(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038123
(43)【公開日】2025-03-18
(54)【発明の名称】画像取得装置、画像取得方法および記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G06T1/00 340A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024221011
(22)【出願日】2024-12-17
(62)【分割の表示】P 2022551531の分割
【原出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂右
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸寿
(57)【要約】
【課題】顔画像に関する規格が定められている場合に、規格を満たす顔画像を得るために要する時間の短縮を図る。
【解決手段】画像取得装置が、複数の顔画像を取得する画像取得手段と、前記複数の顔画像のうち前記顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択する画像選択手段と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顔画像を取得する画像取得手段と、
前記複数の顔画像のうち前記顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択する画像選択手段と、
を備える画像取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像取得装置、画像取得方法および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
手続きの際に本人の顔画像が要求される場合、例えば帽子を着用していないことなど、顔画像に関する規格が定められていることが一般的である。
このように、顔画像に関する規格が定められることに関連して、特許文献1には、申請手続きで規定されている顔写真の要件を満たす顔写真画像を撮影するための自動証明写真機が記載されている。この自動証明写真機は、顔写真画像を撮影する前に、「帽子を脱いで下さい。」または「正面を向いて下さい。」など、撮影時の要件の内容を画像や音声により申請者に通知する。
【0003】
また、この自動証明写真機は、顔写真画像から検出した顔画像が顔画像要件を満たしているか否かを判定する。顔画像要件を全て満たしていない場合、自動証明写真機は、満たしていない顔画像要件の内容を画像や音声により申請者に通知し、顔写真画像の撮影をやり直す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2019-061576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔画像に関する規格が定められている場合、得られた顔画像が規格を満たしていない場合に撮影を再度行う必要が生じるなど、規格を満たす顔画像を得るために時間を要する場合が考えられる。
規格を満たす顔画像を得るために要する時間が短いことが好ましい。
【0006】
本発明の目的の一例は、上記の問題を解決することができる画像取得装置、画像取得方法および記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様によれば、画像取得装置は、複数の顔画像を取得する画像取得手段と、前記複数の顔画像のうち前記顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択する画像選択手段と、を備える。
【0008】
本発明の第二の態様によれば、画像取得方法は、複数の顔画像を取得することと、前記複数の顔画像のうち前記顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択することと、を含む。
【0009】
本発明の第三の態様によれば、記録媒体は、コンピュータに、複数の顔画像を取得することと、前記複数の顔画像のうち前記顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択することと、を実行させるためのプログラムを記録する記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
上記した画像取得装置、画像取得方法および記録媒体によれば、顔画像に関する規格が定められている場合に、規格を満たす顔画像を得るために要する時間が短いことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る免許更新システムの構成例を示す概略構成図である。
【
図2】実施形態に係る画像取得装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
【
