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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027291
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】液体抽出器具
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20250219BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20250219BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B05B1/02 101
F04B9/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131970
(22)【出願日】2023-08-14
(71)【出願人】
【識別番号】523199357
【氏名又は名称】株式会社YONEDA
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】米田 英一
【テーマコード(参考)】
3E014
3H075
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB04
3E014PC03
3E014PD12
3E014PE14
3E014PE17
3E014PF10
3H075AA19
3H075BB03
3H075BB22
3H075CC26
3H075DA06
3H075DB14
4F033BA02
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033GA02
4F033GA11
(57)【要約】
【課題】液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体から泡を生成して下方に放出して使用することが可能な液体抽出器具を提供する。
【解決手段】液体抽出器具10は、液体収容パックを保持する保持部15と、液体が流入する挿入筒14と、第1入口側開口26及び第1出口側開口27を有する第1収容部25と、第1入口側開口26を開状態又は閉状態にする第1入口側バルブ部28と、第1出口側開口27を開状態又は閉状態にする第1出口側バルブ部29と、第1収容部25の体積を減少させるように加圧を行う第1加圧部30と、液体から泡を生成する泡生成部33と、泡を外部に放出する第1放出部34とを備え、第1加圧部30が加圧されたときに、第1出口側バルブ部29が開くとともに第1入口側バルブ部28が閉じ、第1収容部25から流出した液体から泡生成部33により泡が生成され、第1放出部34は泡を放出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡に変化することが可能な液体を収容する液体収容パックの流出口を下方に向けた状態で前記液体収容パックを保持する保持部と、
前記保持部により保持された状態で前記液体が前記液体収容パックから流入する流入部と、
第1入口側開口及び第1出口側開口を有するとともに、前記流入部に流入した前記液体を前記第1入口側開口を通じて収容する第1収容部と、
前記第1入口側開口を開状態又は閉状態にする第1入口側バルブ部と、
前記第1出口側開口を開状態又は閉状態にする第1出口側バルブ部と、
前記第1収容部の外部に配設され、且つ、前記第1収容部の体積を減少させるように加圧を行う第1加圧部と、
前記第1出口側開口の下流側に配設され、前記第1収容部から流出した前記液体から泡を生成する泡生成部と、
前記泡を外部に放出する第1放出部とを備え、
前記第1加圧部が加圧されたときに、前記第1出口側バルブ部が開くとともに前記第1入口側バルブ部が閉じ、前記第1収容部から流出した前記液体から前記泡生成部により前記泡が生成され、前記第1放出部は、前記泡を放出する、液体抽出器具。
【請求項2】
前記第1加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面である接触面の反対面に位置し、前記ユーザが前記第1加圧部を加圧するときに前記第1収容部が動かないように前記ユーザの手指で抑えることが可能な第1背面部を備え、
前記第1加圧部の硬度は、前記第1背面部の硬度に比べて小さく、且つ、前記第1加圧部は、弾性体である、請求項1に記載の液体抽出器具。
【請求項3】
前記第1放出部は、前記泡を前記下方に放出する、請求項1に記載の液体抽出器具。
