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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025025624
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】腰用サポーター
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/02 20060101AFI20250214BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20250214BHJP
   A41C 1/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A61F5/02 K
A41D13/05 125
A41C1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130537
(22)【出願日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】520232851
【氏名又は名称】野村 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100204098
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 良往
(72)【発明者】
【氏名】野村 伸行
【テーマコード(参考)】
3B131
3B211
4C098
【Fターム(参考)】
3B131AA02
3B131BA02
3B131BA17
3B131BA21
3B131BA31
3B131BA41
3B211AA00
3B211AB18
3B211AC18
3B211AC21
4C098AA10
4C098BB05
4C098BC02
4C098BC13
4C098BC18
4C098BD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バランスのとれた締め付け力を発生させると共に固定力を向上させることができる腰用サポーターを提供する。
【解決手段】腰に巻着する腰用サポーター1であって、帯状バンド部10により腹腔及び腰部を締め付ける第一緊締調節手段と補助バンド部20により腹腔及び腰部を締め付ける第二緊締調節部手段と動プーリー部30により腹腔及び腰部を締め付ける第三緊締調整手段とを有し、前記帯状バンド部10に前記補助バンド部20と前記動プーリー部30が固着され、前記第一緊締調節手段と前記第二緊締調節手段とは腹腔及び腰部締め付ける方向が同一方向に作用し、前記第三緊締調整手段は逆方向に作用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰に巻着する腰用サポーターであって、
帯状バンド部により腹腔及び腰部を締め付ける第一緊締調節手段と
補助バンド部により腹腔及び腰部を締め付ける第二緊締調節手段と
動プーリー部により腹腔及び腰部を締め付ける第三緊締調整手段とを含み、
前記帯状バンド部に前記補助バンド部と前記動プーリー部が固着され、
前記第一緊締調節手段と前記第二緊締調節手段とは腹腔及び腰部締め付ける方向が同一方向に作用し、前記第三緊締調整手段は逆方向に作用することを特徴とする腰用サポーター。
【請求項2】
更に背当部を有し、前記背当部は帯状バンド部に取り外し自由に取り付けられる構造及びユーザーの腰椎にフィットする形状の硬質のプレートを挿入できるポケット構造を有し、前記プレートはスリットを有することを特徴とする請求項1記載の腰用サポーター。
【請求項3】
前記帯状バンド部は左右及び上下対称の帯状に形成され、前記帯状バンド部の中央の左右に支持体を有し、前記支持体の間にマチ部を設けたことを特徴とする請求項1又は2いずれか1項に記載の腰用サポーター。
【請求項4】
前記補助バンド部は腹腔の左側面を締め付ける左腹腔補助バンドと腹腔の右側面を締め付ける右腹腔補助バンドと腰部の左側面を締め付ける左腰補助バンドと腰部の右側面を締め付ける右腰補助バンドの4つの補助バンドが前記帯状バンド部に左右及び上下対称に配設され、前記補助バンドは一端が帯状バンド部に固定され他の一端がリングに固定される固定バンドと一端が前記帯状バンド部に固定され、前記リングに挿通した後、他の一端が前記補助バンド部に固定される作動バンドを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の腰用サポーター。
