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特開2025-27682スキル向上支援装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027682
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】スキル向上支援装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20250220BHJP
   G06Q 10/105 20230101ALI20250220BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q10/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132697
(22)【出願日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】523025791
【氏名又は名称】North Star Metric株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】太場 次一
(72)【発明者】
【氏名】平野 広大
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L010AA20
5L049AA08
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】スキルの向上の意欲がより確実に維持され、スキルの向上がより確実なスキル向上支援装置、スキル向上支援方法、及びスキル向上支援プログラムを提供する。
【解決手段】スキル向上支援装置18は、評価記憶部31、先行評価記憶部32、特定部33、表示制御部36を備える。評価記憶部31は、スキルを評価される被評価者と評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する。先行評価記憶部32は、先行被評価者と、過去の評価時t1における評価情報と、登録時taにおける評価情報と、登録時taにおける属性を示す属性情報とを関連付けて先行評価データとして記憶する。特定部33は、選択された属性情報に基づいて、先行評価データに示される評価時t1及び登録時taのそれぞれにおける評価情報を特定する。表示制御部36は、被評価者及び先行被評価者についての各評価情報とを示す画像を生成して表示部に表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキルを複数の評価項目において評価される被評価者と、前記被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する評価記憶部と、
過去の前記被評価者である先行被評価者と、前記先行被評価者についての過去の前記評価時t1における評価情報と、前記評価時t1よりも後の登録時taにおける評価情報と、前記登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の前記先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する先行評価記憶部と、
選択された前記属性情報に基づいて、前記先行評価データに示される前記評価時t1及び前記登録時taのそれぞれにおける前記評価情報を特定する特定部と、
前記被評価者についての前記評価情報と、前記先行被評価者について特定された前記評価情報とを示す画像を生成して、表示部に表示させる表示制御部と
を備えるスキル向上支援装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記被評価者により選択された前記属性情報に基づいて前記評価情報を特定し、
前記表示制御部は、前記被評価者が前記属性情報の選択操作を行った被評価者端末装置に備えられる前記表示部に、前記画像を表示させる請求項1に記載のスキル向上支援装置。
【請求項3】
前記評価記憶部は、前記評価時t1を含む複数の評価時の各々における評価情報を前記被評価者に関連付けて記憶し、
前記先行評価記憶部は、過去の評価時t1を含む複数の評価時の各々における評価情報を前記先行被評価者に関連付けて記憶し、
前記特定部は、前記複数の評価時の各々における前記評価情報を特定する請求項1または2に記載のスキル向上支援装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記被評価者について前記複数の評価時の各々における前記評価情報を時系列化した時系列画像を生成して前記表示部に表示させる請求項3に記載のスキル向上支援装置。
【請求項5】
前記時系列画像は、前記複数の評価時を示す時間軸と、前記評価項目を示す項目軸と、前記評価情報を示す評価情報軸とを有する三次元グラフである請求項4に記載のスキル向上支援装置。
【請求項6】
前記被評価者について複数の評価者が評価した場合に、前記複数の評価者のそれぞれが評価した各評価結果に基づいて前記評価情報を生成する評価情報生成部をさらに有する請求項1に記載のスキル向上支援装置。
【請求項7】
スキルを複数の評価項目において評価される被評価者と、前記被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する評価記憶ステップと、
過去の前記被評価者である先行被評価者と、前記先行被評価者についての過去の前記評価時t1における評価情報と、前記評価時t1よりも後の登録時taにおける評価情報と、前記登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の前記先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する先行評価記憶ステップと、
選択された前記属性情報に基づいて、前記先行評価データに示される前記評価時t1及び前記登録時taのそれぞれにおける前記評価情報を特定する特定ステップと、
前記被評価者についての前記評価情報と、前記先行被評価者について特定された前記評価情報とを示す画像を生成して、表示部に表示させる表示制御ステップと
を有するスキル向上支援方法。
【請求項8】
スキルを複数の評価項目において評価される被評価者と、前記被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する評価記憶ステップと、
過去の前記被評価者である先行被評価者と、前記先行被評価者についての過去の前記評価時t1における評価情報と、前記評価時t1よりも後の登録時taにおける評価情報と、前記登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の前記先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する先行評価記憶ステップと、
選択された前記属性情報に基づいて、前記先行評価データに示される前記評価時t1及び前記登録時taのそれぞれにおける前記評価情報を特定する特定ステップと、
