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特開2025-2828計画生成方法、計画生成装置、計画生成プログラム、及び物品処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002828
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】計画生成方法、計画生成装置、計画生成プログラム、及び物品処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20241226BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241226BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103191
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】西明 一哉
(72)【発明者】
【氏名】横山 賢一
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】倉庫内のスペースの利用効率の改善を図る計画生成方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る計画生成方法は、第1の領域に配置される複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストに基づき対象の第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成し、前記第1及び第2の物品移動用機材の移動を制御する制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力する。前記第2の物品処理計画は、第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域に配置される複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストに基づき対象の第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成し、
前記第1の領域を走行する第1の物品移動装置による前記第1の物品移動用機材の移動、及び前記第1の領域を走行する第2の物品移動装置による前記第2の物品移動用機材の移動を制御する制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力する、計画生成方法であって、
前記第2の物品処理計画は、前記第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である、計画生成方法。
【請求項2】
前記第1のオーダリストに基づき前記第1の物品移動装置により対象の第1の物品移動用機材を移動させる第1の物品処理計画を生成し、
前記制御装置へ前記第1の物品処理計画を出力する、請求項1の計画生成方法。
【請求項3】
前記第1の物品処理計画は、前記第1の領域の第1の通路を走行する前記第1の物品移動装置により対象の第1の物品移動用機材を前記第1の領域からステーションへ移動させる計画であり、
前記第2の物品処理計画は、前記第1の通路と前記拡張走行スペースにより形成される第2の通路を走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を前記第2の領域からステーションへ移動させる計画である、請求項2の計画生成方法。
【請求項4】
前記第1の通路は、前記第1の物品移動用機材のサイズに応じた第1の通路幅であり、
前記第2の通路は、前記第1の物品移動用機材より大きい前記第2の物品移動用機材のサイズに応じた第2の通路幅である、請求項3の計画生成方法。
【請求項5】
前記第1の領域に配置される前記複数の第1の物品移動用機材は、第1の頻度で移動される物品を収納し、
前記第2の領域に配置される前記複数の第2の物品移動用機材は、前記第1の頻度より低い第2の頻度で移動される物品を収納する、請求項1の計画生成方法。
【請求項6】
第1の領域に配置される複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストを記憶するメモリと、
前記第2のオーダリストに基づき第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成するプロセッサと、
前記第1の領域を走行する第1の物品移動装置による前記第1の物品移動用機材の移動、及び前記第1の領域を走行する第2の物品移動装置による前記第2の物品移動用機材の移動を制御する制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力するインタフェースと、を備え、
前記第2の物品処理計画は、前記第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である、計画生成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
第1の領域に配置される複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストに基づき第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成する手順と、
前記第1の領域を走行する第1の物品移動装置による前記第1の物品移動用機材の移動、及び前記第1の領域を走行する第2の物品移動装置による前記第2の物品移動用機材の移動を制御する制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力する手順と、を実行させる計画生成プログラムであって、