【請求項4】
前記保持部及び前記流入部を含む上側部位から前記第1収容部、前記第1入口側バルブ部、前記第1出口側バルブ部、前記第1加圧部、前記泡生成部、及び前記第1放出部を含む第1下側部位を取外すとともに、前記上側部位に前記第1下側部位を取付ける脱着部と、
第2入口側開口及び第2出口側開口を有するとともに、前記流入部に流入した前記液体を前記第2入口側開口を通じて収容する第2収容部と、
前記第2入口側開口を開状態又は閉状態にする第2入口側バルブ部と、
前記第2出口側開口を開状態又は閉状態にする第2出口側バルブ部と、
前記第2収容部の外部にあって、且つ、前記第2収容部の体積を減少させるように加圧を行う第2加圧部と、
前記液体を前記外部に放出する第2放出部とを備え、
前記第2加圧部が加圧されたときに、前記第2出口側バルブ部が開くとともに前記第2入口側バルブ部が閉じ、前記第2放出部は、前記液体を放出し、
前記脱着部は、前記上側部位に前記第2収容部、前記第2入口側バルブ部、前記第2出口側バルブ部、前記第2加圧部、及び前記第2放出部を含む第2下側部位を取付けるとともに、前記上側部位から前記第2下側部位を取外し可能である、請求項1に記載の液体抽出器具。
【請求項5】
前記第2加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面の形状は、略長方形である、請求項4に記載の液体抽出器具。
【請求項6】
前記第2加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面である接触面の反対面に位置し、前記ユーザが前記第2加圧部を加圧するときに前記第2収容部が動かないように前記ユーザの手指で抑えることが可能な第2背面部を備え、
前記第2加圧部の硬度は、前記第2背面部の硬度に比べて小さく、且つ、前記第2加圧部は、弾性体であり、
前記第1加圧部の硬度と前記第2加圧部の硬度は、略同一である、請求項4に記載の液体抽出器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体から生成された泡を下方に放出可能な液体抽出器具に関する。
【背景技術】
【0002】
詰替え用シャンプー液パック等の詰替えパウチには、切り取り可能な取出口や、ねじキャップで塞がれた取出口が設けられている。通常は、この取出口を開いて、パック内の内容物をシャンプー容器等に移し替えて使用されている。内容物をシャンプー容器等に移し替えないで、詰替えパウチから直接内容物を取り出して使用することを可能と技術として、例えば、特許文献1(以下、本明細書においては「従来技術」と称する)に開示されたものが知られている。
【0003】
従来技術は、パウチの取出口に取り付け可能なポンプを備え、手指にて周方向からポンプ本体を押圧して収縮させることにより、加圧作用により入口側バルブが閉じられ、出口側バルブの弁が、ばねに抗して下方に移動するから、ポンプ本体の収納空間に入り込んでいる内容物をノズルから取り出し可能に構成されている(特許文献1の図20参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-214933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術に係る液体抽出器具として、液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体から泡を生成して下方に放出して使用することが可能なものが望まれていた。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、一つの課題は、液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体から泡を生成して下方に放出して使用することが可能な液体抽出器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明にあっては、泡に変化することが可能な液体を収容する液体収容パックの流出口を下方に向けた状態で前記液体収容パックを保持する保持部と、前記保持部により保持された状態で前記液体が前記液体収容パックから流入する流入部と、第1入口側開口及び第1出口側開口を有するとともに、前記流入部に流入した前記液体を前記第1入口側開口を通じて収容する第1収容部と、前記第1入口側開口を開状態又は閉状態にする第1入口側バルブ部と、前記第1出口側開口を開状態又は閉状態にする第1出口側バルブ部と、前記第1収容部の外部に配設され、且つ、前記第1収容部の体積を減少させるように加圧を行う第1加圧部と、前記第1出口側開口の下流側に配設され、前記第1収容部から流出した前記液体から泡を生成する泡生成部と、前記泡を外部に放出する第1放出部とを備え、前記第1加圧部が加圧されたときに、前記第1出口側バルブ部が開くとともに前記第1入口側バルブ部が閉じ、前記第1収容部から流出した前記液体から前記泡生成部により前記泡が生成され、前記第1放出部は、前記泡を放出する、ことを特徴とする。
