(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021903
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】調味オリーブオイル組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20250206BHJP
A23D 7/005 20060101ALI20250206BHJP
A23D 7/00 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
A23L27/00 D
A23D7/005
A23D7/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126003
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】523247234
【氏名又は名称】奥のほそ道.com合同会社
(72)【発明者】
【氏名】藤原 洋季
【テーマコード(参考)】
4B026
4B047
【Fターム(参考)】
4B026DC01
4B026DG01
4B026DL01
4B026DL05
4B026DL08
4B026DL10
4B026DP01
4B026DX03
4B047LB03
4B047LB07
4B047LB09
4B047LE02
4B047LF03
4B047LG11
4B047LG38
4B047LG51
4B047LG60
4B047LG61
4B047LP01
(57)【要約】
【課題】オリーブオイルの苦渋味を和らげ、他の食品と合わせて、摂取出来ることを特徴とする調味オリーブオイル組成物を提供する。
【解決手段】主材オリーブオイル1質量部に対して、発酵・醸造食品、調味料・香辛料からなる群から選択される少なくとも一種以上の副材を、総量で
0.0005~100質量部含有し、固体・液体・粉末等のいずれかの形態でオリーブオイルと混合又は別包で添付する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主材オリーブオイル1質量部に対して、発酵・醸造食品、調味料・香辛料
からなる群から選択される少なくとも一種以上の副材を、総量で0.0005~100質量部含有することを特徴とする調味オリーブオイル組成物。
【請求項2】
発酵・醸造食品、調味料・香辛料からなる群から選択される少なくとも一種以上の副材を、オリーブオイルと混合又は別包で添付する調味オリーブオイル組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリーブオイルの苦渋味を和らげ、他の食品と合わせて摂取
出来ることを特徴とする調味オリーブオイル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
オリーブの実から搾油されたオリーブオイルは人体に有益なオメガ9系
オレイン酸ほか様々な成分を含有する植物油であって、善玉コレステロー
ルを減少させず、悪玉コレステロールを減少させるという効果が確認されて
おり、また、動脈硬化の予防、高血圧の予防、心疾患の予防、腸を活性化し
便秘予防、美肌作用等、様々な優れた効果があることがすでに広く認知され
ている。一方、オリーブオイルはオリーブ果実由来の苦味渋味があり、その
風味を理由に摂食が嫌われる場合がある。
従来、オリーブオイルは、苦渋味を抑え飲み易くする方法が、飲料に関し
てすでに特許として認められている。多糖類を添加し提供するものである
(特許 文献1)。しかし、該特許は飲料であり、他の食材に合わせる調味油
という商品分類では報告されていない。
【0003】
2004年には、米国食品医薬品局(FDA)はオリーブオイルには虚血性心
疾患を予防する一定の効果があることを認めた。現在アメリカでは、オリー
ブオイルの商品ラベルに効能をうたうことが許可されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、オリーブオイルの苦渋味を和らげ、他の食品と合わせて摂取
出来ることを特徴とする調味オリーブオイル組成物を提供することを課題
とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、オリーブオイルについて、オリーブオイルの苦渋味を和らげる
ことに適した調味オリーブオイル組成物を開発すべく検討を行った。その結
果、主材のオリーブオイルに対して特定量の副材を配合すると、オリーブオ
イルの苦渋味を抑制し、摂取できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) 主材オリーブオイル1質量部に対して、発酵・醸造食品、調味料・香辛料からなる群から選択される少なくとも一種以上の副材を、総量で0.0005~100質量部含有することを特徴とする調味オリーブオイル組成物。
(2) 発酵・醸造食品、調味料・香辛料からなる群から選択される少なくとも一種以上の副材を、オリーブオイルと混合又は別包で添付する調味オリーブオイル組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、オリーブオイルの苦渋味を抑制し、摂取できる調味油を提