前記第2の物品処理計画は、前記第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である、計画生成プログラム。
【請求項8】
第1の領域に関する第1のマップデータに基づき、前記第1の領域において、複数の第1の物品移動用機材が配置される機材領域と、前記機材領域に配置される前記第1の物品移動用機材を第1の物品移動装置により移動させるための通路領域とを設定し、
前記第1の領域に配置される複数の第1の物品移動用機材に関する第1の機材管理情報に基づき、前記第1の物品移動装置により前記複数の第1の物品移動用機材を前記機材領域に配置させる機材配置計画を生成し、
前記第1の物品移動装置を制御する制御装置へ前記機材配置計画を出力する、計画生成方法であって、
前記機材配置計画は、前記第1の物品移動用機材の少なくとも1辺を前記通路領域に向けて配置させる計画である、計画生成方法。
【請求項9】
前記第1の領域に配置される前記複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストに基づき対象の第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成し、
前記第1の領域を走行する前記第1の物品移動装置による前記第1の物品移動用機材の移動、及び前記第1の領域を走行する第2の物品移動装置による前記第2の物品移動用機材の移動を制御する前記制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力する、計画生成方法であって、
前記第2の物品処理計画は、前記第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である、請求項8の計画生成方法。
【請求項10】
計画生成装置、第1の物品移動装置、及び前記第1の物品移動装置を制御する制御装置を備える物品処理システムにおいて、
前記計画生成装置は、
第1の領域に関する第1のマップデータ、及び前記第1の領域の機材領域に配置される複数の第1の物品移動用機材に関する第1の機材管理情報を記憶し、
前記第1のマップデータに基づき、前記第1の領域において、複数の第1の物品移動用機材が配置される前記機材領域と、前記機材領域に配置される前記第1の物品移動用機材を第1の物品移動装置により移動させるための通路領域とを設定し、
前記第1の機材管理情報に基づき、前記第1の物品移動装置により前記複数の第1の物品移動用機材を前記機材領域に配置させる機材配置計画を生成し、
前記制御装置へ前記機材配置計画を出力し、
前記機材配置計画は、前記第1の物品移動用機材の少なくとも1辺を前記通路領域に向けて配置させる計画であり、
前記制御装置は、
前記機材配置計画を受信し、前記機材配置計画に基づき第1の制御信号を生成し、
前記第1の物品移動装置は、
前記第1の制御信号に基づき前記複数の第1の物品移動用機材を前記機材領域へ移動する、物品処理システム。
【請求項11】
前記計画生成装置は、
前記第1の領域に配置される前記複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストを記憶し、
前記第2のオーダリストに基づき第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成し、
前記第1の領域を走行する前記第1の物品移動装置による前記第1の物品移動用機材の移動、及び前記第1の領域を走行する第2の物品移動装置による前記第2の物品移動用機材の移動を制御する制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力するインタフェースと、を備え、
前記第2の物品処理計画は、前記第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である、請求項10の物品処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、計画生成方法、計画生成装置、計画生成プログラム、及び物品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流の配送拠点等の倉庫では各種商品(以下、物品と称する)の取扱量が増加し、係員の作業負担を軽減すべく物品処理の自動化が進められている。例えば、上位装置からの指示に従い、様々な自動機器が連携し、物品が収容される機材が搬送される。自動機器としては、床面に配置される移動棚等の機材を搬送する棚搬送装置、及び高所に配置されるパレット等の機材を取り込んで搬送するパレット搬送装置等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6957690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、倉庫には、パレット棚が設置され、パレット棚の棚下には高さ2.5m程度の複数の移動棚が並び、棚上には複数のパレットが並ぶ。棚搬送装置は、倉庫の床面を走行し、棚下に並べられた移動棚を搬送する。パレット搬送装置は、同じく倉庫の床面を走行し、パレット棚の棚上に並ぶパレットを受け取り、受け取ったパレットを搬送する。
【0005】
棚搬送装置の通路とパレット搬送装置の通路を共通化する場合、幅の広い搬送装置に依存して通路幅が定まる。例えば、パレット搬送装置の幅が棚搬送装置の幅より広い場合、パレット搬送装置の通路幅にあわせて倉庫内の通路幅が定まる。このことが、倉庫内のスペースの利用効率の低下になることがあり、このようなスペースの利用効率の改善を図る技術が要望されている。
【0006】
