(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022048
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】換気制御装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20250206BHJP
F24F 11/33 20180101ALI20250206BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20250206BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20250206BHJP
F24F 11/77 20180101ALI20250206BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20250206BHJP
F24F 110/12 20180101ALN20250206BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20250206BHJP
F24F 110/70 20180101ALN20250206BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20250206BHJP
F24F 140/60 20180101ALN20250206BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F11/33
F24F11/46
F24F11/64
F24F11/77
F24F110:10
F24F110:12
F24F110:20
F24F110:70
F24F140:00
F24F140:60
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126276
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】523293954
【氏名又は名称】株式会社Haiot
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】今泉 太爾
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L056BD02
3L056BD03
3L056BE01
3L260BA01
3L260BA41
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA17
3L260CA32
3L260CA50
3L260EA07
3L260EA13
3L260FA07
3L260FA20
3L260FC01
(57)【要約】
【課題】換気量を抑えつつ湿度を所定の範囲に制御する。
【解決手段】建物の中の換気を行う換気装置を制御する換気制御装置は、前記建物の中のCO2濃度および湿度を取得する取得手段と、前記湿度が所定の範囲内に収まるように、前記換気装置を制御する換気制御手段と、を有し、前記換気制御手段は、前記CO2濃度が所定の閾値より低い場合に、通常よりも換気量が少ない第1のモードで前記換気装置を制御し、前記CO2濃度が所定の閾値より高い場合に、前記第1のモードよりも換気量が多い第2のモードで前記換気装置を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の中の換気を行う換気装置を制御する換気制御装置であって、
前記建物の中のCO2濃度および湿度を取得する取得手段と、
前記湿度が所定の範囲内に収まるように、前記換気装置を制御する換気制御手段と、
を有し、
前記換気制御手段は、
前記CO2濃度が所定の閾値より低い場合に、通常よりも換気量が少ない第1のモードで前記換気装置を制御し、
前記CO2濃度が所定の閾値より高い場合に、前記第1のモードよりも換気量が多い第2のモードで前記換気装置を制御する、
換気制御装置。
【請求項2】
前記取得手段は、建物における消費電力を取得し、
前記換気制御手段は、前記消費電力が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前記第1のモードよりも換気量が少ない第3のモードで前記換気装置を制御する、
請求項1に記載の換気制御装置。
【請求項3】
前記換気制御手段は、前記消費電力が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前第2のモードで前記換気装置を制御し、かつ、前記CO2濃度のキャリブレーションを行う、
請求項2に記載の換気制御装置。
【請求項4】
前記換気制御手段は、前記CO2濃度が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前記第1のモードよりも換気量が少ない第3のモードで前記換気装置を制御する、
請求項1に記載の換気制御装置。
【請求項5】
前記換気制御手段は、前記CO2濃度が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前第2のモードで前記換気装置を制御し、かつ、前記CO2濃度のキャリブレーションを行う、
請求項4に記載の換気制御装置。
【請求項6】
前記換気制御手段は、前記建物の外の外気温、前記建物の室温、前記建物の窓の断熱性能のうち、少なくとも1以上のパラメータを取得し、
前記換気制御手段は、前記パラメータが所定の値より高い場合に、前記湿度の所定の範囲における上限値を高く設定する、
