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特開2025-37606画像形成装置及び画像形成装置の動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025037606
(43)【公開日】2025-03-18
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20250311BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20250311BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144626
(22)【出願日】2023-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】板井 力
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AC05
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5E555AA04
5E555AA41
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC03
5E555BC07
5E555CB12
5E555CC22
5E555DA01
5E555DB18
5E555DB24
5E555DC09
5E555DC13
5E555DD06
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】動作モードに応じた表示形態でログアウトに関する表示を行う。
【解決手段】 制御部と表示部とを備える画像形成装置。第1の動作モードに応じた画面を表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態で第1の動作モードに応じた画面に表示し、第2の動作モードに応じた画面を表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態とは異なる第2の表示形態で第2の動作モードに応じた画面に表示する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と表示部とを備え、
前記制御部は、
第1の動作モードに応じた画面を前記表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態で前記第1の動作モードに応じた画面に表示し、
第2の動作モードに応じた画面を前記表示部に表示しているとき、前記ログアウトに関する表示を、第1の表示形態とは異なる第2の表示形態で前記第2の動作モードに応じた画面に表示する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の表示形態は、前記第1の表示形態よりも表示面積が小さい、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の表示形態では、前記ログアウトに関する表示を、テキスト及びアイコンを用いて表示し、
前記第2の表示形態では、前記ログアウトに関する表示を、アイコンを用いて表示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の動作モードに応じた画面を前記表示部に表示しているとき、前記ログアウトに関する表示を、前記第2の動作モードに応じた画面の余白面積に応じて、前記第2の表示形態で前記第2の動作モードに応じた画面に表示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の動作モードに応じた画面を前記表示部に表示しているとき、前記ログアウトに関する表示を、前記第2の動作モードに応じた画面の余白面積と予め定められた閾値面積との比較結果に応じて、前記第2の表示形態で前記第2の動作モードに応じた画面に表示する、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の動作モードにおいて、前記制御部は、複数の動作モードを選択可能に前記表示部に表示し、
前記第2の動作モードにおいて、前記制御部は、前記第1の動作モードにおいて前記複数の動作モードから選択された動作モードに応じた画面を表示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
制御部と表示部とを備える、画像形成装置の動作方法において、
前記制御部は、
第1の動作モードに応じた画面を前記表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態で前記第1の動作モードに応じた画面に表示し、
第2の動作モードに応じた画面を前記表示部に表示しているとき、前記ログアウトに関する表示を、前記第1の表示形態とは異なる第2の表示形態で前記第2の動作モードに応じた画面に表示する、
画像形成装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi-Function Printer)等の画像形成装置には、ログイン画面を表示するか否かを設定可能なものがある。一般に、ログイン画面はユーザー名とパスワードを入力する入力欄を有し、ログインを希望するユーザーは、ログイン画面にて自分のユーザー名とパスワードを入力する。
【0003】
これに関連して、特許文献1には、ログインが成功すると、ユーザー名を含むログアウトボタンをディスプレイの画面に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-184583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示によって解決しようとする課題は、動作モードに応じた表示形態でログアウトに関する表示を行うことが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示は、制御部と表示部とを備え、制御部は、第1の動作モードに応じた画面を表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態で第1の動作モードに応じた画面に表示し、制御部は、第2の動作モードに応じた画面を表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態とは異なる第2の表示形態で第2の動作モードに応じた画面に表示する、画面形成装置を提供する。
