(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019956
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツおよび当該超微細気泡生成パーツを用いた超微細気泡生成構造
(51)【国際特許分類】
B01F 25/10 20220101AFI20250131BHJP
B01F 23/23 20220101ALI20250131BHJP
B01F 25/20 20220101ALI20250131BHJP
B01F 25/45 20220101ALI20250131BHJP
B01F 25/431 20220101ALI20250131BHJP
【FI】
B01F25/10
B01F23/23
B01F25/20
B01F25/45
B01F25/431
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123892
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】523289474
【氏名又は名称】オリーバル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】南 克昌
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 聡
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB27
4G035AC16
4G035AC26
4G035AC44
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】
装置の部品点数を減らし、かつ実施コストを抑制しながら、あらゆる流路内に設置することができ、当該流路内を流れる水等に超微細気泡を付加することができる、水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツを提供しようとするものである。
【解決手段】
水等の流路内に設置される超微細気泡生成パーツであって、前記超微細気泡生成パーツは、平板状のパーツ本体と、前記パーツ本体の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔と、からなり、前記超微細気泡生成パーツは水等の流路内に設置されて、前記水等が前記パーツ本体に設けられた前記細孔内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしたことを特徴とする水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水等の流路内に設置される超微細気泡生成パーツであって、
前記超微細気泡生成パーツは、平板状のパーツ本体と、
前記パーツ本体の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔と、
からなり、
前記超微細気泡生成パーツは水等の流路内に設置されて、前記水等が前記パーツ本体に設けられた前記細孔内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしたことを特徴とする水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項2】
前記細孔の中心軸を、前記流路内の水等の進行方向の中心軸から所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体の前記細孔を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔から放出されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項3】
前記細孔を形成する中空内部が、水等の上流側から下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項4】
前記細孔が、前記パーツ本体の平板面の中心位置に穿設された第1細孔と、
前記パーツ本体の平板面において前記中央細孔の周囲に複数穿設された第2細孔と、
からなり、
前記第1細孔は、前記第1細孔を形成する中空内部が弧を描くように形成されることで、当該第1細孔を通過した水等が所定の向きに螺旋を描くように放出されるようにするとともに、
前記第2細孔は、前記第2細孔を通過した水等が前記第1細孔を通過した水等の螺旋の向きと反対方向に螺旋を描くように放出されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項5】
平板状のパーツ本体と、
前記パーツ本体の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔と、
からなる水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツであって、
前記細孔の中心軸を、前記流路内の水等の進行方向の中心軸から所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体の前記細孔を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔から放出されるようにし、
前記パーツ本体は、単一流路内において、所定の間隔を空けて複数設置されるとともに、当該複数のパーツ本体は、互いにパーツ本体を通過した水等の螺旋の向きが反対方向となるよう設置されるようにすることにより、
前記水等が前記パーツ本体に設けられた前記細孔内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしたことを特徴とする水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項6】
前記細孔を形成する中空内部が、水等の上流側から下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されていることを特徴とする請求項5に記載の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項7】
