(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018965
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】絶縁挿入部及び手持式手術器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3205 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
A61B17/3205
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110351
(22)【出願日】2024-07-09
(31)【優先権主張番号】63/528,992
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516236908
【氏名又は名称】オリンパス・ヴィンター・ウント・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】OLYMPUS WINTER & IBE GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クノップフ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ブロックマン,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF01
4C160FF21
4C160MM32
(57)【要約】
【課題】人体が保護される、又は手持式手術器具の使用による負荷を低減する絶縁挿入部及び手持式手術器具を提供すること。
【解決手段】手持式手術器具(10)用の絶縁挿入部(23)は、管状である。この絶縁挿入部(23)は、近位端に設けられ、手持式手術器具(10)の管状内軸(13)の遠位端(25)に着脱可能に結合するための結合手段(26)と、外周に設けられ、少なくとも1つの可撓性構成要素(28)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持式手術器具に用いられる管状の絶縁挿入部であって、
近位端に設けられ、前記手持式手術器具の管状内軸の遠位端に着脱可能に結合するための結合手段と、
外周に設けられ、少なくとも1つの可撓性構成要素とを備える、絶縁挿入部。
【請求項2】
前記少なくとも1つの可撓性構成要素は、前記絶縁挿入部の遠位端部の前記外周に配置される、請求項1に記載の絶縁挿入部。
【請求項3】
前記可撓性構成要素はシリコーン又はエラストマーで作製され、及び/又は前記絶縁挿入部はセラミック又はプラスチックで作製される、請求項1に記載の絶縁挿入部。
【請求項4】
前記可撓性構成要素は、前記遠位端部の前記外周全体の周りに環状に延在する、請求項2に記載の絶縁挿入部。
【請求項5】
前記可撓性構成要素は、10ショアA~90ショアAの硬度を有する、請求項1に記載の絶縁挿入部。
【請求項6】
前記可撓性構成要素は、前記遠位端部の前記外周全体の、45°~180°の角度範囲にわたって延在する、請求項2に記載の絶縁挿入部。
【請求項7】
前記可撓性構成要素は、遠位方向に最も遠くに延在する前記遠位端部の前記外周の一部に配置される、請求項2に記載の絶縁挿入部。
【請求項8】
前記可撓性構成要素は、前記遠位端部の外側又は上側及び/又は内側及び/又は端側に配置され、及び/又は前記可撓性構成要素は、外側において前記近位端に向かって延在する、請求項2に記載の絶縁挿入部。
【請求項9】
2つ、3つ又はそれ以上の前記可撓性構成要素は前記外周上に配置される、請求項1に記載の絶縁挿入部。
【請求項10】
前記可撓性構成要素は、0.3mm~7.0mmの軸方向長さを有する、請求項1に記載の絶縁挿入部。
【請求項11】
前記遠位端部は、前記可撓性構成要素の接着を改善するための軸方向及び/若しくは半径方向又は環状のアンダーカットを有する、請求項2に記載の絶縁挿入部。
【請求項12】
前記可撓性構成要素と、前記絶縁挿入部の少なくとも前記遠位端部の被覆領域とは連続面を形成する、請求項2に記載の絶縁挿入部。
【請求項13】
内軸及び外軸と、
請求項1に記載の絶縁挿入部とを備え、
前記絶縁挿入部は、前記内軸に着脱可能に結合可能であり、
前記外軸は、前記内軸及び前記絶縁挿入部上を移動可能である、手持式手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持式手術器具用の絶縁挿入部、及び当該手持式手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ここに記載される種類の手術器具、特に切除鏡は、主に泌尿器科で電気手術作業のために使用される。これらの装置は、通常、組織、例えば下部尿路の組織の切除及び気化に使用される。この目的のために、手持式手術器具、特に切除鏡は、長手方向に変位可能な電気手術用通路器具を備えることができ、この電気手術用通路器具は、処置対象の体内に手持式手術器具が挿入された後に、その遠位作用端を手持式手術器具の軸管の遠位端から押し出すことができる。ここで、手持式手術器具は、その遠位端に電気手術用電極を有する。この電極は、例えば、ループ又はボタンなどの形態を含むことができる。