【0007】
また、本開示は、制御部と表示部とを備える、画像形成装置の動作方法において、制御部は、第1の動作モードに応じた画面を表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態で第1の動作モードに応じた画面に表示し、第2の動作モードに応じた画面を表示部に表示しているとき、ログアウトに関する表示を、第1の表示形態とは異なる第2の表示形態で第2の動作モードに応じた画面に表示する、画面形成装置の動作方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、動作モードに応じた表示形態でログアウトに関する表示を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一般的な画像形成装置のシステム領域に表示されるログアウトボタンについて説明するための図であり、図1(A)はログイン前のホーム画面のシステム領域の例であり、図1(B)はログイン後のホーム画面のシステム領域の例である。
図2】本開示の実施形態に係る画像形成システムの機能ブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本開示の実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示されるログイン画面の一例である。
図6】本開示の実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示されるホーム画面の一例である。
図7】本開示の実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示されるコピー画面の一例である。
図8】本開示の実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示されるコピー画面の他の一例である。
図9】本開示の実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示されるシステム領域の例である。図9(A)、(B)及び(C)はホーム画面のシステム領域の例である。図9(D)はコピー画面のシステム領域の例である。図9(E)はスキャン画面のシステム領域の例である。図9(F)はファックス画面のシステム領域の例である。図9(G)はホールドプリント画面のシステム領域の例である。図9(H)はダイレクトプリント画面のシステム領域の例である。
図10】本開示の第2実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示されるホーム画面の一例である。
図11】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図12】本開示の第4実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図13】本開示の第5実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般的に、画像形成装置において、ユーザー認証が完了し、ログインが行われた後、任意のタイミングでログアウトすることが可能である。
【0011】
例えば、図1(A)、1(B)は、本開示の画像形成装置に対比される一般的な画像形成装置のタッチディスプレイに表示される画面の例である。図1(A)はログイン前のホーム画面のシステム領域の例である。図1(B)はログイン後のホーム画面のシステム領域の例である。図1(A)に示すように、ログイン前のシステム領域121の右端には、システム情報ボタン123とジョブ状況ボタン125が表示されている。ログインすると、図1(B)に示すように、システム情報ボタン123の左横に、ログアウトボタン127が表示される。
【0012】
ログアウトボタン127は、タッチに応じてログイン中のユーザーをログアウトさせるボタンである。ログアウトボタン127は、アイコン127a、ユーザー名表示127b及びボタン名表示127cを有する。ユーザー名表示127bには、現にログインしているユーザーのユーザー名として"John Smith"が表示されている。ログアウトボタン127を表示することにより、ログイン中のユーザーはログアウトボタン127をタッチするだけで速やかにログアウトすることができるという効果がある。また、ユーザー名表示127bにより、ログイン中のユーザー以外の者は、ログイン中のユーザーが誰かを知ることができる。
【0013】
しかし、このような画像形成装置によれば、ログイン後、ログアウトするまでの間、ユーザー名を含むログアウトボタンを表示する。ログアウトボタンの表示は、画像形成装置の表示部の画面サイズが十分な大きさを有する場合は問題にならない。しかし、一般に、画像形成装置の表示部の画面サイズには制限がある。このため、ログアウトボタンを常時大きく表示し続けると、その分だけ表示部の画面が有する表示領域を圧迫し、その結果、表示部の画面に他の情報を表示するのが難しくなるという問題がある。
【0014】
このような課題に鑑み、以下の実施形態では、ユーザーに対して好適な表示態様を提供することが可能な画像形成装置等について説明する。
【0015】
[1.第1実施形態]
図2は本開示の実施形態に係る画像形成システム100の機能ブロック図である。画像形成システム100は、複合機(Multi-Function Printer, MFP)1、ネットワーク3、端末5を備える。複合機1と端末5とは、ネットワーク3を介して接続され、データ通信が可能である。