前記被評価者についての前記評価情報と、前記先行被評価者について特定された前記評価情報とを示す画像を生成して、表示部に表示させる表示制御ステップと
をコンピュータに実行させるスキル向上支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキル向上支援装置、スキル向上支援方法、及びスキル向上支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仕事などの社会活動においては種々のスキル(能力)が求められる。企業などに属し、特定の業務を担当する社員には当然のこと、例えば大学生や専門学校生にとっても、スキルは就職の成否を決める大きな要素である。
【0003】
スキルを把握するために、例えば特許文献1には、問題ファイル、回答ファイル、スコア換算表ファイル、個人別スコアファイル、個人別パターンファイル、パターン別コメントファイル、課題実施部、個人別スコア生成部、個人パターン生成部、コメント生成部、レポート出力部を備える社会人基礎力評価システムが記載されている。問題ファイルは、社会人基礎力を直接測定するための組織等における具体的な業務を用いた問題を格納し、回答ファイルは、問題によって測定する測定要素を示す測定値及び問題に対する被験者の実際の回答を被験者ごとに格納する。スコア換算表ファイルは、測定値及び回答を数値であるスコアに換算する換算表を格納し、個人別スコアファイルは、換算されたスコアを個人スコアとして被験者ごとに格納する。個人別パターンファイルは、個人スコアに基づいて算出された分野別の平均値と閾値とを比較して生成される複数のパターン要素からなる個人パターンを被験者ごとに格納する。パターン別コメントファイルは、スコアのパターン別に被験者に提示するコメントを格納する。課題実施部は、問題ファイルから問題を読み出して被験者に提示し、被験者の測定値及び回答を被験者ごとに回答ファイルに格納する。個人別スコア生成部は、回答ファイルから測定値及び回答を読み出し、スコア換算表ファイルから読み出した換算表に基づいて測定値及び回答から換算された個人スコアを個人別スコアファイルに格納する。個人パターン生成部は、個人別スコアファイルから個人スコアを読み出し、個人別の前記スコアのパターンである個人パターンを生成する。コメント生成部は、個人パターンに基づいて、パターン別コメントファイルから被験者に提示するコメントを読み出し、レポート出力部は、個人パターン及び上記コメントを少なくとも含むレポートを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6713681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スキルを評価される被評価者にとって、スキルを向上させるには、到達させるレベルと時期との目標設定が現実的に達成可能なものである方が、向上の意欲を維持すること、ひいてはスキルの向上をより確実にすることができる点で好ましい。
【0006】
そこで、本発明は、スキルの向上の意欲がより確実に維持され、スキルの向上がより確実なスキル向上支援装置、スキル向上支援方法、及びスキル向上支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスキル向上支援装置は、評価記憶部と、先行評価記憶部と、特定部と、表示制御部とを備える。評価記憶部は、スキルを複数の評価項目において評価される被評価者と、被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する。先行評価記憶部は、過去の前記被評価者である先行被評価者と、先行被評価者についての過去の前記評価時t1における評価情報と、評価時t1よりも後の登録時taにおける評価情報と、登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する。特定部は、選択された属性情報に基づいて、先行評価データに示される評価時t1及び登録時taのそれぞれにおける評価情報を特定する。表示制御部は、被評価者についての評価情報と、先行被評価者について特定された評価情報とを示す画像を生成して、表示部に表示させる。
【0008】
特定部は、被評価者により選択された属性情報に基づいて評価情報を特定し、表示制御部は、被評価者が属性情報の選択操作を行った被評価者端末装置に備えられる表示部に、画像を表示させることが好ましい。
【0009】
評価記憶部は、評価時t1を含む複数の評価時の各々における評価情報を被評価者に関連付けて記憶し、先行評価記憶部は、過去の評価時t1を含む複数の評価時の各々における評価情報を先行被評価者に関連付けて記憶し、特定部は、複数の評価時の各々における評価情報を特定することが好ましい。
【0010】
表示制御部は、被評価者について複数の評価時の各々における評価情報を時系列化した時系列画像を生成して表示部に表示させることが好ましい。時系列画像は、複数の評価時を示す時間軸と、評価項目を示す項目軸と、評価情報を示す評価情報軸とを有する三次元グラフであることがより好ましい。
【0011】
被評価者について複数の評価者が評価した場合に、複数の評価者のそれぞれが評価した各評価結果に基づいて評価情報を生成する評価情報生成部をさらに有することが好ましい。
【0012】
本発明のスキル向上支援方法は、評価記憶ステップと、先行評価記憶ステップと、特定ステップと、表示制御ステップとを有する。評価記憶ステップは、スキルを複数の評価項目において評価される被評価者と、被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する。先行評価記憶ステップは、過去の被評価者である先行被評価者と、先行被評価者についての過去の評価時t1における評価情報と、評価時t1よりも後の登録時taにおける評価情報と、登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する。特定ステップは、選択された属性情報に基づいて、先行評価データに示される評価時t1及び登録時taのそれぞれにおける評価情報を特定する。表示制御ステップは、被評価者についての評価情報と、先行被評価者について特定された評価情報とを示す画像を生成して、表示部に表示させる。
【0013】
本発明のスキル向上支援プログラムは、上記の評価記憶ステップと、先行評価記憶ステップと、特定ステップと、表示制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スキルの向上の意欲がより確実に維持され、スキルがより確実に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態であるスキル向上支援システムの説明図である。
図2】スキル向上支援システムの機能ブロック図である。
図3】評価時及び登録時についての説明図であり、(A)は被評価者について評価を実施する評価時、(B)は先行被評価者について評価が実施された過去の評価時と登録時とについての説明図である。
図4】メンバ情報を登録するテンプレート画像の一例を示す概略図である。
図5】研修登録テンプレート画像の一例を示す概略図である。
図6】研修登録テンプレート画像の一例を示す概略図である。
図7】研修登録テンプレート画像の一例を示す概略図である。