図3】実施形態に係る画像取得装置が規格を満たす顔画像を取得する処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係る画像取得装置の構成の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る画像取得方法おける処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図6】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
以下では、運転免許更新のための顔画像の取得に実施形態を適用する場合を例に説明する。ただし、実施形態の適用範囲は、これに限定されない。規格が定められているいろいろな顔画像の取得に、以下の実施形態を適用することができる。
【0013】
図1は、実施形態に係る免許更新システムの構成例を示す概略構成図である。
図1に示す構成で、免許更新システム10は、免許更新サーバ装置100と、画像取得装置200とを備える。
免許更新サーバ装置100と画像取得装置200とは、通信ネットワーク900を介して通信を行う。
【0014】
免許更新システム10は、運転免許の更新を行うシステムである。免許更新システム10では、免許更新対象者は、画像取得装置200を用いて免許更新のための手続きの一部を事前に行うことができる。ここでいう事前は、免許センターなど免許更新のための施設へ行って免許更新手続きを行う前である。
特に、免許更新対象者は、画像取得装置200を用いて免許証用顔画像を撮影することができる。免許証用顔画像は、免許更新後の免許証に用いられる顔画像である。
【0015】
免許更新サーバ装置100は、免許更新手続きを行った免許更新対象者が、免許更新の条件を満たしているか否かを判定する。条件を満たしていると判定した場合、免許更新サーバ装置100は、免許更新後の免許証を発行する。免許更新対象者が、画像取得装置200を用いて免許用写真を撮影した場合、免許更新サーバ装置100は、画像取得装置200から免許証用顔画像を取得して免許更新後の免許証を発行する。
免許更新サーバ装置100は、例えばワークステーション(Workstation)またはパソコン(Personal Computer;PC)などのコンピュータを用いて構成されてもよい。
【0016】
画像取得装置200は、免許更新対象者が用いる機器である。上記のように、画像取得装置200を用いて免許更新のための手続きの一部を事前に行うことができる。免許更新対象者であるユーザは、画像取得装置200を用いて免許証用顔画像を撮影することができる。
また、画像取得装置200は、撮影した顔画像が免許証用顔画像の規格を満たすか否かを判定する。例えば、画像取得装置200は、撮影した顔画像が以下の規格を全て満たすか否かを判定するようにしてもよい。
【0017】
・背景が無色である。
・被撮影者が正面を向いている。
・被撮影者が帽子を被っていない。
・画像が加工されていない。
・被撮影者の像の頭上に3-4ミリの余白がある。
・顔の表情が無表情である。
・顔画像のサイズ(顔の像以外の部分を含む画像全体のサイズ)が、所定のサイズである。例えば、顔画像のサイズが、縦3センチメートル、横2.4センチメートルである。
・顔画像のうち顔の像のサイズが、所定のサイズである。例えば、顔の像の高さおよび幅が、それぞれ所定の範囲内である。
・被撮影者がカラーコンタクトレンズを使用していない。
【0018】
ただし、画像取得装置200が判定対象とする規格は、特定のものに限定されない。顔画像提出対象の手続にて要求される規格に応じて、いろいろな規格を画像取得装置200による判定対象の規格とすることができる。例えば、画像取得装置200が、上記の規格のうち一部の規格のみについて、撮影した顔画像がその規格を満たすか否かを判定するようにしてもよい。このように、画像取得装置200が、上記の規格のうち少なくとも一つを満たすか否かを判定するようにしてもよい。
画像取得装置200は、取得した複数の顔画像のうち、規格を満たすと判定した顔画像を選択する。
【0019】
画像取得装置200が、撮影した顔画像に加えて、あるいは代えて、すでに記憶している顔画像が、免許更新対象者の顔画像であるか否か、および、免許証用顔画像の規格を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
免許証用顔画像の規格を満たす顔画像が複数ある場合、画像取得装置200がそれら複数の顔画像をユーザに提示して、何れか1つの顔画像を選択させるようにしてもよい。
画像取得装置200が、免許証用顔画像の条件を満たさない顔画像について、免許証用顔画像の規格を満たしていない理由をユーザに提示するようにしてもよい。
【0020】
画像取得装置200は、免許更新対象者が所持するスマートフォンを用いて構成されてもよい。例えば画像取得装置200の、免許更新のための手続きの一部を事前に行う機能は、スマートフォンが免許更新事前手続き用のアプリケーションプログラムを実行することで実行されてもよい。
【0021】
ただし、画像取得装置200の構成は、スマートフォンを用いる構成に限定されない。例えば、画像取得装置200として照明写真機を用いるようにしてもよい。あるいは、画像取得装置200として、免許更新対象者が所持するタブレット端末またはパソコンなど、スマートフォン以外のコンピュータがカメラを備えて画像取得装置200を構成していてもよい。