前記細孔が、前記パーツ本体の平板面の中心位置に穿設された第1細孔と、
前記パーツ本体の平板面において前記中央細孔の周囲に複数穿設された第2細孔と、
からなり、
前記第1細孔は、前記第1細孔を形成する中空内部が弧を描くように形成されることで、当該第1細孔を通過した水等が所定の向きに螺旋を描くように放出されるようにするとともに、
前記第2細孔は、前記第2細孔を通過した水等が前記第1細孔を通過した水等の螺旋の向きと反対方向に螺旋を描くように放出されるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ。
【請求項8】
平板状のパーツ本体と、前記パーツ本体の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔とからなる水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツと、
前記超微細気泡生成パーツと連結される放出構造と、
からなる超微細気泡生成パーツを用いた超微細気泡生成構造であって、
前記細孔の中心軸を、前記流路内の水等の進行方向の中心軸から所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体の前記細孔を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔から放出されるようにし、
さらに、前記細孔を形成する中空内部が、水等の上流側から下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されているにより、前記水等が前記パーツ本体に設けられた前記細孔内を通過する際に、前記水等に超微細気泡が付加されるようにし、
前記水が前記放出構造から任意の螺旋を描くように放出されるようにしたことを特徴とする水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツを用いた超微細気泡生成構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水等が流れる流路内に設置することで、水等に超微細気泡を生成・付加することができる、水等の流路内設置型の超微細機構生成パーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、水等に超微細気泡を付加することで、例えば界面活性剤のような洗浄剤を使用せず、あるいは、洗顔用せっけん等を使用せず、超微細気泡を付加した水等のみで十分に洗浄することができる技術が多く公開されている。この超微細気泡を付加する技術としては、例えば、流路内を流れる水等に外部から直接超微細気泡を添加したり、流路内に超微細気泡生成装置を設置して、流路内を流れる水等に直接付加する方法が挙げられる。
【0003】
例えば、特開2019-025451号公報(特許文献1)では、微細気泡水生成器1Aは、本体ケース10の第1円筒部4でシャワーホース2の給水側端部に接続されて、第2円筒部5でシャワーヘッド3の取水側端部に接続され、第1円筒部4には、複数の取水孔11が穿設されている取水プレート7が嵌め込まれて、取水プレート7の下流に配置されるノズルは、取水プレート7を通過して流れる水道水の流れる方向に沿って径が漸次縮小していく第1通水路8aと、第1通水路8aの出口側に連通して水道水の流れ方向に沿って径が漸次増大していく第2通水路8bとから成り、取水孔11は、その入口側から出口側に向けての中心軸が取水プレート7の中心軸に対し傾斜している技術が提案されている。
【0004】
また、特開2022-063995号公報(特許文献2)では、シャワーホース10の少なくとも一端が接続金具13を介してシャワーヘッド11若しくは給水栓12と着脱自在であるシャワー設備に取り付け可能な微細気泡水生成器付きシャワーホースは、微細気泡発生器と、シャワーヘッド11の給水口に着脱自在に接続可能なシャワーヘッド取付部と、給水栓12の放水口12aに着脱自在に接続可能な給水栓取付部と、取付具と、を備え、取付具は、シャワーヘッド取付部及び接続金具13の何れにも接続可能な第1接続部を有し、他端に給水栓取付部及び接続金具13の何れにも接続可能な第2接続部を有する技術が提案されている。
【0005】
このように流路内を流れる水等に超微細気泡を付加させる技術のうち、流路内に設置する装置を用いた技術については、次の課題を挙げることができる。
(ア)装置を流路内に設置するものでありながら、その装置の部品点数が多い等の事情により小サイズ化が難しく、設置できる流路が限定されていたり、流路の端部に設置したりせざるを得なかった。
(イ)また、装置の小サイズ化により、各部品のコストがかさむ傾向にあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-025451号公報
【特許文献2】特開2022-063995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、装置の部品点数を減らし、かつ実施コストを抑制しながら、あらゆる流路内に設置することができ、当該流路内を流れる水等に超微細気泡を付加することができる、水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するための手段として、本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツは、水等の流路内に設置される超微細気泡生成パーツであって、前記超微細気泡生成パーツは、平板状のパーツ本体と、前記パーツ本体の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔と、からなり、前記超微細気泡生成パーツは水等の流路内に設置されて、前記水等が前記パーツ本体に設けられた前記細孔内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツは、前記細孔の中心軸を、前記流路内の水等の進行方向の中心軸から所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体の前記細孔を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔から放出されるようにしたことをも特徴とするものである。