【0008】
上記(1)のような特徴を有する本発明によれば、第1加圧部が加圧されたときに、第1出口側バルブ部が開くとともに第1入口側バルブ部が閉じ、第1収容部から流出した液体から泡生成部により泡が生成され、第1放出部から泡を放出することが可能となる。
【0009】
(2)本発明にあっては、前記第1加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面である接触面の反対面に位置し、前記ユーザが前記第1加圧部を加圧するときに前記第1収容部が動かないように前記ユーザの手指で抑えることが可能な第1背面部を備え、前記第1加圧部の硬度は、前記第1背面部の硬度に比べて小さく、且つ、前記第1加圧部は、弾性体である、ことを特徴とする。
【0010】
上記(2)のような特徴を有する本発明によれば、第1加圧部の硬度を第1背面部の硬度に比べて小さくし、且つ、第1加圧部を弾性体とすることで、ユーザが少ない力で泡を容易に放出させるとともに、ユーザが第1背面部を手指で支持しながら安定して泡を放出させることが可能となる。
【0011】
(3)本発明にあっては、前記第1放出部は、前記泡を前記下方に放出する、ことを特徴とする。
【0012】
上記(3)のような特徴を有する本発明によれば、泡を下方に放出することが可能となる。
【0013】
(4)本発明にあっては、前記保持部及び前記流入部を含む上側部位から前記第1収容部、前記第1入口側バルブ部、前記第1出口側バルブ部、前記第1加圧部、前記泡生成部、及び前記第1放出部を含む第1下側部位を取外すとともに、前記上側部位に前記第1下側部位を取付ける脱着部と、第2入口側開口及び第2出口側開口を有するとともに、前記流入部に流入した前記液体を前記第2入口側開口を通じて収容する第2収容部と、前記第2入口側開口を開状態又は閉状態にする第2入口側バルブ部と、前記第2出口側開口を開状態又は閉状態にする第2出口側バルブ部と、前記第2収容部の外部にあって、且つ、前記第2収容部の体積を減少させるように加圧を行う第2加圧部と、前記液体を前記外部に放出する第2放出部とを備え、前記第2加圧部が加圧されたときに、前記第2出口側バルブ部が開くとともに前記第2入口側バルブ部が閉じ、前記第2放出部は、前記液体を放出し、前記脱着部は、前記上側部位に前記第2収容部、前記第2入口側バルブ部、前記第2出口側バルブ部、前記第2加圧部、及び前記第2放出部を含む第2下側部位を取付けるとともに、前記上側部位から前記第2下側部位を取外し可能である、ことを特徴とする。
【0014】
上記(4)のような特徴を有する本発明によれば、第2加圧部が加圧されたときに、第2出口側バルブ部が開くとともに第2入口側バルブ部が閉じ、第2放出部から液体を放出することが可能となるとともに、上側部位に対する第2下側部位の着脱を自在に行うことが可能となる。
【0015】
(5)本発明にあっては、前記第2加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面の形状は、略長方形である、ことを特徴とする。
【0016】
上記(5)のような特徴を有する本発明によれば、第2加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面の形状が、略長方形であることから、ユーザが加圧するときに、ユーザの手指にて押圧し易い形状となっている。
【0017】
(6)本発明にあっては、前記第2加圧部におけるユーザが加圧するときに触れる面である接触面の反対面に位置し、前記ユーザが前記第2加圧部を加圧するときに前記第2収容部が動かないように前記ユーザの手指で抑えることが可能な第2背面部を備え、前記第2加圧部の硬度は、前記第2背面部の硬度に比べて小さく、且つ、前記第2加圧部は、弾性体であり、前記第1加圧部の硬度と前記第2加圧部の硬度は、略同一である、ことを特徴とする。
【0018】