【0016】
複合機1は、画像形成装置の一種である。複合機1は、コピー機能、スキャン機能、ファックス機能を有し、更に、ホールドプリント機能、ダイレクトプリント機能を有する。
【0017】
ネットワーク3はデータ通信ネットワークである。ネットワーク3を構成するデータ通信ネットワークの構成や種類は特に限定しない。ネットワーク3は、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよく、両者が混在してもよい。例えば、ネットワーク3は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、移動体通信ネットワーク、固定電話網等の一部または全部によって構成されてよい。
【0018】
端末5はデータ通信可能な端末装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット、スマートフォン等であってよい。
【0019】
図3は複合機1の機能ブロック図である。複合機1は表示部11、操作部13、画像入力部15、画像形成部17、通信部19、接続部21、記憶部23、制御部25、人感センサー27を備える。
【0020】
表示部11は、画像や文字を表示する。例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, LCD)や、有機EL(Electro-Luminescence)パネル等により構成されている。表示部11は、単体の表示装置であってもよいし、更に外部に接続された表示装置を含むものであってもよい。
【0021】
操作部13は、ユーザーからの操作入力を受け付ける。例えば、操作部13は、ハードウェアキーやソフトウェアキーで構成される。また、操作部13は、例えばFAX送信や、画像読み込みといったタスクを実行するタスクキーや、操作を中止する中止キー等が含まれる。また、操作部は、タスクキーや、中止キー、電源キー、節電キーといった物理的な操作キーを含んでもよい。尚、本実施形態では、表示部11と操作部13とは、タッチディスプレイとして一体的に構成されるものとする。
【0022】
画像入力部15は、画像(原稿)を読み取って画像データとして出力する。画像入力部15は、一般的なスキャナ(画像入力装置)により構成されている。また、画像入力部15は、例えば接続部23を介してUSBメモリー等の外部の記憶媒体から画像データを入力してもよいし、通信部19を介してネットワーク経由で画像を受信してもよい。
【0023】
画像形成部17は、画像データに基づいて、コピー用紙等の媒体上に画像を形成(印刷)する。画像形成部17の印刷方式は任意であり、例えば、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、熱転写方式プリンタ等のいずれでもよい。画像形成部17は、モノクロプリンタでもカラープリンタでもよい。画像形成部17は、媒体を供給する給紙機構、媒体を搬送する搬送機構、画像が形成された後の媒体を仕分けるソータ機構等を備えてもよい。
【0024】
通信部19は、複合機1をネットワーク3と接続する。例えば、有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、LTE(Long Term Evolution)網に接続可能なインタフェースにより構成されている。通信部19がネットワークに接続されることで、他の装置や、外部ネットワークに接続されることとなる。また、通信部19は、それ以外にも、例えば、NFC(Near field communication)、Bluetooth(登録商標)といった近距離無線通信を行うインタフェースであってもよい。
【0025】
接続部21は、複合機1と他の機器を接続する。例えば、接続部21は、USBインタフェースであり、USBメモリー等が接続される。また、接続部21は、USBインタフェース以外にも、HDMI(登録商標)等のインタフェースであってもよい。
【0026】
記憶部23は、複合機1の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部23は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時的な記憶が可能な記録装置や、例えば、半導体メモリーで構成されたSSD(Solid State Drive)や、磁気ディスクで構成されたHDD(Hard Disk Drive)等の非一時的な記録装置を含むものである。また、記憶部23は、説明の都合上1つの構成としているが、プログラムの実行に利用される領域(主記憶領域)と、プログラムやデータを保存する領域(補助記憶領域)、キャッシュに利用する領域等、それぞれ用途毎に別の装置として構成してもよい。
【0027】
制御部25は、複合機1の全体を制御する。制御部25は、1又は複数の制御装置や、制御回路で構成されており、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、SoC(System on a Chip)等により構成されている。
【0028】
また、制御部25は、記憶部23に記憶されているプログラムを読み出して処理を実行することで、各機能を実現することができる。
【0029】
人感センサー27は、複合機1の周辺、特に、表示部11及び操作部13と相対する位置にいる人を検知するセンサーである。人感センサー27の種類は特に限定しない。人感センサー27は、例えば、赤外線を利用して温度変化を検出する赤外線センサー、音を検出する音感センサー、超音波を発射してその反射を検出する超音波センサーでもよい。
【0030】
