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特開2025-20646競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラム、競走馬管理方法および競走馬管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025020646
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラム、競走馬管理方法および競走馬管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20250205BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20250205BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124152
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】523290137
【氏名又は名称】坂上 亮
(71)【出願人】
【識別番号】523290148
【氏名又は名称】合同会社フルカワコンサル
(71)【出願人】
【識別番号】523290159
【氏名又は名称】株式会社芦毛
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【弁理士】
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】坂上 亮
(72)【発明者】
【氏名】古川 智之
【テーマコード(参考)】
5L010
5L040
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L040BB63
5L049AA20
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減することができる競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラム、競走馬管理方法および競走馬管理装置を提供する。
【解決手段】ユーザ端末10に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理サーバ1であって、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部34と、競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における馬主の締日の翌日から当月度における締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部41と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理サーバであって、
馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部と、
前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部と、
を有する、競走馬管理サーバ。
【請求項2】
前記競走馬の預託料については、預託状況に応じて複数の日額単価を記憶する入退厩情報記憶部を有しており、
前記表示データ作成部は、前記管理画面において、前記日額単価のそれぞれに対応付けて前記チェックボックスを配置する、請求項1に記載の競走馬管理サーバ。
【請求項3】
前記厩舎に預託された全ての競走馬を月度ごとに登録するとともに、前記競走馬ごとに入厩していた日を記憶する入退厩情報記憶部と、
新しい月度に預託された競走馬を前記入退厩情報記憶部に登録する場合、前月度における前記馬主の締日において、入厩していた全ての競走馬を一括で登録する入力補助部と、
を有する、請求項1に記載の競走馬管理サーバ。
【請求項4】
競走馬ごとに預託料の日額単価が記憶されているとともに、前記預託料の月額上限値が設定可能に構成されている入退厩情報記憶部と、
前記月額上限値が設定されていない場合、前記日額単価に入厩日数を乗算した算出額を月額預託料とし、
前記月額上限値が設定されており、かつ、前記算出額が前記月額上限値以下の場合、前記算出額を月額預託料とし、
前記月額上限値が設定されており、かつ、前記算出額が前記月額上限値を超える場合、前記月額上限値を月額預託料とする、精算処理実行部と、
を有する、請求項1に記載の競走馬管理サーバ。
【請求項5】
複数の馬主によって共有されている競走馬については、各馬主の請求割合を記憶する預託馬情報記憶部と、
競走馬ごとに前記月額費用を前記請求割合に応じて按分した按分額を算出する精算処理実行部と、
を有する、請求項1に記載の競走馬管理サーバ。
【請求項6】
競走馬ごとに、厩舎が立て替えた立替金に関する立替金項目と、その立替金額とを記憶する精算情報記憶部と、
新しい月度において立て替えた前記立替金項目を前記精算情報記憶部に登録する場合、前月度に登録されている全ての前記立替金項目を一括で登録する入力補助部と、
を有する、請求項1に記載の競走馬管理サーバ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の競走馬管理サーバと、前記ユーザ端末とからなる競走馬管理システム。
【請求項8】