図8】研修登録テンプレート画像の一例を示す概略図である。
図9】研修登録テンプレート画像の一例を示す概略図である。
図10】被評価者の評価結果を示す画像の一例を示す概略図である。
図11】被評価者と先行被評価者との評価結果を示す画像の一例を示す概略図である。
図12】先行被評価者の評価結果と被評価者の評価結果との差についての表示態様を説明する説明図である。
図13】総合評価結果を示す画像部を示す概略図である。
図14】総合評価結果を示す画像部を示す概略図である。
図15】総合評価結果を示す画像部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すスキル向上支援システム(以下、単に「支援システム」と称する)10は、本発明の実施形態の一例であり、スキルを評価される被評価者の種々のスキル(能力)の向上(習得を含む)を支援するためのものである。被評価者は、この例では学校などの教育機関において教育及び指導を受ける学生または生徒(以下、これらをまとめて「学生」と称する)であるが、企業の社員、団体の職員など、任意の組織に属する構成員であってもよい。支援システム10は、教育機関で用いる場合には、学生と、学生を指導及び教育する講師、教師(以下、これらをまとめて「講師」と称する)とに使用され、企業または団体などで用いる場合には、上記構成員としての社員、職員と、これら構成員に対して指揮、監督、指導などを行う管理者とに使用される。スキルは、特に限定されず、特定の業種、職業、職種、職務、役割等において要求または歓迎されるものでもよいし、不特定の業種、職業等において要求または歓迎されるものでもよい。
【0017】
支援システム10は、被評価者である学生について、一定の時期に、講師及び他の学生によりスキルを複数の評価項目において評価された評価結果が管理端末12及び学生端末14を用いて入力された場合に、被評価者である学生についての評価情報と、過去の被評価者(以下、先行被評価者と称する)の一例である例えば卒業生についての過去の一群の評価情報とを示す画像を生成し、被評価者である学生が使用する学生端末14に表示させる。先行被評価者についての過去の一群の評価情報としては、先行被評価者が過去の上記一定の時期に評価されたときの評価情報と、例えば就職先が決まったときの評価情報とが挙げられる。これにより、被評価者である学生は、自身に対してなされた評価結果を示す評価情報と卒業生の過去の評価情報とを比較して、自身のスキルの現状レベルと、目標レベルとを、評価項目毎に把握することができる。その結果、当該学生は、スキルを向上させるべき評価項目と目標レベルとに応じて、当該評価項目のスキルを目標レベルに達するよう計画を立てて向上を図ることができる。卒業生の代わりに、上級生を先行被評価者としてもよい。
【0018】
支援システム10は、管理者に使用される管理端末12A,12B,・・・と、学生に使用される学生端末14A,14B,14C,・・・と、スキル向上支援装置(以下、単に「支援装置」と称する)18とを備える。管理端末12A,12B,・・・と、学生端末14A,14B,14C,・・・と、支援装置18とは、通信ネットワーク19を介して接続し、通信することができるようになっている。なお、以降の説明において、管理端末12A,12B,・・・を区別しない場合には管理端末12と記載し、学生端末14A,14B,14C,・・・を区別しない場合には学生端末14と記載する。
【0019】
管理端末12は、支援システム10の管理権限を有する管理者としての講師に使用される端末装置である。管理端末12は、講師及び学生の管理、学生端末14に送られる送信データの管理、後述の評価データの管理などの各種管理を行う端末装置である。支援システム10を使用する講師及び学生はそれぞれ増減可能であり、講師及び学生の管理とは、例えば、講師及び学生の登録及び削除、学生の分類(グルーピング)などである。学生端末14に送られる送信データの管理とは、例えば、被評価者である学生を評価する評価項目の設定、被評価者についての評価データ及び過去の被評価者である学生(例えば卒業生)についての評価データ(以下、先行評価データと称する)の管理などである。講師は、管理端末12において管理する学生を被評価者として、評価を行う評価者でもある。
【0020】
管理端末12は、パーソナルコンピュータである。しかし管理端末12はパーソナルコンピュータに限られず、タブレット端末、スマートフォンなど公知のものを用いることができる。管理端末12の数は少なくともひとつであればよく、複数でもよい。例えば講師が複数である場合には、管理端末12を複数とするなど、管理端末12の数は任意である。学生端末14の数についても同様である。
【0021】
学生端末14は、被評価者である現役の学生に使用される端末装置である。学生端末14A、14B、14C、・・・を使用する複数の学生の各々は、互いに評価し合う。すなわち、各学生は、被評価者であるとともに、他の被評価者との関係で評価者でもある。複数の学生を複数のチームに分類して、チーム毎に評価を行ってもよい。例えば、複数の学生を複数の分類単位(チーム)に分類し、一の分類単位に属する複数の学生が互いに評価し合う態様でもよい。この場合には、一の分類単位に属する複数の学生の個々は、当該分類単位内において被評価者であるとともに、当該分類単位に属する他の被評価者との関係で評価者でもある。学生端末14は、例えば、被評価者について評価する評価情報の入力、被評価者についての評価結果を示す評価情報の表示要求などの各種入力操作、及び、被評価者の評価情報及び先行被評価者の過去の評価情報などを示す各種画像を表示する。
【0022】
支援装置18は、コンピュータで構成され、本発明のスキル向上支援装置の一例である。支援装置18は、管理端末12、学生端末14での入力操作に応じた各種処理を行う。例えば、管理端末12でのログイン操作に応答して、支援装置18は、上記の各種管理のための入力操作を行う画像を当該管理端末12に送信する。そして、管理端末12での入力操作によって学生が評価される評価項目の設定と登録要求がなされた場合には、当該評価項目を記憶する。支援装置18は、学生端末14におけるログイン操作及び評価項目要求に応答して、学生端末14に、評価項目を示す画像を送信する。学生端末14での入力操作により被評価者について評価した評価結果が入力された場合には、支援装置18は、評価結果に基づいて被評価者についての評価情報を生成する。支援装置18はまた、先行被評価者についての過去の評価情報を記憶し、学生端末14及び管理端末12からの表示要求に応じて、被評価者である学生の評価情報と先行被評価者の過去の評価情報とを示す画像を生成して、表示要求がなされた学生端末14及び管理端末12へ送信する。
【0023】
図2に示すように、支援システム10の管理端末12、学生端末14は、それぞれ、入力部21、表示部22、処理制御部23を備える。入力部21は、入力操作を行うためものであり、キーボード、タッチパネルディスプレイ、マウスなど、公知の入力機器を用いることができる。表示部22は、画像を表示するためのものであり、液晶ディスプレイなどの公知のディスプレイを用いることができる。処理制御部23は、入力部21及び表示部22を統括的に制御するとともに、入力部21及び支援装置18からの入力に応じた各種処理を行う。前述の通り、複数の学生は相互に評価し合い、学生端末14A、14B、14C、・・・のいずれが被評価者である場合も同様であるので、以下の説明においては学生端末14Aを使用する学生が被評価者、学生端末14B、14Cを使用する学生が評価する場合を例にして説明する。なお、前述の通り管理端末12を使用する講師も評価者である。
