IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベルケム デヴェロッペマンの特許一覧

<>
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図1
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図2
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図3
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図4
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図5
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図6
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図7
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図8
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図9
  • 特開-害虫検出システム及び関連方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022668
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】害虫検出システム及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/10 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
A01M1/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023196896
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】23189063.3
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523438843
【氏名又は名称】ベルケム デヴェロッペマン
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ファヒー オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】メッサオウディ ダオウィア
(72)【発明者】
【氏名】ブーティン マティアス
(72)【発明者】
【氏名】モウッス エリック
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA16
2B121CC12
2B121DA70
2B121EA05
2B121FA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】害虫検出システムを提供する。
【解決手段】1群の管状箱型の地下餌箱/罠箱であって、昆虫の可食材料の少なくとも1つの塊のためのハウジングが設置され、前記昆虫による前記可食塊の消費を検出する装置、測定用電子機器、前記測定用電子機器が可食塊の両側に位置する。前記可食塊が前記板の間に誘電体材料を形成する装置と、第1の周波数の第1の測定を行うように構成されたプロセッサとを含む。第1の測定値を前記箱から前記コンセントレータに送信するように構成された第1の無線通信手段を含むコンセントレータモジュールと、少なくとも1つのリモートサーバとを含み、リモートサーバには、監視プログラムが設置され、前記リモートサーバは、少なくとも複数の第1の測定値に基づいて、少なくとも1つの箱の前記可食塊の密度変動に特有の周波数変化を測定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a、1群の管状箱型の地下餌箱/罠箱であって、箱の下方部分には、昆虫の可食材料を含む少なくとも1つの可食塊(40)のための、第1の部分が設置されたハウジング(11)が設置され、箱には、前記昆虫による前記可食塊の消費を検出する装置が設置され、
i、前記可食塊(40)の両側に位置する2つの第1の板(22、23)によって形成される第1の測定用コンデンサを含む第1の弛張発振器(21)の第1の周波数(f1)を測定し、前記可食塊が前記板(22、23)の間に誘電体材料を形成する装置と、
ii、第1のスケジュールに従って前記第1の周波数の第1の測定を行うように構成されたプロセッサ(25)とを含む測定用電子機器(20)が設置される、地下餌箱/罠箱と、
b、少なくとも1つのコンセントレータモジュールであって、前記1群の箱のうちの箱及び前記コンセントレータモジュールのそれぞれが、第2のスケジュールに従って第1の測定値を前記箱から前記コンセントレータに送信するように構成された第1の無線通信手段(C)を含むコンセントレータモジュールと、
c、少なくとも1つのリモートサーバ(9)とを含み、
前記コンセントレータモジュール(8)及び前記サーバ(9)のそれぞれは、第3のスケジュールに従って前記第1の測定値を前記コンセントレータユニットから前記リモートサーバに送信するように構成された第2の通信手段(83、84)を含み、前記リモートサーバには、監視プログラムが設置され、前記リモートサーバは、少なくとも複数の前記第1の測定値に基づいて、前記1群の箱のうちの少なくとも1つの箱の前記可食塊の密度変動に特有の周波数変化を測定するように構成された計算手段を含み、前記密度変動により前記昆虫による前記可食塊の消費を検出することができる、害虫検出システム。
【請求項2】
前記1群の箱のうちの少なくともいくつかの箱には、前記第1の板の上に配置された第2の板(31、32)によって作られた第2の測定用コンデンサを含む少なくとも1つの第2の弛張発振器(21’)を含む補償回路が設置され、前記測定用電子機器及び前記プロセッサは、第4のスケジュールに従って第2の周波数の第2の測定を実行し、第5のスケジュールに従って第2の測定値を前記コンセントレータに送信するように構成される、請求項1に記載の害虫検出システム。
【請求項3】
前記第4のスケジュールは、前記第1のスケジュールと同じであり、及び/又は、前記第5のスケジュールは、前記第2のスケジュールと同じである、請求項2に記載の害虫検出システム。
【請求項4】
前記箱には、それぞれ、そのプロセッサの周期的なスリープ段階及びウェイクアップ段階を管理する装置が設置され、前記プロセッサは、そのウェイクアップ段階中に、前記周波数を測定する装置によって周波数測定を実行し、前記コンセントレータモジュールとの通信の確立及び継続を管理し、測定値を前記コンセントレータモジュールに送信するように構成され、前記コンセントレータモジュールは、前記箱と通信して、各箱から前記第1の測定値を周期的に受信し、前記1群の箱のうちの全ての箱からの前記測定値をコンパイルし、前記コンパイルされた測定値を前記監視プログラム及び前記計算手段が設置された前記リモートサーバに送信するように構成され、前記計算手段は、前記各箱について時間の関数としての前記第1の発振器の周波数の1つ以上の変化を計算して、前記変化に基づいて少なくとも1つの前記可食塊に特有の密度変化を検出するように構成される、請求項1、2又は3に記載の害虫検出システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の検出システムによって地表面、特に1つ以上の建物を囲む地表面を保護する方法であって、
a、コンセントレータモジュール(8)を設置するステップと、
b、それぞれ前記昆虫の可食材料の可食塊(40)を含む1群の餌箱/罠箱(1)を表面に設置するステップと、
c、前記コンセントレータに対して実行されるペアリングステップにおいて、前記コンセントレータ(8)を前記サーバとペアリングするステップと、
d、前記箱のそれぞれに対して実行されるペアリングステップにおいて、前記1つ以上の箱(1)を前記コンセントレータ(8)とペアリングするステップと、
e、構成された箱に傾聴するように前記コンセントレータを設定し、スリープ期間の後、前記箱(1)の測定装置によって実行される前記周波数測定の値を前記コンセントレータ(8)に周期的に送信するステップと、
f、前記第3のスケジュールに従って複数の箱の測定値を前記コンセントレータ(8)から前記リモートサーバ(9)に送信するステップと、
g、前記リモートサーバ(9)によって、前記1群の箱のうちの各箱について時間の関数としての一連の周波数データの変化を計算し、前記一連のデータにおける変曲点及び/又は傾きの変化を検出することによって、前記変化に基づいて少なくとも1つの前記可食塊について罠の内容物の密度変動を評価するステップとを含む、方法。
【請求項6】
前記リモートサーバは、マトリックスの消費若しくは土壌の追加又はその両方に似た測定値の変動の検出を介して箱内の前記昆虫の存在を検出するために、測定データを処理する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記リモートサーバによって前記密度変動の変化を計算するステップと、アルゴリズムによって、害虫に対して致死性の組成物を含む餌を前記少なくとも1つの箱に入れるための介入を引き起こすために、前記昆虫が少なくとも1つの箱に存在するか否かを前記変化に基づいて決定するか、又は前記密度変動に基づいて前記介入をスケジュールに入れる時点を決定するステップとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記リモートサーバは、各箱について前記可食塊の消費速度を決定し、前記複数の箱についての介入スケジュールを生成するために、測定データを処理する、請求項5、6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記箱は、前記箱の測定データに加えて、
