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▶ シャープ株式会社の特許一覧

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  • 特開-洗濯機 図1
  • 特開-洗濯機 図2
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  • 特開-洗濯機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025037134
(43)【公開日】2025-03-17
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/14 20060101AFI20250310BHJP
【FI】
D06F39/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143914
(22)【出願日】2023-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】下野 享多郎
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA11
3B165CA17
3B165CB01
3B165GH03
(57)【要約】
【課題】閉じた蓋を安定した姿勢で保持する。
【解決手段】洗濯機は、上方に開口する槽を有する洗濯機本体と、洗濯機本体の上面の少なくとも一部を覆う蓋とを備える。蓋は、蓋の前端部の幅方向における両側のそれぞれに配されており、洗濯機本体側に伸びる当接部を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する槽を有する洗濯機本体と、
前記洗濯機本体の上面の少なくとも一部を覆う蓋と、
を備え、
前記蓋は、前記蓋の前端部の幅方向における両側のそれぞれに配されており、前記洗濯機本体側に伸びる当接部を有する洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記蓋は、前記洗濯機本体の前方側の両隅部を覆うように、平面視で略矩形形状であり、
前記当接部は、幅方向において前記槽よりも外側に設けられている洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記洗濯機本体の上面は、水平面に対して奥行き方向に傾斜した傾斜部分を有し、
前記当接部は、前記傾斜部分に当接する洗濯機。
【請求項4】
請求項3に記載の洗濯機であって、
前記当接部は、前記幅方向における寸法が前記奥行き方向における寸法よりも大きい細長形状である洗濯機。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の洗濯機であって、
前記洗濯機本体は、前記洗濯機を操作するための複数の操作ボタンを含む操作部を有し、
前記蓋は、前記操作部の上方を含んで配されており、前記複数の操作ボタンのうちの少なくとも一部の操作ボタンを露出させる開口を有する洗濯機。
【請求項6】
請求項5に記載の洗濯機であって、
前記複数の操作ボタンは、前記洗濯機のオン/オフボタンを含み、
前記開口は、前記オン/オフボタンを露出させるように設けられている洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型洗濯機では、面積の大きい1枚物の蓋が用いられることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
洗濯機では、蓋にガタツキ等が生じないように、閉じた蓋を安定した姿勢で保持したいといった要望がある。
【0004】
本開示は、洗濯機において、閉じた蓋を安定した姿勢で保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の洗濯機は、上方に開口する槽を有する洗濯機本体と、前記洗濯機本体の上面の少なくとも一部を覆う蓋と、を備え、前記蓋は、前記蓋の前端部の幅方向における両側のそれぞれに配されており、前記洗濯機本体側に伸びる当接部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】洗濯機における蓋が閉止された状態の模式的斜視図である。
図2】洗濯機における蓋が開放された状態の模式的斜視図である。
図3】洗濯機の平面図である。
図4】蓋に形成される開口の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の洗濯機の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の洗濯機1における蓋20が閉止された状態の模式的斜視図である。図2は、洗濯機1における蓋20が開放された状態の模式的斜視図である。図3は、洗濯機1の平面図である。以下の説明において、前側、後側、幅方向(左右方向)、奥行き方向(前後方向)、高さ方向等は、洗濯機1が設置された状態における方向等を意味するものとする。また、蓋20における方向は、閉止状態での方向を示すものとする。
【0008】
尚、本発明において、「洗濯機」とは、被洗濯物に対して洗濯等の各種処理を行う機器全般を意味する。洗濯機は、被洗濯物の処理としては、例えば、洗いや乾燥、脱臭、除菌等が挙げられる。被洗濯物は、特に限定されない。被洗濯物としては、例えば、布製品が挙げられる。被洗濯物の具体例としては、例えば、衣服、帽子、手袋等の衣類、靴、カバン、ハンカチ、タオル等の持ち物、カーテン、毛布、タオルケット、布団カバー等の寝具、カーペット、ぬいぐるみ等が挙げられる。
【0009】
図1および図2に示すように、洗濯機1は、洗濯機本体10と蓋20とを備えている。洗濯機本体10は、その内部に、上方に開口する槽30を有している。蓋20は、後方側の辺に設けられたヒンジ部21を介して洗濯機本体10に結合されており、前方側を上下動させるように回転することで開閉される。蓋20は、閉止時において洗濯機本体10の上面の少なくとも一部を覆う。
