(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018977
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】鞘芯複合型ポリエチレン繊維及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 8/06 20060101AFI20250130BHJP
D01F 6/46 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
D01F8/06
D01F6/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024115077
(22)【出願日】2024-07-18
(31)【優先権主張番号】202310923872.4
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524272837
【氏名又は名称】江蘇▲ジン▼邦新材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu Jonnyma New Materials Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO.123 Yalujiang road, Rudong New Economic Development Zone, Nantong City, Jiangsu Province 226400 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張英
(72)【発明者】
【氏名】喩峰
(72)【発明者】
【氏名】陳小林
【テーマコード(参考)】
4L035
4L041
【Fターム(参考)】
4L035AA05
4L035BB31
4L035DD20
4L035EE20
4L035FF01
4L035JJ03
4L035JJ05
4L035JJ07
4L035JJ09
4L035KK01
4L035KK02
4L041BA02
4L041BA07
4L041BA21
4L041BD01
4L041CA36
4L041CB02
4L041CB05
4L041CB07
4L041DD21
4L041EE20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】鞘芯複合型ポリエチレン繊維の耐切断性が大幅に改善され、鞘芯複合型ポリエチレン繊維が後続の使用工程で使用される際に粉落ち、色落ちし、設備を損傷しやすいとの問題が効果的に解決される鞘芯複合型ポリエチレン繊維及びその製造方法を提供する。
【解決手段】鞘芯複合型ポリエチレン繊維は、繊維芯層と繊維鞘層とを含む。繊維鞘層は繊維芯層を包む。繊維鞘層は、超高分子量ポリエチレンAを含み、繊維芯層は、超高分子量ポリエチレンB、第1助剤及び第2助剤を含む。第1助剤は、鉱物繊維を含む。第2助剤は、無機超微粉末及びグラフェンのうちの少なくとも1種を含みかつ第2助剤は、色糊及び酸化防止剤を含んでも含まなくてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞘芯複合型ポリエチレン繊維であって、
繊維芯層と、繊維鞘層とを含み、前記繊維鞘層は繊維芯層を包み、前記繊維鞘層は、超高分子量ポリエチレンAを含み、前記繊維芯層は、超高分子量ポリエチレンB、第1助剤及び第2助剤を含み、前記第1助剤は、鉱物繊維を含み、前記第2助剤は、無機超微粉末及びグラフェンのうちの少なくとも1種を含み、かつ第2助剤は色糊及び酸化防止剤を含んでもよく含まなくてもよいことを特徴とする、鞘芯複合型ポリエチレン繊維。
【請求項2】
前記第1助剤及び第2助剤の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の0.1~60%及び0.1~30%であることを特徴とする、請求項1に記載の鞘芯複合型ポリエチレン繊維。
【請求項3】
前記無機超微粉末、グラフェン、色糊及び酸化防止剤の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の0~20%、0~10%、0~20%及び0~2%であることを特徴とする、請求項2に記載の鞘芯複合型ポリエチレン繊維。
【請求項4】
前記鉱物繊維は、ガラス繊維、セラミック繊維及び炭素繊維のうちの1種又はそれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の鞘芯複合型ポリエチレン繊維。
【請求項5】
前記無機超微粉末は、アルミニウム、チタン、シリコン、ボロン、炭化物、窒化物、ジルコニウムの酸化物のうちの1種又はそれらの組み合わせであり、前記無機超微粉末の平均半径は0.1~300μmであることを特徴とする、請求項1に記載の鞘芯複合型ポリエチレン繊維。
【請求項6】
