(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019962
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】屋外設置型飛来虫捕獲器
(51)【国際特許分類】
A01M 1/02 20060101AFI20250131BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
A01M1/02 B
A01M1/20 Z
A01M1/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023132385
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】523310099
【氏名又は名称】株式会社ヘッドライトジャパン
(72)【発明者】
【氏名】亀澤 一公
(72)【発明者】
【氏名】井上 伸一
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121CA03
2B121CA16
2B121CA31
2B121CA75
2B121CA81
2B121CC13
2B121CC31
2B121DA33
2B121EA21
(57)【要約】
【課題】本発明は、飛来虫捕獲器に関するもので、AC、DC電源等の外部電源を使用しなくても捕虫効果を高める飛来虫捕獲器を提供する。
【解決手段】虫侵入穴を有し下部が開口した本体上部虫侵入部と、上部が開口した金属製の本体下部熱吸収部と、該本体下部熱吸収部の内部に嵌め込まれ、上部が開口し、発酵誘引剤7を入れる内部誘引剤トレイとからなり、前記本体上部虫侵入部の下部開口と前記本体下部熱吸収部の上部開口とを接合したことを特徴とする屋外設置型飛来虫捕獲器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
虫侵入穴を有し下部が開口した本体上部虫侵入部と、上部が開口した金属製の本体下部熱吸収部と、該本体下部熱吸収部の内部に嵌め込まれ、上部が開口し、発酵誘引剤を入れる内部誘引剤トレイとからなり、前記本体上部虫侵入部の下部開口と前記本体下部熱吸収部の上部開口とを接合したことを特徴とする屋外設置型飛来虫捕獲器。
【請求項2】
前記本体上部虫侵入部に内部誘虫光部を設け、該内部誘虫光部はソーラーパネル部と接続可能であることを特徴とする請求項1記載の屋外設置型飛来虫捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハエ等飛来虫を捕獲する器具に関するもので、従来機器と比べ捕獲効率と省エネ性を向上させた飛来虫捕獲器である。
【背景技術】
【0002】
一般的に飛来虫補獲器は、光学誘引捕虫器や、電撃殺虫器等があげられる。構造として虫を誘引するための光、臭い(誘引剤)、熱等の誘引部と粘着紙、電撃殺虫、吸引する等の捕獲部とからなる。特許文献1には誘引部として臭い(誘引剤)単独、光(誘引ランプ)と臭い(誘引剤)の組み合わせ、熱(ヒーター)と臭い(誘引剤)の組み合わせが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は光(誘引ランプ)と臭い(誘引剤)の組み合わせ、熱(ヒーター)と臭(誘引剤)の組み合わせにおける光(誘引ランプ)と熱(ヒーター)において電気式で外部電源を使用しており、屋外設置の場合、電源の供給に手間がかかるという課題があった。また、一般的な捕虫器には次のような欠点があった。
(ア)虫のそれぞれの特性により捕虫器におびき寄せる方法が、光や臭いや熱などあるにもかかわらず、この3点を備える捕虫器は今までない。
(イ)捕虫器のほとんどは電源を必要とするが、屋外設置の場合、電源の供給に手間がかかる。
(ウ)臭い誘引の場合、ほとんどが発酵物質を利用しているが、常温で発酵させているので、発酵するまで時間がかかり、効果が表れるのが遅い。