【0003】
上記用途では、電極に高周波電流を印加する。電極がハンドピースの軸管、特に外軸管又は被覆管と電気的に接触するのを防ぐことが重要である。そのような電気的接触の場合、短絡によって手持式手術器具に影響を及ぼすか、又は処置対象の身体に予期せぬ影響をもたらす可能性がある。そのような短絡を回避するために、手持式手術器具又は切除鏡は、典型的には、それらの遠位端領域又は遠位端部に電気絶縁材料で作製された部分を含む。この部分は、通常、絶縁チップ又は絶縁挿入部とも呼ばれる。ここで、絶縁挿入部は、電極アレイが案内される内軸若しくは軸管、又は外軸若しくは被覆管のいずれかに取り付けることができる。これらの手持式手術器具又は切除鏡は、多用途向けに設計されており、定期的に滅菌又は加圧滅菌されなければならないため、絶縁挿入部は、耐久性及び再加工性に対する高い要件を満たさなければならない。したがって、材料の選択は、通常、窒化ケイ素などの比較的高価な高性能セラミックに限定される。これらのセラミックの代替として、電気絶縁性プラスチックが少なくとも使い捨て物品に使用される。これらのプラスチックは、特に熱安定性であるため、電極と接触してもすぐに溶融しない。
【0004】
前述の材料は全て、機械的に剛性として振る舞う。この特性は、手持式手術器具を尿道に挿入する場合に起こりうる。絶縁挿入部又は絶縁挿入部の一部が尿道と接触すると、手持式手術器具を体内に挿入するために用いられる力及び手持式手術器具と身体との間の他の全ての相対運動が、この接触領域の真向かいの尿道又は粘膜に直ちに伝達される。特に小さな接触領域は、粘膜に大きな機械的張力をもたらす。このことは、必然的に粘膜への影響をもたらし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案第217090888号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第114652425号明細書
【特許文献3】中国実用新案第215839434号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第112932653号明細書
【特許文献5】米国特許第6071283号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、それを用いることで身体が保護される、又は手持式手術器具の使用による組織への負荷を低減する絶縁挿入部及び手持式手術器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための構成は、請求項1の特徴によって説明される。手持式手術装置、特に切除鏡に用いられる絶縁挿入部は管状であり、手持式手術装置の管状軸の遠位端に着脱可能に結合するための結合手段を近位端部に有することが提供される。本発明の重要な特徴は、絶縁挿入部の外周又は外縁が少なくとも1つの可撓性構成要素を含むことである。絶縁挿入部のこの可撓性構成要素は、人体への挿入中に尿道と手持式器具との間の機械的力を減衰させることができる。機械的力又は張力は、より大きな粘膜との接触領域にわたって分散され、可撓性構成要素の変形をもたらす。その結果、尿道への負荷を回避又は少なくとも低減することができる。
【0008】
好ましくは、少なくとも1つの可撓性構成要素は、絶縁挿入部の遠位端部の外周又は外縁に設けられる。本実施形態によれば、絶縁挿入部は、可撓性構成要素によって尿道又は粘膜の内部に直接接触し、それにより、力を接触領域にわたってより均一に分散させることができる。絶縁挿入部の遠位端領域又は遠位端面への可撓性構成要素の配置は、絶縁挿入部の製造に特に有利である。加えて、この可撓性構成要素の配置によって、特に効率的に力を吸収することができる。
【0009】
特に、本発明は、可撓性構成要素がシリコーン又はエラストマーで作製されることを提供する。絶縁挿入部は、剛性材料、特にセラミック又はプラスチックで作製することができる。この材料の選択により、絶縁挿入部は上記の要件を満たす。同時に、その材料を可撓性材料と組み合わせることによって、説明した目的を達成することができ、手持式手術器具を身体に対して特に穏やかな方法で身体内で動かすことができる。可撓性構成要素の材料を選択するとき、再使用可能な機器にとって、その材料が特に耐熱性であり、より頻回に再処理可能であることが重要である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態は、可撓性構成要素が遠位端部の外周全体にわたって環状に延在することを提供してもよい。この実施形態では、可撓性構成要素は、絶縁挿入部の環状の可撓性延長部と考えてもよい。可撓性構成要素の環状設計によって、絶縁挿入部が粘膜に接触するたびに機械的力が確実に吸収され、負荷を防止することができる。尿道に対する手持式手術器具又は絶縁挿入部の向きは無関係である。これは、外科医の作業において最大限の柔軟性を提供する。
