軸連流の電流値iqが入力される。電流値iqが増大することは、排紙前ローラ対181が定着器150に対してシートSを搬送方向の下流側に引っ張る力が増大したことを意味する。また、電流値iqが減少することは、排紙前ローラ対181が定着器150に対してシートSを搬送方向の下流側に引っ張る力が減少したことを意味する。なお、ここでは、排紙前ローラ対181と定着器150間のシートSの引張・撓み(弛み)を電流値iqを用いて検出しているが、電流値iqに限定されるものではなくロータの位置変動などのモータ制御情報を用いてもよい。
【0062】
第2計算部191bは、電流値iqの基準値iq0を記憶するメモリ1910bを有する。基準値iq0は、例えば指令速度ω_ref0でモータM2が制御され且つ排紙前ローラ対181と予め設定されたシート搬送速度に対応する搬送速度で回転する定着ローラ対151とによって普通紙が搬送されている状態における所定期間内の電流値iqの平均値である。この基準値iq0は、予めメモリ1910bに記憶されている。なお、ここで説明したメモリ1910bに格納されている基準値は1個である(即ち、基準値は紙種/搬送速度によらない)が、紙種/搬送速度に対応する基準値がメモリ1910bに格納されている構成であってもよい。
【0063】
第2計算部191bは、例えば、取得した電流値iqがメモリ1910bに記憶されている基準値iq0になるように、指令速度ω_ref0を調整するための第2調整値を生成する。例えば、取得した電流値iqがメモリ1910bに記憶されている基準値iq0より小さい場合、第2計算部191bは、以下のようにして第2調整値を生成する。具体的には、第2計算部191bは、電流値iqと基準値iq0との差分値に対応する量だけ排紙前ローラ対181の搬送速度が増大するように、第2調整値を生成する。
【0064】
また、例えば、取得した電流値iqがメモリ1910bに記憶されている基準値iq0より大きい場合、第2計算部191bは、以下のようにして第2調整値を生成する。具体的には、第2計算部191bは、電流値iqと基準値iq0との差分値に対応する量だけ排紙前ローラ対181の搬送速度が減少するように、第2調整値を生成する。
【0065】
速度指令決定器191は、第1計算部191aにより算出した第1調整値と、第2計算部191bにより算出した第2調整値とが指令速度ω_ref0に加算された第2速度指令値としての指令速度ω_ref2を出力する。なお、指令速度ω_ref0は、例えば定着ローラ対151が熱膨張していないときの排紙ユニット180によるシートSの搬送速度を指示する速度指令値である。
【0066】
なお、シートSの後端が二次転写部110を通過すると、定着ループ制御は終了する。したがって、速度指令決定器191は、シートSの後端が二次転写部110を通過すると、第1調整値を速度指令値に加算する処理を行わない。なお、シートSの後端が二次転写部110を通過するタイミングは、例えば、シート検知センサ107(図3参照)がシートSの先端を検知したタイミングと搬送されるシートSの長さとシートSの搬送速度とに基づいて決定される。
【0067】
[モータM2の動作期間と電流値]
ついで、排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184と排紙縦パスローラ対185とを駆動するモータM2の1枚のシートSを搬送する場合の動作期間と電流値について図8を用いて説明する。なお、図8においては、上側部分にモータM2の速度指令値の変化を示し、下側部分にモータM2の電流値(トルク)の変化を示している。
【0068】
図8において、期間D1は、上述した定着ループ制御が行われる前の期間である。期間D2は、定着ループ制御が行われている期間である。期間D3は、シートSの後端が二次転写ローラ対111を抜けて定着ループ制御を終了したときから、シートSの後端が定着排紙ローラ対153を抜けるまでの期間である。期間D4は、シートSの後端が定着排紙ローラ対153を抜けた後の期間である。
【0069】
図8において、電流I1は、モータM2の平均電流値である。電流I2は、排紙前ローラ対181にシートSの先端が進入する前の、定着器150によりシートSの搬送が行われている状態における、モータM2の電流値である。但し、電流I2は、排紙前ローラ対181にシートSの先端が進入する前に限定されず、排紙前ローラ対181にシートSの先端に入った直後のモータM2の電流値でもよい。
【0070】
[モータM2の駆動制御]
次に、一般的なモータM2の駆動制御について図9を用いて説明する。なお、図9に示す駆動制御に関するフローチャートの処理は、CPU190aによって実行されるものである。上述したように、シートSの搬送方向において、定着器150の下流に位置する排紙ユニット180におけるシートSの搬送速度は、モータM2の回転速度制御により制御される。これにより、シートSの安定した搬送を実現する。
