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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025038628
(43)【公開日】2025-03-19
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法、支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20250312BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145357
(22)【出願日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍河
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】人員及び人件費を削減しながら、車いすユーザの電車への乗り降りを支援することができる、支援装置、支援方法、支援プログラムを提供する。
【解決手段】支援装置は、改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、電車とホームとの間の隙間の幅及び電車の床面とホームの面との高さの差を推定する推定部と、隙間の幅及び高さの差に基づいて、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する登録部と、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する判断部と、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、
を備える、
支援装置。
【請求項2】
前記個人識別情報は、前記ユーザの顔情報であり、ユーザが前記改札を通過する際の顔認証を行う認証部をさらに備える、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記登録部は、前記ユーザ情報として、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を前記支援装置に登録する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記スロープ制御指令部は、前記ホームに設置された検知装置によって車いすユーザが検知された場合に、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるように前記スロープを制御する指令を出力する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが前記電車に乗り降りする旨の通知を制御する通知制御部をさらに備える、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の運行情報を提供する運行情報提供部をさらに備える、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項7】
前記スロープは、少なくとも3つの板状部材が回動可能に連結された構造を有し、
前記板状部材には、車いすの通過を検知するセンサが設けられており、
前記スロープは、前記センサによる検知に基づいて、車いすが通過する前記板状部材が水平となるように制御される、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項8】
コンピュータが、
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録し、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断し、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定し、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力する、
支援方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する処理と、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する処理と、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する処理と、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力する処理と、
を実行させる、
支援プログラム。
【請求項10】
改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、
前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、
を備える、
支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援装置、支援方法、支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車いすユーザが電車に乗り降りする場合、乗り降りする駅に事前に連絡し、駅員が電車とホームとの間にスロープを架け渡す必要がある。例えば、特許文献1には、自動改札機及び構内インフラを備える駅に設けられる駅乗降車支援システムと、駅乗降車支援システムからアクセス可能なサーバとを備える、列車支援システムが記載されている。当該列車支援システムでは、車いすユーザと、自動改札機と通信可能な個人識別媒体の識別子とを対応付けてデータベースに登録する。そして、駅乗降車支援システムは、自動改札機からの入場者が車いす利用者に該当するか否かを、当該自動改札機により取得された個人識別媒体の識別子をキーとしてサーバに問い合わせる。そして、入場者が車いす利用者に該当する場合に、車いすユーザ向けの車両の停車位置における、ホームドアのランプを点灯させることにより、乗降支援サービスを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-165202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電車とホームとの間の隙間の幅及び電車の床面とホームの面との高さの差は、駅によって異なる。そのため、特許文献1に記載のシステムにおいても、車いすユーザが電車に乗り降りする際には、スロープを架け渡す人員が必要となり、その分、人員及び人件費がかかるという問題がある。また、近年、増加傾向がある無人駅では、このような対応が難しい場合があるという問題がある。
【0005】
本開示の目的は、人員及び人件費を削減しながら、車いすユーザの電車への乗り降りを支援することができる、支援装置、支援方法、支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る支援装置は、ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する登録部と、改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する判断部と、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、を備える。
【0007】
本開示に係る支援方法は、コンピュータが、ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録し、改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断し、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定し、前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力する方法である。
【0008】
本開示に係る支援プログラムは、コンピュータに、ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する処理と、改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する処理と、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する処理と、前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力する処理と、を実行させる、プログラムである。
【0009】
本開示に係る支援装置は、改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、人員及び人件費を削減しながら、車いすユーザの電車への乗り降りを支援することができる、支援装置、支援方法、支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に係る支援装置の構成を示す概略的なブロック図である。
図2】本開示に係る支援方法の一例を示すフローチャートである。
図3】本開示に係る支援システムの構成の一例を示す概略的なブロック図である。
図4】本開示に係る駅管理装置の構成の一例を示す概略的なブロック図である。