図4は、複合機1の動作を説明するフローチャートである。複合機1には、ログイン後に表示される画面がデフォルト表示画面として予め設定されていて、記憶部23がその設定情報を記憶しているものとする。デフォルト表示画面として設定可能な画面は、ホーム画面、コピー画面、スキャン画面、ファックス画面、ホールドプリント画面、ダイレクトプリント画面である。これら画面はそれぞれ一の動作モードに対応する。動作モードとは、特定の用途に合わせた複合機1の動作の一群であり、例えば、CPUを制御部25として動作させる制御プログラムのサブルーチンに対応する。複合機1は、複数の動作モードを有し、動作モードによって異なる機能をユーザーに提供する。以下、これら画面に対応する動作モードを、ホーム動作モード、コピー動作モード、スキャン動作モード、ファックス動作モード、ホールドプリント動作モード及びダイレクトプリント動作モードと呼ぶ。特に、ホーム動作モードは、第1の動作モードに対応し、ホーム動作モード以外の動作モードは第2の動作モードに対応する。
【0031】
制御部25は、表示部11にログイン画面を表示する(ステップS1)。次に、制御部25は、操作部13を介してログイン情報の入力を受け付ける(ステップS3)。
【0032】
ステップS1、S3において、ログインするユーザーは、複合機1の前で表示部11に表示されたログイン画面を見ながら、操作部13を介してログイン情報を入力してもよい。
【0033】
または、ログインするユーザーは、複合機1に、通信部19、ネットワーク3を介して接続された端末5に表示されたログイン画面を見てログイン情報を入力してもよい。この場合、ステップS1では、制御部25は、通信部19、ネットワーク3を介して端末5にログイン画面を送信する。ステップS3では、制御部25は、通信部19、ネットワーク3を介して端末5からログイン情報を受信する。
【0034】
次に、制御部25は、記憶部23に予め記憶された設定情報に基づいて、設定されたデフォルト表示画面を判定する(ステップS5)。
【0035】
複合機1の管理者等は、複合機1の通常の運用を開始する前に、複合機1のデフォルト表示画面を予め設定しておく。管理者等は、不図示の設定画面を介してデフォルト表示画面を設定する。この設定は記憶部23に記憶される。ステップS5において、制御部25は、記憶部23に記憶された設定に基づいて、デフォルト表示画面を選択し、表示部11に表示する。
【0036】
デフォルト表示画面として、ホーム画面以外が設定されている場合(ステップS5、ホーム画面以外)、制御部25は、デフォルト表示画面として設定された画面に、ログアウトボタンを詳細表示で表示する(ステップS7)。詳細表示は第1の表示形態に対応する。次に、制御部25は、一定時間が経過するまで待ち(ステップS9、いいえ)、例えば1~5分程度の一定時間が経過後(ステップS9、はい)、ログアウトボタンの表示形態を詳細表示から簡易表示に切り替える(ステップS11)。簡易表示は第2の表示形態に対応する。詳細表示と簡易表示とを比較すると、詳細表示は表示項目が多く(アイコンとユーザー名)、簡易表示は表示項目が少ない(アイコンのみ)。
【0037】
簡易表示は、詳細表示よりも表示面積が小さい表示形態である。簡易表示の表示面積が詳細表示の表示面積よりも小さければ、その分だけ、表示部11の画面を他の情報の表示に用いることができる。一例としては、詳細表示では、ログアウトを表すアイコンと、ユーザー名を示すテキストとを表示する一方、簡易表示では、同じアイコンのみを表示し、テキストの表示を省略することが考えられる。この場合、簡易表示の表示面積は、テキストの表示分だけ小さくなる。また、他の例としては、詳細表示では、ログアウトを表すアイコンと、ユーザー名を示すテキストと、「ログアウト」のテキストを表示する一方、簡易表示では、ログアウトを表すアイコンのみを表示し、ユーザー名及びログアウトのテキストを省略することが考えられる。この場合も、簡易表示の表示面積は、テキストの表示分だけ小さくなる。また、他の例としては、詳細表示では上述の詳細表示のいずれかで表示し、簡易表示ではテキストを短縮表示に変更して表示することが考えられる。短縮表示とは、元のテキストと同じまたは対応する意味を有し、かつ、元のテキストよりも文字数が少ないテキストを用いた表示であり、例えば、ユーザー名をイニシャル表示にする、ユーザー名の先頭の数文字(例えば2文字)のみを表示することが考えられる。
【0038】
ここで、アイコンは、画像で表されるものであるが、例えば、文字(英文字、数字、日本語、記号等を含む)や、図形で表されるものであってもよい。また、アイコンは、画像ではなく、単なる文字として表示される識別表示であればよい。
【0039】
デフォルト表示画面として、ホーム画面が設定されている場合(ステップS5、ホーム画面)、制御部25は、ホーム画面にログアウトボタンを詳細表示で表示する(ステップS15)。
【0040】
ステップS11またはS15の後、制御部25は、画面がタッチされたか否かを判定する(ステップS13)。画面とは、表示部11及び操作部13が一体的に構成されたタッチディスプレイの画面である。このとき、画面は特に操作部13として動作する。
【0041】
操作部13にて、タッチディスプレイの画面へのタッチを検出する(ステップS13、はい)と、制御部25は、画面のどこがタッチされたかを判定する(ステップS17)。
【0042】
タッチディスプレイの画面のうち、ログアウトボタンが表示された領域がタッチされた場合(ステップS17、ログアウトボタン)、制御部25は現在ログインしているユーザーをログアウトする処理を実行(ステップS19)して、ステップS1に進む。
【0043】
タッチディスプレイの画面のうち、ログアウトボタン以外のボタンが表示された領域がタッチされた場合(ステップS17、他ボタン)、制御部25は、そのタッチされたボタンに割り当てられている機能を実行(ステップS21)して、ステップS5に進む。
【0044】
タッチディスプレイの画面のうち、ログアウトボタンを含むボタンのように、特定の機能が割り当てられている領域以外の領域がタッチされた場合(ステップS17、ボタン以外)、制御部25は、そのままステップS5に進む。
【0045】
図5は、複合機1の表示部11に表示されるログイン画面の一例である。ログイン画面は、ステップS1、S3で表示される。ログイン画面41は上下に二分され、システム領域43と主領域45とを有する。システム領域43は、画面上部に配置される矩形領域である。主領域45は、システム領域43の下に配置される矩形領域である。
