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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027654
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/278 20060101AFI20250220BHJP
   H04N 5/265 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
H04N5/278
H04N5/265
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132629
(22)【出願日】2023-08-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開日:令和5年2月8日、公開(使用)した場所:オンライン会議(在京キー局CG連絡会、会議URL(Microsoft Teams):https://teams.microsoft.com/dl/launcher/launcher.html?url=%2F_%23%2Fl%2Fmeetup-join%2F19%3Ameeting_MzUxZDAxMTQtYjEwYi00YWFjLWIwMzktMDRhODQ1NjM2ZTg0%40thread.v2%2F0%3Fcontext%3D%257b%2522Tid%2522%253a%2522708a8b25-d849-4845-b271-164914d458f1%2522%252c%2522Oid%2522%253a%25226dd9b567-ea5f-4a95-90d3-6c937f81cec1%2522%257d%26anon%3Dtrue&type=meetup-join&deeplinkId=45ebe9a6-d9f6-4711-b26d-d5a538c4b148&directDl=true&msLaunch=true&enableMobilePage=true&suppressPrompt=true) 2.公開日:令和5年2月16日、公開(使用)した場所:ゴーテック(テレビ朝日技術局主催、系列各社とグループ各社が参加する見本市、東京都港区六本木6-9-1) 3.公開日:令和5年2月28日、公開(使用)した場所:オンライン会議(系列タイトルCG会議、会議URL(Microsoft Teams):https://teams.microsoft.com/l/meetup-join/19%3ameeting_MGMzNmUyMjItNmNhMy00YjA4LTg3YWItZGFkYWNhZTg2MWNm%40thread.v2/0?context=%7b%22Tid%22%3a%22bf0b15c4-8799-42ca-8d13-92a189d92cad%22%2c%22Oid%22%3a%224983d2bb-4cf5-4974-9d77-548177d4de36%22%7d)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 4.公開日:令和5年4月1日、公開(使用)した場所:MPTE AWARDS 2023第76回技術開発賞(一般社団法人日本映画テレビ技術協会(東京都中央区日本橋1-17-12日本橋ビルディング2F)) 5.公開日:令和5年6月7日、公開(使用)した場所:2023年日本民放連盟賞<技術部門>(一般社団法人日本民間放送連盟(東京都千代田区紀尾井町3-23)) 6.公開日:令和5年7月10日、公開(使用)した場所:オンライン会議(ソニー株式会社、会議URL(Microsoft Teams):https://teams.microsoft.com/l/meetup-join/19%3ameeting_MmU0NzkwZDctZTA5ZS00YTA1LTgzZDUtYTM1NWMzYWM5ZGNh%40thread.v2/0?context=%7b%22Tid%22%3a%22bf0b15c4-8799-42ca-8d13-92a189d92cad%22%2c%22Oid%22%3a%22c2834a83-628a-4f2b-9ec9-8ec3b239802b%22%7d)
(71)【出願人】
【識別番号】500527535
【氏名又は名称】株式会社テレビ朝日クリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】宮下 剛
(72)【発明者】
【氏名】小川 龍也
(72)【発明者】
【氏名】坂井 正孝
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 央幸
(72)【発明者】
【氏名】久野 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼原 篤
【テーマコード(参考)】
5C023
【Fターム(参考)】
5C023AA18
5C023AA27
5C023CA01
5C023CA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放送用画像に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像への情報重畳を簡素な構成で実現する。