ユーザ端末に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理プログラムであって、
馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部と、
前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部と、
してコンピュータを機能させる、競走馬管理プログラム。
【請求項9】
ユーザ端末に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理方法であって、
馬主情報記憶部には、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日が馬主ごとに記憶されており、
前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成ステップを有する、競走馬管理方法。
【請求項10】
競走馬の管理画面を表示する競走馬管理装置であって、
馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部と、
前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部と、
を有する、競走馬管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厩舎が馬主から預託された競走馬を管理するのに好適な競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラム、競走馬管理方法および競走馬管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、馬主から競走馬を預託された厩舎では、毎月ごとに、預託された競走馬のそれぞれについて、入退厩の日付を管理するとともに、預託料(馬房使用料、飼料代等)、立替金(治療費、予防接種費、装蹄費、出走申込金、輸送費、記念写真代等)、預かり金(出走手当、馬主賞金等)等を精算し請求書を発行する等、様々な事務作業を行っている。
【0003】
なお、特開2003-308358号公報には、競走馬育成管理の関係者間で必要な情報を共有するためのシステムが開示されている(特許文献1)。ただし、当該システムは、厩舎における事務作業の負担を軽減するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-308358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在でもなお、上記のような事務作業を全て手書きによる紙で管理している厩舎も多い。また、一部では、表計算ソフト等を用いて管理している厩舎もあるが、事務担当者が独自に片手間で作成した属人的なフォームで管理している場合がほとんどである。このため、預託された競走馬が多いほど、事務作業に膨大な時間がかかる上、ミスも多発し易いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減することができる競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラム、競走馬管理方法および競走馬管理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る競走馬管理サーバは、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減するという課題を解決するために、ユーザ端末に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理サーバであって、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部と、前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部と、を有する。
【0008】
また、本発明の一態様として、入厩していたか否かの他に、いずれの日額単価が適用されるのかも合わせて管理するという課題を解決するために、前記競走馬の預託料については、預託状況に応じて複数の日額単価を記憶する入退厩情報記憶部を有しており、前記表示データ作成部は、前記管理画面において、前記日額単価のそれぞれに対応付けて前記チェックボックスを配置してもよい。
【0009】
また、本発明の一態様として、競走馬の登録作業を迅速化かつ簡素化し、入力ミスを低減するという課題を解決するために、前記厩舎に預託された全ての競走馬を月度ごとに登録するとともに、前記競走馬ごとに入厩していた日を記憶する入退厩情報記憶部と、新しい月度に預託された競走馬を前記入退厩情報記憶部に登録する場合、前月度における前記馬主の締日において、入厩していた全ての競走馬を一括で登録する入力補助部と、を有していてもよい。
【0010】
