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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023832
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】貨物ハッチ
(51)【国際特許分類】
   B63B 19/26 20060101AFI20250207BHJP
   B63B 25/02 20060101ALI20250207BHJP
   B63B 19/18 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
B63B19/26 B
B63B25/02
B63B19/18 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024123567
(22)【出願日】2024-07-30
(31)【優先権主張番号】23390001.8
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】524287347
【氏名又は名称】レミソーラー コーポレート マネジメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリス, フィリッポス
(72)【発明者】
【氏名】ソロモニデス, ディミトリス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、ばら積み貨物船又は他の船舶上において、貨物倉へのアクセスを可能にするために使用される貨物ハッチに関する。
【解決手段】貨物ハッチは、貨物倉にアクセスすることができるハッチ開口部を囲むハッチコーミング上に載った1つ又は複数のハッチカバーを含む。外部環境から貨物倉への水の浸入を防ぐために、多くの場合、ハッチカバーとハッチコーミングとの間にシールが提供される。シールは、劣化しやすい場合がある。本開示は、ハッチ開口部を囲むハッチコーミングと、ハッチカバーであって、ハッチカバーがハッチ開口部を可逆的に閉じるように、ハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成されたハッチカバーとを含む、ばら積み貨物船の貨物ハッチであって、使用時にハッチコーミングとハッチカバーとの間にそれぞれの且つ別個のシールを提供するように構成された2つのシーリングシステムを含む貨物ハッチを提案する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら積み貨物船の貨物ハッチであって、
ハッチ開口部を囲むハッチコーミングと、
ハッチカバーであって、前記ハッチカバーが前記ハッチ開口部の少なくとも一部を可逆的に閉じるように、前記ハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成されたハッチカバーと、
ガスケットと圧縮バーとを含む第1のシーリングシステムであって、使用時に前記ハッチコーミングと前記ハッチカバーとの間にシールを提供するように構成された第1のシーリングシステムと、
拡張可能なシールを含む第2のシーリングシステムであって、使用時に前記ハッチコーミングと前記ハッチカバーとの間にシールを提供するように構成された第2のシーリングシステムと
を含む貨物ハッチ。
【請求項2】
前記拡張可能なシールは、可逆的に拡張可能なシールである、請求項1に記載の貨物ハッチ。
【請求項3】
前記拡張可能なシールは、膨張可能なシールである、請求項1又は2に記載の貨物ハッチ。
【請求項4】
前記ハッチコーミングは、側面を含み、前記拡張可能なシールは、前記側面上に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の貨物ハッチ。
【請求項5】
前記側面は、前記ハッチ開口部から離れて面する外側側面である、請求項4に記載の貨物ハッチ。
【請求項6】
前記ハッチカバーは、使用時に前記ハッチコーミングと重なるように、前記ハッチカバーの底面から前記ハッチ開口部に向かって延びるスカートを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の貨物ハッチ。
【請求項7】
使用時、前記スカートは、前記ハッチコーミングの外側に配置される、請求項6に記載の貨物ハッチ。
【請求項8】
前記第2のシーリングシステムは、前記スカートを含み、それにより、拡張状態において、前記拡張可能なシールは、前記スカートに当接して、前記ハッチコーミングと前記ハッチカバーとの間にシールを提供する、請求項6又は7に記載の貨物ハッチ。
【請求項9】
前記ハッチカバーは、前記ハッチカバーが前記ハッチ開口部全体を可逆的に閉じるように、前記ハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の貨物ハッチ。
【請求項10】
前記ハッチカバーは、前記ハッチ開口部が前記ハッチカバーによって覆われるカバー位置と、前記ハッチ開口部が覆われない開放位置との間において、前記ばら積み貨物船の中心線と実質的に平行な方向に移動可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載の貨物ハッチ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の1つ又は複数の貨物ハッチを含むばら積み貨物船。
【請求項12】
ばら積み貨物船の貨物ハッチを閉じる方法であって、
前記貨物ハッチのハッチコーミング上にハッチカバーを取り外し可能に配置するステップと、
ガスケットと圧縮バーとを含む第1のシーリングシステムを用いて、前記ハッチコーミングと前記ハッチカバーとの間に第1のシールを提供するステップと、
拡張可能なシールを含む第2のシーリングシステムを提供するステップと、
前記ハッチコーミングと前記ハッチカバーとの間に第2のシールが提供されるように、前記拡張可能なシールを拡張させるステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記貨物ハッチの前記ハッチコーミング上に前記ハッチカバーを取り外し可能に配置する前記ステップは、前記ハッチカバーを、前記ばら積み貨物船の中心線と実質的に平行な方向においてハッチ開口部の上で移動させるステップと、前記ハッチカバーが前記ハッチコーミング上に配置されるように前記ハッチカバーを下げるステップとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のシールが除去されるように、前記拡張可能なシールを収縮させるステップ、
前記ハッチコーミングにアクセスすることができるように、前記ハッチカバーを前記ハッチコーミングから離れて移動させるステップ
を含む、請求項12又は13に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物ハッチに関し、特に、限定されないが、ばら積み貨物船の貨物ハッチに関する。
【背景技術】
【0002】
ばら積み貨物船は、石炭、セメント、鉱石及び穀物など、ばら積み貨物と呼ばれる貨物を輸送する商船である。一般的に、ばら積み貨物は、梱包又は追加の容器を用いずにばら積み貨物船の船倉に直接積み込まれるが、ばら積み貨物船は、他の貨物(例えば、梱包された貨物)の輸送にも使用され得る。ばら積み貨物船では、船の甲板にあるハッチ開口部から貨物倉にアクセスし、ハッチ開口部は、1つ又は複数のハッチカバーで覆われる。ハッチカバーは、ハッチ開口部を完全に囲むハッチコーミング(垂直に延びる平らな面/プレート)の上に置かれ、貨物倉を天候及び海水から保護するためのシールが提供される。
