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  • -滞留検知システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025046047
(43)【公開日】2025-04-02
(54)【発明の名称】滞留検知システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20250326BHJP
   B61L 23/00 20060101ALI20250326BHJP
【FI】
H04N7/18 D
B61L23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023154202
(22)【出願日】2023-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰貴
(72)【発明者】
【氏名】佐々 敦
(72)【発明者】
【氏名】住吉 正紀
(72)【発明者】
【氏名】保谷 雅史
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】金枝 杏奈
【テーマコード(参考)】
5C054
5H161
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CD00
5C054DA07
5C054FC12
5C054FE16
5C054FE18
5C054FE28
5C054GB02
5C054GB15
5C054HA19
5C054HA26
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM15
5H161NN10
(57)【要約】
【課題】鉄道施設に長時間滞留するオブジェクトを効率的かつ低コストに検知する。
【解決手段】滞留検知システムであって、列車に搭載されたカメラと、前記カメラが撮影した映像を解析する画像処理装置と、前記画像処理装置による解析結果を用いて滞留するオブジェクトを検知するサーバとを備え、前記画像処理装置は、前記カメラが撮影した映像からオブジェクトを検知し、オブジェクトが検知された座標と検知時刻を少なくとも含む検知結果を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記画像処理装置による現在の検知結果と過去の検知結果を比較して、所定時間以上存在するオブジェクトを検知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滞留検知システムであって、
列車に搭載されたカメラと、
前記カメラが撮影した映像を解析する画像処理装置と、
前記画像処理装置による解析結果を用いて滞留するオブジェクトを検知するサーバとを備え、
前記画像処理装置は、前記カメラが撮影した映像からオブジェクトを検知し、オブジェクトが検知された座標と検知時刻を少なくとも含む検知結果を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記画像処理装置による現在の検知結果と過去の検知結果を比較して、所定時間以上存在するオブジェクトを検知することを特徴とする滞留検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道施設における滞留者または滞留物を検知する滞留検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅などの鉄道施設には危険な場所があり、鉄道施設に長時間滞留する人は、その後に危険な行為を行う可能性があり、鉄道施設に長時間滞留している人を検知する必要がある。このため、監視エリアごとに監視カメラを設置し、カメラが撮影した映像を確認する必要がある。
【0003】
本技術分野の背景技術として、以下の先行技術がある。特許文献1(特開2010-205191号公報)には、駅ホームを撮像している撮像装置の撮像画像を処理し、撮像されている人物を検出する人物検出手段と、前記人物検出手段が検出した人物毎に、その人物を検出したタイミング以降に、当該駅ホームから発車する複数本目の列車を判定列車として対応付ける判定列車対応付手段と、対応付けられている判定列車が当該駅ホームから発車した人物を、前記人物検出手段が検出したとき、この人物の行動が特異であると判定する判定手段と、前記判定手段がある人物の行動が特異であると判定したとき、その旨を出力する出力手段と、を備えた安全管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-205191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載された技術では、プラットホームに設置されたカメラの画像から人物を検出し、その人物の行動が特異であると判定する判定列車と、その人物の特徴量と、を対応付けることで、判定列車が到着するまで滞留していた人物を検出する。しかし、監視エリアごとの監視カメラの設置費用が増大する。
【0006】
また、列車の外部を監視する車側カメラが設けられるが、前述した背景技術では、列車に搭載されるカメラを使用した滞留者の検知は考慮されていない。
【0007】