請求項1に記載の換気制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エリア別の空調負荷量と、外気CO2濃度と排気CO2濃度の測定値から、建物内CO2濃度を推定し、換気量を制御する空調制御装置が開示されている。この空調制御装置によれば、外気導入量を最小限とした換気制御により、省エネルギー性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている空調制御装置では、換気量を抑えつつ湿度を所定の範囲に制御することができなかった。また、CO2センサは定期的なキャリブレーションが必要であり、これを怠ると適切なCO2濃度が計測できない為、本来必要なはずの換気が十分に行えない、又は過大な換気量となってしまう。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、換気量を抑えつつ湿度を所定の範囲に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
建物の中の換気を行う換気装置を制御する換気制御装置であって、
前記建物の中のCO2濃度および湿度を取得する取得手段と、
前記湿度が所定の範囲内に収まるように、前記換気装置を制御する換気制御手段と、
を有し、
前記換気制御手段は、
前記CO2濃度が所定の閾値より低い場合に、通常よりも換気量が少ない第1のモードで前記換気装置を制御し、
前記CO2濃度が所定の閾値より高い場合に、前記第1のモードよりも換気量が多い第2のモードで前記換気装置を制御する、
換気制御装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、換気量を抑えつつ湿度を所定の範囲に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る換気制御装置のハードウェア構成図である。
【
図2】本実施形態に係る換気制御装置1の機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る換気制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係る換気制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
以下、図面を参照して、本実施形態に係る換気制御システムについて説明する。なお、本実施形態では、建物の換気を行う例について説明するが、これは建物全体の換気であってもよく、建物内の部屋(住戸)の換気であってもよい。
【0010】
本実施形態に係る換気制御システムでは、住居や店舗等の建物の中の換気を行うことで、当該建物の中の湿度を適切に制御する。
例えば、本実施形態に係る換気制御システムは、室内空間の湿度を適切にするように、換気制御を行う。ここで、適切な湿度は、季節や、人の感じ方によって異なるが、例えば、40%~60%であることが望ましい。
また、例えば、本実施形態に係る換気制御システムは、第1のモード、第2のモード、第3のモードの少なくとも3つのモードで換気制御を行う。
【0011】
第1のモード(換気量:少)は、湿度調節を行うための換気モードで、外気と室内の重量絶対湿度を比較しながら、通常(所定の基準)よりも換気量が増加、又は減少するように換気制御を行うモードである。
具体的には、外気と室内の温度と湿度から外気と室内の重量絶対湿度を計算し、室内の相対湿度に応じて制御方法を変える。例えば、冬季に室内の相対湿度が40%を下回る場合は、換気を止める又は極力換気量を抑える。冬季以外は室内の相対湿度が60%を超える場合には、外気の重量絶対湿度が室内の重量絶対湿度を下回る場合には換気量を増加させ、反対に上回る場合には換気を止める又は極力抑える事で調湿する。
一般に、広く用いられている24時間換気システムでは、化学物質の影響によるシックハウズ症候群等を防ぐために、所定の基準(居住空間の空気を1時間に半分以上、入れ替えること)を満たすように、常に一定量の換気が行われている。しかし、昨今では、化学物質の発散を抑えた建材が使われていることも多く、上記の所定の基準より低い換気量でも問題ないことが知られている。
ここで、換気量を通常より抑えることにより、夏の暑さや湿気過多、冬の寒さおよび乾燥を抑制できることが見込まれる。 しかし、換気量を抑えた状態で、室内に人がいる場合、呼吸などによって、CO2濃度が上がることがある。よって、本実施形態に係る換気制御システムでは、建物内(室内)CO2濃度が所定の閾値Th1(例えば、980ppm)を超えた場合には、第2のモードで換気を行うよう制御する。
【0012】
第2のモード(換気量:中~多)は、建物の中のCO2濃度が所定の閾値Th1(例えば、980ppm)を超える場合に、換気装置2を動作させて建物の中の換気を強制的に行うモードのことである。なお、建物の中のCO2濃度を1000ppm以下に維持するために、所定の閾値を980ppmに設定しておくことが好ましい。そして、CO2濃度が所定の閾値Th1以下になると、上述の第1のモードに切り替わるものとする。
なお、換気設備によっては風量の多段階設定が出来るものがある。その場合は閾値も700ppm,900ppm,などと多段階で制御する。
【0013】
第3のモード(換気量:0~極少)は、建物内のCO2濃度が500ppm以下等と第2のモードで設定した閾値よりも著しく少ない場合、又は建物における消費電力が所定の期間(例えば、1日)にわたり所定の電力値を大幅に下回る場合に、建物の中に人が居ないものとみなして、換気装置2を第1のモードよりさらに抑制させるモードである。
【0014】
なお、本実施形態において、キャリブレーションモードが設けられていてもよい。
キャリブレーションモード(換気量:多)は、室内CO2濃度や建物における消費電力が所定の期間にわたり所定の電力値を下回る場合に、建物の中に人が居ないものとみなして、換気装置2を動作させて建物の中の換気を強制的に行った上で、CO2センサ4のキャリブレーションを行うモードのことである。
【0015】
<換気制御システム>
換気制御システムは、建物の換気を行う換気装置の制御を行う換気制御装置1、換気装置2、空気調節装置3、CO2センサ4、湿度センサ5、消費電力メーター6、温度センサ7等を含む。
【0016】
換気制御装置1は、CO2センサ4、湿度センサ5、温度センサ7及び消費電力メーター6等によって取得される信号に基づいて、換気装置2及び空気調節装置3等を制御する。
【0017】