【0003】
従来、シールは、ハッチコーミングの上部に取り付けられた圧縮バーと、ハッチカバーの下部のチャネル(例えば、スチールチャネル)内に取り付けられた協働ガスケット(例えば、ゴムガスケット)とを用いて実現されている。ハッチカバーがその閉鎖位置にあるとき、ガスケットは、圧縮バー上にあり、ハッチカバーの重量によってガスケットが圧縮バーの形状に適合し、シール状態を形成する。このタイプの従来技術の配置は、雨水に対する保護を提供することが知られているが、例えば海上での荒天時などに貨物倉への海水の浸入に対して限定的な保護のみを提供し得る。
【0004】
更に、ばら積み貨物船の寿命にわたり、貨物ハッチの構成要素(例えば、ハッチコーミング、ハッチカバー、ガスケット、圧縮バー)の損傷により、この従来のタイプのシールの効果が低下する可能性がある。このような損傷は、風化又は腐食によって発生する場合もあれば、船舶の積み下ろし中の事故によって発生する場合もある。その結果、ばら積み貨物船によるばら積み貨物及び他の貨物の輸送で最も頻繁に発生する問題の1つは、貨物倉への海水又は雨水の浸入による汚染である。これにより、貨物の損傷(特に貨物が梱包されないことが多いため)が発生し、その後、保険金請求が発生する。
【0005】
本発明は、上記の検討事項に照らして考案された。
【発明の概要】
【0006】
最も一般的には、本開示は、ハッチ開口部を囲むハッチコーミングと、ハッチカバーであって、ハッチカバーがハッチ開口部の少なくとも一部を可逆的に閉じるように、ハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成されたハッチカバーとを含む、ばら積み貨物船の貨物ハッチであって、使用時にハッチコーミングとハッチカバーとの間にそれぞれの且つ別個のシールを提供するように構成された2つのシーリングシステム(例えば、二重シーリング配置)を含む貨物ハッチに関する。
【0007】
第1の態様では、ばら積み貨物船の貨物ハッチであって、ハッチ開口部を囲むハッチコーミングと、ハッチカバーであって、ハッチカバーがハッチ開口部の少なくとも一部を可逆的に閉じるように、ハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成されたハッチカバーと、ガスケットと圧縮バーとを含む第1のシーリングシステムであって、使用時にハッチコーミングとハッチカバーとの間にシールを提供するように構成された第1のシーリングシステムと、拡張可能なシールを含む第2のシーリングシステムであって、使用時にハッチコーミングとハッチカバーとの間にシールを提供するように構成された第2のシーリングシステムとを含む貨物ハッチが提供される。
【0008】
本明細書で使用される「使用時」とは、ハッチカバーがハッチコーミング上にあり、そのため、ハッチ開口部がハッチカバーによって閉じられている状態を意味する。この状況では、貨物ハッチは、閉鎖状態であると言える。
【0009】
第1の態様による貨物ハッチを提供することにより、ハッチカバーとハッチ開口部(例えば、ハッチコーミングによって画定される)との間のシーリングを向上させることができる。特に、船倉への水の浸入及び船倉内の貨物の汚染が軽減又は排除され得る。特に、拡張可能なシールを含む第2のシーリングシステムは、貨物ハッチ及び貨物倉の防水性の向上に貢献し得る。更に、拡張可能なシールを含む第2のシーリングシステムを提供することにより、貨物ハッチは、例えば、風化及び/又は腐食によるハッチカバー及び/又はハッチコーミングの(例えば、寸法)の物理的変化にもかかわらず、繰り返し使用しても防水シールを維持することができる。
【0010】
ハッチカバーは、ハッチカバーがハッチ開口部(例えば、ハッチ開口部全体)を可逆的に閉じるように、ハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成され得る。換言すれば、単一の一体型ハッチカバーを使用してハッチ開口部を閉じることができる。
【0011】
ハッチ開口部全体を可逆的に閉じるハッチカバーを提供することにより、通常、それぞれハッチ開口部の半分を覆い、閉じたときに中央の継ぎ目で合流する2つの協働ハッチカバーで構成される従来のサイドローリングハッチカバーと比較して、船倉への水の浸入の可能性がある経路が少なくなり得る。この従来のタイプのサイドローリングハッチカバー設計では、ハッチカバーがハッチコーミングに接するハッチ開口部の縁の周囲の領域に加えて、中央の継ぎ目が船倉への水の浸入の追加的な経路となる。換言すれば、ハッチカバーがハッチ開口部全体を可逆的に閉じる実施形態では、貨物ハッチに必要なシーリングシステムの長さが短縮される。
【0012】
第1の態様による貨物ハッチの動作は、以下のとおりである。貨物がハッチ開口部から船倉に積み込まれた後、ハッチカバーは、ハッチコーミング上に配置されるように所定の位置に移動される。その結果、ハッチ開口部は、ハッチカバーによって閉じられる。このプロセスは、ハッチカバーを閉じることとも呼ばれ得る。ガスケット及び圧縮バーは、ハッチカバー及びハッチコーミングの反対側の面に配置され得る。例えば、圧縮バーは、ハッチコーミング上に配置され、ガスケットは、ハッチカバー上に配置され得る。ハッチカバーがハッチコーミング上に配置される場合、ガスケットは、圧縮バーに当接し(例えば、その上に載り)、ガスケットは、圧縮バーの形状に適合し(例えば、ハッチカバーの重量下において)、ハッチコーミングとハッチカバーとの間にシールが提供される。これが第1のシーリングシステムである。
【0013】
ハッチカバーを閉じている間、拡張可能なシールは、非拡張状態である。ハッチカバーがハッチコーミング上に配置されると、拡張可能なシールは、拡張状態に拡張される。拡張状態では、拡張可能なシールは、ハッチカバーとハッチコーミングとの両方に当接し、ハッチカバー(例えば、ハッチカバーのスカート、下記を参照されたい)及びハッチコーミングの形状に適合し、それによりハッチカバーとハッチコーミングとの間にシールが提供される。これが第2のシーリングシステムである。拡張状態では、拡張可能なシールの容積は、非拡張状態の拡張可能なシールの容積よりも大きくなる。
【0014】
船倉へのアクセスが必要な場合、ハッチカバーをハッチ開口部から取り外すことができ、それによりハッチ開口部を介して船倉にアクセスすることができる。ハッチカバーがハッチ開口部から取り外されると、貨物ハッチは、非カバー状態であると言える。非カバー状態では、ハッチカバーがハッチ開口部に隣接し得、それによりハッチ開口部を介して船倉にアクセスすることができる。
【0015】
拡張可能なシールは、可逆的に拡張可能なシールであり得る。換言すれば、拡張可能なシールは、非拡張状態から拡張状態に拡張され、且つまた(例えば、その後に)拡張状態から非拡張状態に収縮(すなわち体積が減少)され得る。拡張可能なシールが可逆的に拡張可能なシールである実施形態では、拡張可能なシールの動作は、以下のとおりであり得る。貨物ハッチが閉鎖状態であるとき、拡張可能なシールは、非拡張状態から拡張状態に拡張され、上述のようにハッチカバーとハッチコーミングとの間にシールを提供し得る。ハッチカバーを取り外すと、拡張可能なシールは、拡張状態から非拡張状態に収縮され、それによりハッチカバーとハッチコーミングとの間にもはや第2のシールが提供されない。これにより、ハッチを開くためにハッチカバーをハッチ開口部からより簡単に取り外すことを可能にし得る。これは、拡張可能なシールが非拡張状態に戻り、例えばハッチ開口部から新しい貨物が船倉に積み込まれた後、ハッチカバーを次に閉じる準備が整うことも意味する。
