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特開2025-19003加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019003
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置
(51)【国際特許分類】
   F27D 19/00 20060101AFI20250130BHJP
   C21D 11/00 20060101ALI20250130BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20250130BHJP
   G05B 13/04 20060101ALI20250130BHJP
   G05B 13/02 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
F27D19/00 A
C21D11/00 102
G06N20/00
G05B13/04
G05B13/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024118426
(22)【出願日】2024-07-24
(31)【優先権主張番号】10-2023-0096479
(32)【優先日】2023-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524158151
【氏名又は名称】インイージ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム クォンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンソク
(72)【発明者】
【氏名】メルカ ダウィット レジェス
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ヨ ジス
(72)【発明者】
【氏名】ユ ボソン
【テーマコード(参考)】
4K038
4K056
5H004
【Fターム(参考)】
4K038AA01
4K038CA01
4K038DA02
4K038EA02
4K038FA01
4K056AA08
4K056AA09
4K056CA02
4K056FA01
4K056FA12
5H004GA08
5H004GA14
5H004GB03
5H004HA01
5H004HB01
5H004KC33
5H004KC55
5H004KD62
5H004LA05
5H004MA36
5H004MA49
5H004MA55
(57)【要約】      (修正有)
【課題】目標品質を達成しつつ加熱炉熱使用量を減少させる加熱炉最適温度演算の方法および電子装置を提供する。
【解決手段】運転者が入力した材料ターゲット物性値を取得する段階、訓練完了の最適温度モデルを利用し第1入力データから加熱炉の複数の適正候補温度を取得する段階、訓練完了の物性予測モデルを利用し第2入力データから材料の予想物性値を取得する段階、ターゲット物性値と完了の物性予測モデルで演算された予想物性値を比較して複数の適正候補温度をサンプリングし適正候補温度を取得する段階、サンプリングされた適正候補温度での加熱炉運転時の熱量情報を取得/比較し、サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングし適正温度を取得する段階、適正温度を対象に予め決定された演算を遂行し最適温度を取得する段階、会得された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定指示する要請を送信する段階を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置が加熱炉(furnace)の最適温度を演算する方法において、
運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する段階;
訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから前記加熱炉の複数の適正候補温度を取得する段階であって、前記第1入力データは、前記加熱炉で加熱する前記材料の厚さ、前記材料の鋼種(steel grade)、前記加熱炉の運転速度、および、前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つを変数として含む、段階;
訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから前記材料の予想物性値を取得する段階であって、前記第2入力データは、前記訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された前記適正候補温度、前記加熱炉で加熱する前記材料の厚さ、前記材料の鋼種、および、前記加熱炉の運転速度のうち少なくとも一つを変数として含む、段階;
前記ターゲット物性値と、前記訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された前記予想物性値を比較して、前記複数の適正候補温度をサンプリング(sampling)して少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階;
前記サンプリングされた適正候補温度で前記加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、前記熱量情報を比較し、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階;
前記少なくとも一つの適正温度を対象に予め決定された演算を遂行して前記最適温度を取得する段階;および
取得された前記最適温度を前記加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信する段階、を含む、加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項2】
前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階は、
前記ターゲット物性値と前記予想物性値を比較して、前記ターゲット物性値と前記予想物性値の差が小さい順で前記複数の適正候補温度を整列する段階;および
整列結果に基づいて予め定められた順位内に対応する適正候補温度を前記サンプリングされた適正候補温度に決定する段階をさらに含む、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項3】
前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階は、
前記ターゲット物性値と前記予想物性値を比較して、前記ターゲット物性値と前記予想物性値の差を演算する段階;および
前記演算された差が予め定められた値以内に対応する適正候補温度を前記サンプリングされた適正候補温度に決定する段階をさらに含む、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項4】
前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階は、
前記熱量情報に基づいて熱量が小さい順で前記サンプリングされた適正候補温度を整列する段階;および
整列結果に基づいて予め定められた順位内に対応する前記サンプリングされた適正候補温度を前記少なくとも一つの適正温度に決定する段階をさらに含む、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項5】
前記最適温度は、
前記少なくとも一つの適正温度の平均値である、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項6】
前記最適温度モデルは、
前記材料の厚さ、前記材料の鋼種、前記加熱炉の運転速度、および/または、前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つに対する第1学習データと前記第1学習データに対応する前記加熱炉の運転温度で構成された学習データセットに基づいて訓練され、
前記第1学習データに基づいて前記加熱炉の運転温度に近似された値を出力するように前記最適温度モデルのパラメータが更新されて訓練される、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項7】
前記物性予測モデルは、
前記材料の厚さ、前記材料の鋼種、前記加熱炉の運転速度、および、前記加熱炉の運転温度のうち少なくとも一つに対する第2学習データと前記第2学習データに対応する運転条件で前記材料を熱処理した場合の物性情報で構成された学習データセットに基づいて訓練され、
前記第2学習データに基づいて前記物性情報に近似された値を出力するように前記物性予測モデルのパラメータが更新されて訓練される、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項8】
