(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005651
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】リモートステーション装置
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H02J13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105910
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 涼太
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AA07
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA05
(57)【要約】
【課題】配線の引き回しを容易とするとともに、設置の自由度を向上させることが可能なリモートステーション装置を提供する。
【解決手段】実施形態のリモートステーション装置は、通信ケーブルを介して電力及びデータの伝送が可能な伝送装置と、外部機器との間で通信インタフェース動作を行う複数のインタフェースユニットを有するインタフェースユニット群と、前記伝送装置と前記インタフェースユニット群との間でデータの入出力を行う入出力装置と、前記伝送装置により伝送された電力及びデータから電力を分離して受電機器に供給するスプリッタと、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ケーブルを介して電力及びデータの伝送が可能な伝送装置と、
外部機器との間で通信インタフェース動作を行う複数のインタフェースユニットを有するインタフェースユニット群と、
前記伝送装置と前記インタフェースユニット群との間でデータの入出力を行う入出力装置と、
前記伝送装置により伝送された電力及びデータから電力を分離して受電機器に供給するスプリッタと、
を備えたリモートステーション装置。
【請求項2】
前記スプリッタは、分離した前記電力を前記受電機器として機能する前記入出力装置の駆動電力として供給する、
請求項1に記載のリモートステーション装置。
【請求項3】
前記スプリッタは、分離した前記電力を前記インタフェースユニット群を構成する前記受電機器として機能するインタフェースユニットの駆動電力として供給する、
請求項1に記載のリモートステーション装置。
【請求項4】
前記スプリッタは、分離した前記電力を前記受電機器として機能する前記入出力装置の駆動電力及び前記インタフェースユニット群を構成する前記受電機器として機能するインタフェースユニットの駆動電力として供給する、
請求項1に記載のリモートステーション装置。
【請求項5】
前記伝送装置は、前記通信ケーブルを介して伝送された前記電力及び前記データから前記電力を分離し、自己の駆動電力として用いる、
請求項1に記載のリモートステーション装置。
【請求項6】
前記伝送装置は、PoE対応伝送装置として構成され、
前記スプリッタは、PoEスプリッタとして構成された、
請求項1に記載のリモートステーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、リモートステーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中央監視ステムを構成する装置として、中央監視装置におけるリモートステーション盤が知られている。
リモートステーション盤は、入出力装置であるPLC(Programmable Logic Controller)を実装しており、現場機器との信号入出力を行うためのI/O配線の接続、および上位サーバ装置との通信を行うため伝送変換を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-62620号公報
【特許文献2】特許第6143896号公報
【特許文献3】特許第6125030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のリモートステーション盤においては、以下のような問題点があった。
リモートステーション盤の筐体内機器の駆動、I/O配線のインタフェース電源のために専用電源を付近の分電盤から供給する必要があり、電源線の引き回しを行うために配線ルートを確保する必要があった。