【0016】
拡張可能なシールは、膨張可能なシールであり得る。例えば、膨張可能なシール内に画定された膨張容積内に膨張ガス(例えば、空気)を導くことにより、シールは、非拡張状態から拡張状態に拡張され得る。更に、シールは、通気による収縮又は膨張可能な容積からの膨張ガスの除去により、膨張状態から非膨張状態に収縮され得る。例えば、拡張可能なシールは、空洞を囲むスキンを含み得る。空洞の容積は、ガスを注入することによって増加させることができ(例えば、非膨張状態から膨張状態に)、可逆的に拡張可能なシールを有する実施形態では、ガスを除去することによって減少させることができる(例えば、拡張状態から非拡張状態に)。
【0017】
ハッチカバーは、使用時にハッチ開口部、例えばばら積み貨物船の船倉に面する底面を含み得る。ハッチカバーは、使用時にハッチ開口部から離れて面する、底面とは反対側の上面を含み得る。使用時、上面は、ばら積み貨物船の甲板の一部を形成し得る。
【0018】
ハッチ開口部は、主軸を有し得る。ハッチカバーも対応する主軸を有し得る。ハッチ開口部及びハッチカバーの主軸は、垂直方向に延び得、例えば、主軸は、ばら積み貨物船の垂直軸と平行であり得る。貨物ハッチが閉鎖状態であるとき、ハッチカバーの主軸は、ハッチ開口部の主軸と同一直線上にあり得る。
【0019】
ハッチ開口部の幅は、例えば、ばら積み貨物船の左舷側と右舷側との間の方向において約10m~25m、例えば約15m~20m、例えば約15mであり得る。ハッチ開口部の長さは、幅に対して実質的に垂直であり、したがってばら積み貨物船の中心線に対して平行であり得る。ハッチ開口部の長さは、幅より小さくてもよい。例えば、ハッチ開口部の長さは、約5m~20m、例えば約10m~15m、例えば約10mであり得る。
【0020】
ハッチコーミングは、第1のシーリングシステムの圧縮バーを含み得る。例えば、ハッチコーミングは、圧縮バーが取り付けられる上面(例えば、ばら積み貨物船の甲板から離れて面する、例えば実質的に垂直方向に面する)を有し得る。ハッチカバーは、使用時に圧縮バーに当接し(例えば、その上に座り)、圧縮バーの形状に適合する対応するガスケットを含み得、それによりハッチコーミングとハッチカバーとの間のシールを提供する。ハッチカバーが圧縮バーに及ぼす下向きの力により、シールが維持され得る。
【0021】
第1のシーリングシステムは、ハッチカバーとハッチコーミングとの間の接続領域全体にわたって延び得る。例えば、圧縮バーは、ハッチコーミングの周囲全体にわたって延び得る。例えば、圧縮バーは、ハッチコーミングの上部の周囲全体に延び得る。このような実施形態では、第1のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーの領域(貨物ハッチが閉鎖状態であるとき)の周囲全体に延びて、圧縮バーに接続されるハッチカバーの領域に(例えば、ガスケットを介して)対応し得る。例えば、第1のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーの周囲全体にわたって(例えば、ハッチカバーの底面上で)延び、ハッチカバーの周縁から内側に離間され得、それにより、ガスケットの形状(下から見たとき)は、ハッチコーミング上の圧縮バーの形状(上から見たとき)に対応する。
【0022】
いくつかの実施形態では、ハッチ開口部は、四辺形(例えば、長方形)の形状を有し得る。換言すれば、ハッチ開口部は、ばら積み貨物船の甲板における四辺形の穴(例えば、開口部)であり得る。したがって、ハッチ開口部の全周にわたって延びるハッチコーミングは、上から見たときに四辺形の形状を有し得る。更に、圧縮バー(例えば、ハッチコーミングの上面にある)は、上から見たときに四辺形も有し、それによりハッチ開口部の周囲を囲む。
【0023】
圧縮バーが四辺形の形状を有する実施形態では、第1のシーリングシステムの対応するガスケットも、圧縮バーの形状に対応するように四辺形の形状を有し得る。例えば、第1のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーの底面上にあり得、そのため、下から見たとき、第1のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーの底面に四辺形を形成し、これは、圧縮バーの形状に対応し得る。
【0024】
ハッチカバーは、第1のシーリングシステムのガスケットを収容するように構成された内側ガスケットチャネル(例えば、スチールチャネル)を含み得る。内側ガスケットチャネルは、ハッチカバーの底面にあり得る。内側ガスケットチャネルは、四辺形を有し得、そのため、第1のシーリングシステムのガスケットは、上記のように四辺形を有する。
【0025】
ハッチコーミングは、1つ又は複数の側面を含み得る。1つ又は複数の側面は、ハッチ開口部の主軸に対して実質的に垂直な方向に面し得る。拡張可能なシールは、ハッチコーミングの1つ又は複数の側面上に配置され得る。例えば、拡張可能なシールは、ハッチコーミングの上部に近い1つ又は複数の側面上に配置され得、それにより、拡張状態において、拡張可能なシールがハッチカバーに当接して、上述のようなシールを形成する。
【0026】
ハッチコーミングの1つ又は複数の側面に拡張可能なシールを提供することにより、拡張可能なシールは、ハッチコーミングの上面に配置され得る第1のシーリングシステムから離間され、それにより第1のシーリングシステムの動作を妨げないようにし得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、ハッチコーミングは、拡張可能なシールを収容するように構成されたチャネル(例えば、実質的に半円形の断面を有するハーフパイプチャネル)を含み得る。例えば、ハッチコーミングの1つ又は複数の側面が前記チャネルを構成し得る。例えば、チャネルは、ハッチコーミングのすべての側面の周囲に(例えば、連続的に)延び得る。チャネルは、外向きの開口部を画定し得る。非拡張状態から拡張状態に拡張すると、拡張可能なシールは、開口部を通して拡張し得る。
【0028】
チャネルは、チャネル支持部を介してハッチコーミングに接続(例えば、取り付け)され得る。チャネル支持部は、チャネルがハッチコーミングから離間されるように(例えば、ハッチ開口部の主軸に実質的に垂直な方向において)、ハッチコーミングから離れて延び得る(例えば、ハッチ開口部の主軸に実質的に垂直な方向において)。いくつかの実施形態では、ハッチコーミングの1つ又は複数の側面は、前記チャネル支持部を含み得、例えば、チャネル支持部は、ハッチコーミングのすべての側面の周囲に(例えば、連続的に)延び得る。チャネルは、ハッチコーミングから約100mm~約500mm、例えば約150mm~約450mm、例えば約200mm~約400mm、例えば約250mm~約350mm、例えば約300mm~350mm、例えば約300mmだけ離間され得る(例えば、チャネル支持部の1つ又は複数の側面からの延長部がその長さであり得る)。チャネルの深さは、約20mm~約100mm、例えば約30mm~約90mm、例えば約40mm~約80mm、例えば約50mm~約70mm、例えば約50mm~約60mm、例えば約60mmであり得る。ここで、「チャネルの深さ」とは、チャネルの開口部から延びるチャネルの寸法、例えばハッチ開口部の主軸に垂直な方向及び/又はハッチコーミングの側面から離れてチャネル支持部が延びる方向の寸法を意味する。チャネルがハーフパイプチャネルである実施形態では、ハーフパイプチャネルの直径は、約40mm~約200mm、例えば約60mm~約180mm、例えば約80mm~約160mm、例えば約100mm~約140mm、例えば約100mm~120mm、例えば約120mmであり得る。
