(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021372
(43)【公開日】2025-02-13
(54)【発明の名称】編物、編成方法及び手袋
(51)【国際特許分類】
D04B 1/28 20060101AFI20250205BHJP
D04B 1/00 20060101ALI20250205BHJP
D04B 15/54 20060101ALI20250205BHJP
D04B 15/48 20060101ALI20250205BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20250205BHJP
【FI】
D04B1/28
D04B1/00 Z
D04B15/54
D04B15/48
A41D19/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140897
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202322045747.6
(32)【優先日】2023-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523331924
【氏名又は名称】浙江百翔科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG BAIXIANG TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Building 1,West Yifeng Road,Mashan Street,Yuecheng District,Shaoxing,Zhejiang Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 百祥
(72)【発明者】
【氏名】王 仁剛
(72)【発明者】
【氏名】馮 建明
(72)【発明者】
【氏名】李 海
【テーマコード(参考)】
3B033
4L002
4L054
【Fターム(参考)】
3B033AC04
4L002BA00
4L002EA00
4L002EA05
4L002FA04
4L054AA01
4L054FA05
4L054FA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】成形後に平らで収納体積がより小さくなり、第1面と第2面に対応する針ガイドヘッドの運動速度を高めることなく編成効率が向上する編物、編物の編成方法および手袋を提供する。
【解決手段】対向配置された第1面1と第2面とを含み、第1面は縦方向に順次接続された複数の第1編目行11を含み、各第1編目行は横方向に順次接続された複数の第1編目12を含み、第2面は縦方向に順次接続された複数の第2編目行21を含み、各第2編目行は横方向に順次接続された複数の第2編目22を含み、第1面と第2面とのエッジ接合部には、n行の第1編目行の第1編目とn+1行の第1編目行の第1編目との間に第1糸接続部13が接続され、n行の第2編目行の第2編目とn+1行の第2編目行の第2編目との間に第2糸接続部23が接続され、第1糸接続部と第2糸接続部とが交差するロック部5が形成され、よって第1面と第2面を接続する編物である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された第1面と第2面とを含み、第1面は縦方向に順次接続された複数の第1編目行を含み、各第1編目行は横方向に順次接続された複数の第1編目を含み、上記の第2面は縦方向に順次接続された複数の第2編目行を含み、各第2編目行は横方向に順次接続された複数の第2編目を含み、
上記の第1面と上記の第2面とのエッジ接合部には、n行の第1編目行の第1編目とn+1行の第1編目行の第1編目との間に第1糸接続部が接続され、n行の第2編目行の第2編目とn+1行の第2編目行の第2編目との間に第2糸接続部が接続され、上記の第1糸接続部と上記の第2糸接続部とが交差するロック部が形成され、よって第1面と第2面を接続することを特徴とする編物。
【請求項2】
上記の第1糸接続部は、内から外へ、または外から内へと上記の第2糸接続部と交差してロック部を形成することを特徴とする請求項1に記載の編物。
【請求項3】
上記の第1面のうちの複数の第1編目行は、同一の糸で編成されていることを特徴とする請求項1に記載の編物。
【請求項4】
上記の第1面における複数の第1編目行または複数の第1編目は、異なる糸で編成されることを特徴とする請求項1に記載の編物。
【請求項5】
上記の第2面における複数の第2編目行は、同一の糸で編成されることを特徴とする請求項1に記載の編物。
【請求項6】
上記の第2面における複数の第2編目行または複数の第2編目は異なる糸で編成されることを特徴とする請求項1に記載の編物。
【請求項7】
上記の第1面と上記の第2面とは、第1側と第2側のエッジの接合部で接続され、
上記の第1面のn行の上記の第1編目行と上記の第2面のn行の上記の第2編目行とは、第1側のエッジ接合部に上記のロック部を有し、上記の第1面のn+1行の上記の第1編目行と上記の第2面のn+1行の上記の第2編目行とは、第2側のエッジ接合部に上記のロック部を有し、または、