【0022】
通信ネットワーク900は、免許更新サーバ装置100と画像取得装置200との通信を仲介する。通信ネットワーク900は、特定の種類の通信ネットワークに限定されず、免許更新サーバ装置100および画像取得装置200に応じていろいろな種類の通信ネットワークとすることができる。例えば、画像取得装置200がスマートフォンを用いて構成され、アクセスポイントを経由してインターネットに接続する場合、通信ネットワーク900は、アクセスポイントによる無線通信ネットワークと、インターネットと、インターネットに接続する免許更新サーバ装置100側のLAN(Local Area Network)との組み合わせを含んで構成されていてもよい。
【0023】
図2は、画像取得装置200の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図2に示す構成で、画像取得装置200は、通信部210と、表示部220と、操作入力部230と、カメラ240と、記憶部280と、制御部290とを備える。制御部290は、画像取得部291と、画像選択部292と、通知部293と、切り出し部294と、加工判定部295とを備える。
【0024】
通信部210は、制御部290の制御に従って、他の装置と通信を行う。特に通信部210は、通信ネットワーク900を経由して免許更新サーバ装置100と通信を行う。
表示部220は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示画面を備え、制御部290の制御に従って、各種画像を表示する。例えば表示部220は、ユーザに対する各種メッセージを表示する。また、カメラ240による撮影の際に、表示部220が、カメラ240が連続的に出力する撮影画像をリアルタイムで表示するようにしてもよい。
【0025】
操作入力部230は、例えば表示部220の表示画面に設けられてタッチパネルを構成するタッチセンサなどの入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付ける。
カメラ240は、入射光を画像データに変換することで撮影を行い、撮影した画像を画像データにて出力する。特に、カメラ240は、画像取得部291の制御に従って免許証用顔画像のための顔画像を撮影し、撮影した静止画像出力する。
【0026】
記憶部280は、各種データを記憶する。記憶部280は、画像取得装置200が備える記憶デバイスを用いて構成される。
制御部290は、画像取得装置200の各部を制御して各種処理を行う。制御部290の機能は、例えば、画像取得装置200が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が記憶部280からプログラムを読みだして実行することで実行される。
【0027】
画像取得部291は、免許証用顔画像のための顔画像として複数の顔画像を取得する。画像取得部291は、画像取得手段の例に該当する。
画像取得部291が、カメラ240を用いて撮影を行うことで顔画像を取得するようにしてもよい。また、画像取得部291が、カメラ240での撮影に加えて、あるいは代えて、記憶部280がすでに記憶している顔画像を読み出すことで顔画像を取得するようにしてもよい。
【0028】
画像取得部291が、通知部293がユーザである被撮影者に対する通知を開始した後、カメラ240で複数回撮影を行うようにしてもよい。
例えば、通知部293が、被撮影者の顔を動かすよう促す通知を行っているときに、あるいはこの通知を行った後に、カメラ240で複数回撮影を行うようにしてもよい。これにより、画像取得部291が、被撮影者の顔のいろいろな向きの顔画像を取得することができ、照明証用顔画像の規格のひとつである正面を向いている顔画像を取得できることが期待される。
【0029】
通知部293が、被撮影者の顔を動かすことに加えて、あるいは代えて、画像取得装置200を動かすなどカメラ240を動かすよう促す通知を行うようにしてもよい。そして、通知部293がこの通知を行っている間に、あるいはこの通知を行った後に、カメラ240で複数回撮影を行うようにしてもよい。これにより、画像取得部291が、被撮影者の顔のいろいろな向きの顔画像を取得することができ、照明証用顔画像の規格のひとつである正面を向いている顔画像を取得できることが期待される。
【0030】
画像取得部291が、カメラ240による撮影の際に、表示部220の表示画面のうちカメラ240に近い部分に、カメラ240が連続的に出力する撮影画像をリアルタイムで表示させるようにしてもよい。これにより、被撮影者であるユーザは、カメラ240から視線をずらさずに画像を見て、適切に免許証用顔画像を撮影できるか確認することができる。
画像取得部291が、カメラ240で撮影した画像に、撮影日等のメタ情報を紐づけるようにしてもよい。
【0031】
画像選択部292は、画像取得部291が取得する複数の顔画像のうち、免許証用顔画像の規格を満たす顔画像を選択する。