【0024】
支援装置18は、評価記憶部31と、先行評価記憶部32と、特定部33と、表示制御部36とを備える。支援装置18は、さらに、テンプレート記憶部37と、メンバ記憶部38と、研修記憶部41と、評価情報生成部42とを備えることが好ましく、本例でもそのようにしている。評価記憶部31と、先行評価記憶部32と、テンプレート記憶部37と、メンバ記憶部38と、研修記憶部41とはデータベースDBを構成する。
【0025】
メンバ記憶部38は、支援システム10を使用するメンバのメンバ情報、すなわち、講師と複数の学生の各情報を記憶する。メンバ情報は、少なくとも、メンバ名と、講師、学生のいずれであるかを示すメンバ分類、ログイン情報等を含み、メンバ記憶部38はこれらを関連付けてメンバ情報として記憶する。この例のログイン情報は、メールアドレスとパスワードとを含んでいる。メンバ記憶部38は、管理端末12の入力部21におけるメンバ情報とメンバ情報の登録(削除、編集を含む)要求との入力操作によりメンバ情報を記憶する。
【0026】
研修記憶部41は、評価時、評価受付期間、分類単位、評価するスキルの評価項目、評価基準等を関連付けた研修情報を記憶する。研修情報は、管理端末12の入力部21における研修情報及びその登録要求の各入力操作により、記憶される。評価受付期間は、各評価時tnよりも前にそれぞれ設定され、管理端末12及び学生端末14からの評価結果を取得する期間である。評価受付期間中に取得した評価結果は、その後の直近の評価時tnにおける評価情報の生成に用いられる。分類単位は、互いに評価しあう複数の学生と、これら学生の各々を評価する講師とから構成される前述のチームである。評価項目は、この例では、すべてのものが講師により予めリスト化されて登録されており、これらの中から、各評価時tn毎(研修毎)に選択されて記憶されるようにしてある。評価基準は、被評価者の評価を点数で行う場合には採点の基準を示すものであり、A、B、C、・・・あるいは1、2、3、・・・などの多段階評価で行う場合には各段階の基準を示すものである。この評価基準は、評価を行う講師及び学生に用いられる。
【0027】
テンプレート記憶部37は、メンバ情報を生成するための入力操作に用いられるメンバ登録テンプレートと、研修情報を生成するための入力操作に用いられる研修登録テンプレートなどを記憶する。管理端末12からのテンプレート要求を支援装置18が取得した場合に、支援装置18を統括的に制御する制御部(図示無し)により、要求されたメンバ登録テンプレートまたは研修登録テンプレートが管理端末12へ送られる。
【0028】
評価記憶部31は、被評価者と、当該被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する。評価記憶部31は、評価時t1よりも後の評価時t2,t3,・・・の各々における評価情報をさらに関連付けた評価データを記憶することが好ましく、本例でもそのようにしている。評価データは、さらに、完了したすべての評価時における評価情報を集計した集計評価結果を全期間集計とする評価情報を含むことが好ましい。評価データにおける情報の関連付けの態様の例を表1に示す。
【0029】
評価時tn(nは自然数)は、nが大きいほど時系列において後であることを意味する。評価時tnは、例えば1年間などの所定の期間を大期間とするときに、この大期間よりも短い小期間において設定される所定の時期である。例えば大学の3学年及び4学年の2年間にわたり被評価を実施する場合において、大期間を1年とし、3学年(大学3年生)である1年間を大期間、大期間を複数の小期間に区分して時系列順(昇順)にした第1期間の所定の時期を評価時t1、第2期間の所定の時期を評価時t2、第3期間の所定の時期を評価時t3とし、評価時t3に続けて、さらに、4学年(大学4年生)において同様に評価時t4、評価時t5、評価時t6を設定する等の態様がある(図3(A)参照)。小期間の数は任意であり、例えば学校で設定されている学期(前期後期や1学期~3学期など)に応じた数でもよいし、学期とは異なる数でもよく、また、任意の学期内で小期間を複数に設定しても構わない。また、大期間及び小期間を設定することなく、単に時期が互いに異なる複数の評価時tnを設定してもよい。なお、図3(A)及び(B)においては評価時tnはn=6の場合を最終時としているが、評価時の数nはこの例に限られない。
【0030】
評価情報は、スキルの評価項目毎の評価結果と、各評価項目の評価結果を総合した総合評価結果とを有する。評価項目は、スキルを多面的かつ細かに評価及び把握するために、講師により設定及び登録される。具体的には、管理端末12の入力部21での入力操作により設定され、登録要求の入力操作により予め研修記憶部41に記憶される。評価項目としては、本例では、就職活動において企業等から要望、優遇されるスキル項目が講師により登録されており、IT基礎能力、ヒアリング能力、調査能力、プランニング能力、ドキュメント作成能力、プレゼンテーション能力、見積能力、スケジュール策定能力、プロデュース能力、プロジェクト推進計画能力、プロジェクトマネジメント能力、コミュニケーション能力、ディレクション能力、職種対応能力、事業収支計画策定能力強化などとしている。
【0031】
【表1】
【0032】
先行評価記憶部32は、先行被評価者と、当該先行被評価者についての過去の評価時t1における評価情報と、過去の評価時t1よりも後である登録時taにおける評価情報と、登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する。先行評価記憶部32は、過去の評価時t2における評価情報をさらに関連付けた先行評価データを記憶することが好ましく、本例でもそのようにしている。先行評価データにおける情報の関連付けの態様の例を表2に示す。
【0033】
過去の評価時t1、t2、・・・は、被評価者について評価を行う上記評価時に対応した、先行被評価者が評価された評価時である。すなわち図3(A)に示す上記例のように被評価者について大期間及び小期間を設定した場合には、先行被評価者が過去に大学3学年(大学3年生)であった大期間としての1年のうち、小期間としての第1期間の所定の時期を過去の評価時t1、第2期間の所定の時期を評価時t2、第3期間の所定の時期を評価時t3とし、4学年(大学4年生)において同様に評価時t4、評価時t5、評価時t6を設定する(図3(B)参照)。被評価者についての評価時t1、t2、t3、・・・と先行被評価者についての過去の評価時t1、t2、t3、・・・とは、月日が互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、評価時t1と評価時t2との期間など、評価時と評価時との各間の時間は互いに同じでもよいし、異なっていてもよく、過去の評価時と評価時との各期間についても同様である。
【0034】