【0010】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツにおいて、前記細孔を形成する中空内部が、水等の上流側から下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されていることをも特徴とするものである。
【0011】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツにおいて、前記細孔が、前記パーツ本体の平板面の中心位置に穿設された第1細孔と、前記パーツ本体の平板面において前記中央細孔の周囲に複数穿設された第2細孔と、からなり、前記第1細孔は、前記第1細孔を形成する中空内部が弧を描くように形成されることで、当該第1細孔を通過した水等が所定の向きに螺旋を描くように放出されるようにするとともに、前記第2細孔は、前記第2細孔を通過した水等が前記第1細孔を通過した水等の螺旋の向きと反対方向に螺旋を描くように放出されるようにしたことをも特徴とするものである。
【0012】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツは、平板状のパーツ本体と、前記パーツ本体の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔と、からなる水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツであって、前記細孔の中心軸を、前記流路内の水等の進行方向の中心軸から所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体の前記細孔を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔から放出されるようにし、前記パーツ本体は、単一流路内において、所定の間隔を空けて複数設置されるとともに、当該複数のパーツ本体は、互いにパーツ本体を通過した水等の螺旋の向きが反対方向となるよう設置されるようにすることにより、前記水等が前記パーツ本体に設けられた前記細孔内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしたことをも特徴とするものである。
【0013】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの奏する作用効果としては、次のものが挙げられる。
(1)本発明を構成するパーツ本体に細孔を穿設することで超微細気泡を生成することができるため、パーツ本体の小サイズ化も極めて容易で、あらゆる径の流路に設置することができる
(2)本発明は細孔が穿設されたパーツ本体のみから構成され、当該パーツ本体を1つまたは複数設置するだけで、当該パーツ本体が設置された流路内の水等に超微細気泡を付加することができ、非常に低コストで実施することができる
(3)流路内を流れる水等に容易に超微細気泡を付加することができ、界面活性剤や融雪剤等の環境負荷の大きい洗浄剤を使用せずに済み、環境に優しく、自然環境を損なうことがない
(4)本発明の超微細気泡生成パーツを介して前記超微細気泡を付加された水等を用いれば、超微細気泡の高い洗浄能力により、界面活性剤等の環境負荷の高い洗剤を用いることなく、十分に洗浄することができる
(5)本発明の超微細気泡生成パーツを用いることにより、前記超微細気泡生成パーツを通過する水等には、直径100μm未満の超微細気泡を付加することができ、また、前記超微細気泡生成パーツに穿設された細孔の径、形状を調整することにより、1μm未満の超微細気泡(いわゆるウルトラ超微細気泡)を付加することもできる
(6)前記超微細気泡生成パーツは、流路の径を問わずあらゆる流路に設置することができるため、洗浄する対象物の形状、構造、材質等に合わせて、最も効果的な径の超微細気泡を水等に付加することで、洗浄する対象物がどのような性質のものであっても、常に高い洗浄能力を発揮させることができる
(7)前記超微細気泡生成パーツは、流路の径を問わずあらゆる流路に設置することができるため、洗浄する対象物の場所・環境も問わず、あらゆる場所・環境においても、常に高い洗浄能力を発揮させることができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第1実施例を示す概略平面図である。
【
図2】その流路内に設置された状態の概略断面図である。
【
図4】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第2実施例を示し、細孔がテーパ状のすぼまりに形成された状態の概略平面図である。
【
図5】その流路内に設置された状態の概略断面図である。
【
図7】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第3実施例を示し、第1細孔と第2細孔が穿設された状態の概略平面図である。
【
図8】その流路内に設置された状態の概略断面図である。なお、各細孔の位置関係の理解がしやすいよう、各細孔の径を修正して図示してある。
【
図10】その第1細孔を通過する水等の螺旋の向きと、第2細孔を通過する水等の螺旋の向きを示した概略平面図である。
【
図11】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第4実施例を示し、第1パーツ本体と第2パーツ本体の概略平面図である。
【
図12】その流路内に設置された状態の概略断面図である。
【
図14】その流路内に設置された状態の、第1パーツ本体を通過する水等の螺旋の向きと、第2パーツ本体を通過する水等の螺旋の向きを示した概略平面図である。
【
