(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027163
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】静止画表示プログラム、静止画表示方法、静止画表示装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250219BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212073
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】521227056
【氏名又は名称】株式会社あい美す
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 敦司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の被写体について、互いに異なる複数の回転角度から撮影された静止画を確認しつつ、回転角度毎に、同じ回転角度から撮影された静止画同士を見比べる静止画表示プログラム、静止画表示方法及び静止画表示装置を提供する。
【解決手段】管理サーバと、複数人の顧客の夫々が操作する複数の顧客端末と、複数人のスタイリストの夫々が操作する複数のスタイリスト端末とが、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されているヘアカルテ管理システムにおいて、スタイリスト端末300は、ヘアカルテ利用処理を実行するための表示制御部311(表示処理部、変更部)と、受付部312して機能する制御部310と、記憶部320と、各種の画像や情報を表示する表示部330と、スタイリストの操作や指示を受け付ける操作入力部340と、有線または無線により他の装置との通信を行うインターフェース部350と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の被写体の静止画を表示装置の表示部に表示する静止画表示プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数の被写体のそれぞれについて複数(3つ以上)の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データ群に基づき、前記複数の被写体のそれぞれの一の回転角度の静止画を、前記表示部に表示する表示処理と、
前記一の回転角度を別の回転角度に変更する変更指示を受け付ける第1の受付処理と、
前記第1の受付処理にて前記変更指示を受け付けた場合、前記複数の被写体のそれぞれについて、前記静止画データ群に基づき、前記表示部に表示された前記一の回転角度の静止画を、前記別の回転角度の静止画に変更する変更処理と、
を実行させる、静止画表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の静止画表示プログラムであって、
前記変更指示は、前記複数の被写体のうち、特定の被写体の静止画に対する所定の周方向への回転指示であり、
前記変更処理では、前記第1の受付処理にて前記回転指示を受け付けた場合、前記特定の被写体について、前記複数の回転角度の静止画を、前記所定の周方向の順番に順次表示させ、さらに、他の前記被写体について、前記複数の回転角度の静止画を、前記所定の周方向の順番に順次表示させる連動回転表示を行う、
静止画表示プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の静止画表示プログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記表示部に表示された複数(3つ以上)の被写体の静止画から、2つの以上の被写体を、選択被写体として選択させる選択処理を実行させ、
前記選択処理にて前記選択被写体が選択された場合、前記変更処理では、前記選択被写体の静止画だけを対象に、前記変更指示に基づく静止画の変更を行う、
静止画表示プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静止画表示プログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記表示部に表示された複数(3つ以上)の被写体の静止画から、固定対象の被写体を指定させる指定処理と、
前記表示部に表示する被写体を切り替える切替指示を受け付ける第2の受付処理と、
前記第2の受付処理にて前記切替指示を受け付けた場合、前記表示部に表示された前記複数の被写体の静止画のうち、前記固定対象の被写体の静止画を残しつつ、前記固定対象でない被写体の静止画を、別の被写体の静止画に切り替える切替処理と、
を実行させる、静止画表示プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静止画表示プログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記表示部に表示される静止画の表示倍率を変更する倍率変更処理を実行させ、
前記変更指示は、前記複数の被写体のうち、特定の被写体の静止画に対する所定の周方向への回転指示であり、
前記表示処理では、第1の表示倍率に設定された場合、前記第1の表示倍率よりも低い第2の倍率に設定された場合に比べて、互いに角度間隔が狭く、かつ、回転角度の数が多い複数の回転角度の静止画を順次表示させる、
静止画表示プログラム。
【請求項6】
互いに異なる複数の被写体の静止画を表示装置の表示部に表示する静止画表示方法であって、
前記複数の被写体のそれぞれについて複数(3つ以上)の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データ群に基づき、前記複数の被写体のそれぞれの一の回転角度の静止画を、前記表示部に表示する表示工程と、
前記一の回転角度を別の回転角度に変更する変更指示を受け付ける第1の受付工程と、
前記第1の受付工程にて前記変更指示を受け付けた場合、前記複数の被写体のそれぞれについて、前記静止画データ群に基づき、前記表示部に表示された前記一の回転角度の静止画を、前記別の回転角度の静止画に変更する変更工程と、
を実行させる、静止画表示方法。
【請求項7】
互いに異なる複数の被写体の静止画を表示装置の表示部に表示する静止画表示装置であって、
前記複数の被写体のそれぞれについて複数(3つ以上)の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データ群に基づき、前記複数の被写体のそれぞれの一の回転角度の静止画を、前記表示部に表示する表示処理部と、