登録時taは、過去の評価時t1よりも後、かつ、被評価者の評価時t1よりも前である。登録時taは、この例では、先行被評価者の就職が内定した日としている。登録時taは、被評価者にとって、現在から未来に向かう経時において、スキルを目標レベルに到達させる指標としての時期に対応する。例えば、図3(B)において登録時ta(2021年9月10日)は、評価時t5(2021年9月1日)と評価時t6(2022年1月10日)との間の時期であり、就職内定を目指す学生としての被評価者は、スキルを目標レベルに到達させる指標を、図3(A)に示す評価時t5と評価時t6との間に設定することができる。なお、登録時taにおける評価情報は、登録時taにおいて求められた評価情報でもよいし、または、登録時taの直近(過去の直近)の評価時tnにおける評価情報を登録時taの評価情報として用いてもよい。
【0035】
属性情報は、先行被評価者の特徴及び性質などの属性を示す情報であり、属性は、講師と被評価者である各学生とにとって、特定の先行被評価者をフィルタリングするためのものである。属性としては、先行被評価者の大学などの教育期間に関する在学時の在学時関連事項、企業内外でのキャリアパスに関するキャリアパス関連事項の他、就職に関連する就職関連事項などが挙げられる。在学時関連事項としては、単位数、大学の成績評価、インターン情報(インターン先、実施有無、件数、インターン先の評価)、学習情報(学習時間、課題、書籍)、大学行事、プロジェクトへの参加などが例として挙げられる。キャリアパス関連事項としては、所属先(法人名、団体名、機関名など)、所属期間などが例として挙げられる。先行被評価者の就職に関連する就職関連事項としては、内定した就職先(法人名、団体名、機関名など)、雇用条件(給料体系、初任給、役職など)、業種(広告代理店、製造業、放送、IT(Information Technology,情報技術)など)、職種(営業、プログラマ、クリエイタ、経理、研究開発など)などが例として挙げられる。なお、先行評価データと同様に、評価記憶部31における評価データが、被評価者についての属性情報を含んでもよい。被評価者についての属性情報としては、大学などの教育期間に関する在学時の在学時関連事項、企業内外でのキャリアパスに関する事項、就職に関連する就職関連事項などが挙げられる。なお、表2及び前述の表1においては、各欄の内容についての記載を省略し、「・・・」等と表している。
【0036】
【表2】
【0037】
評価情報生成部42は、被評価者について複数の評価者が評価した場合に、複数の評価者のそれぞれが評価した各評価結果に基づいて、被評価者についての評価情報を生成し、評価記憶部31に記憶させる。具体的には、評価情報生成部42は、管理端末12及び学生端末14B、14Cから、被評価者についての評価結果を取得した場合に、取得した評価結果に関連付けられた研修情報を研修記憶部41から特定し、研修情報に含まれる研修情報と評価結果を取得した時点とを比較する。取得した時点が評価受付期間内である場合には、当該評価結果を受け付け、評価受付期間外である場合には、当該評価結果を受け付けずに受付拒否報告を当該評価結果の送信先である管理端末12及び学生端末14B、14Cに送る。なお、評価受付期間が設定されていない場合には、取得した評価結果をすべて受け付ける構成としてもよい。評価情報生成部42は、取得して受け付けた各評価結果に基づいて、学生端末14Aを使用する被評価者としての学生について、評価情報を生成し、評価記憶部31に記憶させる。支援装置18は、評価情報生成部42を備えない場合には、学生端末14B、14Cのそれぞれからの評価情報が、前述の制御部(図示無し)により管理端末12に送られ、講師が評価情報を管理端末12において生成して評価記憶部31に記憶させてもよい。
【0038】
評価情報生成部42は、管理端末12及び学生端末14B、14Cのそれぞれから、被評価者について一の評価項目に対する評価結果を取得した場合には、当該評価項目についての評価結果を、例えば以下のように求める。ただし、この求め方は一例であり、他の求め方でもよい。ここでは、管理端末12及び学生端末14B、14Cを用いる講師及び学生が1~5の整数での点数付けで評価するものとする。評価情報生成部42は、被評価者のある評価項目(例えば前述の「コミュニケーション能力」)について、管理端末12から2点、学生端末14Bから4点、学生端末14Cから3点の各評価結果を取得した場合には、取得したこれらの点数の平均値を求め、この平均値を被評価者の当該評価項目についての評価結果とする。すなわち、(2+4+3)/3で算出した平均値3をこの評価項目についての評価結果とする。本例においては講師の評価結果の点数と学生の評価結果の点数との重みは等しくしている。また、被評価者についての前述の総合評価結果は、上記のように求めた各評価項目の評価結果と、各評価項目の評価の基準の最大値とを用いて求める。具体的には、複数の評価項目のそれぞれについて評価結果を上記のように求める。そしてこれらの合計Xを求めるとともに、各評価項目の評価基準の最大値(本例では1~5の点数中の最高値である5)の合計Yで除算し、100を乗算し、これを総合評価結果とする。例えば、評価項目A(一例として前述の「コミュニケーション能力」)の評価結果が3、評価項目B(一例として前述の「プレゼンテーション能力」)の評価結果が2とする。この場合には、X=3+2、各基準の最大値の合計Y=5+5=10であるので、X÷Y×100で算出した60(点)を被評価者についての総合評価結果とする。
【0039】
評価情報生成部42は、さらに、各評価項目毎に、先行被評価者の少なくとも一部(例えば特定のレベル以上を示した優秀者)の平均値、現在評価されている複数の被評価者全員の平均値、被評価者について評価項目毎の順位を求めるように構成してもよい。
【0040】
特定部33は、例えば後述のように被評価者によって学生端末14Aにより先行被評価者の属性情報が選択された場合に、この選択された属性情報に基づいて、先行評価データに示される過去の評価時t1及び登録時taのそれぞれにおける評価情報を先行評価記憶部32において特定する。具体的には、先行評価記憶部32に記憶されている複数の先行評価データの中から、選択された属性情報が含まれる先行評価データを特定し、特定した当該先行評価データに含まれる先行被評価者の過去の評価時t1における評価情報と、登録時taにおける評価情報とを特定する。特定した先行評価データに評価時t1以外の過去の評価時t2、t3、・・・が含まれている場合には、これら評価時t2、t3、・・・における各評価情報も併せて特定してもよく、本例でもそのようにしている。特定部33は、特定した各評価情報を、属性情報の選択操作がなされた学生端末14Aを示す端末情報とともに、表示制御部36に出力する。先行被評価者の属性情報の選択が、学生端末14Aに代えて管理端末12でなされた場合も特定部33は同様に処理し、表示制御部36に対して送る端末情報は管理端末12を示す端末情報とする。
【0041】
表示制御部36は、管理端末12、学生端末14A~14C、及び、支援装置18に備えられる各部からの表示要求を含めた各種情報の取得に応答して、それら各種情報に応じた表示画像を生成し、それら各種情報に応じた端末に、生成した画像を送って表示させる。例えば、表示制御部36は、管理端末12、学生端末14B、14Cから評価を行うための評価画像の表示要求を取得した場合には、研修記憶部41から表示要求に応じた研修情報を読み出し、評価画像を生成して管理端末12、学生端末14B、14Cに送り、処理制御部23を介して表示部22に表示させる。