【請求項5】
前記動プーリー部は腹腔部の左側面を締め付ける左腹腔動プーリーと腹腔部の右側面を締め付ける右腹腔動プーリーと腰部の左側面を締め付ける左腰動プーリーと右側面を締め付ける右腰動プーリーの4つの動プーリーが前記帯状バンド部に左右及び上下対称に配設され、前記動プーリーは1つ以上のプーリーで構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の腰用サポーター。
【請求項6】
前記動プーリー部の4つの動プーリーはワイヤーで連結され、前記ワイヤーの中央部にワイヤー留め有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の腰用サポーター。
【請求項7】
前記帯状バンド部及び前記補助バンド部は伸縮性を有しない素材で構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の腰用サポーター。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腰痛の予防及び緩和に腰に巻きつけて使用する腰用サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザーは腰痛の予防及び緩和するため、腰用サポーターを腰に巻き付けて使用している。腰用サポーターは、腹腔及び腰部を締め付けて腹腔圧を上昇させ、また可動性を制限することで、腰椎や仙腸関節を安定させると共に体を圧迫して疼痛を緩和し、ユーザーに安心感を与える効果がある。
【0003】
そのため、力の弱い女性や老人でも腹腔及び腰を強く締め付けることができる腰用サポーターが要請され、これに関する数多くの締め付け技術が開示されている。それらは、大きく分けると、作動ベルト方式と動プーリー方式があり、従来作動ベルト方式が主流であったが、近年、締め付ける力の弱い老人や女性用として、また微調整も容易であることから、動プーリー方式が開発されている。作動ベルト方式では、締め付け力を向上させるリングの動滑車機能が1つであるのに対して、動プーリー方式では数個のプーリーを使用するので、格段に締め付け力を向上させることができる。例えば、作動ベルト方式としては特許文献1や特許文献2があり、動プーリー方式では文献3や文献4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-54793号公報
【特許文献2】特開2015-231533号公報
【特許文献3】特開2017-160557号公報
【特許文献4】特開2021-137518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの動プーリー方式では、プーリーを支持する支持体が第1支持体と第2支持体の左右に分割され、ちょうど腰椎に当たる部分がワイヤーになり、腰の反り返りすぎを防止することができなく、また腰椎を直接圧迫できないので、腰痛緩和効果が得られないという問題があった。また、ユーザーが腰用サポーターを使用中、立ったり座ったりすることで腰用サポーターの位置が上下にずれて、本来の固定したい箇所から外れてしまうという問題や、支持体が2つに分割されているため、ワイヤーに張力をかけると左右の支持体がずれてしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記の課題を解決するため以下の手段を採用している。
請求項1の発明は、腰に巻着する腰用サポーターであって、帯状バンド部により腹腔及び腰部を締め付ける第一緊締調節手段と補助バンド部により腹腔及び腰部を締め付ける第二緊締調節手段と動プーリー部により腹腔及び腰部を締め付ける第三緊締調整手段とを有し、前記帯状バンド部に前記補助バンド部と前記動プーリー部が固着され、前記第一緊締調節手段と前記第二緊締調節手段とは腹腔及び腰部を締め付ける方向が同一方向に作用し、前記第三緊締調整手段は逆方向に作用することを特徴とする。これにより、ユーザーはまず、第一緊締調節手段により本発明の腰用サポーターの帯状バンド部を体に巻き付け、ある程度の引き締めを行い、次に第二緊締調節手段のリングの1つの動滑車効果により、更に同じ方向に腹腔及び腰部を引き締めることができる。最後に、ユーザーは第三緊締調節手段の数個のプーリーの動滑車効果により、弱い力でも簡単に逆方向に腹腔及び腰部を引き締めることができる。従って、第二緊締調節手段で腰回り全体を締め付け、また第二緊締調節手段と第三緊締調整手段の締め付ける方向が逆方向に作用するので、バランスのとれた締め付け力を発生させると共に固定力を向上させることができる。このため、ユーザーが腰用サポーターを使用中、立ったり座ったりしても上下にずれることがなく安定して腹腔及び腰部を締め付けることができる。