【0071】
速度指令決定器191は、モータM2の駆動を開始して、駆動開始から所定時間経過した時刻t1から所定の時刻t2までの間(図8参照)、モータM2の電流値を複数回取得する(S101)。速度指令決定器191は、時刻t1から時刻t2までに取得した複数の電流値の平均値である平均電流値を算出する(S102)。このようにして速度指令決定器191は、シートSが排紙前ローラ対181に進入する前の時点における、モータM2に供給される電流の電流値の所定期間の平均値を取得する。
【0072】
時刻t1及び時刻t2を決めるトリガーは、例えば、レジストレーションローラ対106を駆動するレジストモータ(図示せず)の駆動開始から起算した時間が用いられる。また、時刻t1は、モータM2の立ち上がりの電流値の不安定な期間を避けることが望ましい。そのため、時刻t1は、モータM2の駆動開始後のタイミングとしている。さらに、平均電流値を算出する場合に用いる複数の電流値を取得する回数は、ノイズの周波数を加味して決定される。
【0073】
速度指令決定器191は、シートSの搬送方向の先端が排紙前ローラ対181に進入する時刻t3におけるモータM2の電流値iqを取得し、この電流値と上記算出した平均電流値(基準値iq0)との差分を「第2の差分(第2調整値)」として算出する。また速度指令決定器191は、時刻t3において、モータM1の速度指令値(指令速度ω_ref1)とモータM1の平均速度(メモリ1910aに記憶されている指令速度ω_ref1)との差分を「第1の差分(第1調整値)」として算出する(S103)。これらの算出処理は、上述したように第1及び第2計算部191a,191b(図7参照)により実行される。なお、シートSが排紙前ローラ対181に進入した後のモータM2の電流値を取得する際には、取得間隔や取得回数がノイズの周波数を加味して決定される。
【0074】
速度指令決定器191は、第2の差分に所定のゲインを乗算して生成する第2の速度制御値と、第1の差分である第1の速度制御値とを、モータM2の入力速度指令値(指令速度ω_ref0)に加算する。これにより、モータM2の速度指令値(指令速度ω_ref2)を算出する(S104)。第1の速度制御値の加算は、定着ループ制御が終了する時刻t4まで行われる。即ち、時刻t4において(図8参照)、速度指令決定器191は第1の速度制御値の加算処理を終了する(S105)。速度指令決定器191は、シートSの後端が定着器150の定着ローラ対151を抜ける時刻t5(図8参照)の後に、第2の速度制御値の加算処理を終了する(S106)。シートSが定着器150を抜けた時刻t5の後は、モータM2の入力速度指令値に対する加算処理を終了する。以上のように、必要なときだけモータM2の電流値を用いた速度制御が行われる。これにより、速度指令決定器191(CPU190a)の処理負荷を軽減することができる。
【0075】
(モータM2の駆動制御のまとめ)
上記定着ローラ対151は、定着器150の温調制御によってその温度が変化し、その直径が変化するために、搬送速度が変動する。排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184は、定着後のシートSにより温められることで直径が膨張するために、やはり搬送速度(実速度)が変動する。この結果、定着ローラ対151と、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184との間の実際の速度差を予想することは困難である。
【0076】
そこで、モータM2の電流値(トルク)を用いた速度制御を行うことで、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184の回転速度(つまり搬送速度)を定着ローラ対151の回転速度(つまり搬送速度)に対して適切な値に調整する。これにより、特に定着ループ制御を実行していない状態では、定着ローラ対151と、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184との間で、シートSは、適切な弛みを保ちながら適切なトルクで搬送される。
【0077】
しかしながら、定着ループ制御の実行中は、撓み検知センサ115によって検知される、二次転写ローラ対111と定着ローラ対151との間におけるシートSの撓み量に応じて、モータM1の速度が調整される。この速度調整(速度の変更)により、定着ローラ対151と、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184との間で、シートSは引っ張りや弛みが発生する。このような定着ループ制御による速度変化への対応は、モータM2の電流値(トルク)を用いた速度制御だけでは困難である。