【0046】
システム領域43は、モード名表示47、システム情報ボタン49、ジョブ状況ボタン51、領域53を有する。モード名表示47は、ログイン画面41が属する動作モードの名称を示し、ログイン画面41ではログインモードであることを示している。システム情報ボタン49は、タッチに応じて、制御部25が、複合機1のシステム情報を表示部11に表示するボタンである。ジョブ状況ボタン51は、タッチに応じて、制御部25が、複合機1にて実行中のジョブの状況を表示部11に表示するボタンである。尚、ログイン画面41では領域53には何も表示されていない。
【0047】
主領域45は、ステップS3において、ログインしようとするユーザーのユーザー名、パスワード等を入力するための領域である。ユーザー名は、入力欄に直接入力されてもよいし、「リストから選択」ボタンのタッチに応じて表示される、不図示のユーザー名のリストの中から選択入力されてもよい。
【0048】
図6は複合機1の表示部11に表示されるホーム画面の一例である。ホーム画面61は、ステップS15にて表示部11に表示される。モード名表示47には、ホーム画面(ホーム動作モード)であることを示す「ホーム」が表示されている。ログイン画面41と同様に、ホーム画面61は、システム領域43、主領域45を有する。また、ログイン画面41と同様に、ホーム画面61のシステム領域43は、システム情報ボタン49、ジョブ状況ボタン51を表示する。ただし、ログイン画面41では空白だった領域53に、ホーム画面61ではログアウトボタン63が表示される。
【0049】
ログアウトボタン63は、タッチに応じて、制御部25が、複合機1に現にログインしているユーザーのログアウト処理を実行するボタンである。ログアウトボタン63は、アイコン63a、ユーザー名表示63bを有する。アイコン63aは、ログアウト処理を図示したアイコンである。ユーザー名表示63bは、複合機1に現にログインしているユーザー名を表示する。ホーム画面61は、ユーザー名"Administrator"を有するユーザーが、ステップS3にてログインした後に表示される。
【0050】
ホーム画面61では、ログアウトボタン63は詳細表示で表示されている。このため、ログアウトボタン63には、アイコン63aに加えてユーザー名表示63bが表示されている。
【0051】
図7は複合機1の表示部11に表示されるコピー画面の一例である。コピー画面71はステップS7で表示部11に表示される。コピー画面71は、複合機1がコピー動作モードにあるときに表示部11に表示される画面である。コピー画面71は、コピー画面の一例であると同時に、ステップS5において、デフォルト表示画面としてホーム画面以外が選択された場合のログアウトボタン63の表示について説明するための一例でもある。
【0052】
ホーム画面61のシステム領域43と比較すると、コピー画面71のシステム領域43は、モード名表示47が「コピー」になっている点を除いて同じである。ステップS7では、ログアウトボタン63は詳細表示で表示されており、アイコン63aと共に、ユーザー名表示63bが表示されている。
【0053】
図8は複合機1の表示部11に表示されるコピー画面の一例である。コピー画面81はステップS11で表示部11に表示される。コピー画面81は、複合機1がコピー動作モードにあり、かつ、コピー画面71が表示されてから一定時間が経過(ステップS9)した後、表示部11に表示される画面である。コピー画面71のシステム領域43では、ログアウトボタン63は詳細表示、すなわち、アイコン63aとユーザー名表示63bの両方が表示されていたが、コピー画面81のシステム領域43では、ログアウトボタン83は簡易表示で表示されている。詳細表示のログアウトボタン63と比較すると、簡易表示のログアウトボタン83は、アイコン83aのみを有し、ユーザー名表示を有していない点で異なる。尚、アイコン63aとアイコン83aの画像は同じである。ログアウトボタン83が簡易表示で表示されているため、コピー画面81のシステム領域43は、コピー画面71のシステム領域43と比較して大きな余白を有する。余白とは、背景のみが表示された画面の表示状態である。このため、コピー画面81のシステム領域43は、他の情報を追加して表示することが可能である。
【0054】
図9にシステム領域の例を列挙した。以下、図9(A)~図9(H)のシステム領域について説明する。
【0055】
図9(A)のシステム領域91は、どのユーザーもログインしていないときのホーム画面のシステム領域である。
【0056】
図9(B)のシステム領域93は、ホーム画面61のシステム領域43に相当し、詳細表示のログアウトボタン93aを有する。このため、ログアウトボタン93aは、アイコン93b及びユーザー名表示93cの両方を有する。
【0057】
図9(C)のシステム領域95は、図9(B)のシステム領域93と同様に詳細表示のログアウトボタン95aを有する。ただし、ログアウトボタン95aは、アイコン95b、ユーザー名表示95cに加えて、処理名称表示95dを有する。処理名称表示95dは、ログアウトボタン95aをタッチしたときに実行される処理の名称「ログアウト」を示す。
【0058】
このように、詳細表示のログアウトボタンは、図9(B)のようにアイコン93bとユーザー名表示93cとを有すると限定されるものではなく、図9(C)のようにアイコン95bと、ユーザー名表示95cと、処理名称表示95dとを有するものでもよい。更に、必要に応じて、詳細表示のログアウトボタンに他の情報を追加表示してもよい。
【0059】
図9(D)のシステム領域101は、図8のコピー画面81のシステム領域43に相当する。システム領域101は、ログアウトボタン101aにアイコン101bを有する。
【0060】