画像取得装置200について上述したように、画像選択部292が、顔画像の規格について、背景が無色である、被撮影者が正面を向いている、被撮影者が着帽していない、画像が加工されていない、被撮影者の像の頭上に所定の余白がある、被撮影者が無表情である、画像全体のサイズが所定のサイズである、顔の像の高さおよび幅がそれぞれ所定の範囲内である、および、被撮影者がカラーコンタクトレンズを着用していない、との規格のうち少なくとも一つを満たす顔画像を選択するようにしてもよい。
画像選択部292は、画像選択手段の例に該当する。
【0032】
免許証用顔画像の規格を満たす顔画像が複数ある場合、画像選択部292が、ユーザによるいずれか1つの顔画像の選択を受け付けるようにしてもよい。例えば、画像選択部292が、表示部220を制御して、免許証用顔画像の規格を満たす複数の顔画像を表示させるようにしてもよい。そして、操作入力部230が受け付けるユーザ操作に応じて、画像選択部292が、複数の顔画像のうちいずれか1つを選択するようにしてもよい。
【0033】
通知部293は、撮影に関する通知を行う。通知部293が行う、撮影に関する通知は、特定の種類の通知に限定されない。例えば、通知部293が行う、撮影に関する通知は、被撮影者が無帽であることなど、被撮影者に関する条件の通知であってもよい。あるいは、通知部293が行う、撮影に関する通知は、被撮影者の顔を動かす、または、画像取得装置200を動かすなど、撮影時の動作に関する通知であってもよい。
通知部293は、通知手段の例に該当する。
【0034】
ユーザが自撮りを行う場合、すなわち、ユーザが画像取得装置200を用いてユーザ自らを撮影する場合、通知部293は、被撮影者であるユーザに対する通知を行う。以下では、ユーザが画像取得装置200を用いてユーザ自らを撮影する場合を例に説明する。ただし、画像取得装置200を操作する者と被撮影者とが異なっていてもよい。画像取得装置200を操作する者を撮影者とも称する。
【0035】
通知部293が行う通知の方法は、特定の方法に限定されない。例えば、通知部293は、表示部220にメッセージを表示させるようにしてもよい。あるいは、通知部293が、表示部220によるメッセージの表示に加えて、あるいは代えて、画像取得装置200が備えるスピーカに音声でメッセージを出力させるようにしてもよい。
【0036】
特に、通知部293は、免許証用顔画像のための顔画像の撮影時に、撮影に関する通知を行う。
上記のように、通知部293が、ユーザの顔を動かすように促す通知を行うようにしてもよい。例えば、通知部293が、ユーザの顔を左右に動かすように促す通知を行うようにしてもよい。あるいは、通知部293が、ユーザの顔を上下左右に動かすように促す通知を行うようにしてもよい。
【0037】
あるいは、通知部293が、所定の順番で所定の向きにユーザの顔を向けるように促す通知を行うようにしてもよい。例えば、通知部293が、所定時間ごとに矢印の向きを切り替えて、表示部220に矢印を表示させるようにしてもよい。そして、通知部293が、ユーザに対して、矢印が表示されているタイミングで矢印の向きに顔を動かすように促すようにしてもよい。
ただし、通知部293が行う、ユーザの顔を動かすように促す通知は、これらに限定されない。
【0038】
上記のように、通知部293が、ユーザの顔を動かすことに加えて、あるいは代えて、画像取得装置200を動かすなどカメラ240を動かすよう促す通知を行うようにしてもよい。
画像取得装置200について上述したように、画像取得部291が、免許証用顔画像の条件を満たさない顔画像について、免許証用顔画像の規格を満たしていない理由をユーザに提示するようにしてもよい。
【0039】
切り出し部294は、画像取得部291が取得した顔画像のうち免許証用顔画像の規格に応じた部分画像を切り出す。切り出し部294は、切り出し手段の例に該当する。
例えば、切り出し部294は、顔画像に対して拡大縮小、および、傾き補正のための回転を行う。そして、切り出し部294は、免許証用顔画像の大きさとして規定される縦3センチメートル、横2.4センチメートルの部分画像を切り出す。切り出し部294は、得られる画像が、肩幅のサイズ、および、被撮影者の像の頭上の余白など、免許証用顔画像の規格を満たすように、上記の拡大縮小、回転、および、部分画像の切り出しを行う。
切り出し部294が、顔画像の背景を無色にする修正を行うようにしてもよい。
【0040】
加工判定部295は、画像の加工の有無を判定する。特に、画像取得部291が、記憶部280が既に記憶している顔画像を取得した場合、加工判定部295は、この顔画像について加工の有無を判定する。
カメラ240がユーザの顔画像を撮影し、加工判定部295が、撮影された顔画像と、画像取得部291が記憶部280から取得した顔画像とを比較するようにしてもよい。例えば、加工判定部295が、目、鼻および口など顔の各部の相対的な大きさおよび位置関係を比較するようにしてもよい。これにより、特にモーフィング(Morphing)等の加工を検出できることが期待される。
加工判定部295が、上記の比較に加えて、あるいは代えて、画像の輝度が所定の閾値よりも明るいか否か、顔の輪郭に不連続な部分があるか否かを判定するようにしてもよい。
【0041】