i、前記箱の固有識別子、
ii、前記箱の温度、
iii、前記第1の弛張発振器の周波数測定値、
iv、前記第2の弛張発振器の周波数測定値、及び
v、測定日のうちの少なくとも1つのデータ項目を含むデータフレームを周期的に送信するように構成される、請求項5~8のいずれか一項に記載の保護方法。
【請求項10】
前記箱には、前記可食塊(40)の存在箇所の上に配置された第2の板(31、32)によって作られた第2の測定用コンデンサを含む少なくとも1つの第2の弛張発振器を含む補償回路が設置され、前記箱の測定用電子機器及びプロセッサは、第4のスケジュールに従って第2の周波数の第2の測定を実行し、前記第4のスケジュールに従って第2の測定値を前記コンセントレータに送信するように構成され、前記リモートサーバは、前記第1の弛張発振器の周波数と前記第2の弛張発振器の周波数との間の差動周波数の計算を含む計算に基づいて、前記昆虫による前記可食塊の消費を評価するように構成される、請求項5~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の弛張発振器と前記第2の弛張発振器との間の差動周波数の計算は、以下のタイプの式であり、
F=(F-S)-[(F-S)×k]
ここで、
-Fは、補償後の差動周波数であり、
-F、Fは、前記補償回路の測定用コンデンサA及びBで測定された周波数であり、
-S、Sは、前記コンデンサA及びBの補償オフセットであり、
-kは、前記罠の構造、材料の選択及びコンデンサの板のサイズに依存する補償定数であり、
この計算は、前記各箱で実行される一連の連続測定に対して実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
オフセットは、2つの前記コンデンサA及びBの無負荷静電容量に対応し、可食塊のない罠を設置する際の装置の初期化ステップ中に測定されるため、F0=Sであり、同様にF0=Sである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リモートサーバは、前記箱からの測定値を記録し、ニューラルネットワークの深層学習データベースを形成する測定データベースを形成するように構成される、請求項5~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記リモートサーバは、前記周波数測定のために前記深層学習データベースで事前にトレーニングされた前記ニューラルネットワークに基づく人工知能アルゴリズムを使用して前記可食塊の消費を推定するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンセントレータは、前記測定データに加えて、
a、前記コンセントレータの受信レベル(dBm)、
b、前記コンセントレータモジュールのソフトウェアのバージョン、
c、前記コンセントレータモジュールから前記リモートサーバに通信するためのソフトウェアのバージョン、
d、前記コンセントレータモジュールがペアリングされていることを示す表示、及び
e、テーブルであって、前記各箱について、
i、前記箱の固有識別子、
ii、前記箱と前記コンセントレータとの間の無線信号の受信レベル、
iii、前記箱の電池残量(%)、
iv、前記箱のソフトウェアのバージョン、及び
v、前記箱がペアリングモードであるか否かを示す1つ以上のデータ項目のうちの少なくとも1つを含むテーブル、
の中から少なくとも1つのデータ項目を含むデータフレームを前記サーバに送信し、
前記リモートサーバは、受信したデータに基づいて前記コンセントレータモジュールの通信手段の動作の診断を実行すると共に、前記箱の電池及び前記箱の通信装置の診断を実行するように構成される、請求項9に記載の保護方法。
【請求項16】
前記サーバは、前記コンセントレータモジュールによって送信された前記箱からのメッセージを収集するように構成された収集装置を含み、前記方法は、前記昆虫の存在が検出されたコンセントレータモジュールに接続された箱の分布を表すマップ及び/又はリスト及び/又はテーブルを生成することを含む処理プロセスと、使用者が前記マップ、前記リスト又は前記テーブルを参照できるように適合するウェブサービス及び/又はモバイルアプリケーションプロセスとを実装するステップを含む、請求項5~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記サーバは、領域内の箱及びコンセントレータモジュールの位置を表す介入データベースを含み、前記方法は、技術者が前記箱及びコンセントレータモジュールを監視することによって前記領域内の前記箱に対する介入のスケジュールを前記可食塊の消費の進捗の関数として組織化するためのプロセスを実装するステップを含む、請求項5~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
技術者が実施された介入を使用して介入データベースを更新するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫による攻撃から建物及び構造物を保護する分野に関し、より具体的には、地下害虫、特にシロアリに適する餌を備えた罠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シロアリなどの地下害虫の罠の例は、数多く存在し、例えば、文献EP2015159A1、EP3648594A1及びUS2010/043276A1は、地面に沈み、シロアリが材料を食べるときにシロアリの存在を検出できるようにシロアリの口に合う材料で充填されるか、又は上記シロアリを駆除することを目的とした殺虫剤を含む口当たりの良い材料で充填される装置に関する。
【0003】
文献US2007/120690A1には、保護すべき構造物の周囲の地表面上に分配された、電子検出回路を備えた罠箱/餌箱と、上記箱をポーリングする装置とを含む検出システムが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
罠/餌による害虫の活動の検出を改善し、これらの罠/餌の管理を簡素化し、これらの昆虫を駆除するための手順を簡素化するというニーズが存在し、本開示は、害虫の存在が検出された場合に現場介入の遠隔監視及び計画を可能にする検出システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この状況を考慮して、本開示は、より具体的には、害虫検出システムを提案する。この害虫検出システムは、
a、1群の管状箱型の地下餌箱/罠箱であって、箱の下方部分には、昆虫の可食材料を含む少なくとも1つの可食塊のための、第1の部分が設置されたハウジングが設置され、箱には、昆虫による可食塊の消費を検出する装置が設置され、装置に測定用電子機器が設置され、測定用電子機器が、
b、可食塊の両側に位置する2つの第1の板によって形成される第1の測定用コンデンサを含む第1の弛張発振器の第1の周波数を測定し、可食塊が板の間に誘電体材料を形成する装置と、
c、第1のスケジュールに従って第1の周波数の第1の測定を行うように構成されたプロセッサとを含む、地下餌箱/罠箱とみ、
d、少なくとも1つのコンセントレータモジュールであって、1群の箱のうちの箱及びコンセントレータモジュールのそれぞれが、第2のスケジュールに従って第1の測定値を箱からコンセントレータに送信するように構成された第1の無線通信手段を含むコンセントレータモジュールと、
e、少なくとも1つのリモートサーバとを含み、
コンセントレータモジュール及びサーバのそれぞれは、第3のスケジュールに従って第1の測定値をコンセントレータユニットからリモートサーバに送信するように構成された第2の通信手段を含み、リモートサーバには、監視プログラムが設置され、リモートサーバは、少なくとも複数の第1の測定値に基づいて、1群の箱のうちの少なくとも1つの箱の可食塊の密度変動に特有の周波数変化を測定するように構成された計算手段を含み、密度変動により昆虫による可食塊の消費を検出することができる。
【0006】
周期的に実行された測定により、コンセントレータに接続された箱の継続的な監視が可能になり、特に最初に侵入した箱の決定が可能になり、殺虫剤の組成物を含む可食塊を再充填(refill)する必要がある箱の決定が可能になる。
【0007】
組み合わせることができるか又は独立できる実施形態において、
1群の箱のうちの少なくともいくつかの箱には、第1の板の上に配置された第2の板によって作られた第2の測定用コンデンサを含む少なくとも1つの第2の弛張発振器を含む補償回路が設置されてもよく、測定用電子機器及びプロセッサは、第4のスケジュールに従って第2の周波数の第2の測定を実行し、第5のスケジュールに従って第2の測定値をコンセントレータに送信するように構成される。
【0008】
第4のスケジュールは、第1のスケジュールと同じであってもよく、及び/又は、第5のスケジュールは、第2のスケジュールと同じであってもよい。
【0009】
箱には、それぞれ、そのプロセッサの周期的なスリープ段階及びウェイクアップ段階を管理する装置が設置され、プロセッサは、有利に、そのウェイクアップ段階中に、周波数を測定する装置によって周波数測定を実行し、コンセントレータモジュールとの通信の確立及び継続を管理し、測定値をコンセントレータモジュールに送信するように構成される。
