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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007272
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】機器の切替方法および機器切替装置
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20250109BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H02B3/00 E
H02J3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108553
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞野 利一
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066LA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ケーブルを介して接続された機器の切替作業の作業効率を改善する。
【解決手段】実施形態による機器の切替方法は、ケーブルを介して第1接続部と第1機器10とが接続され、ケーブルを介して第2接続部と第2機器30とが接続され、ケーブルを介して第3接続部の第2分離端子23Bと第3機器40とが接続された状態において、第2分離端子23Bから第3機器40に対し第1試験信号を送信させて、第3機器40への信号経路の導通状態を確認する試験を行い、信号経路の導通が確認された場合、複数の切替器241-244を切り替えて、第1機器10と第3機器40とを電気的に接続し、第1機器10から第3機器40へ第2試験信号を供給して第3機器40の動作を確認する試験を行い、第3機器40の動作が正常である場合に、第1分離端子21Cと第2分離端子23Cとを切替盤20から分離し、第2分離端子23Cを第1接続部に取り付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを介して機器と接続され得る第1乃至第3接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部との間および前記第1接続部と前記第3接続部との間の電気的接続状態を切り替える切替器と、を備え、前記第1接続部は前記第1接続部から分離可能であって、前記第1接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第1分離端子を備え、前記第3接続部は前記第3接続部から分離可能であって、前記第3接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第2分離端子を備えた切替盤を用いて、ケーブルを介して第1機器に接続された第2機器を第3機器に切り替える方法であって、
ケーブルを介して前記第1接続部と前記第1機器とが接続され、ケーブルを介して前記第2接続部と前記第2機器とが接続され、ケーブルを介して前記第3接続部の前記第2分離端子と前記第3機器とが接続された状態において、前記第2分離端子から前記第3機器に対し第1試験信号を送信させて、前記第3機器への信号経路の導通状態を確認する第1試験を行い、
前記第1試験により前記信号経路が導通していることが確認された場合、複数の前記切替器を切り替えて、前記第1機器と前記第3機器とを電気的に接続し、前記第1機器から前記第3機器へ第2試験信号を供給して前記第3機器の動作を確認する第2試験を行い、
前記第2試験により前記第3機器の動作が正常であることが確認された場合に、前記第1分離端子と前記第2分離端子とを前記切替盤から分離し、前記第2分離端子を前記第1接続部に取り付ける、機器の切替方法。
【請求項2】
前記切替盤に隣接して配置され、ケーブルを介して機器と接続される第3分離端子を含む第4接続部を備えた仮設盤を更に用いた機器切替方法であって、
ケーブルを介して前記第1接続部と前記第1機器とが接続され、ケーブルを介して前記第2接続部と前記第2機器とが接続され、ケーブルを介して前記第4接続部の第3分離端子と前記第3機器とが接続された状態において、前記第3分離端子から前記第3機器に対し第1試験信号を送信させて、前記第3機器への第2信号経路の導通状態を確認する前記第1試験を行い、
前記第1試験により前記第2信号経路が導通していることが確認された場合、前記第3分離端子を前記仮設盤から取り外し前記第3接続部に取り付けて前記第2試験を行い、
前記第2試験により前記第3機器の動作が正常であることが確認された場合に、前記第1分離端子と前記第3分離端子とを前記切替盤から取り外し、前記第3分離端子を前記第1接続部に取り付ける、請求項1記載の機器の切替方法。
【請求項3】
前記仮設盤と前記切替盤とは互いの境界に設けられた開口を備え、前記境界の少なくとも一部は取り外し可能であって、前記第3分離端子に接続されるケーブルは、前記開口を通じて前記切替盤の内部を介して前記第3機器に接続され、
前記仮設盤から取り外された前記第3分離端子は、前記仮設盤と前記切替盤との間の前記境界の少なくとも一部を取り外して、前記仮設盤内から前記切替盤内へ移動され、前記第3接続部に取り付けられる、請求項2記載の機器の切替方法。
【請求項4】