本発明は、鉄道施設に長時間滞留する物体の効率的かつ低コストな検知を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、滞留検知システムであって、列車に搭載されたカメラと、前記カメラが撮影した映像を解析する画像処理装置と、前記画像処理装置による解析結果を用いて滞留するオブジェクトを検知するサーバとを備え、前記画像処理装置は、前記カメラが撮影した映像からオブジェクトを検知し、オブジェクトが検知された座標と検知時刻を少なくとも含む検知結果を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記画像処理装置による現在の検知結果と過去の検知結果を比較して、所定時間以上(同じ場所)に存在するオブジェクトを検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、列車に搭載されるカメラを使用して、低コストに鉄道施設の滞留者または滞留物を検知できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の監視システムの構成を示す図である。
図2A】本発明の実施形態の車側カメラを示す図である。
図2B】本発明の実施形態の映像表示装置を示す図である。
図3】本発明の実施形態の監視システムが実行する処理のシーケンス図である。
図4】本発明の実施形態の監視システムが実行する処理の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態の監視システムの構成を示す図である。
【0013】
本実施形態の滞留検知システムは、列車に搭載されるカメラが撮影した映像を用いた監視システムであって、画像処理装置10、映像表示装置11、制御装置12、前方カメラ14、車側カメラ15、及び映像記録装置16を列車内に有し、センタ側サーバ20及び無線通信装置21を地上側の運行管理センタに有する。列車内の各装置はネットワーク装置13によって接続されネットワークを構成する。
【0014】
画像処理装置10は、演算装置と記憶装置を有するコンピュータによって構成され、前方カメラ14及び車側カメラ15が撮影した映像を解析する。例えば、画像処理装置10は、オブジェクト(人、物体)の映像で学習した機械学習モデルを有し、前方カメラ14及び車側カメラ15が撮影した映像を解析してオブジェクトが存在する場所(画像においてオブジェクトが検知された座標)、検知されたオブジェクトの種類(人物、物体など)、検知されたオブジェクトの数、オブジェクトが検知された時刻、検知されたオブジェクトの確信度、オブジェクトの特徴などを取得し、これらの情報を含む検知データを生成する。
【0015】
映像表示装置11は、前方カメラ14及び車側カメラ15が撮影したライブ映像、映像記録装置16に記録された映像、又は画像処理装置10が検出したオブジェクトの映像を、制御装置12の指示に従って、トリミングや反転などの処理を行った後、複数の映像を並べて表示する。なお、記録された映像は、主に事故や犯罪の発生時の解析に使用される。
【0016】
図2Bに示すように、運転室には、乗務員が同時に視認可能なように、2台の映像表示装置11を左右に並べて設置するとよい。映像表示装置11は、表示画面を左右に3分割することで、合計で6分割された表示領域を有する。従って、1台の映像表示装置11で、3両編成の列車のカメラ映像を同時に表示できる。また、表示画面を6分割すると、2台の映像表示装置11を使用して、最大で6両編成の列車のカメラ映像を同時に表示できる。
【0017】
乗務員は、映像表示装置11に表示された車側カメラ15の映像を見て、乗客の乗降、乗客の車両への接近や接触、プラットホームの混雑状況、乗客の車両への駆け寄り、車両と並走する乗客、プラットホームの滞留者を確認でき、乗客の乗降を支援できる。
【0018】
制御装置12は、演算装置と記憶装置を有するコンピュータによって構成され、車側カメラ15が撮影した映像を切り替えて、映像表示装置11に表示するなどの映像表示制御を実行する。制御装置12には、運行管理装置から外部信号(例えば、開扉信号、速度信号)が入力され、制御装置12は、入力された外部信号で判定される列車の走行状態に従って、表示する映像を切り替える。
【0019】
前方カメラ14は、車両の前面に設置され、車両の前方を監視するカメラであり、車側カメラ15は、車両の側面に設置され、乗客の乗降を監視するカメラである。
【0020】
前方カメラ14及び車側カメラ15は、自動的に、予め定められた視野内を所定の撮像フレームレートの動画を撮影し、撮像したライブ映像をH.264、MPEG4、JPEG等の形式に変換し、ネットワーク装置13を経由して画像処理装置10、映像表示装置11及び映像記録装置16に送信する。また、前方カメラ14及び車側カメラ15は、映像表示装置11から送信される送信要求に応じて、撮影した映像を映像表示装置11及び映像記録装置16に送信する。前方カメラ14及び車側カメラ15が、自動的に映像を送信するか、送信要求に応じて映像を送信するかは、システム運用開始時に設定され、乗務員が制御装置12を操作して切り替え可能である。
【0021】
図2Aに示すように、車側カメラ15は、通常、車両の上方に取り付けられ、車両の上方からドアで乗降する乗客を撮影可能なように、下方に向けて斜めに取り付けられる。また、1台の車両の一側面に前方から後方を撮影する車側カメラ15と、後方から前方を撮影する車側カメラ15が設置され、他の側面に前方から後方を撮影する車側カメラ15と、後方から前方を撮影する車側カメラ15が設置される。なお、図2Aにおいて、車側カメラ15は実際の大きさより大きくデフォルメされて描かれている。