図9(E)のシステム領域103は、スキャン動作モードのシステム領域の例である。システム領域103は、モード名表示として「スキャン」等と表示する代わりに、E-mailアドレス欄103eを有する。画像入力部15を介して原稿をスキャンして生成した画像を電子メールに添付して送信する場合、ユーザーは、E-mailアドレス欄103eに所望のアドレスを入力して、電子メールの宛先を指定することができる。図9(E)では、E-mailアドレス欄103eをひとつだけ表示しているが、システム領域103ではログアウトボタン103aがアイコン103bのみの簡易表示で表示されているため、複数のE-mailアドレス欄103eを並べて同時にシステム領域103に表示することも可能である。また、アドレスと一対一に対応するE-mailアドレス欄103eを追加する代わりに、ひとつのE-mailアドレス欄103e内に複数のアドレスを表示することにしてもよい。この場合、入力されたアドレスの個数に応じて、E-mailアドレス欄103eの表示領域を拡大することも可能である。また、複数のアドレスが入力されることを想定して、E-mailアドレス欄103eの表示領域を予め最大限に拡大しておくことも可能である。E-mailアドレス欄103eの表示領域の拡大とは、例えば、図9(E)において、E-mailアドレス欄103eの右辺が、ログアウトボタン103aの左端近傍になるように、E-mailアドレス欄103eを図中右方向に引き伸ばすことである。
【0061】
図9(F)のシステム領域105は、ファックス動作モードのシステム領域の例である。システム領域105は、モード名表示として「ファックス」等と表示する代わりに、ファックス番号欄105eを有する。画像入力部15を介して原稿をスキャンして生成した画像をファックスとして送信する場合、ユーザーは、ファックス番号欄105eに所望のファックス番号を入力して、ファックスの送信先を指定することができる。システム領域105でも、ログアウトボタン105aはアイコン107bのみの簡易表示で表示されているため、システム領域103でのE-mailアドレス欄103eと同様に、複数のファックス番号欄105eを並べて同時にシステム領域105に表示することが可能である。また、ファックス番号と一対一に対応するファックス番号欄105eを追加する代わりに、ひとつのファックス番号欄105e内に複数のファックス番号を表示することとしてもよい。この場合、入力されたファックス番号の個数に応じて、ファックス番号欄105eの表示領域を拡大することも可能である。また、複数のファックス番号が入力されることを想定して、ファックス番号欄105eの表示領域を予め最大限に拡大しておくことも可能である。ファックス番号欄105eの表示領域の拡大とは、例えば、図9(F)において、ファックス番号欄105eの右辺がログアウトボタン105aの左端近傍になるように、ファックス番号欄105eを図中右方向に引き伸ばすことである。
【0062】
図9(G)のシステム領域107は、複合機1がホールドプリント動作モードにあるときに表示されるシステム領域の例である。ホールドプリント動作モードとは、複合機1に留め置かれている1又は複数の文書をプリントすることが可能な動作モードである。ホールドプリント動作モードでは、これから出力する1又は複数のデータや、印刷に必要な紙の枚数等を、実際に印刷物を出力する前に、複合機1上にて確認することができる。
【0063】
図9(H)のシステム領域109は、複合機1がダイレクトプリント動作モードにあるときに表示されるシステム領域の例である。ダイレクトプリント動作モードとは、ネットワーク3及び通信部19を介することなく、接続部21のインタフェースを介して直接接続された外部記憶装置から読み出したデータに基づいて、複合機1がプリントを実行する動作モードである。システム領域109では、モード名表示の代わりに、データの読み出し元を示す読み出し元表示109eとして、「USBメモリー」と表示されている。
【0064】
本実施の形態の複合機1によれば、ホーム画面61では、システム領域43での表示に比較的余裕があるため、ログアウトボタン63を、アイコン63aとユーザー名表示63bの両方を表示する詳細表示で表示する。このとき、ログイン中のユーザーのユーザー名を容易に視認することができる。
【0065】
一方、ホーム画面以外のコピー画面71等では、表示の当初はホーム画面61と同様に詳細表示でログアウトボタン63を表示した後、しばらく経ってから、アイコン83aを含み、ユーザー名表示を含まない簡易表示でログアウトボタン83を表示する。簡易表示では、ログアウトボタンを表示するために必要なスペースが小さくて済むので、例えば図9(E)のE-mailアドレス欄103e、図9(F)のファックス番号欄105e等のような追加の情報をシステム領域に表示するためのスペースを十分に確保することができる。
【0066】
尚、本実施形態では、詳細表示のログアウトボタンではアイコンとユーザー名とを表示する一方、簡易表示のログアウトボタンではアイコンのみを表示することとしたが、詳細表示及び簡易表示の表示内容はこれに限定されるものではない。例えば、図9(C)でも示したように、詳細表示のログアウトボタンにアイコン、ユーザー名に加えて処理名称を表示してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、詳細表示で表示されるアイコンと、簡易表示で表示されるアイコンとが同じ画像であるとして説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、詳細表示で表示されるアイコンを縮小した画像を、簡易表示でアイコンとして表示してもよい。または、詳細表示で表示されるアイコンをより簡素なデザインにした別のアイコンを、簡易表示のアイコンとして表示してもよい。
【0068】
また、詳細表示は表示項目が多く(アイコンとユーザー名)、簡易表示は表示項目が少ない(アイコンのみ)として説明したが、表示項目の数は変えずに詳細表示を画面横方向に縮めることにより、簡易表示の表示面積を小さくしてもよい。例えば、ユーザー名をなす文字列の先頭の何文字かのみを表示し、それ以後の文字を省略することにより、ユーザー名表示の長さを短くすることが考えられる。
【0069】