前記ターゲット物性値と前記予想物性値は、
前記加熱炉を通じて熱処理された前記材料の引張強度(tensile strength)、降伏強度(yield strength)、硬度(hardness)、および、延伸率(Elongation)のうち少なくとも一つに関するものである、請求項1に記載の加熱炉の最適温度を演算する方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項1に記載された方法を実行させるためのプログラムを含む、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
加熱炉の最適温度を演算するための電子装置において、
運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する送受信部;および
訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから前記加熱炉の複数の適正候補温度を取得し、前記第1入力データは前記加熱炉で加熱する前記材料の厚さ、前記材料の鋼種(steel grade)、前記加熱炉の運転速度、および、前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つを変数として含み、訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから前記材料の予想物性値を取得し、前記第2入力データは前記訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された前記適正候補温度、前記加熱炉で加熱する前記材料の厚さ、前記材料の鋼種、および、前記加熱炉の運転速度のうち少なくとも一つを変数として含み、前記ターゲット物性値と、前記訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された前記予想物性値を比較して、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得し、前記サンプリングされた適正候補温度で前記加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、前記熱量情報を比較し、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得し、前記少なくとも一つの適正温度を対象に予め決定された演算を遂行して前記最適温度を取得し、取得された前記最適温度を前記加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信するように、構成されたプロセッサ;を含む、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は加熱炉の運転を最適化するための技術に関する。具体的には、本開示は人工知能を利用して加熱炉を運転するための最適温度を演算するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能技術が発展するにつれて多様な産業分野で人工知能技術が利用されている。特に、最近では人工知能モデルを利用して鉄鋼製品の生産工程の運転を最適化するための研究が注目を浴びている。
【0003】
目標とする品質の鉄鋼製品を生産するためには、加熱炉(Furnace)における適切な熱処理による鉄鋼板の物性変化が伴わなければならない。ただし鉄鋼板の物性は熱処理に対して線形的に変化せず、適切な温度以上の熱処理がなされた場合に急激に変化する非線形関係を示し、鉄鋼板の構成成分、鉄鋼板の厚さ、または運転環境のような多様な原因により熱処理温度が物性変化に及ぼす影響が変わる特性を示すため、鉄鋼板の物性変化を引き起こす熱処理が精密になされ難いという限界が存在した。さらに、熱処理が運転者のノウハウに依存するため、同じ鉄鋼製品を生産しても運転者により設定される加熱炉の温度や運転条件が異なるため鉄鋼製品の品質安定性を確保することに制約が存在した。このような問題を解決するために鉄鋼工程を最適化する技術が開発されたが、既存の鉄鋼工程の最適化技術は鉄鋼工程を安定的に制御するための目的でのみ利用されるだけであったし、加熱炉の最適な運転温度を演算することはできないという限界が存在した。
【0004】
このため、鉄鋼製品の品質安定性を確保しながら熱効率を高めるための加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための装置の開発が要求されているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2023-063967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示が解決しようとする一課題は、目標とする品質を達成しながらも加熱炉の熱使用量を減少させるための加熱炉の最適温度を演算する方法、および、これを遂行するための電子装置を提供することである。
【0007】
本開示が解決しようとする課題は前述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付された図面から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法は、運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する段階;訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから前記加熱炉の複数の適正候補温度を取得する段階であって、前記第1入力データは、前記加熱炉で加熱する材料の厚さ、前記材料の鋼種(steel grade)、前記加熱炉の運転速度、および前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つを変数として含む、段階;訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから材料の予想物性値を取得する段階であって、前記第2入力データは、前記訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された前記適正候補温度、前記加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種、および前記加熱炉の運転速度のうち少なくとも一つを変数として含む、段階;前記ターゲット物性値と、前記訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された前記予想物性値を比較して、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階;前記サンプリングされた適正候補温度で前記加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、前記熱量情報を比較し、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階;前記少なくとも一つの適正温度を対象に予め決定された演算を遂行して最適温度を取得する段階;および前記取得された最適温度を前記加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信する段階を含むことができる。
【0009】
本開示の一実施例に係る電子装置は、運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する送受信部;および訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから前記加熱炉の複数の適正候補温度を取得し、前記第1入力データは加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種(steel grade)、前記加熱炉の運転速度、および前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つを変数として含み、訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから材料の予想物性値を取得し、前記第2入力データは前記訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された前記適正候補温度、前記加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種、および前記加熱炉の運転速度のうち少なくとも一つを変数として含み、前記ターゲット物性値と前記訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された前記予想物性値を比較して、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得し、前記サンプリングされた適正候補温度で前記加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、前記熱量情報を比較し、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得し、前記少なくとも一つの適正温度を対象に予め決定された演算を遂行して最適温度を取得し、取得された最適温度を前記加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信するように構成されたプロセッサ;を含むことができる。
