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特開2025-27432振動子アンテナユニットおよびアンテナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027432
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】振動子アンテナユニットおよびアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/28 20060101AFI20250219BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
H01Q21/28
H01Q21/24
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114246
(22)【出願日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】202311018046.1
(32)【優先日】2023-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524270730
【氏名又は名称】蘇州立訊技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou Luxshare Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 99 Xubang Road, Wuzhong Economic Development Zone, Suzhou City, Jiangsu Province, China (Phase II standard Factory Building 3, 5 and auxiliary building)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 文▲かい▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 澄宇
(72)【発明者】
【氏名】李 振華
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA10
5J021AB03
5J021FA33
5J021JA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】振動子アーム間のアイソレーションを高め、より良好なデカップリング効果を達成する振動子アンテナユニットおよびアンテナを提供する。
【解決手段】振動子アンテナユニットは、支持台1と、支持台1に設置された複数の振動子アーム2と、ガイド3とを、含む。複数の振動子アーム2は、各々振動子アンテナユニットの中軸から外方に延び、互いに間隔を置いて設置され、導電層21及びはんだマスク層22を含み、導電層21には複数のフィルタリングブランチ23が透かし彫りに形成され、ガイド3は、振動子アンテナユニットの頂部に位置し、複数の振動子アーム2との間に間隔を有しており、これにより、フィルタリングブランチ23を有する振動子アーム2とガイド3とが嵌合する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子アンテナユニットであって、
支持台(1)と、
前記支持台(1)に設置され、前記振動子アンテナユニットの中軸から外方に延び、互いに間隔を置いて設置され、複数のフィルタリングブランチ(23)が透かし彫りに形成されている導電層(21)と、はんだマスク層(22)とを含む複数の振動子アーム(2)と、
前記支持台(1)に設置され、前記振動子アンテナユニットの頂部に位置し、複数の前記振動子アーム(2)と間隔を有しているガイド(3)と、
を含むことを特徴とする振動子アンテナユニット。
【請求項2】
前記フィルタリングブランチ(23)は、
1/8の高周波波長を有する少なくとも2つの第1フィルタリングブランチ(231)と、
1/16の高周波波長を有する少なくとも1つの第2フィルタリングブランチ(232)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項3】
前記第1フィルタリングブランチ(231)は、
第1接続セグメント(2311)と、
前記第1接続セグメント(2311)の末端によって折り曲げられ、延長される第1延長セグメント(2312)と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項4】
前記第1フィルタリングブランチ(231)は、
第1接続セグメント(2311)と、
前記第1接続セグメント(2311)の末端に接続され、順次折り曲げ接続された複数のサブセグメントを含む折り曲げ部(2313)と、
前記折り曲げ部(2313)の末端によって折り曲げられ、延長される第1延長セクション(2312)と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項5】
前記第2フィルタリングブランチ(232)は、
第2接続セグメント(2321)と、
前記第2接続セグメント(2321)の末端によって折り曲げられ、延長される第2延長セグメント(2322)と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項6】
前記フィルタリングブランチ(23)の幅は0.06~0.1mmであることを特徴とする請求項1に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項7】
前記振動子アーム(2)に貫通孔(24)が設けられ、