上記の第1面のn行の上記の第1編目行と上記の第2面のn行の上記の第2編目行とは、第2側のエッジ接合部に上記ロック部を有し、上記の第1面のn+1行の上記の第1編目行と上記の第2面のn+1行の上記の第2編目行とは、第1側のエッジ接合部に上記ロック部を有することを特徴とする請求項1に記載の編物。
【請求項8】
編成領域内では、第1のヤーンノズルが第1面のn行の第1編目行を第1方向にそって移動して編成し、第2のヤーンノズルが第2の針ガイドヘッドに追従して第1方向にそって移動して第2面のn行の第2編目行を編成して、上記の第1の針ガイドヘッドは第1面と第2面とのn行の第1側のエッジ接合部に先に達成し、上記の第2の針ガイドヘッドは後に第1面と第2面とのn行の第1側のエッジ接合部に到達し、そして、上記の第1の針ガイドヘッドは、第1面と第2面とのn行の第1側のエッジ接合部から第2方向にそって離れ、上記の第2の針ガイドヘッドは後に第1面と第2面とのn行の第1側のエッジ接合部から第2方向にそって離れ、第1糸接続部と第2糸接続部とは、第1面と第2面との第1側のエッジ接合部に交差してロック部が形成され、よって、第1面と第2面が接続されるようになってから、第1のヤーンノズルは上記の第1の針ガイドヘッドに追従して第2方向にそって第1面のn+1行の第1編目行を編成し、第2のヤーンノズルは上記の第2の針ガイドヘッドに追従して第2面のn+1行の第2編目行を第2方向にそって編成し、第1方向と第2方向は平行で方向が逆であることを特徴とする請求項1~7のうちのいずれかの請求項に記載の編物の編成方法。
【請求項9】
上記の第1面と上記の第2面とは、第1側と第2側とのエッジ接合部でそれぞれ接続され、上記の編成方法はさらに、
上記の第1の針ガイドヘッドは、まず、上記の第1面と上記の第2面のn+1行の第2側の上記のエッジ接合部に到達し、上記の第2の針ガイドヘッドは、その後、上記の第1面と上記の第2面とのn+1行の第2側のエッジ接合部に到達し、その後、上記の第1の針ガイドヘッドは、先に第1方向にそって第1面と第2面とのn+1行の第2側のエッジ接合部から離れ、第2の針ガイドヘッドは後に第1方向にそって第1面と第2面とのエッジ接合部から離れ、第1糸接続部と第2糸接続部は、第1面と第2面との第2側のエッジ接合部にロック部を形成することを含むことを特徴とする請求項8に記載の編成方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれかの請求項に記載の編物を有することを特徴とする手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は編成技術分野に関し、特に、編物、編成方法及び手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
手袋、靴下、衣類などの着用用品は糸、毛織物、皮革、生地などの材料で作ることができ、糸を編んで作られた着用用品はコストが低いため、各分野で広く応用されている。糸の編成方法は多種あり、横編機、ジャカード、丸編機などの設備で編むことができる。
【0003】
横編機を用いて2枚の生地を有する織物を編成する場合、針ガイドヘッドが左から右に移動する際に、後針ガイドヘッド中の針ガイド三角底板の針起こし三角によって後針床上の編針を押し上げ、1つのヤーンノズルの中の糸を食って1つの編成動作を完了する。これに対応して、針ガイドヘッドが右から左に移動する際に、前針ガイドヘッド中の針ガイド三角底板の針起こし三角によって前針床上の編針を押し上げ、上記の同一のヤーンノズルの中の糸をリレーして食って別の一つの編成動作を完了する。針ガイドヘッドが左から右に移動してまた左に戻る往復動作を完了することを1つの横列針数を完了することと呼び、このように絶えずループを循環し、糸は螺旋状に編まれている。
図1に示すように、左側が第1面、右側が第2面であり、1つの螺旋方式で編成された横列針数には、複数の編成ユニットが含まれており、第1面と第2面の縫い目における編成ユニットは他の編成ユニットと同じである。
【0004】
しかし、このような編成構造には一定の欠点があり、糸が螺旋状にしか編成できなく、編成効率が制限されており、1つの横列針数のうち、前針ガイドヘッドまたは後針ガイドヘッドが空走する場合がある。また、このように編み出された編物は、第1面と第2面との境界感が強くなく、第1面と第2面が平らに重ねられず、収納体積が大きく、編物が平らでないという問題につながる。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の不足に鑑みて、本発明は編物、編成方法及び手袋を提供し、既存の表と裏を有する編物の編成効率が低く、成形後の平らさが不足する問題を解決した。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術方案を採用した。
【0007】
対向に配置された第1面と第2面とを含み、第1面は、垂直に順次接続された複数の第1編目行を含み、各第1編目行は横に順次接続された複数の第1編目を含み、上記の第2面は垂直に順次接続された複数の第2編目行を含み、各第2編目行は横に順次接続された複数の第2編目を含む編物であり、