【0010】
コンセントレータモジュールは、箱と通信して、各箱から第1の測定値を周期的に受信し、1群の箱のうちの全ての箱からの測定値をコンパイルし、コンパイルされた測定値を監視プログラム及び計算手段が設置されたリモートサーバに送信するように構成されてもよく、計算手段は、各箱について時間の関数としての第1の発振器の周波数の1つ以上の変化を計算して、変化に基づいて少なくとも1つの可食塊に特有の密度変化を検出するように構成されてもよい。
【0011】
本開示は、上述した検出システムによって地表面、特に1つ以上の建物を囲む地表面を保護する方法に更に関する。この方法は、
a、コンセントレータモジュールを設置するステップと、
b、それぞれ昆虫の可食材料の可食塊を含む1群の餌箱/罠箱を表面に設置するステップと、
c、箱のそれぞれに対して実行されるペアリングステップにおいて、1つ以上の箱をコンセントレータとペアリングするステップと、
d、コンセントレータに対して実行されるペアリングステップにおいて、コンセントレータをサーバとペアリングするステップと、
e、構成された箱に傾聴するようにコンセントレータを設定し、スリープ期間の後、箱の測定装置によって実行される周波数測定の値をコンセントレータに周期的に送信するステップと、
f、第3のスケジュールに従って複数の箱の測定値をコンセントレータからリモートサーバに送信するステップと、
g、リモートサーバによって、1群の箱のうちの各箱について時間の関数としての一連の周波数データの変化を計算し、一連のデータにおける変曲点及び/又は傾きの変化を検出することによって、変化に基づいて少なくとも1つの可食塊について罠の内容物の密度変動を評価するステップとを含む。
【0012】
リモートサーバは、マトリックスの消費若しくは土壌の追加又はその両方に似た測定値の変動の検出を介して箱内の昆虫の存在を検出するために、測定データを処理してもよい。
【0013】
この方法は、リモートサーバによって密度変動の変化を計算するステップと、アルゴリズムとを含んでもよく、アルゴリズムは、害虫に対して致死性の組成物を含む餌を少なくとも1つの箱に入れるための介入を引き起こすために、昆虫が少なくとも1つの箱に存在するか否かを変化に基づいて決定するか、又は密度変動に基づいて介入をスケジュールに入れる時点を決定するものである。
【0014】
有利な実施形態において、リモートサーバは、各箱について可食塊の消費速度を決定し、複数の箱についての介入スケジュールを生成するために、測定データを処理してもよい。
【0015】
箱は、箱の測定データに加えて、
a、箱の固有識別子、
b、箱の温度、
c、第1の弛張発振器の周波数測定値、
d、第2の弛張発振器の周波数測定値、及び
e、測定日のうちの少なくとも1つのデータ項目を含むデータフレームを周期的に送信するように構成されてもよい。
【0016】
箱には、可食塊の存在箇所の上に配置された第2の板によって作られた第2の測定用コンデンサを含む少なくとも1つの第2の弛張発振器を含む補償回路が設置され、箱の測定用電子機器及びプロセッサは、第4のスケジュールに従って第2の周波数の第2の測定を実行し、第4のスケジュールに従って第2の測定値をコンセントレータに送信するように構成されてもよく、リモートサーバは、第1の弛張発振器の周波数と第2の弛張発振器の周波数との間の差動周波数の計算を含む計算に基づいて、昆虫による可食塊の消費を評価するように構成される。
【0017】
第1の弛張発振器と第2の弛張発振器との間の差動周波数の計算は、以下のタイプの式であってもよく、
F=(F-S)-[(F-S)×k]
ここで、
-Fは、補償後の差動周波数であり、
-F、Fは、補償回路の測定用コンデンサA及びBで測定された周波数であり、
-S、Sは、コンデンサA及びBの補償オフセットであり、
-kは、罠の構造、材料の選択、コンデンサの板のサイズに依存する補償定数であり、
この計算は、各箱で実行される一連の連続測定に対して実行される。
【0018】
オフセットは、有利に、2つのコンデンサA及びBの無負荷静電容量に対応し、可食塊のない罠を設置する際の装置の初期化ステップ中に測定されるため、F0=S、同様にF0=Sである。
【0019】
リモートサーバは、箱からの測定値を記録し、ニューラルネットワークの深層学習データベースを形成する測定データベースを形成するように構成されてもよい。
【0020】
補完的又は代替的な方法で、リモートサーバは、周波数測定のために深層学習データベースで事前にトレーニングされたニューラルネットワークに基づく人工知能アルゴリズムを使用して可食塊の消費を推定するように構成されてもよい。
【0021】
コンセントレータは、測定データに加えて、
a、コンセントレータの受信レベル(dBm)、
b、コンセントレータモジュールのソフトウェアのバージョン、
c、コンセントレータモジュールからリモートサーバに通信するためのソフトウェアのバージョン、
d、コンセントレータモジュールがペアリングされていることを示す表示、及び
e、テーブルであって、各箱について、
f、箱の固有識別子、
g、箱とコンセントレータとの間の無線信号の受信レベル、
h、箱の電池残量(%)、
i、箱のソフトウェアのバージョン、及び
j、箱がペアリングモードであるか否かを示す1つ以上のデータ項目のうちの少なくとも1つを含むテーブル、
の中から少なくとも1つのデータ項目を含むデータフレームをサーバに送信する。
【0022】
好ましくは、リモートサーバは、受信したデータに基づいてコンセントレータモジュールの通信手段の動作の診断を実行すると共に、箱の電池及び箱の通信装置の診断を実行するように構成される。
【0023】
サーバは、コンセントレータモジュールによって送信された箱からのメッセージを収集するように構成された収集装置を含み、方法は、昆虫の存在が検出されたコンセントレータモジュールに接続された箱の分布を表すマップ及び/又はリスト及び/又はテーブルを生成することを含む処理プロセスと、使用者がマップ、リスト又はテーブルを参照できるように適合するウェブサービス及び/又はモバイルアプリケーションプロセスとを実装するステップを含んでもよい。
【0024】
サーバは、領域内の箱及びコンセントレータモジュールの位置を表す介入データベースを含み、方法は、技術者が箱及びコンセントレータモジュールを監視することによって領域内の箱に対する介入のスケジュールを可食塊の消費の進捗の関数として組織化するためのプロセスを実装するステップを含んでもよい。
【0025】
この方法は、技術者によって、実施された介入を使用して介入データベースを更新するステップを含んでもよい。
【0026】
昆虫が検出されたら、可食塊を、殺虫剤の組成物を含むペレット又は他の可食塊と交換するか又は補充してもよい。本発明に関係する昆虫は、特にシロアリである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点は、以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【0028】
図1】本開示に係る箱の分解図を示す。
図2】本開示に係る箱の電子機器の概略図を示す。
図3】周波数発生器回路の詳細を示す。
図4図1の箱及びこの箱に適合する消耗品の図を示す。
図5】箱の操作手順を概略的に示す。
図6】コンセントレータの簡略図を示す。
図7】害虫検出システムの概略図を示す。
図8】本開示の昆虫検出システムによって害虫の活動を検出するための曲線を示す。
図9】本開示に係る方法のステップの簡略化されたフローチャートを示す。
図10】侵入されていない箱における本開示の昆虫検出システムの検出曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面及び以下の説明には、本発明をよりよく理解するために使用されるだけでなく、必要に応じてその定義を助けることができる要素が含まれる。
【0030】
特に図1に示される害虫検出装置は、地面に設置可能な有孔の管状箱1を含む。
【0031】
この箱は、箱が地中に設置される場合に垂直軸となる長手方向軸Aと、箱が地中に埋め込まれる場合に地面上に載置される上部フランジ15とを含む。この箱は、端部まで垂直スロット16が設置された有孔の管状筐体12を含み、この筐体は、上記フランジを含む箱の開放上部から箱の底部まで長手方向軸Aに沿って延びるハウジングを形成し、このハウジングは、上方部分と下方部分との間でほぼ半分に分割される。
【0032】
一実施形態において、ハウジングは、例えば図4に示すように、上記昆虫の可食材料の可食塊(edible mass)40を、ハウジングの底部に収納される木材又はセルロース系材料のブロックの形態で最初に受け入れるように意図されている。
【0033】
次に、ハウジング11は、上記ブロック及び図4にも示されるリフィル42を受け入れることができ、リフィル42については後述する。
【0034】
可食塊40は、上述したようなブロック41であってもよいが、可食塊は、ペレットの堆積物であってもよい。木材のブロックは、無垢材又はセルロースの混合物であってもよい。無垢材は、例えば、セルロースよりも湿度の影響を受けにくいポプラ(poplar)であってもよい。ブロックの形態の可食塊は、1つ又は2つの部分で円形又は六角形の断面を有する円柱であってもよい。
【0035】
更に図1を参照すると、管状筐体12は、その2つの対向する側面に、側方空洞13、14を形成する二重壁を含む。これらの側方空洞は、二重壁の間の箱の長手方向軸に垂直な一方の横端が開けられ、他方の横端が閉じられ、上記昆虫の活動を検出する電子機器20を収容し、電子機器20の実施形態については後述する。
【0036】