【0010】
本実施形態では、蓋20は1枚物の蓋とされている。尚、1枚物の蓋とは、2つ折りの蓋ではなく、1枚の板状の蓋を指す。但し、複数の部品を組み合わせて1枚物の蓋とすることは許容される。また、洗濯機1の上面前方には、洗濯機1を操作するための複数の操作ボタンを含む操作部11が設けられている。蓋20は、槽30の開口全体を覆うだけでなく、操作部11も覆うことのできる面積の大きな蓋とされている。
【0011】
蓋20の裏面には、洗濯機本体10側に伸びるリブ状の当接部22が設けられている。閉止された蓋20は、ヒンジ部21以外では、当接部22のみを洗濯機本体10の上面に当接させる。当接部22は、蓋20の前端部で幅方向の両側の2箇所に設けられることが好ましい。本実施形態では、蓋20は、洗濯機本体10の前方側の両隅部を覆うように、平面視で略矩形形状とされている。そして、当接部22は、幅方向において槽30よりも外側、かつ奥行き方向において槽30よりも前側に設けられている。
【0012】
面積の大きい1枚物の蓋は、形状寸法精度が出しにくいといった問題や、弾性変形しやすいという問題があり、閉止されたときに洗濯機本体との接触範囲が広くなるような設計であれば、蓋の前端部の左右両端が洗濯機本体に対して適切に当接せず、蓋にガタツキ等が生じる場合がある。
【0013】
これに対し、本実施形態の蓋20は、前端部の左右両端に設けられた2箇所の当接部22で洗濯機本体10に接触することで、閉止されたときの洗濯機本体10との接触範囲を狭くすることができる。その結果、上からの僅かな荷重で当接部22を洗濯機本体10の上面に確実に接触させることができ、閉止時における蓋20の姿勢を安定させることができる。
【0014】
当接部22は、幅方向における寸法が奥行き方向における寸法よりも大きい細長形状とされる。また、当接部22は、図2に示すように、長手方向が幅方向に沿った細長形状とされることが好ましい。
【0015】
洗濯機本体10の上面の前端部付近は、図1に示すように、奥行き方向に沿って水平面に対して傾斜した傾斜部分10aを有していることが多い。加えてこの傾斜部分10aが奥行き方向に沿った曲面に形成されていることもある。このため、当接部22を傾斜部分10aに当接させる場合、奥行き方向の寸法が大きい形状(例えば、円柱形状)とされていると、洗濯機本体10の上面に対しての当接部22の接触が安定しない虞がある。これに対し、当接部22の奥行き方向の寸法をできるだけ小さくすることで、洗濯機本体10の上面に対しての当接部22の接触が安定し、閉止時における蓋20の姿勢をより確実に安定させることができる。また、奥行き方向の寸法を小さくする分、幅方向の寸法を大きくすることで当接部22の強度も確保できる。さらには、蓋20を上から見たときに当接部22が透けて見えるような場合には、細長形状の当接部22は、円柱形状とする場合等に比べて目立ちにくいといった利点もある。
【0016】
また、上述したような略矩形形状の蓋20は、特に隅部において強度が高くなる。このため、当接部22を、蓋20における前方側の両隅部(例えば、槽30よりも外側かつ前側)に設けることで、蓋20を閉止した場合に強度の高い箇所に荷重が掛かることになり、荷重による蓋20の弾性変形が抑制され、蓋20の姿勢をより安定させることができる。
【0017】
上述したように、本実施形態では、蓋20は、洗濯機本体10の上面において操作部11の上方を含んで配される。但し、蓋20は、操作部11の全体を覆うものには限定されず、操作部11の一部は露出させてもよい。例えば、図3に示すように、蓋20に開口23を設け、蓋20の閉止時には開口23を介して操作部11の一部の操作ボタンが露出してもよい。尚、操作部11における操作ボタンは、メカニカルなプッシュ式ボタンであってもよく、あるいは、液晶タッチパネル等に表示される表示ボタンであってもよい。
【0018】
このとき、開口23を介して露出させる操作ボタンは、洗濯機1の運転中にも操作される可能性がある操作ボタンとすることが好ましい。具体例としては、電源ボタン(オン/オフボタン)やスタートボタンが含まれる。これにより、例えば、ユーザが運転中の洗濯機1を停止させたいような場合に、蓋20を開けることなく停止操作を行うことができる。一方、洗濯機1の運転中に操作されたくない操作ボタン、例えば、運転モードや運転条件の設定ボタン等は、閉止された蓋20によって覆われることが好ましい。
【0019】
また、開口23の断面形状は、奥行き方向において、図4に示すようなすり鉢形状とされることが好ましい。すなわち、開口23の前方縁部23aは、洗濯機本体10の上面に対して垂直ではなく、上端23a1が下端23a2よりも前方となるような傾斜を有することが好ましい。開口23の後方縁部23bは、上端23b1が下端23b2よりも後方となるような傾斜を有することが好ましい。開口23をこのような形状とすることで、蓋20の閉止時において、開口23の前方縁部23aや後方縁部23bが邪魔にならずに、開口23から露出する操作ボタンの操作が行いやすくなる。
【0020】
また、蓋20のうち、操作部11を覆う部分を前部とし、前部の後側に位置する部分(槽30を覆う部分)を後部とすると、蓋20の前部と後部とが異なる樹脂材料により構成されていてもよい。この場合、蓋20の前部は、操作部11が見えやすいように光透過率が高い樹脂材料(例えばPP(polypropylene))とすることが好ましい。一方、蓋20の後部は、洗剤等を含む洗濯水に触れやすいことを考慮して、耐薬品性の高い樹脂樹(例えばABS(Acrylonitrile butadiene styrene))とすることが好ましい。
【0021】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0022】
1 洗濯機
10 洗濯機本体
10a 傾斜部分
20 蓋
22 当接部
11 操作部
23 開口
図1
図2
図3
図4