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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023743
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】美容液
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/98 20060101AFI20250207BHJP
   A61K 8/96 20060101ALI20250207BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20250207BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20250207BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20250207BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250207BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
A61K8/98
A61K8/96
A61K8/9789
A61K8/34
A61K8/33
A61Q19/00
A61K8/67
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128146
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】523158309
【氏名又は名称】RP三協株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】赤松 賢介
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA021
4C083AA022
4C083AA071
4C083AA072
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC171
4C083AC172
4C083AD631
4C083AD632
4C083CC31
4C083CC37
4C083DD23
4C083EE22
4C083EE23
(57)【要約】
【課題】頭皮を改善する効果に優れる美容液を提供する。
【解決手段】頭皮を改善するための美容液は、羊プラセンタエキスに他の物質を配合させて得られる液体である羊胎盤抽出液、フムスエキス、オタネニンジン根エキス、センブリエキスおよびナイアシンアミドを含有する。また、羊胎盤抽出液は、羊プラセンタエキスに、水と、1,2-ヘキサンジオールと、フェノキシエタノールとを配合させて得られる液体でもよい。また、羊胎盤抽出液の含有量は、20質量%以上45質量%未満であり、フムスエキスの含有量は、1質量%以上2質量%未満であり、オタネニンジン根エキスの含有量は、0.3質量%以上1質量%未満であり、センブリエキスの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であり、ナイアシンアミドの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満でもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮を改善するための美容液であって、
羊プラセンタエキスに他の物質を配合させて得られる液体である羊胎盤抽出液、フムスエキス、オタネニンジン根エキス、センブリエキスおよびナイアシンアミドを含有する
ことを特徴とする美容液。
【請求項2】
前記羊胎盤抽出液は、前記羊プラセンタエキスに、水と、1,2-ヘキサンジオールと、フェノキシエタノールとを配合させて得られる液体である
ことを特徴とする請求項1記載の美容液。
【請求項3】
前記羊胎盤抽出液の含有量は、20質量%以上45質量%未満であり、
前記フムスエキスの含有量は、1質量%以上2質量%未満であり、
前記オタネニンジン根エキスの含有量は、0.3質量%以上1質量%未満であり、
前記センブリエキスの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であり、
前記ナイアシンアミドの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の美容液。
【請求項4】
前記羊胎盤抽出液中の前記羊プラセンタエキスの含有量は、1質量%以上3質量%以下である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の美容液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮を改善するための美容液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラセンタエキスを含有する基礎化粧品が利用されてきた。ここで、プラセンタエキスとは、動物の胎盤(プラセンタ)に含まれる成分を所定液体(水やアルコールやエーテル)に浸して抽出し濃縮したものを意味する。例えば、引用文献1には、プラセンタエキスを含有し、肌のたるみやくすみを抑えるための美容クリームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-120717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、肌の美容だけでなく、頭皮改善を目的としてプラセンタエキスを利用する基礎化粧品も知られている。しかし、より効果的に頭皮を改善できる美容液が求められている。