前記一の回転角度を別の回転角度に変更する変更指示を受け付ける第1の受付部と、
前記第1の受付部にて前記変更指示を受け付けた場合、前記複数の被写体のそれぞれについて、前記静止画データ群に基づき、前記表示部に表示された前記一の回転角度の静止画を、前記別の回転角度の静止画に変更する変更部と、
を実行させる、静止画表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、静止画表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、互いに異なる複数のヘアスタイルの静止画を表示装置の表示部に並べて表示する技術が知られている。この技術によれば、美容師、ヘアリストや顧客等のユーザは、表示された複数のヘアスタイルの静止画を同時に見比べることができるため、所望のヘアスタイルを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、表示部に並べて表示される複数のヘアスタイルの静止画は、いずれも、固定の方向(正面方向)から撮影されたものだけである。すなわち、ユーザは、複数のヘアスタイルを、予め定められた固定の方向から撮影された静止画でしか見比べることができないため、複数のヘアスタイルを精度よく見比べることができないという問題があった。
なお、このような問題は、ヘアスタイルに限らず、メイク、整形、服装、帽子などの人を対象とする被写体、さらには、鞄等の装飾品などの物品を対象とする被写体など、見比べたい複数の被写体を並べて表示部に表示する場合に共通する問題である。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される静止画表示プログラムは、互いに異なる複数の被写体の静止画を表示装置の表示部に表示する静止画表示プログラムであって、コンピュータに、前記複数の被写体のそれぞれについて複数(3つ以上)の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データ群に基づき、前記複数の被写体のそれぞれの一の回転角度の静止画を、前記表示部に表示する表示処理と、前記一の回転角度を別の回転角度に変更する変更指示を受け付ける第1の受付処理と、前記第1の受付処理にて前記変更指示を受け付けた場合、前記複数の被写体のそれぞれについて、前記静止画データ群に基づき、前記表示部に表示された前記一の回転角度の静止画を、前記別の回転角度の静止画に変更する変更処理と、を実行させる。
【0008】
本静止画表示プログラムによれば、表示装置の表示部に表示された複数の被写体の静止画を、変更指示に応じた回転角度に順次変更させることができる。例えば、複数の被写体のそれぞれについて一の回転角度静止画が表示部に表示された状態で、変更指示がされると、複数の被写体のそれぞれについて、別の回転角度の静止画が表示部に表示された状態になる。これにより、変更指示を行うことにより、複数の被写体について、互いに異なる複数の回転角度から撮影された静止画を確認しつつ、回転角度ごとに、同じ回転角度から撮影された静止画同士を見比べることができる。
【0009】
(2)上記静止画表示プログラムにおいて、前記変更指示は、前記複数の被写体のうち、特定の被写体の静止画に対する所定の周方向への回転指示であり、前記変更処理では、前記第1の受付処理にて前記回転指示を受け付けた場合、前記特定の被写体について、前記複数の回転角度の静止画を、前記所定の周方向の順番に順次表示させ、さらに、他の前記被写体について、前記複数の回転角度の静止画を、前記所定の周方向の順番に順次表示させる連動回転表示を行う構成としてもよい。本静止画表示プログラムでは、特定の被写体を基準に他の被写体と比較した場合、特定の被写体に対する回転指示を行う。すると、特定の被写体の静止画が回転表示され、それに連動して、他の被写体の静止画も回転表示される。これにより、本静止画表示プログラムによれば、特定の被写体に着目して複数の回転角度からの静止画を確認しつつ、それに連動して表示される、同じ回転角度から表示された他の被写体の静止画と見比べることができる。
【0010】
(3)上記静止画表示プログラムにおいて、前記コンピュータに、さらに、前記表示部に表示された複数(3つ以上)の被写体の静止画から、2つの以上の被写体を、選択被写体として選択させる選択処理を実行させ、前記選択処理にて前記選択被写体が選択された場合、前記変更処理では、前記選択被写体の静止画だけを対象に、前記変更指示に基づく静止画の変更を行う構成としてもよい。本静止画表示プログラムによれば、表示部に表示される複数の被写体の静止画の中から、比較したい被写体だけに絞り込んで、同じ回転角度から撮影された静止画同士を見比べることができる。
【0011】
(4)上記静止画表示プログラムにおいて、前記コンピュータに、さらに、前記表示部に表示された複数(3つ以上)の被写体の静止画から、固定対象の被写体を指定させる指定処理と、前記表示部に表示する被写体を切り替える切替指示を受け付ける第2の受付処理と、前記第2の受付処理にて前記切替指示を受け付けた場合、前記表示部に表示された前記複数の被写体の静止画のうち、前記固定対象の被写体の静止画を残しつつ、前記固定対象でない被写体の静止画を、別の被写体の静止画に切り替える切替処理と、を実行させる構成としてもよい。本静止画表示プログラムによれば、例えば気になった被写体の静止画を固定表示させつつ、他の被写体の静止画を別の被写体の静止画に切り替えることにより、見比べたい候補の被写体を探すことができる。
【0012】
(5)上記静止画表示プログラムにおいて、前記コンピュータに、さらに、前記表示部に表示される静止画の表示倍率を変更する倍率変更処理を実行させ、前記変更指示は、前記複数の被写体のうち、特定の被写体の静止画に対する所定の周方向への回転指示であり、前記表示処理では、第1の表示倍率に設定された場合、前記第1の表示倍率よりも低い第2の倍率に設定された場合に比べて、互いに角度間隔が狭く、かつ、回転角度の数が多い複数の回転角度の静止画を順次表示させる構成としてもよい。本静止画表示プログラムでは、静止画を相対的に拡大して表示する場合には、狭い角度間隔で静止画が順次表示されるため、詳細に被写体を見比べることができる。一方、静止画を相対的に縮小して表示する場合には、広い角度間隔で静止画が順次表示されるため、拡大表示時と同じように表示する場合に比べて、変更処理の処理負担を軽減することができる。
【0013】
