(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025068738
(43)【公開日】2025-04-30
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20250422BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20250422BHJP
【FI】
B41J2/165 101
B41J2/17 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178708
(22)【出願日】2023-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 瑞歩
(72)【発明者】
【氏名】荒木 良亮
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EA16
2C056FA13
2C056JA01
2C056JA18
2C056JA21
2C056JB18
(57)【要約】
【課題】キャップ内の吸収体に液体を適切に供給すること。
【解決手段】記録装置は、記録ヘッドをキャップするキャップと、キャップ内に設けられた吸収体と、吸収体の底面と接触し、かつ、キャップ内の底面と離間し、第一連通路を有する流路形成部材と、キャップ内に液体を供給する供給口と、を有する。第一連通路を通る液体の流量は、供給口を通る液体の流量より小さい。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドをキャップするキャップと、
前記キャップ内に設けられた吸収体と、
前記吸収体の底面と接触し、かつ、前記キャップ内の底面と離間し、第一連通路を有する流路形成部材と、
前記キャップ内に液体を供給する供給口と、
を有し、
前記第一連通路を通る液体の流量は、前記供給口を通る液体の流量より小さいことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記流路形成部材は複数の前記第一連通路を有し、
全ての前記第一連通路に液体が充填されるまでの間、前記第一連通路を通る液体の流量は、前記供給口を通る液体の流量より小さいことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第一連通路を通る液体の圧力損失は、前記キャップと前記流路形成部材との間に形成されている空間を広がる液体の圧力損失よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記キャップ内から液体を排出する排出口と、
前記キャップ内に設けられ、前記キャップと前記流路形成部材との間の空間を分ける隔壁と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記流路形成部材は、前記第一連通路とは異なる第二連通路を備え、
前記隔壁は、前記供給口および前記第一連通路に接続されている空間と、前記排出口および前記第二連通路に接続されている空間と、に前記キャップと前記流路形成部材との間の空間を分けることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第二連通路は、前記キャップの長手方向において複数設けられていることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記第二連通路は、前記キャップの長手方向における前記複数の第二連通路の間の距離が均等になるように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記隔壁は、前記キャップの長手方向に延在していることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項9】
前記隔壁と前記流路形成部材とが、同一の部材であることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項10】
前記隔壁と前記キャップとが、同一の部材であることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項11】
前記液体は、前記キャップの外部から前記供給口を通って前記キャップ内に供給され、その後、前記第一連通路を通って前記吸収体に供給されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項12】
前記供給口は、前記キャップの底面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項13】
前記供給口は、前記キャップの長手方向における中央部において前記キャップと接続していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項14】
前記第一連通路は、前記キャップの長手方向において複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項15】
前記吸収体は、前記キャップの長手方向において複数設けられており、前記第一連通路は、前記複数の吸収体に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項16】