【0029】
ハッチコーミングの1つ又は複数の側面は、ハッチ開口部から離れて(例えば、ばら積み貨物船の船べり側に)面するように、それぞれハッチコーミングの外側側面であり得る。換言すれば、1つ又は複数の側面は、外側を向き得る。
【0030】
ハッチコーミングの外側側面に拡張可能なシールを提供することにより、使用時、第2のシーリングシステムは、ハッチコーミングとハッチカバーとの間にシールを提供し、第1のシーリングシステムを外部環境から分離し得る。その結果、第2のシーリングシステムにより、風化又は腐食によって第1のシーリングシステムが損傷を受ける可能性が低減され得る。
【0031】
第2のシーリングシステムは、ハッチカバーとハッチコーミングとの間の接続領域全体にわたって延び得る。例えば、拡張可能なシール(及び拡張可能なシールを収容するように構成されたチャネル)は、ハッチコーミング及びハッチ開口部の周囲全体に延び得る。
【0032】
(上述のように)ハッチ開口部が四辺形の形状を有する実施形態では、拡張可能なシールは、その四辺形の形状の各辺に沿って延び得る(例えば、連続的に延び得る)。これらの実施形態では、ハッチコーミングは、四辺形の各辺に拡張可能なシール(及び例えば拡張可能なシールを収容するチャネル)を含み得る。
【0033】
ばら積み貨物船は、(他のすべての船舶と同様に)中心線を有する。ハッチ開口部が四辺形である実施形態では、四辺形は、ばら積み貨物船の中心線と実質的に一直線に並ぶことができる。換言すれば、ハッチ開口部は、それぞれ前方、後方、左舷、右舷に面する4つの側面を有し得る。更に、対応する四辺形の形状(上記で説明したもの)を有する他の特徴も同様にばら積み貨物船の中心線に揃えることができる。例えば、ハッチコーミングは、それぞれ前方、後方、左舷、右舷に面する4つの外側側面を有し得る。
【0034】
ハッチカバーは、スカートを含み得る。スカートは、ハッチカバー、例えばハッチカバーの底面から離れて延び得る。例えば、ハッチカバーは、使用時にハッチカバーの底面からハッチ開口部に向かって延びるスカートを含み得る。スカートは、ハッチカバーに取り付けられたプレート(例えば、ハッチカバーの底面に取り付けられたプレート)に類似し得、ハッチカバーに対して実質的に垂直である。例えば、スカートは、連続したループを形成し、ハッチカバーから延び、ハッチカバーに対して実質的に垂直なプレートを含み得る。スカートは、ハッチカバーの主軸に対して実質的に垂直な方向に面する1つ又は複数の側面を含み得る。
【0035】
使用時、スカートは、ハッチ開口部の全周にわたって延び得る。スカートの形状(下から見たとき)は、ハッチコーミングの形状(上から見たとき)と数学的に類似し得る。ハッチコーミングが上から見たときに四辺形の形状である実施形態では、スカートは、下から見たときに補完的な四辺形の形状であり得る。
【0036】
使用時、スカート(例えば、スカートの側面)は、ハッチコーミング(例えば、ハッチコーミングの側面)と重なり得る。好ましい実施形態では、使用時、ハッチコーミングは、ハッチ開口部に最も近いスカートの側面上に配置され得る。これらの実施形態では、スカートは、ハッチコーミングと外部環境との間にあるため、ハッチコーミングの外側に配置されると言える。ハッチコーミングとスカートとの間隔は、ハッチ開口部の周囲で均一であり得る。
【0037】
ハッチ開口部がハッチカバーによって閉じられると、内側ガスケットチャネル(及びガスケット)は、スカートが内側ガスケットチャネルとハッチカバーの縁部との間に配置されるように、スカートの内側に配置され得る。内側ガスケットチャネルの外壁(例えば、ハッチカバーの縁部に最も近い壁)は、スカートに近接し得る(例えば、スカートに接続され、任意選択的にスカートと位置合わせされ得る)ため、第1のシーリングシステムのガスケットは、スカートに近接する(例えば、スカートに接続される)。
【0038】
使用時にハッチカバーの底面からハッチ開口部に向かって延びるスカートを有するハッチカバーを提供することにより、ハッチカバーとハッチコーミングとの間にシール及びシーリングシステムをより容易に提供することができる。更に、外部環境とハッチ開口部との間により長い経路及び/又はより複雑な経路を提供して、ハッチ開口部を介した船倉への水の浸入を減らすことができる。特に、使用時にハッチコーミングの外側にスカートを提供することにより、水の浸入経路は、水がハッチコーミングの上部を通過する前に上方向に移動することを必要とする。更に、使用時にハッチコーミングの外側にスカートを提供することにより、第1のシーリングシステム及び拡張可能なシールは、スカートによって外部環境から保護される。これにより、風化及び/又は腐食による損傷が軽減され、シーリングシステムの寿命が延び得る。
【0039】
スカートは、ハッチカバーの底面から約100mm~約400mm、例えば約150mm~約350mm、例えば約200mm~約300mm、例えば約200mm~約300mm、例えば約270mmだけ延び得る。
【0040】
スカートは、1つ又は複数の強化部材を含み得る。このような強化部材は、スカートの1つ又は複数の側面、例えばスカートの1つ又は複数の外側側面に提供され得る。スカートの1つ又は複数の外側側面とは、使用時にハッチ開口部から離れて面する側面を意味する。複数の強化部材は、スカートに沿って互いに離間され得る。強化部材は、ハッチカバーの底面から離れて延び得る。強化部材は、ブラケットと呼ばれる。
【0041】
スカート(例えば、スカートの1つ又は複数の側面)は、その周囲にクリートノッチを含み得る。複数の強化部材の一部又はすべては、それぞれのクリートノッチを含み得る。
【0042】
使用時にスカートがハッチコーミングと重なる実施形態では、拡張可能なシールは、拡張状態であるときにスカート(例えば、1つ又は複数のスカートの側面)及びハッチコーミング(例えば、1つ又は複数のハッチコーミングの側面)に当接し得る。例えば、拡張可能なシールがハッチコーミングの1つ又は複数の外側側面上に配置され、スカートがハッチコーミングの外側に配置される実施形態では、拡張可能なシールは、スカートに当接し、スカートの形状(例えば、1つ又は複数のスカートの側面の形状)に適合し得、それにより、ハッチカバーとハッチコーミングとの間にシールが提供される。換言すれば、第2のシーリングシステムは、拡張可能なシールとスカートとを含み得、それにより、拡張状態において、拡張可能なシールがスカートに当接して、ハッチコーミングとハッチカバーとの間にシールを提供する。
【0043】
拡張可能なシールとスカートとを含む第2のシーリングシステムを提供することにより、拡張可能なシールは、拡張状態であるときにスカートに当接し、スカートの形状に適合し得、それによりハッチカバーとハッチコーミングとの間にシールが提供される。スカートは、拡張可能なシールが当接して高品質のシールを作成するための表面を提供する。更に、スカートは、拡張可能なシールを外部環境から保護する。