図15】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第5実施例を示し、(a)は超微細気泡生成パーツのパーツ本体の概略平面図、(b)は超微細気泡生成パーツのパーツ本体の概略断面図である。
【
図16】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第5実施例を示し、(a)は旋回構造と圧縮構造と放出構造とを備えた従来例の概略図、(b)は本発明の超微細気泡生成パーツのパーツ本体と放出構造とを連結させた概略図である。
【
図17】本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第5実施例において、超微細気泡生成パーツの放出部分を示し、(a)は超微細気泡生成パーツの概略底面図、(b)ないし(d)はそれぞれ異なるアタッチメントを超微細気泡生成パーツの放出部分に取り付け、または形成させた状態の概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツを、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1ないし
図3は、本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツの第1実施例であり、水等の流路内に設置される水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツ11(以下、超微細気泡生成パーツ11という)を用いて、流路内を流れる水等に超微細気泡を付加することができるようにしたものである。なお、後述の第2実施例ないし第4実施例においても、第1実施例同様、流路内を流れる水等に超微細気泡を付加することができるようにしてある。
【0017】
本発明の第1実施例に係る超微細気泡生成パーツ11は、
図1ないし
図3に示すように、平板状のパーツ本体12と、前記パーツ本体12の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔13と、からなる。
前記超微細気泡生成パーツ11は水等の流路101内に設置されて、前記水等が前記パーツ本体12に設けられた前記細孔13内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしている。
【0018】
なお、前記細孔13の中心軸13aは、
図2に示すように前記流路101内の水等の進行方向の中心軸101aから所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体12の前記細孔13を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔13から放出されるようにしている。
このようにすることにより、前記流路101内を流れる水等は前記パーツ本体12に衝突し、かつ前記細孔13を通過して水同士、または前記細孔13の内周面と衝突しながら螺旋状に放出されることで、超微細気泡が付加されるのである。
【0019】
本発明の第2実施例に係る超微細気泡生成パーツ21は、
図4ないし
図6に示すように、平板状のパーツ本体22と、前記パーツ本体22の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔23と、からなる。
前記超微細気泡生成パーツ21は水等の流路101内に設置されて、前記水等が前記パーツ本体22に設けられた前記細孔13内を通過することにより、前記水等に超微細気泡が付加されるようにしている。
【0020】
なお、前記細孔23は、
図5に示すように、前記細孔23を形成する中空内部23bが、水等の上流側から下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されている。
また、先の第1実施例と同様に前記細孔23の中心軸23aは、前記流路101内の水等の進行方向の中心軸101aから所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体22の前記細孔23を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔23から放出されるようにもしている。
このようにすることにより、前記流路101内を流れる水等は前記パーツ本体22に衝突し、かつ前記細孔23を通過する際には、水同士、または前記細孔23のテーパ状のすぼまりに形成された内周面と衝突しながら螺旋状に放出されることで、超微細気泡が付加されるのである。
【0021】
本発明の第3実施例に係る超微細気泡生成パーツ31は、
図7ないし
図10に示すように、平板状のパーツ本体32と、前記パーツ本体32の適宜位置に穿設された第1細孔33と、前記第1細孔33の周囲位置に穿設された複数の細孔34と、からなる。
前記第1細孔33は、前記パーツ本体32の平板面の中心位置に穿設されており、前記第1細孔33を形成する中空内部33aが弧を描くように形成されている。このようにすることで、当該第1細孔33を通過した水等が所定の向きに螺旋を描くように放出されるようにしてある。
【0022】
また、前記第2細孔34は、前記第2細孔34を通過した水等が前記第1細孔33を通過した水等の螺旋の向きと反対方向に螺旋を描くように放出されるようにしてある。
このようにすることにより、前記パーツ本体32の1つで、前記パーツ本体32を通過する水等を同時に逆回転の螺旋の向きに放出することができ、超微細気泡を十分に付加することができるようにしてある。
なお、第3実施例においては、第1細孔33を通過した水等が進行方向に向かって反時計回りに螺旋するようにし、第2細孔34を通過した水等が進行方向に向かって時計回りに螺旋するようにしてあるが、もちろん、前記螺旋の向きは第1細孔と第2細孔とで互いに逆向きであればよく、第3実施例の向きに限定されるものではない。
【0023】
本発明の第4実施例に係る超微細気泡生成パーツ41は、
図11ないし
図14に示すように、平板状の第1パーツ本体42と、平板状の第2パーツ本体43と、前記パーツ本体42,43の適宜位置に穿設された細孔44と、からなる。