図3は、画像取得装置200が規格を満たす顔画像を取得する処理手順の例を示すフローチャートである。
図3の処理で、通知部293は、免許証用顔画像のための顔画像の撮影に関する通知を行う(ステップS101)。上記のように、通知部293が、ユーザの顔を動かすように促す通知を行うようにしてもよい。通知部293が、ユーザの顔を動かすように促すことに加えて、あるいは代えて、画像取得装置200を動かすなどカメラ240を動かすよう促す通知を行うようにしてもよい。
【0042】
次に、カメラ240が画像取得部291の制御に従って複数回撮影を行う(S102)。画像取得部291が、カメラ240の撮影画像を参照してユーザが顔を動かしているか否かを判定し、ユーザが顔を動かしている間、カメラ240に撮影を続けさせるようにしてもよい。
画像取得部291が、カメラ240による撮影画像に加えて、あるいは代えて、記憶部280が記憶している顔画像を取得するようにしてもよい。
【0043】
次に、切り出し部294が、ステップS102で得られた画像の各々から部分画像を切り出す(ステップS103)。上述したように、切り出し部294は、免許証用顔画像の規格に応じて画像の拡大縮小および回転を行い、免許証用顔画像の規格に規定される大きさの顔画像を切り出す。規格を満たす部分画像を得られない場合、切り出し部294が、部分画像に変えて、切り出しに失敗した旨の情報を出力するようにしてもよい。
【0044】
次に、加工判定部295は、切り出し部294が切り出した部分画像(顔画像)の各々について、加工の有無を判定する(ステップS104)。
そして、画像選択部292が、加工なしと判定された顔画像のうち免許証用顔画像の規格を満たす顔画像を選択する(ステップS105)。免許証用顔画像の規格を満たす顔画像と判定される顔画像が複数ある場合、画像選択部292が、ユーザの選択に基づいて、これら複数の顔画像のうちいずれか1つを選択するようにしてもよい。
ステップS105の後、画像取得装置200は、
図3の処理を終了する。
【0045】
以上のように、画像取得部291は、複数の顔画像を取得する。画像選択部292は、複数の顔画像のうち顔画像の使用目的に応じて規定される規格である免許証用顔画像の規格を満たす顔画像を選択する。
このように、画像取得部291が複数の顔画像を取得しておくことで、規格を満たす顔画像を得るために要する時間が短いことが期待される。
【0046】
特に、1つの顔画像を取得し、得られた顔画像が規格を満たさないと判定された場合に、さらに顔画像を取得する方法と比較して、画像取得装置200では、規格を満たすかの判定と、画像の取得との処理の切り替えが繰り返し発生しないことで、時間が短いことが期待される。
【0047】
また、通知部293は、撮影に関する通知を行う。画像取得部291は、通知部293が通知を開始した後、カメラ240で複数回撮影を行う。
撮影者または被撮影者、あるいは両者が、通知部293の通知に従うことで、免許証用顔画像の規格を満たす顔画像を得られる可能性が高くなる。
【0048】
また、通知部293は、被撮影者の顔を動かすよう促す通知を行う。
これにより、画像取得部291が、被撮影者の顔のいろいろな向きの顔画像を取得することができ、照明証用顔画像の規格のひとつである正面を向いている顔画像を取得できることが期待される。
【0049】
また、画像取得部291は、通知部293が、被撮影者の顔を動かすよう促す通知を行っている間に、カメラ240で複数回撮影を行う。これにより、画像取得部291が、被撮影者が顔を動かしているタイミングで撮影を行うことができ、上記のように、被撮影者の顔のいろいろな向きの顔画像を取得できると期待される。
【0050】
また、通知部293は、カメラ240を動かすよう促す通知を行う。
これにより、画像取得部291が、被撮影者の顔のいろいろな向きの顔画像を取得することができ、照明証用顔画像の規格のひとつである正面を向いている顔画像を取得できることが期待される。
【0051】
また、画像取得部291は、通知部293が、カメラ240を動かすよう促す前記通知を行っている間に、カメラ240で複数回撮影を行う。これにより、画像取得部291が、撮影者がカメラを動かしているタイミングで撮影を行うことができ、上記のように、被撮影者の顔のいろいろな向きの顔画像を取得できると期待される。
【0052】
また、通知部293は、被撮影者に対して通知を行う。
画像取得装置200では、ユーザが被撮影者である場合、すなわち、ユーザがユーザ自らを撮影する場合についても、被撮影者が通知部293の通知に従うことで、免許証用顔画像の規格を満たす顔画像を得られる可能性が高くなる。
【0053】
また、切り出し部294は、顔画像のうち規格に応じた部分画像を切り出す。
これにより、画像取得装置200では、照明証用顔画像の規格に応じた大きさの顔画像を得られる。
【0054】
図4は、実施形態に係る画像取得装置の構成の例を示す図である。
図4に示す構成で、画像取得装置610は、画像取得部611と、画像選択部612とを備える。
かかる構成で、画像取得部611は、複数の顔画像を取得する。画像選択部612は、画像取得部611が取得する複数の顔画像のうち顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択する。