さらに、本発明の一態様として、日額契約の馬主から預託された競走馬のみならず、月額契約の馬主から委託された競走馬についても、自動的かつ正確に月額預託料を算出するという課題を解決するために、競走馬ごとに預託料の日額単価が記憶されているとともに、前記預託料の月額上限値が設定可能に構成されている入退厩情報記憶部と、前記月額上限値が設定されていない場合、前記日額単価に入厩日数を乗算した算出額を月額預託料とし、前記月額上限値が設定されており、かつ、前記算出額が前記月額上限値以下の場合、前記算出額を月額預託料とし、前記月額上限値が設定されており、かつ、前記算出額が前記月額上限値を超える場合、前記月額上限値を月額預託料とする、精算処理実行部と、を有していてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様として、競走馬を共有する共同馬主のそれぞれについて、請求割合に応じた月額費用を自動的に算出するという課題を解決するために、複数の馬主によって共有されている競走馬については、各馬主の請求割合を記憶する預託馬情報記憶部と、競走馬ごとに前記月額費用を前記請求割合に応じて按分した按分額を算出する精算処理実行部と、を有していてもよい。
【0012】
さらに、本発明の一態様として、競走馬ごとに発生する立替金項目を迅速かつ簡単に入力するという課題を解決するために、競走馬ごとに、厩舎が立て替えた立替金に関する立替金項目と、その立替金額とを記憶する精算情報記憶部と、新しい月度において立て替えた前記立替金項目を前記精算情報記憶部に登録する場合、前月度に登録されている全ての前記立替金項目を一括で登録する入力補助部と、を有していてもよい。
【0013】
本発明に係る競走馬管理システムは、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減するという課題を解決するために、上述したいずれかの態様の競走馬管理サーバと、前記ユーザ端末とからなる。
【0014】
本発明に係る競走馬管理プログラムは、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減するという課題を解決するために、ユーザ端末に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理プログラムであって、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部と、前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部と、してコンピュータを機能させる。
【0015】
本発明に係る競走馬管理方法は、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減するという課題を解決するために、ユーザ端末に競走馬の管理画面を表示させる競走馬管理方法であって、馬主情報記憶部には、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日が馬主ごとに記憶されており、前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成ステップを有する。
【0016】
本発明に係る競走馬管理装置は、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減するという課題を解決するために、競走馬の管理画面を表示する競走馬管理装置であって、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日を馬主ごとに記憶する馬主情報記憶部と、前記競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが、前月度における前記馬主の締日の翌日から当月度における前記締日までの各日に対応付けて順に配置された管理画面を作成する表示データ作成部と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る競走馬管理サーバとユーザ端末とからなる競走馬管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】本実施形態の初期設定画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態の馬主登録画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態の預託馬登録画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態の入退厩管理画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態の馬別精算書画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態の馬主別請求書画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態における入厩馬の一括登録機能を示す図である。
図9】本実施形態における立替金項目の前月コピー機能を示す図である。
図10】本実施形態における精算明細書の一例を示す図である。
図11】本実施形態の精算情報入力処理を示すフローチャートである。
図12】本実施形態の精算処理を示すフローチャートである。
図13】本発明に係る競走馬管理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラムおよび競走馬管理方法の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本実施形態の競走馬管理システム100を示す図であり、クラウド上で本発明に係る競走馬管理サービスを提供する競走馬管理サーバ1と、厩舎の関係者であるユーザが使用するユーザ端末10とが、インターネット等の通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。以下、競走馬管理サーバ1およびユーザ端末10のそれぞれについて説明する。