【解決手段】画像処理システムは、複数の素材画像のうち処理対象とする2つ以上の素材画像を選択する操作を受け付け、この2つ以上の素材画像の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報を受け付ける手段140、先の複数の素材画像に変更が施されない状態で、処理対象とする2つ以上の素材画像が合成順序情報に従って合成される重畳用画像を生成する手段150及び重畳用画像を転送先が処理可能なデータ形式に変換し、SDI送出装置へ転送する手段160を有する画像処理装置と、重畳用画像に基づいてFill-Key映像信号を一組のみ生成する手段180及びFill-Key映像信号一組のみをSDI規格に従って映像合成装置に転送する手段190を有するSDI送出装置と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送用原画像に重畳させる重畳用画像の素材となる複数の素材画像を記憶する素材画像記憶手段と、
前記複数の素材画像のうち処理対象とする2つ以上の前記素材画像を選択するユーザー操作を受け付けると共に、前記2つ以上の素材画像の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報を受け付ける選択指示受付手段と、
前記複数の素材画像に変更が施されない状態で、前記処理対象とする2つ以上の素材画像が前記合成順序情報に従って合成される前記重畳用画像を生成する重畳用画像生成手段と、
放送用画像を放送設備に転送する映像合成装置に対し前記放送用原画像に合成するFill映像信号及びKey映像信号を転送するSDI(Serial Digital Interface)送出装置へ、前記重畳用画像を前記SDI送出装置が処理可能なデータ形式に変換し、所定のデータ転送レートで転送する重畳用画像転送手段と、を有する画像処理装置と、
前記重畳用画像の色情報部分に基づく前記Fill映像信号及び前記重畳用画像の透過情報部分に基づく前記Key映像信号を一組のみ生成するFill-Key生成手段と、
前記Fill映像信号及び前記Key映像信号一組のみをSDI規格に従って前記映像合成装置に転送するFill-Key転送手段と、を有する前記SDI送出装置と、を含む画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理装置が、
通信ネットワークで接続される他の前記画像処理装置から、前記素材画像又は前記重畳用画像を取得する画像取得手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記重畳用画像が、HTML(Hyper Text Markup Language)形式で記述されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
放送用原画像に重畳させる重畳用画像の素材となる複数の素材画像を記憶する素材画像記憶手段を有する画像処理装置において、
選択指示受付手段が、前記複数の素材画像のうち処理対象とする2つ以上の前記素材画像を選択するユーザー操作を受け付けると共に、前記2つ以上の素材画像の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報を受け付けるステップと、
重畳用画像生成手段が、前記複数の素材画像に変更が施されない状態で、前記処理対象とする2つ以上の素材画像が前記合成順序情報に従って合成される前記重畳用画像を生成するステップと、
重畳用画像転送手段が、放送用画像を放送設備に転送する映像合成装置に対し前記放送用原画像に合成するFill映像信号及びKey映像信号を転送するSDI送出装置へ、前記重畳用画像を前記SDI送出装置が処理可能なデータ形式に変換し、所定のデータ転送レートで転送するステップと、を含み、
前記SDI送出装置において、
Fill-Key生成手段が、前記重畳用画像の色情報部分に基づく前記Fill映像信号及び前記重畳用画像の透過情報部分に基づく前記Key映像信号を一組のみ生成するステップと、
Fill-Key転送手段が、前記Fill映像信号及び前記Key映像信号一組のみをSDI規格に従って前記映像合成装置に転送するステップと、を含む画像処理方法。
【請求項5】
前記画像処理装置において、
画像取得手段が、通信ネットワークで接続される他の前記画像処理装置から、前記素材画像又は前記重畳用画像を取得するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記重畳用画像が、HTML(Hyper Text Markup Language)形式で記述されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項7】
放送用原画像に重畳させる重畳用画像の素材となる複数の素材画像を記憶する素材画像記憶手段を有する画像処理装置に、
選択指示受付手段が、前記複数の素材画像のうち処理対象とする2つ以上の前記素材画像を選択するユーザー操作を受け付けると共に、前記2つ以上の素材画像の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報を受け付けるステップと、
重畳用画像生成手段が、前記複数の素材画像に変更が施されない状態で、前記処理対象とする2つ以上の素材画像が前記合成順序情報に従って合成される前記重畳用画像を生成するステップと、
重畳用画像転送手段が、放送用画像を放送設備に転送する映像合成装置に対し前記放送用原画像に合成するFill映像信号及びKey映像信号を転送すると共に、前記重畳用画像の色情報部分に基づく前記Fill映像信号及び前記重畳用画像の透過情報部分に基づく前記Key映像信号を一組のみ生成するFill-Key生成手段と、前記Fill映像信号及び前記Key映像信号一組のみをSDI規格に従って前記映像合成装置に転送するFill-Key転送手段と、を有するSDI送出装置へ、前記重畳用画像を前記SDI送出装置が処理可能なデータ形式に変換し、所定のデータ転送レートで転送するステップと、を含む画像処理方法を実行させるための画像処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