上記(6)のような特徴を有する本発明によれば、第2加圧部の硬度を第2背面部の硬度に比べて小さくし、且つ、第2加圧部を弾性体とすることで、ユーザが少ない力で液体を容易に放出させるとともに、ユーザが第2背面部を手指で支持しながら安定して液体を放出させることが可能となる。また、第1加圧部の硬度と第2加圧部の硬度を略同一とすることで、ユーザが第1加圧部と第2加圧部を同程度の力で加圧することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体から泡を生成して下方に放出して使用することを可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る液体抽出器具を示す斜視図である。
図2図1におけるA-A間断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る液体抽出器具を示す正面図である。
図4図3に図示する液体抽出器具を示す側面図である。
図5図3におけるB-B間を断面視したときの矢印Cの指示する箇所を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1の実施形態に係る液体抽出器具について、また、本発明の第2の実施形態に係る液体抽出器具について、それぞれ説明する。
〔第1の実施形態〕
【0022】
以下、図1図2を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る液体抽出器具を示す斜視図、図2図1におけるA-A間断面図である。
【0023】
<第1の実施形態に係る液体抽出器具について>
図1及び図2に図示する本実施形態に係る液体抽出器具10は、内部に液体を収容する液体収容パック(図示せず)の流出口を下方に向け液体を抽出するとともに、抽出した液体から泡を生成して下方に放出して使用することが可能な器具である。
【0024】
なお、本実施形態において、上記「液体」は、例えば、ハンドソープ、ボディソープ、シャンプー等の洗浄剤である。また、本実施形態において、上記「液体収容パック」は、パウチ状の容器を採用するが、その他、紙製のパックやプラスチック製の容器であってもよいものとする。また、本実施形態において、上記「流出口」は、詰め替えパウチの角の部位を切取り、液体が流出するように開けた穴とすることができる他、予め、詰め替えパウチの角の部位等に設けられキャップ等で塞がれている流路であってもよいものとする。
【0025】
また、本実施形態において、液体収容パックは、吊り下げ部材により吊り下げて用いられていてもよく、また、固定用の部材に固定されて用いられていてもよいものとする。
【0026】
本実施形態に係る液体抽出器具10は、流出口を下方に向けた液体収容パックを保持する保持部材11と、保持部材11に着脱自在であって、液体収容パックの流出口に取り付けられるポンプ12とを備えている。なお、上記保持部材11及びポンプ12は、それぞれ、「上側部位」及び「第1下側部位」に相当するものである。また、上側部位である保持部材11は、後述するように、第1下側部位であるポンプ12に代えて、第2下側部位であるポンプ51(図3及び図4参照)を取り付け可能に構成されている。以下、液体抽出器具10の各構成について説明する。
【0027】
<保持部材について>
図1及び図2に図示する保持部材11は、筒状に形成されポンプ12との接続を可能とする固着部13と、筒状に形成され固着部13に連通する挿入筒14と、挿入筒14の外周に対向状態に突設した支柱17に回動可能に枢着される一対の保持部15と、保持部15を操作可能に保持部15に枢着される一対のレバー16とを備えている。なお、上記挿入筒14は、「流入部」に相当するものである。
【0028】
固着部13は、この外面に、ポンプ12の脱着部18に締結可能な、ねじ19が形成されている。挿入筒14は、液体収容パックの流出口に容易に差し込めるよう上端を斜めに形成し、挿入筒14の下端が固着部13に連続し、挿入筒14の流路が固着部13に連通するように形成されている。
【0029】
保持部15は、翼板部20を備えており、翼板部20は、この幅方向中央に挿入筒14の外面に嵌合可能に形成された凹部21(図1参照)と、翼板部20の内面に設けられたゴム材料等にて形成された弾性部材22(図2参照)とを有している。レバー16は、挿入筒14に沿って倒した際、挿入筒14の周面に当接することにより保持部15に係止可能に形成されるカム構造を備えている。
【0030】
<第1の実施形態におけるポンプについて>