図5】本開示に係る電車管理装置の構成の一例を示す概略的なブロック図である。
図6】本開示に係る第1カメラ及び第2カメラの位置関係の一例を説明する概略的な図である。
図7】本開示に係るスロープの機構の一例を説明する概略的な図である。
図8】本開示に係るユーザ端末の構成の一例を示す概略的なブロック図である。
図9】本開示に係る支援装置の構成の一例を示す概略的なブロック図である。
図10】本開示に係る登録情報の一例を示す図である。
図11】本開示に係る運行情報の一例を示す図である。
図12】本開示に係る車両混雑情報の一例を示す図である。
図13】本開示に係る駅混雑情報の一例を示す図である。
図14】本開示に係る支援方法の他の一例を示すフローチャートである。
図15】本開示に係る支援方法の他の一例を示すフローチャートである。
図16】本開示に係る支援方法の他の一例を示すフローチャートである。
図17】本開示に係る支援方法の他の一例を示すフローチャートである。
図18】本開示に係る支援方法の他の一例を示すフローチャートである。
図19】本開示に係る支援方法の他の一例を示すフローチャートである。
図20】本開示に係るコンピュータの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
以下、図1を参照しながら、本開示に係る支援装置10の構成の一例を説明する。支援装置10は、鉄道を利用するユーザが車いすユーザである場合に、当該ユーザの乗車及び降車を支援する。支援装置10は、登録部11、判断部12、推定部13、スロープ制御指令部14を備える。
【0013】
登録部11は、ユーザの個人識別情報と、ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置10に登録する。ここで、ユーザの個人識別情報とは、ユーザが所持する交通系ICカードの識別番号、ユーザが所持する交通系アプリがインストールされたモバイル端末(「ユーザ端末」とも称する)の識別情報等である。また、ユーザの個人識別情報は、ユーザの生体情報であってもよい。
【0014】
判断部12は、改札において取得された個人識別情報に基づいて、当該改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する。
【0015】
推定部13は、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラ(不図示)によって取得された画像に基づいて、当該電車とホームとの間の隙間の幅及び当該電車の床面とホームの面との高さの差を推定する。
【0016】
スロープ制御指令部14は、改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、推定部13が推定した隙間の幅及び高さの差に基づいて、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を電車管理装置(不図示)へ出力する。
【0017】
図2は、本開示に係る認証方法の一例を示すフローチャートである。まず、予め、登録部11により、ユーザの個人識別情報と、ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とが対応付けられて支援装置10に登録されている。そして、ユーザが鉄道を利用するために任意の駅へ向かい、自動改札機が当該ユーザの個人識別情報を取得する。例えば、ユーザが改札において自動改札機に交通系ICカードをタッチする又はモバイル端末をかざすことにより、当該自動改札機が当該ユーザの個人識別情報を取得する。あるいは、改札に備えられたカメラやセンサが、ユーザの個人識別情報として、ユーザの生体情報を取得する。次に、判断部12は、改札において取得された個人識別情報に基づいて、当該改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する(ステップS11)。当該改札を通過したユーザが車いすユーザではない場合(ステップS11でNo)、本処理を終了する。一方、当該改札を通過したユーザが車いすユーザである場合(ステップS11でYes)、推定部13は、電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、当該電車とホームとの間の隙間の幅及び当該電車の床面とホームの面との高さの差を推定する(ステップS12)。次に、スロープ制御指令部14は、ステップS12において算出された隙間の幅及び高さの差に基づいて、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を電車管理装置へ出力し(ステップS13)、本処理を終了する。
【0018】
本開示に係る支援装置10では、予め、ユーザの個人識別情報と、ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とが対応付けられて支援装置10に登録されている。ユーザが電車を利用する場合、自動改札機が当該ユーザの個人識別情報を取得し、当該改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かが判断される。そして、当該改札を通過したユーザが車いすユーザである場合、電車とホームとの間の隙間の幅及び当該電車の床面とホームの面との高さの差が推定され、電車とホームとの間に架け渡されるようにスロープを制御する指令が電車管理装置へ出力される。そのため、車いすユーザが電車を利用する際、電車とホームとの間にスロープが自動で架け渡される。これにより、スロープを架け渡すための人員及び人件費を削減することができる。また、無人駅であっても、車いすユーザが電車に乗車することが可能となる。したがって、人員及び人件費を削減しながら、車いすユーザの電車への乗り降りを支援することができる。
【0019】
実施の形態2
次に、本開示に係る支援システム100の構成の一例を説明する。支援システム100は、鉄道を利用するユーザUが車いすユーザである場合に、当該ユーザUの乗車及び降車を支援する。以下、ユーザUの個人識別情報として、ユーザUの顔情報を用いる場合を例に挙げて説明する。支援システム100は、図3に示すように、駅管理装置200_1~200_p(pは、1以上の整数)、電車管理装置300_1~300_r(rは、1以上の整数)、ユーザ端末400、支援装置500を備える。以下、駅管理装置200_1~200_pを特に区別しない場合、単に、駅管理装置200と称する。同様に、電車管理装置300_1~300_rを特に区別しない場合、単に、電車管理装置300と称する。駅管理装置200、電車管理装置300、ユーザ端末400は、ネットワークNを介して、支援装置500と通信可能となっている。
【0020】
駅管理装置200は、各駅に備えられ、当該駅に設けられている自動改札機(不図示)、ホームドア(不図示)等を制御する。駅管理装置200は、改札A1~Amに設けられた改札カメラ210_1~210_m(mは、1以上の整数)、ホームB1~Bnに設けられたホームカメラ211_1~211_n(nは、1以上の整数)を備える。以下、改札カメラ210_1~210_mを特に区別しない場合、単に、改札カメラ210と称する。同様に、ホームカメラ211_1~211_nを特に区別しない場合、単に、ホームカメラ211と称する。なお、改札カメラ210は、各自動改札機に備えられてもよいし、複数の自動改札機に1台の改札カメラ210が備えられてもよい。また、ホームカメラ211は、各ホームに1台ずつ備えられてもよいし、1つのホームに複数台のホームカメラ211が備えられてもよい。
【0021】
電車管理装置300は、当該電車管理装置300が搭載された電車のドアの開閉、車両内の表示部351(後述)、音声出力部352(後述)、当該電車に設けられたスロープ370(後述)等を制御する。
【0022】
ユーザ端末400は、ユーザUが所有する端末であって、モバイル端末、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等である。
【0023】
図4に、駅管理装置200の構成の一例を示す。駅管理装置200は、改札カメラ210、ホームカメラ211、記憶部220、メモリ230、通信部240、出力部250、制御部260を備える。
【0024】
改札カメラ210は、制御部260の制御に応じて撮影を行う。改札カメラ210は、制御部260の制御に応じて、改札を通過するユーザUの顔を撮影する。
【0025】
ホームカメラ211は、ホームの所定の箇所に位置する車いすユーザを検知する検知装置として機能する。具体的には、ホームカメラ211は、制御部260の制御に応じて撮影を行う。ホームカメラ211は、制御部260の制御に応じて、ホームの所定の箇所に位置するユーザUの顔を撮影する。なお、駅管理装置200は、ホームカメラ211の代わりに、検知装置として、例えば、車いすを検出可能なセンサを備えていてもよい。
【0026】
記憶部220は、駅管理装置200の各機能を実現するためのプログラム221が格納される記憶装置である。メモリ230は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部260の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部240は、ネットワークNとの通信インターフェースである。