前記第一連通路は、前記キャップの長手方向の両端に設けられていることを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
【請求項17】
前記第一連通路は、前記キャップの長手方向において、前記複数の第一連通路の間の距離が均等になるように設けられていることを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
【請求項18】
前記キャップと前記流路形成部材とが、同一の部材であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャップへ洗浄液を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
記録ヘッドを用いた記録装置では、吐出口内のインクの水分蒸発によりインクが増粘したり、インクの目詰まり等が発生したりして、安定してインクを吐出することができないことがある。インクを安定して吐出するため、非記録中に記録ヘッドの吐出口面をキャッピングして、インクの増粘を抑えるキャップ機構が用いられている。また、記録とは別にインクの吐出をキャップ機構に行うことで吐出口付近の増粘したインクを除去したり、キャップした状態で吐出口を吸引することで、強制的に吐出口付近のインクを排出したりすることが行われている。キャップ機構には、吸収体が備えられ、吸収体にこれらの排出したインクが吸収される。ここで、吸収体に吸収されたインクの水分が蒸発すると、染料などの色材成分が吸収体に析出し、この析出物によってインクの吸収機能が損なわれてしまう。
【0003】
特許文献1には、キャップ内の吸収体を洗浄する技術が開示されている。特許文献1では、キャップ外部と連通している供給流路から洗浄液をキャップ内に供給して吸収体を洗浄し、吸収体内部の液体を吸引口から排出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗浄液をキャップに供給する構成の場合、キャップが傾いてしまうと洗浄液が適切に吸収体に供給されない虞がある。即ち、洗浄液を供給しても、高さの低い側の排出口に向かって洗浄液が流れてしまい、高い側の吸収体まで洗浄液を供給できない場合がある。
【0006】
本開示は、キャップ内の吸収体に液体を適切に供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る記録装置は、記録ヘッドをキャップするキャップと、前記キャップ内に設けられた吸収体と、前記吸収体の底面と接触し、かつ、前記キャップ内の底面と離間し、第一連通路を有する流路形成部材と、前記キャップ内に液体を供給する供給口と、を有し、前記第一連通路を通る液体の流量は、前記供給口を通る液体の流量より小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、キャップ内の吸収体に液体を適切に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】記録装置の概略構成の一例を示す模式図である。
【
図4】記録ヘッドおよびキャップ機構を含む構成の全体を示す模式図である。
【
図8】空間が形成されることを説明する模式図である。
【
図9】外部からキャップ機構内に洗浄液が流入する例を説明する図である。
【
図10】供給された洗浄液が排出される例を説明する図である。
【
図11】キャップ機構の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また以下の実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。尚、同一の構成要素には同一の参照番号を付す。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等は、あくまで例示であり、この開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
なお、以下の実施形態の説明において、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、広くシート上に画像、模様、およびパターン等を形成する場合も含まれる。また、以下の実施形態ではシート(記録媒体)としてカット紙を想定しているが、ロールシート、布、またはプラスチック・フィルム等であってもよい。さらに、「インク」とは、広く解釈されるべきもので、シート上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはシートの加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。
【0012】
<<第1実施形態>>
<記録装置の全体構成>
以下、図面を参照しながら、本実施形態における記録装置100の全体構成を説明する。尚、各図において、矢印XおよびYは、互いに直交する水平方向を示し、矢印Zは上下方向を示す。X方向は、全体として、記録装置100内を記録媒体であるシートSが搬送される搬送方向であり、特に、記録部2300においてシートSが搬送される搬送方向に対応する。また、
図1において、装置上方を上方、右から左を装置長手方向、シート搬送方向に直交する紙面手前から奥をシート幅方向と定義し、紙面手前側を装置正面側とし、紙面奥側を装置背面側とする。
【0013】