画像取得部611は、画像取得手段の例に該当する。画像選択部612は、画像選択手段の例に該当する。
【0055】
このように、画像取得部611が複数の顔画像を取得しておくことで、規格を満たす顔画像を得るために要する時間が短いことが期待される。
特に、1つの顔画像を取得し、得られた顔画像が規格を満たさないと判定された場合に、さらに顔画像を取得する方法と比較して、画像取得装置610では、規格を満たすかの判定と、画像の取得との処理の切り替えが繰り返し発生しないことで、時間が短いことが期待される。
【0056】
図5は、実施形態に係る画像取得方法おける処理手順の例を示すフローチャートである。
図5に示す画像取得方法は、画像を取得すること(ステップS611)と、画像を選択すること(ステップS612)とを含む。
【0057】
画像を取得すること(ステップS611)では、複数の顔画像を取得する。画像を選択すること(ステップS612)では、ステップS611で得られた複数の顔画像のうち顔画像の使用目的に応じて規定される規格を満たす顔画像を選択する。
【0058】
このように、複数の顔画像を取得しておくことで、規格を満たす顔画像を得るために要する時間が短いことが期待される。
特に、1つの顔画像を取得し、得られた顔画像が規格を満たさないと判定された場合に、さらに顔画像を取得する方法と比較して、
図5に記載の方法によれば、規格を満たすかの判定と、画像の取得との処理の切り替えが繰り返し発生しないことで、時間が短いことが期待される。
【0059】
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図6に示す構成で、コンピュータ700は、CPU710と、主記憶装置720と、補助記憶装置730と、インタフェース740とを備える。
【0060】
上記の画像取得装置200および画像取得装置610のうち何れか1つ以上が、コンピュータ700に実装されてもよい。その場合、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。各装置と他の装置との通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
【0061】
画像取得装置200がコンピュータ700に実装される場合、制御部290およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、記憶部280に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0062】
通信部210による通信は、インタフェース740が通信機を有し、CPU710の制御に従って動作することで実行される。表示部220による表示は、インタフェース740が表示装置を有し、CPU710の制御に従って各種画像を表示することで実行される。操作入力部230によるユーザ操作の受け付けは、インタフェース740が入力デバイスを有し、受け付けたユーザ操作を示す情報をCPU710に出力することで実行される。カメラ240による撮影は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0063】
画像取得装置610がコンピュータ700に実装される場合、画像取得部611および画像選択部612の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、画像取得装置610が処理を行うための記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0064】
画像取得装置610が行う通信は、インタフェース740が通信機を有し、CPU710の制御に従って動作することで実行される。画像取得装置610が行う表示は、インタフェース740が表示装置を有し、CPU710の制御に従って各種画像を表示することで実行される。画像取得装置610によるユーザ操作の受け付けは、インタフェース740が入力デバイスを有し、受け付けたユーザ操作を示す情報をCPU710に出力することで実行される。画像取得装置610による撮影は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0065】
なお、画像取得装置200および画像取得装置610が行う処理の全部または一部を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0066】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の実施形態は、画像取得装置、画像取得方法および記録媒体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 免許更新システム
100 免許更新サーバ装置
200、610 画像取得装置
210 通信部
220 表示部
230 操作入力部
240 カメラ
280 記憶部
290 制御部
291、611 画像取得部
292、612 画像選択部
293 通知部
294 切り出し部
295 加工判定部
900 通信ネットワーク