(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021848
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】口内洗浄具
(51)【国際特許分類】
A61C 17/024 20060101AFI20250206BHJP
A61C 17/02 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
A61C17/024
A61C17/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125855
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】598170615
【氏名又は名称】上杉 和博
(74)【代理人】
【識別番号】100205523
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩也
(72)【発明者】
【氏名】上杉 和博
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自由自在な水圧を保ちながら口腔内洗浄を行え、構造が単純であり、かつ清掃が簡単に行える口腔内洗浄具を提供する。
【解決手段】水道ホースHと脱着可能なホース篏合部又はシャワーヘッドと互換性があるシャワーヘッドアダプタ部と、ホース篏合部と着脱可能な導水本体部と、導水本体部と着脱可能な洗浄水射出部と、を備え、洗浄水射出部は、角度20度~160度で緩やかに、又は角を有しながら湾曲し、導水本体部着脱側の他端に備えられた水を射出する洗浄水射出吹出部133の直径は1mm~3mmである、ことを特徴とする口腔内洗浄具1によって、高い水圧を保ちながら口腔内洗浄を行うことが可能となり、構造が単純であり、かつ清掃が簡単に行える洗浄具の提供ができる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道ホースと脱着可能なホース篏合部又はシャワーヘッドと互換性があるシャワーヘッドアダプタ部と、
前記ホース篏合部と着脱可能な導水本体部と、
前記導水本体部と着脱可能な洗浄水射出部と、
を備え、
前記洗浄水射出部は、角度20度~160度で緩やかに、又は角を有しながら湾曲し、前記導水本体部着脱側の他端に備えられた水を射出する洗浄水射出吹出部の直径は0.5mm~3mmである、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【請求項2】
水道ホースと脱着可能なホース篏合部又はシャワーヘッドと互換性があるシャワーヘッドアダプタ部と、
前記ホース篏合部と着脱可能な導水本体部と、
前記導水本体部と着脱可能な洗浄水射出部と、
を備え、
前記洗浄水射出部は、湾曲せず、ストレート形状であり、前記導水本体部着脱側の他端に備えられた水を射出する洗浄水射出吹出部の直径は0.5mm~3mmである、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の口腔内洗浄具であって、
前記ホース篏合部の直径は10mm~20mmである、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【請求項4】
請求項1又は請求項2の口腔内洗浄具であって、
前記洗浄水射出部には、射出水に薬液を注入することを目的とする直径1mm~3mmの薬液注入部を備える、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2の口腔内洗浄具であって、
前記ホース篏合部及び前記導水本体部は合成樹脂から成る、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【請求項6】
請求項1又は請求項2の口腔内洗浄具であって、
前記導水本体部の表面にはメッシュ状の加工を施す滑り止め部を備える、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【請求項7】
請求項1又は請求項2の口腔内洗浄具であって、
前記水道ホースは1.5m以上の長さを備える、
ことを特徴とする口腔内洗浄具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、口腔内洗浄器、特に歯と歯の隙間や義歯と歯肉との隙間に挟まった残渣の洗浄に適した口腔内洗浄器に関する。
【0002】
従来より歯と歯の隙間や義歯と歯肉との隙間に挟まった残渣の洗浄器は、多数の発明がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-157563号公報
【特許文献2】実用新案登録3153720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1記載のの発明は、水流の方向を変換部しながら、水流を一本の回転流に生成しながら口腔内洗浄する洗浄具である。
【0005】
しかし、当該発明は水流部を生成する構造が複雑であり、各部の脱着できないため、清掃も困難である。
【0006】
また、特許文献2の考案では、手動ポンプを用いて構造を単純化させている。
【0007】
しかし、当該考案は水圧が低く、水圧によって歯と歯の隙間や義歯と歯肉との隙間に挟まった残渣の洗浄が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、水道ホースと脱着可能なホース篏合部又はシャワーヘッドと互換性があるシャワーヘッドアダプタ部と、前記ホース篏合部と着脱可能な導水本体部と、前記導水本体部と着脱可能な洗浄水射出部と、を備え、前記洗浄水射出部は、角度20度~160度で緩やかに、又は角を有しながら湾曲し、前記導水本体部着脱側の他端に備えられた水を射出する孔部の直径は0.5mm~3mmであることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の口腔内洗浄具であって、前記洗浄水射出部には、水流に薬液を注入することを目的とする直径0.5mm~3mmの薬液注入口部を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、自由自在な水圧を保ちながら口腔内洗浄を行うことが可能となり、構造が単純であり、かつ清掃が簡単に行う洗浄具の提供ができる。また、温水と接続される水道蛇口や、市販のシャワーヘッドアダプタなどに接続も可能となるため、冬季の使用時に温水を導入することも容易となる。