(6)本明細書に開示される静止画表示方法は、互いに異なる複数の被写体の静止画を表示装置の表示部に表示する静止画表示方法であって、前記複数の被写体のそれぞれについて複数(3つ以上)の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データ群に基づき、前記複数の被写体のそれぞれの一の回転角度の静止画を、前記表示部に表示する表示工程と、前記一の回転角度を別の回転角度に変更する変更指示を受け付ける第1の受付工程と、前記第1の受付工程にて前記変更指示を受け付けた場合、前記複数の被写体のそれぞれについて、前記静止画データ群に基づき、前記表示部に表示された前記一の回転角度の静止画を、前記別の回転角度の静止画に変更する変更工程と、を実行させる。本静止画表示方法によれば、複数の被写体について、互いに異なる複数の回転角度から撮影された静止画を確認しつつ、回転角度ごとに、同じ回転角度から撮影された静止画同士を見比べることができる。
【0014】
(7)本明細書に開示される静止画表示装置は、互いに異なる複数の被写体の静止画を表示装置の表示部に表示する静止画表示装置であって、前記複数の被写体のそれぞれについて複数(3つ以上)の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データ群に基づき、前記複数の被写体のそれぞれの一の回転角度の静止画を、前記表示部に表示する表示処理部と、前記一の回転角度を別の回転角度に変更する変更指示を受け付ける第1の受付部と、前記第1の受付部にて前記変更指示を受け付けた場合、前記複数の被写体のそれぞれについて、前記静止画データ群に基づき、前記表示部に表示された前記一の回転角度の静止画を、前記別の回転角度の静止画に変更する変更部と、を実行させる。本静止画表示装置によれば、複数の被写体について、互いに異なる複数の回転角度から撮影された静止画を確認しつつ、回転角度ごとに、同じ回転角度から撮影された静止画同士を見比べることができる。
【0015】
本明細書によって開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、静止画表示方法および静止画表示装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態におけるヘアカルテ管理システム10の概略構成を示す説明図
【
図2】スタイリスト端末300の構成を概略的に示すブロック図
【
図3】管理サーバ100の構成を概略的に示すブロック図
【
図4】ヘアカルテサービスを利用するための処理時に表示される画面の一例を示す説明図
【
図9】スタイリスト端末300の表示部330に表示される画面の一例を示す説明図
【
図10】カタログ表示処理の内容を示すフローチャート
【
図11】連動回転処理中に表示部330に表示される画面の一例を示す説明図
【
図12】連動回転処理中に表示部330に表示される画面の一例を示す説明図
【
図13】一部スライド処理中に表示部330に表示される画面の一例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.実施形態:
A-1.ヘアカルテ管理システム10の構成:
図1は、本実施形態におけるヘアカルテ管理システム10の概略構成を示す説明図である。ヘアカルテ管理システム10は、例えば理美容所に来店した顧客Pのヘアスタイルに関するヘアカルテ情報を管理するためのシステムである。
【0018】
ヘアカルテ管理システム10は、管理サーバ100と、複数人の顧客P(PA,PB・・・)のそれぞれが操作する複数の顧客端末200(200A,200B・・・)と、複数人のスタイリストQ(QA,QB・・・)のそれぞれが操作する複数のスタイリスト端末300(300A,300B・・・)と、を備える。ヘアカルテ管理システム10を構成する各装置は、通信ネットワークNETを介して互いに通信可能に接続されている。管理サーバ100は、各スタイリストQの作業場所(理美容所や撮影現場など)とは異なる場所に設置されている。なお、スタイリストQは、美容師や理容師などでもよい。
【0019】
スタイリスト端末300は、例えば、スマートフォンやタブレット型端末あるいはパソコンである。
図2は、スタイリスト端末300の構成を概略的に示すブロック図である。スタイリスト端末300は、制御部310と、記憶部320と、表示部330(
図4等参照)と、操作入力部340と、インターフェース部350と、を備える。これらの各部は、バス390を介して互いに通信可能に接続されている。スタイリスト端末300は、特許請求の範囲における静止画表示装置の一例である。
【0020】
スタイリスト端末300の表示部330は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、各種の画像や情報を表示する。また、操作入力部340は、例えばキーボードやマウス、ボタン、マイク等により構成され、スタイリストQの操作や指示を受け付ける。なお、本実施形態では、表示部330がタッチパネルを備えることにより、操作入力部340として機能する。また、インターフェース部350は、例えばLANインターフェースやUSBインターフェース等により構成され、有線または無線により他の装置との通信を行う。
【0021】
スタイリスト端末300の記憶部320は、例えばROMやRAM、ハードディスクドライブ(HDD)等により構成され、各種のプログラムやデータを記憶したり、各種のプログラムを実行する際の作業領域やデータの一時的な記憶領域として利用されたりする。例えば、記憶部320には、ヘアカルテ利用プログラムCQが格納されている。ヘアカルテ利用プログラムCQは、後述するヘアカルテ利用処理を実行するためのコンピュータプログラムである。ヘアカルテ利用プログラムCQは、例えば、CD-ROMやDVD-ROM、USBメモリ等のコンピュータによって読み取り可能な記録媒体(不図示)に格納された状態で提供され、スタイリスト端末300にインストールすることにより記憶部320に格納される。ヘアカルテ利用プログラムCQは、特許請求の範囲における静止画表示プログラムの一例である。
【0022】
スタイリスト端末300の制御部310は、例えばCPU等により構成され、記憶部320から読み出したコンピュータプログラムを実行することにより、スタイリスト端末300の動作を制御する。例えば、制御部310は、記憶部320からヘアカルテ利用プログラムCQを読み出して実行することにより、ヘアカルテ利用処理を実行する。より詳細には、制御部310は、ヘアカルテ利用処理を実行するための、表示制御部311(表示処理部、変更部)と、受付部312して機能する。これら各部の機能については、ヘアカルテ利用処理の説明に合わせて説明する。
【0023】
スタイリストQは、例えば、スタイリスト端末300を操作して、管理者が管理サーバ100によって提供するヘアカルテ管理サービスのホームページ(図示しない)にアクセスし、スタイリストQとして登録し、ログインする。これにより、詳しくは後述するが、スタイリストQは、スタイリスト端末300を用いて、管理サーバ100へのヘアカルテ情報の登録や更新を行ったり、管理サーバ100に保存されたヘアカルテ情報を表示部330に表示して選択したりすることができる。
