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特開2025-38601RAN Intelligent Controller(RIC)及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038601
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】RAN Intelligent Controller(RIC)及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/22 20090101AFI20250312BHJP
   H04W 88/12 20090101ALI20250312BHJP
   H04W 40/24 20090101ALI20250312BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20250312BHJP
【FI】
H04W92/22
H04W88/12
H04W40/24
H04W24/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145321
(22)【出願日】2023-09-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐司
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】A1ポリシー施行のために使用されるNear-RT RANインテリジェントコントローラ(RIC)アプリケーション(xApp)を指定することをNon-RT RICに可能にすることに寄与する。
【解決手段】第1のRICは、第1のRICと1又はそれ以上の無線アクセスネットワークノードとの間に配置される第2のRICに、第1のRICと第2のRICとの間のインタフェースを介して、ポリシーの施行に関する要求を送る。当該要求又はポリシーは、第2のRICにホストされており且つ当該ポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する識別子を包含する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) であって、
前記第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送る手段を備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
第1のRIC。
【請求項2】
前記第1の識別子は、前記第2のRIC上で動作するよう構成され且つ前記第2のRICに登録された複数のアプリケーションを区別するために前記第2のRICによって割り当てられた識別子である、
請求項1に記載の第1のRIC。
【請求項3】
前記第1の識別子は、互いに異なる機械学習モデルを包含する複数のアプリケーションを区別する、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項4】
前記第1の識別子は、互いに異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作するアプリケーションを区別する、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項5】
前記第1の要求は、前記第1のポリシーを施行するために前記第1の識別子に関連付けられたアプリケーションを選択する又は割り当てることを前記第2のRICに引き起こす、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項6】
前記送る手段は、前記第2のRICに、前記第1のインタフェースを介して、第2のポリシーの施行に関する第2の要求をさらに送るよう適合され、
前記第2の要求又は前記第2のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第2のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第2の識別子を包含し、
前記第2のポリシーは、前記第1のポリシーと同じポリシータイプであり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が関連付けられたアプリケーションとは別に前記第2のRICに登録されたアプリケーションに関連付けられる、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項7】
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるスコープを指定する、
請求項6に記載の第1のRIC。
【請求項8】
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるポリシーステートメントを指定する、
請求項6に記載の第1のRIC。
【請求項9】
前記第1のポリシーは、ポリシーステートメント、前記ポリシーステートメントが適用されるスコープを表すスコープ識別子、及び前記第1の識別子を包含する、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項10】
前記第1の要求は、前記第1のポリシーの作成又は更新を要求する、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項11】
前記第1のRICは、Open Radio Access Network (O-RAN) Non-Real-Time (Non-RT) RICであり、
前記第2のRICは、O-RAN Near-Real-Time (Near-RT) RICであり、
前記第1のインタフェースは、A1インタフェースであり、
前記第1のポリシーは、A1ポリシーであり、
前記アプリケーションは、Near-RT RICアプリケーション(xApps)である、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項12】
前記第1のRICを含むService Management and Orchestration(SMO) フレームワークと前記第2のRICとの間の第2のインタフェースを介して、前記アプリケーションを前記第2のRICに配置する手段をさらに備える、
請求項1又は2に記載の第1のRIC。
【請求項13】
前記第2のインタフェースは、O1インタフェース又はO2インタフェースである、
請求項12に記載の第1のRIC。
【請求項14】
第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) であって、
前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信する手段を備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
第2のRIC。
【請求項15】
前記第1の識別子は、前記第2のRIC上で動作するよう構成され且つ前記第2のRICに登録された複数のアプリケーションを区別するために前記第2のRICによって割り当てられた識別子である、
請求項14に記載の第2のRIC。
【請求項16】
前記第1の識別子は、互いに異なる機械学習モデルを包含又は使用する又複数のアプリケーションを区別する、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項17】
前記第1の識別子は、互いに異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作するアプリケーションを区別する、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項18】
前記第1の要求の受信に応じて、前記第1のポリシーを施行するために前記第1の識別子に関連付けられたアプリケーションを選択する又は割り当てる手段をさらに備える、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項19】
前記受信する手段は、前記第2のRICに、前記第1のインタフェースを介して、第2のポリシーの施行に関する第2の要求をさらに受信するよう適合され、
前記第2の要求又は前記第2のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第2のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第2の識別子を包含し、
前記第2のポリシーは、前記第1のポリシーと同じポリシータイプであり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が関連付けられたアプリケーションとは別に前記第2のRICに登録されたアプリケーションに関連付けられる、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項20】
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるスコープを指定する、
請求項19に記載の第2のRIC。
【請求項21】
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるポリシーステートメントを指定する、
請求項19に記載の第2のRIC。
【請求項22】
前記第1のポリシーは、ポリシーステートメント、前記ポリシーステートメントが適用されるスコープを表すスコープ識別子、及び前記第1の識別子を包含する、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項23】
前記第1の要求は、前記第1のポリシーの作成又は更新を要求する、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項24】
前記第1のRICは、Open Radio Access Network (O-RAN) Non-Real-Time (Non-RT) RICであり、
前記第2のRICは、O-RAN Near-Real-Time (Near-RT) RICであり、
前記第1のインタフェースは、A1インタフェースであり、
前記第1のポリシーは、A1ポリシーであり、
前記アプリケーションは、Near-RT RICアプリケーション(xApps)である、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項25】
前記第1のRICを含むService Management and Orchestration(SMO) フレームワークと前記第2のRICとの間の第2のインタフェースを介した、前記アプリケーションの前記第1のRICからの配備をサポートする手段をさらに備える、
請求項14又は15に記載の第2のRIC。
【請求項26】
前記第2のインタフェースは、O1インタフェース又はO2インタフェースである、
請求項25に記載の第2のRIC。
【請求項27】
第1のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) により行なわれる方法であって、
前記第1のRICと1又はそれ以上の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送ることを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
【請求項28】
第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) により行なわれる方法であって、
前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信することを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
【請求項29】
第1のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、前記第1のRICと1又はそれ以上の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送信するように前記第1のRICを制御することを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
【請求項30】
第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信するように前記第2のRICを制御することを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線アクセスネットワークの制御及び最適化に関する論理機能、コントローラ、又はシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Open Radio Access Network (O-RAN) Allianceは、モバイル通信事業者、ベンダー、及び研究・学術機関によるコミュニティであり、無線アクセスネットワーク(radio access networks (RANs))をよりインテリジェントで、オープンで、仮想化され、且つ完全相互運用可能なものに再構築することをミッションとしている。O-RAN Allianceは、Non-Real-Time (Non-RT) RAN Intelligent Controller (RIC) 及びNear-RT RICを含むアーキテクチャについての技術検討を行い、これらに関する技術仕様(technical specifications)を提供している(例えば、非特許文献1-10を参照)。
【0003】