【0022】
映像記録装置16は、前方カメラ14及び車側カメラ15が撮影した映像を、その映像を撮像したカメラの識別情報及び撮像時刻と関連付けて記録する。
【0023】
ネットワーク装置13は、監視システムを構成する機器を接続するスイッチングハブである。
【0024】
無線通信装置17は、列車に搭載され、運行管理センタの無線通信装置21と無線通信する。無線通信装置17と無線通信装置21の間の通信は、公衆網(例えば携帯電話網)でも、専用回線(例えば列車無線システム)の何れを用いてもよい。
【0025】
無線通信装置21は、運行管理センタに設置され、列車に搭載された無線通信装置17と無線通信する。無線通信装置17と無線通信装置21の間の通信は、公衆網(例えば携帯電話網)でも、専用回線(例えば列車無線システム)の何れを用いてもよい。
【0026】
センタ側サーバ20は、運行管理センタに設置され、プロセッサ(CPU)、メモリ、補助記憶装置、通信インターフェース、入力インターフェース、及び出力インターフェースを有する計算機で構成される計算機システムであり、前方カメラ14及び車側カメラ15が直近に撮影した映像からプラットホームの滞留者を検知する。
【0027】
プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する演算装置である。プロセッサが、各種プログラムを実行することによって、センタ側サーバ20の各処理部による機能が実現される。なお、プロセッサがプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア)で実行してもよい。
【0028】
メモリは、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサが実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
【0029】
補助記憶装置は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置は、プロセッサがプログラムの実行時に使用するデータ、及びプロセッサが実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置から読み出されて、メモリにロードされて、プロセッサによって実行されることによって、センタ側サーバ20の各機能を実現する。
【0030】
通信インターフェースは、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインターフェース装置である。
【0031】
入力インターフェースは、キーボードやマウスなどの、ユーザからの入力を受けるインターフェースである。出力インターフェースは、ディスプレイ装置やプリンタなどの、プログラムの実行結果をユーザが視認可能な形式で出力するインターフェースである。例えば、出力インターフェースは、プログラムの実行結果を出力する。また、出力インターフェースは、プログラムの実行結果をユーザが視認可能な形式で出力するデータ出力ポートでもよい。なお、計算機にネットワークを介して接続された端末が入力インターフェース及び出力インターフェースを提供してもよい。
【0032】
プロセッサが実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して計算機に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置に格納される。このため、センタ側サーバ20は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0033】
センタ側サーバ20は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、各機能部は、各々別個の物理的又は論理的計算機上で動作するものでも、複数が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
【0034】
図3は、本実施形態の監視システムが実行する処理のシーケンス図であり、図4は、本実施形態の監視システムが実行する処理の概念図である。
【0035】
車側カメラ15は、撮像したライブ映像を、ネットワーク装置13を経由して、画像処理装置10、映像記録装置16、及びセンタ側サーバ20に送信する。
【0036】
映像記録装置16は、車側カメラ15から受信した映像を記録する。また、センタ側サーバ20は、車側カメラ15から受信した映像を表示する。センタ側サーバ20は、車側カメラ15から受信した映像を保存してもよい。
【0037】
画像処理装置10は、車側カメラ15から受信した映像を解析し、オブジェクトが存在する場所(画像においてオブジェクトが検知された座標)、検知されたオブジェクトの種類(人物、物体など)、検知されたオブジェクトの数、オブジェクトが検知された時刻、検知されたオブジェクトの確信度などを取得し、これらの情報を含む検知データを生成する。画像においてオブジェクトが検知された座標をカメラの絶対位置を用いて絶対座標に変換してオブジェクトが存在する場所のデータとしてもよい。画像処理装置10は、生成した検知データを映像記録装置16及びセンタ側サーバ20に送信する。