この例に係る箱の管状筐体12は、上記軸Aを横切る平面において六角形の断面を有し、上記二重壁は、上記筐体の直径方向に対向する2つの面に沿って互いに対向して配置される。筐体はまた、側方空洞13、14が形成される2つの平らな面を備えたほぼ楕円形の断面を有してもよい。
【0037】
更に図1を参照すると、上記昆虫の活動を検出する電子機器20は、少なくとも2つの容量性検出電極22、23を含み、これらの電極は、上記昆虫の可食材料のブロック41を受け入れる管状ハウジング11の下方部分の両側の側方空洞13、14内に配置される。
【0038】
図2に概略的に示される検出用電子機器は、例えば図3に示されるような弛張発振器21と、容量性素子として上記容量性検出電極22、23とを備えた第1の周波数発生器回路を含む。第1の周波数発生器回路は、発振周波数検出装置25に接続され、上記弛張発振器21は、第1の発振周波数f1を生成するように構成され、上記発振器の第1の発振周波数f1は、少なくとも部分的に上記可食塊40の密度に依存するため、上記昆虫によるこの可食塊40の消費によって変化する。
【0039】
更に図3に示すように、第1の周波数発生器は、出力が抵抗器R1によって負入力に接続された演算増幅器i1を含み、この負入力によって容量性検出電極22を受け取り、他方の容量性検出電極23は、検出用電子機器の可食塊などの固定電位に接続される。抵抗器R1及び演算増幅器i1は、高さ30mm~60mm、幅20mm~50mm程度、好ましくは50mm×35mm程度であり、50~70mm、好ましくは60mmの間隔を有する検出板を用いて、ハウジング11内にブロック41が存在しない箱が地面から離れて校正されるとき、発生器が10kHz~400kHz程度、好ましくは100kHz±20kHz程度の初期周波数f1=Sを生成するように選択される。
【0040】
電子機器は、温度センサー33を更に含む。
【0041】
この例では、装置は、容量性素子として少なくとも2つの容量性補償電極31、32が設置された、弛張発振器21’を備えた第2の周波数発生器回路を含み、これらの電極は、管状ハウジングの上方部分の両側の箱内に配置される。
【0042】
更に図3の例では、第1の補償板31は、第2の演算増幅器i2の負入力に接続され、第2の補償板32は、検出用電子機器のゼロ電位に接続される。
【0043】
同様に、上記第2の回路の抵抗器R2及び演算増幅器i2は、検出板と同様の高さ、幅及び間隔を有する板を用いて、箱が地面から離れて校正されるとき、補償周波数f2=Sが同様に10kHz~400kHz程度、好ましくは50kHz±20kHz程度である。
【0044】
第1の周波数発生器回路によって発せられた周波数f1は、容量性検出電極22、23の間に配置された可食塊40が昆虫によって消費されるときの密度変動の関数として変わるが、第2の周波数発生器回路によって発せられた周波数f2は、補償電極の間に可食塊が存在しない場合、第1の周波数発生器によって発せられた周波数とは異なるように放出され、例えば補償電極31、32の周囲の地中の湿度と温度の条件に依存するか又は昆虫による土壌の追加に反応し、このように、以下に示すように、任意選択に測定値を改良することができる。
【0045】
プロセッサPは、特に、ランダムアクセスメモリ及び不揮発性メモリと関連する低消費電力マイクロコントローラで構成されてもよく、不揮発性メモリは、例えば、測定を実行するためのプログラムを含むプログラム可能又は再プログラム可能なフラッシュメモリ、EPROM又はEEPROMなどであり、上記メモリは、完全に又は部分的に上記マイクロコントローラに含まれてもよい。
【0046】
マイクロコントローラはまた、それぞれマルチプレクサを介してアナログ/デジタル変換器回路Mに接続されるか又は単一の変換器に接続される演算増幅器21、21’を含んでもよく、上記1つ以上の変換器は、上記第1の周波数発生器回路及び第2の周波数発生器回路によって発生した周波数をデジタル周波数信号データに変換し、上記デジタル周波数信号データを測定するように構成された計算ユニットに接続される。
【0047】
記載されていない実施形態において、演算増幅器i1及びi2はまた、マルチプレクサが先行する単一の演算増幅器によって置き換えられてもよく、マルチプレクサは、上記演算増幅器の出力で周波数測定を交互に実行するために、板22及び31を上記単一の演算増幅器に交互に接続する。
【0048】
この装置は、周囲の電磁ノイズから独立して測定を行うために、第1の弛張発振器21の容量性電極の電位にされる2つの板30a、30bが設置されたアクティブシールドを更に含む。このアクティブシールドは、フォロワとして配線された第3の演算増幅器i3を含み、第3の演算増幅器i3に2つの板30a、30bが接続される。
【0049】
図2に示すように、上記電子機器は、上記プロセッサに統合されてもよいし、統合されなくてもよい通信モジュールCを含み、上記電子機器には、上記デジタルデータを遠隔監視システム8に送信するように構成された無線送受信装置が設置される。電子機器は、少なくとも2~5年の装置の自立性を目指すように、電池が設置された電源装置Aと、電力消費を減少させるために電子機器をディープスタンバイ状態にし、かつ電子機器をウェイクアップ(waking them up、起動)するための装置とを更に含む。
【0050】
更に図1を参照して、この例では、検出用電子機器は、2つのプリント回路基板26、27を更に含み、プリント回路基板26の第1の基板は、上記検出電極22の第1の電極、上記周波数発生器回路21、21’及び上記発振周波数検出装置25を含み、プリント回路基板27の2番目の1つは、フレキシブル回路又は接続線によってプリント回路基板26の最初の1つに接続され、上記容量性検出電極23の第2の電極を含む。
【0051】
示される例では、上記基板26、27のうちの第1の基板は、第1の容量性補償電極を支持し、上記基板のうちの第2の基板は、第2の容量性補償電極を支持する。
【0052】
アクティブシールドプレート30a、30bは、接地面のような多層プリント回路基板の特定の層から製造されてもよい。
【0053】
図1に示すように、上記空洞内に配置された電子機器は、保護コーティング28内に埋め込まれ、このように、ペアリングシーケンスをトリガーするために例えばプロセッサに接続された箱のボタンを押して保持することによって開始されたペアリングシーケンスを表示するために、このプロセッサPによって制御される発光インジケータ29を通過することができる。
【0054】
機械的には、箱1は、ブロック41などの可食塊40をハウジング11の底部に受け入れ、ブロック41は、管状ハウジングに取り外し可能に挿入された引出しフレーム7内に位置決めされる。引出しフレームは、横木71によって分離された2つのハウジング7a及び7bを含むことにより、上記ブロックを受け入れる箱の底部の上方のリフィル42を受け入れるための箱の一部に、昆虫によって食べられるペレット45中に殺虫剤の組成物を含むリフィル42を受け入れることができる。
【0055】
この例では、上記昆虫の可食ブロック41は、均等な六角形の断面を有する円柱状アセンブリを含み、上記断面は、その中心を通る軸B1に垂直であり、円柱状アセンブリは、断面が台形の角柱である2つの無垢材部品411から形成され、可食ブロック41は、上記回転軸に平行な外部溝412を含む。この二部構成により、ブロック全体よりも薄い木材の部品を使用するため、ブロックの製造が簡素化され、コストが削減される。
【0056】
外部溝412は、昆虫がブロックを攻撃できる領域を作り出す。
【0057】
上記ブロックを受け入れる箱の底部の上方の管状ハウジングの部分に受け入れられる、カプセルとも呼ばれるリフィルは、有孔のパッケージ43、44と、上記昆虫によって消費され得るペレット45を含む。
【0058】
引出しフレームは、ブロック41の上方の上部ハウジング7b内にリフィル42を受け入れ、リフィル42とブロック41は、横木71によって分離される。
【0059】
箱は、上部に、管状ハウジングを閉じる取り外し可能なカバー5を有する。カバーは、1つ若しくは2つの可食塊又は1つ若しくは2つのリフィル又はリフィルと可食塊の組み合わせで満たされた引出しを挿入するために取り外され、その後再び取り外されてもよい。
【0060】
この例では、箱の溝に嵌合するタブを備えた4分の1回転型のカバーには、取り外し可能なハンドル6の足61にスナップ嵌合するためのノッチ51が設置される。
【0061】
リフィルは、パッケージ43、44と、上記昆虫によって消費され得るペレット45とを含み、パッケージは、2つの有孔の半殻を含む有孔のパッケージであり、2つの有孔の半殻は、マッチングするスナップ嵌合手段431、441を含むか又はヒンジによって接続され、このように、オペレータは、殺虫剤のペレットを直接的に取り扱うことがなく、この場合、殺虫剤のペレットは、上記パッケージ内に堆積された可食材料の円柱状のペレットである。
【0062】
特に、ペレットは、殺虫剤の組成物を含んでもよいし、含まなくてもよい圧縮されたセルロースチップ又は顆粒で構成される。
【0063】
箱のハウジングに合うために、パッケージ43、44は、上記リフィルの中心長手方向軸B2に垂直な六角形の断面を有する。
【0064】
箱の動作は、図5に示される。検出用電子機器のプロセッサは、スタンバイ段階100を有し、発振器の周波数f1及びf2の測定を実行する(110)ためにこの段階を終了する。測定が実行されると、箱は、ステップ120でこれらの測定値をコンセントレータ8に送信し、その後に受信の通知とスタンバイモードに戻る命令とを受信する(140)。箱は、スタンバイに戻って、スタンバイを箱のプロセッサに予め設定された期間保持する。
