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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027426
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】多目的カップ洗滌機
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20250219BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062734
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】10-2023-0106135
(32)【優先日】2023-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524136023
【氏名又は名称】イパロ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】カン、デ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ハ、テ ホ
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA06
4C058BB06
4C058CC02
4C058KK02
(57)【要約】
【課題】個人用又は共有用カップなどを用いる直前又は直後に簡易洗滌が可能であると共に、カップ、タンブラー及びタンブラー蓋などのカップに対する付属物を全て洗滌できる多目的カップ洗滌機を提供すること。
【解決手段】カップ又はタンブラーを逆さまに載置する据置台と、前記据置台から上方に突出し、洗滌液を噴射する第1噴射ノズルと、昇降装置により昇降する支持部材を含み、前記支持部材には前記第1噴射ノズルから噴射された洗滌液が通過できる洗滌液通過孔が形成され、カップ洗滌モード又はタンブラー洗滌モードにおいて、前記支持部材が前記据置台に載置された前記カップ又は前記タンブラーの底面を押し下げた状態で前記洗滌液を噴射して洗滌を行い、蓋洗滌モードにおいて、前記タンブラーの蓋が前記支持部材上に載置された状態で前記洗滌液を噴射して前記タンブラーの蓋の洗滌を行う。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ又はタンブラーを逆さまに載置する据置台と、
前記据置台から上方に突出し、洗滌液を噴射する第1噴射ノズルと、
昇降装置により昇降する支持部材を含み、
前記支持部材には前記第1噴射ノズルから噴射された洗滌液が通過できる洗滌液通過孔が形成され、
カップ洗滌モード又はタンブラー洗滌モードにおいて、前記支持部材が前記据置台に載置された前記カップ又は前記タンブラーの底面を押し下げた状態で前記洗滌液を噴射して洗滌を行い、
蓋洗滌モードにおいて、前記タンブラーの蓋が前記支持部材上に載置された状態で前記洗滌液を噴射して前記タンブラーの蓋の洗滌を行う
ことを特徴とする多目的カップ洗滌機。
【請求項2】
前記昇降装置はモータにより上下に移動する移動ブロックを備え、
前記支持部材に所定の長さを有する延長部材が固定され、
前記延長部材は弾性体を介して前記移動ブロックに固定され、
前記弾性体は、前記支持部材が前記カップ又は前記タンブラーを押圧する力の反作用力により弾性変形して、前記支持部材及び前記延長部材が前記移動ブロックに対して傾くことを許容する
請求項1に記載の多目的カップ洗滌機。
【請求項3】
前記カップ又は前記タンブラーに対する前記支持部材の押圧状態を検知する押圧検知センサを更に含み、
前記押圧検知センサは前記カップ又は前記タンブラーを押圧する時前記支持部材が傾くことを検知して、前記支持部材の押圧状態を検知する
請求項2に記載の多目的カップ洗滌機。
【請求項4】
前記支持部材は、棒状部材を骨格として形成され、下方に向かうにつれて断面積が狭くなる形状のバスケット形態を有する
請求項1に記載の多目的カップ洗滌機。
【請求項5】
前記第1噴射ノズルの周りに形成されて、前記据置台に載置された前記カップ又は前記タンブラーの内部を光殺菌するための第1光殺菌ランプと、
前記据置台に向かって洗滌液を噴射する第2噴射ノズルと、
前記据置台を光殺菌するための第2光殺菌ランプを更に含む
請求項1に記載の多目的カップ洗滌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は多目的カップ洗滌機に関するものであり、より詳細には、カップ、タンブラー及びタンブラー蓋などの多回用カップに対する付属物を自動洗滌することが可能な多目的カップ洗滌機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境保護のために使い捨てカップの使用を制限し、個人用カップ又はタンブラーを利用しようという声が高まっている。