図1は、記録装置100の概略構成の一例を示す模式図である。記録装置100は、反応液とインクとの二つの種別の液体を用いてシートSにインク像を形成し、記録物を製造する、枚葉式の記録装置である。本実施形態の記録装置100は、給紙モジュール1000、プリントモジュール2000、乾燥モジュール3000、定着モジュール4000、冷却モジュール5000、反転モジュール6000、および排紙積載モジュール7000を有する。給紙モジュール1000から供給されるカット紙状のシートSは、搬送経路に沿って搬送され、各モジュールで処理がなされ、排紙積載モジュール7000に排出される。
【0014】
給紙モジュール1000には、シートSを収容する収納庫1100a~cが3つ配置されている。収納庫1100a~cは、装置正面側(紙面手前側)へそれぞれ引き出し可能な構成である。シートSは、各収納庫1100a~cにおいて分離ベルトおよび搬送ローラにより1枚ずつ給送され、プリントモジュール2000へ搬送される。なお、収納庫1100a~cは3つであることに限定されず、1つもしくは2つ、あるいは4つ以上を有する構成でもよい。
【0015】
プリントモジュール2000は、作像前レジ補正部(図示しない)、プリントベルトユニット2200、記録部2300、およびメンテナンスユニット17を有する。給紙モジュール1000から搬送されたシートSは、作像前レジ補正部により用紙の傾きおよび位置が補正され、プリントベルトユニット2200へ搬送される。シートSの搬送経路に対して、プリントベルトユニット2200に対向する位置に、記録部2300が配置されている。記録部2300は、搬送されるシートSに対して上方から記録ヘッド10(
図2参照)により、シートS上に記録処理(印刷処理)を行ない、画像を形成する。シートSは、プリントベルトユニット2200により吸着搬送されることにより、記録ヘッド10とのクリアランスが確保される。また、記録ヘッド10は、搬送方向(X方向)に沿って複数並べられている。
【0016】
本実施形態の記録部2300は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の4色に加えて、P(反応液)に対応した計5つのライン型の記録ヘッド10を有する。なお、色数および記録ヘッドの数は、5つに限定されない。インクジェット方式としては、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、またはMEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、不図示のインクタンクからそれぞれインクチューブを介して記録ヘッド10に供給される。
【0017】
記録部2300で記録されたシートSは、プリントベルトユニット2200により搬送される。記録部2300の搬送方向下流側に配置されたインラインスキャナ(図示しない)により、シートSに形成された画像のズレおよび色濃度を検出して、印刷画像を補正させることができる。
【0018】
乾燥モジュール3000は、デカップリング部3200、乾燥ベルトユニット3300、および温風吹付部3400を有する。乾燥モジュール3000は、記録部2300においてシートS上に付与されたインクに含まれる液体成分を減少させ、シートSとインクとの定着性を高めるユニットである。プリントモジュール2000の記録部2300において記録されたシートSは、乾燥モジュール3000内に配置されたデカップリング部3200に搬送される。デカップリング部3200では、上方から風圧とベルトの摩擦とにより、シートSを搬送することができ、ベルト上のシートSを弱く保持して搬送することで、インク像を形成するプリントベルトユニット2200上のシートSのズレを防ぐ。デカップリング部3200から搬送されたシートSは、乾燥ベルトユニット3300にて吸着搬送されると同時に、ベルト上方に配置された温風吹付部3400から熱風が付与される。これにより、シートSのインク付与面の乾燥が行われる。なお、乾燥方式は、熱風を付与する方式の他に、電磁波(紫外線または赤外線など)をシートS表面に照射する方式、または、発熱体の接触による伝導伝熱方式を組み合わせてもよい。
【0019】
定着モジュール4000は、定着ベルトユニット4100を有する。定着ベルトユニット4100は、上ベルトユニットと下ベルトユニットとを有する。乾燥モジュール3000から搬送されたシートSを、加熱した上ベルトユニットと下ベルトユニットとの間を通過させることで、インクをシートSに定着させることができる。
【0020】
冷却モジュール5000は、冷却部5001を複数有する。冷却部5001は、定着モジュール4000から搬送された高温のシートSを冷却する。冷却部5001は、外気をファンで冷却ボックス内に取り込んで、冷却ボックス内の圧力を高め、搬送ガイドに形成されたノズルから噴き出す風をシートSに当てることにより、シートSを冷却する。冷却部5001は、搬送経路に対し両側に配置され、シートSを両面から冷却することができる。また、冷却モジュール5000内には搬送経路切換え部を有し、シートSを反転モジュール6000に搬送する場合と、両面印刷時に使用する両面搬送経路に搬送する場合とに応じて、シートSの搬送経路を切り換えることができる。両面印刷時、シートSは、冷却モジュール5000の下方の搬送経路に搬送され、定着モジュール4000、乾燥モジュール3000、プリントモジュール2000、および給紙モジュール1000の両面搬送経路に沿って更に搬送される。プリントモジュール2000においては、シートSは、両面搬送パス2500に沿って搬送される。そして、再度、プリントモジュール2000の作像前レジ補正部、プリントベルトユニット2200、および記録部2300へ搬送され、記録部において記録が行われる。定着モジュール4000の両面搬送部には、シートSの表裏を反転させる反転部1(4200)が設けられている。