【0007】
請求項2の発明は、更に背当部を有し、前記背当部は帯状バンド部に取り外し自由に取り付けられる構造及びユーザーの腰椎にフィットする形状の硬質のプレートを挿入できるポケット構造を有し、前記プレートはスリットを有することを特徴とする。これにより、腰の反り返りすぎを防止し、かつ腰椎を圧迫して腰痛を緩和し、ユーザーにフィット感を与えることができる。
【0008】
請求項3の発明は、前記帯状バンド部は左右及び上下対称の帯状に形成され、前記帯状バンド部の中央の左右に支持体を有し、前記支持体の間にマチ部を設けたことを特徴とする。これにより、動プーリーによる締め付けを強めると、マチ部が歪曲できる構造を有するので、左支持体に取付けられた左動プーリー支持体が右に移動し、右支持体に取付けられた右動プーリー支持体が左に移動し、左右の支持体間が狭くなり、締め付け力が向上する。
【0009】
請求項4の発明は、前記補助バンド部は腹腔部の左側面を締め付ける左腹腔補助バンドと腹腔部の右側面を締め付ける右腹腔補助バンドと腰部の左側面を締め付ける左腰補助バンドと腰部の右側面を締め付ける右腰補助バンドの4つの補助バンドが前記帯状バンド部に左右及び上下対称に配設され、前記補助バンドは一端が帯状バンド部に固定され他の一端がリングに固定される固定バンドと一端が前記帯状バンド部に固定され、前記リングを挿通した後、他の一端が前記補助バンド部に固定される作動バンドを有することを特徴とする。これにより、補助バンド部はリングが1個の動滑車の機能を果たし、左右の腹腔及び腰部を均等に締め付けることができる。
【0010】
請求項5の発明は、前記動プーリー部は腹腔部の左側面を締め付ける左腹腔動プーリーと腹腔部の右側面を締め付ける右腹腔動プーリーと腰部の左側面を締め付ける左腰動プーリーと右側面を締め付ける右腰動プーリーの4つの動プーリーが前記帯状バンド部に左右及び上下対称に配設され、前記動プーリーは1つ以上のプーリーで構成されていることを特徴とする。これにより、ユーザーは第三緊締調節手段の左操作部を引くと、数個のプーリーの動滑車効果により、右腰動プーリー支持体が左方向に移動し、左腰動プーリー支持体が右方向に移動して、弱い力でも簡単に腰部を更に引き締めることができる。ユーザーが右操作部を引くと、数個のプーリーの動滑車効果により、右腹腔動プーリー支持体が左方向に移動し、左腹腔動プーリー支持体が右方向に移動して、弱い力でも簡単に腹腔部を更に引き締めることができる。また、ユーザーが立ったり座ったりする場合の締め付け力の微調整が簡単に行える。
【0011】
請求項6の発明は、前記動プーリー部の4つの動プーリーはワイヤーで連結され、前記ワイヤーの中央部にワイヤー留め有することを特徴とする。これにより、ワイヤーが左右にずれてしまうことを防ぐことができる。
【0012】
請求項7の発明は、前記帯状バンド部及び前記補助バンド部は伸縮性を有しない素材で構成されていることを特徴とする。これにより、通常、サポーターは伸縮性のある材料で製作されるが、メッシュ材料やウレタン材料により構成できるので、軽量化が図れ、また通気性も向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、三つの緊締調節手段を有し、ユーザーは第一緊締調節手段により本発明の腰用サポーターの帯状バンド部を体に巻き付け、ある程度引き締めを行い、次に第二緊締調節手段のリングの動滑車効果により、更に同じ方向に引き締めることができ、最後に、第三緊締調節手段の数個のプーリーの動滑車効果により、弱い力でも簡単に逆方向に引き締めることができる。これにより、第二緊締調節手段で腰回り全体を締め付け、また第二緊締調節手段と第三緊締調整手段の締め付ける方向が逆方向に作用するので、バランスのとれた締め付け力を発生させると共に固定力を向上させることができる。このため、ユーザーが腰用サポーターを使用中、立ったり座ったりしても上下にずれることがなく安定して腹腔及び腰部を締め付けることができる。また、動プーリー支持体は帯状バンド部の中央の左右に支持体に固着されているので、ワイヤーに張力をかけても左右の支持体がずれてしまうことがない。そして、背当部を有しているので、腰の反り返りすぎを防止でき、腰椎を直接圧迫できるので、腰痛緩和効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の腰用サポーター1の全体構成を示す。