【0024】
顧客端末200は、例えば、スマートフォンやタブレット型端末あるいはパソコンである。顧客端末200の構成については、スタイリスト端末300の構成と同様なので、説明を省略する。顧客Pは、例えば、顧客端末200を操作して、スタイリストの予約をしたり、スタイリスト端末300からヘアスタイルの静止画や、後述の静止画データ群から作成した360度回転動画を閲覧したりすることができる。
【0025】
管理サーバ100は、各スタイリスト端末300を介して登録された複数のヘアカルテ情報を保存して管理するためのサーバ装置(ヘアカルテ管理装置)である。
図3は、管理サーバ100の構成を概略的に示すブロック図である。管理サーバ100は、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、操作入力部140と、インターフェース部150と、を備える。これらの各部は、バス190を介して互いに通信可能に接続されている。
【0026】
管理サーバ100の表示部130は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、各種の画像や情報を表示する。また、操作入力部140は、例えばキーボードやマウス、ボタン、マイク等により構成され、管理者の操作や指示を受け付ける。なお、表示部130がタッチパネルを備えることにより、操作入力部140として機能するようにしてもよい。また、インターフェース部150は、例えばLANインターフェースやUSBインターフェース等により構成され、有線または無線により他の装置との通信を行う。なお、管理者は、管理サーバ100を直接操作しなくても、管理者が操作する管理者端末(不図示)と管理サーバ100とを通信ネットワークNETを介して通信させることにより、管理サーバ100の各種の操作をリモート操作で行うことができる。
【0027】
管理サーバ100の記憶部120は、例えばROMやRAM、ハードディスクドライブ(HDD)等により構成され、各種のプログラムやデータを記憶したり、各種のプログラムを実行する際の作業領域やデータの一時的な記憶領域として利用されたりする。例えば、記憶部120には、サーバ側管理プログラムCPが格納されている。サーバ側管理プログラムCPは、後述するヘアカルテ管理のためのサーバ側処理を実行するためのコンピュータプログラムである。サーバ側管理プログラムCPは、例えば、CD-ROMやDVD-ROM、USBメモリ等のコンピュータによって読み取り可能な記録媒体(不図示)に格納された状態で提供され、管理サーバ100にインストールすることにより記憶部120に格納される。
【0028】
また、管理サーバ100の記憶部120には、ヘアカルテ情報DB121が格納されている。ヘアカルテ情報DB121には、各スタイリスト端末300から送信される複数のヘアカルテ情報が記録されている。記憶部120には、カタログDB122が格納されている。カタログDB122には、カタログ掲載が許可された複数のヘアカルテ情報が記録されている。記憶部120には、ショップDB123が格納されている。ショップDBには、例えば管理者等がスタイリストQや顧客Pに提供可能な各種の商品やサービスに関する情報が記録されている。
【0029】
管理サーバ100の制御部110は、例えばCPU等により構成され、記憶部120から読み出したコンピュータプログラムを実行することにより、管理サーバ100の動作を制御する。例えば、制御部110は、記憶部120からサーバ側管理プログラムCPを読み出して実行することにより、ヘアカルテ管理のためのサーバ側処理を実行する。このサーバ側処理については、次述のヘアカルテサービスを利用するための処理の説明の中で説明する。
【0030】
A-2.ヘアカルテ利用処理:
次に、スタイリスト端末300により実行されるヘアカルテサービスを利用するための各種の処理について説明する。ヘアカルテサービスは、例えば、顧客PのヘアスタイルやカタログDB122に登録された1または複数のヘアスタイルを、互いに異なる複数の回転角度から確認できるサービスである。例えば、スタイリストQがスタイリスト端末300を操作してヘアカルテサービスのホームページにアクセスし、スタイリストQの識別情報等を用いてログインしたことに応じて、開始される。
【0031】
図4は、ヘアカルテサービスを利用するための処理中にスタイリスト端末300の表示部330に表示される画面の一例を示す説明図である。
図4(A)には、ヘアカルテサービスのホームページの表示画面が表示されている。
図4(A)に示すように、表示画面には、「お客様」ボタン410と、「カタログ」ボタン420と、「ショップ」ボタン430と、「設定」ボタン440との各種のメニューが含まれている。なお、
図4(A)には、「お客様」ボタン410が選択された状態が示されている。「ショップ」ボタン430が押されると、制御部310は、例えば表示部330に表示されているヘアスタイルで使用した商品を扱うショップのホームページにアクセスして表示部330に表示させる。「設定」ボタン440が押されると、ヘアカルテサービスを利用するための各種の設定を行うことができる。
【0032】
A-2-1.お客様情報を登録するための処理:
上記表示画面において「お客様」410が選択されると、スタイリスト端末300の制御部310は、お客様情報を登録するための処理を実行する。具体的には、制御部310は、お客様情報画面(
図4(A))を表示部330に表示させる。お客様情報画面は、「検索欄」412と「新規登録欄」414と「一覧表示欄」416とを含んでいる。
【0033】
「検索欄」412は、キーワード(お客様ごとの特定情報(カルテ番号)や名前など)を入力可能となっており、制御部310は、このキーワードを管理サーバ100に送信する。管理サーバ100の制御部110は、受信したキーワードに基づき、ヘアカルテ情報DB121に登録されている複数のヘアカルテ情報の中から特定のヘアカルテ情報を検索してスタイリスト端末300に送信する。スタイリスト端末300の制御部310は、受信した特定のヘアカルテ情報を表示部330に表示する。ヘアカルテ情報には、次述のお客様情報に加えて、既に登録されたヘアスタイルの静止画データ群等が含まれる。
【0034】
「新規登録欄」414が選択されると、制御部310は、お客様情報入力画面(
図4(B))を表示部330に表示させる。お客様情報入力画面は、顧客Pの特定情報(名前、年齢、連絡先、住所、誕生日など)や担当スタイリスト名等を入力可能になっており、これらの情報が入力されて登録ボタン418が押されると、制御部310は、入力されたお客様情報を管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、受信したお客様情報を、ヘアカルテ情報DB121に登録する。