【0027】
出力部250は、制御部260の情報処理結果を出力する。例えば出力部250は、表示部251と、音声出力部252とを有する。表示部251は、制御部260の情報処理結果を表示する表示装置である。なお、駅管理装置200は、入力を受け付ける入力部(不図示)を備えてよく、表示部251及び入力部は、タッチパネルのように一体的に構成されていてもよい。音声出力部252は、スピーカ(不図示)を含み、制御部260の情報処理結果を音声出力する。表示部251は、例えば、各自動改札機の表示部、ホームの電光掲示板、券売機の表示部であってもよい。また、音声出力部252は、例えば、各自動改札機のスピーカ、ホームのスピーカ、券売機のスピーカであってもよい。
【0028】
制御部260は、駅管理装置200の各構成要素を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部260は、記憶部220からプログラム221をメモリ230へ読み込ませ、プログラム221を実行する。これにより、制御部260は、画像取得部261、登録情報取得部262、改札制御部263、決済部264、出力制御部265の機能を実現する。
【0029】
画像取得部261は、改札カメラ210又はホームカメラ211を制御し、ユーザUの顔を撮影して、少なくとも当該ユーザUの顔領域を含む認証用顔画像を生成させる。そして、画像取得部261は、改札カメラ210又はホームカメラ211から認証用顔画像を取得する。
画像取得部261は、認証用顔画像を通信部240に供給し、通信部240に、認証用顔画像を、当該駅管理装置200が設けられた駅のID(以下、「駅ID」とも称する)とともに、支援装置500へ送信させる。
また、画像取得部261は、改札カメラ210を制御し、ユーザUの顔を撮影して、少なくとも当該ユーザUの顔領域を含む登録用顔画像を生成させてもよい。そして、画像取得部261は、登録用顔画像を通信部240に供給し、通信部240に、登録用顔画像を支援装置500へ送信させてもよい。
なお、登録用顔画像は、ユーザ端末400において撮影されて、当該ユーザ端末400から支援装置500へ送信されてもよい。また、登録用顔画像は、当該駅の内外に設置された登録端末(不図示)において撮影されて、当該登録端末から支援装置500へ送信されてもよい。
【0030】
登録情報取得部262は、ユーザUのユーザ情報を取得する。ここで、ユーザUのユーザ情報とは、当該ユーザUの氏名、住所、電話番号、決済に必要な情報、決済情報、車いすの使用の有無、乗降情報等である。また、決済に必要な情報とは、決済に用いるカードの番号、有効期限等である。また、決済情報とは、ユーザUが電車に乗車した乗車駅及び乗車日時、ユーザUが電車から降車した降車駅及び降車日時、ユーザUが購入した商品又はサービスの名称、当該商品又はサービスの金額、購入日時等である。また、車いすの使用の有無とは、当該ユーザUが車いすユーザか否かを示す情報である。また、乗降情報とは、ユーザUが、電車を利用する前に、ユーザ端末400から送信した、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む情報である。
ユーザ情報は、駅管理装置200の入力部(不図示)をユーザUが操作することにより駅管理装置200へ入力されてもよい。登録情報取得部262は、カードリーダを備え、例えば、免許証やクレジットカードを読み取ることにより、ユーザUのユーザ情報を取得してもよい。そして、登録情報取得部262は、ユーザUのユーザ情報を通信部240に供給し、通信部240にユーザ情報を支援装置500へ送信させる。
なお、ユーザ情報は、ユーザ端末400から支援装置500へ送信されてもよい。また、ユーザ情報は、当該駅の内外に設置された登録端末から支援装置500へ送信されてもよい。
【0031】
改札制御部263は、駅管理装置200においてユーザUの顔認証が成功した場合に、当該ユーザUの改札の通過を許可する。
【0032】
決済部264は、駅管理装置200において決済を行うための顔認証が成功した場合に、決済を実行する。具体的には、決済部264は、顔認証が成功したユーザUの決済に必要な情報を支援装置500から取得し、決済を実行する。決済部264は、支援装置500から顔認証結果とともに受信したユーザID512A(後述)に対応付けられたユーザ情報512C(後述)から決済に必要な情報を取得する。また、決済部264は、決済終了後、当該ユーザUの決済情報を通信部240に供給し、通信部240に決済情報を支援装置500へ送信させる。
【0033】
出力制御部265は、出力部250を制御し、出力部250に情報処理結果を出力させて、ユーザUに情報処理結果を報知する。
例えば、出力制御部265は、支援装置500から出力指示(後述)を受信した場合に、出力部250に、車いすユーザが電車に乗り降りする旨の通知を出力させる。
また、出力制御部265は、出力部250に顔認証の結果を出力させて、ユーザUに顔認証の結果を報知する。
【0034】
図5に、電車管理装置300の構成の一例を示す。電車管理装置300は、第1カメラ310、第2カメラ311、記憶部320、メモリ330、通信部340、出力部350、制御部360を備える。
【0035】
第1カメラ310及び第2カメラ311は、図6に示すように、電車の車体700に設けられている。具体的には、第1カメラ310及び第2カメラ311は、電車の車体700のドア710付近に、電車とホームとの間の隙間を撮像可能な位置に設けられている。また、第1カメラ310及び第2カメラ311は、電車の車体700の異なる高さに設けられている。また、第1カメラ310及び第2カメラ311は、電車の前後方向の異なる位置に設けられている。第1カメラ310及び第2カメラ311が電車の車体700のこのような位置に設けられることにより、第1カメラ310が取得した画像と第2カメラ311が取得した画像から、当該隙間の幅及び電車の床面とホームの面との高さの差を推定することが可能になる。第1カメラ310及び第2カメラ311は、制御部360の制御に応じて撮影を行う。
【0036】
記憶部320は、電車管理装置300の各機能を実現するためのプログラム321が格納される記憶装置である。メモリ330は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部360の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部340は、ネットワークNとの通信インターフェースである。
【0037】
出力部350は、制御部360の情報処理結果を出力する。例えば出力部350は、表示部351と、音声出力部352とを有する。表示部351は、制御部360の情報処理結果を表示する表示装置である。音声出力部352は、スピーカ(不図示)を含み、制御部360の情報処理結果を音声出力する。表示部351は、例えば、電車の車内に設けられた液晶表示部であってもよい。また、音声出力部352は、例えば、電車の車内放送に用いられるスピーカであってもよい。
【0038】
制御部360は、電車管理装置300の各構成要素を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部360は、記憶部320からプログラム321をメモリ330へ読み込ませ、プログラム321を実行する。これにより、制御部360は、画像取得部361、スロープ制御部362、出力制御部363の機能を実現する。
【0039】
画像取得部361は、第1カメラ310又は第2カメラ311を制御し、電車とホームとの間の隙間を撮影して、少なくとも当該隙間の画像領域を含む画像を生成させる。そして、画像取得部361は、第1カメラ310又は第2カメラ311から画像を取得する。
画像取得部361は、当該画像を通信部340に供給し、通信部340に、当該画像を、当該電車管理装置300が設けられた電車のID(以下、「電車ID」とも称する)とともに、支援装置500へ送信させる。
【0040】
スロープ制御部362は、支援装置500から指令情報(後述)を受信した場合に、電車の車両に設けられたスロープを、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるように制御する。電車の車両に設けられるスロープ370の一例を図7に示す。スロープ370は、少なくとも3つの板状部材371、372、373が回動可能に連結された構造を有する。また、板状部材371、372、373の少なくとも1つには、車いすの追加を検知するセンサが設けられている。当該センサとしては、例えば、重量センサ等が挙げられる。そして、スロープ制御部362は、スロープ370を、電車の床面ESとホームの面HSとの間に架け渡されるように制御する。例えば、スロープ制御部362は、当該センサによる検知に基づいて、図7に示すように、車いすが通過する板状部材371、372、373が水平となるように、当該スロープ370を制御する。具体的には、図7の上段に示すように、まず、板状部材371及び板状部材372が水平となっており、板状部材373が傾斜して、スロープ370が電車の床面ESとホームの面HSとの間に架け渡されている。そして、ユーザUが乗車した車いすが、ホームの面HSから板状部材371上に乗り上げ、当該板状部材371を通過し、板状部材372に移行する。次に、図7の中段に示すように、車いすが板状部材372の所定の位置に到着した際、板状部材372から車輪止め372Aが板状部材372の面から上昇して現れ、車いすを固定する。次に、板状部材372に対する板状部材371及び板状部材373の角度が、板状部材372が水平なままとなるように変化し、板状部材371が傾斜し、板状部材372と板状部材373が水平となる。次に、図7の下段に示すように、板状部材372の車輪止め372Aが下降し、車いすが板状部材373を通過し、電車の床面ESへと移行する。なお、車輪止め372Aの高さは、車いすが重心を崩して倒れることが防げるように十分な高さを有する。また、車輪止め372Aの車いすの車輪に当接する面は、当該車輪の曲線に沿う曲面であることが好ましい。これにより、車輪が車輪止め372Aに乗り上げてしまうことを防ぐことができる。また、車輪止め372Aは、車いすの車輪が滑りにくい素材で形成されていることが好ましい。