また、上述の実施形態では、システム領域にログアウトボタンを配置したが、ログアウトボタンを配置する代わりにアカウント管理ボタンを配置してもよい。アカウント管理ボタンをタッチすると、制御部25は、ログインしているユーザーのアカウント情報を表示する不図示のアカウント管理画面を表示する。アカウント管理画面にログアウトボタンを配置する。上述の実施形態では、ログアウトボタンのユーザー名表示は、ユーザー名を示す文字列を表示したが、アカウント管理画面では、ユーザーを示すアバター、人形、イニシャル表示等を表示することとしてもよい。その際、ユーザー名、アバター、人形、イニシャル表示等には、ログアウト(退出)を示す矢印を共に表示することによって、単なるアカウント管理メニューではないことを強調して表示することが好ましい。
【0070】
また、上述の実施形態では、基本的には動作モードに応じてログアウトボタンの表示形態を選択したが、動作モードに関係なく、システム領域の余白の大きさに応じて、ログアウトボタンの表示形態を選択してもよい。例えば、システム領域の余白面積が閾値面積よりも小さい場合、制御部25は、ログアウトボタンを簡易表示でシステム領域に表示し、余白面積が閾値面積以上の場合、制御部25は、ログアウトボタンを詳細表示でシステム領域に表示する。また、動作モードと、システム領域の余白面積と閾値面積との比較結果との組み合わせに応じて、ログアウトボタンの表示形態を選択してもよい。例えば、第1の動作モード(ホーム画面)では、システム面積の余白面積に関わらず詳細表示とする一方、第2の動作モード(ホーム画面以外)では、システム領域の余白面積が閾値面積以上の場合は詳細表示とし、閾値面積未満の場合は簡易表示としてもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、簡易表示のログアウトボタンでは、アイコンのみを表示することとしたが、その代わりに、いわゆるハンバーガーメニューを表示してもよい。ハンバーガーメニューは、例えば[≡]のように、平行に並んだ等しい長さの横三本線を矩形で囲んだ形状のメニューボタンである。
【0072】
[2.第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ホーム画面において表示態様を変えた実施形態である。なお、第1実施形態と、構成及び処理について異なる部分のみを中心に説明する。
【0073】
図10は複合機1の表示部11に表示されるコピー画面の一例である。上述の第1実施形態では、ステップS5においてデフォルト表示画面がホーム画面以外と判定された場合、図7のコピー画面71が表示されるが、第2実施形態では、図8のコピー画面81が表示され、表示開始直後の所定期間(例えば5~10秒)の間、システム領域43と主領域45の境界に重なるようにして、トースト表示111が表示される。図10に示すように、トースト表示111は、システム領域43及び主領域45に配置された他の各種の画面の要素(例えばテンキー45a)の上に重ねて表示される。
【0074】
トースト表示111はログインしたユーザーのユーザー名を表示する。トースト表示111は、ユーザー名に代わって、或いはユーザー名と共に、他の情報を表示してもよい。例えば、トースト表示111に、ユーザー名に関連付けられた画像(例えば、ユーザーの顔写真の画像や、ユーザーを示すアイコン)や、そのユーザーの所属部署を示す文字列等、そのユーザーに関連付けられた情報を表示してもよい。
【0075】
トースト表示111の表示位置は、システム領域43と主領域45との境界線上に限らない。例えば、トースト表示111は、主領域45の中央部分に重なるように表示されてもよい。
【0076】
更に、トースト表示111の大きさに制限はなく、例えば、システム領域43及び主領域45の全体を覆う大きさであってもよい。
【0077】
第2実施形態によれば、ユーザーが複合機1にログインした直後からログアウトボタンが簡易表示される場合であっても、トースト表示111が他の画面要素に重ねて表示されるので、複合機1を操作している者に対して、ログインユーザー名を知らせることができる。
【0078】
[3.第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ログアウトボタンの表示形態を簡易表示から詳細表示に変更する実施形態である。なお、第1実施形態と、構成及び処理について異なる部分のみを中心に説明する。
【0079】
図11は第3実施形態に係る複合機1の動作を説明するためのフローチャートである。本フローチャートは、図4のフローチャートの一部を置き換えるものである。尚、第3実施形態では、ユーザーは、複合機1の操作部13からログイン情報を入力して複合機1にログインするものとする。
【0080】
図4のフローチャート、ステップS19において、ログアウトボタンがタッチされたとき、ステップS1に移行する代わりに、図11のステップS31に移行する。ステップS31において、制御部25は、ログアウトボタンへのタッチが長押しか否かを判定する。
【0081】
すなわち、制御部25は、ログアウトボタンへのタッチの開始を検出すると、その時刻をタッチ開始時刻として記憶部23に記憶する。ログアウトボタンへのタッチが終了したことを検出すると、制御部25は、その時刻をタッチ終了時刻として記憶部23に記憶する。制御部25は、タッチ終了時刻とタッチ開始時刻の差分をタッチ時間として求め、タッチ時間と、予め記憶部23に記憶しておいた閾値時間とを比較する。閾値時間は例えば3~5秒である。タッチ時間が閾値時間よりも短い場合、制御部25は、通常のタッチがされたと判定する。タッチ時間が閾値時間と同じかより長い場合、制御部25は、長押しがされたと判定する。
【0082】
通常のタッチと判定した場合(ステップS31、いいえ)、制御部25は、ログアウト処理を実行し、ステップS1に移行する。長押しがされたと判定した場合(ステップS31、はい)、制御部25は、デフォルト表示画面として設定された画面に、ログアウトボタンを詳細表示で表示する(ステップS33)。
【0083】
ログアウトボタンのタッチから、画面がタッチされることなく一定時間(例えば1~5分程度)が経過した場合(ステップS37、はい)、制御部25は図4のステップS11に進む。一定時間が経過する前に、画面がタッチされた場合(ステップS39、はい)、制御部25は、ステップS17に進む。ステップS17以後については図4と同様なので説明を省略する。