【0011】
可撓性構成要素は、10ショアA~90ショアA、好ましくは30ショアA~70ショアAの硬度を有することが更に考えられる。この硬度は、記載された用途に特に適していることが示されている。
【0012】
本発明の別の代替的な実施形態は、可撓性構成要素が、遠位端領域の外周全体の、45°~180°の角度範囲にわたって、特に90°の角度範囲にわたって延在することを提供することができる。特に、絶縁挿入部の遠位端領域が平面状でなく、例えばくちばし状である場合、最も遠位に配向された部分のみに可撓性構成要素が設けられていると有利であり得る。絶縁挿入部の設計に応じて、可撓性構成要素は、遠位外周上の所定の角度範囲にわたって延在することができる。
【0013】
好ましくは、可撓性構成要素は、遠位端領域の外側又は上側及び/又は内側及び/又は前側に配置され、及び/又は可撓性構成要素は、外側において近位端の方向に延在することが考えられる。手持式手術装置の設計及び意図される用途に応じて、可撓性構成要素が絶縁挿入部の遠位端領域の様々な部分にわたって延在することが有利であり得る。可撓性構成要素が遠位方向に更に延在するほど、力吸収効果が大きくなる。本発明によれば、可撓性構成要素は、0.3mm~7.0mm、好ましくは0.5mm~2.0mmの軸方向長さを有することが考えられる。
【0014】
特に、2つ、3つ又はそれ以上の可撓性構成要素が外周に沿って配置されることが考えられる。尿道に対する影響があり、絶縁挿入部の遠位領域の自由縁に頼る必要がある用途では、いくつかの個々の可撓性構成要素が外周に沿って配置されることが想定され得る。
【0015】
更に、可撓性構成要素の接着を改善するために、絶縁挿入部の遠位端領域に、軸方向及び/又は半径方向又は環状のアンダーカットを有することが、本発明の特に好ましい実施形態であり得る。絶縁挿入部の製造中、構成要素は遠位領域の上に成形される。アンダーカットは、半径方向又は軸方向の力が加えられたときに可撓性構成要素の緩みを防止するのに十分に強い固定性を可撓性構成要素に提供する。アンダーカットは、可撓性構成要素と絶縁挿入部との間の接触面積を増加させる。この接触面積の拡大はまた、可撓性構成要素と絶縁挿入部との接続を安定させるのに役立つ。絶縁挿入部の設計又は実施形態例によれば、アンダーカットを軸方向に、すなわち絶縁挿入部の長手方向軸に平行に、又は半径方向に、すなわち外周に沿って配列することが有利であり得る。アンダーカットの代替として、絶縁挿入部の遠位端領域が、可撓性構成要素を収容できる穴又はノッチ又は他の凹部を有することも可能である。
【0016】
最後に、可撓性構成要素と絶縁挿入部の少なくとも遠位部の外殻表面とが連続面を形成することも考えられる。連続面のこの設計は、尿道内の絶縁挿入部の引っ掛かり、又は絶縁挿入部を再使用するための十分な再処理における困難を回避することができる。
【0017】
前述の目的を達成するための手持式手術器具は、請求項13の特徴を有する。特に、手持式手術器具は切除鏡などであってもよい。特許請求される手持式手術器具は、内軸又は軸管と、外軸又は被覆管とを有する。被覆管は、内軸の周りに配置される。本発明によれば、請求項1に記載の絶縁挿入部は、内軸の遠位端に着脱可能に関連付けられる。内軸及び外軸の両方の遠位端に絶縁挿入部をこのように配置することにより、内軸を通って絶縁挿入部から導出された電気手術器具又は電極が、金属で形成された被覆管と電気的に接触することを防止することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】手持式手術器具、特に切除鏡の概略図である。
【
図4】絶縁挿入部の更なる実施形態の斜視図である。
【
図6】絶縁挿入部の更なる実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、切除鏡10の概略横断面図を示す。この切除鏡10は、特許請求される手持式手術器具の可能な一実施形態としてのみ示されていることに明確に留意されたい。同様に、手持式手術器具は、本明細書に示す切除鏡10以外の器具であることが考えられる。
【0021】
切除鏡10は、図示の外軸12又は被覆管を含む切除鏡軸11を有する。管状の内軸13が外軸12内に延在し、電極器具14及び光学素子15が内軸13内に示されている。更に、別個の灌注管などの、本明細書に示されない他の要素が切除鏡10内に延在してもよい。
【0022】
電極器具14は、遠位端に電気手術器具又は電極16を有する。ここで示す電極16はループとして示されているが、ボタンなどとして形成されてもよい。
図1では、電極器具14は、部分円形断面を有する保持要素17によって、変位、すなわち、切除鏡軸11の長手方向から逸脱する変位から保護されていることが分かる。電極器具14は、内軸13内に長手方向に変位可能に取り付けられている。保持要素17は、内軸13の内壁又は光学素子15の外壁と相補的な形状を有し、部分的に円筒形の形状を有する。
【0023】