【0003】
飲料販売店などではこのような雰囲気に合わせて個人用カップ又はタンブラーを持ってきて飲料やコーヒーなどを購入するお客様にポイントを付与したり割引を適用するなどのサービスを提供することもある。
【0004】
お客様が個人用カップ又はタンブラーに飲料を補充したり新しく飲料を入れるために元々入っている飲料を捨てなければならない場合がある。この場合、カップ又はタンブラーを洗滌する必要が生じる。顧客はカップ又はタンブラーの洗滌を販売店のスタッフに頼まなければならない不便さがある。
【0005】
このように、個人用カップ又はタンブラーを常に持ち運びにくいという点の以外にも、適時に衛生的に洗滌することが難しい問題がある。そのため、個人用カップ又はタンブラーの使用が低い実情である。
【0006】
このような問題を補完するために、多回用カップ共有サービスが運用されている。
【0007】
多回用カップ共有サービスとは、バーコードやQRコード(登録商標)などの識別子が付いた多回用カップを飲料販売店に備え、備えられた多回用カップを用いて飲料決済時にカップ保証金を加えて決済した後、多回用カップを返却すると保証金を返還するサービスである。
【0008】
このようなサービスを活性化するためには、多くの人が共有する多回用カップを使用する前に衛生的に洗滌する方案が必要である。よって、自動的にカップを洗滌する自動カップ洗滌機がその方案になるであろう。
【0009】
しかし、従来の大部分のカップ洗滌機は多数のカップを一度に洗滌する概念として考案されているため、多くの空間を占めると共に、高価である。
【0010】
また、従来のカップ洗滌機はカップ洗滌機能に限定されているため、タンブラーの蓋などの付属物を適切に洗滌することが難しい問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2009-0006933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示は前述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、個人用又は共有用カップなどを用いる直前又は直後に簡易洗滌が可能であると共に、カップ、タンブラー及びタンブラー蓋などのカップに対する付属物を全て洗滌できる多目的カップ洗滌機を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施形態によれば、カップ又はタンブラーを逆さまに載置する据置台と、前記据置台から上方に突出し、洗滌液を噴射する第1噴射ノズルと、昇降装置により昇降する支持部材を含み、前記支持部材には前記第1噴射ノズルから噴射された洗滌液が通過できる洗滌液通過孔が形成され、カップ洗滌モード又はタンブラー洗滌モードにおいて、前記支持部材が前記据置台に載置された前記カップ又は前記タンブラーの底面を押し下げた状態で前記洗滌液を噴射して洗滌を行い、蓋洗滌モードにおいて、前記タンブラーの蓋が前記支持部材上に載置された状態で前記洗滌液を噴射して前記タンブラーの蓋の洗滌を行う多目的カップ洗滌機が提供される。
【0014】
一実施形態によれば、前記昇降装置はモータにより上下に移動する移動ブロックを備え、前記支持部材に所定の長さを有する延長部材が固定され、前記延長部材は弾性体を介して前記移動ブロックに固定され、前記弾性体は、前記支持部材が前記カップ又は前記タンブラーを押圧する力の反作用力により弾性変形して、前記支持部材及び前記延長部材が前記移動ブロックに対して傾くことを許容する。
【0015】
一実施形態によれば、多目的カップ洗滌機は前記カップ又は前記タンブラーに対する前記支持部材の押圧状態を検知する押圧検知センサを更に含み、前記押圧検知センサは前記カップ又は前記タンブラーを押圧する時前記支持部材が傾くことを検知して、前記支持部材の押圧状態を検知する。
【0016】
一実施形態によれば、前記支持部材は、棒状部材を骨格として形成され、下方に向かうにつれて断面積が狭くなる形状のバスケット形態を有する。
【0017】
一実施形態によれば、多目的カップ洗滌機は、前記第1噴射ノズルの周りに形成されて、前記据置台に載置された前記カップ又は前記タンブラーの内部を光殺菌するための第1光殺菌ランプと、前記据置台に向かって洗滌液を噴射する第2噴射ノズルと、前記据置台を光殺菌するための第2光殺菌ランプを更に含む。
【発明の効果】
【0018】