本発明の目的は、倉庫内のスペースの利用効率の改善を図る計画生成方法、計画生成装置、計画生成プログラム、及び物品処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る計画生成方法は、第1の領域に配置される複数の第1の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第1のオーダリスト、及び前記第1の領域より小さく前記第1の領域の上方空間の第2の領域に配置される複数の第2の物品移動用機材のそれぞれに収納される物品に関する第2のオーダリストのうち、少なくとも前記第2のオーダリストに基づき対象の第2の物品移動用機材を移動させる第2の物品処理計画を生成し、前記第1の領域を走行する第1の物品移動装置による前記第1の物品移動用機材の移動、及び前記第1の領域を走行する第2の物品移動装置による前記第2の物品移動用機材の移動を制御する制御装置へ前記第2の物品処理計画を出力する。前記第2の物品処理計画は、前記第1の物品移動装置により1以上の前記第1の物品移動用機材を移動させて前記第1の領域に拡張走行スペースを確保し、確保された前記拡張走行スペースを走行する前記第2の物品移動装置により対象の第2の物品移動用機材を移動させる計画である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る物流システムの一例を示す概念図である。
図2図2は、実施形態に係る倉庫内の移動棚及びリザーブ棚(パレット無し)の配置例を示す上面図である。
図3図3は、実施形態に係る倉庫内の移動棚及びリザーブ棚(パレット有り)の配置例を示す上面図である。
図4図4は、実施形態に係る倉庫内の移動棚及びリザーブ棚(パレット有り)の配置例を示す側面図である。
図5図5は、実施形態に係るリザーブ棚を支持する脚部と移動棚の位置関係を例示する図である。
図6図6は、実施形態に係る移動棚の移動による拡張走行スペースにより形成される通路の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る計画生成及び計画実行処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る機材配置計画の生成及び実行の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る物品処理計画生成に基づく物品処理の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る物品処理の運用計画の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、実施形態に係るステーションのレイアウトの一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係るリザーブ棚から出庫してアクティブ棚(移動棚)へ入庫するパレットの入庫処理(ステーション利用)の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る物流システムの一例を示す概念図である。
図1に示すように、物流システムSは、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)1、及び倉庫処理システム2を備える。
【0010】
倉庫処理システム2は、物品処理システムの一例であり、倉庫運用システム(WES:Warehouse Execution System)30、棚搬送ロボットシステム40、棚搬送ロボット(棚搬送装置)41、自動フォークリフト(AGF:Auto Guided Forklift)システム50、AGFロボット(パレット搬送装置)51、及び在庫管理システム60を備える。
【0011】
WMS1は、1又は複数台のコンピュータ、即ち、プロセッサ、メモリ、及びインタフェース等で構成可能である。プロセッサは、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)等である。WMS1は、上位サーバからオーダリストを受信し、WES30へ送信する。
【0012】
オーダリストは、目的、用途、又は頻度等に応じて使い分けられる複数の保管場所に保管される物品に関するオーダリストであり、1以上の物品を指定する。例えば、オーダリストは、第1及び第2のリストを含む。第1のオーダリスト(ピッキングリスト)は、第1の移動頻度で移動されるアクティブ状態の物品のリストである。第2のオーダリスト(入庫リスト)は、第1の移動頻度より低い第2の移動頻度で移動されるリザーブ状態の物品のリストである。
【0013】
例えば、第1のリストは、物品情報、発注情報、及び配送情報等を含む。第2のリストは、物品情報を含む。物品情報は、物品数、物品識別情報、物品名称等を含む。発注情報は、発注日時及び発注者等を含む。配送情報は、配送先、配送日時、及び受取人等を含む。
【0014】
WES30(サーバ)は、計画生成装置の一例で、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、プロセッサ301、メモリ302、及びインタフェース303を備える。プロセッサ301は、CPU、MPU、又はDSP等である。また、プロセッサ301は、計画生成方法を実行する主体である。メモリ302は、プロセッサ301の動作プログラム等を記憶する。インタフェース303は、WMS1、棚搬送ロボットシステム40、AGFシステム50、及び在庫管理システム60と通信する。
【0015】
プロセッサ301は、取得部3011、生成部3012、及び出力部3013を備える。プロセッサ301は、メモリ302に記憶されるプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0016】