Non-RT RICは、Service Management and Orchestration(SMO) フレームワーク内の論理的な機能である(例えば、非特許文献1-7を参照)。SMOフレームワークは、単にSMOと呼ばれることもある。Non-RT RICは、Non-RT RICフレームワークとNon-RT RIC applications (rApps) で構成される。Non-RT RICフレームワークは、A1インタフェースを論理的に終端(terminate)し、R1サービスのセットをrAppsにR1インタフェースを介して公開(expose)する機能(functionality)を含む。A1終端は、Non-RT RICフレームワークとNear-RT RICがA1インタフェース上でメッセージを交換することを可能にする。R1サービスのセットは、他のサービスと共に、A1関連サービス(A1-related services)及びO1関連サービスを含む。
【0004】
A1関連サービスは、他のサービスとともに、A1ポリシー(polices)の作成(creating)、更新(updating)、問合せ(querying)、及び削除(deleting)、A1ポリシーの実施状況(enforcement status)の問合せ、並びにA1ポリシーの実施状況の変更を通知を含むA1ポリシーに関するイベント通知への加入(subscription)を含む。
【0005】
O1関連サービスは、SMOフレームワーク及びNon-RT RICフレームワークの一方又は両方により提供される。O1関連サービスは、アラームに関する情報を取得すること、ネットワークに関連するパフォーマンス情報を取得すること、ネットワークの現在のコンフィグレーションを取得すること、ネットワークの構成の変更をプロビジョンすること、及びネットワークに関連する追加情報を取得することをrAppsに可能にする。
【0006】
SMOフレームワークは、Non-RT RIC内でアンカーされていない様々な論理的な機能を提供する。これらの論理的な機能は、他の機能とともに、O1終端(termination)、O2終端、及び外部終端(external terminations)を含む。O1終端は、SMOフレームワークがNear-RT RIC及びE2ノード(nodes)とO1インタフェース上でメッセージ交換することを可能にする。O2終端は、SMOフレームワークがO-CloudプラットフォームとO2インタフェース上でメッセージ交換することを可能にする。
【0007】
O-Cloudプラットフォームは、関連するO-RAN機能、サポートするソフトウェアコンポーネント、並びに適切な管理及びオーケストレーション機能をホストするO-RAN要件を満たす物理的なインフラストラクチャーノードの集合体で構成される、クラウドコンピューティングプラットフォームである(例えば、非特許文献1及び9を参照)。関連するO-RAN機能は、例えば、Near-RT RIC及びE2ノードを含む。O-Cloud プラットフォームは、単にO-Cloudとも呼ばれる。外部終端は、SMOフレームワーク又はNon-RT RICフレームワークがO-RANの範囲外のインタフェースを介して外部エンティティ(entities)とメッセージを交換することを可能にする。
【0008】
rAppsは、Non-RT RIC内で動作(run)するように設計されたアプリケーションである。rAppsは、SMOフレームワークの一部としてNon-RT RIC内で実行される。rAppsは、Non-RT RICにより公開(exposed)される機能(functionality)を活用し、ポリシーガイダンス、エンリッチメント情報、設定管理、及びデータ分析など、RANの最適化と運用をサポートし且つ促進するための付加価値サービスを提供する。
【0009】
Near-RT RICは、E2インタフェース上でのきめ細かなデータ収集及びアクションにより、RAN要素及びリソースの準リアルタイムの制御と最適化を可能にする論理的な機能である(例えば、非特許文献1及び8を参照)。Near-RT RICは、Near-RT RIC applications (xApps) と呼ばれるアプリケーションのセットをホストし、xAppsによってホストされる特定の機能をサポートするために共通に使用されるプラットフォーム機能のセットを提供する。プラットフォーム機能のセットは、他の機能とともに、インタフェース終端(terminations)及びNear-RT RIC Application Programming Interfaces (APIs) の提供を含む。インタフェース終端は、E2終端、A1終端、及びO1終端を含み、これらはそれぞれE2インタフェース、A1インタフェース、及びO1インタフェースの終端を提供する。
【0010】
E2インタフェースは、Near-RT RICを1又はそれ以上のE2ノードに接続する。E2ノードは、E2 インタフェースを終端する論理ノードである。E2ノードは、RANノードであり、1又はそれ以上のRAN機能をNear-RT RIC及びホストされたxAppsに公開(exposes)する。E2ノードは、NRアクセスのために、1又はそれ以上のO-RAN Central Units - Control Plane (O-CU-CPs)、1又はそれ以上のO-RAN Central Units - User Plane(O-CU-UPs)、1又はそれ以上のO-RAN Distributed Units (O-DUs)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。一方、Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA)アクセスのために、E2ノードは、1又はそれ以上のO-RAN eNodeBs (O-eNBs)を含む。
【0011】
Near-RT RIC APIsは、他のAPIs共に、A1関連APIs、E2関連APIs、及び管理(Management)APIsを含む。A1関連APIsは、A1ポリシー施行(enforcement)及びA1エンリッチメント情報の転送に関するA1関連機能にアクセスすることをxAppsに可能にする。管理APIsは、xAppsの機械学習(Machine Learning (ML))モデル関連API及びFault, Configuration, Accounting, Performance, and Security (FCAPS) 関連APIsを含む。FCAPS関連APIsは、xApp登録(Registration)API及び設定(Configuration)APIを含む。xApp登録APIは、xAppが配置(デプロイ、deployed)された後に当該xAppのNear-RT RICプラットフォームへの登録をサポートする。設定APIは、SMOからxAppへの設定(configurations)の転送をサポートする。
【0012】
xAppsは、Near-RT RIC内で動作するように設計されたアプリケーションである。xAppsは、RAN(O-RAN)の一部としてNear-RT RICで実行される。xAppsは、Near-RT RICから独立しており、サードパーティによって提供され得る。xAppは、1又はそれ以上のマイクロサービスから構成される可能性がある。xAppは、標準化されたE2インタフェース及びE2サービスモデル(E2SM)を介して無線リソース管理を提供するために使用される。例えば、xAppは、RANからデータを受信し、必要に応じて制御アクションを計算して送り返す。xAppは、SMOによってNear-RT RICに配置(deployed)されることができ、Near-RT RICのxApp登録APIを介してNear-RT RICに登録されることができる(例えば、非特許文献8及び10を参照)。
【0013】
以下では、A1インタフェース上でのA1ポリシー管理について説明される(例えば、非特許文献4-6を参照)。Non-RT RICは、Near-RT RICにA1インタフェース上で提供されるA1ポリシーを定義する。A1ポリシーは、User Equipment (UE) 及びセルに適用されるポリシー目的(policy objectives)及びポリシーリソース(policy resources)に関するステートメント(statements)を含む宣言型ポリシーである。A1ポリシーの目的は、RANのパフォーマンスをRAN意図で表現された全体的なゴールに導くことである。言い換えると、A1ポリシーの目的は、RAN意図をより良く満たすようにNear-RT RIC機能を、ひいてはRANを導くことをSMOのNon-RT RIC機能に可能にすることである。RAN意図は、RANが達成すべきハイレベルな運用又はビジネス上のゴールの表現であり、一定の期間において特定のエリアの全ユーザー又はあるクラスのユーザーに対してRANが満たすべき望ましいService Level Agreements (SLAs) を指定することをオペレーターに可能にする。
【0014】
Non-RT RICは、A1ポリシー・フィードバックとO1経由で提供されるネットワーク状態に基づいて、A1ポリシーを管理する。Non-RT RICは、O1観測値(observables)を使用して、RAN意図の達成に向けたA1ポリシーのインパクトを継続的に評価し、内部条件に基づいてA1ポリシーで表されるゴールの発行又は更新を決定する。Near-RT RICは、その内部機能又はアプリケーション、O1経由で受信した設定、及びA1経由で受信した一時的なA1ポリシーに基づいて機能する。
【0015】
A1ポリシーのタイプは、ポリシータイプ識別子(PolicyTypeId)によって識別される。異なるポリシータイプは、異なるPolicyTypeIdを持つ。PolicyTypeIdに基づいてスキーマが特定され,そのタイプのA1ポリシーの作成(creation)、検証(validation)、策定(formulation)、及び状態の問合せ(query)のために使用される。
【0016】
A1ポリシーは、Non-RT RICによって割り当てられるポリシー識別子(PolicyId)によって識別される。ポリシー識別子(PolicyId)は、Non-RT RIC内でローカルに一意であり、A1ポリシーの表現(representations)を伝えるポリシー要求操作で送信される。
【0017】
A1ポリシーは、スコープ識別子(scope identifier)と1つ以上のポリシーステートメントから構成される。スコープ識別子は、ポリシーステートメント(statements)が適用される対象を表す(例えば、UEs、QoS flows、又はセル(cells))。ポリシーステートメント(statements)は、Near-RT RICにゴールを表明し、ポリシー目的(objectives)及びポリシーリソース(resources)をカバーする。
【0018】
より具体的には、1つのA1ポリシーは、ポリシー識別子(policyId)によって識別され、ポリシーオブジェクト(PolicyObject)と呼ばれるJavaScript Object Notation (JSON) オブジェクトとして表現される。1つのポリシーオブジェクトは、1つのスコープ識別子と、少なくとも1つのポリシーステートメントを包含する。少なくとも1つのポリシーステートメントは、1つ以上のポリシー目的(objective)ステートメント及び/又は1つ以上のポリシーリソースステートメントを含むことができる。ポリシー識別子(policyId)は、ポリシーの作成時にA1 Policy Management Service (A1-P) コンシューマー、つまりNon-RT RICによって割り当てられる。特定のA1ポリシーに対するポリシー・フィードバックは、ポリシーの作成時にcallback Uniform Resource Identifier (URI)を提供することによって加入される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】O-RAN ALLIANCE Working Group 1, "O-RAN Architecture Description 9.0", O-RAN.WG1.OAD-R003-v09.00, 2023年6月
【非特許文献2】O-RAN ALLIANCE Working Group 2, "O-RAN Non-RT RIC & A1 interface: Use Cases and Requirements 7.0", O-RAN.WG2.Use-Case-Requirements-v07.00, 2023年6月
【非特許文献3】O-RAN ALLIANCE Working Group 2, "O-RAN Non-RT RIC Architecture 3.0", O-RAN.WG2.Non-RT-RIC-ARCH-R003-v03.00, 2023年6月
【非特許文献4】O-RAN ALLIANCE Working Group 2, "O-RAN A1 interface: General Aspects and Principles 3.01", O-RAN.WG2.A1GAP-R003-v03.01, 2023年3月
【非特許文献5】O-RAN ALLIANCE Working Group 2, "O-RAN A1 interface: Application Protocol 4.0", O-RAN.WG2.A1AP-R003-v04.00, 2023年3月
【非特許文献6】O-RAN ALLIANCE Working Group 2, "O-RAN A1 interface: Type Definitions 5.01", O-RAN.WG2.A1TD-v05.01, 2023年6月
【非特許文献7】O-RAN ALLIANCE Working Group 2, "O-RAN AI/ML workflow description and requirements 1.03", O-RAN.WG2.AIML-v01.03, 2021年10月
【非特許文献8】O-RAN ALLIANCE Working Group 3, "O-RAN Near-RT RIC Architecture 4.0", O-RAN.WG3.RICARCH-R003-v04.00, 2023年3月
【非特許文献9】O-RAN ALLIANCE Working Group 6, "O-RAN Cloud Architecture and Deployment Scenarios for O-RAN Virtualized RAN 4.0", O-RAN.WG6.CADS-v04.00, 2022年10月