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、頭皮を改善する効果に優れる美容液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る美容液は、頭皮を改善するための美容液であって、羊プラセンタエキスに他の物質を配合させて得られる液体である羊胎盤抽出液、フムスエキス、オタネニンジン根エキス、センブリエキスおよびナイアシンアミドを含有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一実施形態に係る美容液は、前記羊胎盤抽出液が、前記羊プラセンタエキスに、水と、1,2-ヘキサンジオールと、フェノキシエタノールとを配合させて得られる液体であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る美容液は、前記羊胎盤抽出液の含有量が、20質量%以上45質量%未満であり、前記フムスエキスの含有量が、1質量%以上2質量%未満であり、前記オタネニンジン根エキスの含有量が、0.3質量%以上1質量%未満であり、前記センブリエキスの含有量が、0.1質量%以上0.5質量%未満であり、前記ナイアシンアミドの含有量が、0.1質量%以上0.5質量%未満であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る美容液は、前記羊胎盤抽出液中の前記羊プラセンタエキスの含有量が、1質量%以上3質量%以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、頭皮を改善する効果に優れる美容液を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る美容液の例について説明する。なお、以下で説明する各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で組み合わせることができる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る美容液(頭皮改善美容液)は、頭皮を改善するための液状の基礎化粧品である。
【0013】
ここで、頭皮を改善するとは、頭皮の状態を良い方へと変えることを意味する。頭皮の改善の例には、フケや抜け毛の発生を抑制することがある。
【0014】
頭皮改善美容液は、羊プラセンタエキスに他の物質を配合させて得られる液体である羊胎盤抽出液、フムスエキス、オタネニンジン根エキス、センブリエキスおよびナイアシンアミドを含有する。
【0015】
ここで、羊プラセンタエキスとは、羊の胎盤(プラセンタ)に含まれる成分を所定液体に浸して抽出し濃縮したものを意味する。所定液体は、羊の胎盤に含まれる成分を浸して当該成分を抽出できる溶媒であれば特に限定されない。溶媒の例には、水やアルコールやエーテルがある。
【0016】
また、羊胎盤抽出液は、羊プラセンタエキスを含有していれば特に限定されないが、羊プラセンタエキスに、水と、1,2-ヘキサンジオールと、フェノキシエタノールとを配合させて得られる液体が好ましい。ここで、フムスエキスとは、植物や海洋性生物が堆積した腐植土の成分から抽出し濃縮したものを意味する。フムスエキスは、フルボ酸やミネラルやアミノ酸を含む。また、オタネニンジン根エキスとは、オタネニンジンの根に含まれる成分を抽出し濃縮したものを意味する。オタネニンジン根エキスは、高麗人参とも呼ばれる。オタネニンジン根エキスは、代謝促進作用や血行促進作用を有し、脱毛やフケの発生を抑制する効果を有する。また、センブリエキスとは、センブリに含まれる成分を抽出し濃縮したものを意味する。センブリエキスは、末梢血管拡張作用や発毛促進作用を有する。また、ナイアシンアミドとは、ビタミンB複合体の一つであるナイアシンの誘導体を意味する。ナイアシンアミドは、一過性の皮膚温上昇や発汗が発生する末梢血管拡張作用を有する。
【0017】
また、頭皮改善美容液中の各成分の含有量は特に限定されないが、羊胎盤抽出液の含有量は、20質量%以上45質量%未満であり、フムスエキスの含有量は、1質量%以上2質量%未満であり、オタネニンジン根エキスの含有量は、0.3質量%以上1質量%未満であり、センブリエキスの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であり、ナイアシンアミドの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であることが好ましい。
【0018】
また、羊胎盤抽出液中の羊プラセンタエキスの含有量は特に限定されないが、1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
【0019】
また、上述した成分以外の頭皮改善美容液が含有する他の成分は、生理学的及び/又は薬学的に許容できるものであれば特に限定されない。他の成分の例には、水、エタノール、DPG(ジプロピレングリコール)、グリチルリチン酸2K、ベタイン、イノシトール、タウリン、リシンHCl、グルタミン酸、グリシン、ロイシン、ヒスチジンHCl、セリン、バリン、アスパラギン酸Na、トレオニン、アラニン、イソロイシン、アラントイン、フェニルアラニン、アルギニン、プロリン、チロシン、イノシン酸2Na、グアニル酸2Na、パンテノール、マンダリンオレンジ果皮エキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、カミツレ花エキス、トウキンセンカ花エキス、フユボダイジュ花エキス、ヤグルマギク花エキス、ローマカミツレ花エキス、メントール、クエン酸Na、PEG-60水添ヒマシ油、BG(ブチレングリコール)、カプリリルグリコール、香料(例えば、GREEN TEAのもの)のうち少なくとも1つがある。
【0020】
ここで、エタノールは、溶媒であり、清涼感付与や殺菌といった効果を有する。DPGは、保湿作用を有する物質である。グリチルリチン酸2Kは、抗炎症効果を有する物質である。ベタインは、甜菜由来のアミノ酸系物質であり、皮膚に柔軟性と弾力性を与える効果を有する。イノシトールは、ビタミンB群の一種であり、脱毛予防効果を有する。タウリンは、含硫アミノ酸から合成され、生体内で重要な役割を果たす分子である。リシンHClは、NMF(天然保湿因子)に含まれるアミノ酸の一種であり、皮膚に柔軟性と弾力性を与える効果を有する。グルタミン酸は、生体内代謝において重要な役割を果たすアミノ酸である。グリシンは、アミノ酸の一種である。ロイシンは、タンパク質合成の素材として使われる必須アミノ酸の一種であり、スキンコンディショニング作用を有する。ヒスチジンHClは、アミノ酸の一種であり、保湿効果を有する。セリンは、NMF中に遊離アミノ酸として含まれる物質であり、高い保湿効果を有し、皮膚に柔軟性と弾力性を与える物質である。バリンは、人体の栄養上必要なアミノ酸であり、保湿効果を有する。アスパラギン酸Naは、非必須アミノ酸であり、生体の新陳代謝に有効で成長促進および細胞賦活作用を有する。トレオニンは、必須アミノ酸であり、保湿効果を有する。