【0010】
本開示の課題の解決手段は前述した解決手段に制限されるものではなく、言及されていない解決手段は本明細書および添付された図面から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置によると、最適温度モデルと物性予測モデルを利用して目標とする物性値を達成しながら加熱炉の最適な運転温度を演算する効果が提供され得る。
【0012】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置によると、最適温度モデルと物性予測モデルを通じてサンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報を利用して最適温度を演算することによって、製品の目標とする物性値を達成しながら加熱炉の熱効率を改善する効果が提供され得る。
【0013】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置によると、人工知能モデルを通じて製品の目標とする物性値を考慮して加熱炉の最適温度を自動的に演算することによって、目標とする物性値を有する製品を安定的に生産するように加熱炉の運転温度を制御する効果が提供され得る。
【0014】
本開示の効果は前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付された図面から本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施例に係る加熱炉の運転最適化システムの概略図である。
図2】本開示の一実施例に係る加熱炉の運転最適化システムを説明するための図面である。
図3】本開示の一実施例に係る電子装置の動作を示した図面である。
図4】本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法を図示したフローチャートである。
図5】本開示の一実施例に係る最適温度モデルの訓練方法、および、訓練が完了した最適温度モデルを利用して適正候補温度を演算する様相を説明するための図面である。
図6】本開示の一実施例に係る物性予測モデルの訓練方法、および、訓練が完了した物性予測モデルを利用して予想物性値を演算する様相を説明するための図面である。
図7】本開示の一実施例に係る適正候補温度から最適温度を演算する一実施形態を説明するための図面である。
図8】ユーザーインターフェース(User Interface)の一実施形態を説明するための図面である。
図9】ユーザーインターフェース(User Interface)の一実施形態を説明するための図面である。
図10】ユーザーインターフェース(User Interface)の一実施形態を説明するための図面である。
図11】ユーザーインターフェース(User Interface)の一実施形態を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の前述した目的、特徴および長所は添付された図面に関連した下記の詳細な説明を通じてより明らかになるであろう。ただし、本開示は多様な変更を加えることができ種々の実施例を有することができるところ、以下では特定実施例を図面に例示してこれを詳細に説明する。
【0017】
明細書全体に亘って同一の参照番号は原則的に同じ構成要素を示す。また、各実施例の図面に示される同じ思想の範囲内の機能が同じ構成要素は同じ参照符号を使って説明し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0018】
本開示に関連した公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明が本開示の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で利用される数字(例えば、第1、第2等)は一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0019】
また、以下の実施例で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与または混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0020】
以下の実施例で、単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0021】
以下の実施例で、含むまたは有するなどの用語は明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0022】
図面では説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張または縮小され得る。例えば、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したものであり、本開示は必ずしも図示されたところに限定されない。
【0023】
或る実施例が異なって具現可能な場合、特定のプロセスの順序は説明される順序と異なって遂行されてもよい。例えば、連続して説明される二つのプロセスが実質的に同時に遂行されてもよく説明される順序と反対の順序で進行され得る。
【0024】
以下の実施例で、構成要素などが連結されたとする時、構成要素が直接的に連結された場合だけでなく構成要素の中間に構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。
【0025】
例えば、本明細書で構成要素などが電気的に連結されたとする時、構成要素などが直接電気的に連結された場合だけでなく、その中間に構成要素などが介在されて間接的に電気的連結された場合も含む。
【0026】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法は、運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する段階;訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから前記加熱炉の複数の適正候補温度を取得する段階であって、前記第1入力データは加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種(steel grade)、加熱炉の運転速度、および前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つを変数として含む、段階;訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから材料の予想物性値を取得する段階であって、前記第2入力データは前記訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された前記適正候補温度、加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種、および加熱炉の運転速度のうち少なくとも一つを変数として含む、段階;前記ターゲット物性値と前記訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された前記予想物性値を比較して、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階;前記サンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、前記熱量情報を比較し、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階;前記適正温度に基づいて最適温度を演算する段階;および演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信する段階を含むことができる。
【0027】
本開示の一実施例によると、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階は、前記ターゲット物性値と前記予想物性値を比較して、前記ターゲット物性値と前記予想物性値の差が小さい順で前記複数の適正候補温度を整列する段階;および前記整列結果に基づいて予め定められた順位内に対応する適正候補温度を前記サンプリングされた適正候補温度に決定する段階をさらに含むことができる。
【0028】