【0065】
コンセントレータ8は、図6に概略的に示されており、プロセッサ80、電源81及びメモリ84を含み、メモリ84には、コンセントレータオペレーティングソフトウェアを受信するプログラム可能なメモリ部分と、特に図7に示すサーバ9に送信する前に箱からの測定値とデータを記憶するために使用されるランダムアクセスメモリ部分とが含まれる。コンセントレータは、箱と通信するために、例えば、Wi-FiタイプのサブGHzプロトコルを使用する第1の無線通信モジュール82を含み、そしてサーバ9と通信するために、例えば2G、LTE-M、NB-IOT、4G又は5Gプロトコルを使用して通信手段84が設置されたサーバと通信するように適合する第2の通信モジュール83を含む。
【0066】
昆虫の活動の検出は、主に、検出電極の間に配置された可食塊の消費に基づく。この検出は、各箱について取得された一連の測定値に基づいており、特に、可食塊の密度の減少の画像を形成する可能性が高い箱の第1の発振器の周波数の大幅な変化を求めることによって行われる。
【0067】
木材ブロックタイプの可食塊を用いたシロアリ塚農場での約20日間(D)にわたる試験中の時間の関数としての周波数曲線の例は、図8A図8Cに提供されている。
【0068】
図8Aは、日数Dに対する周波数f1-Sの変化に対応する曲線200を示しており、Sは、初期状態における第1の弛張発振器の周波数であり、f1は、既定の瞬間の第1の発振器の周波数である。
【0069】
図8Bは、日数Dに対する周波数f2-Sの変化に対応する曲線210を示しており、Sは、初期状態における第2の弛張発振器の周波数であり、f2は、既定の瞬間の第2の発振器の周波数である。
【0070】
図8Cは、測定中の箱の電子機器の周囲の温度変化(℃)に対応する曲線220を示す。
【0071】
この例では、図8Aの曲線200において、発振器の周波数の増加の正の傾きを開始する第1の変曲点200aは、昆虫による可食塊の消費の開始を示し、負の傾きを開始する第2の変曲点200bは、可食塊の周囲への土の追加に対応し、土の追加は、昆虫による可食塊の継続的な消費に対応する第2の正の傾きを開始する第3の変曲点200cで終わることが分かる。検出プログラムは、これらの変化を検出し、そこから可食塊を消費する昆虫の存在を推定するように設計される。
【0072】
そして、図8Bは、第2の弛張発振器の周波数変化曲線210において、変曲点210aからの周波数の減少を示しており、この周波数の減少は、補償回路のコンデンサの電極の板31、32の間の空間の充填に対応する。
【0073】
図8Cは、測定期間中、温度が±1℃で安定しており、この場合、検出に影響を及ぼさないことを示している。
【0074】
したがって、時間の経過に伴う第2の発振器の周波数の放出に起こり得る逆の変化は、昆虫による箱での定着及び土壌の追加を示す可能性がある。このような土壌の追加は、昆虫、特にシロアリによって形成されるトンネルの構築又は集合となる可能性がある。
【0075】
一方、図10A及び図10Cは、第1の発振器の電極の周囲に木材ブロックの形態の可食塊を含み、第2の発振器の電極の周囲に可食塊が存在しない、侵入されていない箱の曲線に対応する。この箱は、温度のみが変化する領域に配置され、第1の発振器と第2の発振器の両方で曲線が比較的安定していることが分かる。
【0076】
図10Aの曲線230は、コンデンサの板が可食塊の両側に配置された第1の発振器の周波数f1が48時間窓にわたって平均化された周波数f1-f1mに対応し、温度補償に伴って中央値f1mが減算され、図10Bの曲線240は、48時間窓にわたって平均化された周波数f2に対応し、温度補償の前に中央値f2mが減算され、曲線245は、温度補償後の周波数f2-f2mに対応し、図10Cの曲線250は、6時間にわたって平均された測定中に記録された温度θに対応し、中央温度θが減算される。
【0077】
コンセントレータ8に接続された1群の箱1について、各箱の第1の発振器及び任意選択に第2の発振器で第1のスケジュールに従って例えば1日に数回測定された周波数データに基づいて、これらのデータをコンセントレータに統合し、第2のスケジュールに従って例えば毎日リモートサーバ9に送信することができる。
【0078】
リモートサーバに関しては、各箱から収集された一連のデータにおける変曲点及び周波数変化の傾きを検出するために計算が実行される。
【0079】
これは、例えば、侵入された箱の曲線200に対応するが、更に、1つ以上の箱内に昆虫が存在する確率を計算するために、これらの箱の間でデータの値及び変化の比較も行われる。
【0080】
実際、例えば構造物の周囲に円状に配置された約10個の箱が領域に設置された場合、一般的に、駆除すべき昆虫が存在する場合、箱の一部のみが侵入される。その結果、侵入が既定の方向に発生するため、箱が保護すべき建物を囲んでいる場合、箱の間のデータを比較すると、特定の箱に関して周波数変化を検出することができるが、大部分の箱に関して、データが安定しているか又は地面の湿度と温度の条件に応じて同様に変化することを示す。これにより、例えば1つの箱に対して20%又は30%の周波数偏差などの変化閾値を設定して、既定の期間、例えば1日間又は1週間における他の箱の平均値と比較することによって、昆虫の存在を検出することができる。
【0081】
昆虫の存在の計算では、箱の温度及び/又は湿度などの他のパラメータによる周波数変化を任意選択に補正し、昆虫の存在の検出を改良するために、これらのパラメータを考慮してもよい。
【0082】
図9は、本方法に従って生成されたシステムの動作の簡略化されたフローチャートを示す。
【0083】
箱1は、第1の発振器21の周波数の測定(320)について第1のスケジュールP1に従って時間的に区切られるか又は第2の発振器21’の周波数の測定について第4のスケジュールP4に従って時間的に区切られたスリープサイクル300及びウェイクアップサイクル310を有する。測定が同じウェイクアップ段階中に実行されれば、第1のスケジュールは、第4のスケジュールと等しくてもよいことに留意されたい。次に、第2のスケジュール又は第5のスケジュール325に従って、測定値をコンセントレータ8に送信する(330)。
【0084】
同様に、第2のスケジュールと第5のスケジュールは、同じであってもよく、簡単にするために、測定及び送信の動作に対してP1=P2=P4=P5となるように共通のスケジュールを選択してもよい。測定及び送信のスケジュールは、固定であるか、又はサーバからの指示に従ってコンセントレータからのコマンドに応じて可変であってもよく、例えば、重大な周波数変化が検出された場合に測定スケジュールを増やすことができる。
【0085】
ステップ350では、コンセントレータ8は、箱から全てのデータを受信して記憶して、ステップ355で箱からの測定データをコンパイルしてから、第3のスケジュールP3(360)に従ってこれらの測定データをサーバ9に送信する(365)。送信(365)は、箱の群のうちの全ての箱がそれらの測定値を送信するとすぐに、又はコンパイルされたいくつかのセットの測定値を受信した後に行われてもよく、例えば、箱が1時間ごと又は1日に数回測定値を送信する場合に、送信の回数を制限し、そして携帯電話ネットワーク経由で送信する場合の送信コストを制限するために、コンセントレータには、数日間の測定にわたって記憶されたデータを送信するのに十分な大容量のメモリが設置されてもよい。したがって、データ送信は、メモリ容量とスケジュールによって決定される。
【0086】
サーバレベルでは、測定値を受信した(370)後、計算プログラム380は、第1の発振器21で測定された一連の周波数にわたる周波数変化を計算し、プログラムは、
ステップ390に従って、
-第2の発振器からの補償データを計算し、
又は
-上方部分にも可食塊が存在するとき、第2の発振器21’で検出するために、第1の発振器と同じ方法で第2の発振器21’の周波数変化を計算し、
又は測定された温度に従って発振器の測定値を補償する計算モジュールも含んでもよい。
【0087】
例えば、いくつかの設置場所からの測定値からなりデータベース(410)に入力された一連のデータでトレーニングされたニューラルネットワークに基づく分析プログラム(400)は、昆虫が存在するか否かを検出することができる(420)。少なくとも1つの箱で昆虫が検出された場合、ステップ430で、システムを監視している参加者に、介入を実行する必要があることを通知する。
【0088】
この目的を達成するために、参加者は、例えば、昆虫の存在が検出されたコンセントレータモジュールに接続された箱の分布を表すマップ及び/又はリスト及び/又はテーブルの生成を含むアプリケーションと、使用者が上記マップ、上記リスト又は上記テーブルを参照できるように適合するウェブサービスプロセス及び/又はモバイルアプリケーションとを使用してもよい。
【0089】
したがって、この害虫検出システムは、
a、1群の管状箱型の地下餌箱/罠箱1を含み、箱の下方部分には、上記昆虫の可食材料を含む少なくとも1つの可食塊40を受け入れるハウジング11が設置され、箱には、上記昆虫による上記可食塊の消費を検出する装置が設置され、
i、上記可食塊の両側に位置する2つの第1の板22、23によって形成される第1の測定用コンデンサを含む第1の弛張発振器21の第1の周波数を測定し、上記可食塊が上記板の間に誘電体材料を形成する装置21、22、23と、
ii、第1のスケジュールP1に従って第1の周波数f1の第1の測定(320)を行うように構成されたプロセッサ25とを含む測定用電子機器20が設置される。
【0090】