上記の第1面と上記の第2面とのエッジ接合部には、n行の第1編目行の第1編目とn+1行の第1編目行の第1編目との間に第1糸接続部が接続され、n行の第2編目行の第2編目とn+1行の第2編目行の第2編目との間に第2糸接続部が接続され、上記の第1面と第2面を接続するように、上記の第1糸接続部と上記の第2糸接続部とが交差してロック部が形成される。
【0008】
好ましくは、上記の第1糸接続部は、内側から外側へ、または外側から内側へ、第2糸接続部と交差してロック部を形成する。
【0009】
好ましくは、上記の第1面における複数の第1編目行は、同一の糸で編成される。
【0010】
好ましくは、上記の第1面における複数の第1編目行または複数の第1編目は、異なる糸を用いて編成される。
【0011】
好ましくは、上記の第2面における複数の第2編目行は、同一の糸で編成される。
【0012】
好ましくは、上記の第2面における複数の第2編目行または複数の第2編目は、異なる糸で編成される。
【0013】
好ましくは、上記の第1面と上記の第2面とは、第1側と第2側の縁部の接合部で接続され、
上記の第1面のn行の上記の第1編目行と上記の第2面のn行の上記の第2編目行とは、第1側のエッジ接合部に上記のロック部を有し、上記の第1面のn+1行の上記の第1編目行と上記の第2面のn+1行の上記の第2編目行とは、第2側のエッジ接合部に上記ロック部を有し、または、
上記の第1面のn行の上記の第1編目行と上記の第2面のn行の上記の第2編目行とは、第2側のエッジ接合部に上記ロック部を有し、上記の第1面のn+1行の上記の第1編目行と上記の第2面のn+1行の上記の第2編目行とは、第1側のエッジ接合部に上記ロック部を有する。
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明はさらに以下の技術方案を採用した。
【0015】
編成領域では、第1のヤーンノズルが第1の針ガイドヘッドに追従して、第1方向に移動し、第1面のn行の第1編目行を編成し、第2のヤーンノズルが第2の針ガイドヘッドに追従して、第1方向に移動し、第2面のn行の第2編目行を編成し、上記の第1の針ガイドヘッドは、先に第1の面と第2の面のn行の第1側のエッジ接合部に到達し、上記の第2の針ガイドヘッドは、後に第1面と第2面のn行の第1側のエッジ接合部に到達し、そして、上記の第1の針ガイドヘッドは、先に第1面と第2面のn行の第1側のエッジ接合部を第2方向に沿って離れ、上記の第2の針ガイドヘッドは後に第1面と第2面のn行の第1側のエッジ接合部を第2方向に離れ、第1糸接続部と第2糸接続部とは、第1面と第2面との第1側のエッジ接合部に交差してロック部を形成して、第1面と第2面は接続され、そして、第1のヤーンノズルは上記の第1の針ガイドヘッドに追従して第1面のn+1行の第1編目行を第2方向にそって編成し、第2のヤーンノズルは第2の針ガイドヘッドに追従して第2面のn+1行の第2編目行を第2方向にそって編成し、第1方向と第2方向は平行で方向が逆であることというステップを含む上記の編物の編成方法。
【0016】
好ましくは、上記の第1面と上記の第2面とは、第1側と第2側のエッジ接合部で接続され、上記の編成方法はさらに、
上記の第1の針ガイドヘッドは、先に上記の第1面と上記の第2面のn+1行の第2側のエッジ接合部に到達し、上記の第2の針ガイドヘッドは、後に上記の第1面と上記の第2面のn+1行の第2側のエッジ接合部に到達し、そして、上記の第1の針ガイドヘッドは、先に第1方向にそって第1面と第2面のn+1行の第2側のエッジ接合部から離れるが、第2の針ガイドヘッドは、第1方向にそって第1面と第2面のエッジ接合部から離れ、第1糸接続部と第2糸接続部は、第1面と第2面との第2側のエッジ接合部においてロック部を形成することを含む。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明はさらに以下の技術方案を採用した。
上記の編物を有する手袋。
【0018】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果がある。
上記の技術方案による編物、編成方法及び手袋は、従来技術のように螺旋編みを用いて第1面の編目行を先に編成してから第2面の編目行を編成する必要はなく、第1面と第2面とを独立して編成し、第1面と第2面とのエッジ接合部に隣接行の編目行の間の編み糸を介してロック部を形成することによって、第1面と第2面が互いに接続され、編物は依然として成形可能であり、ロック部の構造は、第1編目と第2編目との構造と異なる入れ子交差構造であり、第1面と第2面とのエッジ接合部に折り目をもっと形成しやすくなり、よって、第1面と第2面とをより容易に互いに貼り合わせることができ、もし編物が編成完了後に折り畳み状態にある必要があれば、さらに平らにすることができ、上記の編物を有する手袋について、編成完了後に、自然に折り畳みの状態に形成され、手袋がもっと平らで、収納体積がより小さくなる。また、第1面と第2面が独立して編成されているため、第1面と第2面に対応する針ガイドヘッドは往復運動時に常に対応するヤーンノズルと合わせて編成され、空走する現象がなく、針ガイドヘッドの運動速度を高めることないで、編成効率が2倍近く向上し、生産力が大幅に向上することを実現した。
【0019】