【0078】
そこで、定着ループ制御の実行中においてモータM1の速度指令値を速度指令決定器191にフィードバックすることで、定着ループ制御よる速度変化へ対応することを可能としている。
【0079】
なお、速度指令決定器191から出力される指令速度ω_ref2には、上下限の値が設けられることが好ましい。例えば、ノイズや外乱などにより指令速度ω_ref2が増大して上限ωmaxを超えた場合は、速度指令決定器191は指令速度としてωmaxを出力する。また、ノイズや外乱などにより指令速度ω_ref2が減少して下限ωminより小さくなった場合は、速度指令決定器191は指令速度としてωminを出力する。このように上下限の値を設けることで、大きな速度変化を抑えることができ、速度の上がり過ぎや下がり過ぎの発生を防止することができる。
【0080】
また、上記説明では、上記「第2の差分」は、時刻t1から時刻t2の期間のモータM2の平均電流値と時刻t3以降のモータM2の電流値との差分として説明したが、これに限定するものではない。例えば、「第2の差分」は、平均電流値を基準電流値とし、この基準電流値よりも大きな値を目標電流値とし、この目標電流値と時刻t3以降のモータM2の電流値との差分としてもよい。この場合、目標電流値は、例えば基準電流値の1.2倍より大きな値としてもよく、又は基準電流値を+10Nmでオフセットした値としてもよい。
【0081】
[定着ローラ対151と排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184との間におけるシートの弛みについて]
定着ローラ対151から排紙前ローラ対181までの搬送路は、定着処理直後のカールが大きいシートSが通過するため、カールを強制するために搬送路を狭くする必要があり、つまりシートSの弛みを許容するような空間が狭い構成となっている。従って、定着ローラ対151から排紙前ローラ対181までの搬送路で、シートSの弛みは発生させたくない。
【0082】
また、定着ローラ対151は、定着処理のために加圧されており、ローラ間の当接圧が大きく設定されている。そのために、定着ローラ対151がシートSに当接する圧力は、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184がシートSに当接する圧力よりも相対的に大きい。
【0083】
そこで、上記のようにモータM2の目標電流値を基準電流値より大きくすることで、モータM2のトルクが相対的に大きくなるように制御する。これにより、定着ローラ対151と、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184とによりシートSを搬送している状態において、シートSは、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184に対して常に多少滑る状態で搬送される。
【0084】
なお、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184の調整前の速度指令値ω_ref0(図7参照)は、定着ローラ対151の速度指令値よりも大きい値であってもよい。この場合、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184は、定着ローラ対151に対してシートSを常に引っ張る速度設定となる。このような設定とすることで、シートSが排紙前ローラ対181に進入した直後、もしくはモータM2の電流値を用いた速度制御を行った直後において、制御の遅れによるシートSの弛みの成長を防止することができる。
【0085】
[シートを排紙ユニットから反転排出機構に搬送する場合のモータM2の駆動制御]
ここで、シートを排紙ユニットから反転排出機構に搬送する場合のモータM2の駆動制御について図10を用いて説明する。図10はモータM2及びモータM3の駆動制御を示すフローチャートである。
【0086】
上述したように、シートSを定着ローラ対151と排紙前ローラ対181との間でモータM2の電流値(トルク)を用いた速度制御を行って搬送する。そして、そのシートSを排紙縦パスローラ対185と反転ローラ対164との間でシートSを搬送するとする(図3参照)。この場合、排紙縦パスローラ対185と反転ローラ対164との間の引張りや弛みは、排紙前ローラ対181と定着ローラ対151との間の引張りや弛みによるトルク変動が支配的である。そのため、モータM2に作用するトルク情報より、排紙縦パスローラ対185と反転ローラ対164との間の引張りや弛みを求めることは困難である。そこで、モータM2の回転速度制御をモータM3の回転速度制御へ反映(同期)させる。
【0087】