また電源線を含む配線の引き回しを容易とするため、筐体内機器及びRIOを集約することが望ましいので、ある程度大きな筐体を設けなければならず、筐体の強度及び設置スペースが大きくなってしまっていた。このため、リモートステーション盤の設置の自由度が低くなってしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、配線の引き回しを容易とするとともに、設置の自由度を向上させることが可能なリモートステーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のリモートステーション装置は、通信ケーブルを介して電力及びデータの伝送が可能な伝送装置と、外部機器との間で通信インタフェース動作を行う複数のインタフェースユニットを有するインタフェースユニット群と、前記伝送装置と前記インタフェースユニット群との間でデータの入出力を行う入出力装置と、前記伝送装置により伝送された電力及びデータから電力を分離して受電機器に供給するスプリッタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、リモート監視システムの概要構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態のリモートステーション装置の概要構成ブロック図である。
【
図3】
図3は、リモートステーション装置の外観及び内部の構成例の説明図である。
【
図4】
図4は、リモートステーション装置の設置例の説明図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態のリモートステーション装置の概要構成ブロック図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態のリモートステーション装置の概要構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、リモート監視システムの概要構成ブロック図である。
リモート監視システム10は、サーバ11と、複数のオペレータワークステーション12-1~12-2と、複数のビルディングコントローラ13-1~13-3と、複数のリモートステーション装置14-1~14-6と、現場機器群15と、第1伝送路16と、複数の第2伝送路17-1~17-3と、信号線群18-1~18-6と、を備えている。
【0009】
サーバ11は、リモート監視システム10全体の制御を行う。
各オペレータワークステーション12-1~12-2は、オペレータに対し、各種情報を提供するとともに、オペレータの指示に従って、ビルディングコントローラ13-1~13-3を制御する。
【0010】
ビルディングコントローラ13-1~13-3は、オペレータワークステーションの制御下でリモートステーション装置14-1~14-6のうち、対応するリモートステーション装置の制御を行う。
【0011】
より具体的には、ビルディングコントローラ13-1は、対応するリモートステーション装置14-1及びリモートステーション装置14-2の制御を行う。また、ビルディングコントローラ13-2は、対応するリモートステーション装置14-3及びリモートステーション装置14-4の制御を行う。また、ビルディングコントローラ13-3は、対応するリモートステーション装置14-5及びリモートステーション装置14-6の制御を行う。
【0012】
リモートステーション装置14-1~14-6は、信号線群18-1~18-6のうち、対応する信号線群を介して、現場機器群15を構成している対応する現場機器の制御を行い、制御状態を収集する。
現場機器群15は、複数の現場機器により構成されている。
【0013】
[1]第1実施形態
図2は、第1実施形態のリモートステーション装置の概要構成ブロック図である。
リモートステーション装置14-1~14-6は、同様の構成を有しているので、
図2においては、リモートステーション装置14-1を例として説明する。
【0014】
リモートステーション装置14-1は、入出力装置21と、PoE対応伝送装置22と、PoEスプリッタ23と、電力変換器24と、インタフェースユニット群25と、を備えている。
上記構成において、PoE対応伝送装置22及びPoEスプリッタ23は、伝送ユニット42を構成している。
【0015】
入出力装置21は、現場機器群15を構成するとともに、当該リモートステーション装置14-1に対応する現場機器15Xに信号線群18-1を介して、制御信号等を出力し、あるいは、現場機器15Xから信号線群18-1を介して検出信号、応答データ等が入力される。
【0016】
PoE対応伝送装置22は、スイッチングハブとして機能し、上位機器であるビルディングコントローラ13-1に第2伝送路17-1を介して接続され、ビルディングコントローラ13-1からの伝送信号(伝送データ+電力)のうち、入出力装置21には伝送データを伝送し、PoEスプリッタ23には電力のみを伝送する。
【0017】
この場合において、制御信号、制御データ等の出力先としては、現場機器15X自体のコントローラ、現場機器15Xに設けられたアクチュエータ(モータ、ソレノイド等)が挙げられる。
【0018】
また検出信号の入力元としては、センサ(温度、圧力、磁場センサ等)、設定スイッチ等が挙げられる。また応答データの入力元としては、現場機器15X自体のコントローラ等が挙げられる。
【0019】