図2】第一緊締調節手段である帯状バンド部10を示す。
図3】帯状バンド部10の裏面を示す。
図4】第一緊締調節手段である帯状バンド部10に取付けられた第二緊締調節手段である補助バンド部20を示す。
図5】補助バンド部20の左補助バンド20Lを右側に倒した様子を示している。
図6】第一緊締調節手段である帯状バンド部10に取付けられた第三緊締調節手段である動プーリー部30を示している。
図7】帯状バンド部10の裏面に取付ける背当部40を示し、図7(a)はユーザーの背部からみた正面図を表わし、図7(b)はその裏面を示し、図7(c)は背当部40に挿入するプレート正面図を表わし、図7(d)はそのA-A´断面図で、図7(e)はそのB-B´断面図を示す。
図8】ユーザーが本発明の腰サポーターを装着する様子を示し、図8(a)は、第一緊締調節手段である帯状バンド部10の装着を示し、図8(b)は、第二緊締調節手段である補助バンド部20により腹腔及び腰部を締め付ける様子を示し、図8(c)は、第三緊締調節手段である動プーリー部40により腹腔及び腰部を締め付ける様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の腰用サポーター1の全体構成を表わしている。本発明の腰用サポーター1は、図1に示すように左右及び上下に対称に構成されており、第一緊締調節手段である帯状バンド部10と、第二緊締調節手段である補助バンド部20と、第三緊締調節手段である動プーリー部30を有している。
【0016】
ここで、符号の付け方について説明する。左右を表わす必要があるときは、番号の後に左はLで、右はRを付す。上下を表わす必要があるときは、番号の後に上(腹腔部)はUで、下(腰部)はDを付す。
【0017】
図2は、図1の第二緊締調節手段及び第三緊締調節手段を取り除き第一緊締調節手段である帯状バンド部10のみを表わしている。帯状バンド部10の中央には左側背部に当接する左支持体12Lと右側背部に当接する右支持体12Rがある。左支持体12Lには、動プーリー部30の左動プーリー支持体31Lが取り付けられる。右支持体12Rには、動プーリー部30の右動プーリー支持体31Rが取り付けられる。左支持体12Lと右支持体12Rの間にはマチ部11がある。マチ部11は左右の支持体12に内向きの力が加わると歪曲して、左右の支持体12が内側に移動できるように構成されている。帯状バンド部10は通気性の向上と、軽量化を図るためメッシュ材料を採用するのが好ましい。左メッシュ帯13Lは左側の腹腔及び腰部を締め付け、右メッシュ帯13Rは右側の腹腔及び腰部を締め付ける。左補強帯14Lは帯状バンド部10を装着したときの引張力に耐えられるように左メッシュ帯13Lを補強し、右補強帯14Rは帯状バンド部10を装着したときの引張力に耐えられるように右メッシュ帯13Rを補強する。帯状バンド部10の左端の左係着体16Lには、ループ(メス)の面ファスナーが左係着体16Lの縁端部と左縫製枠体15Lとに縫い付けられている。また、帯状バンド部10の右端の右係着体16Rには、ループ(メス)の面ファスナーが右係着体16Rの縁端部と右縫製枠体15Rとに縫い付けられている。
【0018】
図3は帯状バンド部10の裏面を表わしている。右係着体16Rの裏面には、フック(オス)の面ファスナーが縫着されている。ユーザーが帯状バンド部10を装着するとき、右係着体16Rの裏面のフック(オス)の面ファスナーは左係着体16Lのループ(メス)の面ファスナーに係着する。また背当部係着枠体17にはループ(メス)の面ファスナー縫着されており、これに図7の背当部40の裏面の係着枠体43のフック(オス)の面ファスナーが係着する。
【0019】
図4は第一緊締調節手段である帯状バンド部10に取付けられた第二緊締調節手段である補助バンド部20を表わしている。図4では第二緊締調節手段である補助バンド部20の構造を鮮明にするため補助バンド部20を実線で表し、第一緊締調節手段である帯状バンド部10の構造を破線で示している。補助バンド部20は左右両端に係着体21と縫製枠体22と補助バンド23を有し左右及び上下に対称な構造である。
【0020】
補助バンド部20の左端の左係着体21Lには、ループ(メス)の面ファスナーが左係着体21Lの縁端部と左縫製枠体22Lにより縫着されている。補助バンド部20の右端の右係着体21Rには、ループ(メス)の面ファスナーが右係着体21Rの縁端部と右縫製枠体22Rにより縫着されている。左係着体21Lの裏面には、フック(オス)の面ファスナーが左係着体21Lの縁端部と左縫製枠体22Lにより縫着されている。また、右係着体21Rの裏面には、フック(オス)の面ファスナーが右係着体21Rの縁端部と右縫製枠体22Rにより縫着されている。