前記支持台(1)は、前記振動子アーム(2)を固定するように貫通孔(24)を貫通することを特徴とする請求項1に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項8】
前記振動子アンテナユニットは、
前記振動子アーム(2)を第1スリット(41)内に固定するように、前記支持台(1)に固定され、かつ前記第1スリット(41)が設けられた第1ファスナー(4)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項9】
前記振動子アンテナユニットは、
給電回路(51)が設けられた給電台(5)と、
複数のバラン(61)を含み、各バラン(61)の両側にはそれぞれ2つの前記振動子アーム(2)が固定されており、前記バラン(61)はそれぞれ前記給電回路(51)および対応する前記振動子アーム(2)と電気的に接続されているバランコンポーネント(6)と、
前記支持台(1)に固定され、第2スリット(71)が設けられて、前記バランコンポーネント(6)および対応する振動子アーム(2)を前記第2スリット(71)内に固定する第2ファスナー(7)と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の振動子アンテナユニット。
【請求項10】
アンテナであって、
請求項1~9のいずれか1項に記載の振動子アンテナユニットを含み、
前記振動子アンテナユニットは、同軸ケーブルを接続するためのポート(52)が設けられた給電台(5)をさらに含むことを特徴とするアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局アンテナの技術分野に関し、特に振動子アンテナユニットおよびアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
基地局アンテナの多周波数化、小型化、複雑化に伴い、同一のアンテナの各サブ周波数帯で最適な性能指標をどのように実現するかが現在の基地局アンテナ研究開発のボトルネックとなっているが、高アイソレーションを自身で実現でき、デカップリング機能を有する振動子アンテナユニットは特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこれに鑑みてなされたものであり、本発明は、フィルタリングブランチを有する振動子アームがガイドと嵌合することにより、アイソレーションを高め、より良好なデカップリング効果を達成する振動子アンテナユニットおよびアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本発明の実施例は振動子アンテナユニットであって、
支持台と、前記支持台に設置され、前記振動子アンテナユニットの中軸から外方に延び、互いに間隔を置いて設置され、複数のフィルタリングブランチが透かし彫りに形成されている導電層と、はんだマスク層とを含む複数の振動子アームと、前記支持台に設置され、前記振動子アンテナユニットの頂部に位置し、複数の前記振動子アームと間隔を有しているガイドと、を含む。
【0005】
さらに、前記フィルタリングブランチは、1/8の高周波波長を有する少なくとも2つの第1フィルタリングブランチと、1/16の高周波波長を有する少なくとも1つの第2フィルタリングブランチと、を含む。
【0006】
さらに、前記第1フィルタリングブランチは、第1接続セグメントと、前記第1接続セグメントの末端によって折り曲げられ、延長される第1延長セグメントと、を含む。
【0007】
さらに、前記第1フィルタリングブランチは、第1接続セグメントと、前記第1接続セグメントの末端に接続され、順次折り曲げ接続された複数のサブセグメントを含む折り曲げ部と、前記折り曲げ部の末端によって折り曲げられ、延長される第1延長セクションと、を含む。
【0008】
さらに、前記第2フィルタリングブランチは、第2接続セグメントと、前記第2接続セグメントの末端によって折り曲げられ、延長される第2延長セグメントと、を含む。
【0009】
さらに、前記フィルタリングブランチの幅は0.06~0.1mmである。
【0010】
さらに、前記振動子アームに貫通孔が設けられ、前記支持台は、前記振動子アームを固定するように貫通孔を貫通する。
【0011】
さらに、前記振動子アームを第1スリット内に固定するように、前記支持台に固定され、かつ前記第1スリットが設けられた第1ファスナーをさらに含む。
【0012】
さらに、前記振動子アンテナユニットは、給電回路が設けられた給電台と、複数のバランを含み、各バランの両側にはそれぞれ2つの前記振動子アームが固定されており、前記バランはそれぞれ前記給電回路および対応する前記振動子アームと電気的に接続されているバランコンポーネントと、前記支持台に固定され、第2スリットが設けられて、前記バランコンポーネントおよび対応する振動子アームを前記第2スリット内に固定する第2ファスナーと、をさらに含む。
【0013】
第2の態様では、本発明の実施例はアンテナであって、第1の態様に記載の振動子アンテナユニットを含み、前記振動子アンテナユニットは、同軸ケーブルを接続するためのポートが設けられた給電台をさらに含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例は振動子アンテナユニットおよびアンテナを提供し、前記振動子アンテナユニットは、支持台と、支持台に設置された振動子アームと、ガイドとを含む。振動子アームは振動子アンテナユニットの中軸から外方に延び、互いに間隔を置いて設置され、振動子アームは導電層とはんだマスク層とを含み、導電層は複数のフィルタリングブランチが透かし彫りに形成されている。ガイドは振動子アンテナユニットの頂部に位置し、複数の振動子アームとの間に間隔を有している。これにより、振動子アンテナユニットは、フィルタリングブランチを有する振動子アームがガイドと嵌合することにより、アイソレーションを高めることができ、良好なデカップリング効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の図面を参照して本発明の実施例を説明することにより、本発明の上述およびその他の目的、特徴および利点がより明確になる。
