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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027429
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】冷却用ネックバンドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20250219BHJP
【FI】
A61F7/10 330K
A61F7/10 310Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024094804
(22)【出願日】2024-06-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0106228
(32)【優先日】2023-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521370112
【氏名又は名称】パク,ギ ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ギ ヨン
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA02
4C099CA03
4C099CA20
4C099EA05
4C099EA08
4C099GA02
4C099GA08
4C099GA17
4C099HA01
4C099HA02
4C099JA03
4C099LA01
4C099LA07
4C099LA08
4C099LA21
4C099NA02
4C099PA03
(57)【要約】
【課題】冷却用ネックバンドの製造方法を提供すること。
【解決手段】金型部により少なくとも2つの積層された原材料を圧着して第1の成形物を形成する第1の圧着ステップと、前記第1の圧着ステップの後、裁断部により前記第1の成形物の端部を切開する切開ステップと、前記切開ステップの後、取付部により前記第1の成形物の端部に注入口を取り付ける取り付けステップと、前記取り付けステップの後、吸入部により、前記第1の成形物の内周面が外側へ裏返されて外周面になるように転換する転換ステップと、を含み、前記吸入部が前記注入口に挿入された状態で前記第1の成形物内の空気を吸い込むことにより、前記第1の成形物の内周面が外側へ裏返される。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型部により少なくとも2つの積層された原材料を圧着して第1の成形物を形成する第1の圧着ステップと、
前記第1の圧着ステップの後、裁断部により前記第1の成形物の端部を切開する切開ステップと、
前記切開ステップの後、取付部により前記第1の成形物の端部に注入口を取り付ける取り付けステップと、
前記取り付けステップの後、吸入部により、前記第1の成形物の内周面が外側へ裏返されて外周面になるように転換する転換ステップと、
を含み、
前記吸入部が前記注入口に挿入された状態で前記第1の成形物内の空気を吸い込むことにより、前記第1の成形物の内周面が外側へ裏返される
ことを特徴とする冷却用ネックバンドの製造方法。
【請求項2】
前記転換ステップの後、充填部により前記第1の成形物の内部に充填物を挿入する充填ステップと、
前記充填ステップの後、前記裁断部により前記注入口が切断される切断ステップと、
前記切断ステップの後、前記金型部により前記第1の成形物が圧着されて第2の成形物を形成する第2の圧着ステップと、
をさらに含み、
前記充填部が前記注入口に挿入された状態で前記充填物が前記第1の成形物の内部に充填される
請求項1に記載の冷却用ネックバンドの製造方法。
【請求項3】
前記金型部は、前記2つの原材料を高周波圧着して前記第1の成形物を形成する
請求項1に記載の冷却用ネックバンドの製造方法。
【請求項4】
前記第1の成形物の内周面が前記注入口を通過する形態で外側へ裏返され、前記高周波圧着部分に形成される継ぎ目が前記第1の成形物の内側に位置するようにする
請求項3に記載の冷却用ネックバンドの製造方法。
【請求項5】
前記第1の成形物は、
前記第1の成形物の内部に空き空間が形成された複数の空間部と、
前記空間部と隣接する空間部とを連通する連結部と、を含む
請求項1に記載の冷却用ネックバンドの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却用ネックバンドの製造方法に関し、さらに詳しくは、プレス成形により製造する際に、製造されたネックバンドの外周面をより滑らかに形成することで、着用感を向上させることができる冷却用ネックバンドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の急速な進行に伴い、自然環境や人間社会への様々な悪影響が報告されている。特にその中でも、夏季の気温上昇による猛暑日の増加は、通常の社会生活を営むことを困難にするだけでなく、屋外で肉体労働やスポーツ等を行う際には体温が急激に上昇するため、熱中症にかかりやすくなるという問題があった。