本開示の多目的カップ洗滌機によれば、個人用又は共有用カップなどを用いる直前又は直後に簡易洗滌が可能であると共に、カップ、タンブラー及びタンブラー蓋などのカップに対する付属物を全て洗滌できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る多目的カップ洗滌機を示す斜視図である。
図2図1の多目的カップ洗滌機の上部モジュールの内部を示す図である。
図3図1の多目的カップ洗滌機の殺菌/洗滌ユニットの構成を説明するための図である。
図4図1の多目的カップ洗滌機の下部モジュールの内部を概念的に示す図である。
図5図1の多目的カップ洗滌機の支持ユニットと昇降ユニットの構成を説明するための図である。
図6図1の多目的カップ洗滌機の支持ユニットと昇降ユニットの構成を説明するための図である。
図7】カップ又はタンブラーの洗滌モードを説明するための図である。
図8】タンブラーの蓋の洗滌モードを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の好ましい実施形態ついて添付した図面を参照して説明する。本開示は図面に示された実施形態を参照して説明するが、これは一実施形態として説明するものであり、これにより本開示の技術的思想とその核心構成及び作用が限定されるわけではない。
【0021】
図1は一実施形態に係る多目的カップ洗滌機1(以下、単に「洗滌機」と称する)を示す斜視図である。
【0022】
図1に示したように、洗滌機1は狭い場所に設置可能なように薄くて長い形状に形成される。洗滌機1は上部モジュール10と下部モジュール20からなっている。
【0023】
上部モジュール10はカップなどの洗滌対象物を入れることができる内部空間131を形成する側面カバー130と、側面カバー130の上部を覆う上面カバー110と、側面カバー130が形成する内部空間131を開放又は閉鎖できるドア120を含む。
【0024】
側面カバー130とドア120は洗滌過程をユーザが確認できるように、透明な材質で形成してもよい。
【0025】
上面カバー110にはユーザが指令を入力したり洗滌状況を確認したりすることができるユーザインターフェースを提供するタッチスクリーン111が形成されている。また、上面カバー110の内部には制御装置(図示せず)及び通信装置(図示せず)が内蔵されている。制御装置はタッチスクリーン、センサなどの入力信号を処理し、モータ、バルブ、ポンプ及びランプなどの構成要素に動作指令を出力して、洗滌機1の動作を制御する。
【0026】
本実施形態によれば、タッチスクリーン111が上面カバー110に固定されているが、これに限定されず、洗滌機1は有無線通信機能を備えて、有無線通信を通じて外部にあるスマートフォンやタブレットなどのスマート端末と連動してもよい。即ち、ユーザインターフェース装置として、洗滌機1に連動するスマート端末を用いてもよい。
【0027】
図2は上部モジュール10の内部を示す図である。
【0028】
上部モジュール10の側面カバー130と上面カバー110により内部空間131が画定される。ドア120は、ドア120から略上面カバー110の下端面に沿って延びる延長バー121を通じて、上面カバー110の下端に位置するモータ122に連結される。モータ122の回転軸が回転するにつれて、延長バー121が回転軸を中心に回動し、延長バー121の回動によりドア120が側方に回動しながら内部空間131を開放又は閉鎖する。図1はドア120が閉鎖された状態を示し、図2はドア120が開放した状態を示す。
【0029】
内部空間131内にカップ、タンブラー及びタンブラーの蓋など洗滌する洗滌対象物を入れて、洗滌を行う。
【0030】
図2に示したように、内部空間131には殺菌/洗滌ユニット200と、支持ユニット300と、昇降ユニット400が形成されている。
【0031】
図3は殺菌/洗滌ユニット200を詳細に示す図である。
【0032】
図3に示したように、殺菌/洗滌ユニット200にはカップ又はタンブラーを逆さまに載置する据置台201が形成される(図7参照)。本実施形態によれば、カップとタンブラーの洗滌動作過程は実質的に同じであるので、ここでは、カップとタンブラーを特に区分する場合を除いて、カップ部材2と通称する。本明細書において、カップは別の蓋が結合されない液体容器を通称するものであり、タンブラーは別の蓋を結合して密閉することを意図した液体容器を通称するものである。
【0033】
据置台201に排水口を形成してもよいが、本実施形態によれば、排水がスムーズでないため、洗滌液が溜まりカップ部材2を汚染することを防止するために、据置台201の横に据置台201より深さが深いシンク202を形成する。シンク202には排水口203が形成されている。据置台201はシンク202に向かって洗滌液が流れるように上面がシンク202の方に少し傾くいてもよい。