【0021】
ユーザ端末10は、厩舎の関係者であるユーザが、競走馬管理サーバ1にアクセスするための端末である。本実施形態において、ユーザ端末10は、タッチパネルやディスプレイ等の表示部を備えたパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータによって構成されている。また、ユーザ端末10には、ウェブブラウザがインストールされており、競走馬管理サーバ1が提供するウェブサイト等にアクセスしうるようになっている。
【0022】
なお、ユーザ端末10の台数は限定されるものではなく、厩舎の関係者である、管理者、調教師、厩務員、税理士等に対してアカウントを発行し、複数のユーザ端末10から利用できるようにしてもよい。また、この場合、管理者のアカウントは全ての操作を可能とし、税理士のアカウントは閲覧のみを可能とする等、アカウントごとに異なる権限を設定してもよい。
【0023】
競走馬管理サーバ1は、クラウドサーバ等のコンピュータによって構成されており、図1に示すように、通信手段2と、記憶手段3と、演算処理手段4とを有している。以下、各構成手段について詳細に説明する。
【0024】
通信手段2は、競走馬管理サーバ1に通信機能を実装するものである。本実施形態において、通信手段2は、第4世代(4G)や第5世代(5G)等のキャリアネットワーク規格や、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN規格に対応しており、いずれかの通信ネットワークを介して各種のデータを送受信するようになっている。
【0025】
記憶手段3は、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段4が演算処理を行う際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態において、記憶手段3は、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等で構成されており、図1に示すように、プログラム記憶部31と、初期設定情報記憶部32と、フォーマット記憶部33と、馬主情報記憶部34と、預託馬情報記憶部35と、入退厩情報記憶部36と、精算情報記憶部37と、請求情報記憶部38と、日報情報記憶部39とを有している。
【0026】
プログラム記憶部31には、本実施形態の競走馬管理方法を実行するための競走馬管理プログラム1aがインストールされている。そして、演算処理手段4が競走馬管理プログラム1aを実行することにより、競走馬管理サーバ1としてのコンピュータを後述する各構成部として機能させるようになっている。
【0027】
なお、競走馬管理プログラム1aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、SDカード、CFカード、USBメモリ、外付けHDD(Hard Disk Drive)、外付けSSD(Solid State Drive)、CD-ROM、DVD-ROM等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に競走馬管理プログラム1aを記憶させておき、当該記録媒体から直接読み出して実行してもよい。
【0028】
初期設定情報記憶部32は、ユーザに関する各種の初期設定情報を記憶するものである。本実施形態では、初期設定情報として、ユーザの氏名、住所、電話番号および口座情報等のアカウント情報の他、ユーザが設定するデフォルトの締日、預託料の日額単価、預託料の月額上限値およびユーザが選択したフォーマット等が、図2に示すような初期設定画面から入力されて保存される。
【0029】
フォーマット記憶部33は、各種書類のフォーマットを記憶するものである。本実施形態では、データ出力可能な書類として、精算明細書、請求書、調教日報、馬主への報告書、馬主の宛名ラベルおよび馬房プレート等が用意されている。このため、フォーマット記憶部33には、これらの各書類について、複数のフォーマットが選択可能に記憶されている。
【0030】
馬主情報記憶部34は、馬主ごとに馬主に関する馬主情報を記憶するものである。本実施形態では、馬主情報として、馬主の氏名、住所および電話番号等の他、馬主が厩舎に支払う月額費用の締日が、図3に示すような馬主登録画面から入力されて保存される。なお、この馬主情報記憶部34において、馬主ごとの締日が設定されている場合、初期設定情報記憶部32に記憶されているデフォルトの締日に優先して適用される。
【0031】
預託馬情報記憶部35は、預託された競走馬ごとに預託馬情報を記憶するものである。本実施形態では、預託馬情報として、競争馬の名称、性別、年齢、在厩状況および馬主の氏名等の他、複数の馬主によって共有されている競走馬については、各馬主の請求割合が、図4に示すような預託馬登録画面から入力されて保存される。なお、単独馬主の場合、当該馬主に全額請求することとなるため、請求割合は100%として登録される。
【0032】