例えば、インタフェース303は、在庫管理システム60から在庫管理データベースを受信し、WMS1からオーダリストを受信する。取得部3011は、在庫管理データベース及びオーダリストを取得する。生成部3012は、在庫管理データベース等に基づき機材配置計画を生成する。また、生成部3012は、在庫管理データベース及びオーダリスト等に基づき物品処理計画を生成する。出力部3013は、生成された機材配置計画及び物品処理計画を出力する。インタフェース303は、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50へ機材配置計画及び物品処理計画を送信する。また、インタフェース303は、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50から物品処理結果を受信し、WMS1へ物品処理結果を送信する。プロセッサ301は、物品処理結果に応じて在庫管理データベースを更新する。
【0017】
棚搬送ロボットシステム40は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、プロセッサ、メモリ、及びインタフェースを備える。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。プロセッサは、メモリに記憶されるプログラム、WES30から送信される機材配置計画又は物品処理計画に基づき、棚搬送ロボット41を制御する。
【0018】
棚搬送ロボット41は、棚搬送ロボットシステム40の制御に基づき、物品又は物品移動用機材を処理する。例えば、棚搬送ロボット41は、カメラを備え、カメラからの撮影画像を解析し、解析結果に基づき倉庫のフロアに沿って水平方向に走行し、第1の物品移動用機材である移動棚Aを移動する。棚搬送ロボット41は、倉庫のフロアに貼り付けられる位置識別情報の読み取り結果を利用して走行してもよい。
【0019】
AGFシステム50は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、プロセッサ、メモリ、及びインタフェースを備える。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。プロセッサは、メモリに記憶されるプログラム、WES30から送信される機材配置計画又は物品処理計画に基づき、AGFロボット51を制御する。
【0020】
AGFロボット51は、AGFシステム50の制御に基づき、物品又は物品移動用機材を処理する。例えば、AGFロボット51のフォークは、倉庫のフロアに対して垂直方向に上下移動し、第2の物品移動用機材であるパレットを上げ下げする。また、AGFロボット51は、カメラを備え、カメラからの撮影画像を解析し、解析結果に基づき倉庫に沿って水平方向に走行し、パレットを移動(搬送)する。AGFロボット51は、倉庫のフロアに貼り付けられる位置識別情報の読み取り結果を利用して走行してもよい。
【0021】
なお、本実施形態では、棚搬送ロボットシステム40が棚搬送ロボット41を制御し、AGFシステム50がAGFロボット51を制御するケースについて説明するが、一つの制御装置が棚搬送ロボット41及びAGFロボット51を制御するようにしてもよい。
【0022】
在庫管理システム60は、1又は複数台の汎用コンピュータで構成可能であり、プロセッサ、メモリ、及びインタフェースを備える。プロセッサは、CPU、MPU、又はDSP等である。メモリは、在庫管理データベース等を記憶する。
【0023】
在庫管理データベースは、マップ管理情報、機材管理情報、及び物品管理情報を含む。マップ管理情報は、倉庫のマップデータ(3次元座標データ)、マップデータに関連付けられる位置識別情報、及びマップデータに関連付けられる保管場所識別情報を含む。機材管理情報は、移動棚に付与される移動棚識別情報、移動棚に収容される容器等に付与される容器識別情報、及びパレットに付与されるパレット識別情報を含む。物品管理情報は、物品に付与される物品識別情報を含む。また、移動棚識別情報、容器識別情報、及びパレット識別情報は、マップデータ又は保管場所識別情報に関連付けられ、各移動棚、各容器、各パレットの位置が管理される。また、所定の物品の物品識別情報は、所定の物品が収納される移動棚識別情報及び容器識別情報、又はパレット識別情報に関連付けられ、所定の物品の収納場所が管理される。
【0024】
上記したように、インタフェース303は、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50からの物品処理結果を受信する。プロセッサ301は、物品処理結果に基づき在庫管理データベースを更新し、インタフェース303は、更新された在庫管理データベースを在庫管理システム60へ送信する。在庫管理システム60は、更新された在庫管理データベースを記憶する。例えば、所定の物品、所定の移動棚、所定の容器、又は所定のパレットが移動されると、この移動結果を示す物品処理結果が受信され、プロセッサ301は、移動結果を在庫管理データベースに反映する。
【0025】
例えば、倉庫のフロアには、棚搬送ロボット41及びAGFロボット51等により読み取り可能な位置識別情報が貼り付けられる。また、移動棚、容器、パレット、及び物品には、ぞれぞれ、読み取り可能な移動棚識別情報、容器識別情報、パレット識別情報、及び物品識別情報が貼り付けられる。例えば、各識別情報は、光学的に読み取り可能なQRコード(登録商標)等の二次元コードである。
【0026】
倉庫のフロアには、位置識別情報を目印にしてリザーブ棚が設置され、リザーブ棚の棚下を第1の保管場所とし、リザーブ棚の棚上を第2の保管場所とし、第1の保管場所に物品又は移動棚が保管され、第2の保管場所に物品又はパレットが保管される。
【0027】
図2乃至図5を参照して、倉庫内の移動棚、リザーブ棚、及びパレットの配置例について説明する。なお、移動棚は、アクティブ棚と呼ばれ、出庫される物品を収納する。パレットは、アクティブ棚への補充用の物品を収納する。