【0034】
据置台201の中央には、据置台201から上方に突出する第1噴射ノズル210が形成されている。
【0035】
第1噴射ノズル210は略円柱状に形成される。第1噴射ノズル210の上面と側面にはノズル孔211、212が形成されている。ノズル孔211、212は所定の長さを有するスリット状である。図には詳細に示されていないが、第1噴射ノズル210の側面には、側面の周りに沿って複数の側面ノズル孔212が形成される。第1噴射ノズル210はノズル孔211、212を通じて洗滌液を噴射する。
【0036】
第1噴射ノズル210の周囲に沿って第1光殺菌ランプ240が形成されている。第1光殺菌ランプ240は据置台201上に逆さまに載置されたカップ部材2の内部に紫外線を照射して紫外線殺菌を行う。
【0037】
据置台201には第1光殺菌ランプ240の周囲に沿って据置台201の上面から突出する複数のカップ受け突起220が形成されている。据置台201に上下逆さまに載置されるカップ部材2はカップ受け突起220の上に載置されて据置台201の上面から離間されている。据置台201の上面はシンク202に向かってわずかに傾いていても、複数のカップ受け突起220の上面は同じ高さに形成されているので、カップ部材2が傾くことを防止する。
【0038】
カップ受け突起220によって、第1噴射ノズル210を通じてカップ部材2の内部に噴射される洗滌液がカップ部材2の内部に閉じ込められず、据置台201の上面とカップ部材2との間の隙間から抜け出ることができる。
【0039】
据置台201とシンク202との間には落下防止突起221が形成されて、カップ部材2がシンク202に落下することを防止する。
【0040】
据置台201の縁部には複数の第2噴射ノズル230が形成され、第2噴射ノズル230の隣には2つの第2光殺菌ランプ231が形成されている。
【0041】
第2噴射ノズル230は据置台201に向かって洗滌液を噴射するように配向されて、洗滌操作の前に又は完了後に据置台201を洗滌液で洗滌する。第2光殺菌ランプ231は第2噴射ノズル230の洗滌作業と同時に又は洗滌作業の前後に、据置台201に紫外線を照射して据置台201の紫外線殺菌を行う。
【0042】
図4は殺菌/洗滌ユニット200に連結される洗滌機1の下部モジュール20の構成を示す図である。
【0043】
図4に示したように、下部モジュール20には水タンク700と浄水装置800が配置される。
【0044】
水タンク700にはホース701、702、703が接続される。ホース701は第1噴射ノズル210と接続され、ホース702は第2噴射ノズル230に接続される。また、ホース703はバルブ711を通じて上水道管704と接続される。
【0045】
浄水装置800にはホース705、706が接続される。ホース701は排水口203と接続され、ホース706はバルブ712を通じてホース703と下水道管707に接続される。
【0046】
水タンク700には上水道から供給される清水が貯留される。水タンク700には貯留された清水を浄水又は殺菌するための浄水/殺菌システムが設けられてもよい。
【0047】
第1噴射ノズル210を通じて洗滌作業を行う場合、制御装置はポンプ(図示せず)を作動させて、水タンク700の清水がホース701を通じて第1噴射ノズル210に供給されて噴射されるようにする。第2噴射ノズル230を通じて洗滌作業を行う場合、制御装置はポンプ(図示せず)を作動させて、水タンク700の清水がホース702を通じて第2噴射ノズル230に供給されて噴射されるようにする。
【0048】
本実施形態によれば、水タンク700に貯留された清水を洗滌液として使用することを意図したが、これに限定されない。例えば、上部モジュール10又は下部モジュール20には洗剤が入っている洗浄液タンクを設けることができ、制御装置は必要に応じて洗剤が入っている洗浄液が洗滌液として第1噴射ノズル210及び第2噴射ノズル230から噴射されるようにすることができる。即ち、本明細書において「洗滌液」とは清水及び/又は洗剤などの洗浄成分が含有された洗浄液の両方を含む概念である。
【0049】
水タンク700と接続されるホース701、702と、前記洗浄液タンクと接続されるホースはバルブ(図示せず)を通じて第1噴射ノズル210及び第2噴射ノズル230に接続され、制御装置は必要に応じてバルブを作動させて第1噴射ノズル210及び第2噴射ノズル230を通じて選択的に清水又は洗浄液を噴射してもよい。
【0050】
浄水装置800には排水口203を通じて排出される洗滌液がホース705を介して流入され、浄水装置800は流入された洗滌液を清水で浄水/殺菌する。