入退厩情報記憶部36は、競走馬ごとに入退厩に関する入退厩情報を記憶するものである。本実施形態において、入退厩情報記憶部36には、厩舎に預託された全ての競走馬が月度ごとに登録される。そして、各競走馬について、競走馬の名称や馬主の氏名等が預託馬情報や馬主情報から紐付けられる他、預託料の日額単価、入厩していた日付、および預託料の月額上限値等が、図5に示すような入退厩管理画面から入力されて保存される。
【0033】
精算情報記憶部37は、競走馬ごとに馬主に請求する月額費用を精算するための精算情報を記憶するものである。本実施形態では、精算情報として、競走馬の名称、馬主の氏名および入厩日数等が紐付けられる他、厩舎が立て替えた立替金に関する立替金項目とその立替金額、エサ代等の日割計算項目とその金額、および出走手当や特別報奨金等の預かり金等が、図6に示す馬別精算書画面から入力されて保存される。また、後述する精算処理実行部44によって算出された預託料や、精算された月額費用等が保存される。
【0034】
なお、図6は、立替金項目を入力するための画面であり、ここで登録された治療費、装蹄料、輸送費、馬登録料、ワクチン接種、預かり代金等の立替金項目のみが、後述するとおり、選択可能に表示され立替金額を入力できるようになる。また、日割計算項目には、預託料と同様、月額上限値が設定可能となっている。さらに、出走情報として、出走手当や特別報奨金が登録されている。
【0035】
請求情報記憶部38は、馬主ごとに当月分の請求書を発行するための請求情報を記憶するものである。本実施形態では、請求情報として、前月度までの繰越額や当月度の発生額(月額費用)が紐付けられる他、値引額、調整額および入金額等が、図7に示す馬主別請求書画面から入力されて保存される。また、後述する請求処理実行部45によって算出された請求額や繰越額等が保存される。なお、発生額は、馬主が厩舎に預託した全ての競走馬に係る月額費用を合算した額である。
【0036】
日報情報記憶部39は、競走馬ごとの日報を作成するための日報情報を記憶するものである。本実施形態において、日報情報としては、調教内容、馬体重、ワクチンや治療の種類、調教師のコメント等が、日報入力画面等から入力されて保存されている。また、調教内容およびワクチンや治療の種類等において、使用頻度の多いものは予め選択可能に登録されている。
【0037】
なお、記憶手段3におけるデータベース構成は、上述した各記憶部ごとの構成に限定されるものではなく、所定のデータテーブルに必要な情報が記憶されていればよい。
【0038】
つぎに、演算処理手段4は、CPU(Central Processing Unit)等で構成されており、プログラム記憶部31にインストールされた競走馬管理プログラム1aを実行することにより、図1に示すように、表示データ作成部41と、入力・指示受付部42と、入力補助部43と、精算処理実行部44と、請求処理実行部45と、書類出力部46として機能する。
【0039】
表示データ作成部41は、ユーザ端末10に表示させる表示データを作成するものである。本実施形態において、表示データ作成部41は、表示データとして、初期設定画面(図2)、馬主登録画面(図3)、預託馬登録画面(図4)、入退厩管理画面(図5)、馬別精算書画面(図6)および馬主別請求書画面(図7)等からなる、競走馬の管理画面をウェブブラウザ等で閲覧可能なHTML形式等で作成する。
【0040】
また、本実施形態において、表示データ作成部41は、図5に示すように、競走馬が入厩していた日にチェックを入力するためのチェックボックスが配置された入退厩管理画面を作成する際、馬主情報記憶部34において馬主ごとに設定されている締日を参照し、前月度における馬主の締日の翌日から当月度における締日までの各日に対応付けて順にチェックボックスを配置する。
【0041】
図5に示す例は、2023年7月度の入退厩管理画面であり、馬主の締日が、毎月の25日に設定されている。このため、入退厩管理画面には、前月度の締日の翌日である6月26日からスタートし、当月度の締日である7月25日までのチェックボックスが順に配置されている。
【0042】
また、本実施形態において、競走馬の預託料については、図5に示すように、通常の日額単価(丸付き数字の1)の他に、競走馬が病気や怪我等した場合の日額単価(丸付き数字の2)が入退厩情報記憶部36に設定されている。そして、表示データ作成部41は、入退厩管理画面において、日額単価のそれぞれに対応付けてチェックボックスを配置するようになっている。これにより、入厩していたか否かの他に、いずれの日額単価が適用されるのかも合わせて管理される。なお、日額単価の種類は、2種類に限定されるものではなく、預託状況に応じて複数の日額単価を記憶させてもよい。
【0043】
入力・指示受付部42は、ユーザ端末10から入力された情報や指示を受け付けるものである。本実施形態において、入力・指示受付部42は、ユーザ端末10から入力された情報を受け付けると、当該情報を記憶させるべき記憶部に記憶させる。また、入力・指示受付部42は、ユーザ端末10から指示を受け付けると、当該指示に応じた要求を実行するように各機能部に命令する。
【0044】
入力補助部43は、ユーザ端末10による各種情報の入力作業を補助するものである。本実施形態の競走馬管理システム100において、競走馬を管理する場合、新しい月度ごとに預託された競走馬のそれぞれを入退厩情報記憶部36に登録する必要がある。しかしながら、一般的に、厩舎に預託された競走馬は、長期間継続して預託される場合が多い。このため、本実施形態において、入力補助部43は、新しい月度に預託された競走馬を入退厩情報記憶部36に登録する場合、前月度における馬主の締日において、入厩していた全ての競走馬を一括で登録しうるようになっている。