放送用映像に重畳させる重畳用画像(例えば、テロップ画像)を生成し、映像合成装置に転送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
視聴者に付加的な情報を提供する手段として、放送用原画像にテロップ画像を重畳させた放送用画像を放送することがある。
【0003】
その場合、放送用原画像に重畳されるテロップ画像は、Fill映像信号及びKey映像信号と呼ばれる映像信号として生成され、映像合成装置においてFill-Key映像信号が重畳(合成)された放送用画像は、放送設備から放送される。
【0004】
従来、放送用映像にテロップ画像を重畳させる技術については、研究・開発が進められており、例えば、特許文献1では、送出映像の確認が容易に、的確に得られるようにしたテロップ監視装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-9835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来技術では、放送用画像に合成するテロップの系統数を増やす場合、映像合成装置に接続するSDI(Serial Digital Interface)ケーブルの数を増やさなければならず、複雑なテロップを容易に合成できないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、放送用画像に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像への情報重畳を簡素な構成で実現する画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示する画像処理システムの一形態は、放送用原画像に重畳させる重畳用画像の素材となる複数の素材画像を記憶する素材画像記憶手段と、前記複数の素材画像のうち処理対象とする2つ以上の前記素材画像を選択するユーザー操作を受け付けると共に、前記2つ以上の素材画像の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報を受け付ける選択指示受付手段と、前記複数の素材画像に変更が施されない状態で、前記処理対象とする2つ以上の素材画像が前記合成順序情報に従って合成される前記重畳用画像を生成する重畳用画像生成手段と、放送用画像を放送設備に転送する映像合成装置に対し前記放送用原画像に合成するFill映像信号及びKey映像信号を転送するSDI(Serial Digital Interface)送出装置へ、前記重畳用画像を前記SDI送出装置が処理可能なデータ形式に変換し、所定のデータ転送レートで転送する重畳用画像転送手段と、を有する画像処理装置と、前記重畳用画像の色情報部分に基づく前記Fill映像信号及び前記重畳用画像の透過情報部分に基づく前記Key映像信号を一組のみ生成するFill-Key生成手段と、前記Fill映像信号及び前記Key映像信号一組のみをSDI規格に従って前記映像合成装置に転送するFill-Key転送手段と、を有する前記SDI送出装置と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
開示する画像処理システムは、放送用画像に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像への情報重畳を簡素な構成で実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る画像処理システムの概要を示す図である。
図2】本実施の形態に係る画像処理システムの機能ブロック図である。
図3】本実施の形態に係る重畳用画像生成手段の説明を行うための図である。
図4】本実施の形態に係る画像処理装置のハードウエア構成例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る画像処理システムによる処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る画像処理システムの動作原理)
【0012】
図1乃至3を用いて、本実施の形態に係る画像処理システム(以下、単に「本システム」という。)100の動作原理について説明する。図1は、本システム100と周辺装置との接続関係を示す図であり、図2は、本システム100の機能ブロック図であり、図3は、後述する重畳用画像生成手段150の処理を説明するための図である。
【0013】
図1で示すように、本システム100は、画像処理装置110、それに接続されるSDI(Serial Digital Interface)送出装置120を含む。画像処理装置110は、放送設備370から放送される放送用画像(映像)250に合成される重畳用画像(例えば、テロップ用画像230)220を生成する。SDI送出装置120は、重畳用画像220に基づいて、Fill映像信号290及びKey映像信号300を生成し、これら映像信号290、300を映像合成装置280へ転送する。なお、映像合成装置280は、例えば、DSK(ダウンストリームキーヤー)である。
【0014】
図1で示すように、スイッチャー350は、放送映像の基となる放送用原画像240を映像合成装置280へ転送し、映像合成装置280は、SDI送出装置120から取得したFill映像信号290及びKey映像信号300を放送用原画像240に合成する。映像合成装置280は、Fill映像信号290及びKey映像信号300が合成された放送用画像250を送信設備(放送設備)270へ転送し、送信設備(放送設備)270は、放送用画像250を放送する。