【0051】
浄水装置800によって浄水/殺菌が完了した清水はホース706を通じて流出され、制御装置はバルブ712を作動させて清水がホース703を通じて水タンク700に流入されるようにする。即ち、洗滌機1は使用した洗滌液を浄水装置800で浄水/殺菌して再使用することができる。制御装置は浄水装置800から清水が水タンク700に流入される時は、バルブ711を作動して上水道管704から清水が流入されないようにしてもよい。
【0052】
制御装置は浄水装置800による浄水/殺菌が十分に行われていないと判断した場合、洗滌液を再使用せず、バルブ712を通じて洗滌液を下水道管707に排出してもよい。
【0053】
本実施形態によれば、水タンク700と浄水装置800を備える構成について説明したが、これに限定されない。水タンク700と浄水装置800は省略し、噴射ノズルに上水道管704を直接接続して清水を供給してもよく、排水口203に排出された洗滌液を下水道管707に捨ててもよい。
【0054】
また、洗滌機1は上水道管704と下水道管707に接続されず、水タンク700を取り外し可能に形成してもよい。即ち、洗滌機1は上下水道管と直接接続できない場所にも設置可能であり、水タンク700に清水を満たして所定回数作動した後、水タンク700を再び補充する方式で動作してもよい。この時、浄水装置800を通じて洗滌液を再使用することで、上水が供給されない環境においても使用回数を増加させることができる。
【0055】
図5及び図6は支持ユニット300及び昇降ユニット400を説明するための図である。
【0056】
図5及び図6に示したように、支持ユニット300は支持部材310を含む。
【0057】
支持部材310は第1横方向リブ301、第2横方向リブ302、第3横方向リブ303、第4横方向リブ304の4つの横方向リブが互いに離間して順に配置され、第1横方向リブ301乃至第4横方向リブ304を繋ぐ複数の縦方向リブ305を含む。本実施形態によれば、リブ301~305は薄い棒状の鉄製部材であり、横方向リブ301~304と縦方向リブ305は溶接により固定される。
【0058】
第1横方向リブ301は閉鎖された半円状に形成され、第2横方向リブ302及び第3横方向リブ303は円状に形成され、第4横方向リブ304は開放された半円状に形成される。
【0059】
第1横方向リブ301及び第4横方向リブ304がなす半円を完全な円と仮定する時、それぞれのリブが描く円の面積は第1横方向リブ301から第4横方向リブ304に向かうにつれて大きくなる。
【0060】
即ち、本実施形態によれば、支持部材310は細い棒状部材301~305を骨格として形成され、下方に向かうにつれて断面積が狭くなる形状のバスケット形態を有する。
【0061】
従って、支持部材310にはタンブラーの蓋3を載置するのに適した凹状の据置部312が形成される(図8参照)。より具体的には、支持部材310は下方に向かうにつれて断面積が狭くなる形状を有するので、一般に、タンブラーの蓋3の下端に形成される胴体よりも小さい直径の螺合部が支持部材310の据置部312に適切に据え置かれることができる。更に、最も直径の大きい第4横方向リブ304を開放された半円状に形成することで、様々な形状のタンブラーの蓋3も支持部材310上に載置しやすい。
【0062】
一方、支持部材310は細い棒状部材を骨格として形成されるので、リブとリブとの間には大きく開口する洗滌液通過孔311が形成される。支持部材310を形成するリブ301~305はタンブラーの蓋3を支持しながらも、第1噴射ノズル210から噴射される洗滌液が洗滌液通過孔311を通じて支持部材310を通過することで、タンブラーの蓋3を洗滌することができるようにする。また、洗滌液通過孔311を通じて第1光殺菌ランプ240から照射された紫外線がタンブラーの蓋3に到達して光殺菌が可能になる。
【0063】
支持ユニット400は支持部材310を昇降させるための昇降装置410を含む。
【0064】
昇降装置410は据置台201から上方に延びる支持板404と、支持板404に上下方向に延びるように固定されるねじ軸402と、ねじ軸402を回転させるモータ401と、ねじ軸402と同じ方向に延びるガイド軸403を含む。
【0065】
ねじ軸402には、内面にねじ軸402の外面の螺旋と螺合する螺旋が形成されたナット部材406が締結され、ナット部材406にはガイド軸403が貫通して結合される。
【0066】
ナット部材406には支持部材310の方向に延びるように移動ブロック405が結合される。
【0067】
支持部材310には移動ブロック405に向かって延びるように所定の長さを有する延長部材320が溶接固定されている。延長部材320は締結手段を通じて移動ブロック405に固定される。
