(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021701
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】熱電対遮蔽板
(51)【国際特許分類】
G01K 1/08 20210101AFI20250206BHJP
G01K 7/02 20210101ALI20250206BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20250206BHJP
G01M 99/00 20110101ALN20250206BHJP
【FI】
G01K1/08 P
G01K7/02 C
G01K7/02 Z
G01K1/08 Z
G01K1/14 L
G01M99/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125608
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】517162552
【氏名又は名称】株式会社サーマルプラント
(74)【代理人】
【識別番号】230110397
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 雅敏
(74)【代理人】
【識別番号】230128875
【弁護士】
【氏名又は名称】原 慎一郎
(74)【代理人】
【識別番号】230131945
【弁護士】
【氏名又は名称】山腰 健一
(72)【発明者】
【氏名】中尾 猛
(72)【発明者】
【氏名】井手 啓介
(72)【発明者】
【氏名】古賀 理
【テーマコード(参考)】
2F056
2G024
【Fターム(参考)】
2F056CA01
2F056CA15
2F056CE01
2F056KC06
2F056KC07
2G024AD23
2G024BA27
2G024CA17
2G024EA20
(57)【要約】
【課題】熱電対ターミナルヘッドがタービン及び高温機器に近接して配設された場合においても、内蔵されたコード類の焼損を防止する遮蔽板を提供する。
【解決手段】薄板鋼板と耐熱クロスとの合材からなる、熱電対遮蔽板である。この熱電対遮蔽板は逆円錐形状を呈し、熱電対の先端が当該遮蔽板の頂点を貫通する。そして、前記合材は、逆円錐形状の前記薄板鋼板の内面に前記耐熱クロスを敷設してなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板鋼板と耐熱クロスとの合材からなる、熱電対遮蔽板。
【請求項2】
前記熱電対遮蔽板は逆円錐形状又は逆角錐形状を呈し、熱電対の先端が当該遮蔽板の頂点を貫通する、請求項1に記載の熱電対遮蔽板。
【請求項3】
前記合材は、逆円錐形状又は逆角錐形状の前記薄板鋼板の内面に前記耐熱クロスを敷設してなる、請求項1に記載の熱電対遮蔽板。
【請求項4】
前記薄板鋼板の厚さが0.25mmから2.0mmであり、前記耐熱クロスの厚さが0.3mmから2.0mmである、請求項1に記載の熱電対遮蔽板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電対遮蔽板に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所にはタービン及び高温機器の内部温度を計測するための熱電対が多数取り付けられている。これら熱電対のコード類は熱電対ターミナルヘッドと呼ばれる容器内に内蔵されている(特許文献1)。ところで、熱電対のコード類は当該熱電対ターミナルヘッドに内蔵されてはいるものの、タービン及び高温機器からの放熱により焼損することがある。このような問題を避けるために、基本的には熱電対ターミナルヘッドはタービン及び高温機器より離して配設するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、数多くある熱電対ターミナルヘッドの中には、タービン及び高温機器の表面に近接して配設されるものが存在し、熱電対のコード類の焼損を避けることができない場合があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱電対ターミナルヘッドがタービン及び高温機器に近接して配設された場合においても、内蔵されたコード類の焼損を防止する遮蔽板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、薄板鋼板と耐熱クロスとの合材からなる、熱電対遮蔽板に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱電対ターミナルヘッドがタービン及び高温機器に近接して配設された場合においても、内蔵されたコード類の焼損を防止する遮蔽板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の熱電対遮蔽板の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の熱電対遮蔽板の一例を示す構成図である。
図1に示すように、熱電対遮蔽板10は逆円錐形状を呈しており、熱電対保護管11はタービン及び高温機器17に着装されている。熱電対遮蔽板10は逆円錐形状を呈しており、保温部材16と熱電対ターミナルヘッド15との間に配設されている。また、熱電対、すなわち熱電対保護管11の先端11Aが熱電対遮蔽板10の頂点を貫通している。
【0010】
また、熱電対保護管11の他端側は熱電対ターミナルヘッド15に接続されており、熱電対保護管11のコード類が当該熱電対ターミナルヘッド15に内蔵されている。なお、
図1に示すように、熱電対遮蔽板10は、外装がカラー鉄板等の薄板鋼板10Aからなり、その内面にガラスクロス等の耐熱クロス10Bが敷設された二重構造の合材となっている。
【0011】
本発明においては、熱電対ターミナルヘッド15とタービン及び高温機器17との間に熱電対遮蔽板10が配設されている。したがって、タービン及び高温機器17からの放熱は保温部材16で一旦断熱された後、さらに熱電対遮蔽板10で遮蔽されることになる。したがって、熱電対ターミナルヘッド15がタービン及び高温機器17に近接して配設された場合においても、これらの間に配設された熱電対遮蔽板10の作用機序により、内蔵されたコード類の焼損を防止することができる。
【0012】
なお、薄板鋼板10Aの厚さは0.25mmから2.0mmであることが好ましく、さらには0.3mmから0.5mmであることが好ましい。また、耐熱クロス10Bの厚さは0.3mmから2.0mmであることが好ましく、さらには0.5mmから1.6mmであることが好ましい。これによって、上述した作用機序をさらに効果的に奏することができ、熱電対ターミナルヘッド15がタービン及び高温機器17に近接して配設された場合においても、内蔵されたコード類の焼損をより効果的に防止することができる。
【0013】
なお、本例では、熱電対遮蔽板10を、外装が薄板鋼板10Aからなり、その内面に耐熱クロス10Bが敷設された二重構造の合材としているが、これに限定されるものではない。
【0014】
以上の実施形態に鑑み、本願は以下の発明をも包含する。
〔1〕薄板鋼板と耐熱クロスとの合材からなる、熱電対遮蔽板。
〔2〕前記熱電対遮蔽板は逆円錐形状又は逆角錐形状を呈し、熱電対の先端が当該遮蔽板の頂点を貫通する、〔1〕に記載の熱電対遮蔽板。
〔3〕前記合材は、逆円錐形状又は逆角錐形状の前記薄板鋼板の内面に前記耐熱クロスを敷設してなる、〔1〕又は〔2〕に記載の熱電対遮蔽板。
〔4〕前記薄板鋼板の厚さが0.25mmから2.0mmであり、前記耐熱クロスの厚さが0.3mmから2.0mmである、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の熱電対遮蔽板。
【0015】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0016】
10 熱電対遮蔽板
11 熱電対保護管
15 熱電対ターミナルヘッド
16 保温部材
17 タービン及び高温機器