【0024】
本実施例において、前記パーツ本体42,43は、
図12に示すように、所定の間隔を空け、かつ前記パーツ本体42を通過した水等の螺旋の向きに対して、前記パーツ本体43を通過した水等の螺旋の向きが逆方向となるよう、配置されている。
このようにすることにより、前記パーツ本体42を通過して所定の螺旋の向きに放出された水等は、前記パーツ本体42の下流側に設置された前記パーツ本体43を通過する際に、前記パーツ本体42と反対方向の螺旋の向きで放出され、水同士、前記パーツ本体42,43、前記細孔44の内周面、前記流路101内等に衝突して、超微細気泡を十分に付加することができるようにしてある。
【0025】
なお、第1実施例、第2実施例、第4実施例においては、前記細孔13,23,44を水等の入口と出口が同径の円柱状で表しているが、第3実施例のようにテーパ状のすぼまりに形成しても良いことは言うまでもない。
また、各実施例では略円柱状で表しているが、角柱その他の流線形状としてもよいこともまた言うまでもない。
【0026】
本発明の第5実施例に係る超微細気泡生成パーツ51は、
図15ないし
図16(b)に示すように、平板状のパーツ本体52と、前記パーツ本体52の適宜位置に穿設された1つまたは複数の細孔54と、からなる。
なお、前記細孔54は、
図15に示すように、前記細孔54を形成する中空内部54bが、水等の上流側から下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されている。
また、先の第1実施例と同様に前記細孔54の中心軸54aは、流路の水等の進行方向の中心軸から所定の角度傾斜させることにより、前記パーツ本体52の前記細孔54を通過した水等が、任意の螺旋を描くように前記細孔54から放出されるようにもしている。さらに、複数の前記細孔54の下流側の放出出口は、前記パーツ本体52の下流面の中央位置に密集させて形成させてある。
このようにすることにより、流路を流れる水等は前記パーツ本体52に衝突し、かつ前記細孔54を通過する際には、水同士、または前記細孔54のテーパ状のすぼまりに形成された内周面と衝突しながら螺旋状に放出されることで、超微細気泡が付加されるのである。
【0027】
本発明の第5実施例に係る超微細気泡生成パーツ51は、さらに、
図16(b)に示すように、放出構造71と連結することができるようにしてある。
より詳しくは、
図16(a)に示すように、従来は、水の流路を流れる水流を螺旋状に流れるようにする旋回構造61と、前記旋回構造61の例えば下流側に設置される圧縮構造62と、前記圧縮構造62により加圧された水流が、加圧を解かれて勢いよく放出する放出構造63とからなる超微細気泡生成構造を用いて、水流内に超微細気泡を生成させるとともに、旋回運動を伴って勢いよく放出されることで、洗浄能力を高めるようにしていた。
【0028】
しかしながら、
図16(a)の構造では、部品点数も多く、耐久性やコスト上の問題が存在していた。そこで、本発明の第5実施例においては、
図16(b)に示すように、超微細気泡生成パーツ51と、放出構造71とを備えているのである。
このとき、前記超微細気泡生成パーツ51は、その内部を通過する水が螺旋の向きに放出されるように穿孔された細孔54を備えており、かつ、前記細孔54は下流側に向けてテーパ状のすぼまりに形成されている。
【0029】
そして、水流の上流側に前記超微細気泡生成パーツ51を、下流側に前記放出構造71を配置して、互いに連結することにより、前記水が前記超微細気泡生成パーツ51の細孔54を通過することで放出された水に螺旋の向きを与えるとともに、前記細孔54がテーパ状のすぼまりに形成されていることから、前記細孔54を通過する水に圧縮作用が働くことで超微細気泡を生成させることができる。
したがって、
図16(a)の従来例に示すような構造よりも、部品点数を削減でき、耐久性の向上や材料コスト等の抑制を図ることができるのである。
【0030】
図17は、
図16(b)に示す第5実施例において、前記超微細気泡生成パーツ51の放出部分における各種構造を示すものである。
例えば
図17(a)は、前記超微細気泡生成パーツ51の放出部分において、アタッチメントを取り外した状態または形成させていない状態の概略底面図であり、図示するとおり、放出部分には複数の放出孔54cが密集するように形成させてある。
【0031】
そして、例えば
図17(b)に示すように、前記超微細気泡生成パーツ51の放出部分にドーナツ型のアタッチメント81を取り付け、または形成させることにより、前記放出孔54cの開放部分を小さくすることができ、当該放出孔54cを通過する水が加圧されて水圧を高めることができるようにしてある。
もちろん、前記アタッチメント81は、
図17(b)の形状に限定されるものではなく、例えば
図17(c),(d)のような形状、その他の形状であってもよいことはいうまでもない。
このように、前記超微細気泡生成パーツ51の放出部分の放出孔54cの開放部分を調整することで、放出構造から放出される水の水圧も容易に調整することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の水等の流路内設置型の超微細気泡生成パーツによれば、容易に水等に超微細気泡を付加することができので、ありとあらゆる物体表面の洗浄に適用することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
11 超微細気泡生成パーツ
12 パーツ本体
13 細孔
13a 中心軸
21 超微細気泡生成パーツ
22 パーツ本体
23 細孔
23a 中心軸
23b 中空内部
31 超微細気泡生成パーツ
32 パーツ本体
33 第1細孔
33a 中空内部
34 第2細孔
41 超微細気泡生成パーツ
42 第1パーツ本体
43 第2パーツ本体
44 細孔
51 超微細気泡生成パーツ
52 パーツ本体
54 細孔
54a 中心軸
54b 中空部分
54c 放出孔
61 旋回構造
62 圧縮構造
63 放出構造
71 放出構造
81 アタッチメント
101 水等の流路
101a 中心軸