【0041】
出力制御部363は、出力部350を制御し、出力部350に情報処理結果を出力させて、ユーザUに情報処理結果を報知する。
例えば、出力制御部363は、支援装置500から出力指示(後述)を受信した場合に、出力部350に、車いすユーザが電車に乗り降りする旨の通知を出力させる。
【0042】
図8に、ユーザ端末400の構成の一例を示す。ユーザ端末400は、記憶部410、メモリ420、通信部430、出力部440、制御部450を備える。
【0043】
記憶部419は、ユーザ端末400の各機能を実現するためのプログラム411が格納される記憶装置である。メモリ420は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部450の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部430は、ネットワークNとの通信インターフェースである。
【0044】
出力部440は、制御部450の情報処理結果を出力する。例えば出力部440は、表示部441と、音声出力部442とを有する。表示部441は、制御部450の情報処理結果を表示する表示装置である。なお、ユーザ端末400は、入力を受け付ける入力部(不図示)を備えてよく、表示部441及び入力部は、タッチパネルのように一体的に構成されていてもよい。音声出力部442は、スピーカ(不図示)を含み、制御部450の情報処理結果を音声出力する。
【0045】
制御部450は、ユーザ端末400の各構成要素を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部450は、記憶部410からプログラム411をメモリ420へ読み込ませ、プログラム411を実行する。これにより、制御部450は、利用通知部451、運行情報取得部452、混雑情報取得部453、出力制御部454の機能を実現する。
【0046】
利用通知部451は、乗降情報を通信部430に供給し、通信部430に、当該乗降情報をユーザUのユーザID(後述)とともに、支援装置500へ送信させる。ここで、乗降情報とは、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む情報である。
【0047】
運行情報取得部452は、支援装置500から運行情報を取得する。具体的には、運行情報取得部452は、乗車駅及び乗車日時又は降車駅及び降車日時等を特定した運行情報要求を通信部430に供給し、通信部430に、当該運行情報要求を支援装置500へ送信させる。また、運行情報取得部452は、運行情報要求に加えて「スロープ有」という絞り込み条件を、通信部430に供給し、通信部430に、当該運行情報要求及び絞り込み条件を支援装置500へ送信させてもよい。
【0048】
混雑情報取得部453は、支援装置500から車両混雑情報及び駅混雑情報の少なくとも一方を取得する。具体的には、混雑情報取得部453は、車両混雑情報要求又は駅混雑情報要求を通信部430に供給し、通信部430に、当該車両混雑情報要求又は駅混雑情報要求を支援装置500へ送信させる。なお、車両混雑情報要求には、ユーザUが混雑状況を知りたい電車の電車IDが含まれる。また、混雑情報取得部453は、車両混雑情報要求に加えて「スロープ有」という絞り込み条件を、通信部430に供給し、通信部430に、当該車両混雑情報要求及び絞り込み条件を支援装置500へ送信させてもよい。また、駅混雑情報要求には、ユーザUが混雑状況を知りたい駅のID(以下、「駅ID」とも称する)が含まれる。
【0049】
出力制御部454は、出力部440を制御し、出力部440に情報処理結果を出力させて、ユーザUに情報処理結果を報知する。
例えば、出力制御部454は、支援装置500から運行情報、車両混雑情報、駅混雑情報等を受信した場合に、出力部440に、運行情報、車両混雑情報、駅混雑情報等を出力させる。
【0050】
図9に、支援装置500の構成の一例を示す。支援装置500は、記憶部510、メモリ520、通信部530、制御部540を備える。
【0051】
記憶部510は、支援装置500の各機能を実現するためのプログラム511が格納される記憶装置である。メモリ520は、RAM等の揮発性記憶装置であり、制御部540の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部530は、ネットワークNとの通信インターフェースである。
【0052】
記憶部510は、登録情報512を記憶する。図10に、登録情報512の一例を示す。図10に示すように、登録情報512は、ユーザID512Aと、登録用顔情報512Bと、ユーザ情報512Cとが対応付けられた情報である。なお、登録情報512には、登録用顔画像の撮影日時等の管理情報が含まれてもよい。
【0053】
記憶部510は、運行情報テーブル513を記憶する。図11に、運行情報テーブル513の一例を示す。図11に示すように、運行情報テーブル513は、電車ID513Aと、スロープの有無513Bと、運行情報513Cとが対応付けられた情報である。
【0054】
記憶部510は、車両混雑情報テーブル514を記憶する。図12に、車両混雑情報テーブル514の一例を示す。図12に示すように、車両混雑情報テーブル514は、電車ID514Aと、スロープの有無514Bと、曜日514Cと、時間帯毎の混雑度514Dが対応付けられた情報である。また、時間帯毎の混雑度514Dは、当該電車ID514Aで特定される電車を構成する車両毎の混雑度を示す情報であってもよい。
【0055】
記憶部510は、駅混雑情報テーブル515を記憶する。図13に、駅混雑情報テーブル515の一例を示す。図13に示すように、駅混雑情報テーブル515は、駅ID515Aと、曜日515Bと、時間帯毎の混雑度515Cが対応付けられた情報である。また、時間帯毎の混雑度515Cは、当該駅が備えるホーム毎の混雑度を示す情報であってもよい。
【0056】
制御部540は、支援装置500の各構成要素を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部540は、記憶部510からプログラム511をメモリ520へ読み込ませ、プログラム511を実行する。これにより、制御部540は、登録部541、認証部542、判断部543、通知制御部544、推定部545、スロープ制御指令部546、運行情報提供部547、車両混雑情報提供部548、駅混雑情報提供部549の機能を実現する。
【0057】
登録部541は、登録情報512を記憶部510に登録する。登録部541は、駅管理装置200、ユーザ端末400、登録端末(不図示)の何れかから登録用顔画像及びユーザ情報を受信した場合に、当該登録用顔画像から登録用顔情報512Bを取得する。次いで、登録部541は、ユーザID512Aと、当該登録用顔情報512Bと、当該ユーザ情報512Cとを対応付けて登録情報512として記憶部510に格納する。一例として、顔情報は、顔画像から抽出された特徴点の集合であってもよい。具体的に、登録部541は、登録用顔画像に含まれる顔領域を検出し、検出した顔領域から特徴点を抽出し、抽出した特徴点の情報を登録用顔情報512Bとする。
また、登録部541は、ユーザID512Aを生成する。また、登録部541は、生成したユーザID512Aを通信部530に供給し、通信部530に、当該ユーザID512Aを登録完了報告とともにユーザ端末400へ送信させる。なお、ユーザID512Aは、ユーザUが駅管理装置200、ユーザ端末400、登録端末(不図示)の何れかの入力部(不図示)を操作することにより、駅管理装置200、ユーザ端末400、登録端末(不図示)に入力されてもよい。そして、駅管理装置200、ユーザ端末400、登録端末(不図示)の何れかから、登録用顔画像及びユーザ情報とともに、ユーザID512Aが支援装置500に送信されてもよい。また、駅管理装置200、ユーザ端末400、登録端末(不図示)の何れかからユーザID512Aとともにパスワードが支援装置500に送信されてもよい。換言すれば、登録部541は、ユーザID512Aとパスワードと登録用顔情報512Bとユーザ情報512Cとを対応付けて、登録情報512として記憶部510に格納してもよい。また、登録部541は、駅管理装置200、ユーザ端末400、登録端末(不図示)の何れかから登録用顔画像の撮影日時等の管理情報が送信された場合、ユーザID512Aと登録用顔情報512Bとユーザ情報512Cと当該管理情報とを対応付けて、登録情報512として記憶部510に格納してもよい。
【0058】