本開示の一実施例によると、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階は、前記ターゲット物性値と前記予想物性値を比較して、前記ターゲット物性値と前記予想物性値の差を演算する段階;および前記演算された差が予め定められた値以内に対応する適正候補温度を前記サンプリングされた適正候補温度に決定する段階をさらに含むことができる。
【0029】
本開示の一実施例によると、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階は、前記熱量情報に基づいて熱量が小さい順で前記サンプリングされた適正候補温度を整列する段階;および前記整列結果に基づいて予め定められた順位内に対応する前記サンプリングされた適正候補温度を前記少なくとも一つの適正温度に決定する段階をさらに含むことができる。
【0030】
本開示の一実施例によると、前記適正温度に基づいて最適温度を演算する段階は、前記適正温度の平均値を前記最適温度に演算する段階をさらに含むことができる。
【0031】
本開示の一実施例によると、前記最適温度モデルは、材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、および/またはターゲット物性値のうち少なくとも一つに対する第1学習データと前記第1学習データに対応する加熱炉の運転温度で構成された学習データセットに基づいて訓練されるものの、前記第1学習データに基づいて前記加熱炉の運転温度に近似された値を出力するように前記最適温度モデルのパラメータが更新されて訓練され得る。
【0032】
本開示の一実施例によると、前記物性予測モデルは、材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、および加熱炉の運転温度のうち少なくとも一つに対する第2学習データと前記第2学習データに対応する運転条件で材料を熱処理した場合の物性情報で構成された学習データセットに基づいて訓練されるものの、前記第2学習データに基づいて前記物性情報に近似された値を出力するように前記物性予測モデルのパラメータが更新されて訓練され得る。
【0033】
本開示の一実施例によると、前記ターゲット物性値と前記予想物性値は、前記加熱炉を通じて熱処理された材料の引張強度(tensile strength)、降伏強度(yield strength)、硬度(hardness)、および、延伸率(Elongation)のうち少なくとも一つに関するものであり得る。
【0034】
本開示の一実施例によると、前記加熱炉の最適温度を演算する方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供され得る。
【0035】
本開示の一実施例に係る電子装置は、運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する送受信部;および訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから前記加熱炉の複数の適正候補温度を取得し、前記第1入力データは前記加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種(steel grade)、前記加熱炉の運転速度、および、前記ターゲット物性値のうち少なくとも一つを変数として含み、訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから材料の予想物性値を取得し、前記第2入力データは前記訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された前記適正候補温度、加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種、および加熱炉の運転速度のうち少なくとも一つを変数として含み、前記ターゲット物性値と前記訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された前記予想物性値を比較して、前記複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得し、前記サンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、前記熱量情報を比較し、前記サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得し、前記適正温度に基づいて最適温度を演算し、前記演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信するように構成されたプロセッサ;を含むことができる。
【0036】
以下では図1図7を参照して、本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法、これを遂行するための電子装置(またはサーバー、以下、電子装置と指称)、および/または加熱炉の運転最適化システムに関して説明する。
【0037】
図1は、本開示の一実施例に係る加熱炉の運転最適化システム10の概略図である。図2は、本開示の一実施例に係る加熱炉の運転最適化システム10を説明するための図面である。
【0038】
本開示の一実施例に係る加熱炉の運転最適化システム10は加熱炉(100、Furnace)、加熱炉制御器200、クライアント端末300、および/または電子装置1000を含むことができる。
【0039】
本開示の一実施例に係る加熱炉100は、任意の送受信部を通じて、運転データを加熱炉運転データベースおよび/または電子装置1000を含む任意の外部装置または任意の外部サーバーに送信することができる。ここで運転データとは、材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、加熱炉の運転温度を含んだ加熱炉の運転条件と、運転条件により製造された製品の物性値を含んで加熱炉の運転に関連した任意のデータを包括する意味であり得る。さらに、加熱炉100は電子装置1000を通じて演算された最適温度を設定温度値に設定して材料(例えば、鉄鋼材料)を熱処理することができる。
【0040】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、訓練が完了した最適温度モデルを利用して適正候補温度を演算する動作を遂行できる。さらに、電子装置1000は、訓練が完了した物性予測モデルを利用して演算された適正候補温度に基づいて、加熱炉を運転する場合の製品の予想物性値を演算する動作を遂行できる。さらに、電子装置1000は、演算された予想物性値と目標とするターゲット物性値に基づいて最適温度を演算する動作を遂行できる。この時、電子装置1000は、送受信部1100を通じて演算された最適温度に基づいて加熱炉100の運転温度に対する制御を指示する要請を、加熱炉制御器200に送信する動作を遂行できる。または電子装置1000は、送受信部1100を通じて、演算された最適温度情報、予測物性情報と意思決定の根拠をクライアント端末300に送信する動作を遂行できる。
【0041】
本開示の一実施例に係る加熱炉制御器200は、任意の送受信部を通じて、電子装置1000から加熱炉100の運転温度に対する制御を指示する要請を受信することができる。この時、加熱炉制御器200は、演算された最適温度を加熱炉100の設定温度値に設定し、加熱炉100の運転温度と設定温度値に基づいて加熱炉100の運転温度を設定温度値に自動で制御する動作を遂行できる。一方、図1および図2では加熱炉制御器200が、加熱炉100、クライアント端末300、電子装置1000とは別個の装置であるものとして説明した。ただし、これは説明の便宜のためのものであって、加熱炉制御器200は、加熱炉100、クライアント端末300、および/または電子装置1000と一体に構成され得る。さらに、加熱炉制御器200は、加熱炉100、クライアント端末300、および/または電子装置1000上で実行され得るプログラム形態で提供され得る。
【0042】
本開示の一実施例に係るクライアント端末300は、任意の送受信部を通じて、電子装置1000から演算された最適温度情報を受信することができる。この時、クライアント端末300は、任意の入力部(例えば、マウス、キーボード、タッチパッドなど)を通じて、演算された最適温度情報を加熱炉100の設定温度値に設定する使用者の要請を受信することができる。この時、クライアント端末300は、任意の送受信部を通じて、使用者の要請に基づいて加熱炉100の運転温度を最適温度でセッティングされた設定温度値に制御(例えば、図2の使用者制御)する要請を送信することができる。一方、クライアント端末300は、任意の送受信部を通じて、演算された最適温度情報、予測物性情報、および/または意思決定の根拠を受信し、ユーザーインターフェース(User Interface)を通じて受信された情報を、使用者に提供することができる。
【0043】
再び図1を参照すると、本開示の一実施例に係る電子装置1000は送受信部1100、メモリ1200およびプロセッサ1300を含むことができる。
【0044】