【0044】
前述のように、ハッチカバーは、貨物がハッチ開口部を介して船倉に積み込まれた後、ハッチコーミング上に位置するように所定の位置に移動される。所定の位置に移動する前に、ハッチカバーは、ハッチ開口部に隣接して配置され、それによりハッチ開口部が覆われない(非カバー状態と呼ばれる)。貨物ハッチは、カバー状態(ハッチカバーがハッチ開口部を覆っている状態)と非カバー状態との間で(可逆的に)遷移することができる。ハッチカバーは、カバー状態と非カバー状態との間において、ばら積み貨物船の中心線と実質的に平行な方向に移動し得る。
【0045】
カバー状態では、ハッチカバーは、ハッチ開口部の上に位置するが、ハッチコーミング上に配置されない。したがって、貨物ハッチは、カバー状態と閉鎖状態との間で可逆的に移動し得る(例えば、降下及び上昇され得る)。
【0046】
貨物ハッチが閉鎖状態であるとき、ハッチカバーがその閉鎖位置に正しく収まるようにするために、貨物ハッチは、ウェッジスライドなどにハッチカバーを正しく配置するための手段を含み得る。
【0047】
ハッチコーミングは、ハッチカバーを支持するための1つ又は複数の摩擦パッド(ベアリングパッド)を含み得る。例えば、ハッチコーミングの上面は、ハッチカバーを支持するために複数(例えば、4つ)の摩擦パッドを含み得る。摩擦パッドは、ハッチコーミングにボルトで固定するか又は溶接することができる。ハッチカバーは、それぞれのガスケットを介して、本明細書に記載の圧縮バー(又は複数の圧縮バー)の上に載り、且つ摩擦パッドの上に載ることもできる。
【0048】
ハッチカバーは、トラック、例えばホイールのトラックに取り付けられ、それにより、ハッチカバーは、トラックに沿って移動し、カバー状態と非カバー状態との間を遷移し得る。例えば、貨物ハッチは、2つのトラックを含み得る。トラックは、ばら積み貨物船の中心線とほぼ平行に延び得る。1つのトラックは、ハッチ開口部の右舷側にあり、もう1つのトラックは、ハッチ開口部の左舷側にあり得る。ハッチカバーは、ホイールを含み得る。1つ又は複数のホイールは、それぞれのトラックに沿って走行するように構成され、例えばそれぞれのトラック上で静止及び回転することができる。例えば、ハッチカバーは、右舷のトラック上で静止及び回転するように構成された2つのホイールと、左舷のトラック上で静止及び回転するように構成された2つのホイールとを含み得る。いくつかの実施形態では、ハッチカバーは、例えば、ハッチカバーの各コーナーの近くに配置された4つのそのようなホイールを含み得る。
【0049】
1つ又は複数のモータを使用して、トラックに沿ってホイールを駆動することができる。ハッチカバーは、1つ又は複数のモータを含み得る。例えば、各ホイールは、対応するモータを有し得る。トラック及びホイールは、歯を有し得る(例えば、トラックは、ラックに類似し、ホイールは、連動するピニオンに類似する)。
【0050】
ハッチカバーを閉じる場合、例えばハッチカバーをトラックに沿って移動させることにより、ハッチカバーをハッチ開口部の上に移動させることができる。この段階では、貨物ハッチは、カバー状態であるが、依然として閉鎖状態ではない。ハッチは、ハッチカバーをハッチコーミング上に降ろす手段を含み得る。例えば、ハッチカバーをハッチコーミング上に降ろすために、1つ又は複数の油圧ジャッキが提供され得る。例えば、ハッチカバーの各コーナーに1つずつ、合計4つの油圧ジャッキが提供され得る。したがって、ハッチカバーは、ハッチコーミング上に配置され得(例えば、ハッチが閉鎖状態になるように)、その後、シーリングシステムは、本明細書で説明したように動作され得る。
【0051】
船倉へのアクセスが必要な場合、ハッチカバーは、(例えば、油圧ジャッキを介して)持ち上げられ得、貨物ハッチは、閉鎖状態からカバー状態に遷移し、その後、ハッチ開口部から(例えば、トラックを介して)離され、貨物ハッチは、カバー状態から非カバー状態に遷移する。
【0052】
使用時、ハッチカバーは、ハッチ開口部、例えばハッチコーミングを越えて延び得る。例えば、使用時、ハッチカバーは、ハッチ開口部を越えて横方向、例えばばら積み貨物船の左舷側及び/又は右舷側に向かって延び得る。いくつかの実施形態では、ハッチ開口部を越えて延びるハッチカバーの部分は、使用時、ハッチ開口部に隣接する乗務員通路及び/又は作業スペースの一部を覆い得る。作業スペースは、乗務員通路とハッチコーミングとの間(例えば、ばら積み貨物船の片側又は両側)に提供され得る。
【0053】
ハッチカバーがハッチコーミングを越えて延びる実施形態では、ハッチカバー(使用時)の1つ又は複数の縁部がばら積み貨物船の支持領域に接続され得る(例えば、支持領域上に載置され得る)。例えば、支持領域は、ばら積み貨物船の甲板の一部であり得る。いくつかの実施形態では、ハッチカバーと支持領域(例えば、ばら積み貨物船の甲板)との間に追加のシーリングシステムが提供され得る。追加のシーリングシステムは、ガスケットと圧縮バーとを含み得る。例えば、支持領域(例えば、甲板)は、圧縮バーを含み得、ハッチカバーは、追加のシーリングシステムのための追加のガスケットを含み得る。使用時、追加のシーリングシステムのガスケットが支持領域上の圧縮バーに当接し(例えば、その上に載り)、圧縮バーの形状に適合して、ハッチカバーと支持領域との間にシールを提供し得る。ハッチカバーが圧縮バーに及ぼす下向きの力により、シールが維持され得る。
【0054】
ばら積み貨物船の支持領域は、ハッチ開口部の周囲全体に延び得る。追加のシーリングシステムは、ハッチカバーと、ばら積み貨物船の支持領域との間の接続部のすべての領域間に延び得る。例えば、追加のシーリングシステムの圧縮バーは、ハッチ開口部の周囲全体にわたって延び得る。これらの実施形態では、追加のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーが閉じられたとき、追加のシーリングシステムの圧縮バーに接続するハッチカバーの領域に対応するハッチカバーの領域の周囲全体に延び得る。例えば、追加のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーの周囲全体にわたって延び得る。追加のシーリングシステムのガスケットの形状(下から見たとき)は、ばら積み貨物船の甲板などの支持領域上の圧縮バーの形状(上から見たとき)と一致し得る。
【0055】
追加のシーリングシステムの圧縮バーは、ハッチ開口部を囲むように、上から見たときに四辺形(例えば、長方形)の形状を有し得る。追加のシーリングシステムの対応するガスケットは、追加のシーリングシステムの圧縮バーの形状に対応するように四辺形の形状を有し得る。例えば、ハッチカバーが四辺形である場合、追加のシーリングシステムのガスケットは、ハッチカバーの底面の縁部の周囲に延びて、これも四辺形になり得る。
【0056】
ハッチカバーは、追加のシーリングシステムのガスケットを収容するように構成された、例えばスチールチャネルなどの外側ガスケットチャネルを含み得る。外側のガスケットチャネルは、ハッチカバーの底面にあり得る。外側ガスケットチャネルは、四辺形の形状を有し得、それにより、追加のシーリングシステムのガスケットは、上記のように四辺形の形状を有する。
【0057】