【0021】
反転モジュール6000は、反転部2(6400)を有し、反転部2(6400)を用いて、搬送されるシートSの表裏を反転させることができ、排紙されるシートSの表裏向きを自由に変更することができる。
【0022】
排紙積載モジュール7000は、トップトレイ7200と積載部7500とを有し、反転モジュール6000から搬送されたシートSを整列積載する。
【0023】
メンテナンスユニット17は、記録ヘッドの吐出性能を回復する機構を備えたユニットである。そのような機構としては、例えば、記録ヘッド10のインク吐出面を保護するキャップ機構、インク吐出面をワイピングするワイパ機構、およびインク吐出面から記録ヘッド内のインクを負圧吸引する吸引機構を挙げることが出来る。また、メンテナンスユニット17には、不図示の駆動機構とレールとが備えられている。そして、メンテナンスユニット17は、レールに沿って水平方向に往復移動可能となっており、記録ヘッド10のメンテナンスの際に記録ヘッド直下に移動し、メンテナンスを行わない時は記録ヘッド直下から退避した位置に移動する。メンテナンスユニット17は、キャップ機構を含むキャップトレイ18と、ワイパ機構および吸引機構を含むクリーニングトレイ19とを有する。キャップトレイ18およびクリーニングトレイ19は、不図示の駆動機構およびレールにより、それぞれ独立して、水平方向に往復移動が可能に構成されている。尚、キャップ機構によって記録ヘッド10がキャップされる場合、キャップトレイ18のみが移動してもよいし、クリーニングトレイ19を含むメンテナンスユニット17全体が移動してもよい。
【0024】
尚、
図1に示す記録装置100においては、シートSはカット紙である例を示しているが、連続紙(ロール紙)を搭載する構成でもよく、シートSはロール紙であってもよい。また、記録装置100は、
図1に示す構成でなくてもよく、記録ヘッド10をキャップするような形態の記録装置であれば、任意の記録装置を用いることができる。
【0025】
<記録ヘッドの構成>
図2は、記録ヘッド10の斜視図である。
図2に示すように、記録ヘッド10にはインクを吐出するノズルを複数備えたノズルプレート11が、記録ヘッド長手方向(シート幅方向、Y方向)に整列配置されている。記録ヘッド10の両端には、位置決め部221が備えられている。具体的には、ヘッド長手方向手前側(-Y方向側)に、円錐形状の斜面を備えた凹部によって構成されている第一当接部221aが備えられている。また、ヘッド長手方向奥側(+Y方向側)に、V字形状の二つの平面を備えた溝部によって構成されている第二当接部221bおよび平面部によって構成されている第三当接部221cが備えられている。
【0026】
<メンテナンスユニットの構成>
図3は、キャップトレイ18の構成を示す斜視図である。以下、
図3を参照しながら、メンテナンスユニット17の構成を説明する。
【0027】
本実施形態では、メンテナンスユニット17は、キャップ機構20が配置されたキャップトレイ18と、クリーニング機構(不図示)が配置されたクリーニングトレイ19と、を含んでいる。キャップトレイ18およびクリーニングトレイ19は、不図示の駆動モータと筐体に設けられたレールとにより、装置長手方向(X方向)に移動可能な構成となっている。尚、本実施形態では、記録ヘッド10が計5つ設けられている構成であるため、キャップ機構20およびクリーニング機構(不図示)は、記録ヘッド10に対応して、それぞれ計5つ設けられている。
【0028】
図3に示すように、キャップトレイ18内の各キャップ機構20は、記録ヘッド10の位置決めを行うための球体状の対記録ヘッド位置決め部材182を複数備えている。対記録ヘッド位置決め部材182は、キャップ機構20において、シート幅方向(Y方向)前後にそれぞれ配置されている。1つの記録ヘッド10をキャップ機構20に対し位置決めするために用いられる対記録ヘッド位置決め部材182は、3つであり、キャップ機構20の手前側(-Y方向側)に1つ、奥側(+Y方向側)に2つ配置されている。記録ヘッド10とキャップ機構20とは、前述の記録ヘッド10の両端に備えられた位置決め部221が、キャップ機構20の対記録ヘッド位置決め部材182と当接して位置決めされる。キャップ機構20は、記録ヘッド10と位置決めされることで記録ヘッド10のノズルプレート11を保護したり、後述する負圧吸引機構によって負圧吸引を行ったりすることができる。
【0029】
<記録ヘッドおよびキャップの全体構成>
図4は、本実施形態における記録ヘッド10およびキャップ機構20を含む構成の全体を示す模式図である。記録ヘッド10は、吐出口が形成されたノズルプレート11を有している。ノズルプレート11には、複数の吐出口が配されている。また、各吐出口に対応して、液体を吐出するための記録素子が設けられている。本実施形態において吐出口は、記録媒体の幅方向(Y方向)に複数並んで設けられている。