【0042】
表示制御部36は、学生端末14Aから、学生端末14Aを使用する被評価者についての評価情報の表示要求を取得した場合には、評価記憶部31に記憶されている評価情報の中から当該被評価者を含む評価情報を特定して読み出し、読み出した評価情報を示す第1画像を生成して学生端末14Aに送って表示部22に表示させる。評価記憶部31に記憶されている評価情報の中から当該被評価者を含む評価情報が複数特定された場合、すなわち、評価時t1に加えて評価時t2以降の評価時における評価情報が特定された場合には、特定された複数の評価情報を読み出し、これらを時系列化した時系列画像を生成してもよい。時系列画像としては、上記複数の評価情報をリスト化した表を含む画像、複数の評価情報のそれぞれを評価項目と評価情報の評価結果との二次元のグラフにし、各グラフを時系列に並べて表示した画像など、いずれでもよい。二次元のグラフとしては、例えば評価項目毎に評価結果を示す棒グラフ、レーダーチャートなど、いずれでもよい。時系列画像は、評価時t1、t2、・・・を示す時間軸と、評価項目を示す項目軸と、評価情報に含まれる評価結果を示す評価情報軸とを有する三次元グラフでもよい。
【0043】
表示制御部36はまた、例えば上記のように、特定部33から、先行評価データに示される過去の少なくとも評価時t1と登録時taとにおける各評価情報、及び、学生端末14Aを示す端末情報を取得した場合に、先行被評価者についての過去の少なくとも評価時t1と登録時taとにおける各評価情報を示す第2画像を生成して学生端末14Aに送って表示させる。
【0044】
表示制御部36は、第1画像と第2画像とを切り替えて表示する切替要求を学生端末14Aから取得した場合に第1画像と第2画像との一方から他方へ切り替えて学生端末14Aに表示させるように構成してもよい。
【0045】
表示制御部36は、被評価者についての評価情報と、特定部33で特定された先行被評価者についての各評価情報とを示す画像(以下、複合画像と称する)を生成し、この複合画像を学生端末14Aに送って表示させてもよい。複合画像は、例えば、表示制御部36が、第1画像と第2画像とのいずれかを表示中の学生端末14Aから複合画像の表示要求を取得した場合に生成して、学生端末14Aに送って表示させる。
【0046】
複合画像としては、上記第1画像を第1画像部、上記第2画像を第2画像部として、これら2つの画像部を有する複合画像と、被評価者についての評価情報と、先行被評価者についての各評価情報とが例えばひとつの表あるいはグラフにまとめて示された複合画像(図11参照)とのいずれでもよい。第1画像部及び第2画像部を有する複合画像としては、第1画像部と第2画像部とを左右あるいは上下に並べて配した画像、第1画像部と第2画像部との少なくとも一部を重ねて配した重畳表示画像とが挙げられる。重畳表示としては、第1画像部の一部の領域(例えば矩形の第1画像部における右上の一部領域)と第2画像部の一部の領域(例えば矩形の第2画像部における左下の一部領域)とが重なる態様、第1画像部の一部の領域上に、第1画像部よりも小さな第2画像部の全体が重なる態様、第2画像部の一部の領域上に、第2画像部よりも小さな第1画像部の全体が重なる態様などが挙げられる。
【0047】
表示制御部36は、学生端末14Aからの上記表示要求と同様の表示要求を管理端末12Aから取得した場合には、同様の処理を行い、管理端末12Aに表示させる。
【0048】
スキル向上支援方法は、評価記憶ステップと、先行評価記憶ステップと、特定ステップと、表示制御ステップとを有する。評価記憶ステップは、スキルを複数の評価項目において評価される被評価者と、被評価者についての評価時t1における評価情報とを関連付けて評価データとして記憶する。先行評価記憶ステップは、過去の被評価者である先行被評価者と、先行被評価者についての過去の評価時t1における評価情報と、評価時t1よりも後の登録時taにおける評価情報と、登録時taにおける属性を示す属性情報とを、複数の先行被評価者の各々について関連付けて先行評価データとして記憶する。特定ステップは、選択された属性情報に基づいて、先行評価データに示される評価時t1及び登録時taのそれぞれにおける評価情報を特定する。表示制御ステップは、被評価者についての評価情報と、先行被評価者について特定された評価情報とを示す画像を生成して、表示部に表示させる。
【0049】
スキル向上支援プログラムは、上記の評価記憶ステップと、先行評価記憶ステップと、特定ステップと、表示制御ステップを、コンピュータに実行させる。
【0050】
上記構成の作用を説明する。なお、以下に記載する各画像G1~G8はそれぞれ画像の一例であり、本例に限られない。管理端末12から支援装置18に講師のログイン情報が入力されると、各種のメニューを示すメニュー画像(図示無し)が表示制御部36から管理端末12に送信され、管理端末12の表示部22に表示される。学生を登録する場合には、管理端末12からメンバ登録テンプレートを要求するテンプレート要求が支援装置18に入力されて、テンプレート記憶部37のメンバ登録テンプレートが管理端末12に送信される。図4において、メンバ登録テンプレートを示すテンプレート画像G1は、前述のメンバの「氏名」、メンバの分類を示す「区分」、ログイン情報の一例としての「メールアドレス」等を入力する入力欄G1aを有する。テンプレート画像G1は、さらに、メンバの氏名、分類、ログイン情報などを編集するための編集ボタンB1a、登録されているメンバを削除する削除ボタンB1b、新たにメンバを追加する追加ボタンB1cなどを有する。管理端末12において、メンバ登録テンプレートへの入力操作によってメンバ情報が生成され、管理端末12からメンバ情報の登録要求がなされると、支援装置18のメンバ記憶部38にメンバ情報が記憶される。
【0051】
管理端末12から研修登録テンプレートを要求するテンプレート要求が支援装置18に入力されると、テンプレート記憶部37の研修登録テンプレートが管理端末12に送信される。研修登録テンプレートは、この例では以下のように複数のテンプレートから構成され、各テンプレートは研修情報の一部を入力するものとしている。ただし、研修情報のすべてが入力される1つのテンプレートで研修登録テンプレートを構成してもよい。図5において、研修登録テンプレートを示すテンプレート画像G2は、登録済みの研修情報のタイトルを示す研修タイトル欄G2aを有する。研修タイトル欄G2aは、登録済みの研修情報の詳細の表示要求をするボタンB2a、登録済みの研修情報を削除するボタンB2bを有する。テンプレート画像G2は、さらに、現在評価受付中の研修情報が有ることを示す表示部G2bと、研修情報を新たに追加するためのボタンB2cを有する。
【0052】
ボタンB2aの選択操作がなされると、図6に示すように、登録済みの研修情報から一を選択する選択画像G3がメニュー画像として表示される。選択画像G3は、研修情報のタイトル毎に設けられた、評価受付中、評価受付前、評価受付終了のいずれであるかを示す表示部G3aと、研修情報の内容の表示要求をするボタンB3aとを有する。選択画像G3には、既に評価受付終了とされた研修情報について、評価情報が評価記憶部31に記憶されている場合に、当該評価情報の表示要求をするボタンB3bが設けられている。