【非特許文献10】O-RAN ALLIANCE Working Group 10, "O-RAN Operations and Maintenance Architecture 9.0", O-RAN.WG10.OAM-Architecture-R003-v09.00, 2023年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
現在のO-RAN技術仕様(例えば、非特許文献4-6)によれば、Non-RT RICは、A1インタフェースを介して、A1ポリシーの作成(又はセットアップ)をNear-RT RICに要求できる。しかしながら、Non-RT RICは、A1ポリシーの作成に関してそのA1ポリシーの施行又は達成のために使用されるべきxAppをNear-RT RICに指定することができない。
【0021】
A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RICに可能にすることは、一例としてxAppのカナリアリリース(canary release)のために有益であるかもしれない。Non-RT RICは、O1インタフェース(又はO2インタフェース)を介して、xAppをNear-RT RICに配置できる。また、Non-RT RICは、当該xAppにアサインされるであろうA1ポリシーの作成をNear-RT RICにA1インタフェースを介して要求できる。Near-RT RICは、当該A1ポリシーの施行のために当該xAppを選択し、当該A1ポリシーを当該xAppに割り当てることができる。その後に当該xAppの新バージョンがリリースされると、新バージョンxAppの導入のリスクを低減するために、カナリアリリースを採用できることが好ましいかもしれない。具体的には、旧バージョンxAppに割り当てられたA1ポリシーのスコープ(e.g.,セルA、B、及びC)のうちの一部(e.g., セルC)のみを対象として新バージョンxAppが新たなA1ポリシーを施行しつつ、並行して、旧バージョンxAppが更新されたスコープ(e.g., セルA及びB)において更新されたA1ポリシーの施行を継続することが好ましいかもしれない。しかしながら、Non-RT RICは、A1ポリシーの作成に関してそのA1ポリシーの施行又は達成のために使用されるべきxAppをNear-RT RICに指定することができない。したがって、Non-RT RIC(又はSMO)が旧バージョンxApp及び新バージョンxAppを共にNear-RT RIC上に配置したとしても、更新されたA1ポリシー(e.g., セルA及びBをスコープとする)と新たなA1ポリシー(e.g., セルCをスコープとする)は、Non-RT RICが望むように、これら2つのバージョンのxAppに割り当てられるとは限らない。
【0022】
A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RICに可能にすることは、上述のxAppのカナリアリリースに限らず他の目的のためにも有益であり得る。具体的には、これは、同一ポリシータイプの複数のA1ポリシーを、Non-RT RICが意図するように、異なるxAppsにアサインすることを可能にするために広く有益であり得る。ここで、異なるxAppsは、Near-RT RICに別々に配置され且つ登録された複数のxAppsを意味する。カナリアリリースに関して説明したように、異なるxAppsは、同じxAppソフトウェアの旧バージョン及び新バージョンであってもよい。あるいは、異なるxAppsは、同一又は類似のRAN最適化目的のために、異なるソフトウェアベンダーにより作成された複数のxAppsであってもよい。あるいは、異なるxAppsは、異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作する同一バージョンxAppの異なるアプリケーション・インスタンスであってもよい。
【0023】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RICに可能にすることに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
第1の態様では、第1のRICは、前記第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送るよう構成される。前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する。
【0025】
第2の態様では、第1のRICにより行なわれる方法は、前記第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送ることを含む。前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する。
【0026】
第3の態様では、第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRICは、前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信するよう構成される。前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する。
【0027】
第4の態様では、第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRICにより行なわれる方法は、前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信することを含む。前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する。
【0028】
第5の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第2又は第4の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0029】
上述の態様によれば、A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RICに可能にすることに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】1又はそれ以上の実施形態に関係する、O-RAN論理アーキテクチャの一例を示す図である。
図2】1又はそれ以上の実施形態に関係する、A1ポリシー管理に関するNon-RT RIC及びNear-RT RICの機能の一例を示す図である。
図3】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RIC及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図4】1又はそれ以上の実施形態に関係する、A1ポリシーの構造の一例を示す図である。
図5】1又はそれ以上の実施形態に関係する、ポリシーオブジェクトのフォーマットの一例を示す図である。
図6】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RIC及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図7】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RIC及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図8】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RICの動作の一例を示す図である。
図9A】1又はそれ以上の実施形態に関係する、SMOフレームワーク、Non-RT RIC、及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図9B】1又はそれ以上の実施形態に関係する、SMOフレームワーク、Non-RT RIC、及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図9C】1又はそれ以上の実施形態に関係する、SMOフレームワーク、Non-RT RIC、及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図9D】1又はそれ以上の実施形態に関係する、SMOフレームワーク、Non-RT RIC、及びNear-RT RICの動作の一例を示すシーケンス図である。
図10】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RICの動作の一例を示す図である。
図11】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RICの動作の一例を示す図である。
図12】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RICの動作の一例を示す図である。
図13】1又はそれ以上の実施形態に関係する、Non-RT RIC及びNear-RT RICの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0032】
以下に説明される複数の実施形態はそれぞれ単独で用いられることもできるし、2つ以上の実施形態が適宜組み合わせてられてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有し得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的の達成又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与し得る。
【0033】
各図面は、1又はそれ以上の実施形態を説明するための単なる例示である。各図面は、1つの特定の実施形態のみに関連付けられるのではなく、1又はそれ以上の他の実施形態に関連付けられてもよい。当業者であれば理解できるように、いずれか1つの図面を参照して説明される様々な特徴又はステップは、例えば明示的に図示または説明されていない実施形態を作り出すために、1又はそれ以上の他の図に示された特徴又はステップと組み合わせることができる。例示的な実施形態を説明するためにいずれか1つの図に示された特徴またはステップのすべてが必ずしも必須ではなく、一部の特徴またはステップが省略されてもよい。いずれかの図に記載されたステップの順序は、適宜変更されてもよい。
【0034】
以下に示される複数の実施形態は、O-RAN技術仕様に従うNon-RT RIC及びNear-RT RICを主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、O-RAN Non-RT RIC及びNear-RT RICと類似の技術をサポートする他のシステムに適用されてもよい。
【0035】
本明細書で使用される場合、文脈に応じて、「(もし)~なら(if)」は、「場合(when)」、「間に(while)」、「その時またはその前後(at or around the time)」、「後に(after)」、「に応じて(upon)」、「判定(決定)に応答して(in response to determining)」、「判定(決定)に従って(in accordance with a determination)」、又は「検出することに応答して(in response to detecting)」を意味するものとして解釈されてもよい。これらの表現は、文脈に応じて、同じ意味を持つと解釈されてもよい。
【0036】
初めに、複数の実施形態に共通である複数の要素の構成及び動作が説明される。図1は複数の実施形態に係るシステムの構成例を示している。図1の例では、システムはSMOフレームワーク1、Near-RT RIC 3、及び1又はそれ以上のE2ノード4を含む。SMOフレームワーク1は、単にSMOと呼ばれてもよい。図1に示された各要素(ネットワーク機能)は、例えば、専用ハードウェア(dedicated hardware)上のネットワークエレメントとして、専用ハードウェア上で動作する(running)ソフトウェア・インスタンスとして、又はアプリケーション・プラットフォーム上にインスタンス化(instantiated)された仮想化機能として実装されることができる。
【0037】
SMOフレームワーク1は、Non-RT RIC 2を含み、さらにNon-RT RIC 2によりアンカーされていない様々な論理的な機能11を提供する。これらのSMOフレームワーク機能11は、他の機能とともに、O1終端、O2終端、及び外部終端を含む。O1終端は、SMOフレームワーク1がNear-RT RIC 3及び1又はそれ以上のE2ノード4とO1インタフェース上でメッセージ交換することを可能にする。O2終端は、SMOフレームワーク1がO-CloudとO2インタフェース上でメッセージ交換することを可能にする。外部終端は、SMOフレームワーク1又はNon-RT RICフレームワーク21がO-RANの範囲外のインタフェースを介して外部エンティティ(entities)とメッセージを交換することを可能にする。
【0038】
O-Cloudは、関連するO-RAN機能、サポートするソフトウェアコンポーネント、並びに適切な管理及びオーケストレーション機能をホストするO-RAN要件を満たす物理的なインフラストラクチャーノードの集合体で構成される、クラウドコンピューティングプラットフォームである。O-Cloudは、仮想化又はクラウド・プラットフォームと呼ばれてもよい。関連するO-RAN機能は、例えば、Near-RT RIC及びE2ノードを含む。すなわち、図1に示されたNear-RT RIC 3及びE2ノード4の機能は、O-Cloudプラットフォーム上で動作するRANネットワーク機能アプリケーションとして実装されることができる。O-Cloudは、Deployment Management Services (DMS)、Infrastructure Management Services (IMS)、HWアクセラレータ・マネージャ、及びAcceleration Abstraction Layer (AAL) 機能を提供してもよい。DMSは、仮想化された(又はコンテナ化された又はクラウド化された)RANネットワーク機能(e.g., Near-RT RIC、O-CU、O-DU)のライフサイクルを管理するためのAPIsを提供する。O-Cloudプラットフォームは、仮想化された(又はコンテナ化された又はクラウド化された)RANネットワーク機能を実装するために、OpenStack等を用いて構築及び管理される仮想マシン(VMs)、若しくはKubernetes等を用いて構築及び管理されるコンテナ、又は両方を用いてもよい。