本発明の具体的な実施形態または従来技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下に、具体的な実施形態または従来技術の記載に使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明の複数の実施形態であり、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】は従来技術における編物の編成斜視図である。
【
図2】は第1面の一側が第2面の一側に接続され、図中のブロック図はロック部の拡大図である本発明の実施例の編物を示す図である。
【
図3】は本発明の他の実施例に係る編物の斜視図である。
【
図4】は第1面の両側が第2面の両側に接続されている本発明の他の実施例の編物を示す図である。
【
図6】は本発明の実施例の編成方法を示す図であり、ここで、
図6a、6b、6c、6dはそれぞれヤーンノズルと針ガイドヘッドとが一つの編成周期における異なる位置を示している。
【
図7】は本発明の実施例に係る編成方法の他の第1のヤーンノズルと第2のヤーンノズルの相対位置を示す図である。
【
図8】は本発明の実施例の手袋を示す図であり、ここで、本発明の実施例の編物が手袋の一部である。
【
図9】は
図8の手袋Aにおける部分詳細を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて本発明の技術的態様を明確に、完全に説明するが、明らかに、記載されている実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0022】
本発明の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであって、デバイスまたは要素が特定の方位、特定の方位で構成され、動作する必要があることを示したり暗示したりするのではないため、本発明に対する制限とは理解できない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものではないことを理解されたい。
【0023】
本発明の説明において、特に明確な規定と限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、または一体的に接続してもよく、機械的接続でもよく、電気的接続でもよく、直接的に接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの要素の内部の接続でもよい。当業者にとっては、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
【0024】
図2及び
図5に示すように、本発明の実施例は、対向配置された第1面1と第2面2を含む編物を提供し、対向配置とは、編物が編成状態にあるとき、第1面1と第2面2が対向することを意味し、編成が完了した後も、第1面1と第2面2は対向状態を維持していてもよく、平面状態に展開していてもよいことに注意する必要がある。第1面1は、縦方向に順次接続された複数の第1編目行11を含み、各第1編目行11は、横方向に順次接続された複数の第1編目12を含み、第2面2は、縦方向に順次接続された複数の第2編目行21を含み、各第2編目行21は、横方向に順次接続された複数の第2編目22を含む。本実施例の縦方向は、水平面に垂直な方向であってもよく、水平面に垂直でなくてもよく、横方向は水平方向であってもよく、水平方向でなくてもよく、縦方向と横方向との間の角度は直角であってもよく、非直角であってもよい。
【0025】
第1面1と第2面2は独立して編成され、第1面1と第2面2はそれぞれ異なるヤーンノズルが対応する針ガイドヘッドに合わせて編成されている。第1面1と第2面2のエッジ接合部では、n行の第1編目行11の第1編目12とn+1行の第1編目行11の第1編目12との間に第1糸接続部13が接続されている。
図2に示すように、第1糸接続部13は実際には第1面の編み糸の一部であり、編み糸は柔軟で変形可能であるため、実際の製品における第1糸接続部13の形状は
図2のものと一致しない可能性があるが、n行の第1糸編目行11の第1編目12とn+1行の第1編目行11の第1編目12との間に接続された編み糸は第1糸接続部13である。n行の第2編目行21の第2編目とn+1行の第2編目行21の第2編目との間に第2糸接続部23が接続されている。
図2に示すように、第2糸接続部23は実際には第2面の編み糸の一部であり、編み糸が柔軟に変形可能であるため、実際の製品における第2糸接続部23の形状が
図2のものと一致しない可能性があるが、n行の第2編目行21の第2編目とn+1行の第2編目行21の第2編目との間に接続された編み糸は、第2糸接続部23である。
【0026】
第1面1を例にとると、第1糸接続部13は、n行の第1編目行11の最も外側(第1側3または第2側4)の第1編目12とn+1行の第1編目行11の最も外側(第1側3または第2側4)の第1編目12との間に接続されているため、第1面1上の第1編目行11は連続して編成されていることがわかる。同様に、第2面2の第2編目行21も連続して編成されているものであり、すなわち、第1面1と第2面2がそれぞれ独立して編成されており、以上のことにより、第1面1と第2面2とに対応する針ガイドヘッドが往復運動時に常に対応するヤーンノズルに合わせて編成され、空走の現象はないことがわかり、針ガイドヘッドの運動速度を向上させずに編成効率が2倍近く向上し、生産力が大幅に向上することができる。