図1】本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットの構成概略図である。
図2】本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットの分解概略図である。
図3】本発明の実施例に係る振動子アームの構成概略図である。
図4】本発明の実施例に係るガイドの構成概略図である。
図5】本発明の実施例に係る支持台の構成概略図である。
図6】本発明の実施例に係る第1ファスナーの構成概略図である。
図7】本発明の実施例に係る給電台の構成概略図である。
図8】本発明の実施例に係るバランコンポーネントの構成概略図である。
図9】本発明の実施例に係る第2ファスナーの構成概略図である。
図10】本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアイソレーション曲線の概略図である。
図11】本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアレイ後の高周波方向図である。
図12】本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアレイ後の低周波方向図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、本発明の詳細な説明では、特定の詳細な部分について詳しく説明する。本発明は、当業者にとってこれらの詳細な部分の説明がなくても完全に理解できる。本発明の本質を混同することを避けるために、公知の方法、プロセス、フロー、素子、回路は詳細には述べられていない。
【0017】
また、本明細書で提供される図面は、説明の目的のために提供され、必ずしも比例して描かれたものではないことを当業者は理解するであろう。
【0018】
特に明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「接続」、「接する」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体になっていてもよい。機械的接続でもよいし、電気的接続でもよいし、直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、特に限定されない限り、2つの要素内部の接続または2つの要素の相互作用関係であってもよい。本願における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、状況に応じて理解することができる。
【0019】
文脈が明確に要求されない限り、明細書の「含む」、「備える」などの類似語は、排他的または限定的な意味ではなく、含む意味として解釈されるべきである。つまり、「含むがこれに限らない」という意味である。
【0020】
本発明の説明では、用語「第1」、「第2」などは、説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を指示するものまたは暗示するものとしては理解できないことを理解する必要がある。さらに、本発明の説明では、特に説明がない限り、「複数」の意味は2つまたは2つ以上である。
【0021】
図1は本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットの構成概略図であり、図2は本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットの分解概略図であり、図1および図2に示すように、振動子アンテナユニットは支持台1と、振動子アーム2と、ガイド3とを含む。なお、振動子アーム2はアンテナ放射部材であり、振動子アーム2は複数あるが、具体的な数は必要に応じて設定することができる。例示的には、振動子アーム2は4つあり、4つの振動子アーム2は振動子アンテナユニットの中軸から外方に延び、互いに間隔を置いて設置され、それによって十字形に支持台1に設置される。あるいは、振動子アーム2の長さは1/4波長である。さらに、図3は本発明の実施例に係る振動子アームの構成概略図であり、図3に示すように、振動子アーム2は導電層21とはんだマスク層22とを含み、導電層21は複数のフィルタリングブランチ23が透かし彫りに形成され、はんだマスク層22は導電層21を保護し、容量結合を増加させることができる。なお、オプションの実施形態として、導電層21は銅層である。また、さらに、ガイド3は支持台1に設置され、振動子アンテナユニットの頂部に位置し、ガイド3が位置する平面と複数の振動子アーム2が位置する平面とは互いに平行である、すなわち、ガイド3と複数の振動子アーム2との間に間隔がある。これにより、振動子アンテナユニットは、フィルタリングブランチ23を有する振動子アーム2をガイド3に嵌合させることにより、アイソレーションを向上させることができ、良好なデカップリング効果を得ることができる。
【0022】