ケーブルを介して機器と接続され得る第1乃至第3接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部との間および前記第1接続部と前記第3接続部との間の電気的接続状態を切り替える切替器と、を備え、前記第3接続部は前記第3接続部から分離可能であって、前記第3接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第2分離端子を備えた切替盤を用いて、第1機器から分離可能であってケーブルを介して機器と接続される第4分離端子に接続された第2機器を第3機器に切り替える方法であって、
ケーブルを介して前記第1接続部と前記第1機器の第4分離端子とが接続され、ケーブルを介して前記第2接続部と前記第2機器とが接続され、ケーブルを介して前記第3接続部の第2分離端子と前記第3機器とが接続された状態において、前記第2分離端子から前記第3機器に対し第1試験信号を送信させて、前記第3機器への信号経路の導通状態を確認する第1試験を行い、
前記第1試験により前記信号経路が導通していることが確認された場合、複数の前記切替器を切り替えて、前記第1機器と前記第3機器とを電気的に接続し、前記第1機器から前記第3機器へ第2試験信号を供給して前記第3機器の動作を確認する第2試験を行い、
前記第2試験の結果により前記第3機器の動作が正常であると判断された場合に、前記第2分離端子を前記切替盤から分離し、前記第4分離端子を前記第1機器から分離し、前記第2分離端子を前記第1機器に取り付ける、機器の切替方法。
【請求項5】
ケーブルを介して機器と接続され得る第1乃至第3接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部との間および前記第1接続部と前記第3接続部との間の電気的接続状態を切り替える切替器と、を備え、前記第1接続部は前記第1接続部から分離可能であって、前記第1接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第1分離端子を備え、前記第3接続部は前記第3接続部から分離可能であって、前記第3接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第2分離端子を備えた切替盤と、
前記切替器を切り替える切替制御部と、ケーブルを介して前記第1接続部と第1機器とが接続され、ケーブルを介して前記第2接続部と第2機器とが接続され、ケーブルを介して前記第3接続部の前記第2分離端子と第3機器とが接続された状態において、前記第2分離端子から前記第3機器に対し第1試験信号を送信させて、前記第3機器への信号経路の導通状態を確認する第1試験を行う第1試験部と、前記第1試験により前記信号経路が導通していることが確認された場合、複数の前記切替器を切り替えて、前記第1機器と前記第3機器とを電気的に接続し、前記第1機器から前記第3機器へ第2試験信号を供給して前記第3機器の動作を確認する第2試験を行う第2試験部と、を含む試験装置と、を備えた機器の切替装置。
【請求項6】
前記切替盤に隣接して配置され、ケーブルを介して機器と接続される第3分離端子を含む第4接続部を備えた仮設盤を備え、
前記第1試験部は、ケーブルを介して前記第1接続部と前記第1機器とが接続され、ケーブルを介して前記第2接続部と前記第2機器とが接続され、ケーブルを介して前記第4接続部の前記第3分離端子と前記第3機器とが接続された状態において、前記第3分離端子から前記第3機器に対し第1試験信号を送信させて、前記第3機器への第2信号経路の導通状態を確認する前記第1試験を行い、
前記第2試験部は、前記第1試験により前記第2信号経路が導通していることが確認された場合、前記第3分離端子を前記仮設盤から取り外し前記第3接続部に取り付けて前記第2試験を行う、請求項5記載の機器切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、機器の切替方法および機器切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば変電所において、ケーブルにより配電盤に接続された既設機器を新設機器に切り替える場合、動作環境において予め新設機器の健全性の試験を行う必要がある。しかしながら、既設機器が動作している時間帯(例えば昼間)に既設機器を停止させて新設機器の試験を行うことが出来ず、新設機器の試験は限られた時間帯(例えば夜間の数時間)に行う必要があった。配電盤と機器との間を接続するケーブルの数が多くなると、試験のために配電盤に接続されるケーブルの取り外しや取り付けを行うだけでも長時間を要するため、新設機器の健全性を確認する試験のために何日も要する場合があった。
【0003】
従来、第1機器と第2機器との間に切替盤を設置して、切替盤により第1機器に接続される機器を第2機器と第3機器とで切替えることにより、第3機器の試験を行う工程が提案されている。切替盤を用いると、切替盤に設けられた切替器により第1機器に電気的に接続される機器を切り替えることが出来るため、第1機器に接続されるケーブルを第2機器から第3機器へ付け替える作業を軽減することが可能となり、試験を行う作業員の負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-92545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、端子に接続されたケーブルを端子から外して他の端子に取り付けるときには、端子に接続されたケーブルを外し、ケーブルを芯線にばらして他の端子に接続させる作業が必要となる。この作業は個々のケーブルに対し行う必要があり、ケーブルの本数が多くなるほど時間を要する作業となる。
【0006】