【0039】
Non-RT RIC 2は、SMOフレームワーク1内の論理的な機能である。Non-RT RIC 2は、Non-RT RICフレームワーク21及びrApps 22を含む。Non-RT RICフレームワーク21は、Non-RT RICフレームワーク機能(functions)と呼ぶこともできる。Non-RT RICフレームワーク21は、A1インタフェースを論理的に終端し、R1サービスのセットをrApps22に公開する機能(functionality)を含む。A1終端は、Non-RT RICフレームワーク21とNear-RT RIC 3がA1インタフェース上でメッセージを交換することを可能にする。R1サービスのセットは、他のサービスと共に、A1関連サービス及びO1関連サービスを含む。
【0040】
A1関連サービスは、他のサービスとともに、A1ポリシー(polices)の作成(creating)、更新(updating)、問合せ(querying)、及び削除(deleting)、A1ポリシーの実施状況(enforcement status)の問合せ、並びにA1ポリシーの実施状況の変更の通知を含むA1ポリシーに関するイベント通知への加入(subscription)を含む。
【0041】
O1関連サービスは、SMOフレームワーク1及びNon-RT RICフレームワーク21により提供される。O1関連サービスは、ネットワーク(e.g., Near-RT RIC3及びE2ノード4)からアラームに関する情報を取得すること、ネットワークの構成の変更をプロビジョンすること、ネットワークに関連するパフォーマンス情報を取得すること、及びネットワークに関連する追加情報を取得することをrApps 22に可能にする。
【0042】
rApps 22は、Non-RT RIC 2内で動作するように設計されたアプリケーションである。rApps 22は、SMOフレームワーク1の一部としてNon-RT RIC 2内で実行される。rApps 22は、Non-RT RIC 2により公開される機能(functionality)を活用し、A1ポリシーガイダンス、A1エンリッチメント情報、設定管理、及びデータ分析など、ネットワーク(e.g., Near-RT RIC3及びE2ノード4)の最適化と運用をサポートし且つ促進するための付加価値サービスを提供する。
【0043】
Near-RT RIC 3は、E2インタフェース上でのきめ細かな(e.g., UE basis、Cell basis)データ収集及びアクションにより、RAN要素及びリソースの準リアルタイムの制御と最適化を可能にする論理的な機能である。Near-RT RIC 3は、xApps 32をホストし、Near-RT RICプラットフォーム31を含む。Near-RT RICプラットフォーム31は、Near-RT RICプラットフォーム機能と呼ぶこともできる。Near-RT RICプラットフォーム31は、xApps 32によってホストされる特定の機能をサポートするために共通に使用されるプラットフォーム機能のセットを提供する。プラットフォーム機能のセットは、他の機能とともに、インタフェース終端(terminations)及びNear-RT RIC APIsの提供を含む。インタフェース終端は、E2終端、A1終端、及びO1終端を含み、これらはそれぞれE2インタフェース、A1インタフェース、及びO1インタフェースの終端を提供する。
【0044】
E2インタフェースは、Near-RT RIC 3を1又はそれ以上のE2ノード4に接続する。E2ノード4は、E2インタフェースを終端する論理ノードである。E2ノード4は、RANノードであり、1又はそれ以上のRAN機能をNear-RT RIC 3及びホストされたxApps 32に公開(exposes)する。RAN機能は、各E2ノード4により定義される。各E2ノード4は、サポートするRAN機能のリストをNear-RT RIC 3に提供する。各E2ノード4により提供されるRAN機能は、例えば、Key Performance Measurement (KPM)、RAN制御(RAN control (RC))、若しくはNetwork Interface (NI)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0045】
E2ノード4は、NRアクセスのために、1又はそれ以上のO-CU-CPs、1又はそれ以上のO-CU-UPs、1又はそれ以上のO-DUs、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。一方、E-UTRAアクセスのために、E2ノード4は、1又はそれ以上のO-eNBsを含んでもよい。
【0046】
Near-RT RIC APIsは、他のAPIs共に、A1関連APIs、E2関連APIs、及び管理APIsを含む。A1関連APIsは、A1ポリシー施行及びA1エンリッチメント情報の転送に関するA1関連機能にアクセスすることをxApps 32に可能にする。管理APIsは、xApps 32のMLモデル関連API及びFCAPS関連APIsを含む。FCAPS関連APIsは、xApp登録API及び設定APIを含む。xApp登録APIは、xApps 32の各々が配置(デプロイ、deployed)された後にxApps 32の各々のNear-RT RICプラットフォーム31への登録をサポートする。設定APIは、SMO 1からxApps 32の各々への設定(configurations)の転送をサポートする。
【0047】
xApps 32は、Near-RT RIC 3内で動作するように設計されたアプリケーションである。xApps 32は、RAN(O-RAN)の一部としてNear-RT RIC 3で実行される。xApps 32は、Near-RT RIC 3から独立しており、サードパーティによって提供され得る。各xApp は、1又はそれ以上のマイクロサービスから構成され得る。各xAppは、標準化されたE2インタフェース及びE2サービスモデル(E2SM)を介して無線リソース管理を提供するために使用される。例えば、各xAppは、E2ノード4からデータを受信し、必要に応じて制御アクションを計算してE2ノード4に送り返す。
【0048】
xApps 32の幾つかは、各々が訓練済み(trained)MLモデルを含み当該MLモデルを用いた推論(inference)を実行する、コンテナ化されたMLアプリケーションであってもよい。Non-RT RIC 2は、このようなxApp、つまりコンテナ化されたMLアプリケーション、を生成し、これをNear-RT RIC 3にO1又O2インタフェースを使用してデプロイしてもよい。つまり、MLモデルはxAppとして配置(deployed)されてもよいし、又はxAppインスタンス内に配置されてもよく、xAppソフトウェア・アップデートを介して更新することができる。Near-RT RIC 3は、MLモデル推論ホストとして動作してもよい。Non-RT RIC 2又はSMO 1は、MLモデル訓練ホストとして動作してもよい。
【0049】
以下では、A1インタフェース上でのA1ポリシー管理について説明される。図2は、A1ポリシー管理サービス(A1 Policy Management Service (A1-P))に関するNon-RT RIC 2及びNear-RT RIC 3の機能の一例を示している。A1インタフェースは、A1 Application Protocol (A1AP) を使用する。A1APは、A1-Pを含むA1インタフェースで定義されたサービスのためのAPIsを提供する。A1-Pに関して、Non-RT RIC 2はA1-Pコンシューマー25を含み又は提供し、一方Near-RT RIC 3はA1-Pプロデューサー35を含む又は提供する。要求(requests)はA1-Pコンシューマー25から送られ、応答(responses)及び通知(notifications)はA1-Pプロデューサー35から送られる。コンシューマー及びプロデューサーとの用語は、A1インタフェース上でのデータ転送の方向を意味するものではない。
【0050】
Non-RT RIC 2は、Near-RT RIC 3にA1インタフェース上で提供されるA1ポリシーを定義する。A1ポリシーは、UE及びセルに適用されるポリシー目的(policy objectives)及びポリシーリソース(policy resources)に関するステートメント(statements)を含む宣言型ポリシーである。A1ポリシーの目的は、RANのパフォーマンスをRAN意図で表現された全体的なゴールに導くことである。言い換えると、A1ポリシーの目的は、RAN意図をより良く満たすようにNear-RT RIC 3を、ひいてはRANを導くことをSMO 1内のNon-RT RIC 2に可能にすることである。RAN意図は、RANが達成すべきハイレベルな運用又はビジネス上のゴールの表現であり、一定の期間において特定のエリアの全ユーザー又はあるクラスのユーザーに対してRANが満たすべき望ましいSLAsを指定することをオペレーターに可能にする。
【0051】
Non-RT RIC 2は、A1ポリシー・フィードバックとO1経由で提供されるネットワーク状態に基づいて、A1ポリシーを管理する。Non-RT RIC 2は、例えばO1観測値(observables)を使用して、RAN意図の達成に向けたA1ポリシーのインパクトを継続的に評価し、内部条件に基づいてA1ポリシーで表されるゴールの発行又は更新を決定する。Near-RT RIC 3は、その内部機能又はアプリケーション(xApps 32)、O1経由で受信した設定、及びA1経由で受信した一時的なA1ポリシーに基づいて機能する。
【0052】
A1ポリシーのタイプは、ポリシータイプ識別子(PolicyTypeId)によって識別される。異なるポリシータイプは、異なるPolicyTypeIdを持つ。PolicyTypeIdに基づいてスキーマが特定され,そのタイプのA1ポリシーの作成(creation)、検証(validation)、策定(formulation)、及び状態の問合せ(query)のために使用される。
【0053】
A1ポリシーは、Non-RT RIC 2によって割り当てられるポリシー識別子(PolicyId)によって識別される。ポリシー識別子(PolicyId)は、Non-RT RIC 2内でローカルに一意であり、A1ポリシーの表現(representations)を伝えるポリシー要求操作で送信される。
【0054】
A1ポリシーは、スコープ識別子(scope identifier)と1つ以上のポリシーステートメントから構成される。スコープ識別子は、ポリシーステートメント(statements)が適用される対象を表す(例えば、1又はそれ以上のUEs、1又はそれ以上のQoS flows、又は1又はそれ以上のセル)。ポリシーステートメント(statements)は、Near-RT RIC 3にゴールを表明し、ポリシー目的(objectives)及びポリシーリソース(resources)をカバーする。
【0055】
より具体的には、1つのA1ポリシーは、ポリシー識別子(policyId)によって識別され、ポリシーオブジェクト(PolicyObject)と呼ばれるJSONオブジェクトとして表現される。1つのポリシーオブジェクトは、1つのスコープ識別子と、少なくとも1つのポリシーステートメントを包含する。少なくとも1つのポリシーステートメントは、1つ以上のポリシー目的(objective)ステートメント若しくは1つ以上のポリシーリソースステートメント又はこれら両方を含むことができる。ポリシー識別子(policyId)は、ポリシーの作成時にA1 Policy Management Service (A1-P) コンシューマー25、つまりNon-RT RIC 2によって割り当てられる。特定のA1ポリシーに対するポリシー・フィードバックは、ポリシーの作成時にcallback URIを提供することによって加入される。
【0056】
A1ポリシーでスコープ識別子として使用できる識別子は、データ型(types)として定義されている。スコープ識別子は、単一又はこれらのデータ型の組み合わせによって構成することができる。具体的には、スコープ識別子は、UE識別子(Ueid)、UEグループ識別子(GroupId)、スライス識別子(SliceId)、QoS識別子(QosId)、若しくはセル識別子(CellId)、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0057】
A1ポリシーの作成及び実施は、1つのポリシーごと(a per-policy basis)に行われることができる。したがって、複数のA1ポリシーを作成する操作は、単一のA1ポリシーを作成する操作のシーケンスであってもよい。単一のA1ポリシーを作成する操作は,HTTP PUTに基づいて行われる。作成されるA1ポリシーはPUTリクエストのリクエストライン内のpolicyIdを含むURIで識別される。当該PUTリクエストのメッセージボディはポリシーオブジェクト(PolicyObject)を包含する。単一のA1ポリシーを作成する手順は以下のとおりである。A1-P コンシューマー25(つまり、Non-RT RIC 2)はpolicyIdを生成し、A1-Pプロデューサー35(つまり、Near-RT RIC 3)にHTTP PUTリクエストを送信する。target URIは、その下で新しいポリシーを作成するためのリソース(policyId)を特定する。メッセージボディは、PolicyObjectを運ぶ。A1-Pプロデューサー35は、HTTP PUTレスポンスを返す。成功すると、“201 Created”が返され、locationヘッダは新しいポリシーのURIを運び、メッセージボディはPolicyObjectを運ぶ。失敗した場合、適切なエラーコードが返され、メッセージボディには追加のエラー情報が含まれることがある。なお、A1-Pコンシューマー25は、PUTリクエストにnotificationDestinationをqueryパラメータとして含めることで、作成されたポリシーに関するポリシーステータス更新(updates)を要求することができる。