1群の箱は、コンセントレータモジュール8に接続され、上記1群の箱のうちの箱1及び上記コンセントレータモジュールのそれぞれは、第2のスケジュールP2に従って第1の測定値を上記箱から上記コンセントレータに送信する(330)ように構成された第1の無線通信手段C82を含む。
【0091】
コンセントレータモジュール8は、少なくとも1つのリモートサーバ9に接続され、上記コンセントレータモジュール及び上記サーバのそれぞれは、第3のスケジュールP3に従って上記第1の測定値を上記コンセントレータユニット8からリモートサーバ9に送信するように構成された、4G又は5Gタイプの携帯電話通信モジュールなどの第2の通信手段83、84を含む。
【0092】
リモートサーバには、監視プログラムが設置され、リモートサーバは、少なくとも複数の上記第1の測定値に基づいて、1群の箱のうちの少なくとも1つの箱の可食塊の密度変動に特有の周波数変化を測定するように構成された計算手段380、390を含む。
【0093】
上述した測定原理により、特定の条件下では害虫の存在を直接的に検出することができるが、示される例では、箱には、第2の板31、32によって作られた第2の測定用コンデンサを含む第2の弛張発振器21’が設置される。
【0094】
図2に示すように、次に、上記測定用電子機器20及び上記プロセッサ25は、第4のスケジュールP4に従って第2の周波数の第2の測定を実行し、第5のスケジュールP5に従って第2の測定値を上記コンセントレータに送信するように構成される。
【0095】
図5に示すように、箱1には、それぞれ、そのプロセッサの周期的なスリープ段階及びウェイクアップ段階を管理する装置(100)が設置され、上記プロセッサは、有利に、そのウェイクアップ段階中に、上記周波数を測定する装置によって周波数測定(110)を実行し、コンセントレータモジュールとの通信の確立及び継続を管理し、測定値を上記コンセントレータモジュール8に送信する(120)ように構成される。
【0096】
コンセントレータモジュールは、上記箱と通信して、各箱から上記第1の測定値を周期的に受信し、スケジュールP1、P2、P4、P5、プログラム更新又は他のデータなどのデータを箱に送信し、監視プログラムが設置されたリモートサーバ9に上記測定値を送信するように構成される。
【0097】
サーバの計算手段は、各箱について時間の関数としての第1の発振器の周波数の変化を計算し、収集された周波数データに対して統計的比較を実行して、上記変化に基づいて少なくとも1つの上記可食塊の密度の減少を検出するように構成される。別の可能性又は追加の検出には、補償電極の周囲におそらく湿った土壌を大量に追加することが含まれる可能性があり、この土壌の追加は、駆除すべき昆虫の侵入の兆候である可能性もある。
【0098】
コンセントレータモジュール8は、上記箱1と通信して、各箱から上記第1の測定値を周期的に受信し、1群の箱のうちの全ての箱からの上記測定値をコンパイルし、上記コンパイルされた測定値を上記監視プログラムが設置されたリモートサーバに送信する(365)にように構成されてもよく、上記計算手段は、各箱について時間の関数としての周波数データの変化を計算し、上記変化の統計的比較を実行して、上記変化に基づいて少なくとも1つの上記可食塊の密度の減少、補償電極が使用されている場合にその周囲の密度の異常の増加又は両方の現象の組み合わせを検出するように構成される。
【0099】
本開示は、本開示に係る検出システムによって地表面、特に1つ以上の建物を囲む地表面を保護する方法を更に提供する。この方法は、
a、コンセントレータモジュールを設置するステップと、
b、それぞれ上記昆虫の可食材料の塊(可食塊と呼ばれる)を含む1群の餌箱/罠箱を上記表面に設置するステップと、
c、上記箱のそれぞれに対して実行されるペアリングステップにおいて、上記1つ以上の箱を上記コンセントレータとペアリングするステップと、
d、上記構成された箱に傾聴する(listen)ように上記コンセントレータを設定し、スリープ期間の後、測定装置によって実行される周波数測定の値を上記コンセントレータモジュールに周期的に送信するステップと、
e、第2のスケジュールに従って複数の箱の測定値をコンセントレータに送信し、その後に第3のスケジュールに従って測定値を上記コンセントレータから上記リモートサーバに送信するステップと、
f、リモートサーバによって、複数の測定値に基づいて上記1群の箱のうちの各箱について時間の関数としての周波数の変化を計算し、時間の関数としての周波数データに基づいて変曲点及び/又は傾きの変化を検出することによって上記変化に基づいて少なくとも1つの上記可食塊について罠の内容物の密度変動を評価するステップとを含んでもよい。
【0100】
上記1つ以上の箱は、携帯電話又はタブレット上のアプリケーションを使用して上記コンセントレータとペアリングされる。
【0101】
第1の実施形態において、リモートサーバの検出プログラムは、可食塊の密度変動の変化を監視するように設計され、アルゴリズムは、上記害虫に対して致死性の組成物を含む餌を少なくとも1つの箱に入れるための介入を引き起こすために、上記昆虫が少なくとも1つの箱に存在するか否かをこの変化に基づいて決定するか、又はこの変化に基づいて上記介入をスケジュールに入れる時点を決定するものである。
【0102】
リモートサーバは、各箱について上記可食塊の消費速度を決定し、上記複数の箱についての上記介入スケジュールを生成するために、上記測定データを処理してもよい。
【0103】
箱からコンセントレータに周期的に送信されるデータは、測定データと共に、
a、箱の固有識別子、
b、箱の温度、
c、第1の弛張発振器の周波数測定値、
d、第2の弛張発振器の周波数測定値、及び
e、測定日のうちの少なくとも1つのデータ項目を含んでもよい。
【0104】
昆虫の存在の計算では、箱の温度及び/又は湿度などの他のパラメータを考慮してもよい。
【0105】
必要に応じて、第1の発振器の周波数と第2の発振器の周波数との間の差動周波数を計算してもよく、第1の弛張発振器と第2の弛張発振器との間の差動周波数の計算は、以下のタイプの式であってもよく、
F=(F-S)-[(F-S)×k]
ここで、
-Fは、補償後の差動周波数であり、
-F、Fは、補償回路の測定用コンデンサA及びBで測定された周波数であり、
-S、Sは、コンデンサA及びBの補償オフセットであり、
-kは、罠の構造、材料の選択、コンデンサの板のサイズに依存する補償定数である。
【0106】
この計算は、特に、第2の発振器の電極の間に可食塊が配置されていないときに第2の発振器を使用して補償測定を行う場合に、各箱で実行される一連の連続測定に対して実行されてもよい。
【0107】
オフセットは、2つのコンデンサA及びBの無負荷静電容量に対応してもよく、可食塊のない罠を設置する際の装置の初期化ステップ中に測定されるため、F0=S、同様にF0=Sである。
【0108】
リモートサーバは、箱からの測定値を記録し、ニューラルネットワークの深層学習データベースを形成するこれらのデータに基づく測定データベースを形成するように構成されてもよい。
【0109】
リモートサーバは、周波数測定のために上記深層学習データベースで事前にトレーニングされた上記ニューラルネットワークに基づく人工知能アルゴリズムを使用して可食塊の消費を検出するか又は推定するように構成されてもよい。
【0110】
システムの動作を管理するために、データフレームは、
a、コンセントレータの受信レベル(dBm)、
b、コンセントレータモジュールのソフトウェアのバージョン、
c、コンセントレータモジュールからリモートサーバに通信するためのソフトウェアのバージョン、
d、コンセントレータモジュールがペアリングされていることを示す表示、
e、各箱についてのテーブル、
f、箱の固有識別子、
g、箱の受信レベル(dBm)、
h、箱の電池残量(%)、
i、箱のソフトウェアのバージョン、及び
j、箱がペアリングモードであるか否かを示すデータ項目のうちの少なくとも1つを更に含む。
【0111】
上記リモートサーバは、このように構成される場合に、これらのデータに基づいて、特に、コンセントレータモジュールの通信手段の動作の診断を実行すると共に、箱の電池及び箱の通信装置の診断、並びにシステムの一般的な診断を実行することができる。
【0112】
箱を受け入れる領域のマップ、又はコンセントレータモジュールに接続された箱内の可食塊の消費状態を表すテーブルを生成することを含む処理プロセスを実装して、一部の箱が他の箱よりも多く侵入されるか否かを決定してもよい。この方法はまた、使用者が上記マップ又は上記テーブルを参照できるように適合するウェブサービスプロセスを含んでもよい。
【0113】
サーバは、領域内の箱及びコンセントレータモジュールの位置を表す介入データベースを含み、この方法は、技術者が上記箱及びコンセントレータモジュールを監視することによって上記領域内の上記箱に対する介入のスケジュールを箱の可食塊の消費の進捗の関数として組織化するためのプロセスを実装するステップを含んでもよい。介入が実行されると、オペレータは、1群の箱が設置された領域を監視するために介入データベースを更新することができる。
【0114】
装置の使用に関しては、いくつかの実施形態が可能である。
【0115】
一実施形態では、第2の発生器が第1の周波数発生器からの測定値を補償するために使用され、可食塊がバスケットの下方部分に配置され、バスケットの上方部分にブロック又は可食塊がないままである構成が含まれる。この場合、第2の発振器を使用して、箱内の湿度レベルの変化に応じて第2の発振周波数f2を生成したり、昆虫による箱内の土壌の追加を検出したりすることができる。
【0116】