PoEスプリッタ23は、PoE対応伝送装置22から伝送線を介して伝送された伝送信号により供給された電力を入出力装置21の駆動電力として供給する。
電力変換器24は、分電盤61に接続され、商用電源等の外部電源から供給される電力の電力変換を行って、インタフェース電力PS2として、信号線群18-1に供給する。
【0020】
次に実施形態のリモートステーション装置の外観構成及び内部構成の一例について説明する。
図3は、リモートステーション装置の外観及び内部の構成例の説明図である。
【0021】
リモートステーション装置14-1は、
図3(A)に示すように、埃、湿気などの侵入を低減するための蓋31が設けられ、直方体形状を有する蓋付き筐体32を備えている。
蓋付き筐体32の一面(
図3(A)の例では、底面)には、換気口33及び通線口34が設けられている。
【0022】
この蓋付き筐体32内には、
図3(B)に示すように、電源ユニット41と、伝送ユニット42と、入出力装置21と、複数のインタフェースユニット43-1~43-5と、第1配線用ダクト44と、第2配線用ダクト45と、を備えている。
上記構成において、複数のインタフェースユニット43-1~43-5は、インタフェースユニット群25を構成している。
【0023】
電源ユニット41は、第1実施形態においては、電力変換器24を介してインタフェースユニット群25に複数のインタフェースユニット43-1~43-5用の電力を供給する。
伝送ユニット42は、
図2に示したように、PoE対応伝送装置22及びPoEスプリッタ23を備えている。
そして、伝送ユニット42は、伝送データの送受信及び電力供給を行う。
【0024】
入出力装置21は、伝送ユニット42から駆動電力が供給されて、伝送ユニット42との間で伝送を行う。
【0025】
インタフェースユニット43-1~43-5は、入出力装置21の制御下で、外部機器である現場機器15Xに対する通信インタフェース動作を行う。ここで、通信インタフェース動作とは、電装ユニット42あるいは入出力装置21が、外部機器(より詳細には、外部機器のコントローラ、あるいは、外部機器が備えているセンサ、アクチュエータなど)との通信を行う場合に、実際の通信相手の外部機器の種類に関わらず、所定のプロトコルに従って信号(データ)の送受信を行う動作をいう。
【0026】
第1配線用ダクト44は、主として伝送系の配線を収納する。
第2配線用ダクト45は、主として電力系の配線を収納する。
【0027】
図4は、リモートステーション装置の設置例の説明図である。
実施形態のリモートステーション装置14-1~14-6は、従来のリモートステーション装置と比較して、電源配線等の引き回しが容易であるので、現場機器群15に対して、一箇所に集中させて構成する必要性が低い。
換言すれば、従来と異なり、1台のリモートステーションに多数の装置(機能)を集約する必要が無いので、強靱な筐体を設ける必要がなく、容易に軽量化及び小型化が図れる。
従って、実施形態のリモートステーション装置14-1~14-6によれば、
図4(A)に示すように、配線を行うためのケーブルラック50上に配置することが可能となっている。
また、筐体の小型化が可能であり、
図4(B)に示すように、電源ケーブル、電気通信設備の設備、信号ケーブル等を設けるために設けられたケーブルピット(床下の溝)51内に配置することも可能である。
【0028】
次に第1実施形態のリモートステーション装置の動作を説明する。
【0029】
サーバ11とオペレータワークステーション12-1~12-2とは、第1伝送路16を介して通信可能とされており、オペレータワークステーション12-1~12-2はサーバ11の制御下で、オペレータに対し、各種情報を提供するとともに、オペレータの指示に従って、ビルディングコントローラ13-1~13-3を制御する。
【0030】
この場合において、ビルディングコントローラ13-1は、オペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)の制御下でリモートステーション装置14-1の制御を行う。
【0031】
より具体的には、ビルディングコントローラ13-1は、所定の制御プログラムに基づいて制御内容に応じた伝送信号を生成し、生成した伝送信号を第2伝送路17-1を介してリモートステーション装置14-1のPoE対応伝送装置22に伝送する。
これにより、PoE対応伝送装置22は、第2伝送路17-1を介して伝送された伝送信号をPoEスプリッタ23及び入出力装置21に並行して伝送する。
PoEスプリッタ23は、給電機器(PSE)として受電機器(PD)として機能する入出力装置21に駆動電力PS1を供給する。
【0032】
入出力装置21は、駆動電力PS1により駆動され、PoE対応伝送装置22により伝送された伝送信号から伝送データを抽出し、伝送データを解析する。
そして、入出力装置21は、伝送データの解析結果に基づいて、インタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットに対して、ビルディングコントローラ13-1からの入力データ(制御データ、設定データ等)を伝送する。