【0011】
請求項4の発明によれば、さらに歯肉炎等を予防する薬液を注入しながら、口腔内洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1をホース篏合部11、導水本体部12、及び湾曲した洗浄水射出部13を分解した斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1をホース篏合部11、導水本体部12、及びストレート形状の洗浄水射出部13を分解した斜視図である。
【
図3】a)シャワーヘッドSWとシャワーホースをSHを取り外した図、b)本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1をホース篏合部11、導水本体部12、及びシャワーヘッドアダプタ14を分解した斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る洗浄水射出部13のa)斜視図及びb)背面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る導水本体部12のa)斜視図及びb)背面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るホース篏合部11のa)斜視図及びb)背面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立てた斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立て、薬液Mを注入する様子を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立てたA-A断面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立て、ホースHを蛇口に接続した図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1の実施例
図1である。
【
図12】本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1の実施例
図2である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
<実施形態>
図1乃至
図9を用いて、本発明の実施形態1に係る口腔内洗浄具1を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1をホース篏合部11、導水本体部12、及び洗浄水射出部13を分解した斜視図、
図2は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1をホース篏合部11、導水本体部12、及びストレート形状の洗浄水射出部13を分解した斜視図、
図3は、a)シャワーヘッドSWとシャワーホースをSHを取り外した図及び本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1をホース篏合部11、導水本体部12、及びストレート形状の洗浄水射出部13を分解した斜視図、
図4は、本発明の実施形態に係る洗浄水射出部13のa)斜視図及びb)背面図、
図5は、本発明の実施形態に係る導水本体部12のa)斜視図及びb)背面図、
図6は、本発明の実施形態に係るホース篏合部11のa)斜視図及びb)背面図、
図7は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立てた斜視図、
図8は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立て、薬液Mを注入する様子を示す斜視図、並びに
図9は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立てたA-A断面図である。
【0015】
図1乃至
図3に示す通り、口腔内洗浄具1は、ホース篏合部11又はシャワーヘッドアダプタ部14、導水本体部12、洗浄水射出部13から成り、ホース篏合部11に水道水蛇口と接続を行うホースH、又はシャワーヘッドSWを外してシャワーヘッドアダプタ部14にシャワーホースSHを接続して使用する。
図7、
図9に示す通り、各部を接続して完成させても良いし、各部を分けず、あらかじめホース篏合部11又はシャワーヘッドアダプタ部14、導水本体部12及び洗浄水射出部13の各部位を一体型として実施しても良い。
【0016】
図6に示す通り、ホース篏合部11は、導水本体嵌合部111、ホース止め部112、ホース接続部113、ホース導水部114、ホースホールド部115を備える。ホース篏合部11の材質は特に定めないが、高分子材料であることが好ましい。ここでの高分子材料は、金属、セラミック、プラスチック(合成樹脂)等であるが、プラスチックが好ましい。
【0017】
導水本体嵌合部111は、ホース篏合部11と導水本体部12を接続するために備える。図示のようにネジ溝を設けて篏合させても良いし、ボッチ式のジョイント構造でも良い。
【0018】
ホース止め部112は、ホースHとの篏合の目安に使われるストッパーである。図示のように特に設けなくともよく、図示のようにホース接続部113より直径を大きくすることで、ホースHを止めてもよい。
【0019】
ホース接続部113は、ホースHとの篏合部である。ホース接続部113の直径は、市販のホース径と同様の大きさである10mm~20mmが好ましい。
【0020】
ホース導水部114は、ホースHから流入する水を導水本体部12に送り込む管である。導水本体部12の直径となるように直径を導水本体嵌合部111に向けて徐々に小さくしても良いし、円筒形のように同じ直径でも良い。
【0021】
ホースホールド部115は、突起であり、ホースHをホールドさせるために用いる。ホースホールド部115を備えず、別の手段、例えば
図7及び
図8に示すように樹脂皮膜をした番線B(針金)を巻いて止めても良いし、不図示だがステンレスのホースバンドで止めても良い。
【0022】
図3のa)に示す通り、シャワーヘッドアダプタ部14は、シャワーヘッドSWを外し、