別の実施形態では、このような構成は、例えば、装置が設置された領域において温度及び湿度の僅かな変化のみが予想される場合に有用であるが、例えば、装置の検出能力を高めるために、第2の可食塊がハウジングの上方部分に配置される。その後に、2つの発生器が可食塊の密度の減少を検出するのに役立ち、昆虫の存在を検出することができる。この構成により、利用可能な可食材料の量が増加し、検出可能な高さが増加する。
【0117】
特定の実施形態では、使用者は、装置が設置されるときに、致死性の可食マトリックス又は致死性の可食カプセルを箱の上部及び底部に配置するオプションを有する。次に、2対の電極は、ハウジングの上方部分と下方部分で何が起こっているかを測定する。この構成では、昆虫が1つ以上のハウジングに侵入するとすぐに、コロニーの中毒が始まる。検出は、箱の上方部分と下方部分で行われ、昆虫が検出されると、オペレータは、設置された箱のうちのどの箱が侵入されたかを把握することができるため、消費されたマトリックス又はカプセルを交換するためにいつ介入する必要があるかを判断することができる。
【0118】
したがって、箱及び関連する検出システムは、柔軟に使用でき、温度又は湿度の条件、又は駆除すべき昆虫コロニーの活動の多寡にかかわらず、状況に適合できる。
【0119】
要約すると、機械的及び電子的な観点から、害虫を検出する装置は、地中に設置でき、長手方向軸Aを有し、上記昆虫の活動を検出するための電子機器20が設置された有孔の管状箱1を含む。
【0120】
この場合、電子機器は、
a、箱の開放した上部から底部まで長手方向軸Aに沿って延びる管状ハウジング11の下方部分の両側に配置された少なくとも2つの第1の容量性検出電極22、23を含み、上記下方部分は、上記箱の底部に位置するハウジングの一部に上記昆虫の可食材料の少なくとも1つの可食塊又はブロック41を受け入れる。
【0121】
このブロックは、場合によっては二部となる固体ブロック、又はカプセルに入ったペレットによって形成されてもよい。
【0122】
電子機器は、弛張発振器21を備えた第1の周波数発生器回路を含み、第1の周波数発生器回路は、容量性素子として上記容量性検出電極22、23を含み、発振周波数検出装置25に接続され、上記弛張発振器21は、第1の発振周波数f1を生成するように構成され、上記発振器の第1の発振周波数f1は、少なくとも部分的に上記ブロック41の密度に依存するため、上記昆虫による上記可食塊40の消費によって変化する。
【0123】
発振周波数検出装置25は、上記第1の周波数発生器で上記周波数の測定を実行するように構成されプログラムされた、アナログ/デジタル変換手段が設置されたマイクロコントローラなどのプロセッサPを含む。
【0124】
特定のバージョンでは、検出用電子機器は、第2の弛張発振器21’を備えた第2の周波数発生器回路を含み、容量性素子として、管状ハウジングの上方部分の両側で箱内に配置された少なくとも2つの第2の容量性補償電極31、32を含み、上記第2の回路は、上記発振周波数検出装置25に接続され、上記罠の環境と、上記昆虫による罠への土の可能な追加とに依存するか又は昆虫による第2の可食塊の消費又はハウジングの上方部分に配置されたリフィルの消費を表す第2の発振周波数f2を生成するように構成される。
【0125】
上で見られたように、この装置は、検出には、必要に応じて可食塊、ブロック、又は殺虫剤を含むか又は含まないセルロースペレットを有するカプセルをハウジングの上方部分に追加することにより、第2の周波数発生器を検出器として使用することも含まれてもよいという点で柔軟である。
【0126】
電子機器回路は、2つのプリント回路基板26、27として組み立てられてもよく、プリント回路基板26のうち第1の基板は、上記第1の容量性検出電極22のうち第1の電極、上記1つ以上の周波数発生器回路21、21’及び上記発振周波数検出装置25を含み、プリント回路基板27のうち第2の基板は、上記第2の容量性検出電極23を含む。
【0127】
上記電極が存在する場合、上記基板26、27のうちの第1の基板は、上記第2の容量性補償電極のうちの第1の電極31を支持し、上記基板のうちの第2の基板は、上記第2の容量性補償電極のうちの第2の電極32を支持する。
【0128】
第1の弛張発振器21及び第2の弛張発振器21’は、少なくとも1つの演算増幅器i1、i2から構成される。
【0129】
この例では、上記プロセッサPは、上記演算増幅器i1、i2と、上記第1の周波数発生器回路及び第2の周波数発生器回路によって発生した周波数をデジタル周波数信号データに変換し、上記デジタル周波数信号データを測定するように構成された計算ユニットに接続されたアナログ/デジタル変換器回路Mとを含むマイクロコントローラであり、上記電子機器は、上記プロセッサに統合されても、されなくてもよい通信モジュールCを含み、上記電子機器には、上記デジタルデータを遠隔監視システム8に送信するように構成された無線送受信装置が設置される。
【0130】
第1の弛張発振器21の容量性電極の電位にされる2つの板30a、30bが設置されたアクティブシールドは、有利に、罠に統合される。
【0131】
有孔の管状箱は、上記管状ハウジング11の周壁を形成し、上記箱の長手方向軸Aの周りに形成され、上記ブロック又は上記可食塊を受け入れる有孔の管状筐体12と、側方空洞13、14を形成し、上記昆虫の活動を検出する上記電子機器20を受け入れ、上記長手方向軸Aに対して上記筐体の正反対に位置し、上記筐体12の側面を覆う二重壁とを含む。
【0132】
管状筐体12は、上記軸Aを横切る平面において六角形の断面を有し、二重壁は、上記筐体の直径方向に対向する2つの面に沿って互いに対向するように配置される。
【0133】
好ましくは、上記空洞内に配置された上記電子機器は、それらを昆虫及び湿気から保護する保護コーティング28内に埋め込まれる。
【0134】
この装置はまた、最も一般的な使用例では、初期に下方部分にブロック41を、上方部分にリフィルを受け入れるように意図された引出しフレーム7を含んでもよく、引出しフレームは、管状ハウジングに取り外し可能に挿入される。引出しフレームを充填するための他の構成も考えられ、例えば、特に侵入が特徴的である場合、引出しフレームに殺虫剤の組成物を含む2つのリフィル42が嵌合されるか又は引出しフレームが嵌合される。
【0135】
上記昆虫の可食ブロック41は、均等な六角形の断面を有する円柱状アセンブリを含み、上記断面は、その中心を通る軸B1に垂直であり、円柱状アセンブリは、断面が台形の角柱である2つの無垢材部品411から形成され、可食ブロック41は、上記回転軸に平行な外部溝412を含む。
【0136】
管状ハウジングは、上記ブロックを受け入れる箱の底部の上方に、有孔のパッケージ43、44と、上記昆虫によって消費され得るペレット45とを含むリフィル42を受け入れる部分を含む。
【0137】
上記引出しフレーム7は、横木71によって分離された、上記ブロック41を受け入れるハウジングと、上記リフィル42を受け入れるハウジングとを含んでもよい。
【0138】
箱は、上部に、管状ハウジングを閉じるための取り外し可能なハンドル6の足61にスナップ嵌合するためのノッチ51が設置されたカバー5を含んでもよい。
【0139】
リフィルは、上記昆虫によって消費され得るペレットを受け入れる有孔のパッケージ43、44を含んでもよい。パッケージは、マッチングするスナップ嵌合手段431、441を含むか又はヒンジによって接続された2つの有孔の半殻を含んでもよい。
【0140】
上記ペレット45は、上記パッケージ内に堆積された可食材料の円柱状のペレットであってもよい。
【0141】
この例では、上記パッケージ43、44は、上記リフィルの中心長手方向軸B2に垂直な六角形の断面を有する。ペレット45は、殺虫剤の組成物を含む。
【0142】
本発明は、単に一例として上述した例に限定されるものではなく、意図する保護の範囲内で当業者が考え得る全ての代替的な実施形態を包含する。例えば、箱のハウジングの周囲の単一の対向壁の開口部16は、図示のように細長い開口部であってもよいが、これらの壁のかなりの部分を覆う丸い穴であってもよく、カバーは、4分の1回転型の固定カバーではなく、ねじ込み式カバーであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a、1群の管状箱型の地下餌箱/罠箱であって、箱の下方部分には、昆虫の可食材料を含む少なくとも1つの可食塊(40)のための、第1の部分が設置されたハウジング(11)が設置され、箱には、前記昆虫による前記可食塊の消費を検出する装置が設置され、
i、前記可食塊(40)の両側に位置する2つの第1の板(22、23)によって形成される第1の測定用コンデンサを含む第1の弛張発振器(21)の第1の周波数(f1)を測定し、前記可食塊が前記板(22、23)の間に誘電体材料を形成する装置と、
ii、第1のスケジュールに従って前記第1の周波数の第1の測定を行うように構成されたプロセッサ(25)とを含む測定用電子機器(20)が設置される、地下餌箱/罠箱と、
b、少なくとも1つのコンセントレータモジュールであって、前記1群の箱のうちの箱及び前記コンセントレータモジュールのそれぞれが、第2のスケジュールに従って第1の測定値を前記箱から前記コンセントレータに送信するように構成された第1の無線通信手段(C)を含むコンセントレータモジュールと、
c、少なくとも1つのリモートサーバ(9)とを含み、
前記コンセントレータモジュール(8)及び前記サーバ(9)のそれぞれは、第3のスケジュールに従って前記第1の測定値を前記コンセントレータユニットから前記リモートサーバに送信するように構成された第2の通信手段(83、84)を含み、前記リモートサーバには、監視プログラムが設置され、前記リモートサーバは、少なくとも複数の前記第1の測定値に基づいて、前記1群の箱のうちの少なくとも1つの箱の前記可食塊の密度変動に特有の周波数変化を測定するように構成された計算手段を含み、前記密度変動により前記昆虫による前記可食塊の消費を検出することができる、害虫検出システム。