本発明の実施形態は上記事情を鑑みて成されたものであって、ケーブルを介して接続された機器の切替作業の作業効率を改善する機器の切替方法および機器切替装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態による機器の切替方法は、ケーブルを介して機器と接続され得る第1乃至第3接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部との間および前記第1接続部と前記第3接続部との間の電気的接続状態を切り替える切替器と、を備え、前記第1接続部は前記第1接続部から分離可能であって、前記第1接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第1分離端子を備え、前記第3接続部は前記第3接続部から分離可能であって、前記第3接続部に取り付けられた状態で前記切替器およびケーブルと電気的に接続される第2分離端子を備えた切替盤を用いて、ケーブルを介して第1機器に接続された第2機器を第3機器に切り替える方法であって、ケーブルを介して前記第1接続部と前記第1機器とが接続され、ケーブルを介して前記2接続部と前記第2機器とが接続され、ケーブルを介して前記第3接続部の前記第2分離端子と前記第3機器とが接続された状態において、前記第2分離端子から前記第3機器に対し第1試験信号を送信させて、前記第3機器に接続されたケーブルの導通状態を確認する第1試験を行い、前記第3機器から所定の信号が取得された場合、複数の前記切替器を切り替えて、ケーブルおよび前記切替盤を介して、前記第1機器と前記第3機器とを電気的に接続し、前記第1機器から前記第3機器へ前記第3機器に所定の動作をさせる第2試験信号を供給して前記第3機器の動作を確認する第2試験を行い、前記第2試験の結果により前記第3機器の動作が正常であると判断された場合に、前記第1分離端子と前記第2分離端子とを前記切替盤から分離し、前記第2分離端子を前記第1接続部に取り付ける方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図2図2は、第1実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図4図4は、第1実施形態の機器の切替方法に用いる試験装置の一構成例を概略的に示す図である。
図5図5は、第2実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図6図6は、第2実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図7図7は、第2実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図8図8は、第3実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
図9図9は、第3実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の機器の切替方法および機器切替装置について、図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、第1実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。本実施形態の機器切替装置は切替盤20と試験装置50とを備え、機器の切替方法は切替盤20と試験装置50とを用いて第2機器30を第3機器40に切り替える方法である。
【0010】
先ず、本実施形態の機器の切替方法を適用する前において、配電盤(第1機器)10と既設機器(第2機器)30とは複数のケーブルを介して電気的に接続されている状態である。なお、以下では、配電盤10および既設機器30が変電所に設置されている例について説明する。本実施形態の機器の切替方法が適用される工程はこの例に限定されるものではなく、複数のケーブルにより接続された2つの機器の一方(第2機器)を新設機器に切り替えるときに、切替盤を用いて新設機器の健全性の試験を行う作業工程に適用可能である。
【0011】
配電盤10は、電力系統から供給された電力を低圧に変圧して、既設機器30に対して変圧後の電力を供給する。配電盤10は、第1端子台10Aと、第2端子台10Bと、を備えている。第1端子台10Aと第2端子台10Bとは、夫々、配電盤10に固定された複数の固定端子を備えている。
【0012】
第1端子台10Aの複数の固定端子には、配電盤10内の複数の配線が電気的に接続されている。また、第1端子台10Aの複数の固定端子の各々は、配電盤10において、対応する第2端子台10Bの複数の固定端子と電気的に接続されている。第2端子台10Bの複数の固定端子には複数のケーブルの一端が電気的に接続されている。すなわち、第2端子台10Bは、複数のケーブルを介して外部機器と接続され得る。
【0013】
既設機器30は、第3端子台30Aと、第4端子台30Bと、を備えている。第3端子台30Aと第4端子台30Bとは、夫々、既設機器30に固定された複数の固定端子を備えている。
【0014】
第3端子台30Aの複数の固定端子には、一端が配電盤10の第2端子台10Bに接続された複数のケーブルの他端が電気的に接続されている。
第4端子台30Bの複数の固定端子には、既設機器30内の複数の配線が電気的に接続されている。また、第4端子台30Bの複数の固定端子の各々は、既設機器30において、対応する第3端子台30Aの複数の固定端子と電気的に接続されている。
【0015】
新設機器40は、第11端子台40Aと第12端子台40Bと、を備えている。第11端子台40Aと第12端子台40Bとは、夫々、新設機器40に固定された複数の固定端子を備えている。
第11端子台40Aの複数の固定端子には、新設機器40内の複数の配線が電気的に接続されている。また、第11端子台40Aの複数の固定端子の各々は、新設機器40において、対応する第12端子台40Bの複数の固定端子と電気的に接続されている。
【0016】