前記超高分子量ポリエチレンA及び超高分子量ポリエチレンBの重均分子量は、いずれも100~400万であることを特徴とする、請求項1に記載の鞘芯複合型ポリエチレン繊維。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の鞘芯複合型ポリエチレン繊維の製造方法であって、下記のS1からS5を含み、
S1:鉱物繊維を溶媒Aに加え、分散及び撹拌の前処理を行った後、サンディングすることで第1助剤を製造し、
S2:無機超微粉末及びグラフェンのうちの少なくとも1種を溶媒Bに加え、色糊及び酸化防止剤を添加してもしなくてもよく、添加終了後、分散及び撹拌の前処理を行った後にサンディングすることで第2助剤を製造し、
S3:超高分子量ポリエチレンB、第1助剤、第2助剤を溶媒Cに加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、加熱し、押出して溶解することで繊維芯層紡糸液を調製し、
S4:超高分子量ポリエチレンAを溶媒Dに加え、均一に混合した後、二軸押出機に導入し、押出して溶解することで繊維鞘層紡糸液を調製し、
S5:繊維鞘層紡糸液で繊維芯層紡糸液を包み込んで紡糸した後、抽出、乾燥及び熱延伸を行うことで完成品である鞘芯複合型ポリエチレン繊維を得ることを特徴とする、製造方法。
【請求項8】
ステップS1において、サンディングするときに、粒径を10~300μm、アスペクト比の範囲を1~30に制御することを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
ステップS3において、加熱温度は200~300℃であり、
ステップS4において、加熱温度は200~300℃であり、
ステップS5において、紡糸温度は220~260℃であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記溶媒A、溶媒B、溶媒C及び溶媒Dは、いずれも白油であることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料の技術分野に属し、具体的には、鞘芯複合型ポリエチレン繊維及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超高分子量ポリエチレン繊維は、超高強度、超高弾性率を有する高性能化学繊維である。その製品は、軍事分野(ボディーアーマー、防弾ヘルメット、その他の個人用保護具、戦車、船舶、ヘリコプター、その他の装甲保護具など)や産業分野(船舶用ロープ、養殖魚、スポーツ用品、レドームなど)で広く使用されている。従来の超高分子量ポリエチレン繊維は分子鎖が長く、絡み合いが激しいため、本体の耐切断グレードは一般的にグレード2程度しかない(超高分子量ポリエチレン繊維にガラス繊維、スチールワイヤー等を混紡して織り込むと、混紡繊維の着心地が悪くなる)。また、超高分子量ポリエチレン繊維は、分子構造が非極性で結晶性が高いため、染色が難しく、染色堅牢度が劣る。
【0003】
従来技術において、超高分子量ポリエチレン繊維に対する研究について、例えば、特許出願CN109322006Aには、着色高強度ポリエチレン繊維及びその製造方法などが開示されており、表面改質ナノボロン繊維のような成分を充填することにより、快適性を損なうことなく、超高分子量ポリエチレン繊維の耐切断性をある程度向上できるとともに、ドープ染色と鞘芯複合技術を組み合わせた技術を使用することで、染色を容易にし、ある程度の染色堅牢度を向上させることができる。しかしながら、従来技術の鞘芯複合型ポリエチレン繊維は、依然として後続の使用工程に応用されるときに、粉落ち及び色落ちしやすく、後続工程の設備を摩耗しやすいとの問題が存在し、耐切断性の改善にも限界がある。
【0004】
そこで、上記の技術問題を解決するために、新しい技術的手段は必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、鞘芯複合型ポリエチレン繊維及びその製造方法を提供することにより、鞘芯複合型ポリエチレン繊維が後続の使用工程に適用されるときに粉落ち及び色落ちしやすく、後続工程の設備を摩耗し、耐切断性の向上に限界があるという、上記の背景技術における従来技術に存在する技術問題を解決することにある。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
鞘芯複合型ポリエチレン繊維であって、繊維芯層と、繊維鞘層とを含み、前記繊維鞘層は繊維芯層を包み、前記繊維鞘層は、超高分子量ポリエチレンAを含み、前記繊維芯層は、超高分子量ポリエチレンB、第1助剤及び第2助剤を含み、前記第1助剤は、鉱物繊維を含み、前記第2助剤は、無機超微粉末及びグラフェンのうちの少なくとも1種を含み、かつ第2助剤は、色糊及び酸化防止剤を含んでも含まなくてもよい鞘芯複合型ポリエチレン繊維。前記第1助剤及び第2助剤の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の0.1~60%、0.1~30%である。具体的には、前記無機超微粉末、グラフェン、色糊及び酸化防止剤の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の0~20%、0~10%、0~20%及び0~2%である。前記鉱物繊維は、ガラス繊維、セラミック繊維及び炭素繊維のうちの1種又はそれらの組み合わせである。前記無機超微粉末は、平均半径が0.1~300μmのアルミニウム、チタン、シリコン、ボロン、炭化物、窒化物、ジルコニウムの酸化物のうちの1種又はそれらの組み合わせである。前記超高分子量ポリエチレンA及び超高分子量ポリエチレンBの重均分子量は、いずれも100~400万である。