【0021】
補助バンド部20は、左腹腔部を締め付ける左腹腔補助バンド23LUと右腹腔部を締め付ける右腹腔補助バンド23RUと左腰部を締め付ける左腰補助バンド23LDと右腰部を締め付ける右腰補助バンド23RDの4つの補助バンド23を有する。
【0022】
左腹腔補助バンド23LUは左腹腔固定バンド26LUとリング25及び左腹腔作動バンド24LUで構成されている。左腹腔固定バンド26LUの一端は帯状バンド部10の左支持体12Lに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、略V字形になるように帯状バンド部10の左支持体12Lに固着されている。左腹腔作動バンド24LUの一端は帯状バンド部10の左縫製枠体15Lに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、補助バンド部20の左縫製枠体22Lに固着されている。
【0023】
左腰補助バンド24LDは左腰固定バンド26LDとリング25及び左腰作動バンド24LDで構成されている。左腰固定バンド26LDの一端は帯状バンド部10の左支持体12Lに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、略V字形になるように帯状バンド部10の左支持体12Lに固着されている。左腰作動バンド24LDの一端は帯状バンド部10の左縫製枠体15Lに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、補助バンド部20の左縫製枠体22Lに固着されている。
【0024】
右腹腔補助バンド23RUは右腹腔固定バンド26RUとリング25及び右腹腔作動バンド24RUで構成されている。右腹腔固定バンド26RUの一端は帯状バンド部10の右支持体12Rに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、略V字形になるように帯状バンド部10の右支持体12Rに固着されている。右腹腔作動バンド24RUの一端は帯状バンド部10の右縫製枠体15Rに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、補助バンド部20の右縫製枠体22Rに固着されている。
【0025】
右腰補助バンド24RDは右腰固定バンド26RDとリング25及び右腰作動バンド24RDで構成されている。右腰固定バンド26RDの一端は帯状バンド部10の右支持体12Rに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、略V字形になるように帯状バンド部10の右支持体12Rに固着されている。右腰作動バンド24RDの一端は帯状バンド部10の右縫製枠体15Rに固着され、他の一端はリング25を挿通した後折り返して、補助バンド部20の右縫製枠体22Rに固着されている。
【0026】
図5は補助バンド部20の左補助バンド20Lを帯状バンド部10の左係着体16Lのループ(メス)の面ファスナーへの係着を解除して右側に倒した様子を示している。
左補助バンド部20Lで左側の腹腔及び腰部を引き締める場合、ユーザーは、帯状バンド部10の左係着体16Lから左補助バンド部20Lの左係着体21Lを外して、リング25を支点に引っ張ると、リング25が左作動ベルト24L上を左に摺動して、帯状バンド部10の左縫製枠体15Lとリング25間の距離が短くなる。そして左係着体21Lを帯状バンド部10の左係着体16Lに係着することで、左側の腹腔及び腰部を引き締めることができる。このときリングは動滑車として機能し、引き締め力を高めることができる。
【0027】
同様にして、右補助バンド部20Rで右側の腹腔及び腰部を引き締める場合、ユーザーは、帯状バンド部10の右係着体16Rから右補助バンド部20Rの右係着体21Rを外して、リング25を支点に引っ張ると、リング25が右作動ベルト上を右に摺動して、帯状バンド部10の右縫製枠体15Rとリング25間の距離が短くなる。右係着体21Rを帯状バンド部10の右係着体16Rに係着することで、右側の腹腔及び腰部を引き締めることができる。
【0028】
このように、補助バンド部20は、左右及び上下対称に形成され、左腹腔補助バンド23LUと左腰補助バンドLD及び右腹腔補助バンド23RUと右腰補助バンドRDは図に示すようにV字形を形成し、締め付け力が均衡するので腹腔及び腰部を安定して締め付けることができると共に固定力を向上させることができる。また、補助バンド部20による第二緊締調節手段で締め付けると、帯状バンド部10の左支持体12Lは左に移動し、右支持体12Rは右に移動するためマチ部は歪曲しないで引き延ばされた形状になる。