【0033】
そして、ビルディングコントローラ13-1からの入力データは、信号線群18-1を介して現場機器15Xに伝送される。
現場機器15Xは、伝送された入力データにもとづいて、制御あるいは設定がなされ、必要に応じて制御状態に対応する伝送データを信号線群18-1及びインタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットを介して入出力装置21に出力データを出力する。
【0034】
入出力装置21は、インタフェースユニット群25を構成しているインタフェースユニット43-1~43-5からの出力データ(計測データ、応答データ等)をPoE対応伝送装置22及び第2伝送路17-1を介して、ビルディングコントローラ13-1に対し、伝送データを送出する。
【0035】
伝送データを受信したビルディングコントローラ13-1は、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)に対し、出力データ(計測データ、応答データ等)を第1伝送路16を介して伝送する。
この結果、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)は、受信した伝送データに基づく制御状態を制御プログラムに入力するとともに、制御状態をオペレータに通知する。
これらの結果、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)は、取得した制御状態及びオペレータの指示に基づいて、新たな伝送データを生成して制御を継続することとなる。
これらの結果、リモート監視システム10は、現場機器群15を構成している現場機器15Xを所望の制御状態とする。
【0036】
以上の説明のように、第1実施形態によれば、リモートステーション装置の小型化、軽量化を図り、リモートステーション装置の配線の引き回しを容易とするとともに、設置の自由度を向上させることが可能となり、ひいては、リモート監視システム10の構築を容易とすることができる。
【0037】
[2]第2実施形態
図5は、第2実施形態のリモートステーション装置の概要構成ブロック図である。
以下の説明においても、第1実施形態と同様に、
図5においては、リモートステーション装置14-1を例として説明する。
図5において、
図2と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0038】
リモートステーション装置14-1は、入出力装置21と、PoE対応伝送装置22Aと、PoEスプリッタ23Aと、インタフェースユニット群25と、を備えている。
上記構成において、PoE対応伝送装置22A及びPoEスプリッタ23Aは、伝送ユニット42Aを構成している。
【0039】
入出力装置21は、現場機器群15を構成するとともに、当該リモートステーション装置14-1に対応する現場機器15Xに信号線群18-1を介して、制御信号等を出力し、あるいは、現場機器15Xから信号線群18-1を介して検出信号、応答データ等が入力される。
【0040】
PoE対応伝送装置22Aは、電源ユニット41から駆動電力PS3の供給を受けて、スイッチングハブとして機能する。
そして、PoE対応伝送装置22Aは、上位機器であるビルディングコントローラ13-1に第2伝送路17-1を介して接続され、ビルディングコントローラ13-1からの伝送信号(伝送データ)を入出力装置21に伝送し、分電盤61から供給された電力をPoEスプリッタ23Aに伝送する。
【0041】
PoEスプリッタ23Aは、PoE対応伝送装置22Aから伝送線を介して伝送された伝送信号により供給された電力をインタフェース電力PS5として信号線群18-1に供給する。
【0042】
次に第2実施形態のリモートステーション装置の動作を説明する。
【0043】
サーバ11とオペレータワークステーション12-1~12-2とは、第1伝送路16を介して通信可能とされており、オペレータワークステーション12-1~12-2はサーバ11の制御下で、オペレータに対し、各種情報を提供するとともに、オペレータの指示に従って、ビルディングコントローラ13-1~13-3を制御する。
【0044】
以下においては、主としてリモートステーション装置14-1に対応するビルディングコントローラ13-1の系統の動作を説明する。
ビルディングコントローラ13-1は、所定の制御プログラムに基づいて制御内容に応じた伝送信号を生成し、生成した伝送信号を第2伝送路17-1を介してリモートステーション装置14-1のPoE対応伝送装置22Aに伝送する。
【0045】
これにより、PoE対応伝送装置22Aは、第2伝送路17-1を介して伝送された伝送信号をPoEスプリッタ23A及び入出力装置21に並行して伝送する。