認証部542は、駅管理装置200から認証用顔画像を受信した場合に、顔認証を実行する。そして、認証部542は、駅管理装置200から送信された認証用顔画像から認証用顔情報を取得し、登録用顔情報512Bと認証用顔情報とを照合することにより、顔認証を実行する。認証用顔画像からの認証用顔情報の取得方法は、登録部541における登録用顔画像からの登録用顔情報512Bの取得方法と同様であるため、その説明を省略する。そして、認証部542は、顔情報の一致の有無を通信部530に供給し、通信部530に、当該顔情報の一致の有無を駅管理装置200へ送信させる。顔情報の一致の有無は、認証の成否に対応する。なお、顔情報が一致する(一致有)とは、一致度が所定値以上である場合をいうものとする。また、認証部542は、認証用顔情報と登録用顔情報512Bとが一致した場合、当該登録用顔情報512Bと対応付けられたユーザID512Aを判断部543に供給する。顔情報の一致の有無は、認証の成否に対応する。
なお、顔認証処理は、他の装置、例えば、駅管理装置200において行われてもよい。この場合、認証部542は、他の装置で行われる顔認証処理を制御すればよい。
【0059】
判断部543は、改札において取得された認証用顔画像に基づいて、当該改札を通過したユーザUが車いすユーザであるか否かを判断する。具体的には、判断部543は、認証部542における認証において、改札において取得された認証用顔画像と登録用顔情報512Bとが一致した場合、認証部542から当該登録用顔情報512Bと対応付けられたユーザID512Aを受け取る。そして、判断部543は、当該ユーザID512Aと対応付けられたユーザ情報512Cを参照し、当該ユーザUが車いすユーザであるか否かを判断する。
当該ユーザUが車いすユーザである場合、判断部543は、当該ユーザ情報512Cを参照し、乗降情報を取得する。そして、判断部543は、当該乗降情報を通信部530に供給し、通信部530に、当該乗降情報を駅管理装置200へ送信させる。また、判断部543は、通信部530に、当該乗降情報に基づいて特定される降車駅の駅管理装置200へ当該乗降情報を送信させる。また、判断部543は、通信部530に、当該乗降情報に基づいて特定される、ユーザUが乗車する電車の電車管理装置300へ当該乗降情報を送信させる。また、判断部543は、当該乗降情報を通知制御部544に供給する。
【0060】
通知制御部544は、電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが電車に乗り降りする旨の通知を制御する。具体的には、通知制御部544は、通信部530に、判断部543から供給された乗降情報に基づいて特定される乗車駅及び降車駅の駅管理装置200へ、車いすユーザが電車に乗り降りする旨を通知するための出力指示を送信させる。また、通知制御部544は、通信部530に、当該乗降情報に基づいて特定される、ユーザUが乗車又は降車する電車の電車管理装置300へ、車いすユーザが電車に乗り降りする旨を通知するための出力指示を送信させる。
【0061】
推定部545は、電車の車体に設置された第1カメラ310及び第2カメラ311によって取得された画像に基づいて、当該電車とホームとの間の隙間の幅及び当該電車の床面とホームの面との高さの差を推定する。具体的には、推定部545は、予め定められている第1カメラ310と第2カメラ311との位置情報を考慮して、第1カメラ310が取得した画像及び第2カメラ311が取得した画像を比較し、当該隙間の幅及び当該高さの差を推定する。
【0062】
スロープ制御指令部546は、改札を通過したユーザUが車いすユーザである場合に、推定部545が推定した隙間の幅及び高さの差に基づいて、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御するための指令情報を生成する。また、スロープ制御指令部546は、当該指令情報を通信部530に供給し、通信部530に、当該指令情報を、ユーザUが乗車する又は降車する電車管理装置300へ送信させる。
【0063】
運行情報提供部547は、ユーザ端末400から運行情報要求を受信した場合に、運行情報テーブル513を参照し、当該運行情報要求に含まれる乗車駅及び乗車日時又は降車駅及び降車日時等と一致する停車駅及び停車日時を含む運行情報513Cを取得する。また、運行情報提供部547は、ユーザ端末400から、運行情報要求に加えて「スロープ有」という絞り込み条件を受信した場合に、運行情報テーブル513を参照し、スロープの有無513Bが「有」に対応する上記運行情報513Cを取得する。また、運行情報提供部547は、当該運行情報513Cを通信部530に供給し、通信部530に、当該運行情報513Cをユーザ端末400へ送信させる。
【0064】
車両混雑情報提供部548は、ユーザ端末400から車両混雑情報要求を受信した場合に、車両混雑情報テーブル514を参照し、当該車両混雑情報要求に含まれる電車ID514Aと対応付けられた車両混雑情報を取得する。図12に示す例では、車両混雑情報は、曜日514Cと、時間帯毎の混雑度514Dが対応付けられた情報である。また、時間帯毎の混雑度514Dは、当該電車ID514Aで特定される電車を構成する車両毎の混雑度を示す情報であってもよい。ここで、混雑度は、車両に車いすが入るスペースがあるかに関する情報であってもよい。また、車両混雑情報提供部548は、ユーザ端末400から、車両混雑情報要求に加えて「スロープ有」という絞り込み条件を受信した場合に、車両混雑情報テーブル514を参照し、スロープの有無514Bが「有」に対応する上記車両混雑情報を取得する。また、車両混雑情報提供部548は、当該車両混雑情報を通信部530に供給し、通信部530に、当該車両混雑情報をユーザ端末400へ送信させる。
【0065】
駅混雑情報提供部549は、ユーザ端末400から駅混雑情報要求を受信した場合に、駅混雑情報テーブル515を参照し、当該駅混雑情報要求に含まれる駅ID515Aと対応付けられた駅混雑情報を取得する。図13に示す例では、駅混雑情報は、曜日515Bと、時間帯毎の混雑度515Cが対応付けられた情報である。また、時間帯毎の混雑度515Cは、当該駅が備えるホーム毎の混雑度を示す情報であってもよい。ここで、混雑度は、乗車駅及び降車駅の駅構内やホームが車いすで通行可能かに関する情報であってもよい。また、駅混雑情報提供部549は、当該駅混雑情報を通信部530に供給し、通信部530に、当該駅混雑情報をユーザ端末400へ送信させる。
【0066】
次に、図14図19を参照しながら、本開示に係る支援方法の一例について説明する。まず、図14を参照して、本開示に係る支援方法の登録処理について説明する。ここで、ユーザUが任意に選んだ駅に設置された駅管理装置200においてユーザUの登録用顔画像及びユーザ情報が取得される場合を例に挙げて説明する。なお、ユーザUの登録用顔画像及びユーザ情報は、ユーザUのユーザ端末400や駅の内外に設置された登録端末(不図示)において取得されて、支援装置500に送信されてもよい。
まず、駅管理装置200_iの画像取得部261が、改札カメラ210又はホームカメラ211にユーザUの顔を撮影させて、登録用顔画像を取得する(ステップS101)。次に、駅管理装置200_iの登録情報取得部262が、ユーザUのユーザ情報を取得する(ステップS102)。次に、通信部240は、登録用顔画像及びユーザ情報を支援装置500に送信し、ユーザ登録要求を行う(ステップS103)。次に、支援装置500の登録部541が、ユーザ登録を行う(ステップS104)具体的には、登録部541が、登録用顔画像から登録用顔情報512Bを生成する。また、登録部541が、ユーザID312Aをさらに生成する。そして、登録部541が、当該ユーザID512Aと当該登録用顔情報512Bとユーザ情報512Cとを対応付けて登録情報512として記憶部510に格納する。次に、登録部541が、生成したユーザID512Aを登録完了報告とともにユーザ端末400へ送信し(ステップS105)、本処理を終了する。
【0067】
次に、図15を参照して、本開示に係る支援方法の利用通知処理について説明する。まず、ユーザ端末400の運行情報取得部452が、運行情報要求を支援装置500に送信する(ステップS201)。次に、支援装置500の運行情報提供部547が、運行情報テーブル513から、当該運行情報要求に対応する運行情報513Cを取得し、当該運行情報513Cをユーザ端末400に送信する(ステップS202)。次に、ユーザ端末400の混雑情報取得部453が、車両混雑情報要求を支援装置500に送信する(ステップS203)。次に、支援装置500の車両混雑情報提供部548が、車両混雑情報テーブル514から、当該車両混雑情報要求に対応する車両混雑情報を取得し、当該車両混雑情報をユーザ端末400に送信する(ステップS204)。次に、ユーザ端末400の混雑情報取得部453が、駅混雑情報要求を支援装置500に送信する(ステップS205)。次に、支援装置500の駅混雑情報提供部549が、駅混雑情報テーブル515から、当該駅混雑情報要求に対応する駅混雑情報を取得し、当該駅混雑情報をユーザ端末400に送信する(ステップS206)。次に、ユーザ端末400の利用通知部451が、乗降情報をユーザID512Aとともに支援装置500に送信する(ステップS207)。次に、支援装置500の登録部541が、受信したユーザID512Aと対応付けられたユーザ情報512Cに、受信した乗降情報を登録し(ステップS208)、本処理を終了する。なお、上述のステップS201~ステップS206の処理の少なくとも一部又は全部が省略されてもよい。また、上述のステップS201~ステップS202の処理と、ステップS203~ステップS204の処理と、ステップS205~ステップS206の処理との順番は前後してもよい。換言すれば、ステップS205~ステップS206の処理が、ステップS203~ステップS204の処理の前に行われてもよい。