(エ)臭い誘引型の捕獲器はペットボトルタイプがほとんどで容量に限界がある。
(オ)臭い誘引型のペットボトルタイプは捕獲虫が逃亡しやすい(
図6)。
(カ)臭い誘引型の捕虫器は本体が樹脂製の物が多く、衝撃に弱い。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本体下部熱吸収・放熱部2内部に内部誘引剤トレイ5がはめ込まれ、本体上部誘虫光透過・虫侵入部1の上部には内部誘虫光部4が装着され、側面には虫侵入穴3aからdがあり、その本体上部誘虫光透過・虫侵入部1と本体下部熱吸収・放熱部2は結束バンド6で固定されており、さらに内部誘虫光部4とソーラーパネル部9はケーブル8で接続されている。内部誘引剤トレイ5に飛来虫誘引剤7を入れ、ソーラーパネル部9を太陽光向きに合わせて設置し、飛来虫を捕獲する。
以上のように、構成されたことを特徴とする屋外設置型飛来虫捕獲器。
【発明の効果】
【0006】
(ア)虫のそれぞれの特性により捕虫器におびき寄せる方法があり、その特性に合わせて光、臭い、熱の誘引機能の3点を備える捕虫器である。
(イ)本捕虫器は臭い誘引の効果促進機能や熱誘引の効果は全て太陽の熱を吸収、放熱材を利用して、蓄電池やAC、DC電源を必要としない構成となっているため、屋外設置の場合等、電源の供給に手間がかからない。
(ウ)臭い誘引の発酵物質の誘引効果促進のため、本体ボディを、太陽熱を吸収しやすい熱伝導率の高い材質にし、本体に熱を溜め、誘引発酵物質に熱を与えて発酵促進して誘引効果を向上させる構造としている。また、この熱は本体外部へも放出され、虫の熱誘引機能も同時に行える構造とした。また、光誘引光源を電力消費量の少ないLEDを採用することで、小型ソーラーパネルを利用して、電気代ゼロを可能にした。
(エ)臭い誘引型の捕獲器はペットボトルタイプサイズがほとんどである。ペットボトルサイズは加工や持ち運びが楽な反面、虫の被害が大きい場所では小さすぎる。容量に限界がある。捕虫空間容量をペットボトルサイズの約8倍にして最大捕獲量を向上させた。
(オ)上記のように捕虫空間を8倍にすることにより、飛来虫が逃亡する「虫侵入穴」の捕虫空間に対する虫が逃亡する「虫侵入穴」の面積比率が小さくなり、虫の逃亡率を減少できる構造としている。(
図6)。
(カ)従来の臭い誘引型の捕虫器は本体が樹脂製の物が多く、衝撃に弱わかったのに対し、本体の下部を金属にし、より耐久性、衝撃に強い材質とした。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】 本発明の正面図である(ソーラーパネルを除く)。
【
図3】 本発明の平面図である(ソーラーパネルを除く)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を図面に示す実施例に従って説明する。本体上部誘虫光透過・虫侵入部1は円板状の天板と円筒状の胴部とからなる。本体下部は2つの部材から成る2重構造である。外部材は、本体上部誘虫光透過・虫侵入部1の下部開口とほぼ一致する上部開口を有する円筒形で金属製の本体下部熱吸収・放熱部2である。内部材は、該本体下部熱吸収・放熱部2の内周に一致する上部開口を有するボウル状の内部誘引剤トレイ5である。該内部誘引剤トレイ5は、前記本体下部熱吸収・放熱部2の内部の上端もしくは任意の位置に着脱自在に接し、高さは前記本体下部熱吸収・放熱部2の高さより低くなるように設定する。また、前記内部誘引剤トレイ5には発酵誘引剤7を入れる。
そして前記本体上部誘虫光透過・虫侵入部1の下部開口と前記本体下部熱吸収・放熱部2の上部開口とを接し、結束バンドを使って接合させる。