アラニンは、NMFを構成するアミノ酸の一種であり、保湿効果を有する。イソロイシンは、成長に欠かせないアミノ酸であって生体内でタンパク質合成の素材として使われる物質であり、保湿効果を有する。アラントインは、抗炎症作用や抗刺激作用や細胞増殖作用による創傷治癒効果を有する物質である。フェニルアラニンは、必須アミノ酸の一種であってタンパク質生成の原料として栄養や成長に必要な物質であり、保湿効果を有する。アルギニンは、非必須アミノ酸であり保湿効果を有する。プロリンは、タンパク質に含まれるアミノ酸であり、保湿効果を有する。チロシンは、副腎髄質ホルモンであるアドレナリンを精製するアミノ酸であり、保湿効果を有する。イノシン酸2Naおよびグアニル酸2Naは、核酸の構成成分であるヌクレオチドの一種である。パンテノールは、ビタミンB群の一つであり、プロビタミンB5とも呼ばれ、養毛や育毛やかゆみ防止や脱毛防止の効果を有する。マンダリンオレンジ果皮エキスは、血行改善や抗炎症の作用を有するエキスである。セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキスは、収斂作用や消炎効果や日焼け予防効果やコラーゲン産生促進作用を有するエキスである。カミツレ花エキスは、保湿効果や消炎作用や収斂作用や血行促進作用を有するエキスである。トウキンセンカ花エキスは、消炎作用や鎮痛作用を有するエキスである。フユボダイジュ花エキスは、収斂作用や保湿効果や血行促進作用を有するエキスである。ヤグルマギク花エキスは、消炎作用や皮膚を保護する作用や収斂作用を有するエキスである。ローマカミツレ花エキスは、抗炎症作用や皮膚代謝促進作用や抗菌作用を有するエキスである。メントールは、血行促進作用や抗炎症作用や血管拡張を有する物質である。クエン酸Naは、pH調整作用を有する物質である。PEG-60水添ヒマシ油は、可溶化剤として用いられる物質である。BG(ブチレングリコール)は、保湿効果を有する物質である。カプリリルグリコールは、防腐効果や保湿効果を有する物質である。
【0021】
また、頭皮改善美容液におけるパラベン(防腐剤)の含有有無は特に限定されないが、頭皮改善美容液はパラベンを含有しないこと(パラベンフリー)が好ましい。
【0022】
また、頭皮改善美容液におけるキャリーオーバー成分(微量で成分効果を発揮することがないために添加物表示が免除された成分)の含有有無は特に限定されないが、頭皮改善美容液はキャリーオーバー成分を含有しないことが好ましい。
【0023】
以上に説明したように、本発明に係る頭皮改善美容液は、頭皮を改善するための美容液であって、羊プラセンタエキスに他の物質を配合させて得られる液体である羊胎盤抽出液、フムスエキス、オタネニンジン根エキス、センブリエキスおよびナイアシンアミドを含有するため、頭皮を改善する効果に優れる美容液を提供することができる。
【0024】
すなわち、頭皮改善が認められるプラセンタエキスに、脱毛やフケの発生を抑制する効果を有するオタネニンジン根エキス等を混ぜることで、より頭皮改善効果に優れる美容液を提供することができる。
【0025】
また、本実施形態の例では、羊胎盤抽出液は、羊プラセンタエキスに、水と、1,2-ヘキサンジオールと、フェノキシエタノールとを配合させて得られる液体であるため、これらの物質以外の物質を羊プラセンタエキスに配合させて得られた液体と比較して、頭皮を改善する効果により優れる美容液を提供することができる。
【0026】
また、本実施形態の例では、羊胎盤抽出液の含有量は、20質量%以上45質量%未満であり、フムスエキスの含有量は、1質量%以上2質量%未満であり、オタネニンジン根エキスの含有量は、0.3質量%以上1質量%未満であり、センブリエキスの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であり、ナイアシンアミドの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であるため、各成分の含有量が上記と異なる美容液と比較して、頭皮を改善する効果により優れる美容液を提供することができる。
【0027】
また、本実施形態の例では、羊胎盤抽出液中の羊プラセンタエキスの含有量は、1質量%以上3質量%以下であるため、各成分の含有量が上記と異なる美容液と比較して、頭皮を改善する効果により優れる美容液を提供することができる。
【0028】
なお、上述した実施形態では美容液について説明したが、美容液とは異なる態様で羊プラセンタエキスを利用してもよい。美容液とは異なる態様の例には、エッセンス、ヘアシャンプー、ヘアリンス、コンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアローション、スタイリング剤、ヘアスプレー、育毛剤、養毛剤、化粧液、乳液、クリーム、リニメント剤がある。例えば、スプレー缶を用いて頭皮改善美容液に圧力をかけ、頭皮改善美容液を霧状に噴出させて頭皮に吹きつけることで、頭皮におけるフケや抜け毛の発生を抑制したり、頭皮における毛穴の状態が改善されることによって毛髪を増加させたりすることができる。
【0029】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【0030】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
頭皮を改善するための美容液であって、
羊プラセンタエキスに他の物質を配合させて得られる液体である羊胎盤抽出液、フムスエキス、オタネニンジン根エキス、センブリエキスおよびナイアシンアミドを含有する
ことを特徴とする美容液。
[2]
前記羊胎盤抽出液は、前記羊プラセンタエキスに、水と、1,2-ヘキサンジオールと、フェノキシエタノールとを配合させて得られる液体である
ことを特徴とする[1]記載の美容液。
[3]
前記羊胎盤抽出液の含有量は、20質量%以上45質量%未満であり、
前記フムスエキスの含有量は、1質量%以上2質量%未満であり、
前記オタネニンジン根エキスの含有量は、0.3質量%以上1質量%未満であり、
前記センブリエキスの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満であり、
前記ナイアシンアミドの含有量は、0.1質量%以上0.5質量%未満である
ことを特徴とする[1]又は[2]記載の美容液。
[4]
前記羊胎盤抽出液中の前記羊プラセンタエキスの含有量は、1質量%以上3質量%以下である
ことを特徴とする[1]から[3]のうち何れかに記載の美容液。