既設機器30を新設機器40に切り替える際には、第12端子台40Bの複数の固定端子には、切替盤20の複数の分離端子23Cに接続された複数のケーブルの他端が電気的に接続される。
切替盤20は、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部と、切替部24と、切替器241-244と、を備えている。第1接続部は、第5端子台21Aと、第6端子台21Bとを含む。第2接続部は、第7端子台22Aと、第8端子台22Bとを含む。第3接続部は、第9端子台23Aと、第10端子台23Bとを含む。また、切替盤20は、後述する試験装置50からの制御信号に基づいて、新設機器40の試験用の信号を新設機器40へ出力する機能を有している。
【0017】
第5端子台21Aは切替盤20に固定された複数の固定端子を備えている。第6端子台21Bには、切替盤20から分離可能な複数の分離端子(第1分離端子)21Cが取り付けられている。複数の分離端子21Cは一体に構成されていてもよく、個々の端子を個別に切替盤20から分離可能に構成されていてもよい。
【0018】
第6端子台21Bに複数の分離端子21Cが取り付けられた状態において、第5端子台21Aの複数の固定端子は、夫々、対応する複数の分離端子21Cと電気的に接続されている。また、複数の分離端子21Cの各々は、第6端子台21Bに取り付けられた状態において、切替盤20内の配線を介して、切替器241-244各々の入力端241A-244Aと電気的に接続されている。
【0019】
なお、図1乃至図3に示す例では、説明のための切替盤20には4つの切替器241-244を示しているが、切替盤20は端子台21A-23Bに含まれる複数の端子の数と同数の切替器を備え得る。
【0020】
第7端子台22Aと第8端子台22Bとは、夫々、切替盤20に固定された複数の固定端子を備えている。第7端子台22Aの複数の固定端子の各々は、切替盤20内の配線を介して、切替盤20の切替器241-244各々の第1出力端241B-244Bと電気的に接続されている。また、第7端子台22Aの複数の固定端子は、夫々、対応する第8端子台22Bの複数の固定端子と電気的に接続されている。第8端子台22Bの複数の固定端子は、夫々、ケーブルを介して既設機器30の第3端子台30Aの複数の固定端子と電気的に接続されている。すなわち、配電盤10から供給される電力は、第1端子台10A、第2端子台10B、複数のケーブル、切替盤20、第3端子台30A、および、第4端子台30Bを介して、既設機器30内の配線に供給され得る。
【0021】
第9端子台23Aは切替盤20に固定された複数の固定端子を備えている。また、第9端子台23Aの複数の固定端子の各々は、切替盤20内の配線を介して、切替器241-244の第2出力端241C-244Cと電気的に接続されている。
【0022】
第10端子台23Bには、切替盤20から分離可能な複数の分離端子(第2分離端子)23Cが取り付けられている。複数の分離端子23Cは一体に構成されていてもよく、個々の端子を個別に切替盤20から分離可能に構成されていてもよい。
【0023】
第10端子台23Bに複数の分離端子23Cが取り付けられた状態において、第9端子台23Aの複数の固定端子は、夫々、第10端子台23Bを介して対応する複数の分離端子23Cと電気的に接続されている。複数の分離端子23Cには、新設機器40の第11端子台40Aに接続された複数のケーブルの一端が電気的に接続されている。すなわち、配電盤10から供給される電力は、第1端子台10A、第2端子台10B、複数のケーブル、切替盤20、第11端子台40A、および、第12端子台40Bを介して、新設機器40内の配線に供給され得る。
【0024】
切替部24は、切替器241-244の接続状態を一斉に切り替える機能を有する。例えば、切替部24のスイッチを第1出力端24C側にすると切替器241-244の入力端241A-244Aと第1出力端24Bとが電気的に接続され、切替部24のスイッチを第2出力端24C側にすると切替器241-244の入力端241A-244Aと第2出力端241C-244Cとが電気的に接続される。切替部24のスイッチは、手動で切り替えることも可能であり、試験装置50からの切替信号により切り替えることも可能である。
【0025】
新設機器40の試験を行う前は、図1に示すように切替部24のスイッチは第1出力端24B側に配置され、切替器241-244の入力端241A-244Aは第1出力端241B-244Bと電気的に接続された状態である。すなわち、配電盤10の第1端子台10Aは、ケーブルおよび切替盤20を介して既設機器30の第3端子台30Aと電気的に接続されている。
【0026】
図4は、第1実施形態の機器の切替方法に用いる試験装置の一構成例を概略的に示す図である。
試験装置50は、プロセッサと、プロセッサにより実行されるプログラムが記録された記憶部と、を備えた演算装置であって、ソフトウエアにより若しくはソフトウエアとハードウエアとの組み合わせにより種々の機能を実現することができる。
【0027】
試験装置50は、制御部51と、記憶部52と、出力部53と、入力部54と、通信部55と、を備えている。
入力部54は、例えばマウスやキーボードやタッチパネルなどの操作手段に接続され、ユーザの操作による入力情報を取得することができる。また、入力部54は、マイクなどの音声入力手段に接続され、入力された音声入力情報を取得することができる。入力部54は、取得した入力情報を記憶部52に記録する。
【0028】
出力部53は、試験装置50に接続された機器に対し種々の情報を出力する。出力部53は、例えばディスプレイ等の表示手段や、スピーカ等の音声出力手段を出力手段として含んでいてもよい。出力部53は、視覚的に認識される情報や聴覚的に認識される情報を出力手段に出力する。
【0029】