【0028】
図2は、実施形態に係る倉庫内の移動棚及びリザーブ棚(パレット無し)の配置例を示す上面図である。図3は、実施形態に係る倉庫内の移動棚及びリザーブ棚(パレット有り)の配置例を示す上面図である。図4は、実施形態に係る倉庫内の移動棚及びリザーブ棚(パレット有り)の配置例を示す側面図である。図5は、実施形態に係るリザーブ棚を支持する脚部と移動棚の位置関係を例示する図である。
【0029】
倉庫内の第1の領域E1には、複数の移動棚Aが配置される。移動棚Aは、第1の頻度で移動される複数の物品を収納する。移動棚Aは、第1の通路としての通路Xを走行する棚搬送ロボット41により移動される。
【0030】
また、複数の脚部R1で支持されるリザーブ棚Rが設置され、リザーブ棚Rの上面には第2の領域E2が広がる。即ち、第1の領域E1の上方空間には、第2の領域E2が広がる。第1の領域E1より小さい第2の領域E2には、複数のパレットPが配置される。パレットPは、第1の頻度より低い第2の頻度で移動される複数の物品を収納する。パレットPは、移動棚Aの移動により確保される拡張走行スペースを走行するAGFロボット51により移動される。例えば、AGFロボット51は、通路Xと拡張走行スペースにより形成される第2の通路を走行し、パレットPを搬送する。
【0031】
例えば、第1の領域E1に配置される移動棚A11~A16の棚列とA21~A26の棚列によりグループG1が形成される。また、第1の領域E1に配置される移動棚A31~A36の棚列とA41~A46の棚列によりグループG2が形成される。また、第1の領域E1に配置される移動棚A51~A56の棚列とA61~A66の棚列によりグループG3が形成される。また、第1の領域E1に配置される移動棚A71~A76の棚列とA81~A86の棚列によりグループG4が形成される。
【0032】
また、グループG1とG2の間に通路X1が形成され、グループG2とG3の間に通路X2が形成され、グループG3とG4の間に通路X3が形成される。さらに、グループG1~G4の周囲に通路X4が形成される。
【0033】
リザーブ棚Rは、第1の領域E1の一部に広がる上方空間において、複数の通路Xを跨ぐように設けられる。例えば、リザーブ棚Rは、通路X1及びX2を跨ぐように設けられる。リザーブ棚Rの脚部R1は、棚搬送ロボット41による移動棚Aの移動を阻害しない位置に設けられる。脚部R1は、隣接する二つの移動棚Aの間、又は2×2で並ぶ四つの移動棚Aの中心に設けられる(図2、3、及び5参照)。例えば、脚部R1は、移動棚A11及びA21の間、移動棚A51及びA61の間、移動棚A13、A14、A23、及びA24の中心、移動棚A53、A54、A63、及びA64の中心に位置する。
【0034】
図6は、実施形態に係る移動棚の移動による拡張走行スペースにより形成される通路の一例を示す図である。
通路Xで表記された第1の通路は、第1の物品移動用機材である移動棚Aのサイズに応じた第1の通路幅である。第1の通路と拡張走行スペースESにより形成される第2の通路は、第1の物品移動用機材より大きい第2の物品移動用機材であるパレットPのサイズに応じた第2の通路幅である。パレットPの幅が移動棚Aの幅より広く、パレットPを移動するAGFロボット51の幅が棚搬送ロボット41の幅より広いとする。この場合、AGFロボット51が走行する第2の通路の最小幅は、棚搬送ロボット41が走行する第1の通路の最小幅より広くなる。
【0035】
そのため、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50等の制御装置は、WES30のプロセッサ301により生成される物品処理計画に基づき、1又は複数の棚搬送ロボット41により1以上の移動棚Aを移動させて、第1の領域E1に拡張走行スペースESを確保し、確保された拡張走行スペースESを走行するAGFロボット51により対象のパレットPを移動させる。
【0036】
図6に示すように、制御装置は、移動棚A44、A45、及びA46を移動させて、第1の領域E1に拡張走行スペースESを確保し、通路X2と拡張走行スペースESにより形成される第2の通路を走行するAGFロボット51により対象のパレットP32を移動させる。
【0037】
以下、実施形態に係る計画生成及び計画実行処理の一例について説明する。例えば、計画生成処理の主体は、WES30であり、プロセッサ301が計画を生成する。計画実行の主体は、棚搬送ロボットシステム40、棚搬送ロボット41、AGFシステム50、及びAGFロボット51である。
【0038】
図7は、実施形態に係る計画生成及び計画実行処理の一例を示すフローチャートである。
WES30のインタフェース303は、在庫管理システム60から在庫管理データベースを受信し、WMS1から第1及び第2のオーダリストを受信する。メモリ302は、これら受信した在庫管理データベースと第1及び第2のオーダリストを記憶する。
【0039】
第1のオーダリストは、第1の領域E1に配置される複数の移動棚Aのそれぞれに収納される物品に関するリストである。また、第2のオーダリストは、第1の領域E1より小さく第1の領域E1の一部に広がる上方空間の第2の領域E2に配置される複数のパレットPのそれぞれに収納される物品に関するリストである。
【0040】
WES30において、プロセッサ301の取得部3011は、メモリ302に記憶された在庫管理データベースを取得し、生成部3012は、在庫管理データベースに基づき、機材配置計画を生成し、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50は、機材配置計画に基づく機材配置を実行する(ST100)。機材配置計画の生成及び実行については、図8を参照して詳しく説明する。
【0041】