【0035】
「一覧表示欄」416には、管理サーバ100のヘアカルテ情報DB121に登録されている複数のお客様情報M1~M3が一覧表示されている。なお、「一覧表示欄」416にタッチした指を上下にスライドするスライド操作が行われると、別のお客様情報が順次表示される。「新規登録欄」414にてヘアカルテ情報DB121に新たに登録されたお客様情報も、「一覧表示欄」416の表示対象となる。
【0036】
「一覧表示欄」416に表示された複数のお客様情報M1~M3の中から特定のお客様情報が選択されると、制御部310は、カルテ表示画面(
図4(C))を表示部330に表示する。なお、カルテ表示画面の全長は、表示部330よりも長く、表示部330には、カルテ表示画面の一部分が表示されており、スタイリストQは、上下方向のスクロール操作を行うことにより、カルテ表示画面の全体を見ることができる。また、
図4(C)には、お客様情報M1が選択されたときの状態が表示されている。カルテ表示画面は、「画像表示欄」413と「分類指定欄」415と「MEMO欄」417と含む。
【0037】
「画像表示欄」415は、顧客Pのヘアスタイルを撮影して回転表示用の静止画データ群を取得したり、その静止画データ群に基づきヘアスタイルを回転表示させたりするための欄である。静止画データ群は、顧客Pのヘアスタイルを、互いに異なる複数の回転角度から撮影して得られた複数の静止画データのまとまりである。複数の回転角度は、360度を、所定の撮影角度間隔で均等に分割した角度である。本実施形態では、撮影角度間隔は、30度であり、複数の回転角度は、0度、30度、60度、90度、120度、150度、180度、210度、240度、270度、300度、330度である。
【0038】
「画像表示欄」415には、複数の静止画データ群を登録することができる。例えば、
図4(C)に示すように、同一の顧客P(M1)について、仕上がり時のヘアスタイルM1aと、カット途中のヘアスタイルM1bとの2段階のヘアスタイルのそれぞれの静止画データ群を登録することができる。なお、「画像表示欄」415に表示された複数のヘアスタイルについて、後述の連動回転を実行可能としてもよい。これにより、2段階のヘアスタイルについて、同時に、360度から確認することができる。
【0039】
静止画データ群を取得方法は、次の通りである。「画像表示欄」415中のカメラマーク413aが押されると、スタイリスト端末300の制御部310は、その撮影指示に基づき、撮影用画面(
図6)を表示部330に表示して撮影処理を実行する。
図5は、撮影処理の内容を示すフローチャートであり、
図6は、撮影用画面の一例を示す説明図である。
図6に示すように、撮影用画面には、被写体の映像が表示される映像表示部450と、モード切替部460とが含まれている。モード切替部460では、手動モードと自動モードとを選択することができる。
【0040】
手動モードは、手動により、被写体を互いに異なる複数の回転角度から撮影して静止画データ群を取得するモードである。
図5に示すように、制御部310は、手動モードが選択されたか否かを判断する(S110)。手動モードが選択されると(S110:YES)、制御部310は、手動モード画面(
図6(A))を表示部330に表示させる。手動モード画面には、撮影指示ボタン470と、撮影枚数表示とが含まれている。次に、制御部310は、撮影指示が有るか否かを判断する(S120)。制御部310は、撮影指示ボタン470が押されたことに基づき、撮影指示が有ると判断する。制御部310は、撮影指示が有るまで待機し(S120:NO)、撮影指示が有ると判断した場合(S120:YES)、手動撮影処理を実行する(S130)。手動撮影処理では、制御部310は、映像表示部450に表示されている映像を撮影して静止画データを生成するとともに、撮影枚数に1を加算する。次に、制御部310は、撮影枚数が所定の規定枚数(例えば12枚)に達していないと判断した場合(S140:NO)、S120の処理に戻る。一方、制御部310は、撮影枚数が所定の規定枚数に達したと判断した場合(S140:YES)、S180の処理に進む。
【0041】
具体的には、手動モードでは、例えば、スタイリストQは、
図6(A)に示すように、顧客P(M1)のヘアスタイルの映像を映像表示部450に表示させ、撮影指示ボタン470を押すと、一の回転角度から撮影された静止画データ(同図の例では、回転角度が0度の正面視の静止画データ)が生成される。以下、同様に、スタイリストQは、30度ごとの各回転角度で顧客Pのヘアスタイルを撮影し、撮影枚数が12枚に達すると、30度ごとの12個のヘアスタイルの静止画データが生成される。
【0042】
自動モードは、自動により、被写体を互いに異なる複数の回転角度から撮影して静止画データ群を取得するモードである。
図5に示すように、制御部310は、自動モードが選択されると(S110:NO、かつ、S150:YES)、制御部310は、自動モード画面(
図6(B))を表示部330に表示させる。自動モード画面には、マーク認識部480が含まれている。制御部310は、トリガー用図柄522(例えば星マーク)を認識したか否かを判断する(S160)。具体的には、制御部310は、マーク認識部480に撮像される映像を画像処理することにより、トリガー用図柄522が所定の倍率範囲内で撮像されているか否かを判断する。例えば、マーク認識部480に撮像される映像にトリガー用図柄522が含まれていない場合や、マーク認識部480に撮像される映像に含まれているトリガー用図柄522が上記所定の倍率範囲外である場合には(S160:NO)、制御部310は、S150の処理に戻り、自動撮影処理を開始しない。一方、マーク認識部480に撮像される映像に含まれているトリガー用図柄522が上記所定の倍率範囲内である場合には(S160:YES)、制御部310は、自動撮影処理を開始する(S170)。これにより、顧客Pのヘアスタイルを確認しづらい倍率で撮影されることを抑制することができるとともに、複数の回転角度で撮影された複数の静止画の撮影倍率のばらつきを抑制できる。
【0043】
自動撮影処理では、例えば、特許第6712729号公報や特開2021-61536号公報に開示された技術を利用することができる。自動撮影処理による撮影方法は、例えば次のように表現することができる。
「被写体を、互いに異なる複数の回転角度から撮影する撮影方法であって、
環状体を有し、前記環状体の外周面に、撮影機器(スタイリスト端末300等)の撮影タイミングのトリガーとなる複数のトリアガー用図柄が前記環状体の周方向に間隔を空けて形成されている、撮影用キットを、被写体が前記環状体の内周側に位置するように配置する工程と、