図4において、吐出口は紙面奥側(Y方向)に向かって配列されている。Y方向を吐出口配列方向ともいう。また、複数の吐出口が、吐出口配列方向と交差(直交)する方向(X方向)に配されている。このように、記録ヘッド10は、Y方向を長手方向とする形態である。このため、記録ヘッド10をキャップするキャップ機構20の長手方向も、記録ヘッド10と同様にY方向となる。以下、Y方向のことをキャップ長手方向といい、Y方向と交差(直交)するX方向のことをキャップ短手方向ともいう。
【0030】
キャップ機構20は、吸収体21、キャップ機構20内に空間を形成する第一部材22、流路を形成する第二部材23、および、供給側と排出側とを区画する隔壁24を有する。第一部材22には、第一供給口25および第一排出口28が設けられている。第二部材23には、第二供給口26および第二排出口27が設けられている。キャップ機構20の各構成の詳細は後述する。第一供給口25を第一連通路といい、第一排出口28を第二連通路ともいう。第二部材23を流路形成部材ともいう。
【0031】
洗浄液タンク30は、キャップ機構内に供給する液体である洗浄液を貯留する。供給ポンプ31は、洗浄液タンク30に貯留されている洗浄液を、供給流路51を介してキャップ機構20の第一供給口25へ供給する。供給弁32は、供給ポンプ31を駆動する場合に開き、供給ポンプ31を駆動しない場合、閉じるように構成されている。供給流路51に設けられた3方向ジョイント52は、キャップ機構20の第一供給口25と洗浄液タンク30とを連通させたり、第一供給口25と大気連通路54を連通させることでキャップ機構内を大気連通させたりすることを選択的に行うことが可能である。
【0032】
廃液タンク40は、キャップ機構20から排出された液体(洗浄液およびインクを含む)を貯留する。3方向ジョイント52が第一供給口25と大気連通路54とを連通させ、大気弁53を開くことによってキャップ内を大気開放した状態において排出ポンプ41を駆動することで、キャップ機構20から液体が吸引される。このように、排出ポンプ41は、負圧吸引機構である。吸引された液体は、吸収体21から第二排出口27、第一排出口28、および排出流路61を経て、廃液タンク40に排出される。
【0033】
洗浄液を用いたキャップ機構20の洗浄の制御を説明する。まず、3方向ジョイント52が洗浄液タンク30とキャップ機構20の第一供給口25とを連通させた状態において、供給弁32を開き、供給ポンプ31を駆動する。これにより、洗浄液タンク30から洗浄液がキャップ機構20内に圧送される。本実施形態では、洗浄液が吸収体21から溢れないように、洗浄液タンク30から供給される洗浄液の量が制御される。例えば、供給ポンプ31を決められた所定時間駆動することで、供給する洗浄液の量を制御する。所定量の洗浄液を供給すると、供給ポンプ31の駆動を停止させ、供給弁32を閉じる。その後、3方向ジョイント52が第一供給口25と大気連通路54とを連通させた状態に切り替えて、大気弁53を開けることで第一供給口25を大気開放する。そして、排出ポンプ41を駆動することで、キャップ機構20内の液体が廃液タンク40へ排出される。このように、本実施形態では、洗浄液の供給制御を行い、次いで、洗浄液の排出制御が行われる。即ち、供給制御と排出制御とが交互に行われる。しかしながら、この例に限られず、供給制御と排出制御とが同時に行われてもよい。尚、各種のポンプの駆動、弁の開閉、および3方向ジョイント52の切り替えは、不図示の制御部によって行われる。
【0034】
本実施形態の記録ヘッド10に用いられるインクは、固着しやすい性質を有する。このため、吸収体21に吸収されたインクもまた、固着しやすい状態である。そこで、本実施形態では、洗浄液を用いて吸収体21を洗浄することが行われる。尚、洗浄液は、吸収体21を洗浄する以外にも、キャップ機構20内の内壁、空間、および流路なども洗浄する役割を持つ。
【0035】
図5は、キャップ機構20を説明する図である。
図5(a)は、キャップ機構20の斜視図であり、記録ヘッド10のノズルプレート11と対向する位置に吸収体21が設けられている。吸収体21は、発泡ウレタン、焼結体、または繊維網等の多孔質体によって構成されている。本実施形態では、複数の吸収体21が、区画されたエリアにそれぞれ設けられている。本実施形態では、キャップ長手方向(Y方向)に複数の吸収体21が配されている。吸収体21は、液体を保持しており、これによりキャップ機構20の内部を高湿度に維持し、記録ヘッド10内のインクの水分の蒸発を抑えることで、インクの増粘を最小限に抑えている。吸収体21に保持される液体は、記録ヘッド10から排出されたインクおよび洗浄液である。
【0036】
図5(b)は、キャップ機構20内の第二部材23を取り出した斜視図である。第二部材23は、各吸収体21が収容される区画を形成している。各区画には、第二供給口26と第二排出口27とが、それぞれ設けられている。本実施形態では、各区画に1つの第二供給口26と2つの第二排出口27とが設けられている。第二供給口26は、キャップ機構20の長手方向の両端に設けられている。また、第二供給口26は、キャップ機構20の長手方向において、複数の第二供給口26の間の距離が均等になるように設けられている。
【0037】
図5(c)は、キャップ機構20内の第一部材22を取り出した斜視図である。第一部材22において、キャップ長手方向の略中央部分に第一供給口25が設けられている。また、キャップ機構20には、複数の第一排出口28が設けられている。第一排出口28は、キャップ長手方向に並んで複数設けられている。第一部材22には、隔壁24が設けられている。隔壁24は、第一部材22を、洗浄液の供給側と洗浄液の排出側とに区画するための壁である。隔壁24は、キャップ短手方向において洗浄液の供給側と洗浄液の排出側とを区画しており、キャップ長手方向に延在している。