換気装置2(例えば、換気扇)は、建物の中の空気と外気とを交換することで、建物の中の換気を行う。具体的に、換気装置2は、壁等に設けられる吸気口から外気を吸気して、建物の中の空気を排気口から排出することで換気を行う。
吸気口は、建物の中の各部屋に設けられ、大気圧の影響によって外気が建物の中に自然に吸い込まれる流路である。
換気装置2は、建物の中の風呂場、トイレ及びキッチン等の湿気が多く排出される空間に設けられる。
【0018】
空気調節装置3は、建物の中に適宜に設けられ、建物の中の温度及び湿度を調節する。
【0019】
CO2センサ4は、建物の中に設けられ、建物の中のCO2濃度を検出する。CO2センサ4は、換気扇の排気ダクト内、又は人が多く集まる場所(例えば、リビング)に設けられていることが望ましい。
【0020】
湿度センサ5は、換気扇の排気ダクト内、又は建物の中に設けられ、建物の中の湿度を検出するセンサである。
【0021】
消費電力メーター6は、スマート電力メーターやスマート分電盤、又は個別の電力メーターなどにより建物や特定の居室における消費電力を検出する装置である。
【0022】
温度センサ7は、換気扇の排気ダクト内、又は建物の中に設けられ、建物の中の温度を検出するセンサである。
【0023】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る換気制御装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。換気制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0024】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0025】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0026】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0027】
<機能構成>
図2は、換気制御装置1の機能ブロック図である。本実施形態に係る換気制御装置1は、取得部31、換気制御部32等を少なくとも備える。
【0028】
取得部31は、CO2センサ4からの信号が入力されることで、建物の中のCO2濃度を取得する。取得部31は、取得したCO2濃度を信号にして換気制御部32に出力する。
【0029】
また、取得部31は、湿度センサ5からの信号が入力されることで、建物の中の湿度を取得する。取得部31は、取得した湿度を信号にして換気制御部32に出力する。
【0030】
また、取得部31は、消費電力メーター6からの信号が入力されることで、建物における消費電力を取得する。取得部31は、取得した消費電力を信号にして換気制御部32に出力する。
【0031】
また、取得部31は、通信部19を介して建物の所在地の気象データを取得することで、建物の外の外気温を取得する。取得部31は、取得した外気温を信号にして換気制御部32に出力する。
【0032】
また、取得部31は、温度センサ7からの信号が入力されることで、建物の室温を取得する。取得部31は、取得した室温を信号にして換気制御部32に出力する。
【0033】
換気制御部32は、上述の各種値に基づいて、建物内の湿度が所定の範囲内に収まるように換気装置2を制御する。
また、換気制御部32は、CO2濃度が所定の閾値Th1より低い場合に、通常よりも換気量が少ない第1のモードで換気装置2を制御し、CO2濃度が所定の閾値Th1より高い場合に、第1のモードよりも換気量が多い第2のモードで換気装置2を制御する、
【0034】
また、換気制御部32は、消費電力が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合(例えば、人が不在の場合)に、第1のモードよりも換気量が少ない第3のモードで換気装置2を制御する。
また、換気制御部32は、消費電力が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、第2のモード(キャリブレーションモード)で換気装置2を制御し、かつ、CO2濃度のキャリブレーションを行う。
このように、第2のモードにより、外気を一気に取り入れ例えば状態で、CO2センサによってCO2濃度を計測した値を、外気のCO2濃度(例えば、400ppm)とすることで、CO2センサの誤差を校正(キャリブレーション)することができる。
【0035】
また、換気制御部32は、CO2濃度が所定の期間にわたり所定の値(例えば、450ppm)を下回る場合(例えば、人が不在の場合)に、第1のモードよりも換気量が少ない第3のモードで換気装置2を制御する。
また、換気制御部32は、CO2濃度が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、第2のモード(キャリブレーションモード)で換気装置2を制御し、かつ、CO2濃度のキャリブレーションを行ってもよい。
【0036】
なお、換気制御部32は、上述の各種値に基づいて、建物内の湿度が所定の範囲内に収まるように換気装置2を制御する際、建物の外の外気温、建物の室温、建物の窓の断熱性能のうち、少なくとも1以上のパラメータが、それぞれ設定される所定の値より高い場合に、湿度の所定の範囲における上限値を高く設定する。
【0037】
ここで。窓の断熱性能は、その値[W/m2K]が小さいほど優れていて結露しやすいので、断熱性能が悪い程、上述の上限値は小さくなり、断熱性能が良いほど、上述の上限値は高くなる。
【0038】
なお、CO2濃度は、CO2センサ4が複数の場合には、各CO2センサ4が検出した値の加重平均値が用いられるとよい。また、湿度は、湿度センサ5が複数の場合には、各湿度センサ5が検出した値の加重平均値が用いられるとよい。また、室温は、温度センサ7が複数の場合には、各温度センサ7が検出した値の加重平均値が用いられるとよい。
【0039】
なお、冬場は、建物の外の方が建物の中よりも湿度が低いので、換気装置2が建物の中の換気を行うことで建物の中の湿度が下がる。逆に、夏場は、建物の外の方が建物の中よりも湿度が高いので、換気装置2が建物の中の換気を行うことで建物の中の湿度が上がる。夏場に建物の中の湿度を下げる場合には、空気調節装置3を冷房またはドライで運転させることになる。