第2の態様では、第1の態様に従った1つ又は複数の貨物ハッチを含むばら積み貨物船が提供される。いくつかの実施形態では、第2の態様によるばら積み貨物船は、第1の態様による複数の貨物ハッチを含み得、各貨物ハッチは、それぞれのハッチカバーを含み、このハッチカバーは、それぞれのハッチコーミング上に取り外し可能に配置されるように構成され、ハッチカバーは、ハッチ開口部(例えば、ハッチ開口部全体)を可逆的に閉じる。
【0058】
第2の態様によるばら積み貨物船のハッチカバーは、ハッチ開口部を覆い且つ開くために、ばら積み貨物船の中心線と実質的に平行な方向に移動し得る。
【0059】
第3の態様では、ばら積み貨物船の貨物ハッチを閉じる方法が提供され、この方法は、貨物ハッチのハッチコーミング上にハッチカバーを取り外し可能に配置するステップ、第1のシーリングシステムを用いて、ハッチコーミングとハッチカバーとの間に第1のシールを提供するステップであって、第1のシーリングシステムは、ガスケット及び圧縮バーを(例えば、ハッチコーミング及びハッチカバーの反対側の表面上に)含む、ステップ、拡張可能なシールを含む第2のシーリングシステムを提供するステップ、ハッチコーミングとハッチカバーとの間に第2のシールが提供されるように、拡張可能なシールを拡張させるステップを含む。
【0060】
貨物ハッチのハッチコーミング上にハッチカバーを取り外し可能に配置するステップは、ハッチカバーを(例えば、貨物ハッチが非カバー状態とカバー状態との間で遷移するように)ハッチ開口部の上で移動させるステップと、ハッチカバーがハッチコーミング上に配置されるようにハッチカバーを下げるステップとを含み得る。
【0061】
ハッチ開口部を介してばら積み貨物船の船倉にアクセスするために、第3の態様による方法は、第2のシールが除去されるように、拡張可能なシールを収縮させるステップと、ハッチ開口部にアクセスすることができるように、ハッチカバーをハッチコーミングから離れて移動させるステップとを更に含み得る。
【0062】
ハッチカバーをハッチ開口部上で移動させることは、例えば、ばら積み貨物船の中心線と実質的に平行な方向にハッチカバーを移動させることを含み得る。
【0063】
本発明は、そのような組み合わせが明らかに許容されないか又は明示的に回避される場合を除き、記載された態様及び好ましい特徴の組み合わせを含む。例えば、第3の態様の方法は、第1の態様に従う貨物ハッチを閉じる方法に関するものであり得る。
【0064】
本明細書全体を通して、第1の態様の貨物ハッチは、ばら積み貨物船上にあると言及される。しかしながら、第1の態様の貨物ハッチは、ばら積み貨物船だけでなく、あらゆるタイプの船舶に提供され得ることを理解されたい。したがって、当業者は、ばら積み貨物船への言及が他の船舶又はボートへの言及でもあることを理解するであろう。
【0065】
本明細書に関連して、「上から見たとき」とは、ばら積み貨物船の甲板に向かって見ることを意味する。ハッチカバー及びその構成部品(スカート、ガスケットなど)に関連して、「下から見たとき」とは、ハッチカバーの底面に向かって見ることを意味する。
【0066】
本発明の原理を説明する実施形態及び実験について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】第1の態様による貨物ハッチを有するばら積み貨物船の上面図を示し、貨物ハッチが非カバー状態で示されている。
図2図1に示した貨物ハッチのハッチカバーの後方図を示す。
図3】右舷側から見た図2のハッチカバーの側面図を示す。
図4図2に示した貨物ハッチのハッチカバーの底面図を示す。
図5図1のばら積み貨物船の上面図を示し、貨物ハッチがカバー状態で示されている。
図6図1のばら積み貨物船の右舷側の断面図を示し、貨物ハッチがカバー状態であることを示す。
図7図1のばら積み貨物船の断面図を示し、貨物ハッチを閉鎖状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明の態様及び実施形態を、添付の図面を参照して以下で説明する。更なる態様及び実施形態は、当業者に明らかであろう。本文中で言及されるすべての文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
図1は、第1の態様による貨物ハッチ100を有するばら積み貨物船1の縦方向部分の上面図を示す。
【0070】
ばら積み貨物船1は、貨物ハッチ100が提供される甲板4の領域によって分離された右舷上部水バラストタンク2及び左舷上部水バラストタンク3を有する。2つの上部水バラストタンク2、3は、それぞれ縦方向に延びる乗務員通路5a、5bにより、貨物ハッチ100を有する甲板4の領域から分離される。貨物ハッチ100は、ばら積み貨物船1の中心線91を中心に対称である。
【0071】
図では、貨物ハッチ100が1つのみ示されているが、ばら積み貨物船1は、本明細書で説明する貨物ハッチ100の構造と同一又は類似の構造をそれぞれ有する複数の貨物ハッチ100を有し得る。各貨物ハッチ100は、通常、ばら積み貨物船1の中心線91に沿って(すなわち縦方向に)他の貨物ハッチから離間される。
【0072】
貨物ハッチ100は、ばら積み貨物船1の甲板4に形成された長方形の穴であるハッチ開口部101を有する。ハッチ開口部101により、貨物をそこから積み込み、ばら積み貨物船の船倉に積み込むことができる。
【0073】
ハッチコーミング110は、ハッチ開口部101の周囲全体にわたって延びるようにハッチ開口部101を囲む。当業者に理解されるように、ハッチコーミング110は、ハッチ開口部101を囲む垂直に延びる平坦な表面/プレートを含む。ここで、ハッチコーミング110は、ハッチ開口部101の周囲全体を囲むように直方体の側面に類似している。
【0074】
図1では、貨物ハッチ100が非カバー状態で示されており、ハッチカバー130は、ハッチ開口部101に隣接してばら積み貨物船1の船尾に向かって配置され、それによりハッチ開口部101を介して船倉にアクセスすることができる。図1では、わかりやすくするためにハッチカバー130の下の部品が示されている。
【0075】
ハッチカバー130は、ハッチ開口部101のそれぞれの側に配置された、縦方向に延びる2つのホイールトラック20a、20b上に載る。ハッチカバー130は、上から見たときにハッチ開口部よりも広い面積を有し、左舷側及び右舷側の乗務員通路5a、5bにわたって延びる。ハッチ開口部101の各コーナーの近くに、ホイールトラック20a及び20bと整列してそれぞれ油圧ジャッキ120a、120b、120c、120dが提供される。
【0076】
図2は、図1に示すハッチカバー130の後方図である。ハッチカバー130は、平板(例えば、鋼鉄等の金属)である。この実施形態では、ハッチカバー130の厚さが約450mmであり、幅が約19mであり、長さ(長手方向)が約11.5mである。当業者であれば、ハッチカバー130の寸法が貨物ハッチ100及び/又はばら積み貨物船1のサイズに応じて異なり得ることを理解するであろう。
【0077】
ハッチカバー130は、ハッチカバー130の底面から延びるスカート131を含む。スカート131は、ハッチカバー130の周囲に延び、ハッチカバー130の縁部から内側に離間される。ハッチカバー130は、ハッチカバー130の中心を通して垂直に延びる主軸93を有する。スカート131は、使用時にハッチカバーの主軸に対して実質的に垂直な方向に面する外側側面134を含む。スカート131の外側側面134は、異なる方向(前方、後方、左舷、右舷)に面する4つの連続的に接続した外側側面134含むと言える。図2は、後方方向に面するスカート131の外側側面134を示す。スカートは、外側側面134上のスカート131に沿って離間された複数の強化部材135を含む。強化部材135(リブに類似し得る)は、ハッチカバー130の底面から離れて延びる。