【0038】
図6および
図7は、キャップ機構20を説明する断面図である。
図6は、キャップ短手方向における断面図である。
図7は、キャップ長手方向における断面図であり、供給側の断面図である。
図6および
図7に示すように、第二部材23は、吸収体21の底面(下面)と接触している部材である。第一部材22および第二部材23の間には、空間29が形成されている。供給流路51を介して第一供給口25に供給された液体は、空間29内を通り、各第二供給口26に流れる。本実施形態において、第二供給口26を通る洗浄液の流量は、第二部材23に設けられた全ての第二供給口26に洗浄液が充填されるまでの間、第一供給口25(供給流路51)を通る洗浄液の流量よりも小さい。例えば、本実施形態において、第二供給口26を通る洗浄液の圧力損失は、第一部材22および第二部材23の間に形成されている空間29を広がる洗浄液の圧力損失よりも大きい。このような構成によれば、キャップ機構20が傾いたとしても、高い位置の吸収体21まで、全ての吸収体21全体に洗浄液を充填することが可能である。
【0039】
また、
図6に示すように、隔壁24によって、空間29は、洗浄液の供給側の空間と洗浄液の排出側の空間とに区画されている。隔壁24は、キャップ機構20内においてキャップ長手方向に延在するように設けられている。
【0040】
図8は、本実施形態における空間29が形成されることを説明する模式図である。尚、簡略化のため、供給側の構成を模式的に示している。
図8に示すように、第一部材22によって空間29が形成されている。空間29を閉鎖するように、第一部材22の上(記録ヘッド10側)に、第二供給口26が形成されている第二部材23が配される。そして、第二部材23の上面と吸収体21の下面とが接触するように、吸収体21が第二部材23上に配される。
【0041】
図9は、キャップ機構20の外部からキャップ機構内に洗浄液が流入する例を説明する図である。
図9(a)に示すように、第一部材22におけるキャップ長手方向の略中央に設けられている第一供給口25から洗浄液が流入する。洗浄液は、第一部材22と第二部材23との間の空間29を通り、各第二供給口26から吸収体21に流出する。
【0042】
図10は、供給された洗浄液が排出される例を説明する図である。
図10(a)は、第一部材22および第二部材23を抜粋した図である。
図10(b)は、短手方向から見たキャップ機構20の断面図である。
図10(a)及び
図10(b)に示すように、各区画において第二供給口26から洗浄液が吸収体21に到達する。また、排出ポンプ41を駆動することで吸収体21から液体が吸引される。即ち、吸収体21を洗浄した洗浄液および吸収体21に吸収されているインクを含む液体が、第二排出口27を通過し、排出側の空間29を通り、第一排出口28から排出流路61を経て、廃液タンク40に排出される。
【0043】
図11は、上記で説明したキャップ機構20の構成を模式的に示す図である。
図11(a)は、キャップ長手方向における断面図である。
図11(b)は、キャップ短手方向における断面図である。
図12は、本実施形態の効果を説明する図である。
【0044】
図11に示すように、キャップ機構20は、第一供給口25と第一排出口28と隔壁24とを有し、空間29を形成する第一部材22を有する。また、キャップ機構20は、第二供給口26および第二排出口27を備えた第二部材23を有する。第二部材23は、吸収体21の底面に接触している。そして、全ての第二供給口26に液体が充填されるまでの間、第二供給口26を通る洗浄液の流量は、第一供給口25(供給流路51)を通る洗浄液の流量よりも小さくなるように構成されている。このため、
図12に示すように、キャップ機構20が傾いた状態において上方に位置する吸収体21に対しても適切に洗浄液を供給することができる。反対に、全ての第二供給口26に液体が充填されるまでの間、第二供給口26を通る洗浄液の流量が、第一供給口25を通る洗浄液の流量以上の場合、下側の第二供給口26から充填された洗浄液は、吸収体21を介してキャップ機構20の外側へ出てしまう。第二部材23の下面は、第一部材22の内側底面と離間している。これにより、空間29が形成されている。尚、
図5(c)では、第一部材22は、キャップ機構20の外縁の枠体とは別部材である例を説明したが、
図11に示すように、第一部材22がキャップ機構20の枠体と同一部材であってもよい。
【0045】
図12(a)に示すように、第一供給口25から流入した洗浄液は、傾いた状態における重力方向の下側の第二供給口26から、対応する吸収体21に流出する。一方で、全ての第二供給口26に液体が充填されるまでの間、第二供給口26を通る洗浄液の流量は、第一供給口25を通る洗浄液の流量よりも小さいため、傾いている空間29内において、洗浄液が重力方向の上方に向けて貯留されていく。即ち、傾きによって下側に位置する第二供給口26を通過し切らない洗浄液が上側に位置する第二供給口26まで到達し、上側の第二供給口26においても順次洗浄液が通過していく。最終的に、
図12(b)に示すように、キャップ機構20が傾いている状態であっても、全ての第二供給口26に洗浄液が流出され、適切に吸収体21に洗浄液を供給することができる。なお、全ての第二供給口26に液体が充填された後は、第二供給口26を通る洗浄液の流量は、第一供給口25を通る洗浄液の流量と等しくなる。