【0053】
評価受付前であることが示されている研修情報のタイトルのボタンB3aの選択操作がなされると、当該タイトルが付与されている研修情報のうち、例えば図7に示すように、メンバの分類単位(チーム)を示す表示部G4aを有する画像G4が表示される。画像G4は、メンバの分類単位の登録(編集を含む)要求をするボタンB4a、評価項目の表示要求をするボタンB4b、評価情報入力用の画面への切り替えの要求をするボタンB4cを有する。
【0054】
ボタンB4aの選択操作がなされると、図8に示すように、メンバの分類単位を登録(編集を含む)する画像G5が表示される。画像G5は、メンバの分類単位であるチームを構成するメンバの入力欄G5a、及びメンバの講師、生徒などの種別を入力する入力欄G5bは、プルダウン方式の選択欄となっている。入力欄G5aのプルダウン方式で示されるメンバの氏名は、メンバ記憶部38に予め記憶されている氏名である。画像G5には、メンバを追加するボタンB5aがメンバの分類単位毎に設けられ、メンバを分類単位から削除するボタンB5bも設けられている。また、画像G5には、評価受付期間を入力する入力欄G5c、評価時、評価基準を入力する各入力欄(図示無し)が設けられている、管理端末12において、入力欄G5a、G5bなどにおいて入力操作がなされ、画像G5に設けられた登録要求のボタンB5cの選択操作がなされることにより、研修情報のうちメンバの分類単位、評価受付期間、評価時、評価基準等が研修記憶部41に記憶される。
【0055】
図7に示す画像G4中のボタンB4bが選択操作されると、図9に示すように、評価項目を表示する画像G6が表示される。この画像G6は、前述の画像G4に評価項目を表示する表示部G6aが重ねて表示される重畳表示画像としている。表示部G6aは、評価項目を登録(編集を含む)する入力欄となっており、評価項目の入力操作と、登録するボタン(図示無し)の選択操作により、研修情報のうち評価項目が研修記憶部41に記憶される。なお、図8に示す画像G5中にも画像G4に示されるボタンB4bが設けられており、画像G5のボタンB4bの選択操作により、画像G5は同様に表示部G6aが重畳表示されたものとなる。なお、評価項目の登録の方法は、この態様の代わりに、または加えて、評価項目の登録を行う別画像に切り替えて表示させ、当該画像内の所定欄に対する入力操作により行ってもよい。図9において、「評価項目選択」列は、大項目、中項目、小項目で構成される評価項目が、その講義(研修)で評価されるか否かを設定する。「査定方法」、「能力アップ方法」、及び図示しない「査定物及び査定対象」欄は、査定に関する情報と助言を入力するためのものであり、講義の編集機能であり、テキストの自由入力及び保存をすることができる。
【0056】
以上のように、管理端末12において、研修登録テンプレートへの入力操作によって研修情報が生成され、研修記憶部41に研修情報が記憶される。これにより、研修情報において設定されている評価期間内において、複数の学生の各々が被評価者として他の学生及び講師に評価される。学生端末14Aを使用する学生が被評価者である場合には、管理端末12及び学生端末14B、14Cの各々において、被評価者についての評価結果が入力され、支援装置18の評価情報生成部42に送られる。
【0057】
評価情報生成部42は、管理端末12及び学生端末14B、14Cのそれぞれから被評価者についての評価結果を取得して受け付けると、複数の評価者のそれぞれの各評価結果に基づいて、被評価者についての評価情報を、研修毎すなわち評価時毎に生成し、評価記憶部31に記憶させる。被評価者についての評価情報は、評価時に関連付けられた研修毎に生成されるので、評価時毎に生成されることになる。このようにして、被評価者の評価情報は、経時に伴い、評価時t1、t2、t3、・・・のそれぞれにおけるものとして追加されて評価記憶部31に記憶される。
【0058】
表示制御部36は、学生端末14Aから、学生端末14Aを使用する被評価者についての評価情報の表示要求を取得すると、この取得に応答して、評価記憶部31を読み込む。そして、表示制御部36は、記憶されている評価情報の中から当該被評価者を含む評価情報を特定して読み出し、読み出した評価情報を示す第1画像を生成して学生端末14Aに送って表示部22に表示させる。例えば、直近に評価が行われた研修情報が評価時t3に関連付けられていた場合には、直近の評価時t3における評価情報と、評価時t3よりも前の評価時t1、t2の各々における評価情報とを読み出し、これらの評価情報を時系列化して示す画像を生成し、表示させる。図10において、画像G7は、評価情報を評価時毎に二次元グラフの一例としてのレーダーチャートG7aにし、上方へ向かうに従い新しい評価情報となるように示してある。すなわち、上方に向かうに従い、評価時t1、t2、t3の順に評価情報を示している。レーダーチャートの各軸は評価項目であり、被評価者は、評価時毎、及び、評価項目毎に自己に対する他者の評価結果を把握することができ、自己評価との差も把握することができる。また、評価時t1、t2、t3、・・・の各評価情報が一の画像で示されているから、被評価者は、自己の評価結果を経時的に把握することができるから、過去から現在までのスキルの向上の程度を踏まえて、以降のスキル向上計画をたてることができる。
【0059】
この例では、評価時t1~t3の評価情報を一の画像にまとめて表示しているが、これらの評価情報を切り替え表示するようにしてもよい。また、評価結果が点数または段階評価でのレベルで求められている場合には、当該点数またはレベルを、本例のレーダーチャートのようなグラフとともに、表示してもよい。画像G7には、被評価者についての評価情報とともに先行被評価者についての先行評価情報の表示を要求するボタンB7aが設けられている。
【0060】
ボタンB7aの選択操作がなされると、図11に示すように、被評価者と先行被評価者との各評価情報を表示するための画像G8が表示され、画像G8には、先行被評価者を抽出するためのボタンB8aが設けられている。ボタンB8aは、先行被評価者を、属性情報の属性で選択することで抽出するためのものである。ボタンB8aの選択操作がなされると、表示制御部36は、先行評価記憶部32に記憶されている先行評価データに基づき、属性のリストを示すリスト画像(図示無し)を生成して、画像G8において例えばウインドウ表示する。リスト画像は、属性を選択操作できるものとして表示され、選択操作がなされると、特定部33はこれを先行被評価者の属性情報の選択指示として取得する。特定部33は、この選択指示の取得に応答して、選択された属性に関連付けられた先行被評価者を先行評価記憶部32において特定して読み出し、表示制御部36に送る。
【0061】