【0027】
第1面と第2面との接続を実現するために、第1糸接続部13と第2糸接続部23とは交差して第1面1と第2面2とを接続するためのロック部5を形成する。
図3に示すように、第1糸接続部13と第2糸接続部23はそれぞれ第1面と第2面の編み糸の一部であるため、ロック部5は実際には2つの編み糸が絡み合う構造である。
図2に示す実施例において、第1糸接続部13は、内から外へ第2糸接続部23と交差するロック部5を形成し、第1糸接続部13は、n行の第1編目行11の最も外側の第1編目12とn+1行の第1編目行11の最も外側の第1編目12とに接続されているため、第1糸接続部13は、スナップリング状をなしており、同様に、n行の第2編目行21の最も外側の第2編目22とn+1行の第2編目行21の最も外側の第2編目22に接続されている第2糸接続部23もスナップリング状をなしており、第1糸接続部13と第2糸接続部23とは互いに係合して、第1面1と第2面2とを密接に接続する。
【0028】
図3に示す他の実施例において、第1糸接続部13は、外から内まで第2糸接続部23と交差してロック部5を形成している。
【0029】
編み糸は変形可能であるため、編物の編成が完了した後も、第1糸接続部13と第2糸接続部23は、対応する第1編目12と第2編目22により近接する可能性があり、必ずしも図面に示すような円環状を呈するとは限らないが、第1糸接続部13と第2糸接続部23はロック状態を維持する。
【0030】
第1面1と第2面2は、第1面1と第2面2の編成方向に沿う両側縁部である第1側3と第2側4を有し、第1面1と第2面2は編成時に相対状態であるため、第1面1の第1側3は第2面2の第1側3であり、第1面1の第2側4は第2面2の第2側4であり、第1面1と第2面2が一側だけで接続すると、第1面1と第2面2との間は、第1側3または第2側4のエッジ接合部のみにロック部5を介して接続され、ロック部5が垂直方向に間隔を置いて配置される。
図2及び
図3に示す2つの実施例において、第1面1及び第2面2は、第1側3にのみエッジ接合部を有し、ロック部5を介して接続されている。もちろん、他の実施例において、第1面1と第2面2は、第2側4にのみエッジ接合部を有し、ロック部5を介して接続されている。
【0031】
図4及び
図5に示す他の実施例において、第1面1及び第2面2の両側はいずれも接続されており、すなわち、第1面1と第2面2は第1側3と第2側4との両方にエッジ接合部を有し、いずれもロック部5を介して接続されており、第1面1のn行の第1編目行と第2面2のn行の第2編目行は、第1側3のエッジ接合部にロック部5を有し、第1面1のn+1行の第1編目行と第2面のn+1行の第2編目行は、第2側4のエッジ接合部にロック部5を有し、または、第1面1のn行の第1の編目行と第2面2のn行の第2編目行は、第2側4のエッジ接合部にロック部5を有し、第1面1のn+1行の第1編目行と第2面のn+1行の第2編目行は、第1側3のエッジ接合部にロック部5を有する。
【0032】
図4に示す実施例を例にとると、第1面1のn行の第1編目行と第2面2のn行の第2編目行は、第1側3のエッジ接合部にロック部5を有し、第1面1のn+1行の第1編目行と第2面のn+1行の第2編目行は、第2側4のエッジ接合部にロック部5を有する。
図4は、第1面1と第2面2が両側に接続されていることを示しやすいため、第1面1を2分割した編物を示す図である。
図5は編物の斜視図である。具体的には、第1面1の第1側3では、n行の第1編目行11と第2編目行21とがロック部5によって接続され、第1面1の第2側4では、n+1行の第1編目行11と第2編目行21とがロック部5によって接続され、n行とn+1行は1つの編成周期を構成し、その部分の編成が完了するまで順次に繰り返す。第1側の縦方向には、第1側にn行の第1編目行11と第2編目行21とがロック部5を有し、n+1行の第1編目行11と第2編目行21とがロック部5を有していないように、ロック部5が間隔を置いて設けられている。第2側の縦方向には、第2側にn行の第1編目行11と第2編目行21とにロック部5がなく、n+1行の第1編目行11と第2編目行21とにロック部5があるように、ロック部5が間隔を置いて設けられている。
【0033】
上記の複数の実施例において、第1面1における複数の第1編目行11は同一の糸で編成されているが、同一の糸とは、同一のヤーンノズルから張り出した糸のことであり、糸は同一の糸であってもよく、複数の糸が接して同一のヤーンノズルから張り出してガイドヘッドと合わせて編成されていてもよいことに注意が必要である。糸は単色単糸であってもよく、糸の種類は純紡績糸、混紡糸、加撚糸、混撚糸、または他の通常糸のいずれでもよく、または複数の異なる糸が接合されて1本の糸を形成してもよい。
【0034】