図2に図示するポンプ12は、ポンプ本体23を備え、ポンプ本体23は、この上端側に配設される脱着部18と、脱着部18に連通する第1収容部25と、第1入口側バルブ部28及び第1出口側バルブ部29と、第1収容部25の外部に配設される第1加圧部30と、第1加圧部30に対向するように配設される第1背面部32と、第1収容部25の内部に配設され、泡を生成可能な泡生成部33と、泡を外部に放出する第1放出部34とを備えている。
【0031】
図2に図示する脱着部18は、筒状に形成され、保持部材11との接続を可能に形成されている。より具体的には、保持部材11の固着部13と、脱着部18とが接続された状態にて、固着部13のねじ19と締結可能なナット部24(図1参照)にて固定されている。
【0032】
図2に図示する第1収容部25は、第1入口側開口26及び第1出口側開口27を有するとともに、挿入筒14に流入した液体を第1入口側開口26を通じて内部に液体を収容可能に形成されている。
【0033】
図2に図示するように、第1入口側バルブ部28は、第1入口側開口26に配置されるとともに、第1出口側バルブ部29は、第1出口側開口27に配置されている。第1入口側バルブ部28は、第1入口側開口26を開状態又は閉状態にする部材であるとともに、第1出口側バルブ部29は、第1出口側開口27を開状態又は閉状態にする部材である。本実施形態では、第1入口側バルブ部28は、質量の軽い球体を採用しているが、第1出口側バルブ部29も上記球体とすることができる。
【0034】
図2に図示する第1加圧部30は、第1収容部25の体積を減少させるように加圧可能に構成されている。第1加圧部30は、泡生成部33を介在して第1収容部25の外側に配設され、第1収容部25側への加圧、及び泡生成部33を構成する弾性部材(ばね)35の弾性力による第1収容部25の外側への復帰を可能に構成されている。第1加圧部30は、加圧されたときに、第1出口側バルブ部29にて第1出口側開口27を開状態にさせるとともに、第1入口側バルブ部28にて第1入口側開口26を閉状態にさせるように配設されている。
【0035】
図2に図示する第1背面部32は、第1加圧部30におけるユーザが加圧するときに触れる面である接触面31の反対面に位置し、ユーザが手指(例えば、親指)にて第1加圧部30を加圧するときに、第1収容部25を備えるポンプ本体23が動かないようにユーザの他の手指(例えば、人指し指と中指)にて抑えることが可能に形成されている。
【0036】
第1加圧部30の硬度は、第1背面部32の硬度に比べて小さく、且つ、第1加圧部30は、弾性体にて形成されている。
【0037】
第1加圧部30の硬度は、30度以上60度以下が好適であり、35度以上55度以下が、より好適であり、40度以上50度以下が、さらに好適である。また、第1背面部32の硬度は、80度以上が好適であり、85度以上が、より好適であり、90度以上が、さらに好適である。
【0038】
第1加圧部30は、この材質として、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PE(ポリエチレン)、シリコン等を採用することができるものとする。また、第1背面部32は、この材質として、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン)等を採用することができるものとする。
【0039】
泡生成部33は、第1出口側開口27の下流側に配設され、第1収容部25から流出した液体から泡を生成可能に構成されている。泡生成部33は、この構成に係る詳細な説明を省略するが、ユーザによる第1加圧部30の加圧により、第1収容部25から流入した液体を泡に生成可能な構成を、適宜、適用してなるものとする。
【0040】
第1放出部34は、泡生成部33の下流側であって、第1加圧部30の内部に形成された流路36の下端に配設され、泡生成部33にて生成された泡を外部に放出可能に形成されている。第1放出部34は、生成された泡を下方に放出可能に形成されている。
【0041】
以上の構成を有する本実施形態によれば、第1加圧部30が加圧されたときに、第1出口側バルブ部29が開くとともに第1入口側バルブ部28が閉じ、第1収容部25から流出した液体から泡生成部33により泡が生成され、第1放出部34から泡を放出することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態によれば、第1加圧部30の硬度を第1背面部32の硬度に比べて小さくし、且つ、第1加圧部30を弾性体とすることで、ユーザが少ない力で泡を容易に放出させるとともに、ユーザが第1背面部32を手指で支持しながら安定して泡を放出させることが可能となる。また、本実施形態によれば、泡を下方に放出することが可能となる。
【0043】