【0068】
図2に示したように、殺菌/洗滌ユニット200に対して昇降装置410は遮蔽板420により隠されている。遮蔽板420には上下にスリット421が形成され、移動ブロック405はスリット421を貫通して内部空間131に向かって延びる。内部空間131に露出された移動ブロック405の端部側には支持部材310が固定される。
【0069】
再び図5及び図6を参照すると、モータ401によりねじ軸402が回転すると、ナット部材406がガイド軸403によりねじ軸402と共に回転することが防止されて、ねじ軸402に沿って上下方向に移動する。ナット部材406が上下移動するにつれて、移動ブロック405が上下移動し、移動ブロック405に固定された延長部材320及び支持部材310が上下移動することができる。
【0070】
支持板404の上端にはフランジ408が形成されており、移動ブロック405の上面にはリミットスイッチ500が形成されている。リミットスイッチ500は本体501と、本体に対してヒンジ連結されるスイッチ部材502を含む。
【0071】
移動ブロック405が最大に上昇すると、スイッチ部材502がフランジ408に当接して押される。制御装置はスイッチ部材502が押された時に本体501内の抵抗変化を通じて移動ブロック405が最大位置(即ち、支持部材310が最大位置)に到達したことを検出することができる。勿論、制御装置はモータ401の回転角度乃至回転数(即ち回転状態)を通じて移動ブロック405の上下位置を算出することができる。この時、リミットスイッチ500が作動すると、当該瞬間を移動ブロック405の最大位置でのモータ401の回転状態として再設定して、作動中に発生する位置測定の誤差を補正することができる。
【0072】
本実施形態によれば、移動ブロック405が最下位置(即ち、支持部材310が最大位置)に到達したか否かはモータ401の回転状態で検出するが、リミットスイッチ500と同様の構成を支持板404の下端にも配置して検出してもよい。
【0073】
図6を参照すると、移動ブロック405の上面には延長部材320を支持する支持点になるソケット407が形成され、ソケット407に対して支持部材310と反対側には押圧検知センサ600が形成される。
【0074】
延長部材320には貫通孔が形成され、当該貫通孔を通過するようにボルト408が挿入され、ボルト408はソケット407に締結される。延長部材320は支持部材310から延び、その端部がソケット407を超えて延びるように形成される。
【0075】
延長部材320の貫通孔の直径はボルト408の外径よりわずかに大きい。この場合、延長部材320がボルト408に対して揺動することを防止するために、延長部材320とボルト408との間には上下に2つの弾性体331、332を嵌合する。本実施形態によれば、弾性体331、332はボルト408に嵌合するO-リングである。
【0076】
弾性体331、332を延長部材320の貫通孔の上下に位置させ、ボルト408を延長部材320の貫通孔に挿入してしっかりと締め付ける。これにより、延長部材320は弾性体331、332を介して移動ブロック405に固定される。
【0077】
弾性体331、332は外力が加わらない限り支持部材310の荷重に十分耐える剛性を有する。そのため、移動ブロック405により支持部材310が昇降する過程で延長部材320が支持点であるソケット407に対して揺動したり傾くことは発生しない。
【0078】
一方、弾性体331、332を弾性変形させるのに十分な力が作用すると、弾性体331、332が弾性変形して、延長部材320が支持点に基づいて一種のシーソー運動することを許容する。即ち、弾性体331、332は弾性変形する程度の十分な力が作用すると、支持部材310及び延長部材320が移動ブロック405に対して傾くことを許容する。
【0079】
より具体的に説明すると、後述するように、カップ部材2を洗滌する場合、制御装置は支持部材310を下降させて、逆さまに載置されたカップ部材2の下面を支持部材310に押し下げて押圧することで、洗滌液の圧力によりカップ部材2が倒れたり揺れたりすることを防止する。
【0080】
支持部材310が下降して支持部材310の下面がカップ部材2に接触した後、短い瞬間の間移動ブロック405はモータ401により下降し続ける。
【0081】
従って、支持部材310がカップ部材2を押し下げる力に対応してカップ部材2が支持部材310を押し上げる反作用力が加えられる。
【0082】
支持部材310に固定された延長部材320が移動ブロック405に対して剛性に固定されていると、延長部材320が曲がったり折れたりすることが発生する恐れがある。しかし、本実施形態によれば、延長部材320は弾性体331、332を介して移動ブロック405に固定されている。