【0045】
具体的には、図8(a)に示すように、入力・指示受付部42が、ユーザ端末10から「一括登録」ボタンの選択を受け付けると、まず、入力補助部43が、預託馬情報記憶部35に登録されている全ての競走馬の預託馬情報を取得し、各競走馬を選択するためのチェックボックスとともにユーザ端末10に一覧表示させる(図8(b))。
【0046】
つぎに、入力・指示受付部42が、ユーザ端末10から「前月最終日」ボタンの選択を受け付けると、入力補助部43が、馬主情報記憶部34に登録されている馬主ごとの締日と、入退厩情報記憶部36に記憶されている競走馬ごとの入厩日を参照し、前月度における馬主の締日において、入厩していた全ての競走馬のチェックボックスを一括でチェックする(図8(c))。この状態で、ユーザ端末10から「保存」ボタンの選択を受け付けると、チェックされた全ての競走馬が入退厩情報記憶部36に登録される。これにより、競走馬の登録作業が迅速化かつ簡素化され、入力ミスが低減する。
【0047】
また、本実施形態の競走馬管理システム100では、上述したとおり、競走馬ごとに月額費用を精算するための精算情報として、厩舎が立て替えた立替金に関する立替金項目を精算情報記憶部37に登録する必要がある。しかしながら、立替金として主に発生する治療費、装蹄費、輸送費、馬登録料、予防接種費、記念写真代等は、同じ競走馬であれば、毎月度、ほぼ同様の項目となる場合が多い。
【0048】
このため、本実施形態において、入力補助部43は、新しい月度において立て替えた立替金項目を精算情報記憶部37に登録する場合、前月度に登録されている全ての立替金項目を一括で登録する。具体的には、図9(a)に示すように、入力・指示受付部42が、ユーザ端末10から「前月コピー」ボタンが選択されたことを受け付けると、入力補助部43が、精算情報記憶部37に登録されている前月度の立替金項目を取得し、全ての立替金項目を当月度の立替金項目として精算情報記憶部37に一括で登録する(図9(b))。
【0049】
その後、図9(b)において、ユーザ端末10から「保存」ボタンの選択を受け付けると、図6に示すように、一括登録した立替金項目のみが選択可能に表示される。そして、ユーザ端末10から、いずれかの立替金項目の選択を受け付けると、立替金額を入力できるようになっている。これにより、競走馬ごとに発生する立替金項目が迅速かつ簡単に入力される。
【0050】
精算処理実行部44は、競走馬ごとの月額費用を精算するのに必要な処理を実行するものである。本実施形態において、精算処理実行部44は、入退厩情報記憶部36に記憶されている入退厩情報や、精算情報記憶部37に記憶されている精算情報に基づいて、競走馬ごとに馬主に請求する月額費用を精算する。
【0051】
近年、馬主と厩舎との預託契約においては、日額単価に入厩日数を乗算することによって預託料を算出する日額契約が一般的となっている。しかしながら、かつては30日分の預託料を基準として算出された月額預託料に基づく月額契約が一般的であった。このため、古くからの馬主については、現在でも月額契約しているケースも多く、31日間ある月度であっても、30日分の月額預託料しか請求していない。
【0052】
そこで、本実施形態において、精算処理実行部44は、月額預託料を算出する際、入退厩情報記憶部36を参照し、月額上限値が設定されていない場合、日額単価に入厩日数を乗算した算出額を月額預託料とする。また、精算処理実行部44は、月額上限値が設定されており、かつ、前記算出額が月額上限値以下の場合、前記算出額を月額預託料とする。さらに、精算処理実行部44は、月額上限値が設定されており、かつ、前記算出額が月額上限値を超える場合、月額上限値を月額預託料とする。これにより、日額契約の馬主と月額契約の馬主の両方に対応する月額預託料が正確かつ自動的に算出される。
【0053】
また、本実施形態において、精算処理実行部44は、競走馬ごとの月額費用を算出する際、預託馬情報記憶部35を参照し、複数の馬主によって共有されている競走馬については、各馬主の請求割合を取得する。そして、精算処理実行部44は、競走馬ごとに月額費用を請求割合に応じて按分した按分額を算出する。これにより、競走馬を共有する馬主のそれぞれについて、請求割合に応じた月額費用が自動的に算出される。
【0054】
請求処理実行部45は、馬主に請求する月額費用を算出するのに必要な処理を実行するものである。本実施形態において、請求処理実行部45は、精算情報記憶部37に記憶されている精算情報と、請求情報記憶部38に記憶されている請求情報とに基づいて、馬主ごとに請求する月額費用を算出する。
【0055】
具体的には、請求処理実行部45は、馬主に請求する月額費用を算出する場合、当該馬主が預託した全ての競走馬ごとの月額費用を精算情報記憶部37から取得し、それらを合計することにより月額費用を算出する。また、請求処理実行部45は、請求情報記憶部38に前月度までの繰越額が記憶されている場合、当該繰越額も月額費用として合算する。さらに、請求処理実行部45は、請求情報記憶部38に値引額や調整額が記憶されている場合、当該値引額分だけ値引きしたり、当該調整額分だけ調整した月額費用を算出する。
【0056】