PoEスプリッタ23Aは、給電機器(PSE)として受電機器(PD)として機能するインタフェースユニット群25を介して、インタフェース電力PS5として信号線群18-1に供給する。
【0046】
入出力装置21は、駆動電力PS4により駆動され、PoE対応伝送装置22Aにより伝送された伝送信号から伝送データを抽出し、伝送データを解析する。
そして、入出力装置21は、伝送データの解析結果に基づいて、インタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットに対して、ビルディングコントローラ13-1からの入力データ(制御データ、設定データ等)を伝送する。
【0047】
そして、ビルディングコントローラ13-1からの入力データは、信号線群18-1を介して現場機器15Xに伝送される。
現場機器15Xは、伝送された入力データにもとづいて、制御あるいは設定がなされ、必要に応じて制御状態に対応する伝送データを信号線群18-1及びインタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットを介して入出力装置21に出力データを出力する。
【0048】
入出力装置21は、インタフェースユニット群25を構成しているインタフェースユニット43-1~43-5からの出力データ(計測データ、応答データ等)をPoE対応伝送装置22A及び第2伝送路17-1を介して、ビルディングコントローラ13-1に対し、伝送データを送出する。
【0049】
伝送データを受信したビルディングコントローラ13-1は、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)に対し、出力データ(計測データ、応答データ等)を第1伝送路16を介して伝送する。
【0050】
この結果、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)は、受信した伝送データに基づく制御状態を制御プログラムに入力するとともに、制御状態をオペレータに通知する。
【0051】
これらの結果、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)は、取得した制御状態及びオペレータの指示に基づいて、新たな伝送データを生成して制御を継続することとなる。
これらの結果、リモート監視システム10は、現場機器群15を構成している現場機器15Xを所望の制御状態とする。
【0052】
以上の説明のように、第2実施形態によっても、リモートステーション装置の小型化、軽量化を図り、リモートステーション装置の配線の引き回しを容易とするとともに、設置(配置)の自由度を向上させることが可能となり、ひいては、リモート監視システム10の構築を容易とすることができる。
【0053】
[3]第3実施形態
図6は、第3実施形態のリモートステーション装置の概要構成ブロック図である。
以下の説明においても、上記各実施形態と同様に、
図6においては、リモートステーション装置14-1を例として説明する。
図6において、
図2と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0054】
リモートステーション装置14-1は、入出力装置21と、PoE対応伝送装置22と、PoEスプリッタ23Bと、インタフェースユニット群25と、を備えている。
上記構成において、PoE対応伝送装置22及びPoEスプリッタ23Bは、伝送ユニット42Bを構成している。
【0055】
入出力装置21は、現場機器群15を構成するとともに、当該リモートステーション装置14-1に対応する現場機器15Xに信号線群18-1を介して、制御信号等を出力し、あるいは、現場機器15Xから信号線群18-1を介して検出信号、応答データ等が入力される。
【0056】
PoE対応伝送装置22は、ビルディングコントローラ13-1の伝送信号として供給された電力を駆動電力として、スイッチングハブとして機能する。
そして、PoE対応伝送装置22は、上位機器であるビルディングコントローラ13-1に第2伝送路17-1を介して接続され、ビルディングコントローラ13-1からの伝送信号(伝送データ)を入出力装置21に伝送し、電力をPoEスプリッタ23Bに伝送する。
【0057】
PoEスプリッタ23Bは、PoE対応伝送装置22から伝送線を介して伝送された伝送信号により供給された電力を、入出力装置21の駆動電力PS6として供給するとともに、インタフェース電力PS7として信号線群18-1に供給する。
【0058】
次に第2実施形態のリモートステーション装置の動作を説明する。
【0059】
サーバ11とオペレータワークステーション12-1~12-2とは、第1伝送路16を介して通信可能とされており、オペレータワークステーション12-1~12-2はサーバ11の制御下で、オペレータに対し、各種情報を提供するとともに、オペレータの指示に従って、ビルディングコントローラ13-1~13-3を制御する。
【0060】