即ち、図10に示すように、上述したステップS101~S106までの処理を実行し、モータM2の回転速度制御を行う。そして、ステップS107において、第1の速度制御値の加算処理や第2の速度制御値の加算処理で、加算処理されたモータM2の速度制御値を、モータM3の速度制御値として反映する。これにより、モータ制御部194は、そのモータM3の速度制御値(つまりモータM2の速度制御値)によってモータM3を駆動制御する。これにより、排紙縦パスローラ対185と反転ローラ対164との間で引張りや弛みが発生することを抑制することができる。
【0088】
[搬送装置を装着していない場合、第1搬送装置700を装着した場合、第2搬送装置800を装着した場合について]
ついで、画像形成装置100のシートの排出空間である空間SPに、搬送装置が装着されてなく、排出積載部としての排紙トレイ160,161を装着した場合、搬送装置としての第1搬送装置700を装着した場合、搬送装置としての第2搬送装置800を装着した場合について図11乃至図13を用いて説明する。図11(a)は搬送装置を装着していない場合の構成を示す模式図である。図11(b)は第1搬送装置700を装着した場合を示す模式図である。図11(c)は第2搬送装置800を装着した場合を示す模式図である。図12は本実施形態に係るモータM2の制御を示すフローチャートである。図13は本実施形態に係る目標電流値を設定する制御を示すフローチャートである。
【0089】
図11(a)、図11(b)、及び図11(c)に示すように、排紙ユニット180は二次転写部110及び定着器150の上方に配置されている。即ち、シートSは、上下方向であるZ方向に向いた搬送路の内部を下方から上方に向けて排紙ユニット180に搬送される。従って、排紙ユニット180において排紙前ローラ対181は、一対のローラにより形成されるニップ部の接線である第1ニップ線LN1が、Z方向或いは略Z方向に向く方向となるように配置されている。一方、排紙ローラ対184は、一対のローラにより形成されるニップ部の接線である第2ニップ線LN2の方向が、第1ニップ線LN1の方向に対し、水平方向であるX方向に近づく方向となるように配置されている。シートSの搬送方向における排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184との間においては、第1案内部としての上ガイド302及び下ガイド303とにより、シートの幅方向(前後方向)から視て湾曲した第1搬送路としての搬送路301が形成されている。即ち、搬送路301は、搬送方向の上流の端部が第1ニップ線LN1の方向に向き、搬送方向の下流の端部が第2ニップ線LN2の方向に向くように形成されている。要するに、搬送路301は、搬送方向に進むにつれ、上下方向から湾曲して徐々に水平方向に向いていき、装置本体101から排出されるシートSが斜め上方に向いて排出されるような搬送路に形成されている。なお、シートの幅方向(前後方向)とは、上下方向(Z方向)及び水平方向(X方向)に直交する方向である。
【0090】
図11(a)に示すように、装着部としての空間SPに、後述の第1搬送装置700や第2搬送装置800が装着されていない場合、排紙トレイ160,161が空間SPに装着されて配置されている(図1参照)。なお、本実施形態では、排紙トレイ160,161が空間SPに装着されるものとして説明しているが、空間SPに何も装着されず、装置本体101の上面(空間SPの底面)が排紙トレイとして形成されているものでも構わない。
【0091】
このように空間SPに排紙トレイ160が配置されている場合、排紙ユニット180で搬送されて排出されるシートSは、排紙ローラ対184から、第2ニップ線LN2よりも下方に向く第3搬送路としての仮想的な搬送路901を通過する形で第1方向V1に向けて搬送される。従って、シートSには、その剛性(コシ)により、搬送路301の内部において、上方に向く力が生じ、つまり上方に凸状となる撓みを大きくする力が生じる。この場合、シートSが上方の上ガイド302に摺動し、シートSに傷やスジ等のダメージを与える虞があるので、搬送路301におけるシートSの撓みを小さくするような対処が求められる。
【0092】
そこで、図11(a)に示すように空間SPに処理装置を装着せずに排紙トレイ160を装着した場合の対処として、モータM2の目標電流値を基準電流値よりも大きくすることが考えられる。即ち、シートSが定着ローラ対151、排紙前ローラ対181、排紙ローラ対184により搬送される場合、上述したように定着ローラ対151の加圧が大きいため、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184では滑りを生じる。この状態で、モータM2の電流値を基準となる電流値よりも大きくすると、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184の搬送力(トルク)が相対的に大きくなる。この際、搬送方向において排紙前ローラ対181が排紙ローラ対184よりも定着ローラ対151に近いため、排紙前ローラ対181の搬送力は排紙ローラ対184よりも定着ローラ対151に引っ張られる。これにより、排紙ローラ対184によるシートSの搬送力を、排紙前ローラ対181によるシートSの搬送力よりも大きくすることができる。すると、排紙ローラ対184を、排紙前ローラ対181よりもシートSを引っ張り状態にすることができ、搬送路301におけるシートSの撓みを小さくし、シートSに傷やスジ等のダメージを与えることの低減ができる。