他の実施例において、第1面1の複数の第1の編目行11または複数の第1の編目行は、異なる種類の糸を用いて編成することもでき、ここでの異なる糸は、異なる数、異なる材質、異なる色の糸を指すことができる。糸の材質を例にとると、糸の種類は、純紡績糸、混紡糸、加燃糸、混撚糸、または他の通常の糸から選択することができ、例えば、前の数行の第1編目行11は純紡績糸を採用し、後に特殊な機能を持つ混撚糸に置き換えて第1編目行11を数行編成し、更に純紡績糸に置き換えて第1編目行11を数行編成してから、また純紡績糸に置き換えて残りの第1編目行11を編成する。糸の数を例にとると、そのうちの数行の第1編目行11は2本の糸を用いて編成されて、すなわち2本の糸をそれぞれ一つのヤーンノズルから張り出して、同じの針ガイドヘッドに対応して編成して、つまり、1つの第1編目は2本の糸で共同編成され、他の数行の第1編目行またはある行の第1編目行のうちの複数の第1編目を編成するとき、その中の1本の糸とその対応するヤーンノズルは編成に参加しなくて、1本の糸とそれに対応するヤーンノズルだけが針ガイドヘッドと協働して編成すれば、その部分の第1編目は1本の糸で編成される。糸の色を例にとると、前の数行の第1編目行11は白色の糸を採用して編成され、その後、赤色の糸に置き換えて第1編目行11を数行編成してから、さらに白色の糸に置き換えて残りの第1編目行11を編成する。異なる糸が異なるヤーンノズルから張り出して、システム制御の下で、異なるヤーンノズルが同じ時間または異なる時間に針ガイドヘッドと協働して編成することにより、複数のタイプの第1面を形成する。
【0035】
第1面1における複数の第1編目12は、
図2~
図5に示すように、すべて正の針またはすべて逆の針で、同一の針法を用いて編成されることができる。もちろん、第1面1における複数の第1編目12は、多様な編物を生成するために、正針と逆針との組み合わせ針法を用いて編成されることもできる。
【0036】
同様に、上記複数の実施例において、第2面2における複数の第2編目行21は同一の糸で編成されているが、同一の糸とは、同一のヤーンノズルから張り出した糸を指し、糸は同一の糸であってもよく、複数の糸が接して同一のヤーンノズルから張り出して針ガイドヘッドと合わせて編成してもよいことに注意が必要である。糸は単色単糸であってもよく、糸の種類は純紡績糸、混紡糸、加撚糸、混撚糸、または他の通常糸のいずれでもよく、または複数の異なる糸が接して1本の糸を形成してもよい。
【0037】
他の実施例において、第2面2の複数の第2編目行21または複数の第2編目行はまた、異なる種類の糸を用いて編成することができ、ここでの異なる糸は異なる数、異なる材質、異なる色の糸を指すことができる。糸の材質を例にとると、糸の種類は純紡績糸、混紡糸、加撚糸、混撚糸、または他の通常の糸から選択することができ、例えば、前の数行の第2編目行21は純紡績糸を採用し、後に特殊な機能を持つ混撚糸に置き換えて複数の行の第2編目行21を編成し、更に純紡績糸に置き換えて残りの第2編目行21を編成する。糸の数を例にとると、そのうちの数行の第2編目行21は2本の糸を用いて編成されて、すなわち2本の糸がそれぞれ一つのヤーンノズルから張り出し、同一の針ガイドヘッドに対応して編成すれば、一つの第2編目は2本の糸で共同編成され、他の数行の第2編目行またはある行の第2編目行のうちのいずれかの第1編目を編成する際に、その中の1本の糸とその対応するヤーンノズルは編成に参加しなく、1本の糸とそれに対応するヤーンノズルだけが針ガイドヘッドと協働して編成すれば、その部分の第2編目は1本の糸で編成される。糸の色を例にとると、前の数行の第2編目行21は白色の糸を採用して編成され、その後、赤色の糸に置き換えて第2編目行21を数行編成してから、さらに白色の糸に置き換えて残りの第2編目行21を編成する。異なる糸が異なるヤーンノズルから張り出して、システム制御の下で、異なるヤーンノズルが同じ時間または異なる時間に針ガイドヘッドと協働して編成することにより、複数のタイプの第2面を形成する。
【0038】
第2面2における複数の第2編目22は、
図2~
図5に示すように、すべて正の針またはすべて逆の針で、同一の針法を用いて編成されることができる。もちろん、第2面2における複数の第2編目22は、多様な編物を生成するために、正針と逆針との組み合わせ針法を用いて編成されることもできる。
【0039】
図6及び
図7に示すように、本発明はまた、上述した実施例の編物を生産するための編成方法を公開し、その中で採用された第1の針ガイドヘッドと第2の針ガイドヘッドは対向して配置され、前針ガイドヘッドと後針ガイドヘッドに分けることができる、もちろん、実際の生産において、第1の針ガイドヘッドは後ガイドヘッドであってもよく、第2の針ガイドヘッドは前ガイドヘッドであってもよい。第1の針ガイドヘッドは第1のヤーンノズルに対応しており、第1のヤーンノズルは編成中に常に同一のヤーンノズルであってもよく、編成中にヤーンノズルを交換してもよく、または同時に複数のヤーンノズルが第1の針ガイドヘッドに対応して編成されてもよく、第1の針ガイドヘッドと一緒に編成するヤーンノズルは第1のヤーンノズルである。同様に、第2のヤーンノズルは、編成中に常に同一のヤーンノズルであってもよく、編成中にヤーンノズルを交換してもよく、または同時に複数のヤーンノズルが第2の針ガイドヘッドに対応して編成されてもよく、第2の針ガイドヘッドと一緒に編成するヤーンノズルが第2のヤーンノズルであってもよい。
図6及び