【0015】
図2で示すように、画像処理装置110は、素材画像記憶手段130、選択指示受付手段140、重畳用画像生成手段150、重畳用画像転送手段160、画像取得手段170を有する。SDI送出装置120は、Fill-Key生成手段180、Fill-Key転送手段190を有する。
【0016】
素材画像記憶手段130は、放送用原画像240に重畳させる重畳用画像220の素材となる複数の素材画像210を記憶する。放送用原画像240は、Fill映像信号290及びKey映像信号300が合成される前の画像(映像)であって、スイッチャー350から提供される画像(映像)である。なお、素材画像210は、静止画像であっても良く、動画像であっても良い。
重畳用画像220は、例えば、テロップ用画像230であって、Fill映像信号290及びKey映像信号300の元となる画像である。
図3で示すように、素材画像記憶手段130は、例えば、素材画像1、素材画像2、素材画像3のように、複数の素材画像210を記憶する。
【0017】
選択指示受付手段140は、素材画像記憶手段130に記憶される複数の素材画像210のうち処理対象とする2つ以上の素材画像210を選択するユーザー操作を受け付ける。また、選択指示受付手段140は、処理対象とする2つ以上の素材画像210の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報260をユーザー操作として受け付ける。
【0018】
図3(1)で示すように、選択指示受付手段140は、例えば、処理対象として素材画像1、2、3を選択するユーザー操作を受け付ける。また、図3(2)で示すように、選択指示受付手段140は、例えば、処理対象として素材画像1、3、4を選択するユーザー操作を受け付ける。また、図3(3)で示すように、選択指示受付手段140は、例えば、処理対象として素材画像1、4を選択するユーザー操作を受け付ける。
【0019】
合成順序情報260は、例えば、素材画像1は最背面で合成処理を行い、素材画像2は上から3番目で合成処理を行い、素材画像3は上から2番目で合成処理を行い、素材画像4は最前面で合成処理を行うというような重ね合わせる順序を指定する情報である。
【0020】
重畳用画像生成手段150は、素材画像記憶手段130に記憶される複数の素材画像210に変更が施されない状態で、処理対象とする2つ以上の素材画像210が合成順序情報260に従って合成される重畳用画像220を生成する。なお、重畳用画像220は、静止画像であっても良く、動画像であっても良い。
【0021】
また、重畳用画像生成手段150により生成される重畳用画像220は、一つだけであり、後段の処理で放送用原画像240と合成されるFill映像信号290及びKey映像信号300は、重畳用画像220に基づき生成されるもので、一組だけ生成される。
【0022】
従来、複雑な重畳用画像(例えば、テロップ画像)を放送用原画像240に合成しようとすると、重畳用画像を多数作成し、それに伴い、Fill映像信号及びKey映像信号も多数組生成されていた。SDI送出装置120と映像合成装置280とを接続するSDIケーブルも、Fill映像信号及びKey映像信号の数だけ多数接続する必要があった。
【0023】
しかし、重畳用画像生成手段150による処理によって、重畳用画像(例えば、テロップ画像)が複雑な場合であっても、生成される重畳用画像220、Fill映像信号290及びKey映像信号300は、一つ(一組)だけである。そのため、本システム100は、放送用画像250に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像240への情報重畳を簡素な構成で実現することができる。
【0024】
なお、重畳用画像生成手段150によって行われる画像の合成処理は、一般的な技術を用いて行われる。また、素材画像210、重畳用画像220は、画素毎に、色情報及び透過情報を備えている。画像処理装置110は、素材画像210、重畳用画像220に透過情報を付与することも可能である。
【0025】
また、重畳用画像220は、HTML(Hyper Text Markup Language)形式で記述されていることが好適である。これによって、重畳用画像220の授受が専用装置でなくても可能となり、重畳用画像220の受け渡しが容易になる。
【0026】
重畳用画像転送手段160は、重畳用画像220をHTML形式からSDI送出装置120が処理可能なデータ形式に変換し、所定のデータ転送レート(例えば、30フレーム/秒)でSDI送出装置120へ転送する。
【0027】
画像取得手段170は、通信ネットワーク360で接続される他の画像処理装置330及びクラウド装置340から、素材画像210又は重畳用画像220を取得し、画像処理装置110の処理対象とすることができる。これによって、画像処理装置110は、通信ネットワーク360で接続される他の画像処理装置330及びクラウド装置340と協働作業を行うことができる。通信ネットワーク360は、有線通信ネットワークであっても良く、無線通信ネットワークであっても良い。
【0028】
Fill-Key生成手段180は、重畳用画像220の色情報部分310に基づき、Fill映像信号290を生成し、重畳用画像220の透過情報部分320に基づき、Key映像信号300を生成する。Fill-Key生成手段180は、Fill映像信号290及びKey映像信号300を一組のみ生成する。重畳用画像220は、重畳用画像転送手段160によって画像処理装置110から転送される。
【0029】