通信部55は、インターネットやイーサネット(登録商標)等のネットワークを介して、他の機器と通信可能に構成されている。通信部55は、外部機器から取得した情報を記憶部52に記録するとともに、記憶部52から読み出された情報を外部機器へ送信することができる。
【0030】
記憶部52は、例えば、主記憶部と、補助記憶部とを備えている。主記憶部は、例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)を含み得る。ROMは、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリであり、後述する制御部51が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶することができる。また、RAMは、後述する制御部が各種の処理を行う上で一時的にデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用され得る。本実施形態の主記憶部は、例えばRAMであって、メモリとして用いられる。
【0031】
補助記憶部は、制御部を中枢とするコンピュータの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。補助記憶部は、例えば、EEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶部は、後述する制御部51により実行されるプログラム、制御部51が各種の処理を行う上で使用するデータ、制御部51での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存することができる。補助記憶部は、各種情報を記憶するメモリであり、例えば、新設機器40の試験結果のデータや、試験に用いる種々のパラメータ等を記憶している。また、記憶部52は、試験装置50に外付けされたメモリやHDD等を含んでいてもよい。
【0032】
制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムを実行することにより、切替盤20を使用した新設機器40の健全性試験を行う。制御部51は、切替制御部511と、第1試験部512と、第2試験部513と、を備えている。
【0033】
切替制御部511は、切替盤20の切替器241-244の入力端241A-244Aと出力端241B-244B、241C-244Cとの電気的接続状態を切り替える。切替制御部511は、切替器241-244の接続状態を個々に切り替え可能であり、切替器241-244の接続状態を一斉に切り替えることも可能である。
【0034】
切替制御部511は、新設機器40の健全性試験を行う際には、例えば図2に示すように切替器241-244を切り替えて入力端241A-244Aと第2出力端241C-244Cとを電気的に接続させ、ケーブルおよび切替盤20を介して、配電盤10の第2端子台10Bと新設機器40の第5端子台40Aとの間を電気的に接続することができる。
【0035】
第1試験部512は、新設機器40の健全性試験に際し、新設機器40と配電盤10との間の端子やケーブルの導通状態を確認するための試験(第1試験)を行う。第1試験において、第1試験部512は、配電盤10および切替盤20に対し、新設機器40へ試験用の信号(第1試験信号)を送信させる制御信号を出力する。例えば配電盤10から新設機器40へ供給される試験用の信号(電力)は、導通チェックの試験用の電力信号であってもよく、新設機器40が実際に動作する際の信号と異なっていてもよい。
また、第1試験部512は、切替盤20の第10端子第23Bから新設機器40の第11端子台40Aへケーブルを介して、試験用の信号を供給させることにより、新設機器40と切替盤20との間のケーブル等の信号経路の導通チェックを行ってもよい。
【0036】
第1試験部512は、例えば、新設機器40の第11端子台40A、第12端子台40Bおよび、新設機器40内の配線に供給された試験用の信号を新設機器40から取得し、取得した信号に基づいて配電盤10から新設機器40までの経路が導通しているか否か判断することができる。
【0037】
なお、第1試験部512は、新設機器40と切替盤20との複数のケーブル全てについて一斉に導通チェックを行う必要はなく、例えば切替制御部511により切替器241-244を切り替えることで所定数のケーブル毎に試験用の信号を供給させて、ケーブル毎に導通チェックを行ってもよい。
【0038】
第2試験部513は、新設機器40の健全性試験に際し、上記第1試験によりケーブル等の新設機器40への信号経路の導通が確認された後に、新設機器40が備える種々の機能の動作試験(第2試験)を行う。第2試験は、新設機器40が正常に動作することを確認するための試験である。第2試験は、例えば、新設機器40を運転させたまま、既設機器30への信号の一部または全てを止めることにより行われる。このとき、第2試験部513は、切替器241-244により動作試験のための信号(第2試験信号)が入力されるケーブルを切り替えて、新設機器40の複数の動作の一部ごとに試験を行うことができる。第2試験は、新設機器40と切替盤20との間の複数のケーブルに入力される信号に基づく複数の動作ごとに行われてもよい。第2試験において、新設機器40に問題が生じた場合に、問題の箇所の特定が容易になる。
【0039】
第2試験において、新設機器40は通常の運転時におけるいくつかの機能が制限された試験モードとして運転しており、試験用の信号入力に対し動作試験の結果のレポートを出力することが可能である。第2試験部513は、例えば新設機器40から出力されるレポートに基づいて、新設機器40が正常に動作しているか否かを判断することが可能である。また、第2試験部513は、第2試験において新設機器40を通常通り運転させて、新設機器40の出力信号に基づいて、新設機器40が正常に動作しているか否かを判断してもよい。