【0083】
従って、支持部材310がカップ部材2の下面を押し下げる力の反作用によって支持部材310を上方に持ち上げる力が作用すると、延長部材320が傾斜しようとする力が作用して弾性体331、332を圧迫する。十分な力が作用すると、弾性体331、332が弾性変形しながら、延長部材320が曲がったり折れたりすることなく支持点に基づいてシーソー運動することを許容する。即ち、弾性体331、332は弾性変形して、支持部材310及び延長部材320が移動ブロック405に対して傾くことを許容する。
【0084】
従って、支持部材310及び延長部材320が移動ブロック405に対して傾くことを許容することで、薄いプラスチック材質の多回用カップが支持部材310により押されて破損するのを予防することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、弾性体を用いて支持部材310及び延長部材320を支持するが、所定条件で移動ブロック405に対して傾くことを許容する構造を用いて、カップ部材2に対する支持部材310の押圧状態を検知する。
【0086】
本実施形態によれば、支持部材310と反対側に延びる延長部材320の端部の下面には押圧部材330が結合され、押圧部材330の下方には押圧検知センサ600が配置される。押圧検知センサ600はこのようなカップ部材2に対する支持部材310の押圧状態を検知するセンサである。
【0087】
本実施形態によれば、押圧検知センサ600はスイッチ型センサであり、本体601と、本体601の上端に突出するスイッチ602を含む。
【0088】
支持部材310がカップ部材2に接触してカップ部材2を押し下げると、前述したように、弾性体331、332は弾性変形して、支持部材310及び延長部材320が移動ブロック405に対して傾くようになる。
【0089】
これにより、延長部材320の端部が下降し、押圧部材330がスイッチ602に接触してスイッチ602を押し下げるようになる。制御装置はスイッチ602が押されるにつれて本体601内部の抵抗変化を検知して、支持部材310とカップ部材2の押圧状態を検知する。
【0090】
本実施形態によれば、押圧検知センサ600は、延長部材320が傾きながらスイッチが押し下げられて作動するスイッチ型センサとして例示したが、これに限定されない。例えば、イメージセンサを用いて延長部材320がセンサに所定以上近くなったことを検知して、支持部材310がカップ部材2を押し下げて傾いたことを検知してもよい。
【0091】
しかしながら、機械的に作動するスイッチ型センサを用いることで、製造コストを節減することができる。
【0092】
また、支持部材310の下端にスイッチ型センサを配置し、支持部材310がカップ部材2に接触すると、カップ部材2により直接スイッチが押されて押圧状態を検知することもできる。但し、本実施形態によれば、押圧検知センサ600を遮蔽板420に隠された部分に設けることで、洗滌液によるセンサの誤動作を防止することができ、センサが支持部材310の下端を隠して洗滌液や紫外線がタンブラーの蓋3に及ばないことを防止できる。
【0093】
以下、図7及び図8を参照して、洗滌機1の動作について説明する。
【0094】
図7はカップ部材2の洗滌モードを説明する図であり、図8はタンブラーの蓋3の洗滌モードを説明する図である。
【0095】
制御装置はタッチスクリーン111に洗滌開始を選択できる仮想スイッチをディスプレーして待機する。この時、支持部材310は一番上に上がって配置されている。リミットスイッチ500が作動した状態で、この位置をモータ401の最高位置に対する基準位置としてセットする。
【0096】
制御装置は、ユーザにより洗滌開始の仮想スイッチがタッチされたことが検知されると、制御装置はタッチスクリーン111を通じて「カップ洗滌モード」、「タンブラー洗滌モード」及び「蓋洗滌モード」を選択できる仮想スイッチをディスプレーする。
【0097】
カップ洗滌モードとタンブラー洗滌モードは洗滌動作が実質的に同じであるので、カップ洗滌モードとタンブラー洗滌モードを区分することなく、単にカップ部材洗滌モードに統合してディスプレーしてもよい。
【0098】
但し、多回用カップの場合、タンブラーに比べ剛性が弱いのが一般的である。そのため、制御装置はカップ洗滌モードにおいてタンブラー洗滌モードに比べてモータ401をより細かく制御して支持部材310により多回用カップが破損することを防止するようにしてもよい。
【0099】