【0093】
次に、図11(b)に示すように、空間SPに、第1搬送装置700が装着された場合について説明する。第1搬送装置700は、その第1搬送装置700よりもシートSの搬送方向の下流にシートに処理を行う第1処理装置(不図示)が配置される場合に、排紙ローラ対184から処理装置にシートSを中継して搬送する装置である。即ち、第1処理装置としては、綴じ処理、折り処理、裁断処理、穿孔処理、検品処理等を行う処理装置の一つが考えられる。
【0094】
この第1搬送装置700は、不図示のモータにより駆動される搬送ローラ対710,711を有しており、排紙ローラ対184から搬送されてきたシートSをこれら搬送ローラ対710,711により不図示の第1処理装置に搬送する。第1搬送装置700は、搬送方向の最も上流にあり、排紙ローラ対184により搬送されるシートが案内される第2搬送路としての搬送路701を有している。この搬送路701は、上ガイド702及び下ガイド703により形成されている。この搬送路701のおけるシートSを案内する方向である第2方向V2は、排紙ローラ対184の第2ニップ線LN2よりも上方に向く方向である。
【0095】
このように空間SPに第1搬送装置700が装着されている場合、排紙ユニット180で搬送されて排出されるシートSは、排紙ローラ対184から、第2ニップ線LN2よりも上方に向く第2方向V2に向けて搬送される。従って、シートSには、その剛性(コシ)により、搬送路301の内部において、下方に向く力が生じ、つまり上方に凸状となる撓みを小さくする力が生じる。この場合、シートSが下方の下ガイド303に摺動し、シートSに傷やスジ等のダメージを与える虞があるので、搬送路301におけるシートSの撓みを大きくするような対処が求められる。
【0096】
そこで、図11(b)に示すように空間SPに第1搬送装置700を装着した場合の対処として、モータM2の目標電流値を基準電流値よりも小さくすることが考えられる。即ち、シートSが定着ローラ対151、排紙前ローラ対181、排紙ローラ対184により搬送される場合、上述したように定着ローラ対151の加圧が大きいため、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184では滑りを生じる。この状態で、モータM2の電流値を基準となる電流値よりも小さくすると、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184の搬送力(トルク)が相対的に小さくなる。この際、搬送方向において排紙前ローラ対181が排紙ローラ対184よりも定着ローラ対151に近いため、排紙前ローラ対181の搬送力は排紙ローラ対184よりも定着ローラ対151に引っ張られる。これにより、排紙ローラ対184によるシートSの搬送力を、排紙前ローラ対181によるシートSの搬送力よりも小さくすることができる。すると、排紙ローラ対184を、排紙前ローラ対181よりもシートSを引っ張らない状態にすることができ、搬送路301におけるシートSの撓みを小さくし、シートSに傷やスジ等のダメージを与えることの低減ができる。
【0097】
ついで、図11(c)に示すように、空間SPに、第2搬送装置800が装着された場合について説明する。第2搬送装置800は、その第2搬送装置800よりもシートSの搬送方向の下流にシートに処理を行う第2処理装置(不図示)が配置される場合に、排紙ローラ対184から処理装置にシートSを中継して搬送する装置である。即ち、第2処理装置としても、綴じ処理、折り処理、裁断処理、穿孔処理、検品処理等を行う処理装置の一つが考えられる。
【0098】
この第2搬送装置700は、不図示のモータにより駆動される搬送ローラ対810,811を有しており、排紙ローラ対184から搬送されてきたシートSをこれら搬送ローラ対810,811により不図示の第2処理装置に搬送する。第2搬送装置800は、搬送方向の最も上流にあり、排紙ローラ対184により搬送されるシートが案内される第4搬送路としての搬送路801を有している。この搬送路801は、上ガイド802及び下ガイド803により形成されている。この搬送路801のおけるシートSを案内する方向である第3方向V3は、排紙ローラ対184の第2ニップ線LN2と同じ方(平行)に向く方向である。