電子装置1000の送受信部1100は任意の外部機器または外部サーバーと通信を遂行できる。一例として、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、加熱炉100から運転データを取得することができる。ここで運転データとは、前述した通り、材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、加熱炉の運転温度を含んだ加熱炉の運転条件と、運転条件により製造された製品の物性値を含んで加熱炉の運転に関連した任意のデータを包括する意味であり得る。一例として、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、訓練が完了した最適温度モデルの構造情報、階層情報、演算情報、および/またはパラメータ情報を含んで訓練が完了した最適温度モデルを適切に実行させるための実行データを受信することができる。一例として、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、訓練が完了した物性予測モデルの構造情報、階層情報、演算情報、および/またはパラメータ情報を含んで訓練が完了した物性予測モデルを適切に実行させるための実行データを受信することができる。一例として、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、演算された最適温度情報、予測物性情報、および/または意思決定の根拠を含んだ任意の分析情報を、クライアント端末300を含む任意の外部機器または任意の外部サーバーに送信することができる。一例として、電子装置1000は、送受信部1100を通じて演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を、加熱炉制御器200を含む任意の外部機器または任意の外部サーバーに送信することができる。
【0045】
電子装置1000は、送受信部1100を通じてネットワークに接続して各種データを送受信することができる。送受信部1100は大きく有線タイプと無線タイプを含むことができる。有線タイプと無線タイプはそれぞれ長短所を有するので、場合により電子装置1000には有線タイプと無線タイプが同時に設けられてもよい。ここで、無線タイプの場合には主にワイファイ(Wi-Fi)のようなWLAN(Wireless Local Area Network)系列の通信方式を利用することができる。または無線タイプの場合にはセルラー通信、例えば、LTE、5G系列の通信方式を利用することができる。ただし、無線通信プロトコルは前述した例示に制限されるものではなく、任意の適切な無線タイプの通信方式を利用することも可能である。有線タイプの場合にはLAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)通信が代表的な例であり、その他の方式も可能である。
【0046】
電子装置1000のメモリ1200は各種情報を保存することができる。メモリ1200には各種データが臨時的にまたは半永久的に保存され得る。メモリ1200の例としては、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ(flash memory)、ロム(ROM:Read-Only Memory)、ラム(RAM:Random Access Memory)等があり得る。メモリ1200は電子装置1000に内蔵される形態や着脱可能な形態で提供され得る。メモリ1200には電子装置1000を駆動するための運用プログラム(OS:Operating System)や電子装置1000の各構成を動作させるためのプログラムをはじめとして、電子装置1000の動作に必要な各種データが保存され得る。
【0047】
プロセッサ1300は電子装置1000の全般的な動作を制御することができる。例えば、プロセッサ1300は後述するターゲット物性値を取得する動作、訓練が完了した最適温度モデルを利用して加熱炉の複数の適正候補温度を取得する動作、訓練が完了した物性予測モデルを利用して材料の予想物性値を取得する動作、複数の適正候補温度をサンプリングしてサンプリングされた適正候補温度を取得する動作、サンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報に基づいて適正温度を取得する動作、および/または適正温度に基づいて最適温度を演算する動作などを含んで電子装置1000の全般的な動作を制御することができる。具体的には、プロセッサ1300はメモリ1200から電子装置1000の全般的な動作のためのプログラムをローディングして実行することができる。プロセッサ1300はハードウェアやソフトウェアまたはこれらの組み合わせによりAP(Application Processor)、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Microcontroller Unit)やこれと類似の装置で具現され得る。この時、ハードウェア的には電気的信号を処理して制御機能を遂行する電子回路形態で提供され得、ソフトウェア的にはハードウェア的回路を駆動させるプログラムやコード形態で提供され得る。
【0048】
図3は、本開示の一実施例に係る電子装置1000の動作を示した図面である。
【0049】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、送受信部1100を通じて、ターゲット物性値を取得することができる。より具体的には、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、加熱炉100の運転者が入力した製造された製品の目標とする物性情報に対するターゲット物性値を取得することができる。ここでターゲット物性値は、加熱炉を通じて熱処理された材料の引張強度(tensile strength)、降伏強度(yield strength)、硬度(hardness)、および/または延伸率(Elongation)を含んで熱処理された材料(または熱処理された製品)の目標とする任意の物性に対する値であり得る。
【0050】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、送受信部1100を通じて、訓練が完了した最適温度モデルの実行データを取得することができる。ここで訓練が完了した最適温度モデルの実行データとは、訓練が完了した最適温度モデルの構造情報、階層情報、演算情報、および/またはパラメータ情報を含んで訓練が完了した最適温度モデルを適切に実行させるための任意のデータを包括することができる。
【0051】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、訓練が完了した最適温度モデルを利用して、加熱炉の複数の適正候補温度を取得することができる。より具体的には、電子装置1000は、訓練が完了した最適温度モデルの入力レイヤに第1入力データを入力し、訓練が完了した最適温度モデルの出力レイヤを通じて複数の適正候補温度を取得することができる。ここで第1入力データは加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種(steel grade)、加熱炉の運転速度、ターゲット物性値、および/またはこれらの組み合わせを変数として含むことができる。一方、最適温度モデルは、加熱炉運転データベースから取得された材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、および/またはターゲット物性値に対する第1学習データと第1学習データに対応する加熱炉の実際の運転温度で構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。より具体的には、最適温度モデルは、第1学習データに基づいて第1学習データに対応する実際の運転温度に近似された値を出力するように最適温度モデルのパラメータ(または加重値)が更新されて訓練され得る。したがって訓練が完了した最適温度モデルは第1学習データの変数と対応する第1入力データに基づいて加熱炉の実際の運転温度に対応する適正候補温度を演算するように構成され得る。最適温度モデルの訓練方法および/または実行(inference)の様相については図5に関連してより具体的に説明することにする。
【0052】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、送受信部1100を通じて、訓練が完了した物性予測モデルの実行データを取得することができる。ここで訓練が完了した物性予測モデルの実行データとは、訓練が完了した物性予測モデルの構造情報、階層情報、演算情報、および/またはパラメータ情報を含んで訓練が完了した物性予測モデルを適切に実行させるための任意のデータを包括することができる。