【0040】
次に、切替盤20および試験装置50を用いて、ケーブルを介して配電盤(第1機器)10に接続された既設機器(第2機器)30を新設機器(第3機器)40に切り替える工程の一例について説明する。以下に説明する工程は、既設機器30の運転中に行うことが出来ないため、既設機器30を停止できる時間帯において行われる。
【0041】
まず、新設機器40の試験を行うために、配電盤10と既設機器30との間のケーブルを取り外して、配電盤10と既設機器30とを切替盤20を介して接続させる。このとき、配電盤10と既設機器30との間の複数のケーブルの配電盤10側の端を第2端子台10Bの複数の固定端子から一本ずつ離線して、切替盤20の第8端子台22Bの複数の固定端子それぞれに接続させる。配電盤10の第2端子台10Bの複数の固定端子には、一端が切替盤20の第5端子台21Aの複数の固定端子と電気的に接続したケーブルの他端端を一本ずつ接続する。
【0042】
続いて、新設機器40と切替盤20とをケーブルを介して電気的に接続する。すなわち、新設機器40の第12端子台40Bの複数の固定端子に、切替盤20の複数の分離端子23Cに接続された複数のケーブルの他端を一本ずつ接続する。なお、端子からケーブルを取り外す工程や端子にケーブルを取り付ける工程は、作業員により行われてもよく、機器切替装置により行われてもよい。
【0043】
試験装置50は、上記のように、切替盤20に、配電盤10、既設機器30および新設機器40が接続された状態で、新設機器40の健全性を確認する試験を行う。
まず、第1試験において、切替制御部511により切替器241-244が切り替えられ、新設機器40の第11端子台40Aが、ケーブルおよび切替盤20を介して配電盤10の第2端子台10Bと電気的に接続される。なお、切替制御部511は、切替器241-244を順次切り替えて、複数のケーブルの各々について第1試験を行うようにしてもい。
【0044】
第1試験部512は、配電盤10および切替盤20を制御して、切替器241-244により配電盤10から新設機器40の間で電気的に接続されたケーブルに対し、導通試験用の信号を出力させる。第1試験部512は、新設機器40から所定の試験用信号が取得できた場合に、試験対象のケーブル等の信号経路が導通しているものと判断する。
切替制御部511による試験対象のケーブル等の切替と第1試験部512による第1試験とを繰り返し行い、全てのケーブル等の信号経路について第1試験が行われる。
【0045】
第1試験において導通していない信号経路があった場合には、第1試験部512は、例えば、出力部53の表示手段や音声出力手段により、導通していないと判断された信号経路を作業員に提示する。第1試験において全ての信号経路が導通していると判断されると、第2試験が行われる。
【0046】
まず、第2試験において、切替制御部511により切替器241-244が切り替えられ、新設機器40の第11端子台40Aが、ケーブルおよび切替盤20を介して配電盤10の第2端子台10Bと電気的に接続される。なお、切替制御部511は、切替器241-244を順次切り替えて、複数のケーブルの各々について第1試験を行うようにしてもい。
【0047】
第2試験部513は、配電盤10および切替盤20を制御して、切替器241-244により配電盤10から新設機器40の間で電気的に接続されたケーブルに対し、動作試験用の信号を出力させる。このとき、新設機器40は、例えば実際の運転時におけるいくつかの機能が制限された試験モードとして運転していてもよい。第2試験部513は、例えば、新設機器40から取得される出力信号や、試験結果のレポートを取得することにより、新設機器40の動作が正常であるか否かを判断することができる。
【0048】
切替制御部511による試験対象のケーブル等の切替と第2試験部513による第2試験とを繰り返し行い、全てのケーブルに入力される信号による動作について第2試験が行われる。
第2試験において正常に動作しない機能があった場合には、第2試験部513は、例えば、出力部53の表示手段や音声出力手段により、正常でないと判断された動作を作業員に提示する。第2試験において新設機器40の全ての機能が正常に動作していると判断されると、新設機器40の健全性の試験が終了する。
【0049】
上記のように、本実施形態の機器の切替方法および機器切替装置によれば、切替盤20により配電盤10と接続される機器を切替ることができるため、新設機器40の健全性試験を例えば数日間の所定の時間帯で行う場合であっても、各日の試験のためにケーブルの接続位置を都度変更することなく試験を進めることができる。
【0050】
新設機器40の健全性試験が終了し、新設機器40の動作に問題がないことが確認された後、複数の分離端子21Cが第6端子台21Bから取り外され、複数の分離端子23Cが第10端子台23Bから取り外される。このとき、複数の分離端子23Cには、新設機器40の第11端子台40Aに一端が接続されたケーブルの他端が取り付けられた状態である。その後、図3に示すように、複数の分離端子23Cが第6端子台21Bに取り付けられ、配電盤10と新設機器40とがケーブルを介して電気的に接続される。この場合は、新設機器40と配電盤10との間に切替器241-244等の構成が介在しないため、切替器241-244の故障等により新設機器40を停止させることが無くなり、新設機器40の運転時の信頼性を担保することができる。
なお、上記機器の切替方法において、分離端子の取り外しや取り付けは、作業員によって行われてもよく、機器切替装置により行われてもよい。
【0051】