前記被写体と前記撮影用キットの前記外周面の少なくとも一部とを撮影可能な位置に前記撮影装置を配置する工程と、
前記撮影装置に対して、前記被写体と前記撮影用キットとを一体的に相対回転させる工程と、
前記撮影装置に対する前記被写体と前記撮影用キットとの相対回転中において、前記撮影装置の撮影範囲内における所定の位置に前記トリガー用図柄が位置したことを検知するタイミングに基づき、前記撮影装置に撮影を実行させる工程と、
を含む。」
【0044】
本実施形態の自動撮影処理の実行時には、回転撮影用のクロス500が利用される。クロス500は、上記撮影用キットの一例である。
図7は、クロス500の側面構成を示す説明図であり、
図8は、クロス500の上面構成を示す説明図である。
図7および
図8に示すように、クロス500は、保持部510と、環状体520と、連結部530とを有している。
【0045】
環状体520は、顧客Pの胴体の周囲を囲むように配置可能なサイズである。環状体520の外周面には、複数(例えば12個)のトリガー用図柄522が、環状体520の周方向に等間隔(30度の回転角度間隔)で示されている。なお、複数のトリガー用図柄522の1つが、自動撮影開始のトリガーとなる星マーク(図示せず)である。保持部510は、顧客Pの首部の周囲部分を囲む帯状体であり、首部の周囲部分に着脱可能に保持される。なお、保持部510の直径は、環状体520の直径よりも小さい。
【0046】
連結部530は、保持部510と環状体520とをつなぐ部分である。連結部530は、例えば、シート532と、複数本の芯材534とを有している。シート532は、保持部510と環状体520とをつなぐシート材(例えばビニール、布や綿等)である。このシート532により、例えばカット途中にカットした髪の毛やヘアカラー剤等が顧客Pの服装に付着することを抑制することができる。複数本の芯材534は、シート532の内周面、または、シート532の内部に配置され、保持部510から環状体520に向かって延びる棒状部材である。この芯材534により、シート532の形状を安定させることができる。芯材534は、例えば可撓性を有する材料(樹脂材料等)により形成されている。
【0047】
連結部530には、一対の開口部560が形成されている。一対の開口部560が保持部510を中心に互いに対称の位置に配置されている(
図8参照)。ここで、仮に、連結部530に開口部560が形成されていないとすると、連結部530が顧客Pの肩と干渉することにより、クロス500が
図7のような円錐姿勢をとれなくなり、その結果、環状体520が変形し、複数のトリガー用図柄522が顧客Pの周囲に等間隔に配置されなくなるおそれがある。これに対して、クロス500では、連結部530に一対の開口部560が形成されているため、連結部530が顧客Pの肩に干渉することが抑制され、その結果、複数のトリガー用図柄522を顧客Pの周囲に等間隔に配置することができる。
【0048】
具体的には、自動モードでは、例えば、
図7に示すように、顧客Pにクロス500を装着させて回転椅子に座らせる。次に、スタイリストQは、
図6(B)に示すように、所定の倍率範囲のトリガー用図柄522がマーク認識部480に表示される位置にスタイリスト端末300を配置する。これにより、一の回転角度から撮影された静止画データ(同図の例では、回転角度が0度の正面視の静止画データ)が自動で生成される。次に、顧客Pが座っている回転椅子を回転させることにより、マーク認識部480に表示されるトリガー用図柄522が次々に切り替わる。このマーク認識部480に表示されるトリガー用図柄522が切り替わるごとに、各回転角度から撮影された静止画データが自動で順次生成される。その結果、30度ごとの12個のヘアスタイルの静止画データが生成される。
【0049】
S180の処理では、制御部310は、撮影完了画面(
図6(C))を表示部330に表示させる。撮影完了画面には、撮影完了ボタン490と撮り直しボタン495とが含まれている。撮り直しボタン495が押されると、制御部310は、撮影した静止画データを削除して、S110の処理に戻る。一方、撮影完了ボタン490が押されると、制御部310は、撮影された規定枚数の静止画データを、上記静止画データ群としてお客様情報に関連付けて管理サーバ100に送信し(S190)、本撮影処理を終了する。管理サーバ100の制御部310は、受信した静止画データ群を、お客様情報に関連付けてヘアカルテ情報DB121に登録する。なお、撮影処理において、例えばボタン410が押されると(S150:NO)、制御部310は、本撮影処理を終了する。
【0050】
なお、カルテ表示画面の「分類指定欄」415では、撮影したヘアスタイルの分類項目を指定可能になっている。分類項目の例は、後述する分類指定欄422と同様である。さらに、「分類指定欄」415では、後述の検索対象指定欄424でお気に入りのヘアカルテ情報の検索対象とするための「お気に入り」マークを付与することができる。また、「分類指定欄」415では、顧客Pの次回の予約日やカタログ掲載の有無を登録することができる。また、「MEMO欄」417には、例えば手書きカルテを撮影した写真や、カット中のメモ等を記録することができる。制御部310は、分類項目、お気に入りマーク付与、予約日等や、「MEMO欄」417の情報もお客様情報に関連付けて管理サーバ100に送信する。
【0051】
また、「画像表示欄」413中の転送マーク413bが押されると、制御部310は、静止画データ群に基づき、複数の回転角度の静止画が連続再生された360度回転動画データを生成し、その360度回転動画データ、または、360度回転動画データが記録されたwebサイトのURLを顧客端末200に転送する。これにより、顧客Pは、顧客端末200を操作することにより、自分のヘアスタイルの360度回転動画を見ることができる。
【0052】
A-2-2.ヘアカタログからヘアスタイルを選択するための処理:
図9は、スタイリスト端末300の表示部330に表示される画面の一例を示す説明図である。上記表示画面において「カタログ」420が選択されると、スタイリスト端末300の制御部310は、ヘアカタログからヘアスタイルを選択するための処理を実行する。具体的には、カタログ検索画面(
図9(A))を表示部330に表示させる。カタログ検索画面は、管理サーバ100のカタログDB122に登録されている複数のヘアスタイル(ヘアカルテ情報)から、お気に入りのヘアスタイルを検索するための欄である。カタログ検索画面は、分類指定欄422と、検索対象指定欄424と、検索ボタン426とを含んでいる。
【0053】
分類指定欄422では、複数の分類項目を指定可能になっている。複数の分類項目の例としては次のものが挙げられる。