書類出力部46は、各種の書類をデータ出力するものである。例えば、入力・指示受付部42が、ある競走馬の精算明細書を出力する旨の指示をユーザ端末10から受け付けると、書類出力部46は、初期設定情報記憶部32に設定されているフォーマットをフォーマット記憶部33から取得し、当該フォーマットに精算情報記憶部37から取得した精算情報を入力することにより、図10に示すような精算明細書をPDFデータ等で出力する。同様にして、書類出力部46は、請求書、調教日報、馬主への報告書、馬主の宛名ラベルおよび馬房プレート等も出力可能である。
【0057】
つぎに、本実施形態の競走馬管理サーバ1、競走馬管理システム100、競走馬管理プログラム1aおよび競走馬管理方法による作用について、主要な処理を中心に説明する。
【0058】
(1)表示データ作成処理
本実施形態では、入力・指示受付部42が、ユーザ端末10から入退厩管理画面の表示要求を受け付けると、表示データ作成部41が、前月度における馬主の締日の翌日から当月度における締日までの各日に対応付けてチェックボックスが順に配置された入退厩管理画面を作成し(表示データ作成ステップ)、当該入退厩管理画面をユーザ端末10へ送信する。
【0059】
これにより、馬主ごとに締日が異なる場合であっても、入退厩管理画面では、精算対象となる月度の初日から最終日までのチェックボックスのみが順に表示される。このため、ユーザは、馬主ごとに設定された締日を確認する必要がなく、入退厩管理画面に表示されたチェックボックスのうち、入厩していた日にチェックするだけで入退厩を月度ごとに正確に管理でき、入力ミスが低減する。
【0060】
(2)精算情報入力処理
つぎに、各種の精算情報のうち、新しい月度において立て替えた立替金項目およびその立替金額を精算情報記憶部37に登録する場合の精算情報入力処理について説明する。図11に示すように、まず、入力・指示受付部42が、精算情報の入力開始イベントとして、馬別精算書画面における「設定」ボタンの選択を受け付けると(ステップS1)、表示データ作成部41が、図9(a)に示すような立替金項目の入力画面をユーザ端末10に送信して表示させる(ステップS2)。
【0061】
この入力画面において、入力・指示受付部42が、「前月コピー」ボタンの選択を受け付けると(ステップS3:YES)、入力補助部43が、図9(b)に示すように、前月度に登録されている全ての立替金項目を一括で自動入力する(ステップS4)。これにより、立替金項目の登録作業が迅速化かつ簡素化され、入力ミスが低減する。また、全ての立替金項目を使用しない場合でも、一括登録後、使用しない立替金項目を削除するだけで登録作業が完了する。
【0062】
一方、「前月コピー」ボタンが選択されなければ(ステップS3:NO)、入力・指示受付部42が、ユーザ端末10から手動入力された立替金項目を受け付ける(ステップS5)。そして、入力・指示受付部42が、「保存」ボタンの選択を受け付けない限り(ステップS6:NO)、ステップS3からの処理を繰り返す一方、入力・指示受付部42が、「保存」ボタンの選択を受け付けると(ステップS6:YES)、ステップS7へ進む。
【0063】
つぎに、ステップS7では、精算処理実行部44が、ステップS4またはステップS5で入力された立替金項目のそれぞれを精算情報記憶部37に追加して保存する。そして、表示データ作成部41が、図6に示すように、精算情報記憶部37内の立替金項目を選択可能に表示した馬別精算書画面を作成し、ユーザ端末10に表示させる(ステップS8)。これにより、登録した立替金項目のみが選択可能に表示されるため、ユーザは見易くなる上、実際には立て替えていない立替金項目に立替金額を入力してしまうようなミスが防止される。
【0064】
その後、入力・指示受付部42が、いずれかの立替金項目ボタンの選択を受け付けると(ステップS9:YES)、表示データ作成部41が、当該立替金項目に係る立替金額を入力するための金額入力画面を表示する(ステップS10)。そして、入力・指示受付部42が、ユーザ端末10から立替金額を受け付けた後(ステップS11)、「保存」ボタンの選択を受け付けると(ステップS12:YES)、精算処理実行部44が、入力された立替金額を精算情報記憶部37に保存する(ステップS13)。これにより、精算情報記憶部37には、競走馬ごとに発生する立替金項目および立替金額が正確に入力される。
【0065】
(3)精算処理
つづいて、競走馬ごとの月額費用を精算する場合の精算処理について説明する。図12に示すように、まず、入力・指示受付部42が、精算情報の算出開始イベントとして、図6の「一覧」の選択を受け付けると(ステップS21)、精算処理実行部44が、入退厩情報記憶部36から入退厩情報を取得し(ステップS22)、当該入退厩情報に含まれる日額単価に入厩日数を乗算する(ステップS23)。
【0066】
つづいて、精算処理実行部44は、入退厩情報記憶部36を参照し、月額上限値が設定されていない場合(ステップS24:NO)、ステップS23での算出額を月額預託料とする(ステップS27)。また、精算処理実行部44は、月額上限値が設定されており、かつ、ステップS23での算出額が月額上限値以下の場合も(ステップS24:YES→ステップS25:NO)、ステップS23での算出額を月額預託料とする。
【0067】
一方、精算処理実行部44は、月額上限値が設定されており、かつ、ステップS23での算出額が月額上限値を超える場合(ステップS24:YES→ステップS25:YES)、月額上限値を月額預託料とする(ステップS26)。これにより、日額契約の馬主から預託された競走馬のみならず、月額契約の馬主から委託された競走馬についても、自動的かつ正確に月額預託料が算出される。