上記のように配電盤10と新設機器40とを接続した後、既設機器30と切替盤20との間のケーブルを切替盤20から取り外し、既設機器30から新設機器40への取り換え作業が完了する。
なお、複数の分離端子21Cが第6端子台21Bに取り付けられ、複数の分離端子23Cが第10端子台23Bに取り付けられ、新設機器40が切替盤20の切替器241-244等の構成を介して配電盤10と接続された状態で、既設機器30を切替盤20から取り外して、既設機器30から新設機器40への取り換え作業を完了してもよい。この場合には、機器の切替方法における工程数を減らすことが可能となる。
【0052】
上記本実施形態の機器の切替方法および機器切替装置によれば、分離端子を含む切替盤20を用いることにより、機器同士を接続するケーブルの取り付け位置を変更する作業に要する時間を大幅に削減することが可能となる。この結果、機器を切り替える際に行われる健全性試験に必要な時間および人員を削減することができる。すなわち、本実施形態によれば、ケーブルを介して接続された機器の切替作業の作業効率を改善することができる。
【0053】
次に、第2実施形態の機器の切替方法および機器切替装置について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0054】
図5乃至図7は、第2実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
本実施形態の機器切替装置は、切替盤20と、試験装置50と、仮設盤60とを備え、本実施形態の機器の切替方法では、切替盤20と、試験装置50と、仮設盤60と、を使用して既設機器30を新設機器40に取り換える。
【0055】
仮設盤60は、運用中の機器(配電盤10および既設機器30)とは接続されない非運用設備であって、仮設盤60は切替盤20に隣接して設置される。仮設盤60の内部と切替盤20との内部は、原則として、互いの境界に配置された仕切り壁により個別の空間に仕切られている。仮設盤60と切替盤20との間の仕切り壁には、複数のケーブルが通る程度の貫通した開口が設けられている。仮設盤60と切替盤20との間の仕切り壁は、その少なくとも一部が取り外し可能に構成されてもよい。
【0056】
仮設盤60は、第13端子台61を含む第4接続部を備えている。第13端子台61は、複数の分離端子(第3分離端子)61Cを備えている。複数の分離端子61Cは一体に構成されていてもよく、個々の端子を個別に仮設盤60から分離可能に構成されていてもよい。仮設盤60は、試験装置50からの制御信号により、第4接続部から試験信号を出力する機能を備えていてもよい。
【0057】
複数の分離端子61Cには、一端が新設機器40の第11端子台40Aに接続された複数のケーブルの他端と接続されている。第13端子台61と第11端子台40Aとの間の複数のケーブルは、切替盤20内を介して、切替盤20と仮設盤60との間の仕切り壁の開口から仮設盤60内に挿入されている。
【0058】
試験装置50の第1試験部512は、仮設盤60と新設機器40との間での導通チェック(第1試験)を行う。第1試験部512は、仮設盤60に対し、試験用の信号を第13端子台61から第11端子台40Aへ送信するように制御信号を出力し、仮設盤60から新設機器40へケーブルを介して信号を供給させることにより、新設機器40と仮設盤60との間のケーブル等による信号経路(第2信号経路)の導通状態を確認するための試験を行う。なお、仮設盤60は、配電盤10および既設機器30とは接続されていない非運用機器であるので、既設機器30が運用されている時間帯であっても仮設盤60と新設機器40との間の導通状態の試験を行うことが可能である。
【0059】
第1試験部512による第1試験が完了し、仮設盤60と新設機器40の間のケーブル等の信号経路の導通状態に問題がないこと(導通していること)が確認されると、複数の分離端子61Cが第13端子台61から取り外され、第10端子台23Bに取り付けられる。このとき、仮設盤60と切替盤20との間の仕切り壁の一部が取り外され、一時的に仮設盤60内の空間と切替盤20内の空間とが接続された状態となり、複数の分離端子61Cが仮設盤60内から切替盤20内へ移動される。複数の分離端子61Cが第10端子台23Bに取り付けられた後に、仮設盤60と切替盤20との間の境界に設けられた仕切り壁の一部が元の位置に取り付けられ、仮設盤60と切替盤20との内部の空間が個別に仕切られた状態に戻る。
【0060】
第2試験部513は上述の第1実施形態と同様である。すなわち、第2試験部513は、新設機器40の健全性試験に際し、上記第1試験の後に、新設機器40の動作試験(第2試験)を行う。第2試験は、新設機器40が正常に動作することを確認するための試験である。第2試験は、例えば、新設機器40を運転させたまま、既設機器30への信号の一部または全てを止めることにより行われる。このとき、切替制御部511および第2試験部512は、切替器241-244により動作試験を信号が入力されるケーブルを切り替えて、新設機器40の動作の一部ごとに試験を行うことができる。第2試験は、複数のケーブルに入力される信号に基づく複数の動作ごとに行われてもよい。第2試験において、新設機器40に問題が生じた場合に、問題の箇所の特定が容易になる。
【0061】
上記のように、本実施形態の機器の切替方法および機器切替装置によれば、仮設盤60を使用して第1試験を行うことで、既設機器30が運転されている時間帯であっても新設機器40の健全性の試験の一部を進めることが可能となり、機器の切替を行う時間帯に関する制約を緩和することができる。また、切替盤20により配電盤10と接続される機器を切替ることができるため、新設機器40の健全性試験を例えば数日間の所定の時間帯で行う場合であっても、各日の試験のためにケーブルの接続位置を都度変更することなく試験を進めることができる。