【0008】
本発明によれば、前記鞘芯複合型ポリエチレン繊維の製造方法がさらに提供される。この製造方法は、以下のステップを含む。
S1:鉱物繊維を溶媒Aに加え、分散及び撹拌の前処理を行った後、サンディングすることで第1助剤を製造する。ここで、溶媒Aは白油である。
S2:無機超微粉末及びグラフェンのうちの少なくとも1種を溶媒Bに加え、色糊及び酸化防止剤を添加してもしなくてもよく、添加終了後、分散及び撹拌の前処理を行った後にサンディングすることで第2助剤を製造する。ここで、溶媒Bは白油である。
S3:超高分子量ポリエチレンB、第1助剤、第2助剤を溶媒Cに加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、加熱し、押出して溶解することで繊維芯層紡糸液を調製する。ここで、加熱温度は200~300℃、溶媒Cは白油である。
S4:超高分子量ポリエチレンAを溶媒Dに加え、均一に混合した後、二軸押出機に導入し、押出して溶解することで繊維鞘層紡糸液を調製する。ここで、加熱温度は200~300℃、溶媒Dは白油である。
S5:繊維鞘層紡糸液で繊維芯層紡糸液を包み込んで紡糸した後、抽出、乾燥及び熱延伸を行うことで完成品である鞘芯複合型ポリエチレン繊維を得る。ここで、紡糸温度は220~260℃である。
【0009】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は下記である。
【0010】
1、本発明において、鉱物繊維、無機超微粉末及びグラフェンを導入して界面相互作用を行い、超高分子量ポリエチレンを充填し、鞘芯複合プロセスによる相乗効果により二成分の相乗強化を形成することによって、鞘芯複合型ポリエチレン繊維の快適性に影響を与えることなく、鞘芯複合型ポリエチレン繊維の耐切断性を大幅に向上させる。それをもとに、本発明の鞘芯複合プロセスにおいて、無機超微粉末、グラフェン、鉱物繊維、色糊及び酸化防止剤を添加した超高分子量ポリエチレンを用いて繊維芯層を製造し、通常の超高分子量ポリエチレンを用いて繊維鞘層を製造することで繊維芯層を保護する効果が達成され、これによって、鞘芯複合型ポリエチレン繊維が後続の使用工程において使用されるときに粉落ちしやすく、色落ちしやすく、設備を摩耗しやすいという問題が効果的に解決される。
【0011】
2、本発明の鞘芯複合型ポリエチレン繊維の色は、繊維芯層の鉱物繊維、無機超微粉末、グラフェン、色糊及び酸化防止剤の含有量によって決定される。上記成分、特に色糊の含有量を変更することにより、様々な色の高強度の鞘芯複合型ポリエチレン繊維を製造することができ、鞘芯複合型ポリエチレン繊維の耐切断性をさらに向上させ、かつ鞘芯複合型ポリエチレン繊維の染色堅牢度に影響を与えないことなく、着色の便利性をさらに改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の実施例は、本発明を制限するものではない。
【0013】
本発明における原料は、市販原料である。
【0014】
実施例1
鞘芯複合型ポリエチレン繊維の製造
S1:セラミックス粉末を白油に加え、分散及び撹拌の前処理を行った後、サンドミルにより機械加工し、粒径を10~300μm、アスペクト比の範囲を1~30に制御し、第1助剤を得た。
S2:酸化防止剤1076、平均半径0.1μmの酸化マグネシウム粉末を白油に加え、添加後、分散及び撹拌の前処理を行ってからサンディングすることで第2助剤を得た。
S3:超高分子量ポリエチレンB(重均分子量100万の超高分子量ポリエチレン粉末)、第1助剤、第2助剤を白油に加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、200~300℃で加熱し、押出して溶解することで繊維芯層紡糸液を得た。
S4:超高分子量ポリエチレンA(重均分子量400万の超高分子量ポリエチレン粉末)を白油に加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、200~300℃で加熱し、押出して溶解することで繊維鞘層紡糸液を得た。
S5:紡糸口金(spinneret)を用いて繊維鞘層紡糸液を繊維芯層紡糸液に包み、220~260℃で紡糸し、水浴中で冷却してゲル繊維(gel fiber)に硬化し、その後、抽出、乾燥及び熱延伸を行うことで白色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維を得た。