電極器具14は、把持体18を作動させることによって、遠位方向及び近位方向に軸方向に力的に移動させることができる。そうすることで、内軸13及び外軸12の遠位端を越えて押し出すことができる。これにより、外科医は、切除鏡10の先端から更に離れた組織を操作することができる。更に、この目的のために、内軸13及び/又は電極器具14は、それらの長手方向軸に回転可能に取り付けられてもよい。組織の操作のために、電極16に高周波電流が印加される。
【0024】
図1に示す切除鏡10は受動的輸送部を有し、その受動的輸送部では、切除鏡軸11上に近位に配置された把持部20及び21の、ばねブリッジ22によって印加されるばね力に抗した相対運動によって、滑動部19が遠位の第1の把持部21に対して遠位方向に変位する。滑動部19が把持部21に対して遠位方向に変位すると、電極器具14は図示しない態様で遠位方向に変位する。把持部20、21から荷重が解放されると、ばねブリッジ22によって生成されたばね力が滑動部19をその初期位置に押し戻し、電極器具14を近位方向に引っ張る。滑動部19が戻されると、電気手術処置は、操作者の手動の力なしに、すなわち受動的に電極16を用いて実行することができる。
【0025】
絶縁挿入部23は、その近位端24で内軸13の遠位端25に着脱可能に結合される(例えば、装置の遠位領域のみが示される
図2を参照されたい)。この目的のために、絶縁挿入部23は、その近位端24に結合手段26を有するものとする。患者を治療するために、切除鏡10は、絶縁挿入部23を前方にして患者の尿道に押し込まれる。上述の尿道又は粘膜への影響を防止するために、絶縁挿入部23の外周27は可撓性構成要素28を有する。この可撓性構成要素28は、
図2及び
図3による実施形態例に示すように、絶縁挿入部23の遠位端部29の外周27に関連付けることができる。それにより、図示の実施形態例では、可撓性構成要素28は一種のリングと考えることができる。本発明によれば、この可撓性構成要素28は、シリコーン、エラストマー又は別の可撓性材料で作製される。切除鏡10の挿入中に、前方に可撓性構成要素28を有する絶縁挿入部23が粘膜に接触した場合、影響を与えることはなく、むしろ可撓性構成要素28の弾性変形が生じる。したがって、伝達された機械的応力による粘膜の変形及び最終的な影響はない。絶縁挿入部23は、セラミック、複合材料、プラスチックなどの剛性材料で作製されているため、絶縁挿入部23の形状自体は変化せず、切除鏡10の機能性は妨げられない。
【0026】
図2及び
図3に示す例示的な実施形態では、絶縁挿入部23の遠位端部29全体が可撓性構成要素28によって取り囲まれているので、絶縁挿入部23の接触面積に関係なく尿道の粘膜が保護される。
【0027】
あるいは、絶縁挿入部23の遠位端部29の部分領域のみが可撓性構成要素28を有することも同様に考えられる。例えば、
図4及び
図5は、外縁又は外周27の上部領域のみに可撓性構成要素28が設けられている実施形態を示す。可撓性構成要素28は、遠位端部29の内側、前側及び外側にわたって延在することが分かる。したがって、外周27の上部領域は、可撓性構成要素28によって少なくとも部分的に包囲されている。
【0028】
図6及び
図7は、外周27の上部のこの包囲が更に顕著である実施形態を示す。ここで、可撓性構成要素28は、絶縁挿入部23の上側又は側面又は被覆領域30上で近位端24の方向に延在する。この可撓性構成要素28の拡大により、外部から絶縁挿入部23又は粘膜に加えられるより大きな力を吸収することができる。
【0029】
本発明によれば、可撓性構成要素28は、0.3mm~7.0mm、好ましくは0.5mm~2.0mmの幅を有することが提供される。この場合、可撓性構成要素28は、外軸12と内軸13との間に狭窄部が存在しないように、絶縁挿入部23の被覆領域30と1つの平面内に存在するように寸法決めされる。
【0030】
可撓性構成要素28と絶縁挿入部23の外周27との特に安定した堅固な接続のために、外周27がアンダーカット31を有するようにしてもよい。例えば、
図8に示すように、遠位端部29の外周27は、直方体断面を有する半径方向のアンダーカット31に関連付けられてもよい。このアンダーカット31は、例えば遠位端部29の周囲に射出成形された可撓性構成要素28に追加の機械的抵抗を付与し、外力が加えられたときに可撓性構成要素28が絶縁挿入部23から不要に外れるのを防ぐ。
図8では、絶縁挿入部23の壁32の断面図のみが示されている。代替的又は追加的に、可撓性構成要素28と絶縁挿入部23との接続の安定性を更に高めるために、軸方向のアンダーカット又はいくつかのより小さな半径方向のアンダーカットが遠位端領域又は遠位端部29に関連付けられることも考えられる。
【符号の説明】
【0031】
10 切除鏡
11 切除鏡軸
12 外軸
13 内軸
14 電極器具
15 光学素子
16 電極
17 保持要素
18 把持体
19 滑動部
20 把持部
21 把持部
22 ばねブリッジ
23 絶縁挿入部
24 近位端
25 遠位端
26 結合手段
27 外周
28 可撓性構成要素
29 遠位端部
30 被覆領域
31 アンダーカット
32 壁