図7において、実線の第1のヤーンノズル6と第1の針ガイドヘッド7は同方向移動の対応関係を有し、破線の第2のヤーンノズル8と第2の針ガイドヘッド9は同方向移動の対応関係を有する。
【0040】
編成方法とは、
図6aに示すように、第1方向と第2方向はいずれも編成方向であり、平行で方向が反対であり、編成領域は編成針数に対応し、編成領域において、第1のヤーンノズル6は第1の針ガイドヘッド7に追従して第1方向にそって移動して、第1面1のn行の第1編目行11を編成し、第1のヤーンノズル6は第1の針ガイドヘッド7とシステム的な制御を受けて同期移動することができ、特定の編成方法で第1の針ガイドヘッド7と同期しなくてもよい。同様に、編成領域において、第2のヤーンノズル8は第2の針ガイドヘッド9に追従して第1方向にそって移動して、第2面2のn行の第2編目行21を編成し、第2のヤーンノズル8は第2の針ガイドヘッド9とシステム的な制御を受けて同期移動することができ、特定の編成方法で第2の針ガイドヘッド9と同期しなくてもよい。そして、
図6bに示すように、第1の針ガイドヘッド7は、第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部に先に到達し、第2の針ガイドヘッド9は、第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部に後に到達し、第2のヤーンノズル8と第1のヤーンノズル6は、第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部に位置ずれして設けられ、第1のヤーンノズル6は、第2のヤーンノズル8の編成方向の外側に位置する。そして、
図6cに示すように、第1の針ガイドヘッド7が先に第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部から第2方向にそって離れ、よって、第1糸接続部13が形成される。第2の針ガイドヘッド9が後に第2面1と第2面2のn行の第1側のエッジ接合部から第2方向にそって離れ、よって、第2糸接続部23が形成される。第1の針ガイドヘッド7が第2の針ガイドヘッド9よりも先に第1側3に到達し、第2針ガイドヘッド9よりも先に第1側3から離れるため、第1糸接続部13と第2糸接続部23は、第1面1と第2面2の第1側3のエッジ接合部で交差し、n+1行の第1編目行と第2編目行の編成を開始した後、交差した第1糸接続部13と第2糸接続部23はそれぞれスナップリングを形成し、さらにロック部5を形成し、第1面1と第2面2は接続されるようになる。
図6に示すように、第1のヤーンノズル6は第1の針ガイドヘッド7に対応し、第2のヤーンノズル8は第2の針ガイドヘッド9に対応し、第1側3と第2側4では、第1のヤーンノズル6と第2のヤーンノズル8が相対的に設けられてもよく、第1のヤーンノズル6と第2のヤーンノズル8が位置ずれて設けられてもよく、第1のヤーンノズル6は第2のヤーンノズル8の外側に位置してもよい。
図7に示すように、第1のヤーンノズル6は、第2のヤーンノズル7の内側に位置していてもよく、第1のヤーンノズル6は第1の針ガイドヘッドとの対応関係を保持すればよく、第2のヤーンノズルは同様である。
【0041】
第1面1と第2面2が片側に接続であり、第1側3のみが接続され、エッジ接合部を有する場合、第1のヤーンノズル6と第1の針ガイドヘッド7は先に第2側4に移動し、第2のヤーンノズル8と第2の針ガイドヘッド9は後に第2側4に移動し、その後、第2のヤーンノズル8と第2の針ガイドヘッド9は先に第1方向にそって離れてから、第1のヤーンノズル6と第1の針ガイドヘッド7は第1方向にそって離れ、そうすると、第1面1と第2面2とは、第2側4のエッジ接合部において交差する第1糸接続部13と第2糸接続部23が形成されておらず、すなわち、ロック部5が形成されておらず、第1面1と第2面2とは第2側4のエッジにおいて接続されていない。そして、第1のヤーンノズル6、第1の針ガイドヘッド7、第2のヤーンノズル8及び第2の針ガイドヘッド9は、上述した編成方法に従って第1方向と第2方向とにおいて往復し、編成が完了するまで編成を続ける。n行とn+1行は一つの編成周期を構成し、n行の第1側3はロック部5を有し、編成方向に垂直なロック部5は間隔分布であり、n+1行の第1側3はロック部5を備えておらず、n≧1である。
【0042】
実際の製品において、第1側3は折り畳み状の編物の左側であってもよく、第2側4は折り畳み状の編物の右側であってもよく、または、第1側3は折り畳み状の編物の右側であり、第2側4は折り畳み状の編物の左側であり、あるいは、第1側3は折り畳み状の編物の上側であり、第2側4は折り畳み状の編物の下側であり、あるいは、第1側3は折り畳み状の編物の下側であり、第2側4は折り畳み状の編物の上側であり、第1側3と第2側4は編物の両側であればよい。折り畳み状の編物とは、第1面と第2面が相対的に貼り合わされていることを意味する。
【0043】
例えば、第1面1と第2面2が両側で接続され、第1側3と第2側4の両方に接続されている場合、