以下においては、主としてリモートステーション装置14-1に対応するビルディングコントローラ13-1の系統の動作を説明する。
ビルディングコントローラ13-1は、所定の制御プログラムに基づいて制御内容に応じた伝送信号を生成し、生成した伝送信号を第2伝送路17-1を介してリモートステーション装置14-1のPoE対応伝送装置22Aに伝送する。
【0061】
これにより、PoE対応伝送装置22は、第2伝送路17-1を介して伝送された伝送信号をPoEスプリッタ23B及び入出力装置21に並行して伝送する。
【0062】
PoEスプリッタ23Bは、給電機器(PSE)として第1の受電機器(PD)として機能する入出力装置21の駆動電力PS6を供給する。さらにPoEスプリッタ23Bは、給電機器(PSE)として第2の受電機器(PD)として機能するインタフェースユニット群25を介して、インタフェース電力PS5として信号線群18-1に供給する。
【0063】
入出力装置21は、駆動電力PS6により駆動され、PoE対応伝送装置22により伝送された伝送信号から伝送データを抽出し、伝送データを解析する。
そして、入出力装置21は、伝送データの解析結果に基づいて、インタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットに対して、ビルディングコントローラ13-1からの入力データ(制御データ、設定データ等)をそれぞれ伝送する。
【0064】
インタフェースユニット群25は、駆動電力PS7により駆動され、インタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットは、ビルディングコントローラ13-1からの入力データを信号線群18-1を介して現場機器15Xに伝送する。
【0065】
現場機器15Xは、伝送された入力データにもとづいて、制御あるいは設定がなされ、必要に応じて制御状態に対応する伝送データを信号線群18-1及びインタフェースユニット群25を構成している対応するインタフェースユニットを介して入出力装置21に出力データを出力する。
【0066】
入出力装置21は、インタフェースユニット群25を構成しているインタフェースユニット43-1~43-5からの出力データ(計測データ、応答データ等)をPoE対応伝送装置22及び第2伝送路17-1を介して、ビルディングコントローラ13-1に対し、伝送データを送出する。
【0067】
伝送データを受信したビルディングコントローラ13-1は、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)に対し、出力データ(計測データ、応答データ等)を第1伝送路16を介して伝送する。
【0068】
この結果、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)は、受信した伝送データに基づく制御状態を制御プログラムに入力するとともに、制御状態をオペレータに通知する。
【0069】
これらの結果、制御元のオペレータワークステーション12-1(あるいはオペレータワークステーション12-2)は、取得した制御状態及びオペレータの指示に基づいて、新たな伝送データを生成して制御を継続することとなる。
これらの結果、リモート監視システム10は、現場機器群15を構成している現場機器15Xを所望の制御状態とする。
【0070】
以上の説明のように、第3実施形態によれば、電源配線の引き回しが必要なく、リモートステーション装置の小型化、軽量化を図ることができ、伝送路の設置(ネットワークケーブルの設置)がなされれば良いので、リモートステーション装置の配線の引き回しが容易となり、設置(配置)の自由度を向上させることが可能となる。ひいては、リモート監視システム10の構築を容易とすることができる。
【0071】
以上の説明においては、伝送装置として、PoE対応伝送装置を用い、スプリッタとしてPoEスプリッタを用いる場合について説明したが、PoE規格(含むPoE+規格お及びPoE++規格)対応の装置に限ることなく、通信ケーブルを介して電力及びデータを伝送可能な規格に対応した伝送装置及びスプリッタを用いたリモートステーション装置、ひいては、リモート監視システムに適用することが可能である。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
10 リモート監視システム
11 サーバ
12 オペレータワークステーション
13 ビルディングコントローラ
14 リモートステーション装置
15 現場機器群
15X 現場機器
16 第1伝送路
17 第2伝送路
18 信号線群
21 入出力装置
22、22A PoE対応伝送装置
23、23A、23B PoEスプリッタ
24 電力変換器
25 インタフェースユニット群
31 蓋
32 蓋付き筐体
33 換気口
34 通線口
41 電源ユニット
42、42A、42B 伝送ユニット
43 インタフェースユニット
44 1配線用ダクト
44 第1配線用ダクト
45 第2配線用ダクト