【0003】
特に、夏の暑い時期には首回りも暑くなり、長時間スポーツをすると体温が上昇して首回りに汗が流れるため、首回りを冷やすために、タオルやハンカチを水に濡らして首に巻くなどの方法があるが、タオルやハンカチを水に濡らして首に巻く方法では、夏の暑い日差しや体温によって水分がすぐに蒸発してしまうため、保冷効果を持続させることができないという問題がある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するための方策として、近年、暑い日の冷却状態で首に着用すると、ゆっくりと溶けながら人体の熱を吸収して一定の温度に涼しさを保つ冷却用ネックバンドが種々開発され、特許出願されている。
【0005】
特許文献1には、図1に示すように、クーリングチューブ1は、チューブ本体10と、カバー部20とを含むが、内部に冷却媒体が収容され、少なくとも一部が湾曲形状に形成された高分子フィルム層と、前記高分子フィルム層を包み込み、水分を含有する繊維層と、を含み、前記繊維層は、前記水分の蒸発により冷却されるウェアラブルクーリングチューブが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、図2に示すように、押出成形により長手方向に延びるチューブ(Tube)を成形し、真空熱成形により凸状に、すなわち首部と接触する接触部12とその間に配置された空気流動部13とが繰り返されるように構成され、長手方向の両端11を高周波で仕上げ処理したネックアイスクーリングパッケージが提案されている。
【0007】
また、特許文献3には、図3に示すように、首に着用できるように長手方向の両端11が互いに対向するように形成されたチューブ本体10の前記両端11に一対のニップル30と固定リング40とが設けられた構造を有する温度調節可能なネッククーリングチューブが提案されている。
【0008】
しかしながら、従来のネックバンドの場合、外周面に突起等が形成されて滑らかでないため、美観上好ましくなく、着用感が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2021-0001833号(2021年1月6日公開)ウェアラブルクーリングチューブ及びその製造方法
【特許文献2】韓国登録特許公報第10-1977325号(2019年5月13日公告)ネックアイスクーリングパッケージ
【特許文献3】韓国登録特許公報第10-1948865号(2019年2月18日公告)温度調節可能なネッククーリングチューブ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、外周面をより滑らかな形状にすることができ、それによって着用感を向上させることができる冷却用ネックバンドの製造方法を提供することをその目的とする。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されるものではなく、ここに言及されていない本発明が解決しようとする他の課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の好ましい一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、金型部により少なくとも2つの積層された原材料を圧着して第1の成形物を形成する第1の圧着ステップと、前記第1の圧着ステップの後、裁断部により前記第1の成形物の端部を切開する切開ステップと、前記切開ステップの後、取付部により前記第1の成形物の端部に注入口を取り付ける取り付けステップと、前記取り付けステップの後、吸入部により、前記第1の成形物の内周面が外側へ裏返されて外周面になるように転換する転換ステップと、を含み、前記吸入部が前記注入口に挿入された状態で前記第1の成形物内の空気を吸い込むことにより、前記第1の成形物の内周面が外側へ裏返されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の好ましい一実施形態により、前記転換ステップの後、充填部により前記第1の成形物の内部に充填物を挿入する充填ステップと、前記充填ステップの後、前記裁断部により前記注入口が切断される切断ステップと、前記切断ステップの後、前記金型部により前記第1の成形物が圧着されて第2の成形物を形成する第2の圧着ステップと、をさらに含み、前記充填部が前記注入口に挿入された状態で前記充填物が前記第1の成形物の内部に充填されることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の好ましい一実施形態による前記金型部は、前記2つの原材料を高周波圧着して前記第1の成形物を形成することを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明の好ましい一実施形態による前記第1の成形物の内周面が前記注入口を通過する形態で外側へ裏返され、前記高周波圧着部分に形成される継ぎ目が前記第1の成形物の内側に位置するようにすることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明の好ましい一実施形態により、前記第1の成形物は、前記第1の成形物の内部に空き空間が形成された複数の空間部と、前記空間部と隣接する空間部とを連通する連結部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記課題の解決手段により、本発明の冷却用ネックバンドの製造方法は、第1の成形物の内周面が注入口を通過する形態で外側へ裏返され、高周波圧着部分に形成される継ぎ目が外部に露出することなく内側に位置するようにすることで、冷却用ネックバンドを着用する際に滑らかな外周面を有することになり、着用感を向上させることができる冷却用ネックバンドの製造方法を提供することができるという効果がある。