表示制御部36は、特定部33から取得した当該先行被評価者の評価情報と、被評価者の評価情報とを併せて示す画像を生成し、学生端末14Aの表示部22に表示させる。画像G8に示す例では、選択した属性を示す属性情報を示す表示欄G8aが設けられている。なお、上記のリスト画像は、属性を選択するプルダウン方式の入力欄に代えてもよい。図10に示す例では、選択する属性をひとつとして描いているが、2以上にすることでさらなるフィルタリング(絞り込み)を行って先行被評価者を抽出するように構成してもよい。また、選択した属性に関連付けられた先行被評価者が複数特定された場合には、表示する先行被評価者を切り替えるボタン(図示無し)を設けておき、このボタンの選択操作で順次切り替えるよう構成してもよい。
【0062】
画像G8は、前述の三次元グラフを示す表示部G8bを有し、評価時t1、t2、・・・の時間軸を有する時系列画像の一例である。この例の三次元グラフは、時間軸「t」と、「IT基礎能力」、「ヒアリング能力」、「調査能力」、・・・等の評価項目を示す項目軸と、評価情報に含まれる評価結果を示す評価情報軸とを有する。被評価者の評価結果は棒グラフRAで示されており、先行被評価者についての評価結果は、評価項目毎に経時変化が把握される折れ線グラフRRで示されている。ただし、被評価者及び先行被評価者の各グラフは、この例に限定されず、例えば両方を棒グラフにするなどの他の態様でも構わない。被評価者の折れ線グラフを、時間軸に沿ったものに代えて、評価時及び登録時のそれぞれに沿ったものにしてもよい。
【0063】
このように、被評価者の評価情報の評価結果は、属性が選択されることで抽出された先行被評価者の評価情報の評価結果とともに表示されるから、被評価者は、例えば目標とするスキルのレベルを先行被評価者のレベルに置き換えるなどして設定することができるとともに、向上に努めるべき評価項目を容易に把握することができる。また、先行被評価者の評価情報の評価結果が時系列で示され、各評価時tn毎に被評価者と先行被評価者とを対比することができるので、被評価者にとって、自己が設定するスキルの目標レベルの妥当性と達成の可能性とが容易に判断される。その結果、目標レベル及び到達の目標時期を自己にとって現実味のあるまたは適正なものとして設定することができるから、スキルの向上の意欲がより確実に維持され、スキルがより確実に向上する。
【0064】
被評価者の棒グラフRAには、色の濃淡(明度)が示されている。濃淡は、先行被評価者の登録時taにおける評価情報の評価結果RRtaに対する差に対応しており、具体的には、被評価者の過去の直近の評価結果をRAtn(図11に示す例では、評価時t3における評価結果RAt3)とするときに、(評価結果RRta)-(被評価者の評価結果RAtn)で求める差Δに対応する。濃いほど差Δが大きく、色が淡いほど差Δが小さく、無色は差Δが0(ゼロ)または-(-)である。評価結果RRtaとの差Δを色の濃淡で示すことにより、目標とするスキルの評価項目及びレベルが視覚的に把握される。
【0065】
上記の例では、被評価者の棒グラフRAに濃淡を付しているが、濃淡は、差Δを示す領域に付してもよいし(図12(A)参照)、先行被評価者の評価結果RRtaを示す領域に付してもよい(図12(B)参照)。なお、色の濃淡を、色相、彩度に代えてもよい。
【0066】
対比基準は、上記のように先行被評価者の登録時taにおける評価結果とすることに加えて、直近の評価時tn(この例では評価時t3)に対応する、先行被評価者の過去の評価時tn(この例では過去の評価時t3)とすることもできる。この例では、評価基準を登録時と上記直近の評価時tnに対応する過去の評価時tnとの間で選択する選択要求のボタンB8bがプルダウン方式として設けられ、このボタンB8bでの選択操作に応じて対比基準が変更される。対比基準を過去の評価時tnにした場合には、被評価者の棒グラフRAにおける色の濃淡は、上記の算出式における評価結果RRtaを過去の評価時tnの評価結果RRtn(この例ではRRt3)に置き換えた結果に応じて示すようにすればよい。本例では、被評価者についての評価結果、及び、先行被評価者の評価結果と対比した評価結果は、管理端末12における同様な表示要求の操作により、管理端末12に表示されるものとしている。
【0067】
評価情報生成部42について、各評価項目毎に、先行被評価者の少なくとも一部(例えば特定のレベル以上を示した優秀者)の平均値と、現在評価されている複数の被評価者全員の平均値と、被評価者について評価項目毎の順位との少なくともいずれかを求めるように構成した場合には、表示制御部36はこれらを示す画像部GP1(図13参照)、GP2(図14参照)を生成して表示部22に画像の一部として表示させてもよい。また、被評価者が自分を評価する機能を支援装置18にもたせてもよく、その場合には、自分の評価結果と当該被評価者に対する評価者の評価結果とを対比させる画像部GP3(図15参照)を表示制御部36が生成して表示部22に表示させてもよい。画像部GP1~GP3は一の画像中に取り込まれてもよい。
【0068】
なお、評価情報生成部42について、被評価者について評価項目毎の順位を求めるなど、相対評価を行うように構成した場合には、各評価者について、既に得られた評価結果を積算することにより、経過した時間における総合評価を行い、複数の被評価者間での相対評価を行ってもよい。さらに、同じ総合評価点を示す被評価者が複数いる場合には、例えば以下の方法で行うことにより、相対評価、及び相対評価の結果を含めた総合評価の妥当性を向上させることができる。例えば、被評価者Aについての総合評価結果が、評価時t1において20点、評価時t2において20点、評価時t3において20点であるとし、被評価者Bについての総合評価結果が、評価時t1において2点、評価時t2において5点、評価時t3において53点であるとする。被評価者Aは、t1からt2までの増減と、t2からt3までの増減と、t1からt3までの増減とはいずれも0点である。被評価者Bは、t1からt2までの増減が+3点、t2からt3まので増減が+48点、t1からt3までの増減が+51点である。この場合には被評価者Bの方が伸びが大きかったとして、被評価者Bを被評価者Aよりも上位にランク付けする。このように、積算に、総合評価点の増減分を組み合わせる、あるいは各評価時t1,t2,t3での全体平均との差を組み合わせるなどを行うことができる。
【0069】
なお、評価結果に応じた助言(アドバイス)を、予め管理端末12から研修記憶部41等において登録しておいてもよい。この場合には、被評価者が使用する学生端末14において評価結果を表示した際に、当該助言の表示要求をするボタン(図示無し)を設け、表示制御部36は、学生端末14におけるこのボタンの選択操作に応答して、被評価者の評価結果に応じた助言を研修記憶部41等から読み出して学生端末14に送り、表示させればよい。また、先行評価記憶部32に、先行被評価者が登録時taまでに実施したスキル向上のための方策、履修した講義などを記憶しておき、これらを上記助言と同様に、被評価者の学生端末14に表示させてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 スキル向上支援システム
12A,12B,・・・ 管理端末
14A,14B,14C,・・・ 学生端末
18 スキル向上支援装置
31 評価記憶部
32 先行評価記憶部
33 特定部
36 表示制御部
41 研修記憶部
42 評価情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15