<本発明の第1の実施形態により得られる効果について>
本実施形態によれば、液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体から泡を生成して下方に放出して使用することを可能とすることができるという効果を奏する。
【0044】
また、本実施形態によれば、上記効果の他、つぎのような効果を奏することが可能である。すなわち、本実施形態によれば、従来に比べ、比較的少ない押圧力にて、安定して液体収容パックに収容された内容物を抽出可能とすることができるという効果を奏する。
〔第2の実施形態〕
【0045】
本発明に係る液体抽出器具は、上記第1の実施形態の他、下記の第2の実施形態を採用してもよいものとする。以下、図3図5を参照しながら、本発明に係る液体抽出器具の第2の実施形態について説明する。
【0046】
図3は本発明の第2の実施形態に係る液体抽出器具を示す正面図、図4図3に図示する液体抽出器具を示す側面図、図5図3におけるB-B間を断面視したときの矢印Cの指示する箇所を拡大した図である。なお、第1の実施形態と同一の構成部には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
<第2の実施形態に係る液体抽出器具について>
図3乃至図5に図示する本実施形態に係る液体抽出器具50は、内部に液体を収容する液体収容パックの流出口を下方に向け液体を抽出するとともに、抽出した液体を下方に放出して使用することが可能な器具である。
【0048】
図3乃至図5に図示する本実施形態における液体抽出器具50は、保持部材11と、保持部材11に着脱自在であるポンプ51とを備えている。なお、ポンプ51は、「第2下側部位」に相当するものである。本実施形態における液体抽出器具50は、第1の実施形態におけるポンプ12(図1参照)に代えて、ポンプ51を備える点以外は、構成及び構造において第1の実施形態と同一である。以下、本実施形態におけるポンプ51について説明する。
【0049】
<第2の実施形態におけるポンプについて>
図3乃至図5に図示するポンプ51は、ポンプ本体52を備え、ポンプ本体52は、この上端側に配設される脱着部53と、脱着部53に連通する第2収容部54と、第2入口側バルブ部55及び第2出口側バルブ部56と、第2収容部54の外部に配設される第2加圧部57と、第2加圧部57に対向するように配設される第2背面部58と、ポンプ本体52の下流側に配設され、液体を外部に放出する第2放出部59とを備えている。
【0050】
図3乃至図5に図示する脱着部52は、「上側部位」である保持部材11から、「第1下側部位」である第1の実施形態におけるポンプ12を取り外すとともに、上記保持部材11に第2の実施形態におけるポンプ51を取り付け可能に形成されている。脱着部53は、筒状に形成され、保持部材11との接続を可能に形成されている。より具体的には、保持部材11の固着部13と、脱着部53とが接続された状態にて、固着部13のねじ19と締結可能なナット部62にて固定されている。
【0051】
図5に図示する第2収容部54は、第2入口側開口60及び第2出口側開口61を有するとともに、保持部材11の挿入筒14に流入した液体を第2入口側開口60を通じて内部に液体を収容可能に形成されている。
【0052】
図5に図示する第2入口側バルブ部55は、第2入口側開口60に配置されるとともに、第2出口側バルブ部56は、第2出口側開口61に配置されている。本実施形態では、第2入口側バルブ部55は、質量の軽い球体を採用しているが、第2出口側バルブ部56も上記球体とすることができる。
【0053】
図3乃至図5に図示する第2加圧部57は、第2収容部54の体積を減少させるように加圧可能に構成されている。第2加圧部57は、ユーザが加圧するときにユーザの手指が触れる面である接触面63の形状が平面視略長方形に形成され、第2収容部54の内部に配置された「ばね」等の弾性部材64を介して、第2収容部54の外側に配設されている。第2加圧部57は、第2収容部54側への加圧、及び弾性部材64の弾性力による第2収容部54の外側への復帰を可能に構成されている。第2加圧部57は、加圧されたときに、第2出口側バルブ部56にて第2出口側開口61を開状態にさせるとともに、第2入口側バルブ部55にて第2入口側開口60を閉状態にさせるように配設されている。
【0054】
図4及び図5に図示する第2背面部58は、第2加圧部57におけるユーザが加圧するときに触れる面である接触面63の反対面に位置し、ユーザが手指(例えば、親指)にて第2加圧部57を加圧するときに、第2収容部54を備えるポンプ本体51が動かないようにユーザの手指(例えば、人指し指と中指)にて抑えることが可能に形成されている。