また、WES30において、プロセッサ301の取得部3011は、メモリ302に記憶された在庫管理データベースと第1及び第2のオーダリスト等を取得し、生成部3012は、在庫管理データベースと第1及び第2のオーダリストの少なくとも一方に基づき物品処理計画を生成し、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50は、物品処理計画に基づく物品処理を実行する(ST200、ST300)。物品処理計画の生成及び実行については、図9、12を参照して詳しく説明する。
【0042】
図8は、実施形態に係る機材配置計画の生成及び実行の一例を示すフローチャートである。
WES30において、プロセッサ301の取得部3011は、メモリ302に記憶された在庫管理データベースを取得する。在庫管理データベースは、マップ管理情報、機材管理情報、及び物品管理情報を含む。
【0043】
生成部3012は、マップ管理情報に含まれる第1の領域E1に関する第1のマップデータに基づき、第1の領域E1において複数の移動棚Aが配置される第1の機材領域と、第1の機材領域に配置される移動棚Aを棚搬送ロボット41により移動させるための通路領域とを設定する(ST101)。例えば、図2に示すように、グループG1-G4に対応する第1の機材領域と、通路X1-X4に対応する通路領域とが設定される。
【0044】
また、生成部3012は、マップ管理情報に含まれる第2の領域E2に関する第2のマップデータに基づき、第2の領域E2において複数のパレットPが配置される第2の機材領域を設定してもよい。
【0045】
生成部3012は、第1の領域E1に配置される複数の移動棚Aに関する第1の機材管理情報に基づき、棚搬送ロボット41により複数の移動棚Aを第1の機材領域に配置させる第1の機材配置計画を生成する(ST102)。出力部3013は、第1の機材配置計画を出力する。
【0046】
インタフェース303は、棚搬送ロボットシステム40へ第1の機材配置計画を出力する。第1の機材配置計画は、複数の移動棚Aの少なくとも1辺を通路領域に向けて配置させる計画である。
【0047】
また、生成部3012は、第2の領域E2に配置される複数のパレットPに関する第2の機材管理情報に基づき、AGFロボット51により複数のパレットPを第2の機材領域に配置させる第2の機材配置計画を生成してもよい。出力部3013は、第2の機材配置計画を出力する。
【0048】
インタフェース303は、AGFシステム50へ第2の機材配置計画を出力する。第2の機材配置計画は、複数のパレットPの少なくとも1辺を第2の領域E2の外縁に向けて配置させる計画である。外縁に向けて配置することにより、第2の通路を走行するAGFロボット51によるパレットPの取り出しを可能とする。
【0049】
棚搬送ロボットシステム40は、第1の機材配置計画に基づき、棚搬送ロボット41により複数の移動棚Aを第1の機材領域に配置させる(ST103)。
【0050】
例えば、図2に示すように、グループG1に対応する第1の機材領域に、移動棚A11~A16とA21~A26が配置される。また、グループG2に対応する第1の機材領域に、移動棚A31~A36とA41~A46が配置される。また、グループG3に対応する第1の機材領域に、移動棚A51~A56とA61~A66が配置される。また、グループG4に対応する第1の機材領域に、移動棚A71~A76とA81~A86が配置される。
【0051】
その結果、グループG1とG2の間に通路X1が形成され、グループG2とG3の間に通路X2が形成され、グループG3とG4の間に通路X3が形成される。さらに、グループG1~G4の周囲に通路X4が形成される。
【0052】
また、AGFシステム50は、第2の機材配置計画に基づき、AGFロボット51により複数のパレットPを第2の機材領域に配置させるようにしてもよい。
【0053】
例えば、図3に示すように、パレットP11、P21、P31、及びP41の1辺は、通路X4に向けて配置される。また、パレットP12、P22、P32、及びP42の1辺の一部は、通路X1又はX2に向けて配置される。
【0054】
図9は、実施形態に係る物品処理計画生成に基づく物品処理の一例を示す図である。
WES30において、プロセッサ301の取得部3011は、メモリ302に記憶された在庫管理データベースと第1及び第2のオーダリスト等を取得し、生成部3012は、在庫管理データベースと第1及び第2のオーダリストの少なくとも一方に基づき物品処理の運用計画を生成する(ST201)。出力部3013は、物品処理の運用計画を出力する。さらに、インタフェース303は、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50へ物品処理の運用計画を出力する。
【0055】
例えば、生成部3012は、第1のオーダリストに基づき第1の時間帯に移動棚Aに収納された物品の出庫を計画し、第2のオーダリストに基づき第2の時間帯にパレットPに積載された物品の入庫を計画する。生成部3012は、第1のオーダリストに基づき第1の時間帯を優先的に決定し、第1の時間帯に重ならない時間帯(第1のオーダリストに基づく処理の閑散期)を第2の時間帯に決定してもよい。
【0056】
さらに、生成部3012は、在庫管理データベースと第1及び第2のオーダリストの少なくとも一方に基づき物品処理の最適動作計画を生成する(ST202)。例えば、生成部3012は、在庫管理データベースと第1のオーダリストに基づき第1の物品処理の最適動作計画(以下、第1の物品処理計画)を生成し、在庫管理データベースと第2のオーダリストに基づき第2の物品処理の最適動作計画(以下、第2の物品処理計画)を生成する。出力部3013は、第1及び第2の物品処理計画を出力する。さらに、インタフェース303は、棚搬送ロボットシステム40及びAGFシステム50へ第1及び第2の物品処理計画を出力する。
【0057】