図6aに示すように、第1方向と第2方向は平行で方向が反対である編成方向で、編成領域は編成針数に対応し、編成領域内では、第1のヤーンノズル6は第1の針ガイドヘッド7に追従して第1方向にそって移動して第1面1のn行の第1編目行11を編成する。第1のヤーンノズル6は、第1の針ガイドヘッド7とシステム的な制御により同期に移動してもよく、特定の編成方法で第1の針ガイドヘッド7と同期しなくてもよい。同様に、編成領域内では、第2のヤーンノズル8は第2の針ガイドヘッド9に追従して第1方向にそって移動して第2面2のn行の第2編目行21を編成し、第2のヤーンノズル8は第2の針ガイドヘッド9とシステム的な制御により同期に移動してもよく、特定の編成方法で第2の針ガイドヘッド9と同期しなくてもよい。そして、
図6bに示すように、第1の針ガイドヘッド7は、先に第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部に到達し、第2の針ガイドヘッド9は、後に第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部に到達し、第2のヤーンノズル8と第1のヤーンノズル6は、第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部に位置ずれして設けられ、第1のヤーンノズル6は、第2のヤーンノズル8の編成方向の外側に位置し、そして、
図6cに示すように、第1の針ガイドヘッド7が先に第1面1と第2面2のn行の第1側3のエッジ接合部から第2方向にそって離れることにより、第1糸接続部13が形成され、第2の針ガイドヘッド9が後に第1面1と第2面2のn行の第1側のエッジ接合部から第2方向にそって離れることにより、第2糸接続部23が形成される。第1の針ガイドヘッド7が第2の針ガイドヘッド9よりも先に第1側3に到達し、第2針ガイドヘッド9よりも先に第1側3から離れるため、第1糸接続部13と第2糸接続部23は第1面1と第2面2との第1側3のエッジ接合部で交差し、n+1行の第1編目行と第2編目行との編成を開始した後、交差した第1糸接続部13と第2糸接続部23はそれぞれスナップリングを形成し、さらにロック部5を形成し、第1面1と第2面2は接続するようになる。その後、第1のヤーンノズルと第1の針ガイドヘッドとはn+1行の第1編目行を編成し、第2のヤーンノズルと第2の針ガイドヘッドとはn+1行の第2編目行を編成する。
図6dに示すように、第1の針ガイドヘッド7は先に第1面1と第2面2とのn+1行の第2側4のエッジ接合部に到達し、第2の針ガイドヘッド9は後に第1面1と第2面2とのn+1行の第2側4のエッジ接合部に到達し、第2のヤーンノズル8と第1のヤーンノズル6は第1面1と第2面2とのn+1行の第2側4のエッジ接合部に位置ずれて設けられ、第1のヤーンノズル6は第2のヤーンノズル8の編成方向の外側に位置し、その後、
図6aに示すように、第1の針ガイドヘッド7は、先に第1方向にそって第1面1と第2面2とのn+1行の第2側4のエッジ接合部から離れ、第2の針ガイドヘッド9は後に第1方向にそって第1面1と第2面2とのエッジ接合部から離れ、第1糸接続部13と第2糸接続部23は第1面1と第2面2との第2側4のエッジ接合部で交差し、次の行の編成を開始するとき、交差した第1糸接続部13と第2糸接続部23はそれぞれスナップリングを形成し、さらにロック部5を形成し、第1面1と第2面2とは第2側4で接続するようになる。n行とn+1行は一つの編成周期を構成し、n≧1、編成方向に垂直なロック部5は間隔的に分布されており、n行の第1側3はロック部5を有し、n+1行の第1側3はロック部5を備えず、n+1行の第2側4はロック部5を備え、n行の第2側4はロック部5を備えないことにより、第1面1と第2面2の両側の連結を実現する。
【0044】
本発明の編物は、手袋、セーター、ニットマフラーなどの着用用品であってもよく、上記の着用用品の一部であってもよい。
【0045】
本発明はまた、上記の実施例における編物を有する手袋を公開する。手袋の1つの実施例において、手袋の全構成は上述の実施例の編物10であってもよく、手袋の表面は編物の第1面1、裏面は編物の第2面2であり、手袋の両側のエッジ全体がロック部5によって連結され、よって手袋の両面が1つの全体に連結されるようになる。
【0046】
図8及び
図9に示すように、他の手袋の実施例においては、手袋を編成する過程で、上述の実施例の編成方法は従来の編成方法と結合することができ、それによって得られた手袋は、完全な手袋の表裏に、一部の構成が本実施例の編物10であってもよく、すなわち、表裏に本実施例の第1面1である一部を有し、裏面に本実施例の第2面2である一部を有し、この部分の表裏の両側のエッジはいずれもロック部5の接続を有し、その他の部分は従来の螺旋式で編成構造であってもよく、表裏の両側のエッジにはロック部5がなくてもよい。
【0047】
上記の実施例は本発明の好適な実施例にすぎず、これによって本発明の保護の範囲を限定することはできず、当業者が本発明に基づいて行ったいかなる非実質的な変化及び置換も本発明が要求する保護の範囲に属する。
【符号の説明】
【0048】
1、第1面;11、第1編目行;12、第1編目;13、第1糸接続部;2、第2面;21、第2編目行;22、第2編目;23、第2糸接続部;3、第1側;4、第2側;5、ロック部;6、第1のヤーンノズル;7、第1の針ガイドヘッド;8、第2のヤーンノズル;9、第2の針ガイドヘッド;10、編物。