【0018】
より具体的には、従来の外周面に縁取り(エッジ)付きネックバンドの場合、縁取り部分がより厚く形成されるため摩擦が発生し、皮膚を傷めたり、熱効率が低下したりするという問題があるのに対し、本発明の冷却用ネックバンドの場合、縁取り部分がないため、熱が自由に流れ、皮膚からの熱をより効率よくネックバンドの内部に伝えることができ、冷却素材が着用者の皮膚とより密着し、皮膚からの熱をより早く吸収することができるという利点がある。また、ネックバンドの成形作業後、空気注入により裏返して製造することで、連結通路を一定に循環できるように対流現象を最小限に抑えて冷却保持時間を向上させることができ、熱エネルギー効率、表面の柔軟性及び着用感を向上させることができるという利点がある。また、従来の縁取り付きネックバンドの場合、皮膚と接触する部位で発生した熱エネルギーが縁取りの抵抗を受けるため、熱エネルギーが縁取りに留まり、冷却エネルギーの循環を阻害するのに対し、本発明の冷却用ネックバンドの場合、皮膚と接触する部位で発生した熱エネルギーが縁取りの影響を受けずに循環し、背面面の冷却エネルギーを押しのけて熱エネルギーの方向へ移動するため、瞬間クーリング効果が高く、持続時間が長いという利点がある。
【0019】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限定されるものではなく、ここに言及されていない本発明の他の効果は、以下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術の冷却用ネックバンドを示す斜視図である。
図2】従来技術の冷却用ネックバンドを示す斜視図である。
図3】従来技術の冷却用ネックバンドを示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第1の金型の様子を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第1の金型により製造された第1の成形物の様子を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第1の金型により製造された第1の成形物の端部が切開された様子を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第1の金型により製造された第1の成形物の切開部に注入口が結合された様子を示す図である。
図9】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第1の成形物が裏返される様子を示す図であって、(a)は、第1の成形物が製造された後に注入口が結合された様子を示す図であり、(b)は、第1の成形物が徐々に裏返される様子を示す図であり、(c)は、第1の成形物が完全に裏返されて継ぎ目が内部に位置する様子を示す図である。
図10】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第2の金型の様子を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法において、第2の金型により製造された第2の成形物の様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用される用語について簡単に説明し、本発明について具体的に説明する。
【0022】
本明細書で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、可能な限り現在広く使用されている一般的な用語を選択しているが、これは当分野に従事する技術者の意図や判例、新しい技術の出現などによって変わる可能性がある。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義される。
【0023】
明細書の全般に亘って、ある部分がある構成要素を「含む」としたとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得るということを意味する。
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明の解決しようとする課題、課題の解決手段、発明の効果を含む具体的な事項は、下記の実施形態および図面に含まれている。本発明の利点、特徴、およびそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になる。