【0055】
第2加圧部57の硬度は、第2背面部58の硬度に比べて小さく、且つ、第2加圧部57は、弾性体にて形成されている。
【0056】
第2加圧部57の硬度は、30度以上60度以下が好適であり、35度以上55度以下が、より好適であり、40度以上50度以下が、さらに好適である。また、第2背面部58の硬度は、80度以上が好適であり、85度以上が、より好適であり、90度以上が、さらに好適である。
【0057】
また、第2加圧部57の硬度は、第1の実施形態における第1加圧部30(図1参照)の硬度と略同一であるものとする。上記第1加圧部30の硬度と第2加圧部57の硬度とが略同一とは、上記それぞれの硬度の差が5%の範囲内である場合を含むものとする。
【0058】
第2加圧部57は、この材質として、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PE(ポリエチレン)、シリコン等を採用することができるものとする。また、第2背面部58は、この材質として、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン)等を採用することができるものとする。
【0059】
第2放出部59は、第2収容部54の下流に配設され、第2収容部54から流入した液体を外部に放出可能に形成されている。第2放出部59は、液体を下方に放出可能に形成されている。
【0060】
以上の構成を有する本実施形態によれば、第2加圧部57が加圧されたときに、第2出口側バルブ部56が開くとともに第2入口側バルブ部55が閉じ、第2放出部59から液体を放出することが可能となるとともに、上側部位に対する第2下側部位の着脱を自在に行うことが可能となる。
【0061】
また、本実施形態によれば、第2加圧部57におけるユーザが加圧するときに触れる接触面63の形状が、略長方形であることから、ユーザが加圧するときに、ユーザの手指にて押圧し易い形状となっている。
【0062】
また、本実施形態によれば、第2加圧部57の硬度を第2背面部58の硬度に比べて小さくし、且つ、第2加圧部57を弾性体とすることで、ユーザが少ない力で液体を容易に放出させるとともに、ユーザが第2背面部58を手指で支持しながら安定して液体を放出させることが可能となる。また、第1加圧部30の硬度と第2加圧部57の硬度を略同一とすることで、ユーザが第1加圧部30と第2加圧部57を同程度の力で加圧することができる。
【0063】
<本発明の第2の実施形態により得られる効果について>
本実施形態によれば、液体収容パックに収容されている液体を下方に抽出するとともに、液体を下方に放出して使用することを可能とすることができるという効果を奏する。
【0064】
また、本実施形態によれば、第1の実施形態同様、従来に比べ、比較的少ない押圧力にて、安定して液体収容パックに収容された内容物を抽出可能とすることができるという効果を奏する。
【0065】
なお、上記各実施形態に記載した構成に関しては、本発明の範囲内において適宜の変更が可能であり、上記各実施形態の構成には限定されない。
【0066】
上記第2の実施形態では、液体抽出器具として、液体収容パックの流出口を下方に向け液体を抽出するとともに、抽出した液体を下方に放出して使用することが可能な構成を採用するものであるが、これに限らず、ポンプに泡生成部を備え、第1の実施形態同様、抽出した液体から泡を生成して下方に放出することが可能な構成を採用するものであってもよいものとする。
【0067】
上記構成を備える実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0068】
10、50…液体抽出器具
11…保持部材
12、51…ポンプ
13…固着部
14…挿入筒(流入部)
15…保持部
16…レバー
17…支柱
18、53…脱着部
19…ねじ
20…翼板部
21…凹部
22…弾性部材
23、52…ポンプ本体
24、62…ナット部
25…第1収容部
26…第1入口側開口
27…第1出口側開口
28…第1入口側バルブ部
29…第1出口側バルブ部
30…第1加圧部
31、63…接触面
32…第1背面部
33…泡生成部
34…第1放出部
35、64…弾性部材(ばね)
36…流路
54…第2収容部
55…第2入口側バルブ部
56…第2出口側バルブ部
57…第2加圧部
58…第2背面部
59…第2放出部
60…第2入口側開口
61…第2出口側開口
図1
図2
図3
図4
図5