【0068】
その後、精算処理実行部44は、初期設定情報記憶部32に設定されている消費税率に基づいて消費税を算出するとともに(ステップS28)、精算情報記憶部37から立替金額および預かり金を取得し(ステップS29,ステップS30)、月額費用を精算する(ステップS31)。これにより、競走馬ごとの月額費用が自動的かつ正確に精算される。
【0069】
また、本実施形態では、精算処理実行部44が、預託馬情報記憶部35を参照し、複数の馬主によって共有されている競走馬の場合(ステップS32)、ステップS31で算出された精算額を各馬主の請求割合に応じて按分した按分額を算出し(ステップS33)、各馬主に対する月額費用として精算情報記憶部37に保存する(ステップS34)。これにより、競走馬を共有する共同馬主のそれぞれについて、請求割合に応じた月額費用(按分額)が自動的に算出される。
【0070】
以上のような本実施形態の競走馬管理サーバ、競走馬管理システム、競走馬管理プログラムおよび競走馬管理方法によれば、以下のような効果を奏する。
1.厩舎における競走馬の管理に要する事務作業の負担やミスを低減することができる。
2.精算対象となる月度の初日から最終日までのチェックボックスのみを順に表示する入退厩管理画面により、入力ミスを低減することができる。
3.競走馬の登録作業を迅速化かつ簡素化し、入力ミスを低減することができる。
4.日額契約の馬主から預託された競走馬のみならず、月額契約の馬主から委託された競走馬についても、自動的かつ正確に月額預託料を算出することができる。
5.競走馬を共有する共同馬主のそれぞれについて、請求割合に応じた月額費用を自動的に算出することができる。
6.競走馬ごとに発生する立替金項目を迅速かつ簡単に入力することができる。
【0071】
なお、本発明に係る競走馬管理サーバ1、競走馬管理システム100、競走馬管理プログラム1aおよび競走馬管理方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0072】
例えば、上述した本実施形態では、ユーザ端末10が競走馬管理サーバ1にアクセスし、ウェブベースで競走馬管理サービスを利用している。しかしながら、この利用形態に限定されるものではなく、競走馬管理プログラム1aをユーザ端末10にインストールするとともに、上述した各種データをユーザ端末10側に保存し、図13に示すようなスタンドアローンタイプの競走馬管理装置11として構成してもよい。
【0073】
以下、本実施形態の競走馬管理装置11について説明する。なお、図13に示す競走馬管理装置11の構成のうち、上述した競走馬管理サーバ1の構成と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
【0074】
本実施形態の競走馬管理装置11は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータによって構成されており、記憶手段3と、演算処理手段4と、表示入力手段5とを有している。
【0075】
表示入力手段5は、タッチパネル等で構成されており、入力機能と表示機能とを兼ね備えたものである。本実施形態において、表示入力手段5は、ユーザからの入力や指示等を表示画面上のタッチ入力で受け付ける入力機能と、競走馬の管理画面等を表示画面に表示する表示機能とを有している。なお、表示入力手段5の代わりに、液晶ディスプレイ等の表示手段と、マウスやキーボード等の入力手段とを別々に備えていてもよい。
【0076】
また、本実施形態において、演算処理手段4は、プログラム記憶部31にインストールされた競走馬管理プログラム1aを実行することにより、図13に示すように、表示データ作成部41と、表示制御部47と、入力・指示取得部48と、入力補助部43と、精算処理実行部44と、請求処理実行部45と、書類出力部46として機能する。
【0077】
表示制御部47は、表示データ作成部41によって作成された表示データを表示入力手段5に表示させるものである。また、入力・指示取得部48は、ユーザから入力された情報や指示を表示入力手段5から取得し、各機能部へ出力するものである。
【0078】
以上のような本実施形態の競走馬管理装置11によれば、競走馬管理サーバ1にアクセスすることなく、スタンドアローン方式で本発明に係る競走馬管理サービスを利用することができる。
【0079】
また、上述した本実施形態では、月額預託料に月額上限値を設定していたが、別途、日割計算項目等にも月額上限値を設定してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 競走馬管理サーバ
1a 競走馬管理プログラム
2 通信手段
3 記憶手段
4 演算処理手段
5 表示入力手段
10 ユーザ端末
11 競走馬管理装置
31 プログラム記憶部
32 初期設定情報記憶部
33 フォーマット記憶部
34 馬主情報記憶部
35 預託馬情報記憶部
36 入退厩情報記憶部
37 精算情報記憶部
38 請求情報記憶部
39 日報情報記憶部
41 表示データ作成部
42 入力・指示受付部
43 入力補助部
44 精算処理実行部
45 請求処理実行部
46 書類出力部
47 表示制御部
48 入力・指示取得部
100 競走馬管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13