【0068】
次に、図16図18を参照して、本開示に係る支援方法のユーザUの乗車支援処理について説明する。まず、駅管理装置200の画像取得部261が、改札カメラ210にユーザUの顔を撮影させて、認証用顔画像を取得する(ステップS301)。次に、通信部240は、認証用顔画像を支援装置500に送信し、認証要求を行う(ステップS302)。次に、支援装置500の認証部542は、顔認証を行う(ステップS303)。具体的には、認証部542は、認証用顔画像から認証用顔情報を生成し、当該認証用顔情報と、登録情報512の登録用顔情報512Bとを照合し、顔情報の一致度が所定値以上である場合に、顔認証が成功したと判断する。次に、通信部530が、顔認証が成功したか否かを示す認証結果を駅管理装置200に送信する(ステップS304)。次に、顔認証が成功した場合、駅管理装置200の改札制御部263は、当該ユーザUの改札の通過を許可する(ステップS305)。なお、ステップS304とステップS305との間において、駅管理装置200の出力制御部265が、出力部250(例えば、自動改札機の表示部)に顔認証の結果を表示又は音声出力させて、ユーザUに顔認証の結果を報知してもよい。次に、顔認証が成功した場合、判断部543が、当該改札を通過したユーザUが車いすユーザであるか否かを判断する(ステップS306)。次に、当該ユーザUが車いすユーザであった場合、通信部530が、当該駅管理装置200に当該ユーザUの乗降情報を送信する(ステップS307)また、当該ユーザUが車いすユーザであった場合、通信部530は、当該ユーザUが乗車する電車の電車管理装置300へ当該ユーザUの乗降情報を送信する(ステップS308)。駅管理装置200の画像取得部261が、ホームカメラ211にユーザUの顔を撮影させて、認証用顔画像を取得する(ステップS309)。次に、通信部240は、認証用顔画像を支援装置500に送信し、認証要求を行う(ステップS310)。次に、支援装置500の認証部542は、顔認証を行う(ステップS311)。次に、通知制御部544が、認証結果を駅管理装置200に送信するとともに(ステップS312)、認証結果を電車管理装置300に送信する(ステップS313)。また、ステップS311において顔認証が成功した場合、ステップS312及びステップS313において、通知制御部544は、認証結果とともに、車いすユーザが電車に乗り降りする旨を通知するための出力指示を駅管理装置200及び電車管理装置300へ送信する。次に、駅管理装置200の出力制御部265が、出力部250に車いすユーザが電車に乗り降りする旨の通知を出力させる(ステップS314)。また、電車管理装置300の出力制御部363が、出力部350に車いすユーザが電車に乗り降りする旨の通知を出力させる(ステップS315)。次に、電車管理装置300の画像取得部361が、第1カメラ310及び第2カメラ311に、電車とホームとの間の隙間を撮影させて、画像を取得する(ステップS316)。次に、通信部340は、当該画像を支援装置500に送信する(ステップS317)。支援装置500が当該画像を受信すると、推定部545が、当該画像に基づいて、当該隙間の幅、及び当該電車の床面とホームの面との高さの差を推定する(ステップS318)。次に、スロープ制御指令部546が、推定部545が推定した隙間の幅及び高さの差に基づいて、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御するための指令情報を生成する(ステップS319)。次に、通信部530が、当該指令情報を電車管理装置300する(ステップS320)。次に、電車管理装置300のスロープ制御部362が、スロープ370を、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるように制御し(ステップS321)、本処理を終了する。なお、上述のステップS309~ステップS315の処理は省略されてもよい。また、上述のステップS307及びステップS308の処理の順番、ステップS312及びステップS313の処理の順番、ステップS314及びステップS315の処理の順番は前後してもよい。また、上述のステップS314及びステップS315の処理は、ステップS316~ステップS321の処理と同時又はその後において行われてもよい。
【0069】
次に、図19を参照して、本開示に係る支援方法のユーザUの降車支援処理について説明する。まず、ステップS308において支援装置500から受信した乗降情報に基づく降車駅に近づいた際、電車管理装置300の出力制御部363が、出力部350に車いすユーザが電車に乗り降りする旨の通知を出力させる(ステップS401)。次に、電車管理装置300の画像取得部361が、第1カメラ310及び第2カメラ311に、電車とホームとの間の隙間を撮影させて、画像を取得する(ステップS402)。次に、通信部340は、当該画像を支援装置500に送信する(ステップS403)。支援装置500が当該画像を受信すると、推定部545が、当該画像に基づいて、当該隙間の幅、及び当該電車の床面とホームの面との高さの差を推定する(ステップS404)。次に、スロープ制御指令部546が、推定部545が推定した隙間の幅及び高さの差に基づいて、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御するための指令情報を生成する(ステップS405)。次に、通信部530が、当該指令情報を電車管理装置300へ送信する(ステップS406)。次に、電車管理装置300のスロープ制御部362が、スロープ370を、電車の床面とホームの面との間に架け渡されるように制御し(ステップS407)、本処理を終了する。なお、上述のステップS401の処理は省略されてもよい。また、上述のステップS401の処理は、ステップS402~ステップS407の処理と同時又はその後において行われてもよい。
【0070】
本開示に係る支援システム100では、予め、登録情報512として、ユーザUの登録用顔情報512Bと、ユーザUが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報512Cとが対応付けられて支援装置500に登録されている。ユーザUが電車を利用する場合、改札において改札カメラ210が当該ユーザUの顔を撮影して認証用顔画像を生成し、支援装置500の認証部542が認証用顔画像から認証用顔情報を取得し顔認証を行う。次に、判断部543が、当該改札を通過したユーザUが車いすユーザであるか否かを判断する。そして、当該改札を通過したユーザUが車いすユーザである場合、推定部545が、電車とホームとの間の隙間の幅及び当該電車の床面とホームの面との高さの差を推定する。また、スロープ制御指令部546が、当該隙間の幅及び当該高さの差に基づいて、電車とホームとの間に架け渡されるようにスロープ370を制御する指令情報を電車管理装置300へ送信する。そのため、車いすユーザが電車を利用する際、電車とホームとの間にスロープ370が自動で架け渡される。これにより、スロープ370を架け渡すための人員及び人件費を削減することができる。また、無人駅であっても、車いすユーザが電車に乗車することが可能となる。したがって、人員及び人件費を削減しながら、車いすユーザの電車への乗り降りを支援することができる。
【0071】
また、登録部541が、ユーザ情報512Cとして、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を登録する。これにより、ユーザUが利用する乗車駅、降車駅、乗車する電車、降車する電車、乗車する車両、降車する車両を特定することができる。
【0072】
また、ホームに設置されたホームカメラ211によって車いすユーザが検知された場合に、スロープ制御指令部546が、電車の床面とホームの面との間にスロープ370を架け渡すための指令情報を電車管理装置300へ送信する。そのため、車いすユーザがホームに到着したか否かを確認して、より確実に当該車いすユーザの乗車を支援することができる。
【0073】
また、通知制御部544が、車いすユーザが電車に乗り降りする旨を通知するための出力指示を駅管理装置200及び電車管理装置300へ送信し、駅管理装置200の出力部250及び電車管理装置300の出力部350が、当該旨の通知を出力する。これにより、車いすユーザが電車に乗り降りする際、ホームにいる他の人、及び電車内の他の乗客に対してドア付近を空けてもらうようにアナウンスを行うことができ、より確実に当該車いすユーザの乗降車を支援することができる。
【0074】
また、運行情報提供部547が、ユーザ端末400から、運行情報要求に加えて「スロープ有」という絞り込み条件を受信した場合に、スロープの有無513Bが「有」に対応する運行情報513Cをユーザ端末400へ送信する。そのため、車いすユーザであるユーザUは、スロープ370を備える電車の運行情報を確認することができる。
【0075】