【0029】
図6は第一緊締調節手段である帯状バンド部10に取付けられた第三緊締調節手段である動プーリー部30を表わしている。図6では第三緊締調節手段である動プーリー部30の構造を鮮明にするため動プーリー部30を実線で表し、第一緊締調節手段である帯状バンド部10及び第二緊締調節手段である補助バンド部20を破線で示している。動プーリー部30は操作部35と動プーリー支持体31を有し、左右及び上下に対称な構造である。左動プーリー部30Lは左腹腔動プーリー支持体31LUと左腰を締め付ける左腰動プーリー支持体31LDを有し、左動プーリー支持体31Lの上には、1個以上のプーリー33(図6では2個のプーリー33)が配設され、左動プーリー支持体31Lは帯状バンド部10の左支持体12Lに固着される。また、動プーリー部30はワイヤー32を操作する左操作部35Lとワイヤー32をガイドする左ワイヤーガイド34Lを有し、左ワイヤーガイド34Lは帯状バンド部10の左支持体12Lに固着されている。
【0030】
同様に、右動プーリー部30Rは右腹腔を締め付ける右腹腔動プーリー支持体31RUと右腰部を締め付ける右腰動プーリー支持体31RDを有し、右プーリー支持体31Rの上には、1個以上のプーリー33(図6では2個のプーリー33)が配設されて、右動プーリー支持体31Rは帯状バンド部10の右支持体12Rに固着される。また、ワイヤー32を操作する右操作部35Rとワイヤー32をガイドする右ワイヤーガイド34Rを有し、右ワイヤーガイド34Rは帯状バンド部10の右支持体12Rに固着されている。
【0031】
左操作部35Lに結び付けられたワイヤー32は左ワイヤーガイド34Lに挿通され、右腰動プーリー支持体31RDのプーリー33に巻き掛けられ、次に左腰動プーリー支持体31LDのプーリー33に巻き掛けられ、次に右腰動プーリー支持体31RDのプーリー33に巻き掛けられ、次に左腰動プーリー支持体31LDのプーリー33に巻き掛けられ、次に右腹腔動プーリー支持体31RUのプーリー33に巻き掛けられ、次に左腹腔動プーリー支持体31LUのプーリー33に巻き掛けられ、次に右腹腔動プーリー支持体31RUのプーリー33に巻き掛けられ、次に左腹腔動プーリー支持体31LUのプーリー33に巻き掛けられ、右ワイヤーガイド34Rに挿通され、右操作部35Rに結び付けられている。ワイヤーの掛け方は動滑車効果が得られるものであれば、これに拘るものではない。なお、ワイヤー32が左右にズレないようにワイヤーの中央部はワイヤー留め36を有し、ワイヤー留め36は帯状バンド部10に固着されている。
【0032】
ユーザーが左操作部35L引っ張ると、ワイヤー32が左方向に移動し、右腰動プーリー支持体31RDにはプーリー33を通じて左方向の力が加わり、左腰動プーリー支持体31LDにはプーリー33を通じて右方向の力が加わる。このため右腰動プーリー支持体31RDは左方向に移動し、左腰動プーリー支持体31LDは右方向に移動し、左腰動プーリー支持体31LDと右腰動プーリー支持体31RDの間隔が狭くなる。これに伴い帯状バンド部10のマチ部11の下部が少し歪曲し、左支持体12Lと右支持体12Rの間隔が狭まり、腰部が締め付けられる。
【0033】
同様に、ユーザーが右操作部35Rを引っ張ると、ワイヤー32が右方向に移動し、左腹腔動プーリー支持体31LUにはプーリー33を通じて右方向の力が加わり、右腹腔動プーリー支持体31RUにはプーリー33を通じて左方向の力が加わる。このため左腹腔動プーリー支持体31LUは右方向に移動し、右腹腔動プーリー支持体31RUは左方向に移動し、左腹腔動プーリー支持体31LUと右腹腔動プーリー支持体31RUの間隔が狭くなる。これに伴い帯状バンド部10のマチ部11の上部が少し歪曲し、左支持体12Lと右支持体12Rの間隔が狭まり、腹腔部が締め付けられる。
【0034】
このように、第一緊締調節手段である帯状バンド部10と第二緊締調節手段である補助バンド部20とは腹腔及び腰部締め付ける方向が同一方向に作用し、第三緊締調整手段である動プーリー部30は逆方向に作用するので、バランスのとれた締め付け力を発生させることができる。また補助バンド部20で腰回り全体を締め付けるので、固定力が増し、ユーザーが腰用サポーターを使用中、立ったり座ったりしても上下にずれることがなく安定して腹腔及び腰部を締め付けることができる。