上記の製造過程において、セラミックス粉末、酸化マグネシウム、酸化防止剤1076の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の22%、5%、0.5%であった。
得られた白色鞘芯複合型ポリエチレン繊維を用いて織物を作製した。得られた織物の耐切断グレードは、A3(200D)、A4(400D)以上であった。
【0015】
実施例2
鞘芯複合型ポリエチレン繊維の製造
S1:ナノ結晶炭化ケイ素粉末、セラミックス粉末を白油に加え、分散及び撹拌の前処理を行った後、サンドミルを用いて機械加工し、粒径を10~300μm、アスペクト比の範囲を1~30に制御し、第1助剤を得た。
S2:色糊、酸化防止剤300及びグラフェン粉末(必要に応じて修飾グラフェン粉末を使用してもよい)を白油に加え、添加終了後、分散及び撹拌の前処理を行ってからサンディングすることで第2助剤を得た。
S3:超高分子量ポリエチレンB(重均分子量250万の超高分子量ポリエチレン粉末)、第1助剤、第2助剤を白油に加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、200~300℃で加熱し、押出して溶解することで繊維芯層紡糸液を得た。
S4:超高分子量ポリエチレンA(重均分子量250万の超高分子量ポリエチレン粉末)を白油に加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、200~300℃で加熱し、押出して溶解し、繊維鞘層紡糸液を得た。
S5:紡糸口金を用いて繊維鞘層紡糸液を繊維芯層紡糸液に包み、220~260℃で紡糸し、水浴中で冷却してゲル繊維に硬化させ、その後、抽出、乾燥及び熱延伸を行うことにより、灰色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維を得た。
上記の製造過程において、ナノ結晶炭化ケイ素粉末、セラミックス粉末、色糊、酸化防止剤300及びグラフェン粉末の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の5%、15%、8%、0.5%及び2%であった。
得られた灰色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維を用いて織物を作成した。得られた織物の耐切断グレードは、A4(200D/400D)以上であった。
【0016】
実施例3
鞘芯複合型ポリエチレン繊維の製造
S1:ナノ結晶炭化ケイ素粉末を白油に加え、分散及び撹拌の前処理を行った後、サンドミルを用いて機械加工し、粒径を10~300μm、アスペクト比の範囲を1~30に制御し、第1助剤を得た。
S2:色糊、酸化防止剤168及びグラフェン粉末(必要に応じて修飾グラフェン粉末を使用してもよい)を白油に加え、添加後、分散及び撹拌の前処理を行ってからサンディングすることで第2助剤を得た。
S3:超高分子量ポリエチレンB(重均分子量400万の超高分子量ポリエチレン粉末)、第1助剤、第2助剤を白油に加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、200~300℃で加熱し、押出して溶解することで繊維芯層紡糸液を得た。
S4:超高分子量ポリエチレンA(重均分子量100万の超高分子量ポリエチレン粉末)を白油に加えて均一に混合した後、二軸押出機に導入し、200~300℃で加熱し、押出して溶解することで繊維鞘層紡糸液を得た。
S5:紡糸口金を用いて繊維鞘層紡糸液を繊維芯層紡糸液に包み、220~260℃で紡糸し、水浴中で冷却してゲル繊維に硬化させ、その後、抽出、乾燥及び熱延伸を行うことで黒色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維を得た。
上記の製造過程において、ナノ結晶炭化ケイ素粉末、色糊、酸化防止剤168及びグラフェン粉末の使用量は、それぞれ超高分子量ポリエチレンBと、第1助剤と、第2助剤との総質量の20%、5%、0.5%及び5%であった。
得られた黒色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維を用いて織物を作製した。得られた織物の耐切断グレードは、A4(200D)、A5(400D)以上であった。
【0017】
得られた上記の白色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維、灰色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維、及び黒色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維は、繊維密度がいずれも0.9~2.0g/cm3であった。
【0018】
さらに、実施例1、実施例2及び実施例3で製造された各色の鞘芯複合型ポリエチレン繊維に対して、それぞれGB/T 14344-2022《化学繊維フィラメント引張特性》における基準に従って検出した結果、それらの破断強度はいずれも15~20cN/dtexに達し、破断伸び≦3.5%であった。
【外国語明細書】