【0046】
図13は、キャップ機構20内の圧力損失を説明する図である。
図13においてΔP
1は、第二供給口26から液体が流出する際の流路圧力損失[Pa]である。ΔP
2は、貯蔵空間(空間29)を液体が広がる際の流路圧力損失[Pa]である。ΔP
3は、キャップ機構20の傾きによって生じた高低差による圧力損失[Pa]である。式1に、これらの関係を示す。
ΔP
1>ΔP
2+ΔP
3 (式1)
【0047】
このように、第二供給口26を通る洗浄液の圧力損失は、第一部材22および第二部材23の間に形成されている空間29を広がる洗浄液の圧力損失よりも大きい。尚、ΔP1は、以下の式2により求まる。ΔP2は、以下の式3により求まる。ΔP3は、以下の式4により求まる。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
尚、以下に各変数を示す。
【0052】
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、キャップ機構20内の吸収体21に洗浄液を適切に供給することができる。前述したように、本実施形態においては、全ての第二供給口26に液体が充填されるまでの間、第二供給口26を通る洗浄液の流量は、第一供給口25(供給流路51)を通る洗浄液の流量よりも小さい。例えば、本実施形態において、第二供給口26を通る洗浄液の圧力損失は、第一部材22および第二部材23の間に形成されている空間29を広がる洗浄液の圧力損失よりも大きい。このような構成によれば、キャップ機構20が傾いたとしても、高い位置の吸収体21まで、吸収体21全体に洗浄液を適切に充填することが可能である。
【0054】
尚、上述した例では、第二供給口26を通る洗浄液の流量は、第一供給口25(供給流路51)を通る洗浄液の流量よりも小さく、かつ、隔壁24が設けられている例を説明したが、この限りではない。隔壁24が設けられていない形態であってもよい。
【0055】
また、上述した例では、第一部材22および第二部材23が別部材である例を説明したが、第一部材22および第二部材23が同一部材であってもよい。また、上述した例では、第一部材22が隔壁24を備える例を説明したが、第二部材23が隔壁24を備えていてもよい。隔壁24が、第一部材22および第二部材23とは別部材で構成されていてもよい。
【0056】
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、第二部材23が第二供給口26および第二排出口27を有し、第二供給口26に流出する流量が、第一供給口25を通る洗浄液の流量よりも小さい例として、第二供給口26の圧力損失が大きい例を説明した。ここで第一部材22から吸収体21に供給される洗浄液の流量が第一供給口25を通る洗浄液の流量よりも小さければ、必ずしも第二供給口26を有する第二部材23を用いなくてもよい。
【0057】
図14は、本実施形態におけるキャップ機構20を説明する図である。本実施形態では、第二部材23の代わりに、第三部材1003が設けられている。第三部材1003も、第二部材23と同様に、吸収体21の下面に接触する。また、第三部材1003は、第一部材22の内側底面に接しておらず、第三部材1003と第一部材22との間に、空間(貯蔵空間)が形成されている。
【0058】
第三部材1003は、多孔質の部材によって構成されている。このため、第1実施形態で説明した第二供給口26と同様に圧力損失が大きく、第一部材22から吸収体21に供給される洗浄液の流量が第一供給口25を通る洗浄液の流量よりも小さくなる。このため、キャップ機構20が傾いていたとしても、キャップ機構20内の吸収体21に、適切に洗浄液を供給することができる。
【0059】
<<その他の実施形態>>
上述した各実施形態においては、一つの第一供給口25が、キャップ長尺方向において中央部に設けられる例を説明した。このような構成により、洗浄液をキャップ機構20全体の吸収体21に効率的に供給することができる。しかしながら、この例に限られず、第一供給口25が複数設けられていてもよい。この場合、複数の第一供給口25は、キャップ機構20全体に効率的に洗浄液を供給できるように配置されていることが好ましい。尚、複数の第一供給口25が設けられている場合、それらの複数の第一供給口25を流れる流量の総量が、第二供給口26を通る流量の総量よりも大きいように構成されていればよい。また、第一供給口25は、キャップ機構20の底面に設けられていなくてもよく、キャップ機構20の側面、または、キャップ機構20の側面および底面の角部に設けられていてもよい。複数の第一供給口25を有する場合にも、第一供給口25は、キャップ機構20の底面、側面、または角部のいずれかに設けられていればよく、例えば底面および側面にそれぞれ設けられていてもよい。
【0060】
また、上述した各実施形態において、隔壁24は、キャップ機構20内においてキャップ長手方向に延在するように設けられている例を説明したが、この例に限られない。キャップ機構20内の空間29を、供給側と排出側とに分けるように構成されていればよい。例えば、キャップ長手方向において供給側と排出側とを分けるように構成されている場合には、キャップ短手方向に延在するように隔壁24が設けられていてもよい。また、上述した各実施形態においては、記録ヘッド10およびキャップ機構20が長手方向を有する例を説明したが、略正方形状の長手方向を有していない形態であってもよい。