また、車両混雑情報提供部548が、ユーザ端末400から、車両混雑情報要求に加えて「スロープ有」という絞り込み条件を受信した場合に、スロープの有無514Bが「有」に対応する車両混雑情報をユーザ端末400へ送信する。そのため、車いすユーザであるユーザUは、スロープ370を備える電車の車両に車いすが入るスペースがあるかどうかを確認することができる。
【0076】
また、駅混雑情報提供部549が、ユーザ端末400から駅混雑情報要求を受信した場合に、当該駅混雑情報要求に含まれる駅ID515Aと対応付けられた駅混雑情報をユーザ端末400へ送信する。そのため、車いすユーザであるユーザUは、乗車駅及び降車駅の駅構内やホームが車いすで通行可能な程度の混雑度か否かを確認することができる。
【0077】
また、スロープ370は、少なくとも3つの板状部材371,372,373が回動可能に連結された構造を有し、板状部材371,372,373には、車いすの通過を検知するセンサが設けられている。そして、スロープ370は、当該センサによる検知に基づいて、車いすが通過する板状部材371,372,373が水平となるように制御される。そのため、車いすユーザがより容易にスロープを渡って乗降車することができる。
【0078】
その他の実施の形態
駅のホームに車いす専用待機ゾーンを設けてもよい。この場合、車いすが乗り降りする車両を限定することができ、電車にスロープを設ける箇所、及びホームカメラ211の設置個所を絞ることができる。
また、本発明は、車いすの代わりに、サラダ等の総菜や飲料を運ぶ荷車に対しても適用可能である。
【0079】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。支援装置10、500、駅管理装置200、電車管理装置300、又はユーザ端末400についての上述した機能(処理)は、例えば次のような構成を有するコンピュータ600により実現されてもよい。
【0080】
図20は、支援装置10、500、駅管理装置200、電車管理装置300、又はユーザ端末400の処理を実現するコンピュータ600の構成を示すブロック図である。図20に示すように、コンピュータ600は、メモリ601、及び、プロセッサ602を含む。
【0081】
メモリ601は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ601は、プロセッサ602により実行されるプログラム、及び各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。駅管理装置200の記憶部220、電車管理装置300の記憶部320、ユーザ端末400の記憶部410、支援装置500の記憶部510は、メモリ601により実現されてもよい。ただし、これらが、他の任意の記憶装置により実現されてもよい。
【0082】
プロセッサ602は、メモリ601からプログラムを読み出して実行することで、各装置の処理を行う。プロセッサ602は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ602は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0083】
上記の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0084】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0085】
各図面は、1又はそれ以上の実施形態を説明するための単なる例示である。各図面は、1つの特定の実施形態のみに関連付けられるのではなく、1又はそれ以上の他の実施形態に関連付けられてもよい。当業者であれば理解できるように、いずれか1つの図面を参照して説明される様々な特徴又はステップは、例えば明示的に図示または説明されていない実施形態を作り出すために、1又はそれ以上の他の図に示された特徴又はステップと組み合わせることができる。例示的な実施形態を説明するためにいずれか1つの図に示された特徴またはステップのすべてが必ずしも必須ではなく、一部の特徴またはステップが省略されてもよい。いずれかの図に記載されたステップの順序は、適宜変更されてもよい。
【0086】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する登録部と、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する判断部と、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、
を備える、
支援装置。
(付記2)
前記個人識別情報は、前記ユーザの顔情報であり、ユーザが前記改札を通過する際の顔認証を行う認証部をさらに備える、
付記1に記載の支援装置。
(付記3)
前記登録部は、前記ユーザ情報として、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を前記支援装置に登録する、
付記1に記載の支援装置。
(付記4)
前記スロープ制御指令部は、前記ホームに設置された検知装置によって車いすユーザが検知された場合に、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるように前記スロープを制御する指令を出力する、
付記1に記載の支援装置。
(付記5)
前記電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが前記電車に乗り降りする旨の通知を制御する通知制御部をさらに備える、
付記1に記載の支援装置。
(付記6)
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の運行情報を提供する運行情報提供部をさらに備える、
付記1に記載の支援装置。
(付記7)
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の混雑情報を提供する車両混雑情報提供部をさらに備える、
付記1に記載の支援装置。
(付記8)
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記乗車駅及び前記降車駅の混雑情報を提供する駅混雑情報提供部をさらに備える、
付記1に記載の支援装置。
(付記9)
前記スロープは、少なくとも3つの板状部材が回動可能に連結された構造を有し、
前記板状部材には、車いすの通過を検知するセンサが設けられており、
前記スロープは、前記センサによる検知に基づいて、車いすが通過する前記板状部材が水平となるように制御される、
付記1に記載の支援装置。
(付記10)
コンピュータが、
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録し、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断し、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定し、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力する、
支援方法。
(付記11)
前記個人識別情報は、前記ユーザの顔情報であり、
前記コンピュータが、
ユーザが前記改札を通過する際の顔認証を行う、
付記10に記載の支援方法。
(付記12)
前記コンピュータが、
前記ユーザ情報として、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を前記支援装置に登録する、
付記10に記載の支援方法。
(付記13)
前記コンピュータが、
前記ホームに設置された検知装置によって車いすユーザが検知された場合に、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるように前記スロープを制御する指令を出力する、
付記10に記載の支援方法。
(付記14)
前記コンピュータが、
前記電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが前記電車に乗り降りする旨の通知を制御する、
付記10に記載の支援方法。
(付記15)
前記コンピュータが、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の運行情報を提供する、
付記10に記載の支援方法。
(付記16)
前記コンピュータが、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の混雑情報を提供する、
付記10に記載の支援方法。
(付記17)
前記コンピュータが、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記乗車駅及び前記降車駅の混雑情報を提供する、
付記10に記載の支援方法。
(付記18)
前記スロープは、少なくとも3つの板状部材が回動可能に連結された構造を有し、
前記板状部材には、車いすの通過を検知するセンサが設けられており、
前記スロープは、前記センサによる検知に基づいて、車いすが通過する前記板状部材が水平となるように制御される、
付記10に記載の支援方法。
(付記19)
コンピュータに、