【0099】
このように空間SPに第2搬送装置800が装着されている場合、排紙ユニット180で搬送されて排出されるシートSは、排紙ローラ対184から、第2ニップ線LN2と同じ方向に向く第3方向V3に向けて搬送される。従って、シートSには、その剛性(コシ)により、搬送路301の内部において、上下方向に対する力があまり生じず、つまり撓みを変化させる力があまり生じない。この場合、シートSに傷やスジ等のダメージを与える虞が少ないので、特に搬送路301におけるシートSの撓みを変化させる対処は求められない。
【0100】
そこで、図11(c)に示すように空間SPに第2搬送装置800を装着した場合の対処として、モータM2の目標電流値を基準電流値にすることが考えられる。即ち、シートSが定着ローラ対151、排紙前ローラ対181、排紙ローラ対184により搬送される場合、上述したように定着ローラ対151の加圧が大きいため、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184では滑りを生じる。この状態で、モータM2の電流値を基準となる電流値にすると、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184の搬送力(トルク)が相対的に基準通りとなる。これにより、排紙ローラ対184によるシートSの搬送力を、排紙前ローラ対181によるシートSの搬送力と略同じにすることができ、搬送路301におけるシートSの撓みの大きさを維持し、シートSに傷やスジ等のダメージを与えることの低減ができる。
【0101】
(本実施形態に係るモータM2の制御)
続いて、本実施形態に係るモータM2の制御について、図12及び図13を用いて説明する。図12は本実施形態に係るモータM2の制御を示すフローチャートである。図13は本実施形態に係る目標電流値を設定する制御を示すフローチャートである。
【0102】
本実施形態に係るモータM2の制御では、一般的なモータM2の制御(図9参照)に比して、図12に示すように、モータM2に印加する目標電流値を設定する制御(S300)を加えたものである。即ち、目標電流値を設定する前に、平均電流値を算出し、それに基づきモータM2の速度制御値に関する制御を行い、一方で、モータM2に印加する電流値を目標電流値に設定する。
【0103】
目標電流値を設定する制御(S300)では、図13に示すように、まず、CPU190aが、排紙ユニット180よりも搬送方向の下流にある搬送路の情報(パス情報)を取得する(S301)。即ち、搬送路の情報とは、空間SPに例えば第1搬送装置700又は第2搬送装置800が装着されているか否かの情報である。この情報は、例えば画像形成装置100に第1搬送装置700又は第2搬送装置800が装着された際に接続する配線からの電気信号で取得してもよいし、操作パネルによって機器情報として設定したものを用いてもよい。
【0104】
次にCPU190aは、空間SPに何かしらの搬送装置が装着されているか否かを判定する(S302)。何かしらの搬送装置が装着されている場合は(S302のYes)、その搬送装置の搬送路の角度情報を取得する(S303)。即ち、本実施形態においては、例えば第1搬送装置700が装着されている場合は、第2ニップ線LN2よりも上方の角度(図11(b)参照)が取得される。また、例えば第2搬送装置800が装着されている場合は、第2ニップ線LN2と同じの角度(図11(c)参照)が取得される。なお、本実施形態では、搬送路が第2ニップ線LN2よりも下方の角度となるような処理装置について説明していないが、そのような処理装置が取付けられ手も構わない。
【0105】
続いて、CPU190aは、搬送路の角度情報が第2ニップ線LN2よりも上方の角度(図11(b)参照)である場合、例えばROM190bに格納されている目標電流値テーブルAを選択する(S304)。また、CPU190aは、搬送路の角度情報が第2ニップ線LN2と同じ角度(図11(c)参照)である場合、例えばROM190bに格納されている目標電流値テーブルBを選択する(S305)。そして、CPU190aは、搬送装置が装着されていない場合(S302のNo)(図11(a)参照)、或いは搬送路の角度情報が第2ニップ線LN2より下方の角度である場合、例えばROM190bに格納されている目標電流値テーブルCを選択する(S306)。なお、目標電流値テーブルAに格納されている電流値は、目標電流値テーブルCに格納されている電流値よりも相対的に大きい。また、目標電流値テーブルBに格納されている電流値は、目標電流値テーブルAに格納されている電流値と目標電流値テーブルCに格納されている電流値との間の大きさである。
【0106】