【0084】
第3実施形態によれば、簡易表示中のログアウトボタンを、長押しによって詳細表示に変更することで、ログアウトの実行前にログイン中のユーザー名を確認することができるため、意図しないログアウトを防ぐことが可能となる。
【0085】
[4.第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、ユーザーがログアウトの操作をすることなく複合機1の元を離れた場合に対処する実施形態である。第1実施形態と、構成及び処理について異なる部分のみを中心に説明する。
【0086】
図12は、複合機1が一定時間操作を受け付けなかった場合の動作を説明するためのフローチャートである。図12のフローチャートは、主にステップS41、S43を有する点で図4のフローチャートと異なる。尚、第4実施形態では、複合機1にログインするユーザーは、操作部13からログイン情報を入力して複合機1にログインしたものとする。
【0087】
ステップS9までは上述の第1実施形態での動作と同じなので説明を省略する。ステップS11において、制御部25は、ログアウトボタンを簡易表示で表示すると共に、そのときの時刻から所定の待機時間(例えば3分)が経過した後の時刻を終了時刻として定め、現在時刻と終了時刻とを比較する。
【0088】
画面がタッチされる前に、現在時刻が終了時刻に達した場合(ステップS41、はい)、制御部25は、ログアウトボタンの表示形態を詳細表示に変更する(ステップS43)。ログアウトボタンの表示形態が簡易表示に変更された後、待機時間が経過しても画面がタッチされていない状況であれば、現在ログイン中のユーザーは、複合機1の元から離れており、次にログアウトボタンを目視するユーザーは、現在ログイン中のユーザーではない可能性が考えられる。また、現在ログイン中のユーザーが複合機1の元から離れている間に、他のユーザーが複合機1にログインしてしまうケースも考え得る。そこで、第4実施形態では、次にログアウトボタンを目視するユーザーに対して、現在ログインしているユーザーが誰かを知らせるため、ステップS43にてログアウトボタンの表示形態を、ユーザー名表示を含む詳細表示に変更する。
【0089】
[5.第5実施形態]
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、ユーザーがログアウトの操作をすることなく複合機1の元を離れた場合に対処する実施形態である。第1実施形態と、構成及び処理について異なる部分のみを中心に説明する。
【0090】
図13は第5実施形態に係る複合機1の動作を説明するためのフローチャートである。第5実施形態では、制御部25は、人感センサー27を用いて複合機1の近傍に人がいるか否かを判定し、いる場合、その時刻を記憶部23に記憶する。
【0091】
ステップS11、S15及びステップS13でいいえの後、制御部25は、人感センサー27によって人が検出された最後の時刻として記憶部23に記憶された時刻と、現在の時刻との差分を求め、所定の閾値と比較することにより、複合機1の近傍で最後に人が検出された時刻から一定の待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS51)。ここでは待機時間は例えば1~5分程度である。
【0092】
人感センサー27が次に人を検出することなく、待機時間が経過した場合(ステップS51、はい)、制御部25は、現に複合機1にログインしているユーザーのログアウト処理を実行(ステップS57)し、ステップS1に移行する。これにより、新たなユーザーは、他のユーザーのログアウト処理を行うことなく、自分のログイン処理を実行することができる。
【0093】
待機時間が経過する前に、人感センサー27が人を検出した場合(ステップS53、はい)、制御部25は、ログアウトボタンの表示形態を詳細表示に変更(ステップS55)して、ステップS13に進む。待機時間が経過する前は、複合機1の元をいったん離れたログイン中のユーザーが、再び複合機1に戻ってきた可能性があるため、ログイン状態を維持する。
【0094】
[6.変形例]
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0095】
実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0096】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリーカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disc) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0097】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0098】
1 複合機(MFP)
3 ネットワーク
5 端末
11 表示部
13 操作部
15 画像入力部
17 画像形成部
19 通信部
21 接続部
23 記憶部
25 制御部
27 人感センサー
41 ログイン画面
43、91、93、95、101、103、105、107、109、121 システム領域
45 主領域
45a テンキー
47 モード名表示
49、123 システム情報ボタン
51、125 ジョブ状況ボタン
53 領域
61 ホーム画面
63、83、93a、95a、101a、103a、105a、107a、109a、127 ログアウトボタン
63a、83a、93b、95b、101b、103b、105b、107b、109b、127a アイコン
63b、93c、95c、127b ユーザー名表示
71、81 コピー画面
95d、127c 処理名称表示
103e E-mailアドレス欄
105e ファックス番号欄
111 トースト表示
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13