図2および図3に示すように、一実施形態では、フィルタリングブランチ23は、少なくとも2つの第1フィルタリングブランチ231と、少なくとも1つの第2フィルタリングブランチ232とを含む。なお、第1フィルタリングブランチ231および第2フィルタリングブランチ232の数や位置は、必要に応じて設定することができる。例示的には、第1フィルタリングブランチ231は2つあり、振動子アーム2の長手に沿って間隔を置いて設置されている。第2フィルタリングブランチ232は1つあり、振動子アーム2の短手に沿って設置されている。さらに、第1フィルタリングブランチ231の長さは1/8の高周波波長であり、第2フィルタリングブランチ232の長さは1/16の高周波波長である。理解しやすいのは、第1フィルタリングブランチ231および第2フィルタリングブランチ232の長さは、振動子アーム2の長手方向に沿った寸法を意味する。これに対応して、第1フィルタリングブランチ231および第2フィルタリングブランチ232の幅は、振動子アーム2の短手方向に沿った寸法を意味する。具体的には、第1フィルタリングブランチ231と第2フィルタリングブランチ232の幅は等しく、幅範囲は0.06mm~0.1mmである。すなわち、フィルタリングブランチ23の幅範囲は0.06mm~0.1mmである。例示的には、第1フィルタリングブランチ231と第2フィルタリングブランチ232の幅は同じ0.08mmであり、すなわちフィルタリングブランチ23の幅は0.08mmである。
【0023】
なお、第1フィルタリングブランチ231および第2フィルタリングブランチ232の寸法条件に基づいて、第1フィルタリングブランチ231および第2フィルタリングブランチ232の構成は必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。例示的には、図3に示すように、一実施形態では、第1フィルタリングブランチ231は、導電層21の本体部位に接続された第1接続セグメント2311と、第1接続セグメント2311の末端によって折り曲げられて延びる第1延長セグメント2312とを含む。別の実施形態では、第1フィルタリングブランチ231は、導電層21の本体部位に接続された第1接続セグメント2311と、第1接続セグメント2311の末端に接続され、順次折り曲げ接続された複数のサブセグメントを含む折り曲げ部2313と、折り曲げ部2313の末端によって折り曲げられて延びる第1延長セグメント2312と、を含む。なお、折り曲げ部2313における各サブセグメントの構成や位置は、必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。さらに別の実施形態では、第2フィルタリングブランチ232は、導電層21の本体部位に接続された第2接続セグメント2321と、第2接続セグメント2321の末端によって折り曲げられて延びる第2延長セグメント2322とを含む。また、なお、第1フィルタリングブランチ231と第2フィルタリングブランチ232は、寸法要件を満足することを前提として、各部の位置や寸法は必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0024】
図4は、本発明の実施例に係るガイドの構成概略図であり、図4に示すように、一実施形態では、ガイド3はシート状に構成されており、接続板31とガイドアーム32とを含み、ガイドアーム32は、窓33を形成するために取り囲んでいる。なお、ガイド3の材料は、銅または他の導電性材料を含む。さらに、図2に示すように、振動子アンテナユニットは、ガイド3の固定取り付けを実現するために、両端が接続板31と支持台1にそれぞれ接続された第3ファスナー8をさらに含む。また、さらに、ガイドアーム32と振動子アーム2の数は等しく、ガイドアーム32の延在方向は対応する振動子アーム2の延在方向と同じである。すなわち、4つの振動子アーム2からなる十字形構造に対応して、ガイドアーム32も同様に十字形構造に形成されている。振動子アーム2と一定間隔を有するガイドアーム32を設けることにより、ガイド3と振動子アーム2との間の高調波形成に有利であり、フィルタ効果が形成され、アイソレーションを高める目的が達成される。一方、窓33がガイドアーム32に合う構造は十字形に形成されている。なお、ガイド3に窓33を設けることにより、振動子アンテナユニットへの影響を低減し、ユニットのアレイ後の交差偏波比を向上させることができ、ユニットのアレイ後の信号空間指向性が強く、デカップリング性が強い。
【0025】
図3に示すように、一実施形態では、振動子アーム2に貫通孔24が設けられている。さらに、支持台1は貫通孔24を貫通して振動子アーム2を固定する。具体的には、図5は本発明の実施例に係る支持台の構成概略図であり、図5に示すように、支持台1には、第1係合部11と支持部12とが設けられている。ここで、第1係合部11の構造や寸法は、貫通孔24を貫通して振動子アーム2の固定を実現するために貫通孔24と整合している。同時に、支持部12の断面はL型構造に形成されており、振動子アーム2の底部を支持することもできるし、第1係合部11に合わせて振動子アーム2と互いに整合する溝状構造を形成することもでき、振動子アーム2を第1係合部11と支持部12との間に収容して振動子アーム2の固定作用を強化することができる。
【0026】
図1および図2に示すように、一実施形態では、振動子アンテナユニットは、第1ファスナー4をさらに含む。具体的には、図6は本発明の実施例に係る第1ファスナーの構成概略図であり、図6に示すように、第1ファスナー4に第1スリット41と第2係合部42とが設けられている。ここで、第1スリット41の寸法は、振動子アーム2が第1スリット41を通過する際に振動子アーム2に固定作用するように振動子アーム2と整合している。さらに、第2係合部42の構造は、第1ファスナー4が第2係合部42を介して支持台1に係合するように支持台1と整合している。これにより、第1ファスナー4を設けることにより、振動子アーム2の固定をさらに強化することができる。
【0027】