【0058】
A1ポリシーの作成と同様に、A1ポリシーの更新は、1つのポリシーごと(a per-policy basis)に行われることができる。したがって、複数のA1ポリシーを更新する操作は、単一のA1ポリシーを作成する操作のシーケンスであってもよい。単一のA1ポリシーを更新する操作は、HTTP PUTに基づく。更新されるポリシーはPUTリクエストのリクエストライン内のpolicyIdを含むURIで識別される。当該PUTリクエストのメッセージボディは、更新されるポリシーのポリシーオブジェクト(PolicyObject)を包含する。
【0059】
なお、A1ポリシー管理のためのA1インタフェース上での既存の操作、手順、及びシグナリングに関する上記の説明は、本願出願時点のO-RAN技術仕様に基づいている。以下に説明される複数の実施形態は、A1ポリシー管理のためのこれらの既存の操作、手順、及びシグナリングに対する改良を提供する。したがって、上述されたA1ポリシー管理に関する既存の操作、手順、及びシグナリングの一部は、以下の実施形態において適宜変更されてもよい。さらに又はこれに代えて、以下の実施形態は、上述されたA1ポリシー管理に関する既存の操作、手順、及びシグナリングに加えて又は代えて、追加の操作、手順、又はシグナリングを提供し得る。
【0060】
<第1の実施形態>
本実施形態に係るシステムの構成例は、図1及び図2に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、A1ポリシーの作成(及び更新)の改良を提供する。
【0061】
図3は、Non-RT RIC 2及びNear-RT RIC 3の動作の一例を示している。ステップ301では、Non-RT RIC 2は、A1ポリシーの作成の要求を、A1インタフェースを介してNear-RT RIC 3に送る。当該要求は、HTTP PUTリクエスト・メッセージであってもよい。当該要求は、作成されるA1ポリシー(具体的にはポリシーオブジェクト)を包含する。
【0062】
ステップ301の要求又は当該要求に包含されるA1ポリシー(若しくはポリシーオブジェクト)は、当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられるxAppを指定する識別子を包含する。当該識別子は、xApp識別情報と言い換えられてもよい。当該識別子は、Near-RT RIC 3に登録された複数のxApps 32を区別するためにNear-RT RIC 3よって割り当てられた識別子(i.e., xApp ID)であってもよい。幾つかの実装では、当該識別子は、互いに異なるMLモデルを包含する複数のxAppsを区別してもよい。さらに又はこれに代えて、当該識別子は、互いに異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作するアプリケーションを区別してもよい。なお、ポッドは、コンテナ化されたアプリケーションを管理ためのKubernetes等のソフトウェアによって作成できる最小のデプロイ可能なユニットである。ポッドは、1又はそれ以上のアプリケーションコンテナを含み、これらコンテナのために共有のストレージ及びネットワークリソースを提供し、これらコンテナの実行方法を指定する。ポッドは、アプリケーション固有の「論理ホスト」をモデル化したもので、比較的緊密に結合された1又はそれ以上のアプリケーションコンテナを含む。
【0063】
ステップ301のA1ポリシー作成要求は、A1ポリシーを施行するために、ステップ301の要求又はA1ポリシーによって指定された識別子(e.g., xApp ID)に関連付けられたxAppを選択する又は割り当てることをNear-RT RIC 3に引き起こす。一例では、ステップ301の要求の受信に応答して、Near-RT RICプラットフォーム31内のA1終端機能は、受信したA1ポリシー(及び識別子)を包含するxApp選択要求をNear-RT RICプラットフォーム31内のxAppリポジトリ機能に送り、これによりxApp選択プロセスの実行をトリガーしてもよい。xAppリポジトリ機能は、受信した識別子により指定されたxAppが当該A1ポリシーの施行のために適切であるかを判定してもよい。受信した識別子により指定されたxAppが当該A1ポリシーの施行のために適しているなら、xAppリポジトリ機能は、このxAppを候補xAppとしてA1終端機能に通知してもよい。そして、A1終端機能は、候補xAppをA1 POLICY SETUP REQUESTメッセージのターゲットとして選択してもよい。A1 POLICY SETUP REQUESTメッセージは、ステップ301においてNon-RT RIC 2から受信したA1ポリシーを少なくとも含む。
【0064】
図3を参照して説明した動作によれば、Non-RT RIC 2は、A1ポリシーの作成に際して、当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppをNear-RT RIC 3に知らせることができる。これは、A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RIC 2に可能にする。
【0065】
なお、A1ポリシーの作成時に加えて、Non-RT RIC 2がA1ポリシーの更新をNear-RT RIC 3に要求する際に、Non-RT RIC 2は、更新されるA1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられるxAppの識別子をNear-RT RIC 3に提示してもよい。ただし、A1ポリシー更新時のxApp識別子の表示は省略されてもよい。なぜなら、A1ポリシーの更新の際には、そのA1ポリシーは既に特定のxAppにマッピング済みであるためである。具体的には、A1ポリシーの作成時にA1ポリシーは特定のxAppにマッピングされる。Non-RT RIC 2がA1ポリシーの作成の際に指定したxAppに当該A1ポリシーが既に割り当て済み又はマップ済みであるなら、Non-RT RIC 2は、当該A1ポリシーの更新の際に、xAppを明示的に指定しなくてもよい。
【0066】
A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RIC 2に可能にすることは、様々な目的のために有益であり得る。これは、同一ポリシータイプの複数のA1ポリシーを、Non-RT RIC 2が意図するように、Near-RT RIC 3により異なるxAppsにアサインすることを可能にするために広く有益であり得る。ここで、異なるxAppsは、Near-RT RIC 3に別々に配置され且つ登録された複数のxAppsを意味する。異なるxAppsは、同じxAppソフトウェアの旧バージョン及び新バージョンであってもよい。あるいは、異なるxAppsは、同一又は類似のRAN最適化目的のために、異なるソフトウェアベンダーにより作成された複数のxAppsであってもよい。あるいは、異なるxAppsは、類似のRAN最適化目的のための異なるxAppsであってもよい。あるいは、異なるxAppsは、異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作する同一バージョンxAppの異なるアプリケーション・インスタンスであってもよい。
【0067】
<第2の実施形態>
本実施形態に係るシステムの構成例は、図1及び図2に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、第1の実施形態で説明されたA1ポリシーの作成(及び更新)に関する詳細を提供する。
【0068】
図4は、A1ポリシーの構造の一例を示している。図4の例では、1つのA1ポリシー400は、1つのスコープ識別子(scope identifier)401及び1つ以上のポリシーステートメント402に加えて、ターゲットxApp識別子403を含むことができるように拡張されている。ターゲットxApp識別子403は、A1ポリシー400の施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppを示す。言い換えると、図4の例では、A1ポリシー400それ自体が、当該A1ポリシー400の施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppの識別子(e.g., Near-RT RIC 3により割り当て済みのxApp ID)を包含する。
【0069】
図5は、ポリシーオブジェクト(PolicyObject)の構造又はフォーマットの具体例を示している。ポリシーオブジェクト500は、1つのスコープ識別子501を必須で含む。ポリシーオブジェクト500は、1つ以上のポリシー目的(objective)ステートメント502、若しくは1つ以上のポリシーリソースステートメント503、又はこれら両方を含むことができる。さらに、ポリシーオブジェクト500は、ターゲットxApp識別子504を含むことができる。ターゲットxApp識別子504は、ポリシーオブジェクト500で表現されたA1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppを示す。言い換えると、図5の例では、A1ポリシーを表すポリシーオブジェクト500が、当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppの識別子(e.g., Near-RT RIC 3により割り当て済みのxApp ID)を包含する。
【0070】
図6は、図3に示されたポリシー作成操作のより具体的な例を示している。ステップ601は、図3のステップ301に対応する。ステップ601では、Non-RT RIC 2は、HTTP PUTリクエスト・メッセージをNear-RT RIC 3に送る。ステップ601のHTTP PUTリクエスト・メッセージのURIは、既存のA1ポリシー作成のためのHTTP PUTリクエスト・メッセージのURIと同様である。具体的には、URIは、作成されるA1ポリシーのタイプを表すポリシータイプ識別子(PolicyTypeId)と、作成されるA1ポリシーを特定するためのポリシー識別子(policyId)とを含む。
【0071】
一方、ステップ601のHTTP PUTリクエスト・メッセージのメッセージボディに含まれるポリシーオブジェクトは、ターゲットxApp識別子(TargetxAppIdentifer)包含することができるように拡張されている。言い換えると、図6の例では、A1ポリシーそれ自体、具体的にはA1ポリシーを記述したポリシーオブジェクトが、当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppの識別子(e.g., Near-RT RIC 3により割り当て済みのxApp ID)を包含することができる。
【0072】
ステップ602では、Near-RT RIC 3は、HTTP PUTレスポンスをNon-RT RIC 2に返す。成功すると、"201 Created "が返され、メッセージボディはPolicyObjectを運ぶ。ステップ602の動作は、既存のA1ポリシー作成のそれと同様であってもよい。
【0073】
図4図6を参照して説明された動作によれば、Non-RT RIC 2は、A1ポリシーそれ自体に、当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppの識別子を含めることができる。これは、A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RIC 2に可能にするためのシグナリングの詳細の明確化に寄与する。
【0074】
<第3の実施形態>
本実施形態に係るシステムの構成例は、図1及び図2に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、第1の実施形態で説明されたA1ポリシーの作成(及び更新)に関する詳細を提供する。
【0075】
図7は、図3に示されたポリシー作成操作の他の具体例を示している。ステップ701は、図3のステップ301に対応する。ステップ701では、Non-RT RIC 2は、HTTP PUTリクエスト・メッセージをNear-RT RIC 3に送る。ステップ701のHTTP PUTリクエスト・メッセージのURIは、ターゲットxApp識別子(TargetxAppId)を指定することができるように拡張されている。ターゲットxApp識別子(TargetxAppId)は、当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppの識別子(e.g., Near-RT RIC 3により割り当てら済みのxApp ID)を示す。一方、ステップ701のHTTP PUTリクエスト・メッセージのメッセージボディは、既存のA1ポリシー作成のためのHTTP PUTリクエスト・メッセージのメッセージボディと同様である。具体的には、メッセージボディは、既存のそれと同様のポリシーオブジェクトを含む。当該ポリシーオブジェクトは、1つのスコープ識別子と、1又はそれ以上のポリシーステートメントを包含する。言い換えると、図7の例では、A1ポリシー作成要求において、A1ポリシー(ポリシーオブジェクト)が、ポリシー識別子及びポリシータイプ識別子に加えて、ターゲットxApp識別子と関連付けられることができる。
【0076】
ステップ702では、Near-RT RIC 3は、HTTP PUTレスポンスをNon-RT RIC 2に返す。成功すると、"201 Created "が返され、メッセージボディはPolicyObjectを運ぶ。ステップ702の動作は、既存のA1ポリシー作成のそれと同様であってもよい。
【0077】