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する処理と、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する処理と、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する処理と、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力する処理と、
を実行させる、
支援プログラム。
(付記20)
前記個人識別情報は、前記ユーザの顔情報であり、
前記コンピュータに、
ユーザが前記改札を通過する際の顔認証を行う処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記21)
前記コンピュータに、
前記ユーザ情報として、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を前記支援装置に登録する処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記22)
前記コンピュータに、
前記ホームに設置された検知装置によって車いすユーザが検知された場合に、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるように前記スロープを制御する指令を出力する処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記23)
前記コンピュータに、
前記電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが前記電車に乗り降りする旨の通知を制御する処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記24)
前記コンピュータに、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の運行情報を提供する処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記25)
前記コンピュータに、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の混雑情報を提供する処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記26)
前記コンピュータに、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記乗車駅及び前記降車駅の混雑情報を提供する処理
を実行させる、付記19に記載の支援プログラム。
(付記27)
前記スロープは、少なくとも3つの板状部材が回動可能に連結された構造を有し、
前記板状部材には、車いすの通過を検知するセンサが設けられており、
前記スロープは、前記センサによる検知に基づいて、車いすが通過する前記板状部材が水平となるように制御される、
付記19に記載の支援プログラム。
(付記28)
各駅に設けられる駅管理装置と、各電車に設けられる電車管理装置と、前記駅管理装置及び前記電車管理装置と通信可能な支援装置と、を備え、
前記支援装置は、
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて前記支援装置に登録する登録部と、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する判断部と、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、
前記改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、
を備える、
支援システム。
(付記29)
前記個人識別情報は、前記ユーザの顔情報であり、
前記支援装置は、ユーザが前記改札を通過する際の顔認証を行う認証部をさらに備える、
付記28に記載の支援システム。
(付記30)
前記登録部は、前記ユーザ情報として、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を前記支援装置に登録する、
付記28に記載の支援システム。
(付記31)
前記スロープ制御指令部は、前記ホームに設置された検知装置によって車いすユーザが検知された場合に、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるように前記スロープを制御する指令を出力する、
付記28に記載の支援システム。
(付記32)
前記支援装置は、
前記電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが前記電車に乗り降りする旨の通知を制御する通知制御部をさらに備える、
付記28に記載の支援システム。
(付記33)
前記支援装置は、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の運行情報を提供する運行情報提供部をさらに備える、
付記28に記載の支援システム。
(付記34)
前記支援装置は、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の混雑情報を提供する車両混雑情報提供部をさらに備える、
付記28に記載の支援システム。
(付記35)
前記支援装置は、
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記乗車駅及び前記降車駅の混雑情報を提供する駅混雑情報提供部をさらに備える、
付記28に記載の支援システム。
(付記36)
前記スロープは、少なくとも3つの板状部材が回動可能に連結された構造を有し、
前記板状部材には、車いすの通過を検知するセンサが設けられており、
前記スロープは、前記センサによる検知に基づいて、車いすが通過する前記板状部材が水平となるように制御される、
付記28に記載の支援システム。
(付記37)
改札を通過したユーザが車いすユーザである場合に、
電車の車体に設置された少なくとも2台のカメラによって取得された画像に基づいて、前記電車とホームとの間の隙間の幅及び前記電車の床面と前記ホームの面との高さの差を推定する推定部と、
前記隙間の幅及び前記高さの差に基づいて、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるようにスロープを制御する指令を出力するスロープ制御指令部と、
を備える、
支援装置。
(付記38)
ユーザの個人識別情報と、前記ユーザが車いすユーザであるか否かを少なくとも示すユーザ情報とを対応付けて支援装置に登録する登録部と、
改札において取得された前記個人識別情報に基づいて、前記改札を通過したユーザが車いすユーザであるか否かを判断する判断部と、
を備える、
付記37に記載の支援装置。
(付記39)
前記個人識別情報は、前記ユーザの顔情報であり、ユーザが前記改札を通過する際の顔認証を行う認証部をさらに備える、
付記37に記載の支援装置。
(付記40)
前記登録部は、前記ユーザ情報として、さらに、乗車日時、降車日時、乗車駅、降車駅、乗車する車両番号、及び降車する車両番号の少なくとも1つを含む乗降情報を前記支援装置に登録する、
付記37に記載の支援装置。
(付記41)
前記スロープ制御指令部は、前記ホームに設置された検知装置によって車いすユーザが検知された場合に、前記電車の床面と前記ホームの面との間に架け渡されるように前記スロープを制御する指令を出力する、
付記37に記載の支援装置。
(付記42)
前記電車内の他の乗客に対する、車いすユーザが前記電車に乗り降りする旨の通知を制御する通知制御部をさらに備える、
付記37に記載の支援装置。
(付記43)
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の運行情報を提供する運行情報提供部をさらに備える、
付記37に記載の支援装置。
(付記44)
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記スロープを備える前記電車の混雑情報を提供する車両混雑情報提供部をさらに備える、
付記37に記載の支援装置。
(付記45)
前記ユーザの所有するユーザ端末に、前記乗車駅及び前記降車駅の混雑情報を提供する駅混雑情報提供部をさらに備える、
付記37に記載の支援装置。
(付記46)
前記スロープは、少なくとも3つの板状部材が回動可能に連結された構造を有し、
前記板状部材には、車いすの通過を検知するセンサが設けられており、
前記スロープは、前記センサによる検知に基づいて、車いすが通過する前記板状部材が水平となるように制御される、
付記37に記載の支援装置。
【符号の説明】
【0087】
10、500 支援装置
100 支援システム
200_1~200_p 駅管理装置
210_1~210_m 改札カメラ
211_1~211_n ホームカメラ
300_1~300_r 電車管理装置
400 ユーザ端末
11,541 登録部
12,543 判断部
13,545 推定部
14,546 スロープ制御指令部
542 認証部
544 通知制御部
547 運行情報提供部
548 車両混雑情報提供部
549 駅混雑情報提供部
370 スロープ
371,372,373 板状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図20