図1および図2に示すように、一実施形態では、振動子アンテナユニットは、給電台5と、バランコンポーネント6と、第2ファスナー7とをさらに含む。具体的には、図7は本発明の実施例に係る給電台の構成概略図であり、図7に示すように、給電台5は、給電回路51と、ポート52と、取付溝53とを含む。ここで、ポート52は同軸ケーブルを接続するために使用される。さらに、図8は本発明の実施例に係るバランコンポーネントの構成概略図であり、図8に示すように、バランコンポーネント6は複数のバラン61を含む。なお、バラン61の数と振動子アーム2の数は互いに一致しており、バラン61は平衡不平衡インピーダンス変換器とも呼ばれ、1:1、4:1、6:1、9:1、25:1などの比のインピーダンス変換を行うことができる。原理はアンテナ理論によると、双極子アンテナは平衡型アンテナであり、同軸ケーブルは不平衡伝送線であり、それを直接接続すると、同軸ケーブルの外皮に高周波電流が流れ、アンテナの放射に影響を与える。そのため、バランコンポーネント6を設定する必要があります。例示的には、振動子アーム2は4つあり、バラン61は2つあり、十字交差して設置され、給電回路51は2つあり、各バラン61の両側にはそれぞれ2つの振動子アーム2が固定されている。理解しやすいのは、バラン61はそれぞれ対応する給電回路51および対応する振動子アーム2に電気的に接続されていることである。図7に示すように、取付溝53は、2つのバラン61に合わせて十字形に形成され、それにより、バランコンポーネント6を給電台5に挿着し、2つの給電回路51を介して2つのバラン61をそれぞれ給電することができる。
【0028】
図2に示すように、一実施形態では、振動子アンテナユニットは第4ファスナー9をさらに含む。振動子アーム2は第4ファスナー9を介して対応するバラン61の部分と重ねて固定されている。さらに、図9は本発明の実施例に係る第2ファスナーの機構概略図であり、図9に示すように、第2ファスナー7の本体部分は、振動子アンテナユニットの中軸部に設けられる十字形構造とされ、第2ファスナー7には第2スリット71が設けられている。第2スリット71の数は振動子アーム2の数に合わせて4つに設定され、4つの第2スリット71は十字形に分布している。なお、第2スリット71の大きさは、振動子アーム2とバラン61との接続部分の大きさと整合し、振動子アーム2とバラン61を第2スリット71内に収容して固定することができる。また、さらに、図9に示すように、第2ファスナー7には第3係合部72がさらに設けられている。代替的な実施形態として、第3係合部72は2つあり、対称的に分布しており、第3係合部72の構造は、支持台1に第2ファスナー7を固定するために支持台1と互いに整合している。これにより、第2ファスナー7を設けることにより、バランコンポーネント6と振動子アーム2の固定を実現することができる。
【0029】
図10は本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアイソレーション曲線の概略図であり、図10に示すように、本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアイソレーションは-41dBまで高めることができる。図11は本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアレイ後の高周波方向図であり、図12は本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットのアレイ後の低周波方向図であり、図11および図12に示すように、本発明の実施例に係る振動子アンテナユニットは高周波ユニットのアレイ後に、高周波ユニットの放射線図は基本的に歪みがなく、ビームは61°~66°に収束し、高周波方向図の性能は優れている。低周波方向図も高周波ユニットの影響を受けず、波形に歪みがなく、ビームは75°~80°に収束する。
【0030】
また、本発明の実施例は振動子アンテナユニットを含むアンテナを提供する。なお、振動子アンテナユニットの構成は前述の通りであり、ここではこれ以上説明しない。なお、アンテナはMIMOアンテナ、ノートパソコンアンテナ、基地局アンテナなどであってもよい。以上から明らかなように、振動子アンテナユニットを設置することにより、アイソレーションを高めることができ、良好なデカップリング効果を達成することができる。
【0031】
本発明の実施例は振動子アンテナユニットおよびアンテナを提供し、前記振動子アンテナユニットは、支持台と、支持台に設置された振動子アームと、ガイドとを含む。振動子アームは振動子アンテナユニットの中軸から外方に延び、互いに間隔を置いて設置され、振動子アームは導電層とはんだマスク層とを含み、導電層は複数のフィルタリングブランチが透かし彫りに形成されている。ガイドは振動子アンテナユニットの頂部に位置し、複数の振動子アームとの間に間隔を有している。これにより、振動子アンテナユニットは、フィルタリングブランチを有する振動子アームがガイドと嵌合することにより、アイソレーションを高めることができ、良好なデカップリング効果を得ることができる。
【0032】
上述したのは本出願の好適な実施形態のみであり、本出願を制限するために使用されるものではなく、当業者にとって、本出願は種々の修正及び変更を有することができる。本出願の精神及び原理の範囲内で行われたすべての修正、均等置換、改善などは、本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0033】
1 支持台
11 第1係合部
12 支持部
13 第3スリット
2 振動子アーム
21 導電層
22 はんだマスク層
23 フィルタリングブランチ
231 第1フィルタリングブランチ
2311 第1接続セグメント
2312 第1延長セグメント
2313 折り曲げ部
232 第2フィルタリングブランチ
2321 第2接続セグメント
2322 第2延長セグメント
24 貫通孔
3 ガイド
31 接続板
32 ガイドアーム
33 窓
4 第1ファスナー
41 第1スリット
42 第2係合部
5 給電台
51 給電回路
52 ポート
53 取り付け溝
6 バランコンポーネント
61 バラン
7 第2ファスナー
71 第2スリット
72 第3係合部
8 第3ファスナー
9 第4ファスナー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12