Fill-Key生成手段180によって生成されるFill映像信号290及びKey映像信号300は一組だけであるため、本システム100は、放送用画像250に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像240への情報重畳を簡素な構成で実現することができる。
【0030】
Fill-Key転送手段190は、Fill-Key生成手段180によって生成されるFill映像信号290及びKey映像信号300一組のみをSDI規格に従って(最小単位数のSDIケーブルを介して)映像合成装置280に転送する。
【0031】
本システム100は、上記の動作原理に基づいて、放送用画像250に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像240への情報重畳を簡素な構成で実現することができる。
本システム100は、上記の動作原理に基づいて、放送用画像250に合成するテロップ230の系統数を容易に増やすことができる。
本システム100は、上記の動作原理に基づいて、放送用画像250に複雑なテロップ230を容易に合成することができる。
本システム100は、上記の動作原理に基づいて、放送用画像250にテロップ230を合成するシステムを簡素化することができる。
【0032】
本システム100は、上記の動作原理に基づいて、外部装置(送信設備を除く)(テロップ230の素材となるデータ210を保存するクラウド装置340)に接続されていなくても、放送用画像250にテロップ230を合成するシステムが構築可能である。
【0033】
本システム100は、上記の動作原理に基づいて、中継車等の移動局において、放送用画像250にテロップ230を合成するシステムが容易に構築可能である。
(本実施の形態に係る画像処理装置のハードウエア構成)
【0034】
図4を用いて、画像処理装置110のハードウエア構成例について説明する。図4は、画像処理装置110のハードウエア構成の一例を示す図である。図4で示すように、画像処理装置110は、CPU(Central Processing Unit)510、ROM(Read-Only Memory)520、RAM(Random Access Memory)530、補助記憶装置540、通信I/F550、入出力装置560、外部装置I/F570、記憶媒体I/F580を有する。
【0035】
CPU510は、ROM520に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM530に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、画像処理装置110全体を制御する。ROM520は、CPU510が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM530は、CPU510でROM520に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0036】
補助記憶装置540は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置540は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0037】
通信I/F550は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク360に接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0038】
入出力装置560は、キーボードなど画像処理装置110にデータ入力を行うための装置である。また、入出力装置560は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置も含み、画像処理装置110が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。
【0039】
外部装置I/F570は、例えば、SDI送出装置120のような外部装置と接続され、その外部装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。例えば、画像処理装置110は、外部装置I/F570を介して、SDI送出装置120と接続される。
記憶媒体I/F580は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記憶媒体590とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0040】
画像処理装置110が有する各手段は、CPU510が、ROM520又は補助記憶装置540に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、画像処理装置110が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F550を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記憶媒体I/F580を介して記憶媒体590から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る画像処理システムによる処理例)
図5を用いて、本システム100による処理例について説明する。図5は、本システム100による処理例の流れを示すフローチャートである。
【0041】
S10で画像取得手段170が、通信ネットワーク360で接続される他の画像処理装置330及びクラウド装置340から、素材画像210又は重畳用画像220を取得する。これによって、画像処理装置110は、通信ネットワーク360で接続される他の画像処理装置330及びクラウド装置340と協働作業を行うことができる。