図3のb)に示す通り、シャワーホースSHと接合される。シャワーヘッドアダプタ部14の材質は特に定めないが、高分子材料であることが好ましい。ここでの高分子材料は、金属、セラミック、プラスチック(合成樹脂)等であるが、プラスチックが好ましい。
【0023】
導水本体嵌合部141は、シャワーヘッドアダプタ部14と導水本体部12を接続するために備える。図示のようにネジ溝を設けて篏合させても良いし、ボッチ式のジョイント構造でも良い。
【0024】
シャワーホース接続部142は、シャワーホースSHとの篏合部である。シャワーホース接続部142の直径は、市販のシャワーホースSHの篏合径と同様の大きさであることが好ましい。
【0025】
図5に示す通り、口腔内洗浄具1を形成する導水本体部12は、洗浄水射出部13とホース篏合部11を接続するものであり、洗浄水射出嵌合部121、導水本体管部122、ホース嵌合部接続部123及び滑り止め部124を備える。
【0026】
導水本体部12の材質は特に定めないが、高分子材料であることが好ましい。ここでの高分子材料は、金属、セラミック、プラスチック(合成樹脂)等であるが、プラスチックが好ましい
【0027】
洗浄水射出嵌合部121は、洗浄水射出部13と導水本体部12を接続するために備える。図示のようにネジ溝を設けて篏合させても良いし、ボッチ式のジョイント構造でも良い。
【0028】
導水本体管部122は、ホース篏合部11から流入する水を導水本体部12に送り込む管である。洗浄水射出部13の直径となるように直径を洗浄水射出嵌合部121に向けて徐々に小さくしても良いし、円筒形のように同じ直径でも良く、好ましくは300mm~400mmである。
【0029】
ホース嵌合部接続部123は、ホース篏合部11との篏合部である。ホース嵌合部接続部123は、導水本体嵌合部111径と同様の大きさであることが好ましい。ホース篏合部11と導水本体部12が一体化され、あらかじめ接続されている場合は、ホース嵌合部接続部123は備えていなくても良い。
【0030】
滑り止め部124は、導水本体部12の中央部に備えられ、手で掴んだ際に、手が滑らないよう摩擦力を高める素材又は加工を施す部位である。メッシュ状の細かい溝を施しても良いし、薄いシリコンやゴムを巻いても良い。滑り止め部124は、特に設けなくともよい。
【0031】
図4に示す通り、口腔内洗浄具1を形成する洗浄水射出部13は、歯を洗浄する射出水Wを射出する部位であり、導水本体接続部131、洗浄水射出管部132、洗浄水射出吹出部133及び薬液注入部134を備える。
【0032】
導水本体接続部131は、洗浄水射出部13と導水本体部12との篏合部である。導水本体接続部131は、洗浄水射出嵌合部121径と同様の大きさであることが好ましい。。
【0033】
洗浄水射出管部132は、導水本体部12から流入する水を洗浄水射出吹出部133に送り込む管である。
図9に示す通り、洗浄水射出管部132は緩やかに、又は角を有しながら湾曲しており、洗浄水射出管湾曲角度Rは、20度~160度である。また、
図2に示すように洗浄水射出管部132は湾曲せず、まっすぐでも良い。
【0034】
洗浄水射出吹出部133は、歯を洗浄する射出水Wを射出する部位である。洗浄水射出吹出部133の直径は、水圧を保つためにも0.5mm~3mmである。洗浄水射出吹出部133の長さは50mm~100mmの間である、好ましくは70mmである。
【0035】
薬液注入部134は、
図8に示す通り、射出水Wに歯肉炎等を予防する薬液Kを注入することを目的とする。薬液注入部134は、薬液Kのチューブ等を刺し込むために直径1mm~3mmであることが好ましいが、薬液注入部134は、特に設けなくともよい。薬液注入部134を使用しない際は、ゴムキャップ等で薬液注入部134を塞ぐ必要がある。
【0036】
<実施方法>
図10乃至
図12を用いて、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1の実施方法について説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1を組み立て、ホースHを蛇口に接続した図、
図11は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1の実施例
図1、及び
図12は、本発明の実施形態に係る口腔内洗浄具1の実施例
図2である。
【0037】
図10に示す通り、口腔内洗浄具1と水道ホースHを接続し、水道ホースHは、冷水蛇口FC及び温水蛇口FHとの混合栓に接続する。これによって冬季の使用時には、温水を送ることが可能となる。導水本体部12、及び洗浄水射出部13は使用時に取り付けるが、洗浄水射出部13は、歯ブラシ同様に人数分あれば好ましい。また、蛇口出口FEは、図示の矢印方向に真横に向けることによって、邪魔にならないようにする。
【0038】
次に
図11に示す通り、手で口腔内洗浄具1を握り、水道ホースHに水を送る。水道ホースHは、水圧を保つため又は使用時の取り回しのしやすさを考慮し、最低1.5m以上の長さを備えることが好ましい。
【0039】
図示の通り、洗浄水射出部13の洗浄水射出吹出部133から射出された射出水Wを、口腔(歯)Mにあてて、口腔(歯)M内を洗浄する。
【0040】
使用後は、
図12に示す通り、導水本体部12、及び洗浄水射出部13を外し、混合栓FMに巻き付け収納する。混合栓FMに巻き付けることによって、ホース篏合部11は外すことなく取り付けた状態で、日常使用することが可能となる。番線Bを使って、ホース篏合部11を常時取りつけておく。番線Bは樹脂(プラスチック)皮膜であれば錆びを防止することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 口腔内洗浄具
11 ホース篏合部
12 導水本体部
13 洗浄水射出部
14 シャワーヘッドアダプタ部
111 導水本体嵌合部
112 ホース止め部
113 ホース接続部
114 ホース導水部
115 ホースホールド部
121 洗浄水射出嵌合部
122 導水本体管部
123 ホース嵌合部接続部
124 滑り止め部
131 導水本体接続部
132 洗浄水射出管部
133 洗浄水射出吹出部
134 薬液注入部
141 導水本体嵌合部
142 シャワーホース接続部
B 樹脂皮膜番線(針金)
FC 蛇口(冷水)
FE 蛇口出口
FH 蛇口(温水)
FM 混合栓
H 水道ホース
K 薬液
M 口腔(歯)
R 洗浄水射出管湾曲角度
SH シャワーホース
SW シャワーヘッド
W 射出水