「髪型」:全て/メンズ/レディース/フリー
「年齢」:全て/オールド/ミドル/ヤング/チャイルド
「髪の長さ」:全て/ロング/セミロング/ショート
「スタイル」:全て/ウェーブ/ストレート
「カラー」:全て/グレイ/ファッション/ノーマル
【0054】
検索対象指定欄424では、カタログDB122における検索対象範囲を指定することができる。本実施形態では、「全て」が指定されると、カタログDB122に登録されている全てのヘアカルテ情報が検索対象とされる。「お気に入り」が指定されると、カタログDB122に登録されているヘアカルテ情報のうち、予めお気に入り登録されたヘアカルテ情報だけが検索対象とされる。
【0055】
検索ボタン426が押されると、制御部310は、分類指定欄422で指定された各種の分類項目と検索対象指定欄424で指定された検索対象範囲とに関する検索情報を100に送信する。管理サーバ100の制御部110は、検索対象指定欄424で指定された検索対象範囲内で、分類指定欄422で指定された各種の分類項目に該当する1または複数のヘアカルテ情報をカタログDB122から検索する。そして、制御部110は、検索されたヘアカルテ情報をスタイリスト端末300に送信する。
【0056】
スタイリスト端末300の制御部310は、検索されたヘアカルテ情報を受信すると、カタログ一覧画面(
図9(B))を表示部330に表示させる。カタログ一覧画面は、検索された複数のヘアスタイルの静止画Mを一覧表示する画面である。各ヘアスタイルは、検索されたヘアカルテ情報に含まれる静止画データ群の中の一の回転角度の静止画像Mである。
図9(B)では、回転角度が0度の正面視の静止画Maが表示されている。この処理は、特許請求の範囲における表示処理の一例である。
【0057】
カタログ一覧画面が表示部330に表示されると、制御部310は、カタログ表示処理を実行する。カタログ表示処理は、カタログ一覧画面に表示された1または複数のヘアスタイルの静止画像Mを、別の回転角度の静止画像に順次変更していく静止画回転表示を行うための処理である。この処理は、特許請求の範囲における変更処理の一例である。
図10は、カタログ表示処理の内容を示すフローチャートである。
図10に示すように、制御部310は、回転指示が有るか否かを判断する(S210)。制御部310は、例えば、顧客Pが、カタログ一覧画面にタッチした指を左右方向にスライド操作することを検知した場合に、回転指示が有ると判断する。この処理は、特許請求の範囲における第1の受付処理の一例であり、回転指示は、特許請求の範囲における変更指示の一例である。なお、変更指示は、回転指示に限らず、例えば回転角度(30度、90度等)を個別に指定するものでもよい。
【0058】
制御部310は、回転指示が有ると判断した場合(S210:YES)、連動回転処理を実行する(S220)。連動回転処理は、カタログ一覧画面に一覧表示された複数のヘアスタイルの静止画像Mを、別の回転角度の静止画像に順次変更していく静止画回転表示を行うための処理である。
図11は、連動回転処理中に表示部330に表示される画面の一例を示す説明図である。
図11(b)には、カタログ一覧画面に一覧表示された複数のヘアスタイルの静止画が、全て、回転角度が0度の正面視の静止画である状態が示されている。
【0059】
この
図11(b)の状態で、顧客Pにより左方向のスライド操作が行われると、制御部310は、カタログ一覧画面に一覧表示された複数のヘアスタイルの静止画を、同時に、左側を向いたヘアスタイルの静止画Mb(
図11(a))に変更する。顧客Pにより左方向のスライド操作が継続されると、カタログ一覧画面に一覧表示された全てのヘアスタイルについて、30度ごとの12枚の静止画Mが順次切り替え表示される。これにより、スタイリストQは、カタログ一覧画面に一覧表示された全てのヘアスタイルを、まとめて、左回りで360度から確認することができる。一方、
図11(b)の状態で、顧客Pにより右方向のスライド操作が行われると、制御部310は、カタログ一覧画面に一覧表示された複数のヘアスタイルの静止画を、同時に、右側を向いたヘアスタイルの静止画Mc(
図11(c))に変更する。顧客Pにより右方向のスライド操作が継続されると、カタログ一覧画面に一覧表示された全てのヘアスタイルについて、30度ごとの12枚の静止画Mが順次切り替え表示される。これにより、スタイリストQは、カタログ一覧画面に一覧表示された全てのヘアスタイルを、まとめて、右回りで360度から確認することができる。このとき、制御部310は、表示制御部311として機能する。
【0060】
なお、カタログ一覧画面に表示するヘアスタイルの静止画Mの表示数を変更することができる。例えばスタイリストQが人差し指と親指でカタログ一覧画面の部分を広げる操作を行うと、制御部310は、カタログ一覧画面の表示数を減少させつつ各静止画の表示倍率を大きくする。一方、スタイリストQが人差し指と親指でカタログ一覧画面の部分を狭める操作を行うと、制御部310は、カタログ一覧画面の表示数を増加させつつ各静止画の表示倍率を小さくする。
図12は、表示数の変更後における連動回転処理中に表示部330に表示される画面の一例を示す説明図である。
図12では、4つのヘアスタイルの静止画Mが表示されている。
【0061】
ここで、
図12に示すように、例えば、4つのヘアスタイルのうちの1つのスタイルの静止画にタッチして左右方向にスライド操作が行われると、制御部310は、該1つのヘアスタイルについて、複数の回転角度の静止画Mを、左右方向のいずれかの方向の順番に順次表示させる回転表示を行う。また、制御部310は、それに連動して、残りの3つのヘアスタイルについて回転表示を行う。これにより、スタイリストQは、特定のヘアスタイルを、他のヘアスタイルとともに360度回転させながら見比べることができる。
【0062】
また、カタログ一覧画面の表示数が多いほど、広い角度間隔の複数の回転角度の静止画データ群を用いて回転表示させてもよい。例えば、カタログ一覧画面の表示数が9つである場合(
図11)、各ヘアスタイルについて、90度ごとの4枚の静止画Mを順次切り替え表示させ、カタログ一覧画面の表示数が4つである場合(
図12)、各ヘアスタイルについて、45度ごとの8枚の静止画Mを順次切り替え表示させてもよい。このような構成であれば、カタログ一覧画面の表示数が多い場合における回転表示の処理負担を軽減でき、また、カタログ一覧画面の表示数が少ない場合には、複数のヘアスタイルについて、拡大しつつ細かい角度間隔で詳細に見比べることができる。
【0063】
また、制御部310は、カタログ一覧画面に表示された3つ以上のヘアスタイルの静止画Mから、一部(2つ以上)のヘアスタイルを選択させ、その選択された一部のヘアスタイルについて回転表示を行ってもよい。この処理は、特許請求の範囲における選択処理の一例である。例えば、