【0053】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、訓練が完了した物性予測モデルを利用して材料の予想物性値を取得することができる。具体的には、電子装置1000は、訓練が完了した物性予測モデルの入力レイヤに第2入力データを入力し、訓練が完了した物性予測モデルの出力レイヤを通じて材料の予想物性値を取得することができる。ここで第2入力データは、訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された適正候補温度、材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、および/またはこれらの組み合わせを変数として含むことができる。一方、物性予測モデルは、加熱炉運転データベースから取得された材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、および/または運転温度に対する第2学習データと第2学習データに対応する運転条件で材料を熱処理した場合の物性情報(例えば、材料の引張強度(tensile strength)、降伏強度(yield strength)、硬度(hardness)、および/または延伸率(Elongation))で構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。より具体的には、物性予測モデルは第2学習データに基づいて第2学習データに対応する運転条件で材料を熱処理した場合の物性情報に近似された値を出力するように物性予測モデルのパラメータ(または加重値)が更新されて訓練され得る。したがって訓練が完了した物性予測モデルは第2学習データの変数と対応する第2入力データに基づいて第2入力データに対応する運転条件で材料を熱処理した場合の物性情報に対応する予想物性値を演算するように構成され得る。物性予測モデルの訓練方法および/または実行(inference)の様相については図6に関連してより具体的に説明することにする。
【0054】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、複数の適正候補温度をサンプリング(Sampling)してサンプリングされた適正候補温度を取得する動作を遂行できる。具体的には、電子装置1000は運転者が入力したターゲット物性値と訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された予想物性値を比較して、訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された複数の適正候補温度をサンプリングして少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得するように構成され得る。一例として、電子装置1000はターゲット物性値と予想物性値を比較して、ターゲット物性値と予想物性値の差が小さい順で複数の適正候補温度を整列することができる。この時、電子装置1000は、整列結果に基づいて予め定められた順位内に該当する予想物性値に対応する適正候補温度を、サンプリングされた適正候補温度に決定するように具現され得る。一例として、電子装置1000はターゲット物性値と予想物性値を比較してターゲット物性値と予想物性値の差を演算することができる。この時、電子装置1000は演算された差が予め定められた値以内に該当する予想物性値に対応する適正候補温度を、サンプリングされた適正候補温度に決定するように具現され得る。複数の適正候補温度をサンプリングする内容については図7に関連してより具体的に説明する。
【0055】
一実施例に係る電子装置1000は、サンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報に基づいて適正温度を取得する動作を遂行できる。具体的には、電子装置1000はサンプリングされた適正候補温度それぞれで加熱炉を運転する場合の各熱量情報を取得し、各熱量情報を比較し、サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得するように具現され得る。一例として、電子装置1000は熱量情報に基づいて熱量が小さい順でサンプリングされた適正候補温度を整列することができる。この時、電子装置1000は整列結果に基づいて予め定められた順位に対応する熱量に対応するサンプリングされた適正候補温度を、少なくとも一つの適正温度に決定するように具現され得る。一方熱量情報は加熱炉の領域別適正候補温度の和に基づいて演算されるか領域別適正候補温度に到達するために必要な燃料(例えば、LNG)の使用量や電気エネルギーの使用量に基づいて演算され得る。サンプリングされた適正候補温度をフィルタリングする内容については図7に関連してより具体的に説明する。
【0056】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は適正温度に基づいて最適温度を演算する動作を遂行できる。一例として、電子装置1000は適正温度の平均値を最適温度に演算するように具現され得る。最適温度を演算する内容については図7に関連してより具体的に説明する。
【0057】
本開示の一実施例に係る電子装置1000は、送受信部1100を通じて、演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を、加熱炉制御器200に送信するように具現され得る。この時、加熱炉制御器200は要請に対応して加熱炉100の設定温度値を演算された最適温度に設定するように具現され得る。さらに、加熱炉制御器200は、加熱炉100の運転温度と設定温度値に基づいて加熱炉の運転温度を設定温度値に自動制御する動作を遂行できる。
【0058】
一方、本開示の一実施例に係る電子装置1000は、送受信部1100を通じて、演算された最適温度情報をクライアント端末300に送信するように具現され得る。この時、クライアント端末300は、使用者から演算された最適温度情報で加熱炉の運転温度を制御することを指示する入力を受信することができる。さらに、クライアント端末300は、受信された入力に対応して加熱炉100の設定温度値を演算された最適温度での設定するように指示する要請を加熱炉100に送信することができる。
【0059】
以下では図4図7を参照して、本開示の一実施例に係る電子装置1000の動作と、電子装置1000により遂行される加熱炉の最適温度を演算する方法をより具体的に説明する。一方、加熱炉の最適温度を演算する方法を説明するにおいて、先に図1図3に関連して説明した内容と重複する一部の実施例は省略され得る。ただし、これは説明の便宜のためのものに過ぎず、したがって制限的に解釈されてはならない。
【0060】
図4は、本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法を図示したフローチャートである。
【0061】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法は、運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する段階(S1000)、訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから加熱炉の複数の適正候補温度を取得する段階(S2000)、訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから材料の予想物性値を取得する段階(S3000)、複数の適正候補温度をサンプリング(sampling)して少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階(S4000)、サンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、熱量情報を比較してサンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階(S5000)、適正温度に基づいて最適温度を演算する段階(S6000)、および/または演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信する段階(S7000)を含むことができる。
【0062】
運転者が入力した材料のターゲット物性値を取得する段階(S1000)では、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、加熱炉の運転者が入力した製品の目標とする物性情報に対するターゲット物性値を取得することができる。ここでターゲット物性値は加熱炉を通じて熱処理された材料の引張強度(tensile strength)、降伏強度(yield strength)、硬度(hardness)、および/または延伸率(Elongation)を含んで熱処理された材料の目標とする任意の物性に対する値であり得る。
【0063】
訓練が完了した最適温度モデルを利用して、第1入力データから加熱炉の複数の適正候補温度を取得する段階(S2000)では、電子装置1000は加熱炉で加熱する材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、S1000段階を通じて取得したターゲット物性値、および/またはこれらの組み合わせを変数として含む第1入力データから加熱炉の複数の適正候補温度を取得することができる。