図7を参照して説明された動作によれば、Non-RT RIC 2は、A1ポリシー作成要求において、A1ポリシー(ポリシーオブジェクト)を、ポリシー識別子及びポリシータイプ識別子に加えて、ターゲットxApp識別子に関連付けることができる。これは、A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RIC 2に可能にするためのシグナリングの詳細の明確化に寄与する。
【0078】
<第4の実施形態>
本実施形態に係るシステムの構成例は、図1及び図2に示された例と同様であってもよい。本実施形態は、第1の実施形態で説明されたA1ポリシーの作成(及び更新)に関する詳細を提供する。
【0079】
図8並びに図9A~9Dは、図3を参照して説明された動作を利用して、xAppのカナリアリリースを行うための手順の一例を示している。図8の一番上に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録された旧バージョンxApp 32AをA1ポリシー801の施行のために割り当てている。この割り当ては、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。具体的には、Non-RT RIC 2は、Policy ID “AAAA”を指定し且つxApp ID “0001”を指定したA1ポリシー801の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。当該作成要求は、スコープがセルA、B、及びCであることを示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0001”によって特定される旧バージョンxApp 32AをA1ポリシー801の施行のために割り当てる。
【0080】
次に、ステップ821では、新バージョンxApp 32BのカナリアリリースをセルCのみを対象として行うために、Non-RT RIC 2は、旧バージョンxApp 32Aのための既存のA1ポリシー801を更新し、新バージョンxApp 32Bに新たなA1ポリシー802を割り当てるようにNear-RT RIC 3に要求する。具体的には、Non-RT RIC 2は、Policy ID “AAAA”を指定したA1ポリシー801の更新要求をNear-RT RIC 3に送信する。当該更新要求は、A1ポリシー801のスコープがセルA及びBに変更されることを示す。当該更新要求は、xApp ID “0001”を指定しなくてもよい。なぜなら、A1ポリシー801は既に特定のxApp 32Aにマッピング済みであるためである。Non-RT RIC 2は、Policy ID “BBBB”を指定し且つxApp ID “0002”を指定したA1ポリシー802の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。当該作成要求は、スコープがセルCであることを示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0002”によって特定される新バージョンxApp 32BをA1ポリシー802の施行のために割り当てる。これにより、新バージョンxApp 32BのセルCにおけるカナリアリリースが可能になる。
【0081】
カナリアリリースによる新バージョンxApp 32Bの検証が完了したなら、ステップ822が行われてもよい。ステップ822では、Non-RT RIC 2は、旧バージョンxApp 32AのためのA1ポリシー801を削除し、新バージョンxApp 32Bに割り当てられたA1ポリシー802を更新する。具体的には、Non-RT RIC 2は、削除されるA1ポリシー801のスコープに含まれていたセルA及びBをA1ポリシー802のスコープに追加するように、A1ポリシー802を更新する。これにより、旧バージョンxApp 32Aから新バージョンxApp 32Bへの移行が完了する。
【0082】
図9A~9Dは、図8を参照して説明されたカナリアリリース手順の詳細の一例を示している。Non-RT RIC 2を含むSMO 1及びNear-RT RIC 3は、ステップ901~910を行うことで、図8の一番上に図示された最初の状態を得ることができる。ステップ901では、SMOフレームワーク機能11は、O1インタフェース又はO2インタフェースを介して、旧バージョンxApp 32AをNear-RT RIC 3に配置する。ステップ902では、旧バージョンxApp 32Aは、xApp登録APIを介して、Near-RT RICプラットフォーム31の管理機能コンポーネントにxApp登録要求を送信し、Appの管理に必要な関連情報を渡す。
【0083】
ステップ903及び904では、Near-RT RICプラットフォーム31は、旧バージョンxApp 32Aの登録プロセスを行う。具体的には、Near-RT RICプラットフォーム31は、認証(authentication)及び正当性(validity)チェックを行い、チェックがパスしたなら、旧バージョンxApp 32AにxApp ID “0001”を割り当て、xApp Managed Object Instance (MOI) を生成し、xApp MOIにxApp ID及び初期xApp設定を入力する。ステップ904では、Near-RT RICプラットフォーム31の管理機能コンポーネントは、登録応答を旧バージョンxApp 32Aに送る。
【0084】
ステップ905では、SMO 1が Near-RT RIC 3からの設定管理(configuration management)通知にサブスクライブしているなら、Near-RT RICプラットフォーム31のO1終端機能(又はO-cloudのO2終端機能)は、旧バージョンxApp 32Aに対してMOIが作成されたことをSMO 1に通知するために、Notify MOI CreationをフォーマットしてSMO 1に送信してもよい。このとき、Near-RT RICプラットフォーム31は、旧バージョンxApp 32Aに割り当てられたxApp ID “0001”をSMO 1に知らせてもよい。
【0085】
ステップ906では、Non-RT RIC 2は、旧バージョンxApp 32Aに割り当てられるA1ポリシーを作成又はセットアップするようにNear-RT RIC 3に要求する。当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppを指定するために、この要求は、Near-RT RIC 3により旧バージョンxApp 32Aに割り当て済みのxApp ID “0001”を示す。図8の例にしたがって、この要求は、Policy ID “AAAA”を指定し、スコープがセルA、B、及びCであることを示してもよい。
【0086】
ステップ907では、Near-RT RICプラットフォーム31は、新たなA1ポリシーを割り当てるxAppを選択する。Near-RT RICプラットフォーム31は、ステップ906のポリシー作成要求により指定されたxApp ID “0001”に関連付けられた旧バージョンxApp 32Aを選ぶ。ステップ908では、Near-RT RICプラットフォーム31は、選択された旧バージョンxApp 32Aに、A1 POLICY SETUP REQUESTメッセージを送る。A1 POLICY SETUP REQUESTメッセージは、ステップ906においてNon-RT RIC 2から受信したA1ポリシーを少なくとも含む。
【0087】
ステップ909では、旧バージョンxApp 32AがA1ポリシーのセットアップを完了したなら、旧バージョンxApp 32AはA1 POLICY SETUP RESULTメッセージをNear-RT RICプラットフォーム31に送る。ここでは、A1 POLICY SETUP RESULTメッセージは成功を示す。ステップ910では、Near-RT RICプラットフォーム31は、Non-RT RIC 2にA1インタフェースを介して応答メッセージを送る。
【0088】
次に、Non-RT RIC 2を含むSMO 1及びNear-RT RIC 3は、ステップ911~924を行うことで、図8に図示された2番目の状態を得ることができる。ステップ911では、SMOフレームワーク機能11は、O1インタフェース又はO2インタフェースを介して、新バージョンxApp 32BをNear-RT RIC 3に配置する。ステップ912では、新バージョンxApp 32Bは、xApp登録APIを介して、Near-RT RICプラットフォーム31の管理機能コンポーネントにxApp登録要求を送信し、Appの管理に必要な関連情報を渡す。
【0089】
ステップ913及び914では、Near-RT RICプラットフォーム31は、新バージョンxApp 32Bの登録プロセスを行う。具体的には、Near-RT RICプラットフォーム31は、認証及び正当性チェックを行い、チェックがパスしたなら、新バージョンxApp 32BにxApp ID “0002”を割り当て、xApp MOIを生成し、xApp MOIにxApp ID及び初期xApp設定を入力する。ステップ914では、Near-RT RICプラットフォーム31の管理機能コンポーネントは、登録応答を新バージョンxApp 32Bに送る。
【0090】
ステップ915では、SMO 1が Near-RT RIC 3からの設定管理通知にサブスクライブしているなら、Near-RT RICプラットフォーム31のO1終端機能(又はO-cloudのO2終端機能)は、新バージョンxApp 32Bに対してMOIが作成されたことをSMO 1に通知するために、Notify MOI CreationをフォーマットしてSMO 1に送信してもよい。このとき、Near-RT RICプラットフォーム31は、新バージョンxApp 32Bに割り当てられたxApp ID “0002”をSMO 1に知らせてもよい。
【0091】
ステップ916では、Non-RT RIC 2は、旧バージョンxApp 32Aに割り当て済みのA1ポリシーを更新するようにNear-RT RICプラットフォーム31に要求する。図8の例にしたがって、このポリシー更新要求は、Policy ID “AAAA”を指定し、スコープがセルA、B、及びCからセルA及びBに更新されることを示してもよい。ポリシー更新要求は、旧バージョンxApp 32AのxApp ID “0001”を示してもよいし、示さなくてもよい。Policy ID “AAAA”を持つA1ポリシーは既にNear-RT RICプラットフォーム31において旧バージョンxApp 32Aにマッピング済みである。したがって、Near-RT RICプラットフォーム31は、xApp ID “0001”を受信しなくとも、Policy ID “AAAA”に基づいて、旧バージョンxApp 32Aを選択できる。
【0092】
ステップ917では、Near-RT RICプラットフォーム31は、選択された旧バージョンxApp 32Aに、A1 POLICY UPDATE REQUESTメッセージを送る。A1 POLICY UPDATE REQUESTメッセージは、ステップ916においてNon-RT RIC 2から受信したA1ポリシーを少なくとも含む。
【0093】
ステップ918では、旧バージョンxApp 32AがA1ポリシーの更新を完了したなら、旧バージョンxApp 32AはA1 POLICY UPDATE RESULTメッセージをNear-RT RICプラットフォーム31に送る。ここでは、A1 POLICY UPDATE RESULTメッセージは成功を示す。ステップ919では、Near-RT RICプラットフォーム31は、Non-RT RIC 2にA1インタフェースを介して応答メッセージを送る。
【0094】
ステップ920では、Non-RT RIC 2は、新バージョンxApp 32Bに割り当てられるA1ポリシーを作成又はセットアップするようにNear-RT RIC 3に要求する。当該A1ポリシーの施行のために選択又は割り当てられることをNon-RT RIC 2が希望するxAppを指定するために、この要求は、Near-RT RIC 3により新バージョンxApp 32Bに割り当て済みのxApp ID “0002”を示す。図8の例にしたがって、この要求は、Policy ID “BBBB”を指定し、スコープがセルCであることを示してもよい。
【0095】
ステップ921では、Near-RT RICプラットフォーム31は、新たなA1ポリシーを割り当てるxAppを選択する。Near-RT RICプラットフォーム31は、ステップ920のポリシー作成要求により指定されたxApp ID “0002”に関連付けられた新バージョンxApp 32Bを選ぶ。ステップ922では、Near-RT RICプラットフォーム31は、選択された新バージョンxApp 32Bに、A1 POLICY SETUP REQUESTメッセージを送る。A1 POLICY SETUP REQUESTメッセージは、ステップ920においてNon-RT RIC 2から受信したA1ポリシーを少なくとも含む。
【0096】
ステップ923では、新バージョンxApp 32BがA1ポリシーのセットアップを完了したなら、新バージョンxApp 32BはA1 POLICY SETUP RESULTメッセージをNear-RT RICプラットフォーム31に送る。ここでは、A1 POLICY SETUP RESULTメッセージは成功を示す。ステップ924では、Near-RT RICプラットフォーム31は、Non-RT RIC 2にA1インタフェースを介して応答メッセージを送る。
【0097】
その後、Non-RT RIC 2を含むSMO 1及びNear-RT RIC 3は、ステップ925~932を行うことで、図8に図示された3番目の状態を得ることができる。ステップ925では、Non-RT RIC 2は、新バージョンxApp 32Bに割り当て済みのA1ポリシーを更新するようにNear-RT RICプラットフォーム31に要求する。図8の例にしたがって、このポリシー更新要求は、Policy ID “BBBB”を指定し、スコープがセルCからセルA、B、及びCに更新されることを示してもよい。ポリシー更新要求は、新バージョンxApp 32BのxApp ID “0002”を示してもよいし、示さなくてもよい。Policy ID “BBBB”を持つA1ポリシーは既にNear-RT RICプラットフォーム31において新バージョンxApp 32Bにマッピング済みである。したがって、Near-RT RICプラットフォーム31は、xApp ID “0002”を受信しなくとも、Policy ID “BBBB”に基づいて、新バージョンxApp 32Bを選択できる。