【0035】
図7は、腰椎を圧迫し、腰の反りすぎを防止し、ユーザーにフィット感を高めるための帯状バンド部10の裏面に取付ける背当部40を示している。図7(a)は背当部40のユーザーの背部からみた表面の正面図であり、図7(b)はその裏面である。背当部40はポケット構造を有し、表面はクッション材で裏打ちしたメッシュ材41で製作され、裏面の中央に帯状バンド部10の裏面の背当部係着枠体17のループ(メス)の面ファスナーに係着するフック(オス)の面ファスナーの係着枠体43が縫着されている。図7(c)は、硬質の合成樹脂で形成された背当部のポケットに挿入するブレート51を示す。プレート51はユーザーの背部の形状に近い形状に形成され、図7(c)はユーザーの背部からみた正面図を表わし、図7(d)はそのA-A´断面図で、図7(e)はそのB-B´断面図である。A-A´断面は脊椎の形状に近い略S字形状であり、B-B´断面はユーザーの背部の形状に近い、凹形状としている。プレート51は硬質の合成樹脂で形成されるが、ある程度の撓りをもたせるため、上下の中央にスリット52を設けている。また、図示していないが、軽量化を図るため、略円形の穴を数か所設けることも好ましい。
【0036】
図8はユーザーが本発明の腰サポーター1を装着する様子を示し、図8(a)は、第一緊締調節手段である帯状バンド部10の装着を示し、図8(b)は、第二緊締調節手段である補助バンド部20により腹腔及び腰部を締め付ける様子を示し、図8(c)は、第三緊締調節手段である動プーリー部30により腹腔及び腰部を締め付ける様子を示している。
【0037】
ユーザーが本発明の腰サポーター1を装着する場合、まず、第一緊締調節手段である帯状バンド部10を装着する。図8(a)に示すようにユーザーは背当部40を腰椎に当て、帯状バンド部10の左係着体16Lと右係着体16Rを手で持ち、腰に巻き付け、右係着体16Lの裏面のフック(オス)の面ファスナーを左係着体16Lのループ(メス)の面ファスナーに引き締めて係着する。
【0038】
次に、第二緊締調節手段である補助バンド部20のリング25の動滑車効果により、更に同じ方向に引き締める。ユーザーは図8(b)に示すように、補助バンド部20の左係着体21Lと右係着体21Rを手で持ち、左右の係着体21を引き締め、左右の係着体21を帯状バンド部10の左右の係着体16に係着する。この時、リング25が移動して、1つの動滑車効果により、弱い力で、腹腔及び腰部を更に引き締めることができる。
【0039】
次に、ユーザーは図8(c)に示すように、第三緊締調節手段である動プーリー部30で、腰回りを更に締め付ける。ユーザーが動プーリー部30の左操作部35Lを引き、左操作部35Lを帯状バンド部10の左係着体16Lまたは補助バンド部20の左係着体21Lに係着する。この時、右腰動プーリー支持体31RDは左方向に移動し、左腰動プーリー支持体31LDは左方向に移動し、左腰動プーリー支持体31LDと右腰動プーリー支持体31RDの間隔が狭くなる。これに伴い帯状バンド部10のマチ部11の下部が少し歪曲し、左支持体12Lと右支持体12Rの間隔が狭まり、腰部が締め付けられる。また、ユーザーが動プーリー部30の右操作部35Rを引き、右操作部35Rを帯状バンド部10の右係着体16Rまたは補助バンド部20の右係着体21Rに係着する。この時、左腹腔動プーリー支持体31LUは右方向に移動し、右腹腔動プーリー支持体31RUは左方向に移動し、左腹腔動プーリー支持体31LUと右腹腔動プーリー支持体31RUの間隔が狭くなる。これに伴い帯状バンド部10のマチ部11の上部が少し歪曲し、左支持体12Lと右支持体12Rの間隔が狭まり、腹腔部が締め付けられる。
【0040】
本発明の適用範囲は上述した実施形態及び実施例に限定されない。本発明の趣旨に沿った腰用サポーターに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 腰用サポーター
10 帯状バンド部
11 マチ部
12 支持体
13 メッシュ帯
14 補強帯
15 縫製枠体
16 係着体
17 背当部係着枠体
20 補助バンド部
21 係着体
22 縫製枠体
23 補助バンド
24 作動バンド
25 リング
26 固定バンド
30 動プーリー部
31 動プーリー支持体
32 ワイヤー
33 プーリー
34 ワイヤーガイド
35 操作部
36 ワイヤー留め
40 背当部
41 メッシュ材
42 縫製縁部
43 係着枠体
51 プレート
52 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8