供することが可能となった。又、オリーブオイルの健康成分を手軽に取り入
れる事が可能となった。
【0009】
本発明の「組成物」としては、主材のオリーブオイルは液体、粉末など、
どの形態でも利用可能で、各副材も物質の特性から、風味の発揮など特性を
生かしたそれぞれの形態での利用が可能である。本発明においての配合量は
主材のオリーブオイル1質量部に対して各副材は0.0005~100質量
部であることが好ましい。
【0010】
以下オリーブオイルを常用することの主な効果を記述する。
【0011】
オリーブオイルに多く含まれるオメガ9系オレイン酸は、いわゆる善玉コ
レステロールを減少させず、悪玉コレステロールを減少させるという効果が
確認されており、したがってオリーブオイルの常食により、動脈硬化の予防、
高血圧の予防、心疾患の予防、腸を活性化し便秘予防、様々な優れた効果が
あることがすでに広く認知されており、したがってオリーブオイルの常食に
より狭心症、心筋慢性梗塞、脳梗塞などを防ぐことが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のオリーブオイルはエクストラバージンオリーブオイルでもピュ
アオリーブオイルでも構わない。
【0013】
本発明のオリーブオイルの含有量は、主材のオリーブオイル1質量部に対
して副材が0.0005~100質量部である。より好ましくは、
0.001~50質量部である。
【0014】
本発明の調味オリーブオイル組成物の製造方法は特に限定されないが、例
えば以下の方法が挙げられる。調味油の製造方法としては、主材オリーブオ
イルと副材を混合、または副材を別の包材に入れる。その後摂食の際に、
対象となる食材にかければよい。
【0015】
本発明の副材である発酵・醸造食品には日本酒、ワイン、みそ、醤油、豆板醤、酢、鰹節、ウスターソース、漬物、キムチ、ザーサイ、ザワークラウト、黒ニンニク、タバスコ、チーズ、ヨーグルトなどがあり、いずれの種類も固体・液体・粉末等のどの形態でも使用することができる。この副材は上記に挙げた種類に限られるものではなく、他の種類のものでも用いることができる。
【0016】
本発明の副材である調味料には、代表的なものとして食塩、砂糖、ケチャップ、などがあげられるが、食塩は製法により岩塩、天日塩、せんごう塩に分類される。また、香辛料は、形態による分類、利用する部位による分類、植物学上の分類などで様々な種類に分けられ、からし粉、わさび粉、さんしょう粉などがあげられるが、いずれの種類も固体・液体・粉末等のどの形態でも使用することができる。これらの副材は上記に挙げた種類に限られるものではなく、他の種類のものでも用いることができる。
【実施例0017】
以下に、絹ごし豆腐に本発明の調味オリーブオイルをかけて食した実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
【0018】
実施例1 エクストラバージンオリーブオイル 9g 濃口しょうゆ 5g
上記成分を秤量、絹ごし豆腐200gに適宜かけると、オリーブオイルの苦渋味を和らげ食することができた。
【0019】
実施例2 エクストラバージンオリーブオイル 9g 粉チーズ(パルメザ
ンチーズ由来)2g 上記成分を秤量、絹ごし豆腐200gに適宜かけると、オ
リーブオイルの苦渋味を和らげ食することができた。
【0020】
実施例3 エクストラバージンオリーブオイル 9g みそ(こうじみそ)3g
上記成分を秤量、みそを3gの水で溶いてすりつぶし、絹ごし豆腐200gに適
宜かけると、オリーブオイルの苦渋味を和らげ食することができた。
【0021】
試験例1:オリーブオイルの苦渋味の評価
A 方法
副材を実施例1~3で秤量、20人が絹ごし豆腐200gにかけて食したものを、以下の5段階の評価基準に基づき、オリーブオイルの苦渋味を評価した。結果を表1に示す。
評価基準
5:苦渋味が和らいだ
4:苦渋味がやや和らいだ
3:苦渋味は変わらなかった
2:苦渋味がやや強くなった
1:苦渋味が強くなった
【0022】
【0023】
B結果
実施例1~3を20人の成人男女に食してもらった所、実施例1については
18人がオリーブオイルの苦渋味が和らいだ又はやや和らいだと答えた。また、
実施例2については8人がオリーブオイルの苦渋味が和らいだ又はやや和ら
いだと答えた。また、実施例3については15人がオリーブオイルの苦渋味
が和らいだ又はやや和らいだと答えた。。
【0024】
主材オリーブオイルが1質量部に対して、副材は、そのものの持ち味と、
かけて食す食材により、質量部を可変とすればよい。例えば醤油は1.0質量
部以上では、醤油の風味が強すぎてオリーブオイルが感じにくく、0.01質
量部以下ではオリーブオイルの苦渋味を和らげる効果は弱まってしまう。
【0025】
本発明のオリーブオイル飲料は、オリーブオイルを主体とし、健康増進に役
立ち、オリーブオイルの苦渋味を和らげことに優れる。
【0026】
以上、本発明に関する好ましい実施例を挙げたが、本発明は前記実施形態に
限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含
まれる。