【0078】
図3は、右舷側から見たハッチカバー130の側面図を示す。ここでは、右舷側に面したスカート131の外面134を見ることができ、その外面に沿って強化部材135が離間される。
【0079】
ハッチカバー130は、その下側に(底面に取り付けられた)4つのホイール121a、121b、121c、121dを含む。各ホイールは、スカート131と、ハッチカバー130の側面との間に配置される。図3に示すように、右舷側に2つのホイール121a、121bがあり、これらは、横方向に互いに整列し、縦方向に離間される。左舷側にも2つのホイール121c、121dがあり、これらは、横方向に互いに整列し、縦方向にも同様に離間される(図4を参照されたい)。右舷側のホイール121a、121bは、右舷側のホイールトラック20a上に載り、左舷側のホイール121c、121dは、左舷側のホイールトラック20b上に載り、ハッチカバー130は、ホイールトラック20a、20b上で移動可能に支持される。ホイール121a、121b、121c、121dは、ホイールトラック20a、20bに沿って回転するように構成され、それにより、ハッチカバー130は、ホイールトラックに沿って移動し得る。各ホイール121a、121b、121c、121dにそれぞれモータ122a、122b、122c、122dが提供され、これらのモータは、ホイール121a、121b、121c、121dを駆動し、それによりハッチカバー130がホイールトラック20a、20bに沿って移動する。
【0080】
図4は、下から見たハッチカバー130を示す。図4では、4つのホイール121a、121b、121c、121d及びそれぞれのモータ122a、122b、122c、122dがハッチカバー130のコーナーの近くに見える。図4に示すように、スカート131は、下から見たときに長方形の形状である。
【0081】
ハッチカバー130は、スカート131の内側に提供された内側ガスケットチャネル132を含み、スカート131は、内側ガスケットチャネル132とハッチカバー130の縁部との間に配置される。内側ガスケットチャネル132は、スカート131の内部の周囲全体にわたって延びる。内側ガスケットチャネル132は、下から見たときに対応する長方形の形状を有する経路をたどる。内側ガスケットチャネル132の外壁は、スカート131と整列する。内側ガスケットチャネル132は、内側ガスケットを収容するように構成される。
【0082】
ハッチカバー130は、ハッチカバー130の底面の周縁部の周囲に沿って延びる外側ガスケットチャネル133を更に含む。外側ガスケットチャネル133も、下から見たときに長方形の経路をたどる。外側ガスケットチャネル133は、外側ガスケットを収容するように構成される。
【0083】
図4に示すハッチカバー130は、図4に示す向きにあるとき、水平方向及び垂直方向の対称性を有する。
【0084】
次に、貨物ハッチ100の動作について説明する。
【0085】
上で説明したように、図1は、貨物ハッチ100が非カバー状態であることを示す。図5では、貨物ハッチ100は、ハッチカバー130がハッチ開口部101の上に位置してカバー状態で示されている(図5では、わかりやすくするためにハッチカバー130の下の部品が示されている)。ハッチカバー130は、図1に示す非カバー状態と、図5に示すカバー状態との間で可逆的に移動可能である。これは、モータ122a、122b、122c、122dによって駆動されるホイール121a、121b、121c、121d上のホイールトラック20a、20bに沿ってハッチカバー130を移動させることによって実現される。
【0086】
カバー状態では、ハッチカバー130は、ハッチ開口部101の上に位置する。図6は、貨物ハッチ100がカバー状態(すなわち、貨物ハッチ100は、覆われているが、依然として閉じられていない状態)であるばら積み貨物船の右舷側の断面図を示す。
【0087】
図6は、第1のシーリングシステム140、第2のシーリングシステム150及び追加のシーリングシステム160の3つのシーリングシステムを示す。
【0088】
第1のシーリングシステム140は、ハッチカバーの内側ガスケットチャネル132内に収容された内側ガスケット141を含む。第1のシーリングシステム140は、ハッチコーミング110の上部に配置された内側圧縮バー142も含む。圧縮バー142は、ハッチコーミング110の上部の周囲全体に延び、上から見たときに長方形の形状である(ハッチコーミング110と同様)。図6に示すように、貨物ハッチ100がカバー状態であるとき、内側ガスケットチャネル132は、圧縮バー142と垂直に整列される。
【0089】
第2のシーリングシステム150は、拡張可能なシール151と、ハッチカバー130のスカート131とを含む。拡張可能なシール151は、ハッチコーミング110の上部付近のハッチコーミング110の外側側面111上に配置されたハーフパイプチャネル158内に収容される。具体的には、ハッチコーミング110の外側側面111には、ハッチコーミング110から離れて外側に向かって(ハッチ開口部101の主軸92に実質的に垂直な方向に)延びるチャネル支持部159が提供される。半円形の断面を有するハーフパイプチャネル158は、チャネル支持部159の端部に配置され、ハッチコーミング110から約300mm離れた位置に配置される。ハーフパイプチャネル158は、ハッチコーミング110の周囲全体にわたって延びる。ハーフパイプチャネル158の半径は、約60mmである。
【0090】
拡張可能なシール151は、非拡張状態から拡張状態に可逆的に拡張するように構成される。拡張可能なシール151は、非拡張状態から拡張状態に拡張するとき、ハッチコーミング110から離れて面するハーフパイプチャネル158の外向き開口部157を通して拡張する。
【0091】
追加のシーリングシステム160は、ハッチカバー130の外側ガスケットチャネル133に収容された外側ガスケット161を含む。追加のシーリングシステム160は、ばら積み貨物船1の甲板4上に配置された外側圧縮バー162も含む。外側圧縮バー162は、上から見たときに長方形の形状であり、図6に示すように、貨物ハッチ100がカバー状態であるとき、外側ガスケットチャネル133は、圧縮バー162と垂直に整列される。換言すれば、貨物ハッチ100がカバー状態であるとき、外側ガスケットチャネル133のすべての部分は、圧縮バー162の一部と垂直に整列される。その結果、外側圧縮バー162は、ハッチ開口部101及びハッチコーミング110を囲み、ハッチ開口部101及びハッチコーミング110から離間される。
【0092】
図7は、ばら積み貨物船1の横断面図を示す。図7では、貨物ハッチ100は、ハッチカバー130がハッチコーミング110上に位置するように閉鎖状態で示されている。貨物ハッチ100を閉じるには、貨物ハッチ100を、図6に示すカバー状態から、図7に示す閉鎖状態まで下げる。具体的には、ハッチカバー130は、油圧ジャッキ120a、120b、120c、120dによってカバー状態の位置から閉鎖状態(ハッチコーミング110上)の位置まで下げられる。当業者であれば理解できるように、閉鎖状態では、ハッチカバー130は、例えば、スカート131の周囲に提供されたクリートを介して従来の方法で固定することができる。