【0098】
ステップ926では、Near-RT RICプラットフォーム31は、選択された新バージョンxApp 32Bに、A1 POLICY UPDATE REQUESTメッセージを送る。A1 POLICY UPDATE REQUESTメッセージは、ステップ925においてNon-RT RIC 2から受信したA1ポリシーを少なくとも含む。
【0099】
ステップ927では、新バージョンxApp 32BがA1ポリシーの更新を完了したなら、新バージョンxApp 32BはA1 POLICY UPDATE RESULTメッセージをNear-RT RICプラットフォーム31に送る。ここでは、A1 POLICY UPDATE RESULTメッセージは成功を示す。ステップ928では、Near-RT RICプラットフォーム31は、Non-RT RIC 2にA1インタフェースを介して応答メッセージを送る。
【0100】
ステップ929では、Non-RT RIC 2は、旧バージョンxApp 32Aに割り当て済みのA1ポリシーを削除するようにNear-RT RICプラットフォーム31に要求する。図8の例にしたがって、このポリシー削除要求は、Policy ID “AAAA”を指定してもよい。ポリシー削除要求は、旧バージョンxApp 32AのxApp ID “0001”を示してもよいし、示さなくてもよい。Policy ID “AAAA”を持つA1ポリシーは既にNear-RT RICプラットフォーム31において旧バージョンxApp 32Aにマッピング済みである。したがって、Near-RT RICプラットフォーム31は、xApp ID “0001”を受信しなくとも、Policy ID “AAAA”に基づいて、旧バージョンxApp 32Aを選択できる。
【0101】
ステップ930では、Near-RT RICプラットフォーム31は、選択された旧バージョンxApp 32Aに、A1 POLICY DELETE REQUESTメッセージを送る。A1 POLICY DELETE REQUESTメッセージは、ステップ929においてNon-RT RIC 2から受信したA1 Policy ID “AAAA”を少なくとも含む。
【0102】
ステップ931では、旧バージョンxApp 32AがA1ポリシーの削除を完了したなら、旧バージョンxApp 32AはA1 POLICY DELETE RESULTメッセージをNear-RT RICプラットフォーム31に送る。ここでは、A1 POLICY DELETE RESULTメッセージは成功を示す。ステップ932では、Near-RT RICプラットフォーム31は、Non-RT RIC 2にA1インタフェースを介して応答メッセージを送る。
【0103】
図9A~9Dに記載されたステップの順序は適宜変更されることができる。例えば、ステップ916~919は、ステップ920~924の後に又は並行して行われてもよい。ステップ925~928は、ステップ929~932の後に又は並行して行われてもよい。
【0104】
図8並びに図9A~9Dを参照して説明された動作は、少なくともA1ポリシーの作成時にA1ポリシー施行のために使用されるxAppをNon-RT RIC 2がNear-RT RIC 3に指定することによって、xAppのカナリアリリースの容易化に寄与することができる。
【0105】
既に説明されたように、A1ポリシー施行のために使用されるxAppを指定することをNon-RT RIC 2に可能にすることは、xAppのカナリアリリースに限らず、様々な目的のために有益であり得る。これは、同一ポリシータイプの複数のA1ポリシーを、Non-RT RIC 2が意図するように、Near-RT RIC 3により異なるxAppsにアサインすることを可能にするために広く有益であり得る。
【0106】
図10に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録されたベンダーAのxApp 32CをA1ポリシー1001の施行のために割り当てている。この割り当ては、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。具体的には、Non-RT RIC 2は、Policy ID “AAAA”を指定し且つxApp ID “0001”を指定したA1ポリシー1001の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。一例では、当該作成要求は、スコープがセルA、B、及びCであることを示し、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として閾値50 %を示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0001”によって特定されるベンダーAのxApp 32CをA1ポリシー1001の施行のために割り当てる。
【0107】
加えて、図10に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録されたベンダーBのxApp 32DをA1ポリシー1002の施行のために割り当てている。この割り当ても、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。Non-RT RIC 2は、Policy ID “BBBB”を指定し且つxApp ID “0002”を指定したA1ポリシー1002の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。一例では、当該作成要求は、スコープがセルA、B、及びCであることを示し、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として閾値30 %を示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0002”によって特定されるベンダーBのxApp 32DをA1ポリシー1002の施行のために割り当てる。
【0108】
図10に示された状態は、例えば、図9のステップ901~915並びに920~924と類似のステップを行うことで得られる。図10を参照して説明された動作によれば、Non-RT RIC 2は、同じポリシータイプであり同じ又は異なるポリシーステートメントを持つ異なるA1ポリシーを、異なるソフトウェアベンダーにより作成された複数のxAppsに、Non-RT RIC 2の意図に沿って割り当てるようにNear-RT RIC 3を制御できる。具体的には、例えば、異なるソフトウェアベンダーにより作成された複数のxApps毎に、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として、互いに異なる閾値を設定することができる。これにより、ネットワーク全体の最適化が図れる。
【0109】
図11に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録されたQuality of Service (QoS) 最適化のためのxApp 32EをA1ポリシー1101の施行のために割り当てている。この割り当ては、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。具体的には、Non-RT RIC 2は、Policy ID “AAAA”を指定し且つxApp ID “0001”を指定したA1ポリシー1101の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。一例では、当該作成要求は、スコープがセルA、B、及びCであることを示し、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として閾値50 %を示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0001”によって特定されるQoS最適化のためのxApp 32EをA1ポリシー1101の施行のために割り当てる。
【0110】
加えて、図11に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録されたQuality of Experience (QoE) 最適化のためのxApp 32FをA1ポリシー1102の施行のために割り当てている。この割り当ても、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。Non-RT RIC 2は、Policy ID “BBBB”を指定し且つxApp ID “0002”を指定したA1ポリシー1102の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。一例では、当該作成要求は、スコープがセルA、B、及びCであることを示し、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として閾値30 %を示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0002”によって特定されるQoE最適化のためのxApp 32FをA1ポリシー1102の施行のために割り当てる。
【0111】
図11に示された状態は、例えば、図9のステップ901~915並びに920~924と類似のステップを行うことで得られる。図11を参照して説明された動作によれば、Non-RT RIC 2は、同じポリシータイプであり同じ又は異なるポリシーステートメントを持つ異なるA1ポリシーを、類似のRAN最適化目的のための異なるxAppsに、Non-RT RIC 2の意図に沿って割り当てるようにNear-RT RIC 3を制御できる。具体的には、例えば、類似のRAN最適化目的のための複数のxApps毎に、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として、互いに異なる閾値を設定することができる。これにより、ネットワーク全体の最適化が図れる。
【0112】
図12に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録された、ポッドA内で動作するxApp 32GをA1ポリシー1201の施行のために割り当てている。この割り当ては、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。具体的には、Non-RT RIC 2は、Policy ID “AAAA”を指定し且つxApp ID “0001”を指定したA1ポリシー1201の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。一例では、当該作成要求は、スコープがセルA、B、及びCであることを示し、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として閾値50 %を示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0001”によって特定される、ポッドA内で動作するxApp 32GをA1ポリシー1201の施行のために割り当てる。
【0113】
加えて、図12に図示された状態では、Near-RT RIC 3は、Near-RT RIC 3に登録された、ポッドB内で動作するxApp 32HをA1ポリシー1202の施行のために割り当てている。この割り当ても、図3を参照して説明された動作に基づいて行なわれることができる。Non-RT RIC 2は、Policy ID “BBBB”を指定し且つxApp ID “0002”を指定したA1ポリシー1202の作成要求をNear-RT RIC 3に送信する。一例では、当該作成要求は、スコープがセルD、E、及びFであることを示し、ポリシー目的又はポリシーリソースの値として閾値50 %を示す。当該作成要求に基づいて、Near-RT RIC 3は、xApp ID “0002”によって特定される、ポッドB内で動作するxApp 32HをA1ポリシー1202の施行のために割り当てる。
【0114】
図12に示された状態は、例えば、図9のステップ901~915並びに920~924と類似のステップを行うことで得られる。図12を参照して説明された動作によれば、Non-RT RIC 2は、同じポリシータイプであり同じ又は異なるスコープを持つ異なるA1ポリシーを、異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作する同一バージョンxAppの異なるアプリケーション・インスタンスに、Non-RT RIC 2の意図に沿って割り当てるようにNear-RT RIC 3を制御できる。これは、xAppsの間での負荷分散の容易化に寄与する。具体的には、例えば、図12に示すように、互いに異なるセルをスコープするxApp 32GのA1ポリシー1201とxApp 32HのA1ポリシー1202とを、それぞれ独立して制御することで、同時間内で各A1ポリシーが施行されるエリアを限定することができる。これによりNear-RT RIC 3のハードウエアリソースも削減することが可能となる。これは、Near-RT RIC 3の電力消費量の削減(energy saving)にもつながり、更にはバグリスクの低減にもつながる。
【0115】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係るNon-RT RIC 2及びNear-RT RIC 3の構成例について説明する。図13は、Non-RT RIC 2の構成例を示すブロック図である。Near-RT RIC 3も図13に示された構成と同様の構成を有してもよい。
【0116】