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
【0027】
図4図11を参照すると、本発明の一実施形態による冷却用ネックバンドの製造方法は、金型部により少なくとも2つの積層された原材料を圧着して第1の成形物20を形成する第1の圧着ステップ(S100)と、前記第1の圧着ステップ(S100)の後、裁断部により前記第1の成形物20の端部を切開する切開ステップ(S200)と、前記切開ステップ(S200)の後、取付部により前記第1の成形物20の端部に注入口50を取り付ける取り付けステップ(S300)と、前記取り付けステップ(S300)の後、吸入部により、前記第1の成形物20の内周面が外側へ裏返されて外周面になるように転換する転換ステップ(S400)と、前記転換ステップ(S400)の後、充填部により前記第1の成形物20の内部に充填物を挿入する充填ステップ(S500)と、前記充填ステップ(S500)の後、前記裁断部により前記注入口50が切断される切断ステップ(S600)と、前記切断ステップ(S600)の後、前記金型部により前記第1の成形物20が圧着されて第2の成形物を形成する第2の圧着ステップ(S700)と、を含む。
【0028】
まず、本発明の冷却用ネックバンドを製造するために、前記第1の圧着ステップ(S100)を行う。前記第1の圧着ステップ(S100)は、前記金型部に原材料を積層した後、圧着して内部が閉鎖された状態の前記第1の成形物20を形成する工程である。より具体的には、前記原材料を少なくとも2つ積層し、2つの原材料を同時に高周波で圧着して前記第1の成形物20を形成する。このとき、前記原材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic polyurethane)樹脂であってもよい。また、上側に積層される原材料の面積は、下側に積層される原材料の面積よりも大きくてもよい。
【0029】
一方、前記金型部は、前記2つの原材料を高周波圧着して前記第1の成形物20を形成する。より具体的には、前記金型部は、プレス圧着加工により前記第1の成形物20を製造するための第1の金型201と、プレス圧着加工により後述する第2の成形物60を製造するための第2の金型202と、を含む。
【0030】
図5を参照すると、前記第1の金型201は、空き空間が形成された複数のセル部210と、前記セル部210と隣接するセル部210との間に設けられた複数の支持部220と、前記支持部220の中央部に設けられた複数の凹部230と、を含む。
【0031】
一例として、前記第1の金型201は、直方体形状で、上面に前記複数のセル部210、支持部220及び凹部230が形成される。このとき、前記セル部210は、外周面が丸く形成された直方体形状の空き空間を有するように、前記第1の金型201の外周面から凹溝状に形成され、複数のセル部210は、前記第1の金型201の長手方向に沿って一列に配列され得る。また、前記複数のセル部210は、互いに一定の間隔を隔てて形成され、前記支持部220は、前記セル部210と隣接するセル部210との間にそれぞれ設けられる。前記支持部220は、前記第1の金型201の外周面に対応する高さを有するように形成され得る。さらに、前記支持部220のそれぞれの中央部には、「U」字状の凹溝状に設けられる前記凹部230が形成される。これにより、前記セル部210によって後述する空間部30が形成され、前記凹部230によって後述する連結部40が形成される。このとき、前記凹部230に着脱自在に設けられる凸部をさらに含み得る。すなわち、前記凸部は、前記凹部230に挿入されるように結合され、前記凸部が前記凹部230に結合されると、後述する第2の金型202となり得る。
【0032】
ここで、高周波圧着とは、約450kHzの高い周波数の電流を溶接対象物に流して発生する高周波熱により接着する加工を意味し、金型部は、高周波プレス圧着装置を含む。すなわち、前記第1の金型201に前記2つの原材料を積層した状態で前記2つの原材料をプレス圧着加工することである。ここで、上部金型に対応するプレスは、平板状に形成されており、前記第1の成形物20の縁部と前記支持部220に干渉されて当該部分が圧着されて結合されるようにする。高周波プレス圧着装置は、前記2つの原材料を高周波圧着して内部が閉鎖された形態の第1の成形物20を製造することができるものであれば、いかなる形態であってもよい。
【0033】
より具体的には、前記第1の成形物20は、前記第1の成形物20の内部に空き空間が形成された複数の空間部30と、前記空間部30と隣接する空間部30とを連通する連結部40と、を含む。すなわち、前記第1の金型201に2つの原材料が積層された状態で前記第1の圧着ステップ(S100)が行われることにより、前記セル部210に対応する部分に前記空間部30が形成され、前記凹部230に対応する部分に前記連結部40が形成され、残りの部分は高周波圧着により結合されることになる。
【0034】