【請求項2】
前記1群の箱のうちの少なくともいくつかの箱には、前記第1の板の上に配置された第2の板(31、32)によって作られた第2の測定用コンデンサを含む少なくとも1つの第2の弛張発振器(21’)を含む補償回路が設置され、前記測定用電子機器及び前記プロセッサは、第4のスケジュールに従って第2の周波数の第2の測定を実行し、第5のスケジュールに従って第2の測定値を前記コンセントレータに送信するように構成される、請求項1に記載の害虫検出システム。
【請求項3】
前記第4のスケジュールは、前記第1のスケジュールと同じであり、及び/又は、前記第5のスケジュールは、前記第2のスケジュールと同じである、請求項2に記載の害虫検出システム。
【請求項4】
前記箱には、それぞれ、そのプロセッサの周期的なスリープ段階及びウェイクアップ段階を管理する装置が設置され、前記プロセッサは、そのウェイクアップ段階中に、前記周波数を測定する装置によって周波数測定を実行し、前記コンセントレータモジュールとの通信の確立及び継続を管理し、測定値を前記コンセントレータモジュールに送信するように構成され、前記コンセントレータモジュールは、前記箱と通信して、各箱から前記第1の測定値を周期的に受信し、前記1群の箱のうちの全ての箱からの前記測定値をコンパイルし、前記コンパイルされた測定値を前記監視プログラム及び前記計算手段が設置された前記リモートサーバに送信するように構成され、前記計算手段は、前記各箱について時間の関数としての前記第1の発振器の周波数の1つ以上の変化を計算して、前記変化に基づいて少なくとも1つの前記可食塊に特有の密度変化を検出するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の害虫検出システム。
【請求項5】
請求項1に記載の検出システムによって地表面、特に1つ以上の建物を囲む地表面を保護する方法であって、
a、コンセントレータモジュール(8)を設置するステップと、
b、それぞれ前記昆虫の可食材料の可食塊(40)を含む1群の餌箱/罠箱(1)を表面に設置するステップと、
c、前記コンセントレータに対して実行されるペアリングステップにおいて、前記コンセントレータ(8)を前記サーバとペアリングするステップと、
d、前記箱のそれぞれに対して実行されるペアリングステップにおいて、前記1つ以上の箱(1)を前記コンセントレータ(8)とペアリングするステップと、
e、構成された箱に傾聴するように前記コンセントレータを設定し、スリープ期間の後、前記箱(1)の測定装置によって実行される前記周波数測定の値を前記コンセントレータ(8)に周期的に送信するステップと、
f、前記第3のスケジュールに従って複数の箱の測定値を前記コンセントレータ(8)から前記リモートサーバ(9)に送信するステップと、
g、前記リモートサーバ(9)によって、前記1群の箱のうちの各箱について時間の関数としての一連の周波数データの変化を計算し、前記一連のデータにおける変曲点及び/又は傾きの変化を検出することによって、前記変化に基づいて少なくとも1つの前記可食塊について罠の内容物の密度変動を評価するステップとを含む、方法。
【請求項6】
前記リモートサーバは、マトリックスの消費若しくは土壌の追加又はその両方に似た測定値の変動の検出を介して箱内の前記昆虫の存在を検出するために、測定データを処理する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記リモートサーバによって前記密度変動の変化を計算するステップと、アルゴリズムによって、害虫に対して致死性の組成物を含む餌を前記少なくとも1つの箱に入れるための介入を引き起こすために、前記昆虫が少なくとも1つの箱に存在するか否かを前記変化に基づいて決定するか、又は前記密度変動に基づいて前記介入をスケジュールに入れる時点を決定するステップとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記リモートサーバは、各箱について前記可食塊の消費速度を決定し、前記複数の箱についての介入スケジュールを生成するために、測定データを処理する、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記箱は、前記箱の測定データに加えて、
i、前記箱の固有識別子、
ii、前記箱の温度、
iii、前記第1の弛張発振器の周波数測定値、
iv、前記第2の弛張発振器の周波数測定値、及び
v、測定日のうちの少なくとも1つのデータ項目を含むデータフレームを周期的に送信するように構成される、請求項5~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記箱には、前記可食塊(40)の存在箇所の上に配置された第2の板(31、32)によって作られた第2の測定用コンデンサを含む少なくとも1つの第2の弛張発振器を含む補償回路が設置され、前記箱の測定用電子機器及びプロセッサは、第4のスケジュールに従って第2の周波数の第2の測定を実行し、前記第4のスケジュールに従って第2の測定値を前記コンセントレータに送信するように構成され、前記リモートサーバは、前記第1の弛張発振器の周波数と前記第2の弛張発振器の周波数との間の差動周波数の計算を含む計算に基づいて、前記昆虫による前記可食塊の消費を評価するように構成される、請求項5~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の弛張発振器と前記第2の弛張発振器との間の差動周波数の計算は、以下のタイプの式であり、
F=(F-S)-[(F-S)×k]
ここで、
-Fは、補償後の差動周波数であり、
-F、Fは、前記補償回路の測定用コンデンサA及びBで測定された周波数であり、
-S、Sは、前記コンデンサA及びBの補償オフセットであり、
-kは、前記罠の構造、材料の選択及びコンデンサの板のサイズに依存する補償定数であり、
この計算は、前記各箱で実行される一連の連続測定に対して実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
オフセットは、2つの前記コンデンサA及びBの無負荷静電容量に対応し、可食塊のない罠を設置する際の装置の初期化ステップ中に測定されるため、F0=Sであり、同様にF0=Sである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リモートサーバは、前記箱からの測定値を記録し、ニューラルネットワークの深層学習データベースを形成する測定データベースを形成するように構成される、請求項5~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記リモートサーバは、前記周波数測定のために前記深層学習データベースで事前にトレーニングされた前記ニューラルネットワークに基づく人工知能アルゴリズムを使用して前記可食塊の消費を推定するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンセントレータは、前記測定データに加えて、
a、前記コンセントレータの受信レベル(dBm)、
b、前記コンセントレータモジュールのソフトウェアのバージョン、
c、前記コンセントレータモジュールから前記リモートサーバに通信するためのソフトウェアのバージョン、
d、前記コンセントレータモジュールがペアリングされていることを示す表示、及び
e、テーブルであって、前記各箱について、
i、前記箱の固有識別子、
ii、前記箱と前記コンセントレータとの間の無線信号の受信レベル、
iii、前記箱の電池残量(%)、
iv、前記箱のソフトウェアのバージョン、及び
v、前記箱がペアリングモードであるか否かを示す1つ以上のデータ項目のうちの少なくとも1つを含むテーブル、
の中から少なくとも1つのデータ項目を含むデータフレームを前記サーバに送信し、
前記リモートサーバは、受信したデータに基づいて前記コンセントレータモジュールの通信手段の動作の診断を実行すると共に、前記箱の電池及び前記箱の通信装置の診断を実行するように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記サーバは、前記コンセントレータモジュールによって送信された前記箱からのメッセージを収集するように構成された収集装置を含み、前記方法は、前記昆虫の存在が検出されたコンセントレータモジュールに接続された箱の分布を表すマップ及び/又はリスト及び/又はテーブルを生成することを含む処理プロセスと、使用者が前記マップ、前記リスト又は前記テーブルを参照できるように適合するウェブサービス及び/又はモバイルアプリケーションプロセスとを実装するステップを含む、請求項5~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記サーバは、領域内の箱及びコンセントレータモジュールの位置を表す介入データベースを含み、前記方法は、技術者が前記箱及びコンセントレータモジュールを監視することによって前記領域内の前記箱に対する介入のスケジュールを前記可食塊の消費の進捗の関数として組織化するためのプロセスを実装するステップを含む、請求項5~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
技術者が実施された介入を使用して介入データベースを更新するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【外国語明細書】