図13の例では、Non-RT RIC 2はコンピュータシステムとして実装される。コンピュータシステムは、1又はそれ以上のプロセッサ1310、メモリ1320、及びマスストレージ1330を含み、これらはバス1370を介して互いに通信する。1又はそれ以上のプロセッサ1310は、例えば、Central Processing Unit(CPU)若しくはGraphics Processing Unit(GPU)又は両方を含んでもよい。コンピュータシステムは、1又はそれ以上の出力デバイス1340、1又はそれ以上の入力デバイス1350、及び1又はそれ以上の周辺機器(peripherals)1360といった他のデバイスを含んでもよい。1又はそれ以上の周辺機器1360は、モデム、若しくはネットワークアダプタ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0117】
メモリ1320及びマスストレージ1330の一方又は両方は、1又はそれ以上の命令セットを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。これらの命令は、部分的に又は完全に1又はそれ以上のプロセッサ1310内のメモリに配置されてもよい。これらの命令は、1又はそれ以上のプロセッサ1310において実行されたときに、上述の実施形態で説明されたNon-RT RIC 2の機能を提供することを1又はそれ以上のプロセッサ1310に引き起こす。
【0118】
図13を用いて説明したように、上述の実施形態に係るNon-RT RIC 2及びNear-RT RIC 3が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行することができる。プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0119】
上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0120】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。装置(e.g., 第1RIC又は第2のRIC)に向けられた付記に記載された要素(例えば構成及び機能)の一部または全ては、方法及びプログラムに向けられた付記としても当然に記載され得る。一例をあげると、付記1に従属する付記2-13に記載した要素の一部または全ては、付記2-13と同様の従属関係により、付記27及び付記29に従属する付記としても記載し得る。同様に、付記14に従属する付記15-26に記載した要素の一部または全ては、付記15-26と同様の従属関係により、付記28及び付記30に従属する付記としても記載し得る。任意の付記に記載された要素の一部または全ては、様々なハードウェア、ソフトウェエア、ソフトウェアを記録するための記録手段、システム、及び方法に適用され得る。
【0121】
(付記1)
第1のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) であって、
前記第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送る手段を備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
第1のRIC。
(付記2)
前記第1の識別子は、前記第2のRIC上で動作するよう構成され且つ前記第2のRICに登録された複数のアプリケーションを区別するために前記第2のRICによって割り当てられた識別子である、
付記1に記載の第1のRIC。
(付記3)
前記第1の識別子は、互いに異なる機械学習モデルを包含する複数のアプリケーションを区別する、
付記1又は2に記載の第1のRIC。
(付記4)
前記第1の識別子は、互いに異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作するアプリケーションを区別する、
付記1~3のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記5)
前記第1の要求は、前記第1のポリシーを施行するために前記第1の識別子に関連付けられたアプリケーションを選択する又は割り当てることを前記第2のRICに引き起こす、
付記1~4のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記6)
前記送る手段は、前記第2のRICに、前記第1のインタフェースを介して、第2のポリシーの施行に関する第2の要求をさらに送るよう適合され、
前記第2の要求又は前記第2のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第2のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第2の識別子を包含し、
前記第2のポリシーは、前記第1のポリシーと同じポリシータイプであり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が関連付けられたアプリケーションとは別に前記第2のRICに登録されたアプリケーションに関連付けられる、
付記1~5のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記7)
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるスコープを指定する、
付記6に記載の第1のRIC。
(付記8)
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるポリシーステートメントを指定する、
付記6又は7に記載の第1のRIC。
(付記9)
前記第1のポリシーは、ポリシーステートメント、前記ポリシーステートメントが適用されるスコープを表すスコープ識別子、及び前記第1の識別子を包含する、
付記1~8のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記10)
前記第1の要求は、前記第1のポリシーの作成又は更新を要求する、
付記1~9のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記11)
前記第1のRICは、Open Radio Access Network (O-RAN) Non-Real-Time (Non-RT) RICであり、
前記第2のRICは、O-RAN Near-Real-Time (Near-RT) RICであり、
前記第1のインタフェースは、A1インタフェースであり、
前記第1のポリシーは、A1ポリシーであり、
前記アプリケーションは、Near-RT RICアプリケーション(xApps)である、
付記1~10のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記12)
前記第1のRICを含むService Management and Orchestration(SMO) フレームワークと前記第2のRICとの間の第2のインタフェースを介して、前記アプリケーションを前記第2のRICに配置する手段をさらに備える、
付記1~11のいずれか1項に記載の第1のRIC。
(付記13)
前記第2のインタフェースは、O1インタフェース又はO2インタフェースである、
付記12に記載の第1のRIC。
(付記14)
第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) であって、
前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信する手段を備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
第2のRIC。
(付記15)
前記第1の識別子は、前記第2のRIC上で動作するよう構成され且つ前記第2のRICに登録された複数のアプリケーションを区別するために前記第2のRICによって割り当てられた識別子である、
付記14に記載の第2のRIC。
(付記16)
前記第1の識別子は、互いに異なる機械学習モデルを包含又は使用する又複数のアプリケーションを区別する、
付記14又は15に記載の第2のRIC。
(付記17)
前記第1の識別子は、互いに異なる仮想マシン、コンテナ、又はポッド上で動作するアプリケーションを区別する、
付記14~16のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記18)
前記第1の要求の受信に応じて、前記第1のポリシーを施行するために前記第1の識別子に関連付けられたアプリケーションを選択する又は割り当てる手段をさらに備える、
付記14~17のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記19)
前記受信する手段は、前記第2のRICに、前記第1のインタフェースを介して、第2のポリシーの施行に関する第2の要求をさらに受信するよう適合され、
前記第2の要求又は前記第2のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第2のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第2の識別子を包含し、
前記第2のポリシーは、前記第1のポリシーと同じポリシータイプであり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が関連付けられたアプリケーションとは別に前記第2のRICに登録されたアプリケーションに関連付けられる、
付記14~18のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記20)
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるスコープを指定する、
付記19に記載の第2のRIC。
(付記21)
前記第1のポリシー及び前記第2のポリシーは、互いに異なるポリシーステートメントを指定する、
付記19又は20に記載の第2のRIC。
(付記22)
前記第1のポリシーは、ポリシーステートメント、前記ポリシーステートメントが適用されるスコープを表すスコープ識別子、及び前記第1の識別子を包含する、
付記14~21のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記23)
前記第1の要求は、前記第1のポリシーの作成又は更新を要求する、
付記14~22のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記24)
前記第1のRICは、Open Radio Access Network (O-RAN) Non-Real-Time (Non-RT) RICであり、
前記第2のRICは、O-RAN Near-Real-Time (Near-RT) RICであり、
前記第1のインタフェースは、A1インタフェースであり、
前記第1のポリシーは、A1ポリシーであり、
前記アプリケーションは、Near-RT RICアプリケーション(xApps)である、
付記14~23のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記25)
前記第1のRICを含むService Management and Orchestration(SMO) フレームワークと前記第2のRICとの間の第2のインタフェースを介した、前記アプリケーションの前記第1のRICからの配備をサポートする手段をさらに備える、
付記14~24のいずれか1項に記載の第2のRIC。
(付記26)
前記第2のインタフェースは、O1インタフェース又はO2インタフェースである、
付記25に記載の第2のRIC。
(付記27)
第1のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) により行なわれる方法であって、
前記第1のRICと1又はそれ以上の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送ることを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
(付記28)
第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) により行なわれる方法であって、
前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信することを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
(付記29)
第1のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、前記第1のRICと1又はそれ以上の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードとの間に配置される第2のRICに、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を送信するように前記第1のRICを制御することを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
(付記30)
第1のRICと1又はそれ以上のRANノードとの間に配置される第2のRadio Access Network (RAN) Intelligent Controller (RIC) のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、前記第1のRICから、前記第1のRICと前記第2のRICとの間の第1のインタフェースを介して、第1のポリシーの施行に関する第1の要求を受信するように前記第2のRICを制御することを備え、
前記第1の要求又は前記第1のポリシーは、前記第2のRICにホストされており且つ前記第1のポリシーの施行のために選択又は割り当てられるアプリケーションを指定する第1の識別子を包含する、
方法。
【符号の説明】
【0122】
1 SMO
2 Non-RT RIC
3 Near-RT RIC
4 E2ノード
1310 プロセッサ
1320 メモリ
1330 マスストレージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13