【0061】
また、第1実施形態にて説明した例においては、隔壁24は、第一部材22と第二部材23とを接続し、供給側と排出側とを完全に区画している例を説明したが、この例に限られない。第二部材23と隔壁24との間は、圧力損失の関係で空間29内を供給側から排出側に洗浄液が移動しない程度の隙間が形成されていてもよい。
【0062】
また、上述した各実施形態においては、吸収体21は、キャップ長手方向に複数設けられ、第二供給口26は、複数の吸収体21に対応してそれぞれ設けられている例を説明したが、この例に限られない。例えば、1つの吸収体21がキャップ長手方向に渡って設けられていてもよい。
【0063】
また、上述した各実施形態においては、キャップ内に洗浄液を供給する例を説明したが、供給される液体は洗浄液に限られない。即ち、洗浄用途ではない液体を用いてもよい。
【0064】
本実施形態の開示は、以下の記録装置例に代表される構成を含むものである。
【0065】
<構成1>
記録ヘッドをキャップするキャップと、
前記キャップ内に設けられた吸収体と、
前記吸収体の底面と接触し、かつ、前記キャップ内の底面と離間し、第一連通路を有する流路形成部材と、
前記キャップ内に液体を供給する供給口と、
を有し、
前記第一連通路を通る液体の流量は、前記供給口を通る液体の流量より小さいことを特徴とする記録装置。
【0066】
<構成2>
前記流路形成部材は複数の前記第一連通路を有し、
全ての前記第一連通路に液体が充填されるまでの間、前記第一連通路を通る液体の流量は、前記供給口を通る液体の流量より小さいことを特徴とする構成1に記載の記録装置。
【0067】
<構成3>
前記第一連通路を通る液体の圧力損失は、前記キャップと前記流路形成部材との間に形成されている空間を広がる液体の圧力損失よりも大きいことを特徴とする構成2に記載の記録装置。
【0068】
<構成4>
前記キャップ内から液体を排出する排出口と、
前記キャップ内に設けられ、前記キャップと前記流路形成部材との間の空間を分ける隔壁と、
をさらに有することを特徴とする構成2または3に記載の記録装置。
【0069】
<構成5>
前記流路形成部材は、前記第一連通路とは異なる第二連通路を備え、
前記隔壁は、前記供給口および前記第一連通路に接続されている空間と、前記排出口および前記第二連通路に接続されている空間と、に前記キャップと前記流路形成部材との間の空間を分けることを特徴とする構成4に記載の記録装置。
【0070】
<構成6>
前記第二連通路は、前記キャップの長手方向において複数設けられていることを特徴とする構成5に記載の記録装置。
【0071】
<構成7>
前記第二連通路は、前記キャップの長手方向における前記複数の第二連通路の間の距離が均等になるように設けられていることを特徴とする構成6に記載の記録装置。
【0072】
<構成8>
前記隔壁は、前記キャップの長手方向に延在していることを特徴とする構成4乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
【0073】
<構成9>
前記隔壁と前記流路形成部材とが、同一の部材であることを特徴とする構成4乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
【0074】
<構成10>
前記隔壁と前記キャップとが、同一の部材であることを特徴とする構成4乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
【0075】
<構成11>
前記液体は、前記キャップの外部から前記供給口を通って前記キャップ内に供給され、その後、前記第一連通路を通って前記吸収体に供給されることを特徴とする構成1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【0076】
<構成12>
前記供給口は、前記キャップの底面に設けられていることを特徴とする構成1乃至11のいずれか1項に記載の記録装置。
【0077】
<構成13>
前記供給口は、前記キャップの長手方向における中央部において前記キャップと接続していることを特徴とする構成1乃至12のいずれか1項に記載の記録装置。
【0078】
<構成14>
前記第一連通路は、前記キャップの長手方向において複数設けられていることを特徴とする構成1乃至13のいずれか1項に記載の記録装置。
【0079】
<構成15>
前記吸収体は、前記キャップの長手方向において複数設けられており、前記第一連通路は、前記複数の吸収体に対応した位置に設けられていることを特徴とする構成1乃至14のいずれか1項に記載の記録装置。
【0080】
<構成16>
前記第一連通路は、前記キャップの長手方向の両端に設けられていることを特徴とする構成14または15に記載の記録装置。
【0081】
<構成17>
前記第一連通路は、前記キャップの長手方向において、前記複数の第一連通路の間の距離が均等になるように設けられていることを特徴とする構成14乃至16のいずれか1項に記載の記録装置。
【0082】
<構成18>
前記キャップと前記流路形成部材とが、同一の部材であることを特徴とする構成1乃至17のいずれか1項に記載の記録装置。
【符号の説明】
【0083】
10 記録ヘッド
20 キャップ機構
21 吸収体
23 第二部材
25 第一供給口
26 第二供給口