なお、本体下部熱吸収・放熱部2は有底形状にすることもできる。前記本体上部誘虫光透過・虫侵入部1、内部誘引剤トレイ5、および本体下部熱吸収・放熱部2の形状は本実施例では全体として円柱状としたが、これを直方体状や円錐台状、角錐台のように自由に設計することができる。本体上部誘虫光透過・虫侵入部1の下部開口と前記本体下部熱吸収・放熱部2の上部開口との接合を本実施例では結束バンドを用いて行ったが、その他の手段として、体上部誘虫光透過・虫侵入部1の下部開口と本体下部熱吸収・放熱部2の上部開口に螺合接合できるネジ山を設けることもできるし、篏合等の周知の着脱自在となる接合構成を採用することができる。本体下部熱吸収・放熱部2の高さは、前記内部誘引剤トレイ5より低く設定することもできるが、本体下部熱吸収・放熱部2の熱吸収・放熱作用を発揮させるためには本体下部熱吸収・放熱部2はある程度の高さとした方が効果的である。また、内部誘引剤トレイ5と本体下部熱吸収・放熱部2は同一材料により一体化して設けることもできる。
【0009】
前記本体上部誘虫光透過・虫侵入部1の胴部に虫侵入穴3を4カ所設ける。該虫侵入穴3は大型ハエ等の侵入を配慮し、外部開口を直径約2cmとし、中から逃亡しにくいように内部に向かって漏斗状で先端に小径の開口を有する形状とした。虫侵入穴3の数、および形状は任意に設定できる。また、虫侵入穴3を別部材として設けて装着することもできる。
前記本体上部誘虫光透過・虫侵入部1の天板に誘虫光部4を設ける。該誘虫光部4にLEDを採用してソーラーパネル部9でも十分に効果を発揮できるようにすることで、AC、DC電源や蓄電池式でもない、手間のかからないものとすることが好ましい。しかし、設置する場所に応じて公知の電源を採用することができる。
【0010】
本実施例の材料として、本体上部誘虫光透過・虫侵入部1は、本実施例では内部誘虫光の光が拡散して外部に漏れるように、そして軽量・加工のしやすさを考慮し、プラスチック、より具体的にPP(ポリプロピレン)を採用した。しかし、他のプラスチック材料や金属等にすることもできる。本体下部熱吸収・放熱部2は、屋外に設置した時、太陽熱を十分吸収できるよう熱伝導率が高く、温度が高くなり、内部誘引剤トレイ5内の発酵誘引剤7を加熱して臭いが出ることをより高めることが必要である。このため本実施例では金属製、より詳しくは鉄製の材質とした。しかし、熱伝導率が高いものであれば他の材料を使用することもできる。内部誘引剤トレイ5は、発酵誘引剤7への耐性があれば良くプラスチック、もしくは金属製とすることができるが、本体下部熱吸収・放熱部2からの熱を効率的に伝え、発酵誘引剤7からの臭いをより多く出すためには熱伝導率が高い金属製とすることが好ましい。
【0011】
本発明の屋外設置型飛来虫捕獲器の設置、使用方法を
図4により説明する。
(a)内部誘引剤トレイ5に発酵誘引剤7を入れる。(b)内部誘引剤トレイ5を本体下部熱吸収・放熱部2に設置する。(c)本体上部誘虫光透過・虫侵入部1と本体下部熱吸収・放熱部2を結束バンド6で固定する。
この状態で任意の場所に本屋外設置型飛来虫捕獲器を
図5により設置する。
次に、屋外設置型飛来虫捕獲器による捕虫方法を以下に説明する。
(a)内部誘虫光部4から出る虫誘引光源は本体上部誘虫光透過・虫侵入部1を経て外部に漏れ、虫を誘引する。発酵誘引剤7からは臭い誘引成分が虫侵入穴3から出て虫を誘引する。この時、本体下部熱吸収・放熱部2は太陽熱を吸収、放熱し、内部誘引剤トレイ5を介して発酵誘引剤7を加熱し、臭い誘引成分がより多く出るようにする。(b)本体へ誘引された虫は虫侵入穴3を経て、本体内部に侵入する。侵入した虫はいずれ発酵誘引剤7に接触し、発酵誘引剤7に含有させた、界面活性剤や殺虫成分等で飛べなくなり、発酵誘引剤7内に溜まっていく。
さらに、本発明品が従来品のペットボトルタイプと比べて、侵入した虫が逃亡しにくいことを
図6により以下に説明する。
(a)本発明と(b)従来品ペットボトルタイプの虫侵入穴は虫の寸法上、ほぼ同じ大きさである。本発明は従来品と比べ、内部空間が大きく、逃亡できる侵入穴へ行きつく可能性は従来品より低くなる。よって虫の逃亡率は従来品よりも低く、より多くの虫を捕獲できる。
【符号の説明】
【0012】
1 本体上部誘虫光透過・虫侵入部
2 本体下部熱吸収・放熱部
3a、3b、3c、3d 虫侵入穴
5 内部誘引剤トレイ
6 結束バンド
7 発行誘引剤
9 ソーラーパネル部