第1の物品処理計画は、第1の領域E1の第1の通路である通路Xを走行する棚搬送ロボット41により対象の移動棚Aを第1の領域E1からステーションへ移動させる計画である。第2の物品処理計画は、第1の通路である通路Xと拡張走行スペースESにより形成される第2の通路を走行するAGFロボット51により対象のパレットPを第2の領域E2からステーションへ移動させる計画である。
【0058】
ここでは、第2の物品処理計画について詳しく説明する。第2の物品処理計画は、パレットPの入出庫時間と消費エネルギーの最適化、移動棚Aの退避計画、及びAGFロボット51の動作経路計画を含む。第2の物品処理計画は、1又は複数の棚搬送ロボット41により1以上の移動棚Aを移動させて、第1の領域E1に拡張走行スペースESを確保し、確保された拡張走行スペースESを走行するAGFロボット51により対象のパレットPを移動させる計画である。
【0059】
図6に示すように、制御装置としての棚搬送ロボットシステム40は、第2の物品処理計画に基づき、1又は複数の棚搬送ロボット41により移動棚A44、A45、及びA46を退避スペースへ移動させて、第1の領域E1に拡張走行スペースESを確保する(ST203)。例えば、時間短縮を図るため、3台の棚搬送ロボット41により移動棚A44、A45、及びA46を退避スペースへ移動させるようにしてもよい。移動棚A44、A45、及びA46の退避スペースは、後のAGFロボット51による対象のパレットP32の移動を阻害しないスペースである。
【0060】
移動棚A44、A45、及びA46の移動が完了すると(ST204、YES)、棚搬送ロボットシステム40は、完了通知を出力する。制御装置としてのAGFシステム50は、完了通知を受信し、第2の物品処理計画に基づき、通路X2と拡張走行スペースESにより形成される第2の通路をAGFロボット51に走行させて、AGFロボット51により対象のパレットP32を取得させ(ST205)、パレットP32をステーションへ移動させる(ST206)。
【0061】
WES30において、インタフェース303は、パレットP32に対する作業案内を出力する(ST207)。ステーションの端末(GUI等のインタフェース)に表示される作業案内に基づき、オペレータは、物品が収納された段ボールから指定された物品を必要個数取得して、段ボールをパレットP32に載置し直す。インタフェース303は、端末を介して入力された作業完了通知を受信し(ST208、YES)、AGFシステム50へパレット返却指示を出力する。
【0062】
AGFシステム50は、パレット返却指示に基づき、第2の通路をAGFロボット51に走行させて、AGFロボット51により対象のパレットP32をリザーブ棚Rの元の位置へ移動させ(ST209)、AGFロボット51を待機スペースへ移動させる(ST210)。
【0063】
パレットP32の返却及びAGFロボット51の移動が完了すると(ST211、YES)、AGFシステム50は、完了通知を出力する。棚搬送ロボットシステム40は、完了通知を受信し、1又は複数の棚搬送ロボット41により、退避スペースの移動棚A44、A45、及びA46を元の位置へ移動させ(ST212)、1又は複数の棚搬送ロボット41を待機スペースへ移動させて、作業を完了する(ST213、YES)。
【0064】
図10は、実施形態に係る物品処理の運用計画の一例を示すシーケンス図である。
図10に示すように、例えば、9:00前後の入庫のための輸配送に伴い、物品の到着時間を起点として入庫処理が実施される。18:00の締切時間を起点として出庫処理が実施され、輸配送が実施される。
【0065】
また、9:00-12:00及び13:00-17:00の時間帯に、棚搬送ロボット41は、移動棚Aを移動させる出庫処理を実行する。出庫処理に対応して、アクティブピッキング処理が実行される。アクティブピッキング処理に応じて、梱包品質検査が実行され、出庫される。17:00-19:00の時間帯に、棚搬送ロボット41は、移動棚Aを移動させるアクティブ入庫処理を実行する。アクティブ入庫処理に対応して、必要な物品がリザーブより出庫され、リザーブより出庫した物品を移動棚Aに必要数入庫する。
【0066】
また、12:00-13:00の時間帯に、AGFロボット51は、パレットPを移動させるリザーブ入庫処理を実行する。例えば、このリザーブ入庫は、新規入庫と呼ばれ、AGFロボット51の片道走行によって実現される。即ち、AGFロボット51は、外部から持ち込まれた物品が積載されたパレットPをステーションからリザーブ棚Rへ移動させる。
リザーブ入庫処理に対応して、17:00以降の時間帯に、AGFロボット51は、パレットPをリザーブ棚Rから移動させるリザーブ出庫処理を実行し、19:00以降の時間帯に、AGFロボット51は、パレットPをリザーブ棚Rへ移動させるリザーブ入庫処理を実行する。例えば、これらリザーブ出庫処理とリザーブ入庫処理のセットは、補充入庫と呼ばれ、AGFロボット51の往復走行によって実現される。即ち、AGFロボット51は、リザーブ棚RにリザーブされているパレットPをステーションへ移動させ、ステーションで物品が補充されたパレットPをリザーブ棚Rへ戻す。図9のST203~ST213は、このリザーブ出入庫処理に含まれる。
なお、上記したリザーブ出庫処理の二つの目的について補足する。一つ目の目的は、このリザーブ出庫処理とリザーブ入庫処理との組み合わせで(AGFロボット51の往復走行で)リザーブ棚Rへの補充入庫を担うことである。二つ目の目的は、棚搬送ロボットによる41によるアクティブ入庫処理で移動棚Aに追加すべき物品をリザーブ棚RのパレットPから取り出すことである。
【0067】
次に、第2の物品処理計画に含まれる最適化の一例について説明する。
【0068】
WES30において、生成部3012は、最適化のため、F=αT+βEが最小となるような第2の物品処理計画を生成する。第2の物品処理計画の最適化は、式(1)に示す通りである。