【0064】
図5は、本開示の一実施例に係る最適温度モデルの訓練方法、および、訓練が完了した最適温度モデルを利用して適正候補温度を演算する様相を説明するための図面である。具体的には、図5(a)は本開示の一実施例に係る訓練が完了した最適温度モデルを利用して適正候補温度を演算する様相を図示した図面であり、図5(b)は本開示の一実施例に係る最適温度モデルの訓練方法を図示した図面である。
【0065】
訓練が完了した最適温度モデルは、入力レイヤを通じて第1入力データを取得し、訓練結果により更新されたパラメータ(または加重値)により複数の適正候補温度(図5(a)のT1、T2~Tn)を演算し、出力レイヤを通じて演算された適正候補温度を出力することができる。この時、電子装置1000は、訓練が完了した最適温度モデルの出力レイヤを通じて複数の適正候補温度を取得することができる。
【0066】
一方、最適温度モデルは加熱炉運転データベースから取得された材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、ターゲット物性値、および/または、これらの組み合わせで構成された第1学習データと第1学習データに対応する加熱炉の運転温度で構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。より具体的には、最適温度モデルは、第1学習データに基づいて予測温度を出力するように構成され得る。この時、最適温度モデルは、予測温度と学習データセットに含まれた加熱炉の運転温度の差に基づいて、加熱炉の運転温度に近似された値で予測温度を出力するように最適温度モデルのパラメータ(または加重値)が更新されて訓練され得る。したがって訓練が完了した最適温度モデルは、第1学習データの変数と対応する第1入力データに基づいて加熱炉の実際の運転温度に対応する適正候補温度を演算するように構成され得る。
【0067】
訓練が完了した物性予測モデルを利用して、第2入力データから材料の予想物性値を取得する段階(S3000)では、電子装置1000は、訓練が完了した物性予測モデルを利用して、S2000段階を通じて演算された適正候補温度、材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、および/または、これらの組み合わせを変数として含む第2入力データから材料の予想物性値を取得することができる。ここで予想物性値は加熱炉を通じて熱処理される材料の引張強度(tensile strength)、降伏強度(yield strength)、硬度(hardness)、および/または、延伸率(Elongation)を含んで熱処理される材料の任意の物性に対する予想値であり得る。
【0068】
図6は、本開示の一実施例に係る物性予測モデルの訓練方法、および、訓練が完了した物性予測モデルを利用して予想物性値を演算する様相を説明するための図面である。具体的には、図6(a)は本開示の一実施例に係る訓練が完了した物性予測モデルを利用して予想物性値を演算する様相を図示した図面であり、図6(b)は本開示の一実施例に係る物性予測モデルの訓練方法を図示した図面である。
【0069】
訓練が完了した物性予測モデルは、入力レイヤを通じて第2入力データを取得し、訓練結果により更新されたパラメータ(または加重値)により予想物性値(例えば、図6(a)の引張強度に関連した予想物性値Q1、降伏強度に関連した予想物性値Q2、硬度に関連した予想物性値Q3、延伸率に関連した予想物性値Q4)を演算し、出力レイヤを通じて演算された予想物性値を出力することができる。この時、電子装置1000は、訓練が完了した物性予測モデルの出力レイヤを通じて予想物性値を取得することができる。
【0070】
一方、物性予想モデルは加熱炉運転データベースから取得された材料の厚さ、材料の鋼種、加熱炉の運転速度、加熱炉の運転温度、および/または、これらの組み合わせで構成された第2学習データと第2学習データに対応する運転条件で材料を熱処理した場合の物性情報で構成された学習データセットに基づいて訓練され得る。より具体的には、物性予測モデルは、第2学習データに基づいて物性情報を関連した予測値を出力するように構成され得る。この時、物性予測モデルは予測値と学習データセットに含まれた物性情報の差に基づいて、物性情報に近似された値で予測値を出力するように物性予測モデルのパラメータ(または加重値)が更新されて訓練され得る。したがって訓練が完了した物性予測モデルは、第2学習データの変数と対応する第2入力データに基づいて第2入力データに対応する運転条件で、例えば、訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された適正候補温度で材料を熱処理した場合の予想物性値を演算するように構成され得る。
【0071】
図7は、本開示の一実施例に係る適正候補温度から最適温度を演算する一実施形態を説明するための図面である。
【0072】
複数の適正候補温度をサンプリング(sampling)して少なくとも一つのサンプリングされた適正候補温度を取得する段階(S4000)では、電子装置1000は、複数の適正候補温度をサンプリング(Sampling)してサンプリングされた適正候補温度を取得する動作を遂行できる。具体的には、電子装置1000は運転者が入力したターゲット物性値と、適正候補温度に基づいて訓練が完了した物性予測モデルを通じて演算された予想物性値を比較して、訓練が完了した最適温度モデルを通じて演算された複数の適正候補温度をサンプリングするように構成され得る。例えば、電子装置1000は、運転者が入力したターゲット物性値と、訓練が完了した物性予測モデルを通じて第1適正候補温度(例えば、図7のT1)に基づいて演算された第1予想物性値間の第1差値を演算することができる。例えば、電子装置1000は、運転者が入力したターゲット物性値と、訓練が完了した物性予測モデルを通じて第2適正候補温度(例えば、図7のT2)に基づいて演算された第2予想物性値間の第2差値を演算することができる。例えば、電子装置1000は、運転者が入力したターゲット物性値と、訓練が完了した物性予測モデルを通じて第n適正候補温度(例えば、図7のTn)に基づいて演算された第n予想物性値間の第n差値を演算することができる。
【0073】
一例として、電子装置1000はターゲット物性値と予想物性値間の差値に基づいて、ターゲット物性値と予想物性値間の差値が小さい順で複数の適正候補温度を整列することができる。さらに、電子装置1000は、整列結果に基づいて予め定められた順位内に該当する予想物性値に対応する適正候補温度をサンプリングされた適正候補温度(図7のST1、ST2、~STm)に決定するように具現され得る。一例として、電子装置1000は、演算された差値が予め定められた値以内に該当する予想物性値に対応する適正候補温度をサンプリングされた適正候補温度(図7のST1、ST2~STm)に決定するように具現され得る。
【0074】
ただし前述した内容は例示に過ぎず、電子装置1000は任意の適切な方法に基づいて適正候補温度をサンプリングするように具現され得るであろう。
【0075】
サンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報を取得し、熱量情報を比較してサンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得する段階(S5000)では、電子装置1000は、サンプリングされた適正候補温度それぞれで加熱炉を運転する場合の各熱量情報を取得することができる。例えば、電子装置1000は、サンプリングされた第1適正候補温度(例えば、図7のST1)で加熱炉を運転する場合に使われる熱量情報(例えば、図7の第1熱量)を取得することができる。例えば、電子装置1000は、サンプリングされた第2適正候補温度(例えば、図7のST2)で加熱炉を運転する場合に使われる熱量情報(例えば、図7の第2熱量)を取得することができる。例えば、電子装置1000は、サンプリングされた第m適正候補温度(例えば、図7のSTm)で加熱炉を運転する場合に使われる熱量情報(例えば、図7の第m熱量)を取得することができる。
【0076】
この時、電子装置1000は、取得された熱量情報を比較してサンプリングされた適正候補温度をフィルタリングして少なくとも一つの適正温度を取得することができる。具体的には、電子装置1000は、熱量情報に基づいて熱量が小さい順でサンプリングされた適正候補温度を整列することができる。この時、電子装置1000は、整列結果に基づいて予め定められた順位内に該当する熱量に対応するサンプリングされた適正候補温度を少なくとも一つの適正温度(例えば、図7のOT1~OTk)に決定するように具現され得る。
【0077】
ただし前述した内容は例示に過ぎず、電子装置1000は任意の適切な方法に基づいてサンプリングされた適正候補温度から適正温度を取得するように具現され得るであろう。
【0078】