【0040】
<処理内容>
図3は、第1のモードから第2のモードに移行する流れを示すフローチャートである。
換気制御部32は、
図3に示すように、換気装置2が第1のモード(換気量:少)で、換気装置2を制御しているとき(ステップS11)であって、建物の中のCO2濃度が所定の閾値Th1を超えた場合(S12-YES)に、第2のモード(換気量:中~多)に移行させる(ステップS13)。
【0041】
図4は、第1のモードからキャリブレーションを経て第3のモードに移行する流れを示すフローチャートである。
換気制御部32は、
図4に示すように、換気装置2が第1のモードで、換気装置2を制御しているとき(ステップS21)であって、かつ、建物の中に人が居ないものとみなすとき(S22-YES)に、第2のモードでキャリブレーション(ステップS23)を経て第3のモードに移行させる(ステップS24)。
【0042】
<本実施形態の有利な効果>
このように、本実施形態に係る換気制御システムによれば、必要最小限に換気量を抑える事で湿度を所定の範囲に制御することができる。
【0043】
また、上述の実施形態によれば、季節に関係なく、建物内の換気量を減らすことができ、空気調整のための電力消費を抑えることができる。
【0044】
また、上述の実施形態によれば、建物内の湿度を所定の範囲に保つことで、例えば、加湿器等を用いる必要がなくなるため、当該加湿器の洗浄などのメンテナンスの手間を省くことができる。また、加湿器の多用による結露や、結露に起因するカビの発生を抑えることができる。
【0045】
<変形例>
なお、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、換気装置2が第3種換気を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、換気装置が第1種換気又は第2種換気を行うものであってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、建物の外の外気温として建物の所在地の気象データを用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、建物の外に設けられている外気温センサが検出した値を用いてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、建物の中に人が居ないものとみなすときに、キャリブレーションを経て第3のモードに移行する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、建物の中に人が居ないものとみなすときに、キャリブレーション及び第3のモードに移行することができればよく、キャリブレーション及び第3のモードのタイミングは適宜設定されてもよい。
【0049】
<その他>
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、換気制御装置の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックを換気制御装置等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0050】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0051】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0052】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0053】
換言すると、本発明が適用される換気制御装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
(1)すなわち、建物の中の換気を行う換気装置を制御する換気制御装置であって、前記建物の中のCO2濃度および湿度を取得する取得手段と、前記湿度が所定の範囲内に収まるように、前記換気装置を制御する換気制御手段と、を有し、前記換気制御手段は、前記CO2濃度が所定の閾値より低い場合に、通常よりも換気量が少ない第1のモードで前記換気装置を制御し、前記CO2濃度が所定の閾値より高い場合に、前記第1のモードよりも換気量が多い第2のモードで前記換気装置を制御する、換気制御装置である。
【0054】
(2)また、前記取得手段は、建物における消費電力を取得し、前記換気制御手段は、前記消費電力が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前記第1のモードよりも換気量が少ない第3のモードで前記換気装置を制御するとよい。
【0055】
(3)前記換気制御手段は、前記消費電力が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前第2のモードで前記換気装置を制御し、かつ、前記CO2濃度のキャリブレーションを行うとよい。
【0056】
(4)前記換気制御手段は、前記CO2濃度が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前記第1のモードよりも換気量が少ない第3のモードで前記換気装置を制御するとよい。
【0057】
(5)前記換気制御手段は、前記CO2濃度が所定の期間にわたり所定の値を下回る場合に、前第2のモードで前記換気装置を制御し、かつ、前記CO2濃度のキャリブレーションを行うとよい。
【0058】
(6)前記換気制御手段は、前記建物の外の外気温、前記建物の室温、前記建物の窓の断熱性能のうち、少なくとも1以上のパラメータを取得し、前記換気制御手段は、前記パラメータが所定の値より高い場合に、前記湿度の所定の範囲における上限値を高く設定するとよい。
【符号の説明】
【0059】
1:換気制御装置、2:換気装置、3:空気調節装置、4:CO2センサ、5:湿度センサ、6:消費電力メーター、7:温度センサ、11:CPU、31:取得部31:換気制御部