ユーザがカップ洗滌モード、タンブラー洗滌モード、蓋洗滌モードのうちいずれかを選択すると、例えば、制御装置は「洗滌過程」、「洗浄及び洗滌過程」、「殺菌過程」及び「統合過程」を選択する仮想スイッチをディスプレーする。「洗滌過程」とは、清水を用いて洗滌を行う過程であり、「洗浄及び洗滌過程」とは、洗剤が入った洗浄液を用いた洗浄と清水洗滌を順次行う過程であり、「殺菌過程」とは、第1光殺菌ランプ240を用いて殺菌を行う過程であり、「統合過程」とは、洗浄、洗滌及び殺菌を全て行う過程である。
【0100】
但し、これは例示的なものであり、洗浄液噴射機能がなければ「洗滌過程」、「殺菌過程」及び「統合過程」を選択するようにしてもよく、又は必ず洗滌(洗浄及び洗滌)と殺菌過程を行うようにして当該過程選択の動作を省略してもよい。
【0101】
例えば、ユーザがカップ洗滌モードと統合過程を選択すると、制御装置はドア120を開け、カップ部材2を裏返し、内部に第1噴射ノズル210が位置するようにカップ部材2を内部空間131内に入れることをユーザーに案内する。案内は音声で行ってもよいし、タッチスクリーン111を通じて映像グラフィックをディスプレーしてもよい。
【0102】
ユーザがカップ部材2を位置決めし、タッチスクリーン111にディスプレーされたスタートボタンをタッチすると、制御装置はドア120を閉じる。
【0103】
図7に示したように、制御装置はドア120が閉じると、支持部材310を下降させて、支持部材310がカップ部材2の下面を押圧して固定する。
【0104】
制御装置はまず、第1噴射ノズル210を通じて洗浄液を噴射するようにし、予め定められた時間の間の洗浄液噴射過程が終了すると、清水を噴射して洗滌する。清水洗滌が完了した後又は清水洗滌が進行している間、第1光殺菌ランプ240を作動させて殺菌過程を行う。
【0105】
制御装置は当該過程が行われる間、各過程に対応する仮想画像をタッチスクリーン111を通じてディスプレーしてもよい。
【0106】
当該過程が完了すると、制御装置は支持部材310を一番上まで上昇させ、ドア120を開けた後、ユーザにカップ部材2を回収することを案内する。
【0107】
ユーザがカップ部材2を回収すると、制御装置はドア120を閉じ、第2噴射ノズル230と第2光殺菌ランプ231を作動させて、据置台201及び内部空間131を殺菌/洗滌する。
【0108】
例えば、ユーザが蓋洗滌モードと統合過程を選択すると、制御装置は、図8に示したように、支持部材310を一番下に下降させて第1噴射ノズル210と支持部材310が最も近く位置するようにする。
【0109】
その後、制御装置は、ドア120を開け、蓋3をまっすぐにした状態で支持部材310の上に載置することをユーザに案内する。案内は音声で行ってもよいし、タッチスクリーン111を通じて映像グラフィックをディスプレーしてもよい。
【0110】
ユーザが蓋3を所定位置に位置させ、タッチスクリーン111にディスプレーされたスタートボタンをタッチすると、制御装置はドア120を閉じる。
【0111】
制御装置はまず、第1噴射ノズル210を通じて洗浄液を噴射するようにし、予め定められた時間の間の洗浄液噴射過程が終了すると、清水を噴射して洗滌する。
【0112】
本実施形態によれば、バルブ(図示せず)を通じて第1噴射ノズル210の上面噴射孔211と側面噴射孔212を選択的に活性化することができ、蓋洗滌モードにおいては、上面噴射孔211のみが活性化して洗滌液を噴射するようにしてもよい。
【0113】
清水洗滌が完了した後又は清水洗滌が進行している間、第1光殺菌ランプ240を作動させて殺菌過程を行う。
【0114】
制御装置は当該過程が行われる間、各過程に対応する仮想画像をタッチスクリーン111を通じてディスプレーしてもよい。
【0115】
当該過程が全て完了すると、制御装置はドア120を開け、ユーザに蓋3を回収することを案内する。
【0116】
ユーザが蓋3を回収すると、制御装置はドア120を閉じ、支持部材310を一番上に上昇させる。また、第2噴射ノズル230と第2光殺菌ランプ231を作動させて、据置台201及び内部空間131を殺菌/洗滌する。
【0117】
本実施形態に係る洗滌機1によれば、カップ、タンブラー及びタンブラー蓋などのカップ類の自動洗滌が可能であって、多目的洗滌機としての活用度が高い。
【0118】
また、支持部材310を通じてカップ部材2を押圧する際に、支持部材310が微細に傾くことが許容されるので、カップ部材2が支持部材310の圧力によって破損することを防止することができる。
【0119】
また、支持部材310の傾きを許容する構成を用いて押圧検知センサを作動させるので、簡単な構成でカップ部材2に対する支持部材310の接触及び押圧状態を検知して洗滌機1を効果的に制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8