適正温度に基づいて最適温度を演算する段階(S6000)では、電子装置1000は適正温度の平均値を最適温度に演算するように具現され得る。例えば、電子装置1000はS5000段階を通じて取得された適正温度(例えば、図7の第1適正温度OT1~第k適正温度OTk)の平均値を演算し、演算された適正温度の平均値を最適温度に決定するように構成され得る。
【0079】
一方、図4では図示してはいないが、本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法はS2000~S6000段階を数回繰り返して最適温度を演算するように構成され得る。
【0080】
演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を送信する段階(S7000)では、電子装置1000は、送受信部1100を通じて、演算された最適温度を加熱炉の設定温度値に設定するように指示する要請を加熱炉制御器200に送信するように具現され得る。この時、加熱炉制御器200は要請に対応して加熱炉100の設定温度値を演算された最適温度に設定するように具現され得る。さらに、加熱炉制御器200は加熱炉100の運転温度と設定温度値に基づいて加熱炉の運転温度を設定温度値に自動制御する動作を遂行できる。
【0081】
以下では、図8図11を参照して本開示の一実施例によりクライアント端末300に提供され得るユーザーインターフェース(User Interface)を説明することにする。図8図11はユーザーインターフェース(User Interface)の一実施形態を説明するための図面である。
【0082】
図8を参照すると、本開示の一実施例に係るユーザーインターフェースは、クライアント端末300の任意の出力部(例えば、ディスプレイなど)を通じて、現在運転条件で加熱炉を運転する場合の第1予想物性情報(図8のI1)、および/または、最適温度で加熱炉を運転する場合の第2予想物性情報(図8のI2)を、使用者に出力するように提供され得る。具体的には、電子装置1000は訓練が完了した物性予測モデルを利用して、材料の厚さ、鋼種、現在運転速度、および/または、現在運転温度に対する現在運転条件から第1予想物性情報I1を取得することができる。さらに、電子装置1000は訓練が完了した物性予測モデルを利用して、材料の厚さ、鋼種、運転速度、および/または、最適温度に対する現在運転条件から第2予想物性情報I2を取得することができる。この時、電子装置1000はユーザーインターフェースを通じて、第1予想物性情報I1と第2予想物性情報I2を使用者に提供するように具現され得る。
【0083】
さらに、本開示の一実施例に係るユーザーインターフェースは、クライアント端末300の任意の出力部(例えば、ディスプレイなど)を通じて、加熱炉のリアルタイム温度情報(図8のI3)と、最適温度情報(図8のI4)を、使用者に出力するように提供され得る。具体的には、電子装置1000は、加熱炉100の運転データから加熱炉のリアルタイム温度情報を取得することができる。さらに、電子装置1000は前述したことにより、訓練が完了した最適温度モデルを通じて加熱炉の最適温度を演算することができる。この時、電子装置1000はユーザーインターフェースを通じて、加熱炉のリアルタイム温度情報I3と最適温度情報I4を使用者に提供するように具現され得る。
【0084】
図9を参照すると、本開示の一実施例に係るユーザーインターフェースは、クライアント端末300の任意の出力部(例えば、ディスプレイなど)を通じて、時間、材料の厚さ、運転速度、および/または、材料のターゲット物性に関連した現在運転条件(図9のI5)と現在運転温度と訓練が完了した最適温度モデルを利用して現在運転条件から演算された最適温度(または適正候補温度など)を比較した情報(図9のI6、例えば、テーブルの形態)を、使用者に出力するように提供され得る。一方、加熱炉100は複数個の領域で構成され得る。この時、電子装置1000は前述した方法を利用して各領域別に最適温度を演算するように具現され得る。この時、電子装置1000はユーザーインターフェースを通じて、第1ゾーンの現在運転温度と第1ゾーンの最適温度および/または第2ゾーンの現在運転温度と第2ゾーンの最適温度を比較した情報I6を使用者に提供するように具現され得る。
【0085】
図10を参照すると、本開示の一実施例に係るユーザーインターフェースは、クライアント端末300の任意の出力部(例えば、ディスプレイなど)を通じて、今後遂行される加熱炉の各運転スケジュールに対する運転条件(図10のI7)と各運転スケジュールに対する運転条件から訓練が完了した最適温度モデルを利用して演算された最適温度(図10のI8)を使用者に出力するように提供され得る。各運転スケジュールに対する運転条件I7には材料(coil)のID、運転開始時間、運転終了時間、運転主体情報、材料の厚さ、材料の予想物性、材料の目標物性および/または運転速度が含まれ得る。さらに、電子装置1000は各運転スケジュールに対する運転条件に基づいて、訓練が完了した最適温度モデルを利用して加熱炉の各領域の最適温度を演算することができる。この時、電子装置1000はユーザーインターフェースを通じて今後遂行される加熱炉の各運転スケジュールに対する最適温度I8を使用者に提供するように具現され得る。
【0086】
図11を参照すると、本開示の一実施例に係るユーザーインターフェースは、クライアント端末300の任意の入力部(例えば、マウス、タッチパッド、キーボードなど)を通じて、ターゲット物性値(図11のI9)に対する入力を取得するように提供され得る。具体的には、ユーザーインターフェースは、ターゲット物性値(例えば、鉄の品質(steel quality)、材料の厚さ(例えば、upper厚さ、lower厚さ、EI、YP、TS、HD、stdspec、pumjなど))に対する入力を取得するように提供され得る。この時、電子装置1000はターゲット物性値を利用して適正候補温度を演算したり、予想物性値を演算するように具現され得る。
【0087】
一方、図8図11に図示されたユーザーインターフェースは一つの例示に過ぎず、本開示の一実施例に係る加熱炉の運転最適化システム10は任意の適切な形態のユーザーインターフェースを通じて任意の適切な情報を使用者から取得したり、任意の適切な情報を使用者に提供するように具現され得るであろう。一方、図示してはいないが、本開示の一実施例によると、演算された最適温度に対する根拠に、現在運転温度による予想物性と最適温度による予想物性を比較した情報が、ユーザーインターフェースを通じて使用者に提供され得るであろう。
【0088】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置によると、最適温度モデルと物性予測モデルを利用して目標とする物性値を達成しながらも加熱炉の最適な運転温度を演算する効果が提供され得る。
【0089】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置によると、最適温度モデルと物性予測モデルを通じてサンプリングされた適正候補温度で加熱炉を運転する場合の熱量情報を利用して最適温度を演算することによって、製品の目標とする物性値を達成しながらも加熱炉の熱効率を改善する効果が提供され得る。
【0090】
本開示の一実施例に係る加熱炉の最適温度を演算する方法およびこれを遂行するための電子装置によると、人工知能モデルを通じて製品の目標とする物性値を考慮して加熱炉の最適温度を自動的に演算することによって、目標とする物性値を有する製品を安定的に生産するように加熱炉の運転温度を制御する効果が提供され得る。
【0091】
前述した電子装置1000の多様な動作は、電子装置1000のメモリ1200に保存され得、電子装置1000のプロセッサ1300はメモリ1200に保存された動作を遂行するように提供され得る。
【0092】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態にのみ限定されるものではない。ひいては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施形態に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に関係した内容は本開示の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0093】
また、以上で実施形態を中心に説明したがこれは単に例示に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示が属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるであろう。すなわち、実施形態に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した相違点は添付された請求の範囲で規定する本開示の範囲に含まれると解釈されるべきである。
図1
図2
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図5
図6
図7
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図9
図10
図11