ついで、CPU190aは、例えば印刷ジョブ等に含まれているシートSの紙種の情報を取得する(S307)。即ち、上記の目標電流値テーブルA~Cには、紙種の情報に応じて異なる目標電流値が格納されている。特にシートSの剛性が高い(コシが強い)ほど、排紙ローラ対184から下流に向けて搬送されるシートSの上下方向の角度に影響を受け易い。そのため、シートSの剛性が高い(コシが強い)ほど、目標電流値の変更幅が大きくなるように設定されていることが好ましい。
【0107】
そして、CPU190aは、選択した目標電流値テーブルA~Cの一つから、シートの種別の情報である紙種の情報に応じた目標電流値を選択して、それを目標電流値として設定する(S308)。これにより、モータM2は目標電流値が印加されることで目標電流値に応じたトルクが出力され、搬送路301における撓みの大きさ(撓み量)が所望の大きさに制御される。
【0108】
即ち、目標電流値テーブルAが選択された場合、モータM2の電流値が相対的に大きく、モータM2のトルクが大きくなるので、搬送路301の撓みが大きくなり易く、下ガイド303からシートSが離れ易くなる。つまりシートSが下ガイド303に押付けられ難くなる。なお、本実施形態では、この目標電流値テーブルAが選択された場合のモータM2のトルクが、相対的に大きい第1トルクということになる。
【0109】
反対に、目標電流値テーブルCが選択された場合、モータM2の電流値が相対的に小さく、モータM2のトルクが小さくなるので、搬送路301の撓みが小さくなり易く、上ガイド302からシートSが離れ易くなる。つまりシートSが上ガイド302に押付けられ難くなる。なお、本実施形態では、この目標電流値テーブルCが選択された場合のモータM2のトルクが、第1トルクよりも小さい第2トルクということになる。
【0110】
そして、目標電流値テーブルBが選択された場合、モータM2の電流値が基準となる値に近くなり、モータM2のトルクが基準値に近くなるので、搬送路301の撓みが通常通りの大きさとなり易く、上ガイド302及び下ガイド303からシートSが離れ易くなる。つまりシートSが上ガイド302及び下ガイド303に押付けられ難くなる。なお、本実施形態では、この目標電流値テーブルBが選択された場合のモータM2のトルクが、第1トルクよりも小さくかつ第2トルクよりも大きい第3トルクということになる。
【0111】
[本実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置100は、CPU190aが、排紙前ローラ対181から搬送されるシートSが案内される方向が、上下方向における第1方向V1である場合に第1方向V1とは異なる第2方向V2である場合よりも搬送路301におけるシートの撓みが小さくなるようにモータM2を制御する。これにより、搬送路301においてシートSにダメージを与えてしまうことの低減を図ることができる。
【0112】
また、本実施形態においては、モータM2が排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184を駆動するものであるが、このような構成でも、排紙前ローラ対181から搬送されるシートSが案内される方向が、上下方向における第1方向V1である場合に第1方向V1とは異なる第2方向V2である場合よりも搬送路301におけるシートの撓みが小さくなるようにモータM2を制御する。これにより、搬送路301においてシートSにダメージを与えてしまうことの低減を図ることができる。
【0113】
特に、排紙前ローラ対181から搬送されるシートが案内される方向が第1方向V1である場合に、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184からシートに作用するトルクが第1トルクとなるようにモータM2の電流値を設定し、排紙前ローラ対181から搬送されるシートが案内される方向が第2方向V2である場合に、排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184からシートに作用するトルクが第1トルクより小さい第2トルクとなるようにモータM2の電流値を設定する。これにより、モータM2が排紙前ローラ対181及び排紙ローラ対184を駆動する構成であっても、搬送路301におけるシートの撓みの大きさを調整することを可能にできる。
【0114】
[他の実施形態の可能性]