【0062】
新設機器40の健全性試験が終了し、新設機器40の動作に問題がないことが確認された後、複数の分離端子21Cが第6端子台21Bから取り外され、複数の分離端子61Cが第10端子台23Bから取り外される。このとき、複数の分離端子61Cには、新設機器40の第11端子台40Aに一端が接続されたケーブルの他端が取り付けられた状態である。その後、図7に示すように、複数の分離端子61Cが第6端子台21Bに取り付けられ、配電盤10と新設機器40とがケーブルを介して電気的に接続される。この場合は、新設機器40と配電盤10との間に切替器241-244等の構成が介在しないため、切替器241-244の故障等により新設機器40を停止させることが無くなり、新設機器40の運転時の信頼性を担保することができる。
【0063】
上記のように配電盤10と新設機器40とを接続した後、既設機器30と切替盤20との間のケーブルを切替盤20から取り外し、既設機器30から新設機器40への取り換え作業が完了する。
なお、複数の分離端子21Cが第6端子台21Bに取り付けられ、複数の分離端子61Cが第10端子台23Bに取り付けられ、新設機器40が切替盤20の切替器241-244等の構成を介して配電盤10と接続された状態で、既設機器30を切替盤20から取り外して、既設機器30から新設機器40への取り換え作業を完了してもよい。この場合には、機器の切替方法における工程数を減らすことが可能となる。
【0064】
上記のように、本実施形態の機器の切替方法および機器切替装置によれば、分離端子を含む切替盤20を用いることにより、機器同士を接続するケーブルの取り付け位置を変更する作業に要する時間を大幅に削減することが可能となる。この結果、機器を切り替える際に行われる健全性試験に必要な時間および人員を削減することができる。すなわち、本実施形態によれば、ケーブルを介して接続された機器の切替作業の作業効率を改善することができる。
【0065】
次に、第3実施形態の機器の切替方法について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0066】
図8および図9は、第3実施形態の機器の切替方法および機器切替装置の一例について説明するための図である。
本実施形態では、配電盤10の第2端子台10Bが複数の分離端子(第4分離端子)10Cを備えている点と、切替盤20の第6端子台21Bが複数の固定端子を備えている点とにおいて、上述の第1実施形態と相違している。
【0067】
第2端子台10Bの複数の分離端子10Cにはケーブルの一端が取り付けられ、ケーブルを介して、切替盤20の第5端子台21Aの複数の固定端子と電気的に接続されている。複数の分離端子10Cは一体に構成されていてもよく、個々の端子を個別に仮設盤60から分離可能に構成されていてもよい。
【0068】
切替盤20の第6端子台21Bの複数の固定端子は、切替盤20内の配線を介して切替器241-244の入力端と電気的に接続されているとともに、第6端子台21Bを介して第5端子台21Aと電気的に接続されている。
【0069】
試験装置50は、上記配電盤10の複数の分離端子10Cおよび切替盤20を用いて、新設機器40の健全性の試験(第1試験および第2試験)を行う。新設機器40の健全性の試験は上述の第1実施形態と同様に行われる。本実施形態では、第2試験が完了した後に、第2端子台10Bの複数の分離端子10Cと、第10端子台23Bの複数の分離端子23Cとが取り外される。このとき、切替盤20および既設機器30は配電盤10から取り外される。その後、図9に示すように、複数の分離端子23Cが配電盤10の第2端子台10Bに取り付けられる。
【0070】
上記のように、本実施形態の機器の切替方法および機器切替装置によれば、分離端子を含む切替盤20を用いることにより、機器同士を接続するケーブルの取り付け位置を変更する作業に要する時間を大幅に削減することが可能となる。この結果、機器を切り替える際に行われる健全性試験に必要な時間および人員を削減することができる。また、本実施形態では、新設機器40の健全性の試験が終了した後に、新設機器40が配電盤10とケーブルを介して接続されるため、新設機器40の運用時に配電盤10と新設機器40との間に切替盤20が介在しない。このため、切替盤20の不具合等により新設機器40が停止することが無くなり、配電盤10および新設機器40による運用の信頼性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、ケーブルを介して接続された機器の切替作業の作業効率を改善することができる。
【0071】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
10…配電盤(第1機器)、10A…第1端子台、10B…第2端子台、10C、21C、23C、61C…分離端子、20…切替盤、21A…第5端子台、21B…第6端子台、22A…第7端子台、22B…第8端子台、23A…第9端子台、23B…第10端子台、24…切替部、24B…第1出力端、24C…第2出力端、241-244…切替器、241A-244A…入力端、241B-244B…第1出力端、241C-244C…第2出力端、30…既設機器(第2機器)、30A…第3端子台、30B…第4端子台、40…新設機器(第3機器)、40A…第11端子台、40B…第12端子台、50…試験装置、51…制御部、511…切替制御部、512…第1試験部、513…第2試験部、52…記憶部、53…出力部、54…入力部、55…通信部、60…仮設盤、61…第13端子台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9