【0038】
映像記録装置16は、画像処理装置10から受信した検知データの検知時刻を用いて、車側カメラ15から受信した映像と関連付けて記録する。また、映像記録装置16は、画像処理装置10から受信した検知データの検知時刻を用いて、車側カメラ15から受信した映像から検知時のスナップショット画像を抽出し、センタ側サーバ20に送信する。
【0039】
センタ側サーバ20は、画像処理装置10から受信した検知データに含まれる発報情報を表示し、検知データをログとして保存する。また、センタ側サーバ20は、映像記録装置16から受信した検知時のスナップショット画像をログとして保存する。
【0040】
センタ側サーバ20は、前方カメラ14及び車側カメラ15が直近に撮影した映像の検知データと、複数列車から収集し、ログとして記録された検知データのオブジェクトの特徴を比較して、同じエリア内で同一人物を検知する。同じエリアかどうかを判定する方法としては、GNSS(Global Navigation Satellite System)やキロ程の情報を比較し、人物が同じ位置で撮影されたかどうかで判定する方法がある。より詳細には、同じエリア(例えば、列車の先頭側や後方側)かどうかを比較する方法としては、オブジェクトを検知したカメラの識別情報を比較し、同じ位置に設置されたカメラ(被写体が同じカメラ)かどうかで判定する方法がある。更に詳細には、エリア(例えば、駅の端)が同じかどうかを比較する方法としては、オブジェクトが検知された座標(エリア)が近傍かどうかで判定する方法がある。なお、各カメラの画角内でオブジェクトを検知したいエリアを予め設定しておき、どのエリアで検知されたかを比較する方法としてもよい。これにより、オブジェクトが多少移動しても、同じエリア内でオブジェクトを検知したと判定できる。そして、センタ側サーバ20は、同じエリア内で同一人物を検知した場合、当該人物をプラットホームの滞留者と判定する。センタ側サーバ20は、当該滞留者が最初に検知された時刻と現在時刻との差によって滞留時間を計算し、滞留者の発報のレベルを分けるとよい。例えば、滞留時間が10分以上の場合は注意発報、滞留時間が1時間以上の場合は危険発報とレベルを定めてもよい。発報のレベルによって映像表示装置11に表示される滞留者を示す情報を異ならせるとよい。
【0041】
そして、センタ側サーバ20は、無線通信装置21及び無線通信装置17を介して、列車側の映像表示装置11に滞留者の検知結果を送信する。
【0042】
映像表示装置11は、センタ側サーバ20から送信された滞留者の検知結果から滞留者を示す情報(例えば、滞留者を囲む図形や、滞留者の存在を注意喚起する文字)を生成し、映像記録装置16に記録された検知時のスナップショット画像と重畳して表示する。乗務員は、映像表示装置11に表示された滞留者の情報を見て、車外放送で注意を喚起したり、滞留者に近づいて状況を確認できる。
【0043】
また、制御装置12は、センタ側サーバ20から送信された滞留者の検知結果から自動音声を選択し、列車の放送装置(図示省略)を用いて、車外に自動放送による注意喚起をしてもよい。
【0044】
また、センタ側サーバ20は、滞留者数と時刻との関係の統計処理によって、滞留者が多く発生する時間帯を分析してもよい。
【0045】
本実施形態では、センタ側サーバ20が滞留者を検知するが、列車側の画像処理装置10で滞留者を検知してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、駅のプラットホームの滞留者を検知するが、他の場所の滞留者(例えば、列車の走行中に車側カメラ15が撮影した映像を用いた線路の沿線の滞留者)も検知可能である。また、乗務員や滞留者への注意喚起だけでなく、駅に設置された端末を用いて駅員への注意喚起も可能である。
【0047】
また、本実施形態では、オブジェクトの一例として滞留者を検知するが、滞留物を検知してもよい。この場合、画像処理装置10は、前方カメラ14及び車側カメラ15が撮影した映像を解析し、滞留物として検知したい対象(スーツケースやカート等)を検知する。
【0048】
以上に説明したように、本発明の実施形態では、営業列車に搭載されたカメラが撮影した映像を使用して、列車の運行ダイヤに応じた時間周期で滞留者を検出でき、例えば、駅のホームの端に長時間いる人を速やかに発見でき、列車の運転士や滞留者に注意を促すことができる。また、列車に搭載されたカメラを使用するため、監視エリアごとに監視カメラを設置しなくても滞留者を検知でき、閑散路線の監視エリアでも設備投資なしに滞留者を検知できる。
【0049】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0050】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0051】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0052】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0053】
10 画像処理装置
11 映像表示装置
12 制御装置
13 ネットワーク装置
14 前方カメラ
15 車側カメラ
16 映像記録装置
17 無線通信装置
20 センタ側サーバ
21 無線通信装置
図1
図2A
図2B
図3
図4