次に、図6及び図7を参照すると、前記第1の圧着ステップ(S100)の後、前記第1の成形物20の端部を切開する前記切開ステップ(S200)を行う。例えば、前記第1の成形物20の端部を切開する際に、前記第1の成形物20の端部側に形成された前記連結部40の一側が同時に切開され、追って、切開された前記連結部40に前記注入口50が取り付けられる。このとき、前記裁断部は、通常の切断装置であり、前記第1の成形物20の端部を切開することができ、後述する注入口50を切断することができるものであれば、いかなる形態であってもよい。
【0035】
次いで、図8を参照すると、前記切開ステップ(S200)の後、前記第1の成形物20の切開部に前記注入口50を取り付ける前記取り付けステップ(S300)を行う。一例として、前記注入口50は、空気及び充填物を搬送できるように、フレキシブルな管状に形成され得る。ここで、前記注入口50は、中空を有する円柱形状であり、前記注入口50の中空が前記第1の成形物20の内周面と連通するようになっている。すなわち、前記裁断部により前記第1の成形物20の端部が切開され、前記取付部により、前記注入口50が前記第1の成形物20の切開された端部に取り付けられて連通する。さらに、前記吸入部は、ポンプPを含み、前記注入口50は、ポンプPと連結されて、前記注入口50により前記第1の成形物20の内部とポンプPとが連通する。このとき、前記取付部は、通常の接着装置であり、前記連結部40に前記注入口50を取り付けて固定することができるものであれば、いかなる形態であってもよく、前記ポンプPはエアポンプであってもよい。
【0036】
その次、図9を参照すると、前記取り付けステップ(S300)の後、前記吸入部により前記第1の成形物が裏返される前記転換ステップ(S400)を行う。より具体的には、前記吸入部が、前記注入口50に結合された状態で、前記第1の成形物20内の空気を吸い込むことにより、前記第1の成形物20の内周面が外側へ裏返されるように構成される。したがって、前記第1の成形物20の内周面が前記注入口50を通過する形態で外側へ裏返されて、前記高周波圧着部分に形成された継ぎ目21が前記第1の成形物20の内側に配置される。
【0037】
すなわち、前記第1の成形物20の内周面が、前記注入口50を通過する形態で外側へ裏返されて、前記高周波圧着部分に形成された継ぎ目が前記第1の成形物20の内側に配置される。前記転換ステップ(S600)を行わずに製造された従来のネックバンドの場合、継ぎ目部分が突出していて着用時に皮膚を刺激するため、着用感(着心地)が著しく低下するという問題がある。
【0038】
これに対し、本発明のネックバンド製造方法による冷却用ネックバンドの場合、継ぎ目21が内部に配置されることで、外周面が滑らかに形成されるため、着用感が向上するという利点がある。換言すると、前記第1の成形物20の内周面が前記注入口50を通過する形態で外側へ裏返されて、高周波圧着部分に形成された継ぎ目21が外部に露出することなく内側に配置されることで、身体に接触する冷却用ネックバンドの外周面は、凸凹せず、継ぎ目21のない滑らかな外周面となり、着用感が向上するという効果がある。
【0039】
次に、前記転換ステップ(S400)の後、前記充填部が前記注入口50に挿入された状態で充填物を挿入することで、前記充填物を前記第1の成形物20の内部に充填する前記充填ステップ(S500)を行う。このとき、前記充填部は、前記充填物が貯蔵される貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクから前記充填物が搬送され得るように前記貯蔵タンクと前記注入口50とを連結する連結管と、前記充填物が搬送されるための駆動力を提供する駆動ポンプと、を含み得、前記充填物が前記第1の成形物20の内部に充填できるものであれば、いかなる形態であってもよい。
【0040】
次いで、前記充填ステップ(S500)の後、前記注入口50を切断して前記第1の成形物20から離脱させる前記切断ステップ(S600)を行う。すなわち、前記注入口50は、前記充填物が前記第1の成形物20内に充填された後に前記裁断部により切断され、後述する第2の金型202により高周波圧着される。ここで、前記注入口50部分に対する圧着により形成される継ぎ目の面積を最小にするために、前記注入口50の直径を最小にすることが好ましい。
【0041】
その次、前記切断ステップ(S600)の後、前記注入口50が切断された前記第1の成形物20を前記第2の金型202により圧着して前記第2の成形物60とする前記第2の圧着ステップ(S700)を行う。このとき、前記第2の金型202により、前記第1の成形物20は、切断されていない残りの前記注入口50部分及び複数の連結部40部分が圧着される。すなわち、前記第2の成形物60は、前記第1の成形物20とは異なり、連結部40が形成されず、前記注入口50が形成されない状態となる。
【0042】