【0069】
【数1】
【0070】
β=0の場合:処理時間(T)が最速となるような計画
α=0の場合:処理エネルギー(E)が最小(極小値)となるような計画
α、β:任意(恣意的に)に設定可能な係数(生成部3012により設定)
T:処理時間(sec)
E:棚搬送ロボット、AGFロボットの各々のエネルギー計数(例:消費電力)を掛けた動作距離の総和
E=A x L1+B x L2
L1:n台の棚搬送ロボットの動作距離総和、待機位置を含む
L2:m台のAGFロボットの動作距離総和、待機位置を含む
A, B:例えば動作走行距離に応じた消費電力に基づいて任意に設定可能な係数
n:1以上の整数、n<N(棚搬送ロボットの総数)
m:1以上の整数、m<M(AGFロボットの総数)
t:時間
l:移動距離
【0071】
図11は、実施形態に係るステーションのレイアウトの一例を示す図である。
倉庫内には、ピッキングステーション(リザーブステーション)が設けられ、さらに、移動棚待機位置、移動棚積み込み(STOW)位置、パレットピッキング位置が設けられる。移動棚待機位置には、物品の積み込み待ちの移動棚Aが置かれる。移動棚積み込み位置は、物品が積み込まれる移動棚が置かれる。パレットピッキング位置には、物品が積載されたパレットPが置かれる。パレットPからピッキングされた物品(必要数)は、ユーザインタフェースの指示に応じて、移動棚に積み込まれる。
【0072】
図12は、実施形態に係るリザーブ棚から出庫してアクティブ棚(移動棚)へ入庫するパレットの入庫処理(ステーション利用)の一例を示すフローチャートである。
AGFロボット51又はオペレータにより、出庫するパレットPが搬送されステーションに配置される(ST301)。また、棚搬送ロボット41により、入庫する移動棚Aが搬送されステーションに配置される(ST302)。
【0073】
ステーションの端末(GUI等のインタフェース)により、パレットPから出庫すべき物品(商品)の種類、位置、数量が指示(表示)される(ST303)。ステーションのオペレータが、指示に従って出庫処理を実施する(ST304)。
【0074】
ステーションのインタフェースにより、移動棚Aに入庫すべき物品(商品)の種類、位置、数量が指示(表示)される(ST305)。ステーションのオペレータが、指示に従って入庫処理を実施する(ST306)。
【0075】
オペレータは、処理完了を端末へ入力する(ST307)。
【0076】
棚搬送ロボット41は、移動棚Aを在庫位置へ搬送して配置する(ST308)。また、AGFロボット51又はオペレータは、パレットPを在庫位置へ搬送して配置する(ST309)。
【0077】
パレットPがリザーブから出庫してアクティブへ入庫する処理が完了するまで(ST310、NO)、ST101~ST109が繰り返され、パレットPがリザーブから出庫してアクティブへ入庫する処理が完了すると(ST310、YES)、処理は終了する。
【0078】
上記説明した実施形態によれば、倉庫内のスペースの利用効率の改善を図る計画生成方法、計画生成装置、計画生成プログラム、及び物品処理システムを提供できる。
WES30は、機材配置計画を生成し出力することにより、図2乃至図5に示すように、第1の領域E1の機材領域に複数の移動棚Aを配置させ、第2の領域E2の機材領域に複数のパレットPを配置させる。また、WES30は、物品処理計画を生成し出力することにより、図6に示すように、一部の移動棚Aを移動させて拡張走行スペースESを確保する。
【0079】
機材配置計画の出力により、移動棚Aが第1の領域E1の機材領域に配置され、移動棚Aを移動させる棚搬送ロボット41の幅に応じた第1の通路(通路X1-X4)が確保される。また、物品処理計画の出力により、パレットPを移動させるAGFロボット51の幅に応じた第2の通路(通路X2と移動棚A44、45、46の移動により空いた領域)が確保される。
【0080】
移動棚Aは、第1の頻度で移動(出し入れ)されるが、初期状態において第1の通路が確保されることにより、移動棚Aの処理効率を維持することができる。一方のパレットPは、第1の頻度より低い第2の頻度で移動(出し入れ)される。また、パレットPは、移動棚Aに比べて大型で、パレットPを移動させるAGFロボット51の幅に応じた第2の通路は、第1の通路よりスペースを必要とする。上記の通り、必要に応じて第2の通路が確保されることにより(第2の通路は第1の通路のように定常的に確保されるわけではない)、パレットPの処理を可能にしつつ、スペースの有効活用を図ることができる。
【0081】
なお、本実施形態に係るプログラムは、WES30等の電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、光ディスク、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。電子機器は、ネットワークを介して譲渡(提供)されるプログラムをダウンロードしてメモリにインストールする、又は記憶媒体からプログラムを読み取りメモリにインストールする。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
S…物流システム
1…倉庫管理システム
2…倉庫処理システム
30…倉庫運用システム
40…棚搬送ロボットシステム
41…棚搬送ロボット
50…AGFシステム
51…AGFロボット
60…在庫管理システム
301…プロセッサ
302…メモリ
303…インタフェース
3011…取得部
3012…生成部
3013…出力部
E1…第1の領域
E2…第2の領域
ES…拡張走行スペース
G1、G2、G3、G4…グループ
R…リザーブ棚
R1…脚部
X…通路
X1、X2、X3、X4…通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12