【0093】
閉鎖状態では、第1のシーリングシステム140の内側ガスケット141は、内側圧縮バー142上に載る。内側ガスケット141は、ハッチカバー130の重量によって内側圧縮バー142の形状に適合し、ハッチカバー130とハッチコーミング110との間に耐候性シールが提供され、それにより船倉が外部環境からシーリングされる。
【0094】
閉鎖状態では、追加のシーリングシステム160の外側ガスケット161は、外側圧縮バー162上に載る。外側ガスケット161は、ハッチカバー130の重量によって外側圧縮バー162の形状に適合し、ハッチカバー130と甲板4との間に追加のシールが提供される。したがって、追加のシーリングシステムにより、乗務員通路5a、5bと外部環境との間に耐候性のシールが提供される。
【0095】
閉鎖状態では、ハッチカバー130のスカート131がハッチコーミング110を密着して囲む。スカート131を下から見たときの形状は、ハッチコーミング110を上から見たときの形状(すなわち図示の実施形態では長方形)と数学的に類似した形状である。ハッチコーミング110とスカート131との間の近接性により、第2のシーリングシステム150が容易になる。
【0096】
貨物ハッチが非カバー状態(図1に示す)からカバー状態(図5及び図6に示す)に、且つその後、閉鎖状態(図7に示す)に移動する間、拡張可能なシール151は、非拡張状態に維持される。貨物ハッチ100が閉鎖状態であるとき、拡張可能なシール151は、ハーフパイプチャネル158の開口部157を通して非拡張状態から拡張状態に拡張され、スカート131に当接する。このように拡張すると、拡張可能なシール151は、スカート131の形状に適合し、ハッチカバー130とハッチコーミング110との間にシールを提供する。これにより、第2のシーリングシステム150は、ハッチ開口部101と外部環境との間に防水シールを提供する。更に、第2のシーリングシステム150は、第1のシーリングシステム140の外側にあるため、第2のシーリングシステム150は、第1のシーリングシステム140を保護する。
【0097】
ハッチ開口部101を介して船倉にアクセスする必要がある場合、拡張可能なシール151は、拡張状態から非拡張状態に収縮され、油圧ジャッキ120a、120b、120c、120dが操作されてハッチカバー130が持ち上げられ、貨物ハッチ100が閉鎖状態からカバー状態に遷移する。その後、ハッチカバー130は、ホイールトラック20a、20bに沿って移動され、ハッチ開口部101が覆われなくなる(すなわち、貨物ハッチ100は、カバー状態から非カバー状態に遷移する)。
【0098】
拡張可能なシール151は、様々な方法で拡張され得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、例えば、拡張可能なシール151は、膨張したガスの体積を拡張可能なシール151の内部容積内に導くことにより、空気圧で膨張させることができる。いくつかのそのような例では、膨張ガスは、空気であり、それ自体既知の方法において、拡張可能なシール内に圧縮機装置180によって導かれ得る。理解されるように、このような実施形態は、拡張可能なシール151の内部容積を通気して、膨張した空気を放出し、それにより拡張可能なシール151を拡張状態から非拡張状態に遷移させるように構成された通気装置を更に含み得る。
【0099】
ある量の適切な油圧液体を拡張可能なシール151の内部容積内に送り込むことにより、拡張可能なシール151を代わりに油圧的に拡張することができる代替実施形態も想定される。このような構成のいくつかでは、油圧液体は、液体貯蔵庫と、拡張可能なシール151の内部容積と流体連通する1つ又は複数の流路管とを含む閉じた油圧回路(図示せず)内に提供され得る。可逆的に作動可能な油圧ポンプを提供して、i)油圧液を貯蔵庫から拡張可能なシール151の内部容積に送り出して、拡張可能なシール151を拡張させ、ii)油圧液を拡張可能なシール151の内部容積から貯蔵庫に送り出して、拡張可能なシール151を収縮させ得る。
【0100】
図7には、ハッチコーミング110と、それぞれの乗務員通路5a、5bとの間に提供された作業スペース6a、6bも示されている。
【0101】
図6及び図7には、ハッチ開口部101の主軸92が示されている。図2及び図3には、ハッチカバー130の主軸93が示されている。これらの主軸は、ばら積み貨物船の垂直軸と平行である。本明細書全体を通して、垂直、上、下などの方向への言及は、ばら積み貨物船がドック内にある場合など、通常の直立位置にあるときの方向を指す。換言すれば、ばら積み貨物船の中心線が水平であり、ハッチ開口部の縦軸が垂直である場合(例えば、図に示すように)である。当業者は、例えば、ばら積み貨物船が海上にある場合、ばら積み貨物船及び貨物ハッチの向きが変わり得ることを理解するであろう。したがって、言及されるいかなる方向も、図に示される貨物ハッチの方向に本発明を限定するものではないと理解されるべきである。
【0102】
前述の説明又は以下の特許請求の範囲或いはその特定の形態において又は開示された機能を実行するための手段若しくは開示された結果を取得する方法若しくはプロセスに関して適切に表される添付図面において、開示された特徴は、別個に又はこのような特徴の任意の組み合わせにおいてその多様な形態で本発明を実現するために利用され得る。
【0103】
本発明が上記の例示的な実施形態と併せて説明されたが、本開示が与えられた場合、多くの均等な修正形態及び変形形態が当業者に明らかであろう。したがって、上記の本発明の例示的な実施形態は、例示的であり、限定的ではないと見なされる。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する様々な変更形態がなされ得る。
【0104】
誤解を避けるために、本明細書で提供される理論的な説明は、読者の理解を向上させる目的で提供されている。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
【0105】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、編成上の目的のものにすぎず、説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0106】
本明細書全体を通して、以下の特許請求の範囲を含め、文脈上別段の定めがない限り、「含む(comprise)」及び「包含する」という語並びに「含む(comprises)」、「含んでいる」、「包含している」などの変形は、記載された整数若しくはステップ又は整数又はステップの群が含まれることを意味するものと理解されるが、任意の他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群が除外されることを意味するものではない。
【0107】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」を使用することにより、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。数値に関する「約」という用語は、任意選択的なものであり、例えば+/-10%を意味する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】