図12において、スタイリストQが、カタログ一覧画面に表示された4つのヘアスタイルの静止画Mの中から、例えば2つのヘアスタイルを選択し、その後に、左右方向にスライド操作を行うと、その選択された2つのヘアスタイルだけを対象に回転表示が行われる。これにより、カタログ一覧画面に表示された全てのヘアスタイルについて回転表示する構成に比べて、連動回転の処理負担を軽減できる。なお、この場合、ヘアスタイルが選択された後、選択されなかったヘアスタイルの静止画を表示させず、選択されたヘアスタイルの静止画だけ拡大して表示してもよい。この処理は、倍率変更処理の一例である。
【0064】
制御部310は、固定指示が有ると判断すると(S210:NO、かつ、S230:YES)、一部スライド処理を実行する(S240)。例えば、スタイリストQが、カタログ一覧画面に表示された複数のヘアスタイルから気に入ったヘアスタイルの静止画Mを指定すると(例えば該静止画Mを長押しする)、固定指示が有ると判断し、該ヘアスタイルを固定対象に設定する。この処理は、特許請求の範囲における指定処理の一例である。
【0065】
一部スライド処理では、例えば、スタイリストQによる上下方向のスライド操作を受けると、制御部310は、カタログ一覧画面に表示された複数のヘアスタイルのうち、固定対象とされたヘアスタイルの静止画Mを残しつつ、固定対象とされなかったヘアスタイルの静止画Mだけ、別のヘアスタイルの静止画Mに切り替えていく。この処理は、特許請求の範囲における第2の受付処理および切替処理の一例である。
【0066】
図13は、一部スライド処理中に表示部330に表示される画面の一例を示す説明図である。
図13(B)では、ヘアスタイルの静止画Ma~Mdが表示されており、かつ、ヘアスタイルの静止画Maが固定対象に設定されているとする。
図13(B)の状態から上方向へのスライド操作がされると、ヘアスタイルの静止画Maは固定配置され、ヘアスタイルの静止画Mb~Mdが別のヘアスタイルの静止画Me,Mf等に切り替えられる(
図13(A))。また、
図13(B)の状態から下方向へのスライド操作がされると、ヘアスタイルの静止画Maは固定配置され、ヘアスタイルの静止画Mb~Mdが別のヘアスタイルの静止画My,Mz等に切り替えられる(
図13(C))。これにより、スタイリストQは、気に入ったヘアスタイルの静止画Mを残しつつ、別のヘアスタイルの静止画を切り替え表示させ、さらに気に入ったヘアスタイルを探すことができる。なお、
図13の例では、カタログ一覧画面の表示最大数(4つ)だけ固定対象が指定されると、カタログ一覧画面に表示された全てのヘアスタイルの静止画Mが固定配置され、スライド操作が無効化されるようにしてもよい。なお、一部スライド処理後に、回転指示がされると(S210:YES)、やはり、カタログ一覧画面に表示された全てのヘアスタイルについて連動回転処理が実行される。
【0067】
制御部310は、上記連動回転処理や一部スライド処理等の過程において、ヘアスタイル決定が有るか否かを判断する(S250)。ヘアスタイル決定とは、1つのヘアスタイルに決定することをいう。例えば、スタイリストQが気に入ったヘアスタイルの静止画Mをダブルタッチ(二度押し)すると、制御部310は、ヘアスタイル決定が有ると判断し(S250:YES)、そのヘアスタイルの静止画Mだけを表示する単独表示画面(
図9(C)を表示部330に表示させる(S260)。
図14は、単独表示画面を示す説明図である。
図14に示すように、単独表示画面で、スタイリストQによる左右方向のスライド操作が行われると、制御部310は、単独表示画面に表示されたヘアスタイルについて、複数の回転角度(例えば12個)の静止画Mを、左右方向のいずれかの方向の順番に順次表示させる回転表示を行う。
【0068】
A-3.本実施形態の効果:
本実施形態によれば、スタイリストQは、ヘアカルテサービスを利用することにより、顧客Pの前回のヘアスタイルを360度見て確認することができる。このため、Qは、Pの前回のヘアスタイルの再現性を向上させることができる。
【0069】
本実施形態によれば、複数のヘアスタイルについて連動回転表示がされるため、複数のヘアスタイルを360度で見比べることができる。これにより、所望のヘアスタイルを効率よく見つけることができる。
【0070】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0071】
上記実施形態では、複数のヘアスタイルの静止画を、スタイリスト端末300の共通の表示部330に表示させる例を説明したが、複数のヘアスタイルの静止画を、複数の表示部にわたって表示させつつ連動回転をさせてもよい。例えば、複数の表示部のそれぞれに、1つのヘアスタイルの静止画を表示させつつ連動回転させてもよい。連動回転処理では、カタログ一覧画面(
図9(B))に表示された複数のヘアスタイルについて、同時に回転表示させたが、互いに異なるタイミングで回転表示させてもよい。例えば固定対象のヘアスタイルの回転表示に対して所定時間だけ遅れたタイミングで、他のヘアスタイルの回転表示が回転表示されるようにしてもよい。
【0072】
上記実施形態では、連動回転処理において、複数のヘアスタイルの静止画は、常に同じ回転角度で撮影された静止画が順次表示されたが、例えば、ヘアスタイルごとに互いに異なる回転角度の静止画を順次表示させてもよい。
【0073】
上記変更指示やスライド操作や入力等は、音声入力による指示等でもよい。
【0074】
上記実施形態では、被写体として、ヘアスタイル(カツラを含む)を例示したが、これに限らず、身体全体、メイク、整形、服装、帽子などの人を対象とする被写体、さらには、鞄等の装飾品などの物品を対象とする被写体でもよい。
【符号の説明】
【0075】
10:ヘアカルテ管理システム 100:管理サーバ 110,310:制御部 120,320:記憶部 130,330:表示部 140,340:操作入力部 150,350:インターフェース部 190,390:バス 200:顧客端末 300:スタイリスト端末 311:表示制御部 312:受付部 413a:カメラマーク 413b:転送マーク 418:登録ボタン 422:分類指定欄 424:検索対象指定欄 426:検索ボタン 450:映像表示部 460:モード切替部 470:撮影指示ボタン 480:マーク認識部 490:撮影完了ボタン 495:撮り直しボタン 500:クロス 510:保持部 520:環状体 522:トリガー用図柄 530:連結部 532:シート 534:芯材 560:開口部 CP:サーバ側管理プログラム CQ:ヘアカルテ利用プログラム NET:通信ネットワーク P:顧客 Q:スタイリスト