【0042】
画像取得手段170によって取得された素材画像210は、素材画像記憶手段130に記憶される。なお、画像処理装置110は、他の画像処理装置330やクラウド装置340から、素材画像210又は重畳用画像220を取得することなく、S20以降の処理を行う形態としても良い。
【0043】
S20で選択指示受付手段140が、素材画像記憶手段130に記憶される複数の素材画像210のうち処理対象とする2つ以上の素材画像210を選択するユーザー操作を受け付ける。また、選択指示受付手段140は、処理対象とする2つ以上の素材画像210の重ね合わせる順序を指定する合成順序情報260をユーザー操作として受け付ける。
【0044】
図3で示すように、選択指示受付手段140は、例えば、(1)処理対象として、素材画像1、2、3を選択するユーザー操作、(2)素材画像1、3、4を選択するユーザー操作、(3)素材画像1、4を選択するユーザー操作、などを受け付ける。
【0045】
S30で重畳用画像生成手段150が、素材画像記憶手段130に記憶される複数の素材画像210に変更が施されない状態で、処理対象とする2つ以上の素材画像210が合成順序情報260に従って合成される重畳用画像220を生成する。なお、重畳用画像220は、静止画像であっても良く、動画像であっても良い。
【0046】
重畳用画像生成手段150による処理によって、重畳用画像(例えば、テロップ画像230)220が複雑な場合であっても、生成される重畳用画像220、Fill映像信号290及びKey映像信号300は、一つだけである。そのため、本システム100は、放送用画像250に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像240への情報重畳を簡素な構成で実現することができる。
【0047】
また、重畳用画像220は、HTML形式で記述されていることが好適である。これによって、重畳用画像220の授受が専用装置でなくても可能となり、重畳用画像220の受け渡しが容易になる。
【0048】
S40で重畳用画像転送手段160が、S30において生成した重畳用画像220をHTML形式からSDI送出装置120が処理可能なデータ形式に変換し、所定のデータ転送レート(例えば、30フレーム/秒)でSDI送出装置120へ転送する。
【0049】
S50でFill-Key生成手段180が、S40において転送された重畳用画像220の色情報部分310に基づき、Fill映像信号290を生成し、重畳用画像220の透過情報部分320に基づき、Key映像信号300を生成する。S40において転送された重畳用画像220は1つだけであるため、Fill-Key生成手段180によって生成されるFill映像信号290及びKey映像信号300も一組だけである。
【0050】
Fill-Key生成手段180によって生成されるFill映像信号290及びKey映像信号300は一組だけであるため、本システム100は、放送用画像250に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、装置120、280間のSDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像240への情報重畳を簡素な構成で実現することができる。
【0051】
S60でFill-Key転送手段190が、S50において生成された一組のみのFill映像信号290及びKey映像信号300をSDI規格に従って(最小単位数のSDIケーブルを介して)映像合成装置280に転送する。
【0052】
一方、映像合成装置280は、スイッチャー350から放送用原画像240を取得する。そして、映像合成装置280は、S60において転送された一組のみのFill映像信号290及びKey映像信号300を、スイッチャー350から取得した放送用原画像240に合成し、放送用画像250を生成する。
【0053】
さらに、映像合成装置280は、生成した放送用画像250を送信設備(放送設備)270に転送する。そうすると、送信設備(放送設備)270は、映像合成装置280から転送されてきた放送用画像250をアンテナから送信し、放送を行う。
【0054】
上記のように、本システム100は、放送用画像250に重畳させる情報の系統数が増加・複雑化する場合であっても、SDIケーブルの数が最小単位で済み、放送用原画像240への情報重畳を簡素な構成で実現することができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
100 画像処理システム
110 画像処理装置
120 SDI(Serial Digital Interface)送出装置
130 素材画像記憶手段
140 選択指示受付手段
150 重畳用画像生成手段
160 重畳用画像転送手段
170 画像取得手段
180 Fill-Key生成手段
190 Fill-Key転送手段
210 素材画像
220 重畳用画像
230 テロップ用画像
240 放送用原画像
250 放送用画像
260 合成順序情報
270 送信設備(放送設備)
280 映像合成装置
290 Fill映像信号
300 Key映像信号
310 重畳用画像の色情報部分
320 重畳用画像の透過情報部分
330 他の画像処理装置
340 クラウド装置
350 スイッチャー
360 通信ネットワーク
510 CPU
520 ROM
530 RAM
540 補助記憶装置
550 通信インターフェース
560 入出力装置
570 外部装置インターフェース
580 記憶媒体インターフェース
590 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5