図10及び図11を参照すると、前記第2の金型202は、空き空間が形成された複数のセル部210と、前記セル部210と隣接するセル部210との間に設けられた複数の支持部と、を含んで構成される。すなわち、前記第2の金型202は、前記第1の金型201とは異なり、前記複数の凹部230が形成されていないため、前記第1の成形物20の圧着時に前記連結部40が圧着されて、前記複数の空間部30が独立した空間を有するようになる。言い換えれば、前記第1の成形物20は、前記複数の空間部30が前記複数の連結部40によって連通されている状態であり、前記第2の成形物60は、前記複数の空間部30が連通されていない状態である。したがって、前記第2の成形物60の複数の空間部30に充填された充填物間の熱伝達を最小限に抑えることができるという利点がある。また、前記空間部30と空間部30の間が圧着されて形成される継ぎ目が着用者の皮膚に触れないようにすることができる。一例として、前記空間部30と隣接する空間部30との間の離隔距離は、前記空間部30の幅の0.1倍~0.3倍であり得る。すなわち、前記空間部30に充填された充填物によって前記空間部30の体積が大きくなり、前記空間部30と空間部30との間の距離を最小にして、前記連結部40の圧着時に発生する継ぎ目の長さを最小にすることが好ましい。
【0043】
一方、本発明の冷却用ネックバンドの製造方法によるネックバンドは、外皮で囲まれた内部に、冷却媒体を収容するための前記複数の空間部30が形成される。前記外皮の材料は、人体に無害な材料である熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic polyurethane)樹脂であってもよい。前記空間部30内に充填される冷却媒体は、相変化材料(PCM)であり、その種類については以下に詳述する。
【0044】
前記冷却媒体は、相変化材料(PCM)として、ヘプタデカン(Heptadecane)、オクタデカン(Octadecane)及びノナデカン(Nonadecane)のいずらか1種以上を選択してもよく、エイコサン(Eicosane)またはヘネイコサン(Heneicosane)を選択してもよく、これらを混合して使用してもよい。
【0045】
参考までに、本発明で使用される相変化材料(PCM:phase change material)とは、温度調節、すなわち、吸熱及び発熱によって大量の熱エネルギーを蓄積したり、蓄積された熱エネルギーを放出したりする特性を持つ材料である。相変化材料(PCM)が適用されたネックバンドを冷却するためには、冷蔵庫の冷凍室に10分程度入れておくか、冷たい水道水に30分程度浸しておくか、冷房(エアコン)の下に30分程度置いておく。そうすると、ネックバンド内に収容された相変化材料(PCM)は、下記表1に示すように融点温度以下では固体状態に冷却される。
【0046】
そして、相変化材料(PCM)が固体状態に冷却されたネックバンドを首に掛けるとき、人の体温とともに暑い夏の気温により相変化材料(PCM)の融点が下記表1に示すように融点温度以上になる場合には、固体状態の相変化材料(PCM)が溶けて涼しく感じる。前記空間部30は、高周波接着によって密封された構造であり、上述のように温度変化により相変化材料(PCM)が凍結と溶融を繰り返しながら繰り返し再利用することができる。
【0047】
参考までに、本発明で使用される相変化材料(PCM)の融点温度は、下記表1の通りである。
【0048】
【表1】
【0049】
また、本発明の冷却用ネックバンドの製造方法は、前記第2の圧着ステップ(S700)の後、製造された前記第2の成形物の外周面をコーティングして洗浄する洗浄ステップ(S800)と、前記洗浄ステップ(S800)の後、前記第2の成形物を乾燥させる乾燥ステップ(S900)と、をさらに含む。すなわち、前記第2の成形物の外周面をコーティングして洗浄した後、乾燥させて最終生産品である冷却用ネックバンドを製造する。
【0050】
結果として、本発明の冷却用ネックバンドの製造方法による冷却用ネックバンドは、着用時に身体を冷却し、身体の熱を吸収して身体を一定の温度で涼しく保つことができ、高周波プレス圧着部分に形成される継ぎ目21を外部に露出させるのではなく内側に位置させることにより、冷却用ネックバンドの身体に接する外周面は、凸凹せず、継ぎ目21のない滑らかな外周面となり、着用感が向上するという利点がある。
【0051】
このように、上述した本発明の技術的構成は、本発明の属する技術分野の当業者であれば、本発明の技術思想や本質的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解できる。
【0052】
したがって、以上で記述した実施形態等は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものではなく、本発明の範囲は、前記詳細な説明よりも後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
20 第1の成形物
21 継ぎ目
30 空間部
40 連結部
50 注入口
60 第2の成形物
201 第1の金型
202 第2の金型
210 セル部
220 支持部
230 凹部
P ポンプ
S100 第1の圧着ステップ
S200 切開ステップ
S300 接着ステップ
S400 転換ステップ
S500 充填ステップ
S600 切断ステップ
S700 第2の圧着ステップ
S800 洗浄ステップ
S900 乾燥ステップ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11