なお、本実施形態においては、排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184とが同一のモータM2により駆動されるものを説明したが、これに限らず、排紙前ローラ対181をモータM2とは別のモータで独立して駆動するものでも構わない。この場合、搬送路301におけるシートの撓みの大きさは、電流値(トルク)の制御ではなく、排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184との搬送速度差(回転速度差)を調整することができる。従って、このように構成した場合も、排紙ローラ対184から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第1方向V1である場合に第1方向V1とは異なる第2方向V2である場合よりも搬送路301におけるシートの撓みが小さくなるように排紙ローラ対184を駆動する第2モータM2を制御することが可能である。要するに、排紙ローラ対184から搬送されるシートの方向に応じて、排紙ローラ対184の搬送速度を変更すれば搬送路301におけるシートの撓みの大きさを変更することができる。また、このように構成した場合、排紙前ローラ対181を駆動する別のモータを制御して、排紙前ローラ対181と排紙ローラ対184との搬送速度差(回転速度差)を調整するようにしても構わない。
【0115】
また、本実施形態においては、搬送方向における排紙ローラ対184と定着ローラ対151との間に、排紙前ローラ対181を備えたものを説明したが、これに限らず、排紙前ローラ対181を備えていないものでも構わない。この場合は、排紙ローラ対184と定着ローラ対151との間に湾曲した搬送路301があり、これら排紙ローラ対184と定着ローラ対151と搬送速度差(回転速度差)を調整することが考えられる。このように構成した場合も、排紙ローラ対184から搬送されるシートが案内される方向が、上下方向における第1方向V1である場合に第1方向V1とは異なる第2方向V2である場合よりも搬送路301におけるシートの撓みが小さくなるように排紙ローラ対184を駆動する第2モータM2を制御することが可能である。要するに、排紙ローラ対184から搬送されるシートの方向に応じて、排紙ローラ対184の搬送速度を変更すれば搬送路301におけるシートの撓みの大きさを変更することができる。
【0116】
また、本実施形態においては、定着ローラ対151、排紙前ローラ対181、排紙ローラ対184等のローラ対が一対のローラで構成されたものを説明したが、これに限らず、例えば搬送ベルト等の回転体で構成されていても構わない。
【0117】
また、本実施形態においては、第1搬送装置700及び第2搬送装置800が画像形成装置100のシート搬送方向の下流に配置されたフィニッシャ等の処理装置にシートを中継して搬送する中継装置として構成されたものを説明した。しかしながら、これに限らず、搬送装置自体にシートに綴じ処置や穿孔処理を行うようなシート処理機能を設けたものでも構わない。
【0118】
また、本実施形態においては、定着ループ制御を行って定着ローラ対151の回転速度を二次転写ローラ対111と定着ローラ対151との間の撓み量に応じて変更するため、それに応じて排紙ローラ対184の回転速度を変更するものを説明した。しかしながら、排紙ローラ対184(モータM2)の回転速度は、定着ローラ対151より速くなるような一定速度で制御しても構わない。
【0119】
また、本実施形態においては、モータM1~M3としてステッピングモータを用いたものを説明したが、DCモータ等の他の種類のモータであってもよい。また、モータは2相モータであるものに限らず、例えば3相モータであっても構わない。さらに、回転子に磁石を有するものに限らず、例えばリラクタンスモータ等であっても構わない。
【0120】
また、本実施形態においては、空間SPに第1搬送装置700や第2搬送装置800を装着するものとして説明し、つまり空間SPを装着部として説明したが、物理的に空間SPを形成して画像形成装置100の外壁を装着部として考えても構わない。
【符号の説明】
【0121】
100…画像形成装置/111…転写ローラ対(転写回転体)/115…撓み検知センサ(撓み検知部)/151…定着ローラ対(定着回転体)/160…排紙トレイ(排出積載部)/181…排紙前ローラ対(第1回転体、第1ローラ対)/184…排紙ローラ対(定着下流回転体、第2回転体、排出回転体、第2ローラ対)/190a…CPU(制御部)/301…搬送路(第1搬送路)/302…上ガイド(第1案内部)/303…下ガイド(第1案内部)/700…第1搬送装置(搬送装置、第2案内部)/701…搬送路(第2搬送路)/800…第2搬送装置(搬送装置、第3案内部)/801…搬送路(第4搬送路)/901…搬送路(第3搬送路)/M1…モータ(第1モータ)/M2…モータ(第2モータ)/LN1…第1ニップ線/LN2…第2ニップ線/S…シート/SP…空間(装着部)/V1…第1方向/V2…第2方向/V3…第3方向/iq…q軸電流の電流値/ω_ref0…基準となる速度指令値/ω_ref1…第1速度指令値/ω_ref2…第2速度指令値
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